説明

電子機器、電子機器の制御方法、及び、プログラム

【課題】外部装置に接続されるインターフェイスを複数備えた電子機器が、いずれか一つのインターフェイスを速やかに、かつ効率よく選択できるようにする。
【解決手段】プリンター1は、メインインターフェイス基板20に接続可能なサブ基板30に設けられたコネクター41と、メインインターフェイス基板20側に設けられたコネクター42と、これらのいずれか一方を選択するメインコントローラー21と、選択されたインターフェイスを介してホストコンピューター6との間で情報を送受信するプリントエンジン10と、を備え、コネクター41、42の少なくとも一方は、ホストコンピューター6との接続状態を検出可能に構成され、メインコントローラー21は、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、ホストコンピューター6との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置に接続される電子機器、この電子機器の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、USB等のインターフェイスを介して外部装置に接続されるプリンター等の電子機器が知られている。これらの装置は通常、一対一で外部装置に接続されるが、例えば、USB切替器を介して接続を切り替えることで、一台の電子機器に対して複数の外部装置を接続する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−353145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたように、電子機器を複数の外部装置に接続する方法としては、外部装置の切り替えを行って、従来と同様にいずれか一つの外部装置が一対一で電子機器と通信可能となる構成が考えられる。また、電子機器自体に複数のインターフェイスを設けて、いずれか一つのインターフェイスで外部装置と電子機器とが一対一で通信する構成も考えられる。しかしながら、複数のインターフェイスから適切に一つのインターフェイスを選択することは容易ではなく、効率よくインターフェイスを選択する手法が求められていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、外部装置に接続されるインターフェイスを複数備えた電子機器が、いずれか一つのインターフェイスを速やかに、かつ効率よく選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、外部装置に接続可能な電子機器であって、本体基板と、前記電子機器内で前記本体基板に着脱可能に接続されるインターフェイス基板と、前記インターフェイス基板に設けられ、前記外部装置と接続可能な第1のコネクターを有する第1のインターフェイスと、前記電子機器の本体基板側に設けられ、前記外部装置と接続可能な第2のコネクターを有する第2のインターフェイスと、前記インターフェイス基板側の前記第1のインターフェイスと、前記本体基板側の前記第2のインターフェイスのいずれか一方のインターフェイスを選択する選択部と、前記選択部により選択されたインターフェイスを介して前記外部装置との間で情報を送受信する通信部と、を備え、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスとの少なくともいずれか一方は、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成され、前記選択部は、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択すること、を特徴とする。
本発明によれば、外部装置と接続可能な第1のインターフェイスをインターフェイス基板に備える一方、本体基板側に第2のインターフェイスを備えた構成において、いずれか一方のインターフェイスを選択する選択部が、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスについては、外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択する。これにより、外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスの機能を生かして、指定されたインターフェイスか、ユーザーが実際に外部装置を接続した側のインターフェイスを選択するので、必要な側のインターフェイスを速やかに、かつ効率よく選択して、外部装置との通信を実行できる。
【0006】
また、本発明は、上記の電子機器において、前記第1のインターフェイスと、前記第2のインターフェイスのうち、いずれかのインターフェイスを指定するスイッチ、または、いずれかのインターフェイスを指定する指定情報を記憶する記憶部を備え、前記選択部は、前記電子機器の電源投入時、または、前記外部装置からリセットコマンド若しくはリセット信号を受信した時に、前記スイッチまたは前記記憶部の指定情報を取得し、前記指定情報に基づき、指定されたインターフェイスを選択することを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2のインターフェイスのうち選択すべきインターフェイスを、スイッチまたは記憶部に記憶される指定情報によって容易に指定できる。
【0007】
また、本発明は、上記の電子機器において、前記外部装置から、いずれかのインターフェイスを指定する情報を含む所定のコマンドを受信すると、前記選択部は、前記所定のコマンドにより指定されたインターフェイスを選択することを特徴とする。
本発明によれば、外部装置からコマンドを送信することによって、第1及び第2のインターフェイスうち選択するインターフェイスを容易に指定できる。
【0008】
また、本発明は、上記の電子機器において、前記選択部は、前記スイッチまたは前記記憶部の指定情報に基づき、前記第1のインターフェイスを選択するよう予め指定されていた場合であって、前記インターフェイス基板が前記本体基板に接続されていない場合には、前記第2インターフェイスを選択することを特徴とする。
本発明によれば、予め指定されたインターフェイスに外部装置を接続できない場合には他のインターフェイスが選択され、外部装置と通信可能となる。例えば、メンテナンス時の都合や誤作業によって指定されたインターフェイス基板が接続されていない場合であっても、別のインターフェイスにより外部装置と接続できる。これにより、指定されたインターフェイスの選択が不可能な場合には、指定に関わらず別のインターフェイスを選択して、外部装置の接続可能性を常に維持できる。
【0009】
また、本発明は、上記の電子機器において、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスの両方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成され、前記選択部は、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、先に前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択することを特徴とする。
本発明によれば、先に外部装置を検出したインターフェイスを優先して選択するので、速やかにインターフェイスを選択して外部装置との通信が可能になる。
【0010】
