説明

電子機器、画像記録再生装置及びヘルプ情報の表示制御方法

【課題】単純な方法で即座にヘルプ情報を表示できる電子機器、画像記録再生装置及びヘルプ情報の表示制御方法を提供する。
【解決手段】情報を表示するLCDモニタ110と、装置本体の傾斜状態を検出する加速度センサ124と、加速度センサ124の検出結果に基づいて、LCDモニタ110に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、LCDモニタ110に表示するか否かを判断するプロセッサ104とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
単純な方法で即座にヘルプ情報を表示できる電子機器、画像記録再生装置及びヘルプ情報の表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のディジタルカメラは多種多彩な機能を備えており、それらの機能をユーザが使いこなせなかったり、マニュアルを熟読しないと機能の存在自体に気づかないなどといった問題が起こっている。
【0003】
この問題に対応するために、ディジタルカメラにヘルプ機能を搭載することが多くなっている。
【0004】
ヘルプ機能とは、ある条件を満たした場合に画面上に操作方法等を支援する情報を表示する機能である。ヘルプ情報を表示させる条件として、一つには使用者によるマニュアル操作を行うことによる表示方法があげられる。これは例えば、ボタンを押下することによって情報を表示させたり、表示画面がタッチパネルになっている場合には所定のアイコンをクリックすることによって表示させるといった手法である。
また、マニュアル操作以外の条件として、一定時間使用者からの入力が無い場合にヘルプ情報を表示する手法が特許文献1に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、多くのディジタルカメラにはヘルプ表示専用のボタンというものは用意されておらず、既存のボタンで代用している。したがって、ボタンを押下する方法では、既存のボタンに本来備わっている機能を使おうとしたのにヘルプ情報が表示されたり、その逆の状況も起こりうるため、ユーザを混乱させてしまう恐れがあった。
【0006】
また、アイコンをクリックする方法では、ディジタルカメラの表示画面は大きくないため、ヘルプ情報の表示用のアイコンとは異なる場所をクリックしてしまうことがあった。
【0007】
さらに、特許文献1に開示される方法では、ヘルプ情報を表示させたい場合でも一定時間待機しなければならず、ユーザが見たい時に即座にヘルプ情報を参照できないという問題があった。
【0008】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、単純な方法で即座にヘルプ情報を表示できる電子機器、画像記録再生装置及びヘルプ情報の表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、情報を表示する情報表示手段と、装置本体の傾斜状態を検出する傾き検出手段と、傾き検出手段の検出結果に基づいて、情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、情報表示手段に表示するか否かを判断する手段とを有することを特徴とする電子機器を提供するものである。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、上記本発明の第1の態様に係る電子機器に撮像手段及び画像表示手段を搭載したことを特徴とする画像記録再生装置を提供するものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、電子機器に設置した傾き検出手段によって装置本体の傾斜状態を検出し、傾き検出手段の検出結果に基づいて、情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、情報表示手段に表示するか否かを判断することを特徴とするヘルプ情報の表示制御方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、単純な方法で即座にヘルプ情報を表示できる電子機器、画像記録再生装置及びヘルプ情報の表示制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を好適に実施した第1の実施形態に係るディジタルスチルカメラの正面図である。
【図2】第1の実施形態に係るディジタルスチルカメラの上面図である。
【図3】第1の実施形態に係るディジタルスチルカメラの背面図である。
【図4】第1の実施形態に係るディジタルスチルカメラの機能構成を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るディジタルスチルカメラの機能構成を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るディジタルスチルカメラのヘルプ情報表示制御動作の流れを示す図である。
