説明

電子機器、該電子機器の制御方法及びプログラム

【課題】消費電流の低減に寄与する、複数の表示手段及び入力手段を備えた電子機器、電子機器の制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の表示手段及び表示手段の表示面にそれぞれ対応して設けられた複数の入力手段を備える電子機器に、複数の入力手段の間に配置される、ユーザによる操作を検出する検出手段を設ける。制御手段は、検出手段に対するユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、該電子機器の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話機では、通話や電子メール等の送受信だけでなく、WebブラウジングやSNS(Social Network Service)の利用頻度が高まり、それに伴って表示画面の大型化が進んでいる。しかしながら、携帯電話機は、携帯するものであり、片手で持てるものであることを考えると、表示画面は最大でも4〜4.5インチ程度の大きさになる。
【0003】
そのため、近年では2つのディスプレイ(表示部)を備えた折り畳み式、またはスライド式の携帯電話機が現れている。例えば特許文献1には、2つの表示部を備えた折り畳み式の携帯電話機が記載されている。また、2つの表示部を備えるものではないが、特許文献2には、携帯電話機に外部インタフェース部を備えることで、他の携帯電話機の画面も自機の表示部として利用可能にした構成が記載されている。
【0004】
上述した2つの表示部を備えた携帯電話機では、並んで配置される2つの表示部を1つの大きな表示部として利用される機会が増えると考えられる。その場合、携帯電話機には、文字、数字、記号等を入力するためのハードウェアによる入力キーを配置するスペースがなくなるため、2つの表示部にそれぞれ高解像度なタッチパネルを設けることが望ましい。
【0005】
しかしながら、そのような2つの表示部及びタッチパネルを備えた携帯電話機では、2つの表示部やタッチパネルを常にONさせていると、タッチパネルは比較的で電力消費が大きいため、携帯電話機の消費電流が増大して電池持ちが悪くなる問題がある。
【0006】
なお、2つの表示部やタッチパネルを備えた構成ではないが、携帯電話機の消費電流を低減するための手法は、例えば特許文献3や4で提案されている。
【0007】
特許文献3には、タッチパネルの操作状態を表示しつつ、タッチパネルが所定の時間が経過しても操作されない場合は表示部及びタッチパネルの動作を停止させることで消費電流を低減することが記載されている。特許文献4には、表示部を複数の表示領域に分割し、表示領域毎に照明手段(バックライト)をONまたはOFFするためのスイッチを備えることで、表示領域単位の消灯を可能にして消費電流を低減することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2005−020046号公報
【特許文献2】特開2009−284203号公報
【特許文献3】特開2008−052584号公報
【特許文献4】特開平09−062198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、2つの表示部及びタッチパネルを備えた携帯電話機等の電子機器では、表示部(表示手段)やタッチパネル(入力手段)を常にONさせていると、電子機器の消費電流が増大して電池持ちが悪くなる問題がある。そのため、使用しないタッチパネルを簡易にOFFできるようにして消費電流の低減に寄与する仕組みが望まれる。また、使用するタッチパネルを簡易に切り替えることができれば、ユーザによる2つのタッチパネルの同時利用の機会も低減することが期待できる。
【0010】
本発明は上述したような背景技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、消費電流の低減に寄与する、複数の表示手段及び入力手段を備えた電子機器、該電子機器の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目定を達成するため本発明の電子機器は、複数の表示手段と、
前記表示手段の表示面にそれぞれ対応して設けられた、情報を入力するための複数の入力手段と、
複数の前記入力手段間に配置された、ユーザによる操作を検出する検出手段と、
前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替える制御手段と、
を有する。
【0012】
一方、本発明の電子機器の制御方法は、複数の表示手段と、
前記表示手段の表示面にそれぞれ対応して設けられた、情報を入力するための複数の入力手段と、
前記入力手段間に配置された、ユーザによる操作を検出する検出手段と、
を有する電子機器の制御方法であって、
前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替える方法である。
【0013】
また、本発明のプログラムは、複数の表示手段と、
前記表示手段の表示面にそれぞれ対応して設けられた、情報を入力するための複数の入力手段と、
前記入力手段の間に配置された、ユーザによる操作を検出する検出手段と、
を有する電子機器を制御するためのプログラムであって、