また、本発明は、上記の電子機器において、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのいずれか一方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成されている場合、電源投入時、または、前記外部装置からリセットコマンド若しくはリセット信号を受信した時に、前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスが前記外部装置との接続を検出していなければ、前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスをアクティブ状態にしたまま、他方のインターフェイスを、ステータス情報を前記外部装置に通知可能とする接続待機状態に移行し、オフライン要因の発生時に前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイス及び前記他方のインターフェイスのいずれからも前記オフライン要因の情報を含む前記ステータス情報を前記外部装置に通知することを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2のインターフェイスのいずれかが外部装置の接続状態を検出可能である場合に、どのインターフェイスに外部装置が接続されても、速やかに接続を検出可能になる。また、外部装置の接続を検出する前にオフライン要因が発生した場合は全てのインターフェイスに対してオフライン状態を含むステータス通知信号を通知するので、既に外部装置が接続されているにもかかわらず未検出の場合であっても、外部装置に対してオフライン状態であることを的確に通知して、オフライン状態で外部装置からデータが入力されるといった事態を避け、その後にオンライン状態に復帰してから確実に接続を検出できる。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本発明は、外部装置に接続可能な電子機器であって、本体基板と、前記電子機器内で前記本体基板に接続可能なインターフェイス基板と、前記インターフェイス基板に設けられ、前記外部装置と着脱可能に接続される第1のコネクターを有する第1のインターフェイスと、前記本体基板側に設けられ、前記外部装置と接続可能な第2のコネクターを有する第2のインターフェイスと、を備え、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスの少なくともいずれか一方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成された電子機器の制御方法であって、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択し、選択したインターフェイスを介して前記外部装置との間で情報を送受信すること、を特徴とする。
本発明によれば、外部装置と接続可能な第1のインターフェイスをインターフェイス基板に備える一方、本体基板側に第2のインターフェイスを備えた構成において、いずれか一方のインターフェイスを選択し、この選択において、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスについては、外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択する。これにより、外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスの機能を生かして、指定されたインターフェイスか、ユーザーが実際に外部装置を接続した側のインターフェイスを選択するので、必要な側のインターフェイスを速やかに、かつ効率よく選択して、外部装置との通信を実行できる。
【0012】
また、本発明は、上記の電子機器の制御方法において、前記電子機器が、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、いずれかのインターフェイスを指定するスイッチ、または、いずれかのインターフェイスを指定する指定情報を記憶する記憶部を備える場合に、前記電子機器の電源投入時、または、前記外部装置からリセットコマンド若しくはリセット信号を受信した時に、前記スイッチまたは前記記憶部の指定情報を取得し、前記指定情報に基づき、指定されたインターフェイスを選択することを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2のインターフェイスのうち選択すべきインターフェイスを、スイッチまたは記憶部に記憶される指定情報によって容易に指定できる。
【0013】
また、本発明は、上記の電子機器の制御方法において、前記外部装置から、いずれかのインターフェイスを指定する情報を含む所定のコマンドを受信した場合には、受信した前記所定のコマンドにより指定されたインターフェイスを選択することを特徴とする。
本発明によれば、外部装置からコマンドを送信することによって、第1及び第2のインターフェイスうち選択するインターフェイスを容易に指定できる。
【0014】
また、本発明は、上記の電子機器の制御方法において、前記スイッチまたは前記記憶部の指定情報に基づき、前記第1のインターフェイスを選択するよう予め指定され、前記インターフェイス基板が前記本体基板に接続されていない場合には、前記第2インターフェイスを選択することを特徴とする。
本発明によれば、予め指定されたインターフェイスに外部装置を接続できない場合には他のインターフェイスが選択され、外部装置と通信可能となるので、メンテナンスの都合や誤操作によって指定されたインターフェイス基板が接続されなくなっても、外部装置を接続できる。これにより、指定されたインターフェイスの選択が不可能な場合には、指定に関わらず別のインターフェイスを選択して、外部装置の接続可能性を常に維持できる。
【0015】
また、本発明は、上記の電子機器の制御方法において、前記電子機器が備える前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスの両方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成された場合に、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、先に前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択することを特徴とする。
本発明によれば、先に外部装置を検出したインターフェイスを優先して選択するので、速やかにインターフェイスを選択して外部装置との通信が可能になる。
【0016】
また、本発明は、上記の電子機器の制御方法において、前記電子機器が備える前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのいずれか一方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成されている場合、電源投入時、または、前記外部装置からリセットコマンド若しくはリセット信号を受信した時に、前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスが前記外部装置との接続を検出していなければ、前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスをアクティブ状態にしたまま、他方のインターフェイスを、ステータス情報を前記外部装置に通知可能とする接続待機状態に移行し、オフライン要因の発生時に前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイス及び前記他方のインターフェイスのいずれからも前記オフライン要因の情報を含む前記ステータス情報を前記外部装置に通知することを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2のインターフェイスのいずれかが外部装置の接続状態を検出可能である場合に、どのインターフェイスに外部装置が接続されても、速やかに接続を検出可能になる。また、外部装置の接続を検出する前にオフライン要因が発生した場合は全てのインターフェイスに対してオフライン状態を含むステータス通知信号を通知するので、既に外部装置が接続されているが未検出の場合であっても、外部装置に対してオフライン状態であることを的確に通知して、オフライン状態で外部装置からデータが入力されるといった事態を避け、その後にオンライン状態に復帰してから確実に接続を検出できる。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本発明は、外部装置に接続可能な電子機器であって、制御部を有する本体基板と、前記電子機器内で前記本体基板に着脱可能に接続されるインターフェイス基板と、前記インターフェイス基板に設けられ、前記外部装置と接続可能な第1のコネクターを有する第1のインターフェイスと、前記本体基板側に設けられ、前記外部装置と接続可能な第2のコネクターを有する第2のインターフェイスと、を備え、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスの少なくともいずれか一方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成された電子機器の前記制御部が実行可能なプログラムであって、前記インターフェイス基板側の前記第1のインターフェイスと、前記本体基板側の前記第2のインターフェイスのうち、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択し、選択したインターフェイを介して前記外部装置との間で情報を送受信すること、を特徴とする。