【図7】第1の実施形態に係るディジタルスチルカメラのヘルプ情報表示制御動作を示す図である。
【図8】本発明を好適に実施した第2の実施形態に係るディジタルスチルカメラのモード切替・ヘルプ情報表示制御動作の流れを示す図である。
【図9】第2の実施形態に係るディジタルスチルカメラのファインダモードからメニューモードへの切り替え制御を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係るディジタルスチルカメラのメニューモードからファインダモードへの切り替え制御を示す図である。
【図11】第2の実施形態に係るディジタルスチルカメラのファインダモード内メニューでのヘルプ情報表示制御動作を示す図である。
【図12】本発明を好適に実施した第3の実施形態に係るディジタルスチルカメラのモード切替・ヘルプ情報表示制御動作の流れを示す図である。
【図13】第3の実施形態に係るディジタルスチルカメラのヘルプ情報表示制御動作を示す図である。
【図14】第3の実施形態に係るディジタルスチルカメラのメニューモードからファインダモードへの切り替え制御を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の形態について説明する。
図1〜図3に、本実施形態に係る画像記録再生装置としてのディジタルスチルカメラの構成を示す。
カメラボディCBの上面にはレリーズボタン(スイッチ)SW1、モードダイヤルSW2、及びサブ液晶ディスプレイ(サブLCD)(以下、「液晶ディスプレイ」を「LCD」と表記する)1が配置されている。カメラボディCBの正面には、ストロボ発光部3、光学ファインダ4、リモコン受光部6及び撮像レンズを含む鏡胴ユニット7が配置されている。カメラボディCBの一方の側面部には、メモリカード装填室及び電池装填室の蓋2が設けられている。カメラボディCBの背面には、光学ファインダ4、オートフォーカス用LED(発光ダイオード)8、ストロボLED9、LCDモニタ110、電源スイッチ13、広角方向ズームスイッチSW3、望遠方向ズームスイッチSW4、セルフタイマ設定/解除スイッチSW5、メニュースイッチSW6、上移動/ストロボセットスイッチSW7、右移動スイッチSW8、ディスプレイスイッチSW9、下移動/マクロスイッチSW10、左移動/画像確認スイッチSW11、OKスイッチSW12、及びクイックアクセススイッチSW13が配置されている。
【0015】
図4、5に、ディジタルスチルカメラの機能構成を示す。ディジタルスチルカメラのシステムは、ディジタル信号処理IC(集積回路)等として構成されるディジタルスチルカメラプロセッサ104(以下、単にプロセッサと言う)によって制御される。プロセッサ104は、第1のCCD(電荷結合素子)信号処理ブロック1041、第2のCCD信号処理ブロック1042、CPU(中央演算ユニット)ブロック1043、ローカルSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)1044、USB(ユニバーサルシリアルバス)ブロック1045、シリアルブロック1046、JPEGコーデック(CODEC)ブロック1047、リサイズ(RESIZE)ブロック1048、ビデオ信号表示ブロック1049、メモリカードコントローラブロック10410及びI2Cブロック10411を有し、これらは相互にバスラインで接続されている。
【0016】
プロセッサ104の外部には、RAW−RGB画像データ、YUV画像データ及びJPEG画像データを保存するためのSDRAM(シンクロナスランダムアクセスメモリ)103が配置されており、バスラインを介してプロセッサ104に接続されている。
【0017】
プロセッサ104の外部には、RAM107、内蔵メモリ120及び制御プログラムが格納されたROM108が配置されており、バスラインを介してプロセッサ104に接続されている。
【0018】
鏡胴ユニット7は、ズームレンズ71aを有するズーム光学系71、フォーカスレンズ72aを有するフォーカス光学系72、絞り73aを有する絞りユニット73、及びメカニカルシャッタ74aを有するメカシャッタユニット74を備える。ズーム光学系71、フォーカス光学系72、絞りユニット73及びメカシャッタユニット74は、それぞれズームモータ71b、フォーカスモータ72b、絞りモータ73b及びメカシャッタモータ74bによって駆動される。これらの各モータは、プロセッサ104のCPUブロック1043によって制御されるモータドライバ75によって動作が制御される。
【0019】
鏡胴ユニット7のズームレンズ71a及びフォーカスレンズ72aは、撮像素子であるCCD101の撮像面上に被写体光学像を結像するための撮像レンズを構成し、CCD101は、被写体光学像を電気的な画像信号に変換してF/E−IC(フロントエンドIC)102へ入力する。F/E−IC102は、CDS(相関二重サンプリング)部1021、AGC(自動利得制御)部1022及びA/D(アナログ−ディジタル)変換部1023を有し、画像信号に所定の処理を施し、ディジタル信号に変換してプロセッサ104の第1のCCD信号処理ブロック1041へ入力する。これらの信号処理動作は、プロセッサ104の第1の信号処理ブロック1041から出力されるVD・HD(垂直駆動・水平駆動)信号によりTG(タイミングジェネレータ)1024を介して制御される。
