説明

電子機器およびその管理方法、ならびに、制御プログラム、記録媒体

【課題】 効率よく電子機器のメンテナンスを行うことができる電子機器を提供する。
【解決手段】 特定の機能を有するとともに、ネットワーク3を介して接続される複数の送信先端末2に対して情報の送信が可能であるデジタル複合機1であって、自装置の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する診断部11と、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する算出部13と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて情報を送信する送信先端末2を決定するとともに、当該決定された送信先端末2に上記情報を送信する送信部20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部に情報を送信可能な電子機器およびその管理方法に関するものであり、より詳細には、電子機器が異常状態の場合に外部に対して情報を送信する電子機器およびその管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、コピー機等の機能を備えたデジタル複合機が異常状態になった場合には、当該電子機器のメンテナンスを行うサービスマンがデジタル複合機の修理を行う。
【0003】
ところで、近年、コンピュータやコピー機等の各種電子機器をLANなどのネットワークに接続することによって、単にネットワークを介して情報を伝達するだけでなく、他にも様々な機能を発揮させる試みが種々なされている。中でも、電子メール機能を利用して電子機器を有効に管理するための技術が種々提案されている。
【0004】
そして、通信機能を有し、ネットワークを介して情報の送受信を行うデジタル複合機としては、例えば、特許文献1に開示の構成がある。
【0005】
上記特許文献1に開示の構成では、デジタル複合機の動作が再開した後で、予め決められた送信先に対して情報を送信している。そして、予め決められた送信先のみに対して情報の送信を行っている。
【特許文献1】特開2002−236576号公報(公開日;2002年8月23日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示の構成では、デジタル複合機から情報を送信する際、常に、所定の送信先(管理センターまたはサービスマンが有する端末)へ情報の送信を行うようになっている。具体的には、上記特許文献1に開示の構成では、例えば、サービスマンがデジタル複合機の修理を完了して異常状態が解消された直後、すなわち、上記サービスマンがデジタル複合機の近くにいる状態であっても、デジタル複合機が異常状態を検出してこの異常状態に関する情報を送信する場合には、常に、デジタル複合機から遠い管理センターに情報が送信される。そして、この場合には、デジタル複合機から遠い管理センターから上記デジタル複合機の近くにいるサービスマンに対して情報が送信され、この情報を受信したサービスマンはデジタル複合機のメンテナンスに向かうこととなる。従って、上記特許文献1に開示の構成では、デジタル複合機の効率的なメンテナンスを行うことができないという問題点がある。
【0007】
また、特許文献1に開示の構成では、例えば、常にサービスマンに対して情報を送信するように設定することは可能であるが、この場合には、サービスマンが、異常状態になったデジタル複合機の近くにいても遠くにいても、常に情報が送信されることとなり、効率的なメンテナンスを行うことができない。
【0008】
そして、上記問題は、デジタル複合機のみならず、通信機能を有する様々な電子機器の場合でも同様である。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率よく電子機器のメンテナンスを行うことができる電子機器およびその管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電子機器は、上記課題を解決するために、複数の送信先端末に対して情報の送信が可能である電子機器であって、自装置の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知手段と、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得手段と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて上記複数の送信先端末から少なくとも1つを選択するとともに、当該決定された送信先端末に異常状態に関する異常情報を送信する送信手段を備えることを特徴としている。
【0011】
上記複数の送信先端末としては、例えば、常に上記電子機器を管理するサービスセンターや、電子機器のメンテナンスを行うサービスマンが所有している端末等が挙げられる。
【0012】
