電子機器、歩数計およびプログラム
【課題】使用者に装着されている場合においても消費電力をより削減することができる。
【解決手段】加速度センサ106は、第1の方向の加速度を検出し、第1の信号を出力する。加速度センサ107は、第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、第2の信号を出力する。加速度センサ108は、第1の方向と第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、第3の信号を出力する。CPU102は、第1の信号と、第2の信号と、第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する。また、CPU102は、第1の信号の移動平均値と、第2の信号の移動平均値と、第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する。また、CPU102は、判定した姿勢の変化に基づいて、歩行検出の処理動作を停止させる。
【解決手段】加速度センサ106は、第1の方向の加速度を検出し、第1の信号を出力する。加速度センサ107は、第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、第2の信号を出力する。加速度センサ108は、第1の方向と第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、第3の信号を出力する。CPU102は、第1の信号と、第2の信号と、第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する。また、CPU102は、第1の信号の移動平均値と、第2の信号の移動平均値と、第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する。また、CPU102は、判定した姿勢の変化に基づいて、歩行検出の処理動作を停止させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行時や走行時の歩数を計測する電子機器、歩数計およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、加速度センサ等の体動センサを用いて歩行による体動を検出し、検出した体動をカウントすることで、携帯者の走行時または歩行時の歩数を検出する歩数計がある。また、歩数計の消費電力を削減するため、歩行検出手段からの信号に基づいて歩行を停止したと判定した場合に、歩行検出手段の動作を、連続的に歩行を検出する連続動作から、所定周期で動作と停止とを繰り返す間欠動作に切り替える歩数計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−267152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の歩数計では、実際に使用者に携帯されている場合、歩行検出手段は歩行以外の日常の生活動作を検出して信号を出力してしまう。そのため、歩数計は、歩行検出手段から信号が出力される度に歩行が再開されたか否かの判定を行う必要が生じるので、使用者に携帯されている間の消費電力を削減することは難しいという問題がある。特に、腕に装着するタイプの歩数計の場合、腕は歩行以外の状態(例えば、着座の状態)においても頻繁に動くため、使用者に携帯されている間の消費電力を削減することは難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使用者に装着されている場合においても消費電力をより削減することができる電子機器、歩数計およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、を備えることを特徴とする電子機器である。
【0007】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、前記信号を取得する周期が歩行検出しているときの周期より長くなるように制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、当該歩行検出部への電源供給を停止させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が、所定期間内に一定回数以上変化した場合、前記歩行検出部の動作を停止させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での前記姿勢の変化が一定回数以上継続した場合、前記歩行検出部の動作を停止させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合、前記歩行検出部の動作を停止させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、一定時間経過後、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下である場合、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部が前記信号を取得する周期を歩行検出しているときの周期より長くした場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該周期を元の周期に戻すことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部への電源供給を停止させた場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該歩行検出部への電源供給を再開させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、使用者からの入力を受け付ける入力部を備え、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記入力部が入力を受け付けた場合、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする電子機器である。
【0017】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が所定の姿勢である場合、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、を備えることを特徴とする歩数計である。
【0019】
また、本発明は、コンピュータに、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度検出ステップと、前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度検出ステップと、前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度検出ステップと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出ステップと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定ステップと、前記姿勢判定ステップで判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出ステップの動作を停止させる制御ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1の加速度センサは、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する。また、第2の加速度センサは、第1の加速度センサと、第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する。また、第3の加速度センサは、第2の加速度センサと、第1の方向と第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する。また、歩行検出部は、第1の信号と、第2の信号と、第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する。また、姿勢判定部は、第1の信号と、第2の信号と、第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する。また、制御部は、姿勢判定部が判定した姿勢の変化に基づいて、歩行検出部の動作を停止させる。これにより、自装置の姿勢の変化に基づいて、歩行検出部の動作を停止することができるため、使用者に装着されている場合においても、より消費電力を削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態における歩数計の外観を示した外観図である。
【図2】本実施形態における歩数計の断面を示した断面図である。
【図3】本実施形態における歩数計の構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態において、歩数計が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。
【図5】本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさを示したグラフである。
【図6】本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計が検出する、X軸方向の加速度と、Y軸方向の加速度と、Z軸方向の加速度とを合成した合成加速度の大きさを示したグラフである。
【図7】本実施形態における歩数計が実行する、候補検出処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図8】本実施形態における歩数計が実行する、歩数計測処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態における歩数計が実行する、姿勢判定処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図10】本実施形態において、歩数計の姿勢が変化した場合に、歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図11】本実施形態において、歩数計の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、姿勢判定処理における加速度検出周期を、歩行検出処理における加速度検出周期よりも長くする処理手順を示したフローチャートである。
【図12】本実施形態において、歩数計の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、歩行検出回路への電源供給を遮断する処理手順を示したフローチャートである。
【図13】本実施形態において、歩数計の姿勢が所定期間内に一定回数以上変化した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図14】本実施形態において、歩数計の姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での姿勢の変化が一定回数以上継続した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図15】本実施形態において、歩数計の姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図16】本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、一定時間経過した場合に、再度歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