前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替えるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、消費電流の低減に寄与する、複数の表示部及びタッチパネル部を備えた電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の電子機器の一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した電子機器の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した電子機器の概観例を示す平面図である。
【図4】第1の実施の形態の電子機器の操作例を示す模式図である。
【図5】第1の実施の形態の電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態の電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態の電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の電子機器の他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明の電子機器の一構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の電子機器は、複数の表示手段1と、表示手段1の表示面にそれぞれ対応して設けられた情報を入力するための複数の入力手段2と、入力手段2間に配置された、ユーザによる操作を検出する検出手段3と、検出手段3に対するユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段1及び入力手段2を切り替える制御手段4とを有する構成である。
【0019】
図1では、電子機器が、2つの表示手段1、2つの入力手段2及び1つの検出手段3を備える構成例を示しているが、表示手段1及び入力手段2の数は2つに限定されるものではなく、検出手段3の数は1つに限定されるものではない。表示手段1及び入力手段2は、2つ以上であればいくつでもよく、検出手段3は表示手段1及び入力手段2の数に応じて各入力手段2間に配置すればよい。
(第1の実施の形態)
図2は、図1に示した電子機器の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示した電子機器として、携帯電話機の構成例を示している。
【0020】
以下では、携帯電話機を例にして本発明の構成や動作を説明するが、本発明は、複数の表示手段1及び入力手段2を備えた構成であれば、その他の電子機器にも適用できる。そのような電子機器としては、例えば携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)、ゲーム機、ノート型やタブレット型のコンピュータ等がある。
【0021】
図2に示すように、本実施形態の電子機器は、制御部18、第1表示部11、第2表示部13、第1タッチパネル部12、第2タッチパネル部14、センサー部15、記憶部16及び通信部17を備え、第1表示部11、第2表示部13、第1タッチパネル部12、第2タッチパネル部14、センサー部15、記憶部16及び通信部17が、例えば周知のバスを介して制御部18と接続された構成である。
【0022】
第1表示部11及び第2表示部13は、制御部18から供給される画像情報や映像信号にしたがって画像を表示する、例えば液晶ディスプレイや有機ELパネル等である。図1に示した本発明の表示手段1は、例えば図2に示す第1表示部11及び第2表示部13で実現される。
【0023】
第1タッチパネル部12は、第1表示部11の表示面上に設置され、第1表示部11に表示された画像に基づき、ユーザの指示、あるいは文字、数字、記号等の情報を電子機器に入力するために用いられる。
【0024】
第2タッチパネル部14は、第2表示部13の表示面上に設置され、第2表示部13に表示された画像に基づき、ユーザの指示、あるいは文字、数字、記号等の情報を電子機器に入力するために用いられる。
【0025】
第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14は、タッチ面として有効な範囲にユーザの指等が触れると、接触反応がある座標(接触点)のデータを制御部18へ送信する。制御部18は、第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14から受け取ったデータに基づき、該接触点の有無及びその座標を検出し、ソフトウェア処理により該座標に対応するユーザがタッチ面に触れることで指定した文字、数字、記号等の情報を判定して取り込む。図1に示した本発明の入力手段2は、例えば図2に示す第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14で実現される。
【0026】
センサー部15は、第1タッチパネル部12と第2タッチパネル部14間に配置され、第1表示部11、第2表示部13、第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14をONまたはOFFするために用いられる。センサー部15には、例えば周知のタッチセンサーや近接センサー等を用いればよい。センサー部15は、通常、OFFに設定されており、ONされると予め設定された時間(Active時間T)が経過した後、OFFされる。センサー部15は、ON状態のときに動作し、ユーザが指等で触れたか否か、または指等を近づけた否か等のユーザによる操作を検出し、その検出結果を制御部18へ通知する。センサー部15は、制御部18により、第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14のうち、例えば使用中の表示部に対応するタッチパネル部の端部に対するユーザの操作(指等を触れる、または近づける)が検出されると、ONされる。図1に示した本発明の検出手段3は、例えば図2に示すセンサー部15で実現される。