なお、第1のCCD信号処理ブロック1041は、CCD固体撮像素子101からF/E−IC102を経由して入力されたディジタル画像データに対してホワイトバランス調整及びγ調整等の信号処理を行うとともに、VD信号及びHD信号を出力する。
【0020】
プロセッサ104のCPUブロック1043は、音声記録回路1151による音声記録動作を制御する。音声記録回路1151は、マイクロホン1153で変換された音声信号がマイクロホンアンプ1152により増幅された増幅信号を、指令に応じて記録する。また、CPUブロック1043は、音声再生回路1161の動作も制御する。音声再生回路1161は、指令により、メモリに記録されている音声信号をオーディオアンプ1162で増幅してスピーカ1163へ入力し、スピーカ1163から音声を出力する。CPUブロック1043は、ストロボ回路114を制御して動作させることによってストロボ発光部3から照明光を発光させる。また、CPUブロック1043は、被写体距離を測定する測距ユニット5の動作も制御する。
なお、本実施形態において、測距ユニット5による被写体距離の測定は必ずしも行わなくとも良く、その場合には測距ユニット5を省略した構成としても良い。また、測距ユニット5による被写体距離の測定情報を、ストロボ回路114におけるストロボ発光制御に利用しても良い。測距ユニット5による被写体距離の測定情報を、撮像された画像データに基づく合焦制御に対して補助的に利用するようにしても良い。
【0021】
さらに、CPUブロック1043は、プロセッサ104の外部に配置されたサブCPU109にも接続されている。サブCPU109は、LCDドライバ111を介してサブLCD1による表示を制御する。また、サブCPU109は、AF用LED8,ストロボLED9、リモコン受光部6、スイッチSW1〜SW13からなる操作部及びブザー113にもそれぞれ接続されている。
【0022】
USBブロック1045は、USBコネクタ122に接続されている。ビデオ信号表示ブロック1049は、LCDドライバ117を介してLCDモニタ110に接続されている。また、ビデオ信号表示ブロック1049は、ビデオアンプ118を介してビデオジャック119に接続されている。メモリカードコントローラブロック10410は、メモリカードスロット121のカード接点に接続されており、メモリカード1212がメモリカードスロット121に装填されると、メモリカード1212の接点に接触してメモリカード1212に対する電気的な接続を実現する。
【0023】
I2Cブロック10411は、加速度センサ124に接続されており、2軸X,Yと温度Tのデータを出力する。そのデータからカメラの傾きを算出し、LCDモニタ110などに表示する。
【0024】
次に、本実施形態に係るディジタルスチルカメラのヘルプ情報表示制御の流れについて説明する。図6に、加速度センサを用いたヘルプ情報表示制御動作の流れを示す。また、でぃディジタルスチルカメラにおけるヘルプ情報表示の表示状態を図7に示す。
図6に示す動作の流れは、水準器モードがONとなっていることを前提としている。水準器モードの設定は、メニューモードに切り替えてから行うようにしても良いし、モードダイヤルスイッチに割り当てても良い。また、ファインダモード内にメニュー表示等が可能であれば、そこから選択して、SW12で設定できるようにしても良い。表示部に表示されている画面をいくつかの項目及びそれを選択するためのカーソルが表示される画面、すなわち、メニューモード又はファインダモード内でメニュー表示させている画面とする。
【0025】
ファインダモードとは、レンズを通して得られる映像をLCDモニタ110に表示させている状態をいう。ディジタルスチルカメラの電源を入れたときはこの表示から始まる。メニューボタンを押下することでメニューモードに表示が切り替わる(図7(a))。メニューモードは、ディジタルスチルカメラの各設定を行うためのモードである。また、ファインダモード中でも何らかのボタン、例えば右移動スイッチSW8等を操作することで、メニュー画面を開くことが可能である。
【0026】
水準器モードが選択されている場合には、定期的に傾き検知処理を行う。
まず、加速度センサ124を起動してデータを取得し、鉛直方向に対する傾き角度θを算出する。
【0027】
加速度センサ124のデータから傾き角度θを算出する方法の一例について説明する。ただし、以下の算出方法はあくまでも一例であり、公知の方法を適用して傾き角を算出可能である。
加速度センサ124の出力をX軸出力x、Y軸出力y、温度出力t、重力ゼロでの出力をg(t)、XとYの重力の比をR、検出角をθとする。
【0028】