本発明によれば、外部装置と接続可能な第1のインターフェイスをインターフェイス基板に備える一方、本体基板側に第2のインターフェイスを備えた電子機器が、いずれか一方のインターフェイスを選択する際に、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスについては、外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択する。これにより、外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスの機能を生かして、指定されたインターフェイスか、ユーザーが実際に外部装置を接続した側のインターフェイスを選択するので、必要な側のインターフェイスを速やかに、かつ効率よく選択して、外部装置との通信を実行できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外部装置を接続可能なインターフェイスを複数備えた構成において、外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスの機能を生かして、必要な側のインターフェイスを速やかに、かつ効率よく選択して、外部装置との通信を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態に係るプリンターの構成を示すブロック図である。
【図2】プリンターの動作を示すフローチャートである。
【図3】プリンターの動作例を示すフローチャートである。
【図4】プリンターの動作例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係るプリンターの構成を示すブロック図である。
【図6】プリンターの動作を示すフローチャートである。
【図7】プリンターの動作例を示すフローチャートである。
【図8】選択部の具体的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係る電子機器としてのプリンター1の構成を示すブロック図である。
本実施形態で説明するプリンター1は、外部装置としてのホストコンピューター6に接続され、ホストコンピューター6から入力されるデータに基づいて、記録媒体に文字や画像等を印刷(記録)する装置である。本実施形態では一例として、本体に記録媒体としての感熱ロール紙を収容し、発熱素子を備えた印刷ヘッド17により、感熱ロール紙の記録面に熱を加えることで文字や画像等を印刷するサーマルプリンターとして説明する。
【0021】
プリンター1は、印刷動作を制御するプリントエンジン10と、プリンター1に外部接続されるホストコンピューター6との間の通信を制御するメインインターフェイス基板20及びサブ基板30を備えて構成される。
プリントエンジン10は、プリンター1の各部を制御する制御部11と、制御部11により実行されるプログラムや各種データ等を記憶した不揮発性メモリー12と、ホストコンピューター6から受信したデータを一時的に記憶するバッファーメモリー13と、プリンター1が備える駆動部を制御して印刷を実行するドライバー14(駆動回路)とを備え、制御部11には、用紙端センサー15及び用紙残量センサー16が接続されている。不揮発性メモリー12は、具体的には、EEPROMやフラッシュメモリー等の半導体記憶素子により構成される。バッファーメモリー13は、メインインターフェイス基板20から制御部11に入力されたコマンドやデータ等を受信順に記憶する揮発性記憶装置である。
【0022】
プリンター1は、感熱ロール紙に印刷する印刷ヘッド17と、感熱ロール紙を搬送する搬送ローラー(図示略)を回転させる搬送モーター18と、印刷後の感熱ロール紙をカットするカッターユニット19とを備えている。
ドライバー14は、プリンター1が備える搬送モーター18、及びカッターユニット19に接続され、搬送モーター18に対して駆動電流と駆動パルスを出力して必要量だけ感熱ロール紙を搬送させ、カッターユニット19に駆動電流を出力することで所定のタイミングで感熱ロール紙をカットさせる。
また、制御部11に接続された用紙端センサー15は、感熱ロール紙の搬送路上において感熱ロール紙の有無を検出し、用紙残量センサー16は、感熱ロール紙の残量が所定量以下になったことを検出するセンサーであり、それぞれ検出値を制御部11に出力する。
【0023】
制御部11は、不揮発性メモリー12から読み出したプログラムを実行し、バッファーメモリー13に記憶されたコマンド及びデータと、用紙端センサー15及び用紙残量センサー16の検出値とに基づいて、印刷ヘッド17に接続されたヘッドドライバー(図示略)を駆動して各発熱素子への通電制御を行うとともに、ドライバー14を制御することにより搬送モーター18及びカッターユニット19を動作させて、感熱ロール紙への印刷を行う。
【0024】
制御部11は、メインインターフェイス基板20に実装されたメインコントローラー21に接続される。このメインコントローラー21には、サブコントローラー22及びUSBコントローラー23が接続されている。サブコントローラー22は、RS−232CインターフェイスやIEEE1284パラレルインターフェイス等の各種のインターフェイスを介した通信を制御する。また、USBコントローラー23は、USB(Universal Serial Bus)を介した通信を制御し、ホストコンピューター6(主となるデバイス)に対してはスレーブデバイス(従となるデバイス)として振る舞うように構成されている。
【0025】
サブコントローラー22には、さらに、サブ基板30に実装された変換回路31が接続されている。変換回路31は、サブ基板30上に搭載されたコネクター41に接続され、コネクター41とサブコントローラー22との間の信号変換を行う。すなわち、サブコントローラー22は、様々な種類のインターフェイスに適応するように、同期シリアル通信などの汎用的な信号の送受信に対応している。変換回路31は、コネクター41とともに特定の通信方式に準拠しており、この通信方式と、サブコントローラー22が対応する汎用的な信号の通信方式との間の変換を、変換回路31が行う。サブコントローラー22側は、1つの通信方式に対応するだけでよい。共通のメインインターフェイス基板20とすることができる。
サブコントローラー22に対しては、複数種類のサブ基板30を接続することが可能であり、具体的には、RS−232Cインターフェイス規格に準拠したサブ基板30、IEEE1284パラレルインターフェイス規格に準拠したサブ基板30、100BASE−Tに適応したサブ基板30、無線LAN(IEEE802.X)に対応したサブ基板30等がある。各々のサブ基板30は、自身が対応する通信方式とサブコントローラー22が対応する通信方式との間の信号変換等を行う変換回路31を搭載している。このため、サブコントローラー22に接続するサブ基板30を交換することで、サブコントローラー22に様々な種類のインターフェイスを設けることができる。
【0026】
本実施の形態では、RS232Cインターフェイスに対応したコネクター41と変換回路31とを備えるサブ基板30がプリンター1に搭載された場合を例示する。プリンター1の外部には、RS232C規格に準拠したコネクター41が露出し、このコネクター41には、シリアルケーブル51を介してホストコンピューター6を接続できる。