【図17】本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計の姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下となった場合に、歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
【図18】本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計の姿勢が通常の歩行時の向きとなった場合に、再度歩行検出処理を開始する処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、電子機器の一例として、歩数計の例を用いて説明する。図1は、本実施形態における歩数計の外観を示した外観図である。また、図2は、本実施形態における歩数計の断面を示した断面図である。図1および図2に示す例では、歩数計100は、上面に表示部105を備え、側面に入力部103を備えている。また、歩数計100は、内部に加速度センサ106〜108を備えている。
【0023】
表示部105は表示面を備えており、表示面に歩数などの表示を行う。入力部103は、歩数計100の使用者からの入力を受け付ける。加速度センサ106〜108は、相互に直交する直交座標軸のX成分、Y成分、Z成分を検出して、各成分の加速度に対応する大きさの加速度信号を出力する。
【0024】
本実施形態では、加速度センサ106はX軸方向の加速度Xを検出する。また、加速度センサ107はY軸方向の加速度Yを検出する。また、加速度センサ108はZ軸方向の加速度Zを検出する。なお、本実施形態では、歩数計100が備える表示部105の表示面と同一の平面をXY平面とし、表示部105の表示面と垂直な方向をZ軸方向とする。また、歩数計100は、使用者の腕に装着して使用する腕時計型の歩数計の例を示している。
【0025】
なお、加速度センサ106〜108は、例えば、1つのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)3軸加速度センサによって構成してもよく、また、相互に直交する3軸方向に配設された3つの1軸加速度センサによって構成してもよい。
【0026】
図3は、本実施形態における歩数計100の構成を示したブロック図である。図示する例では、歩数計100は、発振部101と、CPU102(中央処理装置、制御部)と、入力部103と、表示制御部104と、表示部105と、加速度センサ106(第1の加速度センサ)と、加速度センサ107(第2の加速度センサ)と、加速度センサ108(第3の加速度センサ)と、ADコンバータ109と、記憶部110とを備える。
【0027】
発振部101は、計時の基準となる時計信号と、CPU102の動作用の基準クロック信号とを発生する。CPU102は、歩数の算出処理や、使用者は歩行中であるか走行中であるかを判定する歩行走行判定処理や、歩数計を構成する各電子回路要素の制御や、計時動作等を行う。入力部103は、使用者から、歩数計測の開始や停止等を指示するための入力を受け付ける。表示制御部104は、CPU102からの制御信号に応答して、表示部105に歩数や、歩行・走行距離や、時刻や、エネルギー消費量等を表示させる。表示部105は、液晶表示装置(LCD)によって構成され、歩数や、歩行・走行距離や、時刻や、エネルギー消費量等を表示する。
【0028】
加速度センサ106〜108は、相互に直交する直交座標軸のX成分、Y成分、Z成分を検出して、各成分の加速度に対応する大きさの加速度信号を出力する。記憶部110は、CPU102が実行するプログラムや、歩数計100が備える各部が処理を行う過程で必要なデータ等を記憶する。なお、本実施形態では、例えば、CPU102が、本発明の歩行検出部と、姿勢判定部と、制御部として動作する。
【0029】
次に、歩数計100が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きについて説明する。図4は、本実施形態において、歩数計100が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。図示するように、歩数計100が使用者の腕に装着されている場合には、肘から手の甲に向かう方向がY軸方向であり、手の甲に垂直な方向がZ軸方向であり、Y軸方向とZ軸方向とで一意に決まる平面に垂直な方向がX軸方向である。
【0030】
次に、使用者が歩行している際に、歩数計100の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさについて説明する。図5は、本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計100の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間であり、縦軸は、直近2秒間の加速度の平均である移動平均加速度[mG]の大きさである。また、線501はX軸方向の移動平均加速度Xの大きさを示しており、線502はY軸方向の移動平均加速度Yの大きさを示しており、線503はZ軸方向の移動平均加速度Zの大きさを示している。
【0031】
図5の区間Aに示すとおり、Z軸方向が下から上の向きとなる姿勢(Z軸方向が重力加速度方向と逆向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とY軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Z軸方向の移動平均加速度は約−1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢aとする。また、図5の区間Bに示すとおり、Z軸方向が上から下の向きとなる姿勢(Z軸方向が重力加速度方向と同じ向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とY軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Z軸方向の移動平均加速度は約1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢bとする。
【0032】
また、図5の区間Cに示すとおり、Y軸方向が下から上の向きとなる姿勢(Y軸方向が重力加速度方向と逆向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Y軸方向の移動平均加速度は約−1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢cとする。また、図5の区間Dに示すとおり、Y軸方向が上から下の向きとなる姿勢(Y軸方向が重力加速度方向と同じ向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Y軸方向の移動平均加速度は約1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢dとする。
【0033】
また、図5の区間Eに示すとおり、X軸方向が上から下の向きとなる姿勢(X軸方向が重力加速度方向と同じ向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、Y軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、X軸方向の移動平均加速度は約1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢eとする。また、図5の区間Fに示すとおり、X軸方向が下から上の向きとなる姿勢(X軸方向が重力加速度方向と逆向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、Y軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、X軸方向の移動平均加速度は約−1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢fとする。
【0034】
上述したように、歩数計100の姿勢に応じて、歩数計100が検出するX軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度とは異なる。従って、歩数計100は、X軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度とに基づいて、歩数計100の姿勢を判定することができる。
【0035】
なお、一般的には、使用者が歩行および走行している間においては、腕を一定間隔で振っているため、歩数計100の姿勢は大きく変化しない。しかしながら、使用者が歩行および走行を止めて別の作業を行う際には、腕の向きを変化させることが多い。従って、歩数計100の姿勢が変化した場合には、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたと判定することができ、歩行検出処理を停止することができる。また、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、歩数計100の姿勢の変化が続いていれば、使用者が歩行および走行を止めたままであると判定することができる。
【0036】
そのため、歩数計100は、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、使用者の歩行および走行が開始されたと判定することなく歩行検出処理を停止させた状態とすることができる。従って、歩数計100が使用者に装着された状態においても、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたことを判定し、歩行検出処理を停止することができるため、より消費電力を削減することができる。
【0037】
次に、使用者が歩行している際に、歩数計100が検出する加速度の大きさについて説明する。図6は、本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計100が検出する、X軸方向の加速度と、Y軸方向の加速度と、Z軸方向の加速度とを合成した合成加速度の大きさを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間であり、縦軸は、合成加速度[mG]の大きさである。また、曲線601は、X軸方向の加速度と、Y軸方向の加速度と、Z軸方向の加速度とを合成した合成加速度の大きさを示している。また、曲線601の1周期を歩行信号周期とする。歩行信号周期は、使用者の歩行ピッチによるが、1秒未満である。
【0038】
次に、歩数計100が歩行信号の候補を検出する候補検出処理の処理手順について説明する。図7は、本実施形態における歩数計100が実行する、候補検出処理の処理手順を示したフローチャートである。歩数計100は、候補検出処理を繰り返し実行する。なお、以下の説明では、加速度センサ106〜108の出力を合成した合成出力を用いて歩行信号の候補を検出する例を用いて説明するが、加速度センサ106〜加速度センサ108の出力のうち1つまたは複数の出力を用いて歩行信号の候補を検出するようにしてもよい。
【0039】
(ステップS101)CPU102は、ステップS102以降の処理を行うタイミング(サンプリングタイミング)であるか否かを判定する。サンプリングタイミングであるとCPU102が判定した場合にはステップS102の処理に進み、それ以外の場合にはステップS101の処理を再度実行する。例えば、サンプリングタイミングを50msとした場合、CPU102は、ステップS102以降の処理を50ms毎に実行する。すなわち、CPU102がステップS102以降の処理を行う間隔(サンプリング間隔)は、50msである。なお、サンプリングタイミングは50ms〜100msとするのが望ましい。
【0040】