ここで、θ0は、ディジタルスチルカメラが水平(0度)でのCCD101と加速度センサ124との相対ロール角である。また、θ90は、カメラが縦(+90度)でのCCD101と加速度センサ124との相対ロール角である。また、θ270は、カメラが縦(−90度)でのCCD101と加速度センサ124との相対ロール角とである。
【0029】
g(t)=2048+0.4t
R(x,y,t)=(y・g(t))/(x・g(t))
θ=180/narctan(R(x,y,t))・θ0
【0030】
0<θ<360の範囲ではθには二つの候補が存在するため、x・g(t)が正負のいずれであるかに基づいて候補の一方を選択し、θを決定する。
θが+90度近傍であれば、θ0ではなくθ90を用いて。
θ=180/narctan(R(x,y,t)・θ90
とθを再計算する。
θが−90度近傍であれば、θ0ではなくθ270を用いて。
θ=180/narctan(R(x,y,t)・θ270
とθを再計算する。
【0031】
以上の手順により、加速度センサ124の出力から傾き角度θを検出できる。
【0032】
検出した傾き角度基づいてヘルプ情報の表示を行う動作について説明する。以下の説明では、図7における右方向をプラス方向、左方向をマイナス方向と定義し、プラス方向へのn度の傾きを+n度、マイナス方向へのm度の傾きを−m度と表記する。従って、「傾き角が−m度以上」とは、マイナス方向にm度以上傾いた状態を意味し、「傾き角が±m度以上」とは、プラス方向又はマイナス方向にm度以上傾いた状態を意味する。
【0033】
角度算出後、その角度が既定値以上であるか否かを判断する(ステップS101)。この既定値は任意に設定可能であるが、本実施形態においては±45度であるとする。既定値以上である場合(ステップS101/Yes)、すなわちディジタルスチルカメラの傾きが±45度以上である場合は、ヘルプ情報の表示が可能な項目上にカーソルがあるか否かを判断する(ステップS102)。ヘルプ情報の表示が可能な項目上にカーソルがある場合には(ステップS102/Yes)、その時点でカーソルがあっている項目のヘルプ情報を表示させる(ステップS103、図7(b))。カーソルがあっている項目にヘルプ情報が用意されていない場合は何も表示しないが(ステップS102/No)、ヘルプ情報が用意されていないことを通知するメッセージを表示しても良い。
ヘルプ情報が表示された場合、傾き角が±45度以上であるか否かを監視する(ステップS104)。±45度以上の傾き角が検出されている間は(ステップS104/No)、ヘルプ情報の表示を継続する。傾き角が±45度未満となったら(ステップS104/Yes)、ヘルプ情報の表示を終了し(ステップS105)、直前の表示画面に戻す(図7(c))。
【0034】
このように、本実施形態に係るディジタルスチルカメラは、カメラを所定角度以上傾けるという単純な操作で即座にヘルプ情報を表示させることができる。
【0035】
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るディジタルスチルカメラの構成は、第1の実施形態と同様である。
【0036】
本実施形態に係るディジタルスチルカメラのモード切替・ヘルプ情報表示制御の流れについて説明する。図8に、加速度センサを用いたモード切替・ヘルプ情報表示制御動作の流れを示す。また、ディジタルスチルカメラにおけるモードの切り替え状態を図9、図10に、ファインダモード内メニューでのヘルプ情報表示制御を図11に示す。
本実施形態においては、ヘルプ情報を表示可能な二つの表示モード、ファインダモードとメニューモードの切り替えを傾き検知結果に基づいて行う。なお、以下の説明では、図9における右方向をプラス方向、左方向をマイナス方向と定義し、プラス方向へのn度の傾きを+n度、マイナス方向へのm度の傾きを−m度と表記する。従って、「傾き角が−m度以上」とは、マイナス方向にm度以上傾いた状態を意味し、「傾き角が±m度以上」とは、プラス方向又はマイナス方向にm度以上傾いた状態を意味する。
【0037】
ディジタルスチルカメラは、電源がONされると傾き角の検出を開始する(ステップS201)。また、ディジタルスチルカメラは、電源ON時にはファインダモードで起動する(ステップS202、図9(a))。その状態において、第1の実施形態と同様に傾き角を算出し、傾きが既定値(ここでは+45度とする)以上であるか否かを判断する(ステップS203)。傾き角が+45度以上である場合(ステップS203/Yes)、画面表示をメニューモードに切り替える(S204、図9(b)、(c))。傾きが+45度未満である場合にはファインダモードを継続する(ステップS203/No)。
【0038】
