説明

電子機器、歩数計、及びプログラム

【課題】ユーザに歩数計等でのコースを体感させることができること。
【解決手段】歩行検出部1070は、歩行を検出する。昇降判定部1072は、歩行検出部1070が検出した歩行が、高度変化を伴うものであるか否かを判定する。歩数計数部1073は、昇降判定部1072の判定結果に基づいて、高度変化を伴う歩行の歩数を計数する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、歩数計、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
歩数計には、予め入力されたデータから出発地と目的地によって決定されるコースを選択し、歩数、及び歩幅から算出される歩行距離に基づいて、コースの距離に対する現在までの歩行の度合いをグラフ表示するものが知られている(特許文献1)。また、コースの高度変化の情報である高度変化係数のデータを保持し、高度変化計数に基づいて歩行コース上の歩行距離を補正して表示する歩行シミュレーション装置が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−139964号公報
【特許文献2】特開2009−204568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、及び2に記載の技術では、例えば、歩数計等のコースが登山コースであるにもかかわらず、実際には平坦な道を歩行してもコース上を進んでしまう。つまり、従来技術では、ユーザに歩数計等でのコースを体感させることができない場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ユーザに歩数計等でのコースを体感させることができる電子機器、歩数計、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一様態は、歩行を検出する歩行検出部と、前記歩行検出部が検出した歩行が、高度変化を伴うものであるか否かを判定する昇降判定部と、前記昇降判定部の判定結果に基づいて、高度変化を伴う歩行の歩数を計数する歩数計数部と、を備えることを特徴とする電子機器である。
【0007】
(2)また、本発明の一様態は、上記の電子機器において、前記歩数計数部は、前記昇降判定部が高度変化を伴わない歩行と判定した場合に、当該歩行を、高度変化を伴わない歩行の歩数として計数することを特徴とする。
【0008】
(3)また、本発明の一様態は、上記の電子機器において、前記昇降判定部は、高度変化が予め定めた閾値より大きいときは、高度変化を伴う歩行であると判定することを特徴とする。
【0009】
(4)また、本発明の一様態は、上記の電子機器において、前記昇降判定部は、上りの歩行であるか、下りの歩行であるかを判定し、前記歩数計数部は、前記昇降判定部が上りの歩行であると判定した場合には、当該歩行を上りの歩行として、前記昇降判定部が下りの歩行であると判定した場合には、当該歩行を下りの歩行として、歩数を計数することを特徴とする。
【0010】
(5)また、本発明の一様態は、上記の電子機器において、前記歩数計数部が計数した上りの歩行の歩数、下りの歩行の歩数をそれぞれ別に表示する表示部を備えることを特徴とする。
【0011】
(6)また、本発明の一様態は、上記の電子機器において、前記歩数計数部は、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが等しいときには、当該歩行によって、歩数を計数することを特徴とする。
【0012】
(7)また、本発明の一様態は、上記の電子機器において、前記歩数計数部は、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが異なるときには、当該歩行を未加算歩行として、この歩行による歩数を計数した歩数に加えないことを特徴とする。
【0013】
(8)また、本発明の一様態は、上記の電子機器において、前記歩数計数部は、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが等しいときに、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが異なるときに歩数に加えなかった前記未加算歩行による歩数を、歩数に加えることを特徴とする。
【0014】
(9)また、本発明の一様態は、上記の電子機器を備える歩数計である。
【0015】
(10)また、本発明の一様態は、電子機器のコンピュータに、歩行検出部が検出した歩行が、高度変化を伴うものであるか否かを判定する昇降判定手順、前記昇降判定手順の判定結果に基づいて、高度変化を伴う歩行の歩数を計数する歩数計数手順、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザに歩数計等でのコースを体感させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る歩数計の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態に係る歩数計におけるRAMに記憶されるデータの一例を示した図である。
【図3】本実施形態に係る歩数計における動作の一例を示したフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る歩数計における表示の一例を示した図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る歩数計の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】本実施形態に係るコースデータの一例を示す概略図である。