(ステップS102)CPU102は、ADコンバータ109がデジタル信号に変換した、サンプリング間隔における加速度センサ106,107,108の各出力値を取得し、合成出力値を算出する。その後、ステップS103の処理に進む。例えば、サンプリングタイミングが50msの場合、ADコンバータ109は50ms毎に加速度センサ106,107,108の各出力値を出力し、CPU102は、50ms毎にADコンバータ109が出力した加速度センサ106,107,108の各出力値を取得し、合成出力値を算出する。
【0041】
(ステップS103)CPU102は、ステップS102で算出したサンプリング間隔における加速度センサ106,107,108の合成出力値が、閾値以下の値から閾値以上の値に変化しているか否かを判定する。ステップS102で算出したサンプリング間隔における加速度センサ106,107,108の合成出力値が、閾値以下の値から閾値以上の値に変化しているとCPU102が判定した場合にはステップS106の処理に進み、それ以外の場合にはステップS104の処理に進む。例えば、閾値が1200mGであり、加速度センサ106,107,108の合成出力値が1150mGから1250mGに変化した場合、CPU102は、加速度センサ106,107,108の合成出力値が、閾値以下の値から閾値以上の値に変化していると判定する。
【0042】
(ステップS104)CPU102は、ステップS103の処理を一定回数行ったか否かを判定する。ステップS103の処理を一定回数行ったとCPU102が判定した場合にはステップS105の処理に進み、それ以外の場合にはステップS101の処理に戻る。例えば、一定回数としては、10回とする。
(ステップS105)CPU102は、使用者が歩行を停止したと判定し、候補検出処理を終了する。
【0043】
(ステップS106)CPU102は、前回歩行信号の候補であると判定してから一定時間経過しているか否かを判定する。前回歩行信号の候補であると判定してから一定時間(マスク時間)経過しているとCPU102が判定した場合にはステップS107の処理に進み、それ以外の場合にはステップS101の処理に戻る。なお、マスク時間は環境によって任意に決定できるようにしてもよい。
【0044】
(ステップS107)CPU102は、ステップS102で算出した加速度センサ106,107,108の合成出力値は歩行信号の候補であると判定する。その後、候補検出処理を終了する。
【0045】
次に、歩数計100が歩数を計測する歩数計測処理の処理手順について説明する。図8は、本実施形態における歩数計100が実行する、歩数計測処理の処理手順を示したフローチャートである。歩数計100は、歩数計測処理を繰り返し実行する。
【0046】
(ステップS201)CPU102は、候補検出処理で検出した歩行信号の候補が連続しているか否かを判定する(連続性を確認する)。その後、ステップS202の処理に進む。例えば、6秒間の間に、1秒間隔以内の歩行信号の候補を6回以上検出した場合には、歩行信号の候補が連続していると判定する。
(ステップS202)CPU102は、前回ステップS205の処理で歩数を加算した後に検出処理で検出した歩行信号の候補の数を、仮歩数としてカウントする。その後、ステップS203の処理に進む。
【0047】
(ステップS203)CPU102は、ステップS201の処理で歩行信号の候補が連続していると判定した場合、加速度センサ106,107,108の出力値は歩行による信号であると判定する。加速度センサ106,107,108の出力値は歩行による信号であるとCPU102が判定した場合にはステップS204の処理に進み、それ以外の場合には処理を終了する。
(ステップS204)CPU102は、使用者は歩行中であると判定する。その後、ステップS205の処理に進む。
(ステップS205)CPU102は、ステップS202でカウントした仮歩数を、歩数に加算する。その後、歩数計測処理を終了する。
【0048】
次に、歩数計100が、歩数計100の姿勢を判定する姿勢判定処理について説明する。図9は、本実施形態における歩数計100が実行する、姿勢判定処理の処理手順を示したフローチャートである。歩数計100は、姿勢判定処理を繰り返し実行する。
【0049】
(ステップS301)CPU102は、ステップS302以降の処理を行うタイミング(サンプリングタイミング)であるか否かを判定する。サンプリングタイミングであるとCPU102が判定した場合にはステップS302の処理に進み、それ以外の場合にはステップS301の処理を再度実行する。例えば、サンプリングタイミングを50msとした場合、CPU102は、ステップS302以降の処理を50ms毎に実行する。すなわち、CPU102がステップS302以降の処理を行う間隔(サンプリング間隔)は、50msである。なお、サンプリングタイミングは50ms〜100msとするのが望ましい。
【0050】
(ステップS302)CPU102は、ADコンバータ109がデジタル信号に変換した、過去2秒間における加速度センサ106,107,108の出力を取得する。その後、ステップS303の処理に進む。例えば、ADコンバータ109は50ms毎に加速度センサ106,107,108の出力値を出力する場合、CPU102は、過去2秒間の間にADコンバータ109が出力した、40個の加速度センサ106の出力値と、40個の加速度センサ107の出力値と、40個の加速度センサ108の出力値とを取得する。なお、本実施形態では過去2秒間における加速度センサ106,107,108の出力を取得する例を用いて説明するが、これに限らず、任意の期間とするようにしてもよい。
【0051】
(ステップS303)CPU102は、ステップS302で取得した、過去2秒間における加速度センサ106の出力値の平均値(X軸方向の移動平均加速度)と、過去2秒間における加速度センサ107の出力値の平均値(Y軸方向の移動平均加速度)と、過去2秒間における加速度センサ108の出力値の平均値(Z軸方向の移動平均加速度)とを算出する。その後、ステップS304の処理に進む。
【0052】
(ステップS304)CPU102は、ステップS303で算出した、X軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度とに基づいて、歩数計100の姿勢を判定する。その後、姿勢判定処理を終了する。X軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度と、歩数計100の姿勢との関係は、図5を用いて説明したとおりである。例えば、X軸方向の移動平均加速度が約0mGであり、Y軸方向の移動平均加速度が約0mGであり、Z軸方向の移動平均加速度が約−1000mGである場合、CPU102は、歩数計100の姿勢は、姿勢aであると判定する。なお、CPU102は、姿勢b〜fについても図5に示した関係に基づいて判定する。
【0053】
次に、CPU102が、姿勢判定処理で判定した歩数計100の姿勢の変化に基づいて、歩行検出処理を停止する処理について説明する。以下、図10〜図15を参照して5つの例について説明する。なお、候補検出処理と歩数計測処理とを合わせて歩行検出処理と呼ぶ。
【0054】
図10は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が変化した場合に、歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS401)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS402の処理に進み、それ以外の場合にはステップS401の処理を再度実行する。例えば、前回の姿勢判定処理では、歩数計100の姿勢は姿勢aであり、今回の姿勢判定処理では、歩数計100の姿勢は姿勢bであると判定した場合には、CPU102は、歩数計100の姿勢が変化したと判定する。
(ステップS402)CPU102は、歩行検出処理を停止する。その後、処理を終了する。
【0055】
これにより、歩数計100は、歩数計100の姿勢に基づいて、使用者が歩行および走行を止めたことを判定することができる。そのため、歩数計100は、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、使用者の歩行および走行が開始されたと判定することなく歩行検出処理を停止させた状態とすることができる。従って、歩数計100が使用者に装着された状態においても、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたことを判定し、歩行検出処理を停止することができるため、より消費電力を削減することができる。
【0056】
図11は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出している時の通常の周期(例えば、0.08秒周期)よりも長く(例えば、0.5秒周期)する処理手順を示したフローチャートである。
ステップS501〜ステップS502の処理は、図10に示したステップS401〜ステップS402の処理と同様である。
(ステップS503)CPU503は、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出している通常時の周期よりも長くする。その後、処理を終了する。
【0057】
これにより、歩数計100は、姿勢判定処理における加速度検出周期を、歩行検出している通常時の周期よりも長くするため、より消費電力を削減することができる。
【0058】
図12は、本実施形態において、歩数計100が図示せぬ歩行検出回路を用いて歩行検出処理を行う場合に、歩数計100の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、歩行検出回路への電源供給を遮断する処理手順を示したフローチャートである。
ステップS601〜ステップS602の処理は、図10に示したステップS401〜ステップS402の処理と同様である。
(ステップS603)CPU503は、歩行検出回路への電源供給を遮断する。その後、処理を終了する。
【0059】
これにより、歩数計100は、歩行検出回路への電源供給を遮断するため、消費電力をより削減することができる。
【0060】
図13は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が所定期間内に一定回数以上変化した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS701)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS702の処理に進み、それ以外の場合にはステップS701の処理を再度実行する。
【0061】
(ステップS702)CPU102は、所定期間内において一定回数以上歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。所定期間内において一定回数以上歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS703の処理に進み、それ以外の場合にはステップS701の処理に戻る。
ステップS703〜ステップS704の処理は、図11に示したステップS502〜ステップS503の処理と同様である。
【0062】
これにより、歩数計100は、一定回数以上姿勢が変化した場合に、歩行検出動作を停止するため、偶然に歩数計100の姿勢が変化したときに歩行検出動作が停止してしまう可能性を低くすることができる。
【0063】
図14は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での姿勢の変化が一定回数以上継続した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS801)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS802の処理に進み、それ以外の場合にはステップS801の処理を再度実行する。
【0064】