また、USBコントローラー23には、プリンター1の外部に露出するコネクター42が接続される。コネクター42はUSB規格に準拠して、例えば2本の電源端子と2本のデータ端子(D+、D−)とを備えており、USBケーブル52を介してホストコンピューター6を接続できる。
コネクター41、42への接続は排他的・択一的であり、コネクター41、42の両方に同時にホストコンピューター6を接続することはできない。このため図1では、仮に、コネクター41に繋がるホストコンピューター6を実線で、コネクター42に繋がるホストコンピューター6を仮想線で示す。
【0027】
このように、プリンター1には、RS232Cコネクターを備えたホストコンピューター6を、シリアルケーブル51を介してコネクター41に接続することが可能であり、USBコネクターを備えたホストコンピューター6を、USBケーブル52を介してコネクター42に接続することもできる。
コネクター41にホストコンピューター6が接続された場合、プリンター1は、メインコントローラー21及びサブコントローラー22の機能によって、ホストコンピューター6との間の通信制御を行い、ホストコンピューター6から送信されるコマンド及びデータに従って、プリントエンジン10により印刷を行う。
また、コネクター42にホストコンピューター6が接続された場合、プリンター1は、USBコントローラー23の機能により、特定端子の電圧や信号等からホストコンピューター6を検出して、メインコントローラー21及びUSBコントローラー23の機能によって、ホストコンピューター6との間の通信制御を行い、ホストコンピューター6から送信されるコマンド及びデータに従って、プリントエンジン10により印刷を行う。
USBコントローラー23及びコネクター42は、本発明の検出機能付インターフェイスに相当し、サブコントローラー22及びコネクター41は、他のインターフェイスに相当する。
【0028】
プリンター1は、図示しない電源スイッチの操作により電源が投入されると、コネクター41、42にホストコンピューター6が接続されているか否かを検出する動作を実行する。コネクター42はUSBコントローラー23に接続されているため、USB規格に規定された手順によって、自動的にホストコンピューター6の接続を検出可能である。これに対し、コネクター41は、レガシーインターフェイスにも対応した汎用の信号を処理するサブコントローラー22に接続されているため、コネクター41にホストコンピューター6が接続されても自動的に検出を行うことができず、具体的には、ステータス通知を要求するコマンドや、印刷指示のコマンド、印刷ジョブのデータ等がホストコンピューター6から入力されて始めて、ホストコンピューター6が接続されたことを検出する。このような機能の異なる2つのインターフェイスを混載したプリンター1は、次に説明するようにしてホストコンピューター6の検出を行う。
【0029】
図2〜図4は、プリンター1の動作を示すフローチャートである。図2は、特にメインコントローラー21によるホストコンピューター6の検出に係る動作を示す。なお、図2、図3、図4においてメインコントローラー21は本発明の制御部に相当する。
プリンター1の電源がオンに切り替えられると(ステップS1)、メインコントローラー21は、USBコントローラー23の機能によってコネクター42に繋がるホストコンピューター6が検出されたか否かを判別する(ステップS2)。USBコントローラー23は後述するように、電源投入時にホストコンピューター6の接続の有無を検出する機能を有するので、コネクター42にホストコンピューター6が繋がっている場合はステップS2で判別できる。
【0030】
コネクター42にホストコンピューター6が繋がっている場合(ステップS2;Yes)、メインコントローラー21は、プリンター1において使用するインターフェイスをコネクター42に決定し(ステップS3)、決定したインターフェイスがUSBインターフェイス(USBI/F)か否かを判別する(ステップS4)。ここで、USBインターフェイス以外のインターフェイスに決定した場合は(ステップS4;No)、USBコントローラー23を停止させ(ステップS5)、ホストコンピューター6の接続検出に係る処理を終了する。また、使用するインターフェイスをUSBコントローラー23に決定した場合(ステップS4;Yes)、そのまま、ホストコンピューター6の接続検出に係る処理を終了する。
【0031】
一方、コネクター42にホストコンピューター6が繋がっていない場合(ステップS2;No)、メインコントローラー21は、USBコントローラー23をアクティブな状態に保ち、かつ、サブコントローラー22による接続も可能な接続待機状態に移行する(ステップS6)。この接続待機状態で、メインコントローラー21は、プリンター1の電源がオンになったことを示すステータス通知をホストコンピューターに行うよう設定されているか否かを判別する(ステップS7)。電源オンのステータス通知を行うよう設定されている場合(ステップS7;Yes)、メインコントローラー21は、USBコントローラー23を除くインターフェイス、すなわちサブコントローラー22を介してステータス通知を送信し(ステップS8)、ホストコンピューター6からコネクター41を介してデータやコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS9)。ここでホストコンピューター6から送信されるデータやコマンドは、例えば、ステータス通知を要求するコマンド、印刷実行を指示するコマンド、印刷ジョブのデータ等である。
【0032】
ここで、コネクター41を介してホストコンピューター6からのデータやコマンドを受信した場合(ステップS9;Yes)、メインコントローラー21はステップS3に移行して、使用するインターフェイスをコネクター42(サブコントローラー22)に決定し、ステップS4及びS5に移行してUSBコントローラー23を停止させて、本処理を終了する。
また、ホストコンピューター6からデータやコマンドを受信していない場合(ステップS9;No)、メインコントローラー21は、USBコントローラー23の機能によりホストコンピューター6を検出したか否か、すなわちコネクター42にホストコンピューター6が接続されたか否かを判別する(ステップS10)。ここで、ホストコンピューター6が接続された場合は(ステップS10;Yes)、メインコントローラー21はステップS3に移行する。
【0033】
コネクター42にホストコンピューター6が接続されていない場合(ステップS10;No)、メインコントローラー21は、プリンター1のオフライン要因が発生したか否かを判別する(ステップS11)。オフライン要因とは、例えば、プリンター1の本体のカバーが開かれた状態や、用紙残量センサー16により紙切れが検出された場合など、印刷動作を実行できない状態となる要因であり、オフライン要因の発生によってプリンター1はオフライン状態に移行する。
【0034】
オフライン要因が発生した場合(ステップS11;Yes)、メインコントローラー21は、サブコントローラー22及びUSBコントローラー23を介して、オフライン状態への移行を示すオフライン通知を送信し(ステップS12)、オフライン要因が解消するまで待機し(ステップS13)、オフライン要因が解消したらステップS9に戻って、ホストコンピューター6から印刷ジョブのデータを受信したか否かを判別する。また、オフライン要因が発生していない場合は(ステップS11;No)、ステップS9に戻る。
そして、ステップS9でジョブのデータを受信した場合はステップS3に移行して、使用するインターフェイスを決定する。
【0035】
以上の動作により、プリンター1の電源がオンに切り替えられてからホストコンピューター6の接続の検出が行われ、コネクター41、42のいずれか一方にホストコンピューター6が接続されたときに、これを速やかに検出して、使用するインターフェイスを決定することができる。
ここで、コネクター42にホストコンピューター6が接続された場合、及び、コネクター41にホストコンピューター6が接続された場合の動作について、詳細に説明する。
【0036】
図3は、プリンター1においてホストコンピューター6の接続を検出する動作を示し、ホストコンピューター6がコネクター42に接続された場合に、これをUSBコントローラー23が検出する動作を示すフローチャートである。図3の(A)はプリンター1の動作を示し、図3の(B)はホストコンピューター6の動作を示す。