【図7】本実施形態に係る歩数計における動作の一例を示したフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る歩数計における表示の一例を示した図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る歩数計の構成を示す概略ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る歩数計におけるRAMに記憶されるデータの一例を示した図である。
【図11】本実施形態に係る歩数計における別の動作の一例を示したフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る歩数計における表示の一例を示した図である。
【図13】本実施形態に係る歩数計における歩行コースと表示とメモリで記憶する未加算歩数の関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る歩数計1(電子機器)の構成を示す概略ブロック図である。図示する例では、歩数計1は、加速度センサー101、A/D変換部102、圧力センサー103、A/D変換部104、ランダムアクセスメモリ(RAM)105、読み出し専用メモリ(ROM)106、CPU(Central Processing Unit、中央演算装置)107、表示部108、時刻計測部109、入力部110、発振回路111、分周回路112、及び電池113を含んで構成される。CPU107は、歩行検出部1070、高度算出部1071、昇降判定部1072、歩数計数部1073、総消費カロリー算出部1074、歩行距離算出部1075を含んで構成される。
【0020】
加速度センサー101は、直交座標系のX成分、Y成分、Z成分について、歩数計1の加速度を検出する。加速度センサー101は、検出した各成分の加速度を示す電圧信号を生成し、生成した電圧信号をA/D変換部102に出力する。
A/D変換部102は、加速度センサー101が出力した電圧信号をデジタル信号(加速度信号という)に変換する。A/D変換部102は、変換後の加速度信号を歩行検出部1070に出力する。
圧力センサー103は、ピエゾ素子などを用いた圧力測定子を内蔵し、大気の圧力を測定する。圧力センサー103は、測定した圧力を示す電圧信号を生成し、生成した電圧信号をA/D変換部104に出力する。
A/D変換部104は、圧力センサー103が出力した電圧信号をデジタル信号(圧力信号という)に変換する。A/D変換部104は、変換後の圧力信号を高度算出部1071に出力する。
RAM105は、CPU107からデータを書き込まれ、読み出される。
ROM106は、CPU107が読み出すプログラム及びデータを記憶する。
【0021】
CPU107は、分周回路112から入力されたクロック信号に同期して演算処理を行う。CPU107は、RAM105及びROM106が記憶するプログラム及びデータに基づいて、演算処理を行う。
CPU107は、入力部110から、ユーザが入力した情報、例えば、歩数計の起動、終了、歩行コース選択等の情報を入力される。CPU107は、時刻計測部109から計測した時刻を示す時刻情報を入力される。CPU107は、入力された情報、及び、CPU107の各部が生成した情報に基づいて表示情報を生成し、生成した表示情報を表示部108に出力する。
歩行検出部1070は、A/D変換部102から入力された加速度信号に基づいて、歩行動作(一歩の歩行のことをいう)があったか否かを検出する。歩行検出部1070は、歩行動作があったと判定した場合は、歩行があったことを示す信号を昇降判定部1072に出力する。
高度算出部1071は、予めROM106に記憶された圧力と高度との関係を表す変換係数に基づいて、A/D変換部104から入力された圧力信号を高度値に変換する。高度算出部1071は、変換後の高度値を示す信号を昇降判定部1072に出力する。
【0022】
昇降判定部1072は、歩行検出部1070から歩行があったことを示す信号が入力されたとき、高度算出部1071から入力された信号が示す高度値(歩行後高度値)と、RAM105に書き込まれている高度値(歩行前高度値)とに基づき、現在の歩行が上り、平坦、下りのいずれであるかを判定する。ここで、歩行前高度値は、前回、歩行検出部1070から歩行があったことを示す信号が入力されたときに、高度算出部1071から入力された信号が示す高度値を、昇降判定部1072がRAM105に書き込みをしたものである。すなわち、昇降判定部1072は、歩行検出部1070が検出した歩行が、上り或いは下り(高度変化)を伴うものであるか、又は、平坦であるか(高度変化を伴わないものであるか)を判定する。
昇降判定部1072は、判定結果を示す信号を歩数計数部1073に出力する。また、昇降判定部1072は、高度算出部1071から入力された信号が示す高度値を、RAM105に書き込む。
【0023】
歩数計数部1073は、昇降判定部1072から入力された信号が示す判定結果に基づいて、RAM105から読み出した歩数のうち、上り、平坦、又は、下りいずれかの歩数に、「1」を加える。具体的には、歩数計数部1073は、昇降判定部1072が上りの歩行であると判定した場合は、上りの歩数(上り歩数とも称する)に「1」を加える。歩数計数部1073は、昇降判定部1072が下りの歩行であると判定した場合には、下りの歩数(下り歩数とも称する)に「1」を加える。歩数計数部1073は、昇降判定部1072が平坦の歩行であると判定した場合には、平坦の歩数(平坦歩数とも称する)に「1」を加える。