(ステップS802)CPU102は、前回歩数計100の姿勢が変化してから経過した時間が一定時間以内か否かを判定する。前回歩数計100の姿勢が変化してから経過した時間が一定時間以内であるとCPU102が判定した場合にはステップS803の処理に進み、それ以外の場合にはステップS801の処理に戻る。
【0065】
(ステップS803)CPU102は、歩数計100の姿勢の変化が一定回数以上継続したか否かを判定する。歩数計100の姿勢の変化が一定回数以上継続したとCPU102が判定した場合にはステップS804の処理に進み、それ以外の場合にはステップS801の処理に戻る。
ステップS804〜ステップS805の処理は、図11に示したステップS502〜ステップS503の処理と同様である。
【0066】
これにより、歩数計100は、姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での姿勢の変化が一定回数以上継続した場合に歩行検出動作を停止するため、偶然に歩数計100の姿勢が変化したときに歩行検出動作が停止してしまう可能性を低くすることができる。
【0067】
図15は、本実施形態において、歩数計100の姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合に歩行検出処理を停止する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS901)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS902の処理に進み、それ以外の場合にはステップS901の処理を再度実行する。
【0068】
(ステップS902)CPU102は、所定期間内に、歩数計100の姿勢が3種類以上の姿勢となったか否かを判定する。所定期間内に、歩数計100は3種類以上の姿勢となったとCPU102が判定した場合にはステップS903の処理に進み、それ以外の場合にはステップS901の処理に戻る。
ステップS903〜ステップS904の処理は、図11に示したステップS502〜ステップS503の処理と同様である。
【0069】
これにより、歩数計100は、姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合に歩行検出処理を停止するため、偶然に歩数計100の姿勢が変化したときに歩行検出動作が停止してしまう可能性を低くすることができる。
【0070】
次に、CPU102が、歩行検出処理を停止した後、再度歩行検出処理を開始する処理について説明する。以下、図16〜図18を参照して3つの例について説明する。
【0071】
図16は、本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、一定時間経過した場合に、再度歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS1001)CPU102は、歩行検出処理を停止してから一定時間経過したか否かを判定する。歩行検出処理を停止してから一定時間経過したとCPU102が判定した場合にはステップS1002の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1001の処理を再度実行する。
【0072】
(ステップS1002)CPU102は、歩行検出処理を再度開始する。その後、ステップS1003の処理に進む。
(ステップS1003)CPU102は、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出処理における加速度検出周期よりも長くした場合、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出している時の通常の周期に戻す。その後、処理を終了する。
これにより、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、再度歩行検出処理を開始することができる。
【0073】
図17は、本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計100の姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下となった場合に、歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS1101)CPU102は、歩行検出処理を停止した後、所定時間内での歩数計100の姿勢の変化が一定回数以下となったか否かを判定する。歩行検出処理を停止した後、所定時間内での歩数計100の姿勢の変化が一定回数以下となったとCPU102が判定した場合にはステップS1102の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1101の処理を再度実行する。
【0074】
ステップS1102〜ステップS1103の処理は、図16に示したステップS1002〜ステップS1003の処理と同様である。
これにより、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、再度歩行検出処理を開始することができる。
【0075】
図18は、本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計100の姿勢が通常の歩行時の向きとなった場合に、再度歩行検出処理を開始する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS1201)CPU102は、歩行検出処理を停止した後、歩数計100の姿勢が通常の歩行時の向きとなったか否かを判定する。歩数計100の姿勢が通常の歩行時の向きとなったとCPU102が判定した場合にはステップS1202の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1201の処理を再度実行する。例えば、歩数計100の通常の歩行時の向きとしては、姿勢eの向きである。
【0076】
ステップS1202〜ステップS1203の処理は、図16に示したステップS1002〜ステップS1003の処理と同様である。
これにより、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、再度歩行検出処理を開始することができる。なお、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、入力部103が使用者からの入力を受け付けた場合に、再度歩行検出処理を開始するようにしてもよい。
【0077】
上述したとおり、本実施形態によれば、歩数計100は、歩数計100の姿勢に基づいて、使用者が歩行および走行を止めたことを判定する。そのため、歩数計100は、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、使用者の歩行および走行が開始されたと判定することなく歩行検出処理を停止させた状態とすることができる。従って、歩数計100が使用者に装着された状態においても、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたことを判定し、歩行検出処理を停止することができるため、より消費電力を削減することができる。
【0078】
なお、上述した実施形態における歩数計100が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0079】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0080】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態では、電子機器の例として、図1に示すような腕時計型の歩数計を例に説明したが、これに限らず、使用者の腕に装着して使用する電子機器であればどのような電子機器でもよい。
【符号の説明】
【0081】
100・・・歩数計、101・・・発振部、102・・・CPU、103・・・入力部、104・・・表示制御部、105・・・表示部、106〜108・・・加速度センサ、109・・・ADコンバータ、110・・・記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行時や走行時の歩数を計測する電子機器、歩数計およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、加速度センサ等の体動センサを用いて歩行による体動を検出し、検出した体動をカウントすることで、携帯者の走行時または歩行時の歩数を検出する歩数計がある。また、歩数計の消費電力を削減するため、歩行検出手段からの信号に基づいて歩行を停止したと判定した場合に、歩行検出手段の動作を、連続的に歩行を検出する連続動作から、所定周期で動作と停止とを繰り返す間欠動作に切り替える歩数計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−267152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の歩数計では、実際に使用者に携帯されている場合、歩行検出手段は歩行以外の日常の生活動作を検出して信号を出力してしまう。そのため、歩数計は、歩行検出手段から信号が出力される度に歩行が再開されたか否かの判定を行う必要が生じるので、使用者に携帯されている間の消費電力を削減することは難しいという問題がある。特に、腕に装着するタイプの歩数計の場合、腕は歩行以外の状態(例えば、着座の状態)においても頻繁に動くため、使用者に携帯されている間の消費電力を削減することは難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使用者に装着されている場合においても消費電力をより削減することができる電子機器、歩数計およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、を備えることを特徴とする電子機器である。
【0007】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、前記信号を取得する周期が歩行検出しているときの周期より長くなるように制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、当該歩行検出部への電源供給を停止させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が、所定期間内に一定回数以上変化した場合、前記歩行検出部の動作を停止させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での前記姿勢の変化が一定回数以上継続した場合、前記歩行検出部の動作を停止させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合、前記歩行検出部の動作を停止させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、一定時間経過後、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下である場合、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部が前記信号を取得する周期を歩行検出しているときの周期より長くした場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該周期を元の周期に戻すことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部への電源供給を停止させた場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該歩行検出部への電源供給を再開させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、使用者からの入力を受け付ける入力部を備え、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記入力部が入力を受け付けた場合、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする電子機器である。