USBコントローラー23は、プリンター1の電源がオンに切り替えられると(ステップS21)、コネクター42へのバスパワー電圧を検出する(ステップS22)。ホストコンピューター6が接続されていれば、ホストコンピューター6からUSBケーブル52を介して+5Vの電圧が供給されるので、USBコントローラー23は、この電圧を検出する。
【0037】
バスパワー電圧を検出したUSBコントローラー23は、接続検出(Attached)の状態に移行し(ステップS23)、ホストコンピューター6においては、スレーブデバイスのAttach(接続)を検出する(ステップS31)。その後、USBコントローラー23は電源投入状態、すなわち通常動作が可能な状態になり(ステップS24)、ホストコンピューター6は、プリンター1に対してリセット信号を送信する(ステップS32)。
USBコントローラー23は、リセット信号を受信して(ステップS25)、通信状態の初期化を行うとともに、制御部11に対してリセット信号を送出してプリンター1の印刷に係る動作を初期化する(ステップS26)。その後、USBコントローラー23とホストコンピューター6とは相互に設定値等を送受信してコンフィギュレーションを実行し(ステップS27,ステップS33)、通常の動作に移行する。
【0038】
また、図4は、プリンター1においてホストコンピューター6の接続を検出する動作を示し、ホストコンピューター6がコネクター41に接続された場合に、これをメインコントローラー21が検出する動作を示すフローチャートである。図4の(A)はプリンター1の動作を示し、図4の(B)はホストコンピューター6の動作を示す。
メインコントローラー21は、プリンター1の電源がオンに切り替えられると(ステップS41)、サブコントローラー22を介して電源オンのステータス通知を送信し(ステップS42)、紙無しなどのオフライン要因の有無を判別し(ステップS43)、オフライン要因が発生した場合はオフライン通知を、サブコントローラー22を介して送信する(ステップS44)。その後、オフライン要因が解消した場合は(ステップS45;No)、オンライン通知を、サブコントローラー22を介してホストコンピューター6へ送信する(ステップS46)。
【0039】
ホストコンピューター6は、メインコントローラー21が送信したステータス通知を受信し(ステップS51)、オフライン通知及びオンライン通知が送信された場合には、これを受信する(ステップS52,S53)。ホストコンピューター6は、プリンター1が接続され、オンライン状態になっていることを検出し、印刷ジョブが発生した場合には印刷実行のコマンドを含むジョブのデータを送信する(ステップS54)。
メインコントローラー21は、ホストコンピューター6から送信されたジョブのデータを、サブコントローラー22を介して受信し(ステップS47)、このジョブのデータに含まれるコマンドとデータとをプリントエンジン10に出力する。
【0040】
このように、コネクター41にホストコンピューター6が接続された場合は、プリンター1からホストコンピューター6に対してステータス通知やオフライン通知、オンライン通知を送信するので、ホストコンピューター6においてプリンター1が検出され、上記の通知に応答してホストコンピューター6から印刷ジョブのデータやステータス通知を要求するデータ(コマンド)等が送信される。このため、メインコントローラー21は、ホストコンピューター6から送信されたデータやコマンドを受信することで、ホストコンピューター6がコネクター41に接続されたことを検出できる。
【0041】
以上のように、本発明を適用した第1の実施形態に係るプリンター1は、ホストコンピューター6を接続可能な複数のインターフェイスとしてのコネクター41、42を備え、これらコネクター41、42のいずれかを排他的に選択し、選択したインターフェイスに接続されたホストコンピューター6と通信可能に構成され、複数のコネクター41、42のいずれか一方(ここではコネクター42)は、ホストコンピューター6の接続状態を検出可能なUSBコネクターであり、電源投入時にコネクター42にホストコンピューター6が接続されていない場合は、コネクター42をアクティブにしたままコネクター41からステータス通知信号を送信する接続待機状態に移行し、この接続待機状態では、オフライン要因の発生時にコネクター42及びコネクター41のいずれにもオフライン状態の発生を通知するので、ホストコンピューター6の接続状態を検出可能なコネクター42と、接続状態を検出する機能を持たないコネクター41とを混載した場合に、どのコネクターにホストコンピューター6が接続されても、電源投入後に速やかに接続を検出できる。また、ホストコンピューター6の接続を検出する前にオフライン要因が発生した場合は全てのコネクターに対してオフラインを通知するので、既にホストコンピューター6が接続されているにもかかわらず未検出の場合に、このホストコンピューター6にオフラインを通知できる。これにより、オフライン状態でホストコンピューター6からデータが入力されるといった事態を避け、その後にオンライン状態に復帰してから確実に接続を検出できる。
【0042】
また、USBコントローラー23の接続検出機能によってホストコンピューター6が検出された場合はUSBスレーブデバイスとして機能し、USBコントローラー23がホストコンピューター6を検出しない場合には、接続検出機能を持たないコネクター41を介してステータスを通知するので、ホストコンピューター6がコネクター41、42のいずれに接続されても、ホストコンピューター6を速やかに検出し、ホストコンピューター6の制御下に動作を開始できる。
さらに、接続待機状態において、コネクター41を介してデータが入力された場合には、コネクター42をアクティブ状態から停止状態に移行させるので、コネクター42をアクティブな状態に保ち、ホストコンピューター6を検出できるようにするための不要な動作を省くことができ、効率化を図ることができる。
【0043】
[第2の実施形態]
図5は、本発明を適用した第2の実施形態に係るプリンター1の構成を示すブロック図である。
プリンター100は、上記第1の実施形態におけるプリンター1と同様、外部装置としてのホストコンピューター6に接続され、ホストコンピューター6から入力されるデータに基づいて、記録媒体に文字や画像等を印刷(記録)する。プリンター100はプリンター1と同様、例えば本体に記録媒体としての感熱ロール紙を収容し、発熱素子を備えた印刷ヘッド17により、感熱ロール紙の記録面に熱を加えることで文字や画像等を印刷するサーマルプリンターである。なお、本第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同様に構成される各部については、同符号を付して説明を省略する。
【0044】
プリンター100は、印刷動作を制御するプリントエンジン10と、プリンター100に外部接続されるホストコンピューター6との間の通信を制御するメインインターフェイス基板120(本体基板)及びサブ基板130(インターフェイス基板)を備えて構成される。制御部11は、メインインターフェイス基板120に実装されたメインコントローラー121に接続される。メインコントローラー121には、メインコントローラー121とともにメインインターフェイス基板120に実装されたUSBコントローラー123、及び選択部124がそれぞれ接続されている。USBコントローラー123は、USBを介した通信を制御し、ホストコンピューター6(主となるデバイス)に対してはスレーブデバイス(従となるデバイス)として振る舞うように構成されている。
【0045】
プリンター100は、プリンター100の本体側面に設けられて外部に露出するコネクター142(第2のインターフェイス)と、プリンター100の背面に露出するコネクター141(第1のインターフェイス)との2つのUSBコネクターを備えている。これらコネクター141、142はUSB規格に準拠して、例えば2本の電源端子と2本のデータ端子(D+、D−)とを備えており、USBケーブル53、54を介してホストコンピューター6を接続できる。
コネクター141は、メインインターフェイス基板120にコネクター131を介して接続されたサブ基板130に設けられている。コネクター141は、コネクター131を介して、メインインターフェイス基板120に実装された選択部124に接続される。また、コネクター142は、選択部124に直接接続されている。