歩数計数部1073は、いずれかの歩数に加算した場合には、加算後の歩数で、RAM105に記憶された加算対象の歩数を更新する。
【0024】
総消費カロリー算出部1074は、RAM105に記憶された上り歩数、平坦歩数、下り歩数、及び、予め記憶された上り、平坦、下り毎の一歩あたり消費カロリーに基づいて、消費カロリーを算出する(式(1)参照)。なお、歩くピッチが速いか、遅いかに応じて、上り、平坦、下り毎の一歩あたり消費カロリーを変更しても良い。例えば、予め定められた時間に、歩数計測部が計測する歩数に比例して、RAM105に記憶された一歩あたり消費カロリーを変更しても良い。総消費カロリー算出部1074は、算出した消費カロリーをRAM105に書き込む。
歩行距離算出部1075は、RAM105に記憶された上り、平坦、下り毎の歩数、及び、予め記憶された上り、平坦、下り毎の一歩あたり歩幅に基づいて、歩行距離を算出する(式(2)参照)。歩行距離算出部1075は、算出した歩行距離をRAM105に書き込む。
表示部108は、入力された情報、及び、CPU107の各部が生成した情報に基づいて生成された表示情報を表示する。
【0025】
時刻計測部109は、時刻を計測し、計測した時刻を示す時刻情報をCPU107に出力する。
入力部110は、外部からの入力を受ける。例えば、ユーザは、歩数計の起動、終了、選択した歩行コース等を入力する場合に、入力部110に設けられたスイッチを用いて入力する。入力部110は、入力された情報をCPU107に出力する。
【0026】
発振回路111は、内蔵する水晶振動子等の発振子が出力する信号を取得し、取得した信号を分周回路112に出力する。
分周回路112は、発振回路111から入力された信号を予め定めた分周比に応じて分周(周波数の低減)したクロック信号を出力する。予め定められた分周比とは、分周回路112において、CPU107が動作するクロック周波数の範囲のクロック信号を出力するように定めたパラメータである。分周回路112は、発振回路111から入力した発振信号をカウンタ回路で計数し、その計数された値が分周比で設定した値に達したときに、一つのデジタルパルスをCPU107に出力する。
電池113は、歩数計の各部に電力を供給する。
【0027】
図2は、本実施形態に係る歩数計におけるRAM105に記憶されるデータの一例を示した図である。この図において、RAM105に記憶されるデータは、歩数、歩幅、一歩あたり消費カロリー(一歩歩む毎に消費するカロリー)、高度値、歩行距離、消費カロリーである。ここで、歩数、歩幅、一歩あたりカロリーは、上り、平坦、下り毎に記憶される。
【0028】
歩数は、計測開始からの歩数の和であり、上り、平坦、下り毎に計数される。歩幅(m)、及び、一歩あたりカロリー(KCal/歩)は、ユーザが入力部110を通じて入力された情報である。
高度値は、A/D変換部104から入力された圧力情報に基づいて、高度算出部1071が算出したものであり、圧力情報が示す圧力値に予め定めた係数を乗じることにより求められたものである。
消費カロリーは総消費カロリー算出部1074が以下の式(1)を用いて算出したものである。また、歩行距離は、歩行距離算出部1075が式(2)を用いて算出したものである。
【0029】
消費カロリー=上り歩数×上り一歩あたりカロリー
+平坦歩数×平坦一歩あたりカロリー
+下り歩数×下り一歩あたりカロリー ・・・ (1)
【0030】
歩行距離=上り歩数×上り歩幅
+平坦歩数×平坦歩幅
+下り歩数×下り歩幅 ・・・ (2)
【0031】
次に、本実施形態に係る歩数計1の動作の一例について説明する。
図3は、本実施形態に係る歩数計1における動作の一例を示したフローチャートである。
【0032】
(ステップS101)歩数計1は、歩数計1が動作するために必要な各種初期化を行う。具体的には、歩数計1は、発振回路111、及び分周回路112を起動する。分周回路112は、クロック信号を生成し、CPU107を起動する。その後、CPU107は、入力部110、時刻計測部109、表示部108などの初期化を行う。高度算出部1071は、A/D変換部104から入力された圧力情報に基づいて、高度値を算出し、RAM105に書き込む。CPU107は、RAM105に記憶された上り、平坦、下りの各歩数、歩行距離、高度値、及び消費カロリーに「0」を書き込む。その後、ステップS102に進む。
【0033】
(ステップS102)歩行検出部1070は、A/D変換部102が出力した加速度信号に基づき、歩行動作があったか否かを判定する。例えば、歩行検出部1070は、A/D変換部102が出力した加速度信号の大きさが予め設定した閾値を超え、その後、予め定めた期間内に予め設定した別の閾値より小さくなったときに、一歩の歩行(歩行動作)があったと判定する。歩行検出部1070は、歩行動作があったと判定した場合には、ステップS103に進む。歩行動作がなかったと判定した場合には、ステップS102に戻る。
(ステップS103)高度算出部1071は、A/D変換部104から入力された圧力情報に基づき、高度値(歩行後高度値)を算出する。昇降判定部1072は、高度算出部1071が算出した歩行後高度値を取得する。その後ステップS104に進む。
【0034】
(ステップS104)昇降判定部1072は、ステップS103で算出された歩行後高度値と、RAM105に書き込まれている歩行前高度値とに基づき、上り歩行中か否かを判定する。
具体的には、昇降判定部1072は、歩行後高度値から歩行前高度値を減じた値が予め定めた値(例えば、20cm)を超える場合には、ステップS102で判定された歩行動作の歩行が上り歩行であると判定する(Yes)。その後、ステップS106に進む。一方、昇降判定部1072は、歩行後高度値から歩行前高度値を減じた値が予め定めた値以下の場合には、ステップS102で判定された歩行動作の歩行が上り歩行でないと判定する(No)。この場合、ステップS105に進む。