【0017】
また、本発明の電子機器において、前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が所定の姿勢である場合、当該歩行検出部の動作を再開させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、を備えることを特徴とする歩数計である。
【0019】
また、本発明は、コンピュータに、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度検出ステップと、前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度検出ステップと、前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度検出ステップと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出ステップと、前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定ステップと、前記姿勢判定ステップで判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出ステップの動作を停止させる制御ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1の加速度センサは、第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する。また、第2の加速度センサは、第1の加速度センサと、第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する。また、第3の加速度センサは、第2の加速度センサと、第1の方向と第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する。また、歩行検出部は、第1の信号と、第2の信号と、第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する。また、姿勢判定部は、第1の信号と、第2の信号と、第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する。また、制御部は、姿勢判定部が判定した姿勢の変化に基づいて、歩行検出部の動作を停止させる。これにより、自装置の姿勢の変化に基づいて、歩行検出部の動作を停止することができるため、使用者に装着されている場合においても、より消費電力を削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態における歩数計の外観を示した外観図である。
【図2】本実施形態における歩数計の断面を示した断面図である。
【図3】本実施形態における歩数計の構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態において、歩数計が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。
【図5】本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさを示したグラフである。
【図6】本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計が検出する、X軸方向の加速度と、Y軸方向の加速度と、Z軸方向の加速度とを合成した合成加速度の大きさを示したグラフである。
【図7】本実施形態における歩数計が実行する、候補検出処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図8】本実施形態における歩数計が実行する、歩数計測処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態における歩数計が実行する、姿勢判定処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図10】本実施形態において、歩数計の姿勢が変化した場合に、歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図11】本実施形態において、歩数計の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、姿勢判定処理における加速度検出周期を、歩行検出処理における加速度検出周期よりも長くする処理手順を示したフローチャートである。
【図12】本実施形態において、歩数計の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、歩行検出回路への電源供給を遮断する処理手順を示したフローチャートである。
【図13】本実施形態において、歩数計の姿勢が所定期間内に一定回数以上変化した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図14】本実施形態において、歩数計の姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での姿勢の変化が一定回数以上継続した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図15】本実施形態において、歩数計の姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
【図16】本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、一定時間経過した場合に、再度歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
【図17】本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計の姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下となった場合に、歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
【図18】本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計の姿勢が通常の歩行時の向きとなった場合に、再度歩行検出処理を開始する処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、電子機器の一例として、歩数計の例を用いて説明する。図1は、本実施形態における歩数計の外観を示した外観図である。また、図2は、本実施形態における歩数計の断面を示した断面図である。図1および図2に示す例では、歩数計100は、上面に表示部105を備え、側面に入力部103を備えている。また、歩数計100は、内部に加速度センサ106〜108を備えている。
【0023】
表示部105は表示面を備えており、表示面に歩数などの表示を行う。入力部103は、歩数計100の使用者からの入力を受け付ける。加速度センサ106〜108は、相互に直交する直交座標軸のX成分、Y成分、Z成分を検出して、各成分の加速度に対応する大きさの加速度信号を出力する。
【0024】
本実施形態では、加速度センサ106はX軸方向の加速度Xを検出する。また、加速度センサ107はY軸方向の加速度Yを検出する。また、加速度センサ108はZ軸方向の加速度Zを検出する。なお、本実施形態では、歩数計100が備える表示部105の表示面と同一の平面をXY平面とし、表示部105の表示面と垂直な方向をZ軸方向とする。また、歩数計100は、使用者の腕に装着して使用する腕時計型の歩数計の例を示している。
【0025】
なお、加速度センサ106〜108は、例えば、1つのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)3軸加速度センサによって構成してもよく、また、相互に直交する3軸方向に配設された3つの1軸加速度センサによって構成してもよい。
【0026】
図3は、本実施形態における歩数計100の構成を示したブロック図である。図示する例では、歩数計100は、発振部101と、CPU102(中央処理装置、制御部)と、入力部103と、表示制御部104と、表示部105と、加速度センサ106(第1の加速度センサ)と、加速度センサ107(第2の加速度センサ)と、加速度センサ108(第3の加速度センサ)と、ADコンバータ109と、記憶部110とを備える。
【0027】
発振部101は、計時の基準となる時計信号と、CPU102の動作用の基準クロック信号とを発生する。CPU102は、歩数の算出処理や、使用者は歩行中であるか走行中であるかを判定する歩行走行判定処理や、歩数計を構成する各電子回路要素の制御や、計時動作等を行う。入力部103は、使用者から、歩数計測の開始や停止等を指示するための入力を受け付ける。表示制御部104は、CPU102からの制御信号に応答して、表示部105に歩数や、歩行・走行距離や、時刻や、エネルギー消費量等を表示させる。表示部105は、液晶表示装置(LCD)によって構成され、歩数や、歩行・走行距離や、時刻や、エネルギー消費量等を表示する。
【0028】
加速度センサ106〜108は、相互に直交する直交座標軸のX成分、Y成分、Z成分を検出して、各成分の加速度に対応する大きさの加速度信号を出力する。記憶部110は、CPU102が実行するプログラムや、歩数計100が備える各部が処理を行う過程で必要なデータ等を記憶する。なお、本実施形態では、例えば、CPU102が、本発明の歩行検出部と、姿勢判定部と、制御部として動作する。
【0029】
次に、歩数計100が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きについて説明する。図4は、本実施形態において、歩数計100が使用者に装着されている場合でのX軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との向きを示した概略図である。図示するように、歩数計100が使用者の腕に装着されている場合には、肘から手の甲に向かう方向がY軸方向であり、手の甲に垂直な方向がZ軸方向であり、Y軸方向とZ軸方向とで一意に決まる平面に垂直な方向がX軸方向である。
【0030】
次に、使用者が歩行している際に、歩数計100の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさについて説明する。図5は、本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計100の姿勢に応じて検出するX、Y、Z軸方向の移動平均加速度の大きさを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間であり、縦軸は、直近2秒間の加速度の平均である移動平均加速度[mG]の大きさである。また、線501はX軸方向の移動平均加速度Xの大きさを示しており、線502はY軸方向の移動平均加速度Yの大きさを示しており、線503はZ軸方向の移動平均加速度Zの大きさを示している。
【0031】