メニューモードの状態において、傾き角が−45度以上となった場合(ステップS205/Yes)、画面表示をファインダモードに切り替える(ステップS202、図10(b)、(c))。メニューモードの状態において傾き角が+45度以上となった場合は(ステップS206/Yes)、カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にあるか否かを判断する(ステップS207)。カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にある場合には(ステップS207/Yes)、第1の実施形態と同様に、その時点でカーソルがあっている項目のヘルプ情報を表示する(ステップS208、図7(b))。
【0039】
ヘルプ情報を表示した後、傾き角度が+45度以上であるか否かの監視を継続し、傾き角度が+45度以上ならば(ステップS209/No)、ヘルプ情報の表示を継続する(ステップS208)。傾き角が+45度未満となったら(ステップS209/Yes)、ヘルプ情報の表示を終了し(ステップS210)、直前の表示画面に戻す(図7(c))。
【0040】
ファインダモードの状態において、右移動スイッチSW8を押下することによりファインダモード内メニューが表示される(図11(a))。ファインダモード内メニューを表示していない場合は(ステップS211/No)、処理を終了する。ファインダモード内メニューを表示している状態であるならば(ステップS211/Yes)、傾き角が−45度以上であるか否かを判断する(ステップS212)。傾き角が−45度以上となった場合には(ステップS212/Yes)、カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にあるか否かを判断する(ステップS213)。カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にある場合には(ステップS213/Yes)、その時点でカーソルがあっている項目のヘルプ情報を表示する(ステップS214、図11(b))。カーソルがあっている項目にヘルプ情報が用意されていない場合は何も表示しないが、ヘルプ情報が用意されていないことを通知するメッセージを表示しても良い。
【0041】
ヘルプ情報を表示した後、傾き角度が−45度以上であるか否かの監視を継続し、傾き角度が−45度以上ならば(ステップS215/No)、ヘルプ情報の表示を継続する(ステップS214)。傾き角が−45度未満となったら(ステップS215/Yes)、ヘルプ情報の表示を終了し(ステップS210)、直前の表示画面に戻す(図11(c))。
【0042】
本実施形態においては、ファインダモードからメニューモードへ切り替える場合、またその逆の状況においてボタン操作が不要であり、上下左右移動スイッチSW7、SW8、SW10、SW11から手を離すことなくモードを切り替えられる。従って、カメラを片手で操作する場合でも、モード切替時にカメラを落下させてしまう可能性を低減できる。
【0043】
なお、ここではプラス方向に既定値以上傾いた場合にファインダモードからメニューモードへ切り替え、マイナス方向に既定値以上傾いた場合にメニューモードからファインダモードへ切り替える場合を例としたが、マイナス方向に既定値以上傾いた場合にファインダモードからメニューモードへ切り替え、プラス方向に既定値以上傾いた場合にメニューモードからファインダモードへ切り替えるようにしても良い。
【0044】
〔第3の実施形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。本実施形態に係るディジタルスチルカメラの構成は、第1の実施形態と同様である。
【0045】
本実施形態に係るディジタルスチルカメラのモード切替・ヘルプ情報表示制御の流れについて説明する。図12に、加速度センサを用いたモード切替・ヘルプ情報表示制御動作の流れを示す。また、ディジタルスチルカメラにおけるモードの切り替え状態を図13、図14に示す。本実施形態においては、ファインダモードとメニューモードとの切り替え及びヘルプ情報表示の制御を傾き角の大きさに応じて行う。
【0046】
なお、以下の説明では、図13における右方向をプラス方向、左方向をマイナス方向と定義し、プラス方向へのn度の傾きを+n度、マイナス方向へのm度の傾きを−m度と表記する。従って、「傾き角が−m度以上」とは、マイナス方向にm度以上傾いた状態を意味し、「傾き角が±m度以上」とは、プラス方向又はマイナス方向にm度以上傾いた状態を意味する。
【0047】
ディジタルスチルカメラは、電源がONされると傾き角の検出を開始する(ステップS301)。また、ディジタルスチルカメラは、電源ON時にはファインダモードで起動する(ステップS302)。その状態において、第1の実施形態と同様に傾き角を算出し、傾きが既定値(ここでは60度とする)以上であるか否かを判断する(ステップS303)。傾き角が±60度以上である場合(ステップS303/Yes)、画面表示をメニューモードに切り替える(S304)。傾きが±60度未満である場合にはファインダモードを継続する(ステップS303/No)。
【0048】