上記の構成によれば、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間が予め設定された設定時間内であるか否かに応じて、異常情報を送信する送信先(送信先端末)を決定している。
【0013】
これにより、例えば、上記経過時間が予め設定された設定時間内である場合には、当該電子機器のメンテナンスを行ったサービスマンが所有している端末に異常情報を送信する一方、上記経過時間が予め設定された設定時間を越えた場合には、サービスセンターに異常情報を送信することが可能になる。前者の場合には、当該電子機器のメンテナンスを行ったサービスマンは、未だ電子機器の近くにいる可能性が高いので、直ぐに電子機器のメンテナンスに向かうことができる。また、後者の場合には、当該電子機器のメンテナンスを行ったサービスマンは、電子機器の近くにいない可能性が高いのでサービスセンターに異常情報を送信する。つまり、上記の構成とすることにより、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間に応じて最適な送信先に異常情報を送信することができる。これにより、効率よく電子機器を管理することができる。
【0014】
本発明に係る電子機器は、上記異常情報を送信する送信先端末を特定するための特定情報が入力されたことを監視する監視手段を備え、上記所定の時点は、上記監視手段が上記特定情報の入力を検出した時点であり、上記送信手段は、上記経過時間が上記設定時間内であると判断すると、上記入力された特定情報に対応する送信先端末に上記異常情報を送信するものである構成がより好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、異常情報を送信する送信先端末を特定するための特定情報が入力された時点からの経過時間を取得し、この経過時間が予め設定された設定時間内である場合には、異常情報の送信先を当該特定情報に対応する送信先端末に設定している。
【0016】
これにより、例えば、電子機器のメンテナンスを行うサービスマンが、電子機器のメンテナンスを行った後で、当該電子機器に、当該サービスマンが所有する端末の特定情報を入力することにより、当該特定情報を入力してから予め設定された設定時間内に電子機器が異常状態を検出した場合には、上記サービスマンの端末に異常情報を送信することになる。また、上記予め設定された設定時間内は、当該サービスマンは未だ上記電子機器の近くにいる可能性が高い。従って、所定の経過時間内に電子機器が異常状態を検出した場合には、サービスマンに異常情報を送信することにより、サービスマンを直ぐに電子機器の再メンテナンスに向かわせることができる。
【0017】
本発明に係る電子機器は、上記所定の時点が、上記最初に異常状態になる時点より前の、異常状態から正常状態に戻った時点である構成がより好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、前回異常状態から復帰してから再度異常状態になるまでの経過時間が上記設定時間内であるか否かの判断に応じて情報の送信先を決定することにより、より適切な異常情報の送信先を選択することができる。
【0019】
また、上記の構成とすることにより、前回異常状態になってから最初に異常状態になるまでの経過時間を取得することになる。そして、この経過時間に応じて情報の送信先を決定している。従って、例えば、上記経過時間が短い場合には、サービスマンに異常情報を送信する一方、上記経過時間が長い場合には、管理センターへ異常情報を送信するというような異常情報の送信先の切換を行うことができる。
【0020】
本発明に係る電子機器は、過去に発生した異常状態の内容と当該異常状態に関する情報を送信した送信先端末とを対応づけて記憶する記憶手段と、上記検知手段に検知された異常状態の内容が、記憶手段に記憶された上記過去に発生した異常状態の内容と一致するものを検索する検索手段とを備え、上記経過時間が上記設定時間内であり、かつ、検索手段により一致した過去の異常状態の内容が検索された場合、上記送信手段は、上記一致した過去の異常状態の内容と対応づけられた送信先端末に異常情報を送信するものである構成がより好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、経過時間が上記設定時間内である場合であって、検出手段にて検知された異常状態が、過去に生じた異常状態の内容と一致している場合には、過去に生じた異常状態に対する情報を送信した送信先に対して異常情報を送信する。これにより、同じ内容の異常状態に対しては、同じ送信先端末に異常情報を送信することができるので、この異常状態に対処できる可能性高い送信先端末に異常情報を送信することができる。
【0022】
なお、例えば、上記異常状態が、複数の理由によって発生している場合、上記検索手段は、記憶手段に記憶されている異常状態の内容と一部のみが一致している場合であっても、一致したと判断してもよい。
【0023】
本発明に係る電子機器は、上記送信手段が、経過時間が上記設定時間内である場合、異常状態の内容に応じて異常情報を送信する送信先端末を決定するものである構成がより好ましい。
【0024】