コネクター141、142は、USBコントローラー123と協働して、第1のインターフェイス及び第2のインターフェイスとして機能する。
【0046】
選択部124は、コネクター141、142とUSBコントローラー123との間に介在する。選択部124は、メインコントローラー121の制御に従って、コネクター141、142のうちいずれか一方を選択してUSBコントローラー123に接続する。コネクター141、142への接続は排他的・択一的であり、コネクター141、142の両方に同時にホストコンピューター6を接続することはできない。このため図5では、仮に、コネクター141に繋がるホストコンピューター6を実線で、コネクター142に繋がるホストコンピューター6を仮想線で示す。
コネクター141、142にホストコンピューター6が接続された場合、メインコントローラー121の機能によってホストコンピューター6との間の通信制御が行われ、ホストコンピューター6から送信されるコマンド及びデータに従って、プリントエンジン110により印刷を行う。この動作において、メインコントローラー121は、コネクター141、142のうちいずれか一方を選択部124により選択させる。
【0047】
メインコントローラー121は、メモリー122を備えている。メモリー122は、選択部124によってコネクター141、142のどちらか選択する側を指定する指定情報を記憶する記憶部である。この記憶された指定情報を、メモリースイッチという。ホストコンピューター6からのコマンドにより指定することもできる。この場合、ホストコンピューター6は、予め選択されている側のコネクターに接続しておく必要がある。コマンドによる指定後は、指定された側のコネクターから通信が可能となる。メインインターフェイス基板120は、コネクター141、142の両方が使用可能な場合に、コネクター141、142のうちメモリー2の指定情報によって指定された側のコネクターを、選択部124により選択させる。ディップスイッチをメインインターフェイス基板120に搭載し、コネクター141、142のいずれかに指定することもできる。図示しないプリンター100の電源スイッチの操作により電源が投入された場合や、ホストコンピューター6からリセットコマンドを受信した場合、ホストコンピューター6からリセットを指示するリセット信号を受信した場合、メインコントローラー121は、メモリースイッチやディップスイッチの指定を取得し、コネクター141、142のいずれかに指定する。
また、サブ基板130は、プリンター100の本体から取り外すことができ、電気的にはメインインターフェイス基板120に対して着脱可能である。このため、プリンター100の起動時にサブ基板130が接続されておらず、プリンター100がコネクター142を介してのみホストコンピューター6と接続可能な場合がある。この場合、メインコントローラー121は、メモリー122に記憶された指定情報によってコネクター141が指定されていても、使用可能な唯一のインターフェイスであるコネクター142を選択部124によって選択する。
【0048】
プリンター100は、図示しない電源スイッチの操作により電源が投入されると、コネクター141、142にホストコンピューター6が接続されているか否かを検出する動作を実行する。コネクター141、142はUSBコントローラー23に接続されているため、USB規格に規定された手順によって、自動的にホストコンピューター6の接続を検出可能である。
図6は、プリンター100の動作を示すフローチャートであり、メインコントローラー121の制御により選択部124がコネクター141、142のいずれかを選択するまでの動作を示す。
プリンター100の電源が投入されると(ステップS101)、メインコントローラー121は、プリンター100にサブ基板130が接続されているか否かを判別する(ステップS102)。サブ基板130が接続されていない場合(ステップS102;No)、メインコントローラー121は選択部124を制御して、コネクター142を選択させ(ステップS103)、ホストコンピューター6と通信可能な状態に移行して本処理を終了する。
【0049】
一方、サブ基板130が接続されている場合(ステップS102;Yes)、メインコントローラー121は、メモリー122に記憶された指定情報によりコネクター141、142のいずれか優先して選択する側が指定されているか否かを判別する(ステップS104)。指定情報によりいずれかのコネクターが指定されている場合(ステップS104;Yes)、メインコントローラー121は、コネクター141、142のうち指定情報で指定された側のコネクターを選択させ(ステップS105)、ホストコンピューター6と通信可能な状態に移行して本処理を終了する。
【0050】
また、メモリー122に記憶された指定情報によりコネクターが指定されていない場合(ステップS104;No)、メインコントローラー121は、コネクター141、142の指定に関する設定を行うか否かを判別する(ステップS106)。つまり、メモリー122に新しい指定情報を記憶し、或いは指定情報を更新する処理を行うか否かを判別する。設定を行うか否かは、予めメモリー122に記憶された指定情報により、指定しておくこともできる。
ここで、設定を行わない場合(ステップS106;No)、メインコントローラー121は、コネクター141、142のうち、先にホストコンピューター6が接続された側を優先して選択するための待機状態に移行し(ステップS107)、ホストコンピューター6の接続を検出するまで待つ(ステップS108)。ホストコンピューター6がいずれかのコネクターに接続されたことを検出した場合(ステップS108;Yes)、メインコントローラー121は選択部124を制御し、検出した側のコネクターを選択部124によって選択させ(ステップS109)、ホストコンピューター6と通信可能な状態に移行して本処理を終了する。
【0051】
プリンター100において、コネクターの指定に関する設定を行う場合(ステップS106;Yes)、メインコントローラー121は、ホストコンピューター6から入力されるコマンドを検出し(ステップS110)、検出したコマンドが設定用のコマンドか否かを判別する(ステップS111)。検出したコマンドが設定用のコマンドでなければ(ステップS112;No)、ステップS107に移行し、設定用のコマンドであれば(ステップS112;Yes)、コマンドに従って指定情報を生成または更新してメモリー122に記憶させ、この指定情報により指定される側のコネクターを選択部124によって選択させ(ステップS112)、ホストコンピューター6と通信可能な状態に移行して本処理を終了する。
【0052】
図7は、プリンター100の動作例を示すフローチャートであり、図7の(A)はホストコンピューター6の動作を示し、図7の(B)はUSBコントローラー123の動作を示し、図7の(C)はメインコントローラー121の動作を示す。
USBコントローラー123、プリンター100の電源がオンに切り替えられると(ステップS131)、コネクター141、142へのバスパワー電圧を検出する(ステップS132)。このステップS132ではコネクター141、142の両方から選択部124を介してUSBコントローラー123へ電圧および信号が入力されるので、コネクター141、142のどちらにホストコンピューター6が接続されても、USBコントローラー123にはバスパワー電圧が印加される。
コネクター141、142のいずれかにホストコンピューター6が接続された場合、ホストコンピューター6からUSBケーブル53、54を介して+5Vの電圧が供給されるので、USBコントローラー123は、この電圧を検出する。
【0053】
バスパワー電圧を検出したUSBコントローラー123は、接続検出(Attached)の状態に移行し(ステップS133)、ホストコンピューター6においては、スレーブデバイスのAttach(接続)を検出する(ステップS121)。その後、USBコントローラー123は電源投入状態、すなわち通常動作が可能な状態になり(ステップS134)、ホストコンピューター6は、プリンター100に対してリセット信号を送信する(ステップS122)。