【0027】
記憶部16は、第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14のON/OFF状態、並びにセンサー部15のON/OFF状態を記憶する。これらの状態は制御部18により記憶部16に記録される。
【0028】
通信部17は、不図示の無線基地局と無線通信を行うことで、通信ネットワークを介して音声、テキスト、画像等の各種の情報を送受信するための周知の無線回路である。
【0029】
制御部18は、周知のCPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を備え、メモリにはCPUで実行する各種の制御用プログラムや処理で用いる各種のデータが格納される。CPUは、メモリに格納された制御用プログラムにしたがって処理(ソフトウェア処理)を実行することで、周知の携帯電話機としての機能を実現すると共に、第1表示部11、第2表示部13、第1タッチパネル部12、第2タッチパネル部14、センサー部15及び記憶部16の動作を制御し、後述する本発明の電子機器の制御方法を実現する。図1に示した本発明の制御手段4は、例えば図2に示す制御部18で実現される。
【0030】
図3は、図2に示した電子機器(携帯電話機)の概観例を示す平面図である。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の電子機器は、第1タッチパネル部12が表示面上に配置された第1表示部11と、第2タッチパネル部14が表示面上に配置された第2表示部13とが並列に配置された、例えば折り畳み式の携帯電話機である。第1タッチパネル部12と第2タッチパネル部14間にはセンサー部15が設けられている。
【0032】
このような構成において、次に第1の実施の形態の電子機器の動作について図面を用いて説明する。
【0033】
第1の実施の形態の電子機器は、第1表示部11及び第2表示部13のうち、いずれか一方を使用しているとき、センサー部15を用いて使用する表示部を切り替える例である。第1表示部11と第1タッチパネル部12とは連動してON/OFFし、第2表示部13と第2タッチパネル部14とは連動してON/OFFするものとする。以下では、特に指定しない限り、第1表示部11や第2表示部13がONしたと表記した場合は、対応するタッチパネル部もONし、第1表示部11や第2表示部13がOFFしたと表記した場合は、対応するタッチパネル部もOFFするものとする。同様に、第1タッチパネル部12や第2タッチパネル部14がONしたと表記した場合は、対応する表示部もONし、第1タッチパネル部12や第2タッチパネル部14がOFFしたと表記した場合は、対応する表示部もOFFするものとする。
【0034】
図4は、第1の実施の形態の電子機器の操作例を示す模式図である。
【0035】
図4に示すように、ユーザが、例えば第1表示部11及び第1タッチパネル部12のみONさせて電子機器を操作しているとき(STEP1)、センサー部15はOFFされている。
【0036】
ユーザが、使用する表示部及びタッチパネル部を切り替える場合、使用中のタッチパネル部(この場合、第1タッチパネル部12)の端部に触れると、センサー部15がONする(STEP2)。
【0037】
センサー部15がON状態のとき、ユーザがセンサー部15に触れると(あるいは指等を近づけると)、使用中の一方の表示部及びタッチパネル部(この場合、第1表示部11及び第1タッチパネル部12)がOFFされ、それまで使用していない他方の表示部及びタッチパネル部(この場合、第2表示部13及び第2タッチパネル部14)がONされる(STEP3)。ONしたセンサー部15は、所定のActive時間Tが経過した後にOFFされる。
【0038】
図5及び図6は、第1の実施の形態の電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
以下に示す本実施形態の電子機器の処理は、図2に示した制御部18が備えるCPUがメモリに格納された制御用プログラムにしたがって処理を実行することで実現される。また、以下に示す制御部18による処理において、第1表示部11、第2表示部13、第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14をON/OFFした場合、制御部18はその状態を記憶部16に記録するものとする。
【0040】
図5に示すように、制御部18は、待ち受け処理へ移行すると(ステップS11)、まず第1表示部11がONしているか否かを判定する(ステップS12)。待ち受け処理とは、第1タッチパネル部12及び/または第2タッチパネル部14に対するユーザの入力操作が何も無く、ユーザからの指示入力を待っている状態である。待ち受け処理であるか否かは、所定の周期毎に判定すればよい。本発明の電子機器の制御方法は、第1タッチパネル部12及び/または第2タッチパネル部14に対するユーザの入力操作が無い図5に示すステップS11から処理が開始される。
【0041】
第1表示部11がONしている場合、制御部18は、ステップS19の処理へ移行する。第1表示部11がOFFしている場合、制御部18は、第2表示部2がONしているか否かを判定する(ステップS14)。