【0035】
(ステップS105)昇降判定部1072は、ステップS103で算出された歩行後高度値と、RAM105に書き込まれている歩行前高度値とに基づき、下り歩行中か否かを判定する。
具体的には、昇降判定部1072は、歩行後高度値から歩行前高度値を減じた値が予め定めた値(例えば、−20cm)未満の場合は、ステップS102で判定された歩行動作の歩行が下り歩行であると判定する(Yes)。その後、ステップS107に進む。一方、昇降判定部1072は、歩行後高度値から歩行前高度値を減じた値が予め定めた値以上の場合には、ステップS102で判定された歩行動作の歩行が下り歩行でないと判定する(No)。この場合、ステップS108に進む。
【0036】
(ステップS106)歩数計数部1073は、RAM105から上り歩数を読み出し、読み出した上り歩数に「1」を加えた値を新たな上り歩数としてRAM105に書き込む。その後ステップS109に進む。
(ステップS107)歩数計数部1073は、RAM105から下り歩数を読み出し、読み出した下り歩数に「1」を加えた値を新たな下り歩数としてRAM105に書き込む。その後ステップS109に進む。
(ステップS108)歩数計数部1073は、RAM105から平坦歩数を読み出し、読み出した平坦歩数に「1」を加えた値を新たな平坦歩数としてRAM105に書き込む。その後ステップS109に進む。
なお、ステップS106、S107、S108において、昇降判定部1072は、ステップS103で取得した高度値をRAM105に書き込む。
【0037】
(ステップS109)総消費カロリー算出部1074は、RAM105から読み出した上り歩数、平坦歩数、下り歩数、及び、上り、平坦、下り各々での一歩あたりカロリーに基づいて、消費カロリーを算出する。総消費カロリー算出部1074は、算出した消費カロリーをRAM105に書き込む。
歩行距離算出部1075は、RAM105から読み出した上り歩数、平坦歩数、下り歩数、及び、上り、平坦、下り各々での歩幅に基づいて、歩行距離を算出する。歩行距離算出部1075は、算出した歩行距離をRAM105に書き込む。その後ステップS110に進む。
【0038】
(ステップS110)CPU107は、RAM105から歩行距離、歩数、上り、平坦、下りの各歩数、及び消費カロリーを読み出し、表示部108に表示する。表示の例については図4を用いて後述する。その後、ステップS111に進む。
(ステップS111)入力部110は、ユーザからの歩数計の終了の旨の入力があったか否かをCPU107に出力する。CPU107は入力部110からの入力に基づき、歩数計の動作を終了するか否かを判定する。歩数計の動作を終了すると判定したとき(Yes)は、終了処理に進む。歩数計の動作を終了しないと判定したとき(No)は、ステップS102に戻る。
【0039】
図4は、本実施形態に係る歩数計1における表示の一例を示す概略図である。図4において、歩数計1には、歩行距離、歩行数、平坦歩数、上り歩数、下り歩数、消費カロリーが表示されている。すなわち、表示部108は、平坦歩数、上り歩数、下り歩数をそれぞれ別に表示する。
【0040】
このように、本実施形態によれば、歩行検出部1070が歩行を検出する。昇降判定部1072が、歩行検出部1070の検出した歩行が、高度変化を伴うものであるか否かを判定する。歩数計数部1073が、昇降判定部1072の判定結果に基づいて、高度変化を伴う歩行の歩数を計数する。歩数計数部1073が、昇降判定部1072が高度変化を伴わない歩行と判定した場合に、当該歩行を、高度変化を伴わない歩行の歩数として計数する。ここで、歩数計数部1073は、昇降判定部1072が上りの歩行であると判定した場合には、この歩行を上りの歩行として、昇降判定部1072が下りの歩行であると判定した場合には、この歩行を下りの歩行として、歩数を計数する。
これにより、歩数計1は、ユーザに、高度変化を伴う歩行の歩数と高度変化を伴わない歩行の歩数とを知らせることができ、高度変化を伴うコースを体感させることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、歩数計は、予め定められたコース上の高度変化(上り、平坦、下り)と検出した歩行時の高度変化とが等しいときに、歩数を計数する。
【0042】
図5は、本実施形態に係る歩数計2の概略ブロック図を示す。本実施形態に係る歩数計2と第1の実施形態に係る歩数計1(図1)と、を比較すると、歩行コース選択部2076、位置判定部2077、及び、歩数計数部2073が異なる。しかし、他の構成要素の持つ機能は、第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ構成要素については説明を省略する。
【0043】
歩行コース選択部2076は、ROM106から、歩行コースの各コース名を読み出す。歩行コース選択部2076は、ROM106から読み出した歩行コースの各コース名を表示部108に出力する。ユーザはコース名を選択し、入力部110を通じて、選択した歩行コースを入力する。入力部110は、ユーザから入力された歩行コースを歩行コース選択部2076に出力する。歩行コース選択部2076は、選択された歩行コースのコースデータ(図6参照)をROM106から読み出し、読み出したコースデータをRAM105に書き込む。ここで、コースデータでは、コース名で識別される歩行コース各々についてコース情報が対応付けられている。コース情報では、区間を識別する区間番号、その区間の終了地点と歩行コースの出発地点からの距離、及び、その区間が上り、下り、平坦のいずれであるかを示す区間傾斜番号が対応けられている(図6参照)。