ここで、メインコントローラー121は、USBコントローラー123に対してコネクター141、142のいずれかからリセット信号が入力されたことを検出し(ステップS141)、このリセット信号が入力されたコネクターがコネクター141、142のどちらであるかを特定する(ステップS142)。そして、メインコントローラー121は、特定した側のコネクターを、選択部124によって選択させる(ステップS143)。
これにより、選択部124を介してホストコンピューター6が接続されたコネクターが、USBコントローラー123に接続される。
USBコントローラー123は、ホストコンピューター6から入力されたリセット信号を受信して(ステップS135)、通信状態の初期化を行うとともに、制御部11に対してリセット信号を送出してプリンター1の印刷に係る動作を初期化する(ステップS136)。その後、USBコントローラー23とホストコンピューター6とは相互に設定値等を送受信してコンフィギュレーションを実行し(ステップS123,ステップS137)、通常の動作に移行する。
【0054】
このように、本第2の実施形態に係るプリンター100によれば、ホストコンピューター6に接続可能なプリンター100が、メインインターフェイス基板120と、プリンター100内でメインインターフェイス基板120に着脱可能に接続されるサブ基板130と、サブ基板130に設けられ、ホストコンピューター6と接続可能なコネクター141と、プリンター100のメインインターフェイス基板120側に設けられ、ホストコンピューター6と接続可能なコネクター142と、サブ基板130側のコネクター141と、メインインターフェイス基板120側のコネクター142のいずれか一方のインターフェイスを選択する選択部124と、選択部124により選択されたインターフェイスを介してホストコンピューター6との間で情報を送受信するプリントエンジン10と、を備え、コネクター141とコネクター142との少なくともいずれか一方において、ホストコンピューター6との接続状態を検出可能に構成され、選択部124は、メインコントローラー121の制御により、コネクター141とコネクター142のうち、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、ホストコンピューター6との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択する。
これにより、ホストコンピューター6と接続可能なコネクター141をサブ基板130に備える一方、メインインターフェイス基板120側にコネクター142を備えた構成において、いずれか一方を選択する選択部124が、予め指定された側のコネクターを選択するか、若しくは、ホストコンピューター6との接続状態を検出可能なコネクターについては、ホストコンピューター6との接続が検出された側を優先して選択する。これにより、ホストコンピューター6との接続状態を検出可能なインターフェイスの機能を生かして、指定されたコネクターか、ユーザーが実際にホストコンピューター6を接続した側のコネクターを選択するので、必要な側のコネクター(インターフェイス)を速やかに、かつ効率よく選択して、ホストコンピューター6との通信を実行できる。
【0055】
また、プリンター100は、コネクター141、142のうち、いずれかのコネクターを指定する指定情報を記憶するメモリー122を備え、選択部124を制御するメインコントローラー121は、プリンター100の電源投入時、または、ホストコンピューター6からリセットコマンド若しくはリセット信号を受信した時、若しくはホストコンピューター6からリセット信号を受信した時に、メモリー122の指定情報を取得し、指定情報に基づき、指定されたコネクターを選択するので、選択すべきインターフェイスを指定情報によって容易に指定できる。
さらに、プリンター100は、ホストコンピューター6からいずれかのインターフェイスを指定する情報を含む所定のコマンドを受信すると、選択部124は、所定のコマンドにより指定されたインターフェイスを選択するので、ホストコンピューター6からコマンドを送信することによって、選択するコネクターを容易に指定できる。
さらにまた、プリンター100において、選択部124は、メインコントローラー121の制御によって、メモリー122の指定情報に基づきコネクター141を選択するよう予め指定されていた場合であっても、サブ基板130がメインインターフェイス基板120に接続されていない場合には、コネクター142を選択するので、メンテナンスの都合や誤操作によってサブ基板130が接続されていない場合も、コネクター142によりホストコンピューター6を接続して、通信を実行できる。これにより、指定されたインターフェイスの選択が不可能な場合には、指定に関わらず別のインターフェイスを選択して、外部装置の接続可能性を常に維持できる。
【0056】
また、プリンター100は、コネクター141、142の両方が、ホストコンピューター6との接続状態を検出可能なUSBコネクターであり、選択部124は、コネクター141、142のうち、先にホストコンピューター6との接続が検出された側を選択するので、速やかにコネクターを選択してホストコンピューター6との通信が可能になる。
【0057】
なお、第2の実施形態において、優先して選択するコネクター141、142を予め指定する方法として、指定情報をメモリー122に記憶する方法を例に挙げて説明したが、例えば、優先して選択するコネクターを示すディップスイッチを設け、このディップスイッチを切り替えることでコネクター141、142のどちらか一方を指定できる構成としてもよい。この場合、スイッチの物理的状態によってコネクターが指定される。このスイッチの状態を目視しながらプリンター100の物理スイッチを手動で操作することで、コネクター141、142を容易に指定できる。
【0058】
また、選択部124の具体的な構成についても特に制限はなく、選択部124をハードウェア回路により実現することも、ソフトウェアにより仮想的に実現することも可能である。
図8は、選択部124の具体的な構成例を示す図である。この図8に示すように、選択部124は、ゲート素子161、162、163で表される回路として構成することも可能である。選択部124の論理構成を表すゲート素子161は、入力端子164、165の入力が一致した場合に出力がハイレベルとなるAND素子であり、ゲート素子162は入力端子166、167の入力が一致した場合に出力がハイレベルとなるAND素子である。また、ゲート素子163はゲート素子161、162のいずれかの出力がハイレベルになった場合に、ハイレベルを出力するOR素子である。
入力端子164にはコネクター141が接続され、入力端子166にはコネクター142が接続される。また、入力端子165、167にはメインコントローラー121が接続され、メインコントローラー121が入力端子165、167への入力を切り替えることができる。
【0059】
初期状態、すなわち選択部124がコネクター141、142のどちらも選択していない状態では、メインコントローラー121によって、入力端子165、167の入力はハイレベルに保たれる。コネクター141にホストコンピューター6が接続され、入力端子164の入力がハイレベルになると、ゲート素子161の出力はロウからハイに切り替わる。これにより素子163の出力はハイに切り替わり、これによりメインコントローラー121は、ホストコンピューター6が接続されたことを検出する。ここで、メインコントローラー121は、ゲート素子161、162のうち出力がロウとなっている側のゲート素子(ここではゲート素子162)の入力端子への出力を、ロウに切り替える。これにより、素子162の出力はロウに保たれる。また、出力がハイに切り替わったゲート素子161は、その後、入力端子164から入力される信号と同じように変化する。つまり、先にホストコンピューター6からの信号が入力されたコネクターから、素子163を経て信号が出力される。このように、ハードウェア的な回路構成により、メインコントローラー121の制御に従ってコネクターを選択する選択部124の機能を実現することができる。なお、図8の構成では、素子163の出力がUSBコントローラー123に入力される構成とすればよい。
【0060】