メニューモードの状態において、傾き角が±60度以上となった場合(ステップS305/Yes)、画面表示をファインダモードに切り替える(ステップS302、図14(a)〜(c))。メニューモードの状態において傾き角が±30度以上となった場合は(ステップS306/Yes)、カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にあるか否かを判断する(ステップS307)。カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にある場合には(ステップS307/Yes)、第1の実施形態と同様に、その時点でカーソルがあっている項目のヘルプ情報を表示する(ステップS308、図13(b))。
【0049】
ヘルプ情報を表示した後、傾き角度が30度以上であるか否かの監視を継続し、傾き角度が±30度以上ならば(ステップS309/No)、ヘルプ情報の表示を継続する(ステップS308)。傾き角が±30度未満となったら(ステップS309/Yes)、ヘルプ情報の表示を終了し(ステップS310)、直前の表示画面に戻す(図13(c))。
【0050】
ファインダモードの状態において、右移動スイッチSW8を押下することによりファインダモード内メニューが表示される。ファインダモード内メニューを表示していない場合は(ステップS311/No)、処理を終了する。ファインダモード内メニューを表示している状態であるならば(ステップS311/Yes)、傾き角が±30度以上であるか否かを判断する(ステップS312)。傾き角が±30度以上となった場合には(ステップS312/Yes)、カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にあるか否かを判断する(ステップS313)。カーソルがヘルプ情報を表示可能な項目上にある場合には(ステップS313/Yes)、その時点でカーソルがあっている項目のヘルプ情報を表示する(ステップS314)。カーソルがあっている項目にヘルプ情報が用意されていない場合は何も表示しないが、ヘルプ情報が用意されていないことを通知するメッセージを表示しても良い。
【0051】
ヘルプ情報を表示した後、傾き角度が±30度以上であるか否かの監視を継続し、傾き角度が±30度以上ならば(ステップS315/No)、ヘルプ情報の表示を継続する(ステップS314)。傾き角が±30度未満となったら(ステップS315/Yes)、ヘルプ情報の表示を終了し(ステップS310)、直前の表示画面に戻す。
【0052】
本実施形態においても第2の実施形態と同様に、ファインダモードからメニューモードへ切り替える場合、またその逆の状況においてボタン操作が不要であり、上下左右移動スイッチSW7、SW8、SW10、SW11から手を離すことなくモードを切り替えられる。従って、カメラを片手で操作する場合でも、モード切替時にカメラを落下させてしまう可能性を低減できる。また、ファインダモードからメニューモードへの切り替え及びその逆の切り替えを、ディジタルスチルカメラを同じ側に傾けることで行えるため、切り替え操作が容易である。
【0053】
なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれらに限定されることはない。
例えば、上記各実施形態においては、ディジタルスチルカメラを例として説明したが、動画像を撮影するビデオカメラとして本発明を適用することも可能である。
また、必ずしも撮像機能を備えている必要はなく、携帯型音楽再生装置のような機器におけるモード切替、ヘルプ情報の表示にも適用可能である。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 液晶ディスプレイ(LCD)
2 蓋
3 ストロボ発光部
4 光学ファインダ
5 測距ユニット
6 リモコン受光部
7 鏡胴ユニット
8 オートフォーカス用LED
9 ストロボLED
13 電源スイッチ
71 ズーム光学系
71a ズームレンズ
71b ズームモータ
72 フォーカス光学系
72a フォーカスレンズ
72b フォーカスモータ
73 絞りユニット
73a 絞り
73b 絞りモータ
74 メカシャッタユニット
74a メカニカルシャッタ
74b メカシャッタモータ
75 モータドライバ
101 CCD
102 フロントエンドIC
103 SDRAM
104 プロセッサ
107 RAM
108 ROM
109 サブCPU
110 LCDモニタ
111 LCDドライバ
113 ブザー
114 ストロボ回路
117 LCDドライバ
118 ビデオアンプ
119 ビデオジャック
121 メモリカードスロット
122 USBコネクタ
124 加速度センサ
1021 CDS部
1022 AGC部
1023 A/D変換部
1024 TG
1041 第1のCCD信号処理ブロック
1042 第2のCCD信号処理ブロック
1043 CPUブロック
1044 ローカルSRAM
1045 USBブロック
1046 シリアルブロック
1047 JPEGコーデックブロック
1048 リサイズブロック
1049 ビデオ信号表示ブロック
1151 音声記録回路
1152 マイクロホンアンプ
1153 マイクロホン
1161 音声再生回路