【0044】
位置判定部2077は、RAM105からコースデータ及び歩行距離を読み出す。位置判定部2077は、読み出したコース情報における歩行コースでの距離と、読み出した歩行距離に基づいて、ユーザが現在歩行している歩行区間を判定し、判定した区間の区間番号を決定する。具体的には、区間番号をi、区間番号iに対応する距離を距離(i)としたときに、距離(i−1)<歩行距離≦距離(i)を満たす区間番号iを決定する
位置判定部2077は、決定した区間番号に対応する区間傾斜番号に基づいて、歩行コースの傾斜を判定する。位置判定部2077は、決定した区間番号に対応する距離から歩行距離を減じた値を算出し、算出した値を目標地点までの距離として、RAM105に書き込む。
【0045】
歩数計数部2073は、昇降判定部1072から入力された信号が示す判定結果と、位置判定部2077が決定した区間番号に対応する区間傾斜番号と、に基づいて、RAM105から読み出した歩数のうち、上り、平坦、又は、下りいずれかの歩数に、「1」を加える。
具体的には、歩数計数部2073は、昇降判定部1072が上りの歩行であると判定したときに、区間傾斜番号が上りを示す場合には上り歩数に「1」を加え、区間傾斜番号が上り以外を示す場合には上り歩数に「1」を加えない。歩数計数部2073は、昇降判定部1072が下りの歩行であると判定したときに、区間傾斜番号が下りを示す場合には下り歩数に「1」を加え、区間傾斜番号が下り以外を示す場合には下り歩数に「1」を加えない。歩数計数部2073は、昇降判定部1072が平坦の歩行であると判定したときに、区間傾斜番号が平坦を示す場合には平坦歩数に「1」を加え、区間傾斜番号が平坦以外を示す場合には平坦歩数に「1」を加えない。
つまり、歩数計数部2073は、昇降判定部1072が判定した上り、平坦、又は、下りと、区間傾斜番号が示す上り、平坦、又は、下りと、が一致した場合にのみ、その歩数に「1」を加える。すなわち、歩数計数部2073は、予め定められたコース上の高度変化と歩行検出部1070が検出した歩行時の高度変化とが等しいときにのみ、この歩行によって、歩数を計数する。歩数計数部2073は、いずれかの歩数に加算した場合には、加算後の歩数で、RAM105に記憶された加算対象の歩数を更新する。
【0046】
図6は、本実施形態に係るコースデータの一例を示す概略図である。コースデータでは、コース名で識別される歩行コース各々についてコース情報が対応付けられている。コース情報では、区間番号、距離、及び、区間傾斜番号が対応けられている(図6参照)。
区間番号は1から始まる自然数であり、歩行コースの第1番目の区間を1として、歩行コースの最後の区間まで1ずつ増加する値を与えられる。距離は、コース開始地点から区間終了地点までの地図上の距離を表す。区間傾斜番号は、地図上のコースが上り、平坦、下りのいずれかを示す番号である。図6では、上りの値を1、平坦の値を0、下りの値を−1とする。地名は、各区間の終了する点の地名を表す。
【0047】
次に、本実施形態に係る歩数計2の動作の一例について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る歩数計2における動作の一例を示したフローチャートである。
【0048】
(ステップS201)歩数計2は、歩数計2が動作するために必要な各種初期化を行う。具体的には、歩数計1は、発振回路111、及び分周回路112を起動する。分周回路112は、クロック信号を生成し、CPU107を起動する。その後、CPU107は、入力部110、時刻計測部109、表示部108などの初期化を行う。CPU107は、A/D変換部104から入力された圧力情報に基づいて、高度値を算出し、RAM105に書き込む。CPU107は、上り、平坦、下りの各歩数、歩行距離、及び消費カロリーを「0」に設定する。その後、ステップS202に進む。
【0049】
(ステップS202)歩行コース選択部2076は、ROM106から、歩行コースのコース名を読み出す。歩行コース選択部2076は、ROM106から読み出した歩行コースのコース名を表示部108に出力する。ユーザは、入力部110を通じて、歩行コースを選択する。入力部110は、ユーザが選択した歩行コース名を歩行コース選択部2076に出力する。歩行コース選択部2076は、入力部110から入力された歩行コース名のコースデータをROM106から読み出す。その後ステップS203に進む。
【0050】
ステップS203〜ステップS206の各処理は、第1の実施形態(図3)におけるステップS102〜ステップS105の各処理と同様であるので、説明は省略する。ただし、ステップS205の判定が(Yes)の場合にステップS207に進み、ステップS206の判定が(Yes)の場合にステップS208に進み、及びステップS206の判定が(No)の場合にステップS209に進む。
【0051】
(ステップS207)位置判定部2077は、ROM106から読み出した歩行コースの距離と、RAM105から読み出した歩行距離に基づいて、歩行距離に対応する歩行コースの区間番号を決定する。CPU107は、位置判定部2077によって決定された区間番号に対応する区間傾斜番号に基づいて、歩行コースが上りであるか否か判定する。区間傾斜番号が「1」(上り)である場合(Yes)は、ステップS210に進む。それ以外は(No)ステップS215に進む。
(ステップS208)位置判定部2077は、ステップS207で決定した区間番号に対応する区間傾斜番号に基づいて、歩行コースが下りであるか否かを判定する。区間傾斜番号が「−1」(下り)である場合(Yes)は、ステップS211に進む。それ以外は(No)ステップS215に進む。