【0042】
第2表示部がONしている場合、制御部18は、ステップS20の処理へ移行する。第2表示部13がOFFしている場合、制御部18は、第1表示部11または第2表示部13をONにする指示が入力されているか否かを判定する(ステップS16)。第1表示部11または第2表示部13をONにする指示が入力されていない場合はステップS11からの処理を繰り返す。
【0043】
第1表示部11をONにする指示が入力されている場合、制御部18は、第1表示部11をONにして(ステップS17)、ステップS12の処理からの処理を繰り返す。また、第2表示部13をONにする指示が入力されている場合は第2表示部13をONにし(ステップS18)、ステップS12からの処理を繰り返す。第1表示部11及び第2表示部13をONまたはOFFする指示は、例えば、第1タッチパネル部12及び第2タッチパネル部14を含まない、電子機器の前面や側面等に設けられたファンクションキー、または使用中のタッチパネル部を用いたユーザの操作により入力される。
【0044】
ステップS19において、制御部18は、第1タッチパネル部12をユーザが操作中であるか否かを判定する。ユーザが第1タッチパネル部12を操作中である場合はステップS21の処理へ移行する。また、ユーザが第1タッチパネル部12を操作中でない場合は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0045】
ステップS21において、制御部18は、ユーザが触れている第1タッチパネル部12の位置(タッチ位置)が、その端部であるか否かを判定する。ユーザが第1タッチパネル部12の端部に触れている場合、制御部18は、センサー部15をONにし(ステップS22)、記憶部16にセンサー部15がON状態であることを記録して、ステップS23へ移行する。ユーザが第1タッチパネル部12の端部に触れていない場合は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0046】
ステップS20において、制御部18は、第2タッチパネル部14をユーザが操作中であるか否かを判定する。ユーザが操作中である場合はステップS24の処理へ移行する。また、ユーザが第2タッチパネル部14を操作中でない場合は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0047】
ステップS24において、制御部18は、ユーザが触れている第2タッチパネル部14の位置(タッチ位置)が、その端部であるか否かを判定する。ユーザが第2タッチパネル部14の端部に触れている場合、制御部18は、センサー部15をONにし(ステップS25)、記憶部16にセンサー部15がON状態であることを記録して、ステップS23へ移行する。ユーザが第2タッチパネル部14の端部に触れていない場合は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0048】
ステップS23へ移行すると、制御部18は、図6に示すように、まずユーザがセンサー部15を操作中であるか否かを判定する(ステップS231)。ユーザがセンサー部15を操作中である場合はステップS232の処理へ移行する。また、ユーザがセンサー部15を操作中でない場合はステップS233の処理へ移行する。
【0049】
ステップS232において、制御部18は、第1表示部11がONしているか否かを判定し、第1表示部11がONしている場合はステップS234の処理を実行した後、ステップS11からの処理を繰り返す。一方、第1表示部11がONしていない場合は、ステップS236の処理へ移行する。
【0050】
ステップS234において、制御部18は、第1表示部11をOFFにし、第2表示部13をONにし、併せてセンサー部15をOFFにする。
【0051】
ステップS233において、制御部18は、センサー部15がONしている時間(ON時間)tが予め設定されたActive時間Tを越えているか否かを判定する。このとき、制御部18は、記憶部16に記録されたセンサー部15のON/OFF状態に基づき、タイマ等を用いて上記ON時間tを計測すればよい。ON時間tがActive時間Tを越えている場合、制御部18は、ステップS235の処理を実行した後、ステップS11からの処理を繰り返す。ON時間tがActive時間Tを越えていない場合は、ステップS231からの処理を繰り返す。
【0052】
ステップS235において、制御部18はセンサー部15をOFFにする。
【0053】
ステップS236において、制御部18は、第2表示部13がONしているか否かを判定し、第2表示部13がONしている場合はステップS237の処理を実行した後、ステップS11からの処理を繰り返す。一方、第2表示部13がONしていない場合は、ステップS238の処理へ移行する。
【0054】
ステップS237において、制御部18は、第1表示部11をONにし、第2表示部13をOFFにし、併せてセンサー部15をOFFにする。
【0055】
ステップS238において、制御部18は、センサー部15がONしている時間(ON時間)tが予め設定されたActive時間Tを越えているか否かを判定する。ON時間tがActive時間Tを越えている場合、制御部18は、ステップS239の処理を実行した後、ステップS11からの処理を繰り返す。ON時間tがActive時間Tを越えていない場合は、ステップS231からの処理を繰り返す。
【0056】
ステップS239において、制御部18はセンサー部15をOFFにする。
【0057】