図5の区間Aに示すとおり、Z軸方向が下から上の向きとなる姿勢(Z軸方向が重力加速度方向と逆向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とY軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Z軸方向の移動平均加速度は約−1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢aとする。また、図5の区間Bに示すとおり、Z軸方向が上から下の向きとなる姿勢(Z軸方向が重力加速度方向と同じ向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とY軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Z軸方向の移動平均加速度は約1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢bとする。
【0032】
また、図5の区間Cに示すとおり、Y軸方向が下から上の向きとなる姿勢(Y軸方向が重力加速度方向と逆向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Y軸方向の移動平均加速度は約−1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢cとする。また、図5の区間Dに示すとおり、Y軸方向が上から下の向きとなる姿勢(Y軸方向が重力加速度方向と同じ向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、X軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、Y軸方向の移動平均加速度は約1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢dとする。
【0033】
また、図5の区間Eに示すとおり、X軸方向が上から下の向きとなる姿勢(X軸方向が重力加速度方向と同じ向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、Y軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、X軸方向の移動平均加速度は約1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢eとする。また、図5の区間Fに示すとおり、X軸方向が下から上の向きとなる姿勢(X軸方向が重力加速度方向と逆向き)で、使用者が歩数計100を装着して歩行した場合、歩数計100は、Y軸方向とZ軸方向の移動平均加速度は約0mGであり、X軸方向の移動平均加速度は約−1000mGであると検出する。なお、この場合の歩数計100の姿勢を、姿勢fとする。
【0034】
上述したように、歩数計100の姿勢に応じて、歩数計100が検出するX軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度とは異なる。従って、歩数計100は、X軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度とに基づいて、歩数計100の姿勢を判定することができる。
【0035】
なお、一般的には、使用者が歩行および走行している間においては、腕を一定間隔で振っているため、歩数計100の姿勢は大きく変化しない。しかしながら、使用者が歩行および走行を止めて別の作業を行う際には、腕の向きを変化させることが多い。従って、歩数計100の姿勢が変化した場合には、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたと判定することができ、歩行検出処理を停止することができる。また、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、歩数計100の姿勢の変化が続いていれば、使用者が歩行および走行を止めたままであると判定することができる。
【0036】
そのため、歩数計100は、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、使用者の歩行および走行が開始されたと判定することなく歩行検出処理を停止させた状態とすることができる。従って、歩数計100が使用者に装着された状態においても、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたことを判定し、歩行検出処理を停止することができるため、より消費電力を削減することができる。
【0037】
次に、使用者が歩行している際に、歩数計100が検出する加速度の大きさについて説明する。図6は、本実施形態において、使用者が歩行している際に、歩数計100が検出する、X軸方向の加速度と、Y軸方向の加速度と、Z軸方向の加速度とを合成した合成加速度の大きさを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間であり、縦軸は、合成加速度[mG]の大きさである。また、曲線601は、X軸方向の加速度と、Y軸方向の加速度と、Z軸方向の加速度とを合成した合成加速度の大きさを示している。また、曲線601の1周期を歩行信号周期とする。歩行信号周期は、使用者の歩行ピッチによるが、1秒未満である。
【0038】
次に、歩数計100が歩行信号の候補を検出する候補検出処理の処理手順について説明する。図7は、本実施形態における歩数計100が実行する、候補検出処理の処理手順を示したフローチャートである。歩数計100は、候補検出処理を繰り返し実行する。なお、以下の説明では、加速度センサ106〜108の出力を合成した合成出力を用いて歩行信号の候補を検出する例を用いて説明するが、加速度センサ106〜加速度センサ108の出力のうち1つまたは複数の出力を用いて歩行信号の候補を検出するようにしてもよい。
【0039】
(ステップS101)CPU102は、ステップS102以降の処理を行うタイミング(サンプリングタイミング)であるか否かを判定する。サンプリングタイミングであるとCPU102が判定した場合にはステップS102の処理に進み、それ以外の場合にはステップS101の処理を再度実行する。例えば、サンプリングタイミングを50msとした場合、CPU102は、ステップS102以降の処理を50ms毎に実行する。すなわち、CPU102がステップS102以降の処理を行う間隔(サンプリング間隔)は、50msである。なお、サンプリングタイミングは50ms〜100msとするのが望ましい。
【0040】
(ステップS102)CPU102は、ADコンバータ109がデジタル信号に変換した、サンプリング間隔における加速度センサ106,107,108の各出力値を取得し、合成出力値を算出する。その後、ステップS103の処理に進む。例えば、サンプリングタイミングが50msの場合、ADコンバータ109は50ms毎に加速度センサ106,107,108の各出力値を出力し、CPU102は、50ms毎にADコンバータ109が出力した加速度センサ106,107,108の各出力値を取得し、合成出力値を算出する。
【0041】
(ステップS103)CPU102は、ステップS102で算出したサンプリング間隔における加速度センサ106,107,108の合成出力値が、閾値以下の値から閾値以上の値に変化しているか否かを判定する。ステップS102で算出したサンプリング間隔における加速度センサ106,107,108の合成出力値が、閾値以下の値から閾値以上の値に変化しているとCPU102が判定した場合にはステップS106の処理に進み、それ以外の場合にはステップS104の処理に進む。例えば、閾値が1200mGであり、加速度センサ106,107,108の合成出力値が1150mGから1250mGに変化した場合、CPU102は、加速度センサ106,107,108の合成出力値が、閾値以下の値から閾値以上の値に変化していると判定する。
【0042】
(ステップS104)CPU102は、ステップS103の処理を一定回数行ったか否かを判定する。ステップS103の処理を一定回数行ったとCPU102が判定した場合にはステップS105の処理に進み、それ以外の場合にはステップS101の処理に戻る。例えば、一定回数としては、10回とする。
(ステップS105)CPU102は、使用者が歩行を停止したと判定し、候補検出処理を終了する。
【0043】
(ステップS106)CPU102は、前回歩行信号の候補であると判定してから一定時間経過しているか否かを判定する。前回歩行信号の候補であると判定してから一定時間(マスク時間)経過しているとCPU102が判定した場合にはステップS107の処理に進み、それ以外の場合にはステップS101の処理に戻る。なお、マスク時間は環境によって任意に決定できるようにしてもよい。
【0044】
(ステップS107)CPU102は、ステップS102で算出した加速度センサ106,107,108の合成出力値は歩行信号の候補であると判定する。その後、候補検出処理を終了する。
【0045】
次に、歩数計100が歩数を計測する歩数計測処理の処理手順について説明する。図8は、本実施形態における歩数計100が実行する、歩数計測処理の処理手順を示したフローチャートである。歩数計100は、歩数計測処理を繰り返し実行する。
【0046】
(ステップS201)CPU102は、候補検出処理で検出した歩行信号の候補が連続しているか否かを判定する(連続性を確認する)。その後、ステップS202の処理に進む。例えば、6秒間の間に、1秒間隔以内の歩行信号の候補を6回以上検出した場合には、歩行信号の候補が連続していると判定する。
(ステップS202)CPU102は、前回ステップS205の処理で歩数を加算した後に検出処理で検出した歩行信号の候補の数を、仮歩数としてカウントする。その後、ステップS203の処理に進む。
【0047】
(ステップS203)CPU102は、ステップS201の処理で歩行信号の候補が連続していると判定した場合、加速度センサ106,107,108の出力値は歩行による信号であると判定する。加速度センサ106,107,108の出力値は歩行による信号であるとCPU102が判定した場合にはステップS204の処理に進み、それ以外の場合には処理を終了する。
(ステップS204)CPU102は、使用者は歩行中であると判定する。その後、ステップS205の処理に進む。
(ステップS205)CPU102は、ステップS202でカウントした仮歩数を、歩数に加算する。その後、歩数計測処理を終了する。
【0048】
次に、歩数計100が、歩数計100の姿勢を判定する姿勢判定処理について説明する。図9は、本実施形態における歩数計100が実行する、姿勢判定処理の処理手順を示したフローチャートである。歩数計100は、姿勢判定処理を繰り返し実行する。
【0049】
(ステップS301)CPU102は、ステップS302以降の処理を行うタイミング(サンプリングタイミング)であるか否かを判定する。サンプリングタイミングであるとCPU102が判定した場合にはステップS302の処理に進み、それ以外の場合にはステップS301の処理を再度実行する。例えば、サンプリングタイミングを50msとした場合、CPU102は、ステップS302以降の処理を50ms毎に実行する。すなわち、CPU102がステップS302以降の処理を行う間隔(サンプリング間隔)は、50msである。なお、サンプリングタイミングは50ms〜100msとするのが望ましい。
【0050】
(ステップS302)CPU102は、ADコンバータ109がデジタル信号に変換した、過去2秒間における加速度センサ106,107,108の出力を取得する。その後、ステップS303の処理に進む。例えば、ADコンバータ109は50ms毎に加速度センサ106,107,108の出力値を出力する場合、CPU102は、過去2秒間の間にADコンバータ109が出力した、40個の加速度センサ106の出力値と、40個の加速度センサ107の出力値と、40個の加速度センサ108の出力値とを取得する。なお、本実施形態では過去2秒間における加速度センサ106,107,108の出力を取得する例を用いて説明するが、これに限らず、任意の期間とするようにしてもよい。
【0051】