【0052】
(ステップS209)位置判定部2077は、ステップS207で決定した区間番号に対応する区間傾斜番号に基づいて、歩行コースが平坦であるか否かを判定する。区間傾斜番号が「0」(平坦)である場合(Yes)は、ステップS212に進む。それ以外は(No)ステップS215に進む。
ステップS210〜ステップS212の各処理は、第1の実施形態(図3)におけるステップS106〜ステップS108の各処理と同様であるので、説明は省略する。
【0053】
(ステップS213)総消費カロリー算出部1074は、RAM105から読み出した上り歩数、平坦歩数、下り歩数、及び、上り、平坦、下り各々での一歩あたりカロリーに基づいて、消費カロリーを算出する。総消費カロリー算出部1074は、算出した消費カロリーをRAM105に書き込む。
歩行距離算出部1075は、RAM105から読み出した上り歩数、平坦歩数、下り歩数、及び、上り、平坦、下り各々での歩幅に基づいて、歩行距離を算出する。歩行距離算出部1075は、算出した歩行距離をRAM105に書き込む。
位置判定部2077は、目標地点までの距離を算出し、RAM105に書き込む。その後ステップS214進む。
【0054】
(ステップS214)CPU107は、表示部108に、目標地点までの距離、歩行距離、歩行数、平坦歩数、上り歩数、下り歩数、消費カロリーを表示する。その後ステップS215に進む。
(ステップS215)入力部110は、ユーザからの歩数計の終了の旨の入力があったか否かをCPU107に出力する。CPU107は入力部110からの入力に基づき、歩数計の動作を終了するか否かを判定する。歩数計の動作を終了すると判定したとき(Yes)は、終了処理に進む。歩数計の動作を終了しないと判定したとき(No)は、ステップS203に戻る。
【0055】
図8は、本実施形態に係る歩数計2における表示の一例を示す概略図である。図8において、歩数計1には、地名、目標地点までの距離、歩行距離、歩行数、平坦歩数、上り歩数、下り歩数、消費カロリーが表示されている。
【0056】
このように、本実施形態によれば、歩数計数部2073は、予め定められたコース上の高度変化と歩行検出部1070が検出した歩行時の高度変化とが等しいときには、この歩行によって、歩数を計数する。また、歩数計数部2073は、予め定められたコース上の高度変化と歩行検出部1070が検出した歩行時の高度変化とが異なる場合には、この歩行を未加算歩行として、この歩行による歩数(未加算歩数という)を計数した歩数に加えない。
これにより、歩数計2では、ユーザに対して、コースを進行するためにコース上の高度変化と同じ高度変化の歩行を実際に行うよう促すことができ、また、高度変化の違いによる運動負荷を体感させることができる。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、歩数計は、予め定められたコース上の高度変化と歩行検出部1070が検出した歩行時の高度変化とが等しいときに、予め定められたコース上の高度変化と歩行検出部1070が検出した歩行時の高度変化とが異なるときに歩数に加えなかった未加算歩行による歩数を、歩数に加える。
【0058】
図9は、本実施形態に係る歩数計3の構成を表す概略ブロック図である。本実施形態に係る歩数計3と第2の実施形態に係る歩数計2(図5)と、を比較すると、コース昇降変化判定部3078、総歩行距離算出部3079、及び、歩数計数部3073が異なる。しかし、他の構成要素の持つ機能は、第2の実施形態と同じである。第2の実施形態と同じ構成要素については説明を省略する。
【0059】
コース昇降変化判定部3078は、RAM105から読み出したコースデータの区間番号に対応する距離を読み出す。コース昇降変化判定部3078は、歩行距離からコースの区間番号に対応する距離を減じた値(値Aと呼ぶ)が正であるか否かを判定する。値Aが正であると判定した場合は、コース昇降変化判定部3078は、新たな区間に入ったことを意味するため、区間番号を「1」増加させ、RAM105に書き込む。
コース昇降変化判定部3078は、番号「1」増加させる前と後の区間番号に対応する区間傾斜番号が異なるか否かを判定する。区間傾斜番号が異なると判定した場合には、コース昇降変化判定部3078は、コースの高度変化(上り、平坦、下り)が変化したと判定して、番号「1」増加させた後の区間番号(新区間番号という)に対応する区間傾斜番号を、RAM105に書き込む。
【0060】
総歩行距離算出部3079は、RAM105からコースの距離を読み出す。総歩行距離算出部3079は、RAM105から上り歩数、平坦歩数、下り歩数、及び、上り、平坦、下り毎の未加算歩数、歩幅に基づいて、式(3)を用いて総歩行距離を算出する。
【0061】
総歩行距離=(上り歩数+上り未加算歩数)×上り歩幅
+(平坦歩数+平坦未加算歩数)×平坦歩幅
+(下り歩数+下り未加算歩数)×下り歩幅 ・・・ (3)
【0062】
歩数計数部3073は、第2の実施形態に係る歩数計数部2073が持つ機能に加えて、次の機能を持つ。
歩数計数部3073は、昇降判定部1072が判定した上り、平坦、又は、下りと、区間傾斜番号が示す上り、平坦、又は、下りと、が一致しない場合に、昇降判定部1072が判定した上り、平坦、又は、下りの未加算歩数に「1」を加える。歩数計数部3073は、いずれかの未加算歩数に加算した場合には、加算後の歩数で、RAM105に記憶された加算対象の未加算歩数を更新する。
歩数計数部3073は、コース昇降変化判定部3078が区間傾斜番号が異なると判定した場合に、新区間番号に対応する未加算歩数を読み出し、新区間番号に対応する歩数に加算する。歩数計数部3073は、加算後に、新区間番号に対応する未加算歩数を「0」にする。