上記各実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、USBインターフェイスとして構成されるコネクター42と、レガシーインターフェイスとして構成されるコネクター41とを備えた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複数のレガシーインターフェイスを設けてもよいし、検出機能付インターフェイスとしてIEEE1394インターフェイス等を設けてもよく、インターフェイスの総数や種類は限定されない。
【0061】
また、本発明を適用可能な記録装置は、記録媒体への記録速度を制御可能なプリンターであれば特に制限されず、例えば、ドットインパクト式プリンター、インクジェット式プリンター、熱昇華型プリンター、レーザープリンターに対しても適用可能であり、他の装置に組み込まれるプリンターにも適用可能であって、その適用対象は限定されない。
【符号の説明】
【0062】
1、100…プリンター(電子機器)、6…ホストコンピューター(外部装置)、10…プリントエンジン、20、120…メインインターフェイス基板(本体基板)、21、121…メインコントローラー(選択部、制御部)、22…サブコントローラー(通信部)、23…USBコントローラー(通信部)、30、130…サブ基板(インターフェイス基板)、41、141…コネクター(第1のインターフェイス)、42、142…コネクター(第2のインターフェイス)、51…シリアルケーブル、52、53、54…USBケーブル、122…メモリー(記憶部)、123…USBコントローラー(通信部)、124…選択部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に接続可能な電子機器であって、
本体基板と、
前記電子機器内で前記本体基板に着脱可能に接続されるインターフェイス基板と、
前記インターフェイス基板に設けられ、前記外部装置と接続可能な第1のコネクターを有する第1のインターフェイスと、
前記電子機器の本体基板側に設けられ、前記外部装置と接続可能な第2のコネクターを有する第2のインターフェイスと、
前記インターフェイス基板側の前記第1のインターフェイスと、前記本体基板側の前記第2のインターフェイスのいずれか一方のインターフェイスを選択する選択部と、
前記選択部により選択されたインターフェイスを介して前記外部装置との間で情報を送受信する通信部と、を備え、
前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスとの少なくともいずれか一方は、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成され、
前記選択部は、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択すること、
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1のインターフェイスと、前記第2のインターフェイスのうち、いずれかのインターフェイスを指定するスイッチ、または、いずれかのインターフェイスを指定する指定情報を記憶する記憶部を備え、
前記選択部は、前記電子機器の電源投入時、または、前記外部装置からリセットコマンド若しくはリセット信号を受信した時に、前記スイッチまたは前記記憶部の指定情報を取得し、前記指定情報に基づき、指定されたインターフェイスを選択することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記外部装置から、いずれかのインターフェイスを指定する情報を含む所定のコマンドを受信すると、
前記選択部は、前記所定のコマンドにより指定されたインターフェイスを選択することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記選択部は、前記スイッチまたは前記記憶部の指定情報に基づき、前記第1のインターフェイスを選択するよう予め指定されていた場合であって、前記インターフェイス基板が前記本体基板に接続されていない場合には、前記第2インターフェイスを選択することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスの両方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成され、
前記選択部は、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、先に前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのいずれか一方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成されている場合、
電源投入時、または、前記外部装置からリセットコマンド若しくはリセット信号を受信した時に、前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスが前記外部装置との接続を検出していなければ、前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイスをアクティブ状態にしたまま、他方のインターフェイスを、ステータス情報を前記外部装置に通知可能とする接続待機状態に移行し、オフライン要因の発生時に前記外部装置との接続状態を検出可能なインターフェイス及び前記他方のインターフェイスのいずれからも前記オフライン要因の情報を含む前記ステータス情報を前記外部装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
外部装置に接続可能な電子機器であって、本体基板と、前記電子機器内で前記本体基板に接続可能なインターフェイス基板と、前記インターフェイス基板に設けられ、前記外部装置と着脱可能に接続される第1のコネクターを有する第1のインターフェイスと、前記本体基板側に設けられ、前記外部装置と接続可能な第2のコネクターを有する第2のインターフェイスと、を備え、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスの少なくともいずれか一方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成された電子機器の制御方法であって、
前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスのうち、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択し、選択したインターフェイスを介して前記外部装置との間で情報を送受信すること、
を特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項8】
外部装置に接続可能な電子機器であって、制御部を有する本体基板と、前記電子機器内で前記本体基板に着脱可能に接続されるインターフェイス基板と、前記インターフェイス基板に設けられ、前記外部装置と接続可能な第1のコネクターを有する第1のインターフェイスと、前記本体基板側に設けられ、前記外部装置と接続可能な第2のコネクターを有する第2のインターフェイスと、を備え、前記第1のインターフェイスと前記第2のインターフェイスの少なくともいずれか一方が、前記外部装置との接続状態を検出可能に構成された電子機器の前記制御部が実行可能なプログラムであって、
前記インターフェイス基板側の前記第1のインターフェイスと、前記本体基板側の前記第2のインターフェイスのうち、予め指定された側のインターフェイスを選択するか、若しくは、前記外部装置との接続が検出された側のインターフェイスを優先して選択し、選択したインターフェイを介して前記外部装置との間で情報を送受信すること、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−874(P2012−874A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137998(P2010−137998)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】