(ステップS303)CPU102は、ステップS302で取得した、過去2秒間における加速度センサ106の出力値の平均値(X軸方向の移動平均加速度)と、過去2秒間における加速度センサ107の出力値の平均値(Y軸方向の移動平均加速度)と、過去2秒間における加速度センサ108の出力値の平均値(Z軸方向の移動平均加速度)とを算出する。その後、ステップS304の処理に進む。
【0052】
(ステップS304)CPU102は、ステップS303で算出した、X軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度とに基づいて、歩数計100の姿勢を判定する。その後、姿勢判定処理を終了する。X軸方向の移動平均加速度と、Y軸方向の移動平均加速度と、Z軸方向の移動平均加速度と、歩数計100の姿勢との関係は、図5を用いて説明したとおりである。例えば、X軸方向の移動平均加速度が約0mGであり、Y軸方向の移動平均加速度が約0mGであり、Z軸方向の移動平均加速度が約−1000mGである場合、CPU102は、歩数計100の姿勢は、姿勢aであると判定する。なお、CPU102は、姿勢b〜fについても図5に示した関係に基づいて判定する。
【0053】
次に、CPU102が、姿勢判定処理で判定した歩数計100の姿勢の変化に基づいて、歩行検出処理を停止する処理について説明する。以下、図10〜図15を参照して5つの例について説明する。なお、候補検出処理と歩数計測処理とを合わせて歩行検出処理と呼ぶ。
【0054】
図10は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が変化した場合に、歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS401)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS402の処理に進み、それ以外の場合にはステップS401の処理を再度実行する。例えば、前回の姿勢判定処理では、歩数計100の姿勢は姿勢aであり、今回の姿勢判定処理では、歩数計100の姿勢は姿勢bであると判定した場合には、CPU102は、歩数計100の姿勢が変化したと判定する。
(ステップS402)CPU102は、歩行検出処理を停止する。その後、処理を終了する。
【0055】
これにより、歩数計100は、歩数計100の姿勢に基づいて、使用者が歩行および走行を止めたことを判定することができる。そのため、歩数計100は、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、使用者の歩行および走行が開始されたと判定することなく歩行検出処理を停止させた状態とすることができる。従って、歩数計100が使用者に装着された状態においても、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたことを判定し、歩行検出処理を停止することができるため、より消費電力を削減することができる。
【0056】
図11は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出している時の通常の周期(例えば、0.08秒周期)よりも長く(例えば、0.5秒周期)する処理手順を示したフローチャートである。
ステップS501〜ステップS502の処理は、図10に示したステップS401〜ステップS402の処理と同様である。
(ステップS503)CPU503は、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出している通常時の周期よりも長くする。その後、処理を終了する。
【0057】
これにより、歩数計100は、姿勢判定処理における加速度検出周期を、歩行検出している通常時の周期よりも長くするため、より消費電力を削減することができる。
【0058】
図12は、本実施形態において、歩数計100が図示せぬ歩行検出回路を用いて歩行検出処理を行う場合に、歩数計100の姿勢が変化した場合に歩行検出処理を停止させ、さらに、歩行検出回路への電源供給を遮断する処理手順を示したフローチャートである。
ステップS601〜ステップS602の処理は、図10に示したステップS401〜ステップS402の処理と同様である。
(ステップS603)CPU503は、歩行検出回路への電源供給を遮断する。その後、処理を終了する。
【0059】
これにより、歩数計100は、歩行検出回路への電源供給を遮断するため、消費電力をより削減することができる。
【0060】
図13は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が所定期間内に一定回数以上変化した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS701)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS702の処理に進み、それ以外の場合にはステップS701の処理を再度実行する。
【0061】
(ステップS702)CPU102は、所定期間内において一定回数以上歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。所定期間内において一定回数以上歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS703の処理に進み、それ以外の場合にはステップS701の処理に戻る。
ステップS703〜ステップS704の処理は、図11に示したステップS502〜ステップS503の処理と同様である。
【0062】
これにより、歩数計100は、一定回数以上姿勢が変化した場合に、歩行検出動作を停止するため、偶然に歩数計100の姿勢が変化したときに歩行検出動作が停止してしまう可能性を低くすることができる。
【0063】
図14は、本実施形態において、歩数計100の姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での姿勢の変化が一定回数以上継続した場合に歩行検出処理を停止させる処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS801)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS802の処理に進み、それ以外の場合にはステップS801の処理を再度実行する。
【0064】
(ステップS802)CPU102は、前回歩数計100の姿勢が変化してから経過した時間が一定時間以内か否かを判定する。前回歩数計100の姿勢が変化してから経過した時間が一定時間以内であるとCPU102が判定した場合にはステップS803の処理に進み、それ以外の場合にはステップS801の処理に戻る。
【0065】
(ステップS803)CPU102は、歩数計100の姿勢の変化が一定回数以上継続したか否かを判定する。歩数計100の姿勢の変化が一定回数以上継続したとCPU102が判定した場合にはステップS804の処理に進み、それ以外の場合にはステップS801の処理に戻る。
ステップS804〜ステップS805の処理は、図11に示したステップS502〜ステップS503の処理と同様である。
【0066】
これにより、歩数計100は、姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での姿勢の変化が一定回数以上継続した場合に歩行検出動作を停止するため、偶然に歩数計100の姿勢が変化したときに歩行検出動作が停止してしまう可能性を低くすることができる。
【0067】
図15は、本実施形態において、歩数計100の姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合に歩行検出処理を停止する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS901)CPU102は、姿勢判定処理の処理結果に基づいて、歩数計100の姿勢が変化したか否かを判定する。歩数計100の姿勢が変化したとCPU102が判定した場合にはステップS902の処理に進み、それ以外の場合にはステップS901の処理を再度実行する。
【0068】
(ステップS902)CPU102は、所定期間内に、歩数計100の姿勢が3種類以上の姿勢となったか否かを判定する。所定期間内に、歩数計100は3種類以上の姿勢となったとCPU102が判定した場合にはステップS903の処理に進み、それ以外の場合にはステップS901の処理に戻る。
ステップS903〜ステップS904の処理は、図11に示したステップS502〜ステップS503の処理と同様である。
【0069】
これにより、歩数計100は、姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合に歩行検出処理を停止するため、偶然に歩数計100の姿勢が変化したときに歩行検出動作が停止してしまう可能性を低くすることができる。
【0070】
次に、CPU102が、歩行検出処理を停止した後、再度歩行検出処理を開始する処理について説明する。以下、図16〜図18を参照して3つの例について説明する。
【0071】
図16は、本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、一定時間経過した場合に、再度歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS1001)CPU102は、歩行検出処理を停止してから一定時間経過したか否かを判定する。歩行検出処理を停止してから一定時間経過したとCPU102が判定した場合にはステップS1002の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1001の処理を再度実行する。
【0072】
(ステップS1002)CPU102は、歩行検出処理を再度開始する。その後、ステップS1003の処理に進む。
(ステップS1003)CPU102は、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出処理における加速度検出周期よりも長くした場合、姿勢判定処理における加速度検出周期を歩行検出している時の通常の周期に戻す。その後、処理を終了する。
これにより、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、再度歩行検出処理を開始することができる。
【0073】
図17は、本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計100の姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下となった場合に、歩行検出処理を再開する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS1101)CPU102は、歩行検出処理を停止した後、所定時間内での歩数計100の姿勢の変化が一定回数以下となったか否かを判定する。歩行検出処理を停止した後、所定時間内での歩数計100の姿勢の変化が一定回数以下となったとCPU102が判定した場合にはステップS1102の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1101の処理を再度実行する。
【0074】
ステップS1102〜ステップS1103の処理は、図16に示したステップS1002〜ステップS1003の処理と同様である。
これにより、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、再度歩行検出処理を開始することができる。
【0075】
図18は、本実施形態において、歩行検出処理を停止した後、歩数計100の姿勢が通常の歩行時の向きとなった場合に、再度歩行検出処理を開始する処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS1201)CPU102は、歩行検出処理を停止した後、歩数計100の姿勢が通常の歩行時の向きとなったか否かを判定する。歩数計100の姿勢が通常の歩行時の向きとなったとCPU102が判定した場合にはステップS1202の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1201の処理を再度実行する。例えば、歩数計100の通常の歩行時の向きとしては、姿勢eの向きである。