また、本発明に係る電子機器は、上記送信手段が、決定した送信先端末のうち、さらに異常状態の内容に応じて異常情報を送信する送信先端末を決定するものである構成がより好ましい。
【0025】
例えば、上記設定時間内であるか否かに応じて異常情報を送信する送信先端末を決定する際に、この異常状態を対処することができる送信先に上記異常情報を送信することが好ましい。具体的には、上記設定時間内であるか否かに応じて決定された送信先端末の中で、異常状態の内容に応じて送信先端末を決定している。
【0026】
上記の構成によれば、異常状態の内容に応じて異常情報を送信する送信先を決定しているので、異常状態を確実に対処することができる送信先に異常情報を送信することができる。
【0027】
なお、上記異常状態の内容に応じて異常情報を送信する送信先端末を決定する方法としては、例えば、予め記憶されている異常状態の内容とこの異常状態に対して異常情報を送信する送信先端末とを対応付けて記憶されている内容記憶手段を参照して異常情報を送信する送信先端末を決定する方法が挙げられる。
【0028】
また、上記内容記憶手段は、例えば、上記記憶手段と同じものであってもよい。
【0029】
本発明に係る電子機器は、上記送信手段が、異常情報を送信先端末に送信してから所定の待機時間が経過した後、異常状態が解消されていないと判断すると、異常情報を送信した送信先端末に対して再度異常情報を送信するものである構成がより好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、送信先端末に対して異常情報を送信した後、異常状態が解消されていない場合には、再度同じ送信先端末に対して同じ異常情報を送信するので、催促を行うことができる。
【0031】
本発明に係る電子機器は、上記送信手段は、異常情報を送信先端末に送信してから所定の待機時間が経過した後、異常状態が解消されていないと判断すると、異常情報を送信した送信先端末と異なる送信先端末に対して異常情報を送信する構成がより好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、送信先端末に対して異常情報を送信した後、異常状態が解消されていない場合には、異常情報を送信した送信先では異常状態を解消できないと判断して、異なる送信先端末に対して異常情報を送信している。これにより、異常状態を解消することができる可能性のある送信先端末に異常情報を送信することができる。
【0033】
本発明に係る電子機器は、上記送信手段が異常情報の送信を行うことができない場合に、異常状態であることを報知する報知手段が備えられている構成がより好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、送信手段が、異常情報の送信を行うことができない場合に、異常情報を送信する送信先端末以外の外部に対して異常状態であることを報知することができるので、電子機器の操作者は、異常状態であることを知ることができるとともに、送信手段が異常情報の送信を行うことができないことを知ることができる。なお、上記異常状態の内容を報知する報知手段としては、例えば、表示によって報知する表示手段や、音声によって報知する音声出力手段、シート等に異常情報を出力して報知する出力手段等が挙げられる。
【0035】
本発明に係る電子機器の管理方法は、複数の送信先端末に対して情報の送信が可能である電子機器の管理方法において、上記電子機器の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知工程と、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得工程と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて異常情報を送信する送信先端末を決定するとともに、当該決定された送信先端末に上記異常情報を送信する送信工程とを含むことを特徴としている。
【0036】
これにより、例えば、上記経過時間が予め設定された設定時間内である場合には、当該電子機器のメンテナンスを行ったサービスマンが所有している端末に異常情報を送信する一方、上記経過時間が予め設定された設定時間を越えた場合には、サービスセンターに異常情報を送信することが可能になる。従って、上記の構成とすることにより、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間によって、最適な送信先に異常情報を送信することができるので、効率よく電子機器を管理することができる。
【0037】
本発明にかかる制御プログラムは、上記の課題を解決するために、上記電子機器を動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための通信プログラムである。
【0038】
上記の構成により、コンピュータで上記電子機器の各手段を実現することによって、上記電子機器を実現することができる。
【0039】
本発明にかかる記録媒体は、上記制御プログラムを記録した、コンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0040】