1162 オーディオアンプ
1163 スピーカ
1212 メモリカード
10410 メモリカードコントローラブロック
10411 I2Cブロック
SW1 レリーズボタン
SW2 モードダイヤル
SW3 広角方向ズームスイッチ
SW4 望遠方向ズームスイッチ
SW5 セルフタイマ設定/解除スイッチ
SW6 メニュースイッチ
SW7 上移動/ストロボスイッチ
SW8 右移動スイッチ
SW9 ディスプレイスイッチ
SW10 下移動/マクロスイッチ
SW11 左移動/画像確認スイッチ
SW12 OKスイッチ
SW13 クイックアクセススイッチ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2001−142593号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する情報表示手段と、
装置本体の傾斜状態を検出する傾き検出手段と、
前記傾き検出手段の検出結果に基づいて、前記情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、前記情報表示手段に表示するか否かを判断する手段とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記装置本体が第1の所定角度以上傾いたことを前記傾き検出手段が検出した場合に、前記情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、前記情報表示手段に表示することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記装置本体が所定方向に傾いた状態であることを前記傾き検出手段が検出した場合に、前記情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、前記情報表示手段に表示することを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
少なくとも二つの動作モードを備え、
前記傾き検出手段の検出結果に基づいて、動作モードを変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の電子機器。
【請求項5】
前記装置本体が第2の所定角度以上傾いたことを前記傾き検出手段が検出した場合に、動作モードを変更することを特徴とする請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
前記装置本体が傾斜した方向に応じて、その方向に対応づけられた動作モードに変更することを特徴とする請求項4又は5記載の電子機器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載の電子機器に撮像手段及び画像表示手段を搭載したことを特徴とする画像記録再生装置。
【請求項8】
電子機器に設置した傾き検出手段によって装置本体の傾斜状態を検出し、
前記傾き検出手段の検出結果に基づいて、前記情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、前記情報表示手段に表示するか否かを判断することを特徴とするヘルプ情報の表示制御方法。
【請求項9】
前記装置本体が第1の所定角度以上傾いたことを前記傾き検出手段が検出した場合に、前記情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、前記情報表示手段に表示することを特徴とする請求項8記載のヘルプ情報の表示制御方法。
【請求項10】
前記装置本体が所定方向に傾いた状態であることを前記傾き検出手段が検出した場合に、前記情報表示手段に表示されている情報のうち選択状態にあるものに関するヘルプ情報を、前記情報表示手段に表示することを特徴とする請求項9記載のヘルプ情報の表示制御方法。
【請求項11】
前記傾き検出手段の検出結果に基づいて、前記電子機器が備える少なくとも二つの動作モードのいずれかに変更することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載のヘルプ情報の表示制御方法。
【請求項12】
前記装置本体が第2の所定角度以上傾いたことを前記傾き検出手段が検出した場合に、動作モードを変更することを特徴とする請求項11記載のヘルプ情報の表示制御方法。
【請求項13】
前記装置本体が傾斜した方向に応じて、その方向に対応づけられた動作モードに変更することを特徴とする請求項11又は12記載のヘルプ情報の表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−181956(P2010−181956A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22737(P2009−22737)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】