【0076】
ステップS1202〜ステップS1203の処理は、図16に示したステップS1002〜ステップS1003の処理と同様である。
これにより、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、再度歩行検出処理を開始することができる。なお、歩数計100は、歩行検出処理を一度停止した後に、入力部103が使用者からの入力を受け付けた場合に、再度歩行検出処理を開始するようにしてもよい。
【0077】
上述したとおり、本実施形態によれば、歩数計100は、歩数計100の姿勢に基づいて、使用者が歩行および走行を止めたことを判定する。そのため、歩数計100は、加速度センサ106〜108が信号を出力した場合においても、使用者の歩行および走行が開始されたと判定することなく歩行検出処理を停止させた状態とすることができる。従って、歩数計100が使用者に装着された状態においても、歩数計100は、使用者が歩行および走行を止めたことを判定し、歩行検出処理を停止することができるため、より消費電力を削減することができる。
【0078】
なお、上述した実施形態における歩数計100が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0079】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0080】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態では、電子機器の例として、図1に示すような腕時計型の歩数計を例に説明したが、これに限らず、使用者の腕に装着して使用する電子機器であればどのような電子機器でもよい。
【符号の説明】
【0081】
100・・・歩数計、101・・・発振部、102・・・CPU、103・・・入力部、104・・・表示制御部、105・・・表示部、106〜108・・・加速度センサ、109・・・ADコンバータ、110・・・記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、
前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、
前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、
前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、前記信号を取得する周期が歩行検出しているときの周期より長くなるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、当該歩行検出部への電源供給を停止させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が、所定期間内に一定回数以上変化した場合、前記歩行検出部の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での前記姿勢の変化が一定回数以上継続した場合、前記歩行検出部の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合、前記歩行検出部の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、一定時間経過後、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下である場合、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記歩行検出部が前記信号を取得する周期を歩行検出しているときの周期より長くした場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該周期を元の周期に戻す
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御部は、前記歩行検出部への電源供給を停止させた場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該歩行検出部への電源供給を再開させる
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
使用者からの入力を受け付ける入力部
を備え、
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記入力部が入力を受け付けた場合、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が所定の姿勢である場合、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、
前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、
前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、
前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、
を備えることを特徴とする歩数計。
【請求項14】
コンピュータに、
第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度検出ステップと、
前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度検出ステップと、
前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度検出ステップと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出ステップと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定ステップと、
前記姿勢判定ステップで判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出ステップの動作を停止させる制御ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、
前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、
前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、
前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、前記信号を取得する周期が歩行検出しているときの周期より長くなるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させている間、当該歩行検出部への電源供給を停止させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が、所定期間内に一定回数以上変化した場合、前記歩行検出部の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が一定時間以内に変化し、さらに、一定時間以内での前記姿勢の変化が一定回数以上継続した場合、前記歩行検出部の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の種類が、所定期間内に一定種類以上となった場合、前記歩行検出部の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、一定時間経過後、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化が、所定期間内に一定回数以下である場合、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記歩行検出部が前記信号を取得する周期を歩行検出しているときの周期より長くした場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該周期を元の周期に戻す
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御部は、前記歩行検出部への電源供給を停止させた場合、前記歩行検出部の動作を再開させた際に、当該歩行検出部への電源供給を再開させる
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
使用者からの入力を受け付ける入力部
を備え、
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記入力部が入力を受け付けた場合、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記制御部は、前記歩行検出部の動作を停止させた後、前記姿勢判定部が判定した前記姿勢が所定の姿勢である場合、当該歩行検出部の動作を再開させる
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度センサと、
前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度センサと、
前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度センサと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出部と、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定部と、
前記姿勢判定部が判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出部の動作を停止させる制御部と、
を備えることを特徴とする歩数計。
【請求項14】
コンピュータに、
第1の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第1の信号を出力する第1の加速度検出ステップと、
前記第1の方向と直交する第2の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第2の信号を出力する第2の加速度検出ステップと、
前記第1の方向と前記第2の方向とで一意に特定される平面と直交する第3の方向の加速度を検出し、当該加速度に対応する第3の信号を出力する第3の加速度検出ステップと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とのうち、1つまたは複数の信号を取得し、取得した信号を用いて歩行を検出する歩行検出ステップと、
前記第1の信号と、前記第2の信号と、前記第3の信号とを取得し、当該第1の信号の移動平均値と、当該第2の信号の移動平均値と、当該第3の信号の移動平均値とに基づいて、自装置の姿勢を判定する姿勢判定ステップと、
前記姿勢判定ステップで判定した前記姿勢の変化に基づいて、前記歩行検出ステップの動作を停止させる制御ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−137853(P2012−137853A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288405(P2010−288405)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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