【0063】
図10は、本実施形態に係るRAM105に記憶されるデータを示す図である。本実施形態に係るRAM105に記憶されるデータは、第1の実施形態におけるRAM105に記憶されるデータ(図2)に加えて、区間番号、区間傾斜番号、及び未加算歩数の項目が新たに設けられている。図2で説明した項目については、説明を省略する。
未加算歩数は、昇降判定部1072が判定した上り、平坦、又は、下りと、区間傾斜番号が示す上り、平坦、又は、下りと、が一致しない場合に検出された歩行の歩数である。
【0064】
次に、本実施形態に係る歩数計3の動作の一例について説明する。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る歩数計3における動作の一例を示したフローチャートである。
【0065】
(ステップS301)歩数計3は、歩数計3が動作するために必要な各種初期化を行う。具体的には、歩数計3は、発振回路111、及び分周回路112を起動する。分周回路112は、クロック信号を生成し、CPU307を起動する。その後、CPU307は、入力部110、時刻計測部109、表示部108などの初期化を行う。CPU307は、A/D変換部104から入力された圧力情報に基づいて、高度値を算出し、RAM105に書き込む。CPU307は、上り、平坦、下りの各歩数、未加算歩数、歩行距離、実傾斜番号及び総消費カロリーに「0」を代入する。CPU307は、区間番号に「1」を代入する。その後、ステップ302に進む。
ステップS302〜ステップS312の各処理は、第2の実施形態(図7)におけるステップS202〜ステップS212の各処理と同様であるので、説明は省略する。
【0066】
(ステップS313)歩数計数部3073は、RAM105から上り未加算歩数を読み出す。歩数計数部3073は、読み出した上り未加算歩数に「1」を加える。CPUはRAM105に上り未加算歩数を書き込む。
(ステップS314)歩数計数部3073は、RAM105から下り未加算歩数を読み出す。歩数計数部3073は、読み出した下り未加算歩数に1を加える。CPUはRAM105に下り未加算歩数を書き込む。
(ステップS315)歩数計数部3073は、RAM105から平坦未加算歩数を読み出す。歩数計数部3073は、読み出した平坦未加算歩数に1を加える。CPUはRAM105に平坦未加算歩数を書き込む。
【0067】
(ステップS316)コース昇降変化判定部3078は、コースの高度変化(上り、平坦、下り)が変化したか否かを判定する。コースの高度変化が変化したと判定した場合は、ステップS317に進む。コースの高度変化が変化しなかったと判定した場合は、ステップS319に進む。
(ステップS317)歩数計数部3073は、新区間番号に対応する未加算歩数を読み出す。その後、ステップS318に進む。
(ステップS318)歩数計数部3073は、新区間番号に対応する未加算歩数を0にする。その後ステップS319に進む。
【0068】
ステップS319、ステップS320の各処理は、第2の実施形態(図7)におけるステップS213、ステップS214の各処理と同様であるので、説明は省略する。
【0069】
(ステップS321)総歩行距離算出部3079は、RAM105から上り、平坦、下りの各歩数、各歩幅を読み出し、総歩行距離を算出する。その後、ステップS322に進む。
(ステップS322)CPU307は、RAM105から、コースの最後の区間の距離を読み出す。CPU307は、総歩行距離算出部3079から出力された総歩行距離とコースの距離を比較し、総歩行距離がコースの最後の区間の距離の、例えば95%を越える場合、CPU307は、総歩行距離がコースの距離に近いと判定する。総歩行距離がコースの距離に近いと判断した場合(Yes)はステップS323に進む。総歩行距離がコースの距離に近くないと判断した場合(No)は、ステップS324に進む。
(ステップS323)CPU307は、ステップS322で読み出したコースの最後の区間の距離から、総歩行距離を減じ、その値に基づいて、表示部108で表示される表示内容を、コース終点までの距離を含む表示に変更する。
(ステップS324)CPU307は、入力部110から、歩数計の終了の信号の入力があったか否かを判定する。歩数計の終了の信号の入力があったと判定した場合は、終了処理へ進む。歩数計の終了の信号の入力がなかったと判定した場合は、ステップS303に進む。
【0070】
図12にステップS323において、コース終点までの距離を含む表示に変更された後の歩数計の表示の一例を示す。本例では、上から順に、コース終点までの距離、上り歩数、平坦歩数、下り歩数、消費カロリーが表示されている。
【0071】
図13は、本実施形態に係る歩数計3における歩行コースと表示とメモリで記憶する未加算歩数の関係を示す概略図である。
この図において、コースは、歩行コース選択部2076がROM106から読み込んだ歩行コースを表す。表示は、歩数計数部3073が計数し、表示部108に表示される歩数を表す。メモリは、RAM105が記憶する上り、平坦、下り毎の未加算歩数を表す。
例えば、出発地点を含む区間の区間傾斜番号は、「0」(平坦)である。この場合、歩数計数部3073は、昇降判定部1072が平坦の歩行であると判定したときのみ、平坦歩数に「1」を加え、表示部108はその平坦歩数に表示を更新する。この場合、歩数計数部3073は、昇降判定部1072が上りの歩行であると判定したときには、上り未加算歩数に「1」を加えて、RAM105に記憶する。一方、歩数計数部3073は、昇降判定部1072が下りの歩行であると判定したときには、下り未加算歩数に「1」を加えて、RAM105に記憶する。