本実施形態によれば、ユーザは自然な操作で使用する表示部及びタッチパネル部を切り替えることが可能であり、使用しない表示部及びタッチパネル部を簡易にOFFすることができる。したがって、ユーザによる2つのタッチパネル部の同時利用の低減が期待できるため、消費電流の低減に寄与する、複数の表示部及びタッチパネル部を備えた電子機器及びその制御方法が得られる。
(第2の実施の形態)
図5及び図6に示した第1の実施の形態の処理では、第1表示部11及び第2表示部13が共にONした状態で、ステップS11の待ち受け処理へ移行すると、ステップS11から常にステップS12及びS19の処理へ移行してしまう。
【0058】
第2の実施の形態は、図5に示したステップS11の待ち受け処理への移行時に第1表示部11及び第2表示部13が共にONしていてもセンサー部15による操作を可能にする例である。電子機器の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。なお、第1の実施の形態の処理と第2の実施の形態の処理とは、第1表示部11及び第2表示部13が共にONしているか否かに応じて、制御部18のCPUで実行する制御プログラムを切り替えることで実現できる。
【0059】
第2の実施の形態の電子機器の処理も、第1の実施の形態と同様に、図2に示した制御部18が備えるCPUがメモリに格納された制御用プログラムにしたがって処理を実行することで実現される。
【0060】
図7及び図8は、第2の実施の形態の電子機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図7に示すように、制御部18は、ユーザからの指示入力を待つ待ち受け処理へ移行すると(ステップS31)、まず第1表示部11がONしているか否かを判定する(ステップS32)。第1表示部11がONしている場合はステップS33の処理へ移行し、第1表示部11がONしていない場合はステップS35の処理へ移行する。
【0062】
ステップS33において、制御部18は、第1タッチパネル部12をユーザが操作中であるか否かを判定する。ユーザが第1タッチパネル部12を操作中である場合はステップS34の処理へ移行する。ユーザが第1タッチパネル部12を操作中でない場合は、ステップS31からの処理を繰り返す。
【0063】
ステップS34において、制御部18は、ユーザが触れている第1タッチパネル部12の位置が、その端部であるか否かを判定する。ユーザが第1タッチパネル部12の端部に触れている場合は、センサー部15をONにし(ステップS38)、記憶部16にセンサー部15がON状態であることを記録して、図8に示すステップS39へ移行する。ユーザが第1タッチパネル部12の端部に触れていない場合は、ステップS31からの処理を繰り返す。
【0064】
ステップS35において、制御部18は、第2表示部13がONしているか否かを判定する。第2表示部13がONしている場合はステップS36の処理へ移行し、第2表示部13がONしていない場合は、ステップS31からの処理を繰り返す。
【0065】
ステップS36において、制御部18は、第2タッチパネル部14をユーザが操作中であるか否かを判定する。ユーザが第2タッチパネル部14を操作中である場合はステップS37の処理へ移行する。ユーザが第2タッチパネル部14を操作中でない場合は、ステップS31からの処理を繰り返す。
【0066】
ステップS37において、制御部18は、ユーザが触れている第2タッチパネル部14の位置が、その端部であるか否かを判定する。ユーザが第2タッチパネル部14の端部に触れている場合は、センサー部15をONにし(ステップS38)、記憶部16にセンサー部15がON状態であることを記録して、図8に示すステップS39へ移行する。ユーザが第2タッチパネル部14の端部に触れていない場合は、ステップS31からの処理を繰り返す。
【0067】
ステップS39へ移行すると、制御部18は、図8に示すように、まずユーザがセンサー部15を操作中であるか否かを判定する(ステップS391)。ユーザがセンサー部15を操作中である場合はステップS392の処理へ移行する。また、ユーザがセンサー部15を操作中でない場合はステップS396の処理へ移行する。
【0068】
ステップS392において、制御部18は、第1表示部11がONしているか否かを判定し、第1表示部11がONしている場合はステップS393の処理を実行した後、ステップS397の処理へ移行する。第1表示部11がONしていない場合は、ステップS394の処理へ移行する。
【0069】
ステップS393において、制御部18は、第1表示部11をOFFにし、第2表示部13をONにする。
【0070】
ステップS394において、制御部18は、第2表示部13がONしているか否かを判定し、第2表示部13がONしている場合はステップS395の処理を実行した後、ステップS397の処理へ移行する。第2表示部13がONしていない場合は、ステップS396の処理へ移行する。
【0071】
ステップS395において、制御部18は、第1表示部11をONにし、第2表示部13をOFFにする。
【0072】
ステップS396において、制御部18は、センサー部15がONしている時間(ON時間)tが予め設定されたActive時間Tを越えているか否かを判定する。ON時間tがActive時間Tを越えている場合は、ステップS397の処理へ移行する。ON時間tがActive時間Tを越えていない場合は、ステップS391からの処理を繰り返す。
【0073】
ステップS397において、制御部18は、センサー部15をOFFにし、その後、ステップS31からの処理を繰り返す。
【0074】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、ユーザは自然な操作で使用する表示部及びタッチパネル部を切り替えることが可能であり、使用しない表示部及びタッチパネル部を簡易にOFFすることができる。したがって、ユーザによる2つのタッチパネル部の同時利用の低減が期待できるため、消費電流の低減に寄与する、複数の表示部及びタッチパネル部を備えた電子機器及びその制御方法が得られる。
【0075】
なお、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、電子機器として、表示手段1及び入力手段2をそれぞれ2つ備えた構成例を示しているが、表示手段1及び入力手段2の数は2つに限定されるものではない。例えば図9に示すように、表示手段1及び入力手段2をそれぞれ4つ備え、表示手段1及び入力手段2間に5つの検出手段3が配置された電子機器にも適用可能である。
【0076】
その場合、ユーザが操作した検出手段3を挟む2つの表示手段1及び入力手段2間で使用する表示手段及び入力手段2を切り替えればよく、中央の検出手段3に対するユーザの操作を検出した場合は、例えば4つの表示手段1及び入力手段2のうち、使用する表示手段1及び入力手段2を順次切り替えればよい。すなわち、検出手段3に対するユーザの操作を検出した場合は、いずれか1組の表示手段1及び入力手段2を使用可能にすればよい。
【符号の説明】
【0077】
1 表示手段
2 入力手段
3 検出手段
4 制御手段
11 第1表示部
12 第1タッチパネル部
13 第2表示部
14 第2タッチパネル部
15 センサー部
16 記憶部
17 通信部
18 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示手段と、
前記表示手段の表示面にそれぞれ対応して設けられた、情報を入力するための複数の入力手段と、
複数の前記入力手段間に配置された、ユーザによる操作を検出する検出手段と、
前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替える制御手段と、
を有する電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、
使用中の前記入力手段の端部に対する前記ユーザの操作を検出すると、前記検出手段をONさせ、該ONにした検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び前記入力手段を切り替える請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記検出手段をONさせると、予め設定された時間が経過した後、該ONにした検出手段をOFFさせる請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、
複数の前記表示手段及び前記入力手段がそれぞれ使用可能な状態にある場合、前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、複数の前記表示手段及び前記入力手段のうち、いずれか1つの表示手段及び入力手段を使用可能にする請求項1から3のいずれか1項記載の電子機器。
【請求項5】
複数の表示手段と、
前記表示手段の表示面にそれぞれ対応して設けられた、情報を入力するための複数の入力手段と、
前記入力手段間に配置された、ユーザによる操作を検出する検出手段と、
を有する電子機器の制御方法であって、
前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替える電子機器の制御方法。
【請求項6】
使用中の前記入力手段の端部に対する前記ユーザの操作を検出すると、前記検出手段をONさせ、該ONにした検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び前記入力手段を切り替える請求項5記載の電子機器の制御方法。
【請求項7】
前記検出手段をONさせると、予め設定された時間が経過した後、該ONにした検出手段をOFFさせる請求項6記載の電子機器の制御方法。
【請求項8】
複数の前記表示手段及び前記入力手段がそれぞれ使用可能な状態にある場合、前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、複数の前記表示手段及び前記入力手段のうち、いずれか1つの表示手段及び前記入力手段を使用可能にする請求項5から7のいずれか1項記載の電子機器の制御方法。
【請求項9】
複数の表示手段と、
前記表示手段の表示面にそれぞれ対応して設けられた、情報を入力するための複数の入力手段と、
前記入力手段の間に配置された、ユーザによる操作を検出する検出手段と、
を有する電子機器を制御するためのプログラムであって、
前記検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替えるためのプログラム。
【請求項10】
使用中の前記入力手段の端部に対する前記ユーザの操作を検出すると、前記検出手段をONさせ、該ONにした検出手段に対する前記ユーザの操作を検出すると、使用可能な表示手段及び入力手段を切り替えるための請求項9記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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