【0072】
このように、本実施形態によれば、歩数計数部3073は、予め定められたコース上の高度変化と昇降判定部1072が検出した歩行時の高度変化とが等しいときに、予め定められたコース上の高度変化と歩行検出部1070が検出した歩行時の高度変化とが異なるときに歩数に加えなかった未加算歩行による歩数を、歩数に加える。
これにより、歩数計3では、ユーザに対して、コースを進行し、総歩数を増やすために、必要とされる高度変化の伴う歩行をするよう促すことができる。
【0073】
なお、上述の各実施形態においては、高度を測定するために、圧力センサーが出力した圧力と、予めROM106に記憶された圧力変化と高度変化の変換係数に基づいて、高度値を算出したが、高度の測定法はこれに限られず、GPS(Grobal Positioning System)が出力する高度データを用いても良い。また、上り、下りの判別には、加速度センサーが出力する加速度波形の上り、下りによる差異を利用してもよい。
【0074】
なお、上述した各実施形態における歩数計が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0075】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0076】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1、2、3・・・歩数計(電子機器)、101・・・加速度センサー、102・・・A/D変換部、103・・・圧力センサー(高度変化計測部)、104・・・A/D変換部、105・・・ROM、106・・・RAM、107、207、307・・・CPU、1070・・・歩行検出部、1071・・・高度算出部、1072・・・昇降判定部、1073、2073、3073・・・歩数計数部、1074・・・総消費カロリー算出部、1075・・・歩行距離算出部、2076・・・歩行コース選択部、2077・・・位置判定部、3078・・・コース昇降判定部、3079・・・総歩行距離算出部、108・・・表示部、109・・・時刻計測部、110・・・入力部、111・・・発振回路、112・・・分周回路、113・・・電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行を検出する歩行検出部と、
前記歩行検出部が検出した歩行が、高度変化を伴うものであるか否かを判定する昇降判定部と、
前記昇降判定部の判定結果に基づいて、高度変化を伴う歩行の歩数を計数する歩数計数部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記歩数計数部は、前記昇降判定部が高度変化を伴わない歩行と判定した場合に、当該歩行を、高度変化を伴わない歩行の歩数として計数することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記昇降判定部は、高度変化が予め定めた閾値より大きいときは、高度変化を伴う歩行であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記昇降判定部は、上りの歩行であるか、下りの歩行であるかを判定し、
前記歩数計数部は、前記昇降判定部が上りの歩行であると判定した場合には、当該歩行を上りの歩行として、前記昇降判定部が下りの歩行であると判定した場合には、当該歩行を下りの歩行として、歩数を計数することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記歩数計数部が計数した上りの歩行の歩数、下りの歩行の歩数をそれぞれ別に表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記歩数計数部は、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが等しいときには、当該歩行によって、歩数を計数することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記歩数計数部は、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが異なるときには、当該歩行を未加算歩行として、この歩行による歩数を計数した歩数に加えないことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記歩数計数部は、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが等しいときに、予め定められたコース上の高度変化と前記歩行検出部が検出した歩行時の高度変化とが異なるときに歩数に加えなかった前記未加算歩行による歩数を、歩数に加えることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器を備える歩数計。
【請求項10】
電子機器のコンピュータに、歩行検出部が検出した歩行が、高度変化を伴うものであるか否かを判定する昇降判定手順、
前記昇降判定手順の判定結果に基づいて、高度変化を伴う歩行の歩数を計数する歩数計数手順、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−168818(P2012−168818A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30255(P2011−30255)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】