上記の構成により、上記記録媒体から読み出された電子機器の制御プログラムによって、上記電子機器をコンピュータ上に実現することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る電子機器は、特定の機能を有するとともに、ネットワークを介して接続される複数の送信先端末に対して情報の送信が可能である電子機器であって、自装置の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知手段と、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得手段と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて異常情報を送信する送信先端末を決定するとともに、当該決定された送信先端末に上記異常情報を送信する送信手段を備える構成である。
【0042】
また、本発明に係る電子機器の管理方法は、特定の機能を有するとともに、ネットワークを介して接続される複数の送信先端末に対して情報の送信が可能である電子機器の管理方法において、上記電子機器の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知工程と、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得工程と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて異常情報を送信する送信先端末を決定するとともに、当該決定された送信先端末に上記異常情報を送信する送信工程とを含む構成である。
【0043】
これにより、例えば、上記経過時間が予め設定された設定時間内である場合には、当該電子機器のメンテナンスを行ったサービスマンが所有している端末に異常情報を送信する一方、上記経過時間が予め設定された設定時間を越えた場合には、サービスセンターに異常情報を送信することが可能になる。それゆえ、上記の構成とすることにより、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間に応じて最適な送信先に異常情報を送信することができるので、効率よく電子機器を管理することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。本発明は、例えば、呼び出し期間をサービスマンが設定したら、その設定時を起点として、呼び出し期間内に限りサービスマンに直接電子メールを用いて連絡を行う構成である。このようにすることで、メンテナンス作業が終わった後に再度メンテナンスが必要である場合、サービスマンに直接電子メールを送信することができる。つまり、再度メンテナンスが必要な場合には、まだ近くにいる可能性の高いサービスマンを呼び出すことができるので迅速にメンテナンスできる。また、上記呼び出し期間を超過したら直接サービスマンに電子メールの送信を行う設定を解除するので、例えば、サービスマンが近くにいない場合に、サービスマンに電子メールが送信されることを防止することができる。すなわち、本実施の形態にかかる電子機器は、前回の異常状態から正常状態に戻った後で、予め設定された設定時間以内に再度異常状態になった場合には、通常設定されている情報送信端末ではなく、特定の送信先端末(サービスマンが有する送信先端末)に対して異常状態に関する異常情報(以下、単に情報と称する)を送信する構成である。
【0045】
なお、以下の説明では、上記電子機器として、画像形成機能を備えたデジタル複合機を例にして説明するが、これに限定されるものではない。上記電子機器としては、例えば、画像形成装置(ネットワーク複写機)、FAX、プリンタ(ネットワークプリンタ)等の外部に対して情報の送信が可能であるものであればよい。
【0046】
図1に示すように、本発明にかかるデジタル複合機の管理システム(以下、適宜管理システムと略す)は、上記デジタル複合機1と、該デジタル複合機1とネットワーク3を介して接続される複数の送信先端末2(図1では2つ)とを含んでなっている。また、上記デジタル複合機1には送信部(送信手段)が内蔵されており、該デジタル複合機1は、この送信部を介してインターネットなどの各種コンピュータネットワークといった上記ネットワーク3に接続されている。
【0047】
そして、本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、画像形成部10、診断部(検知手段)11、情報格納部(記憶手段)25、送信部(送信手段)20、および、算出部(取得手段)13を備えている。また、上記デジタル複合機1は、必要に応じて、さらに、操作入力部(監視手段)30、タイマ15、時刻記憶部14および検索部(検索手段)16を備えていることがより好ましい。
【0048】
画像形成部10は、デジタル複合機1における特定の機能を有するものである。具体的には、画像形成部10は、外部から送信されてくる、または、内部で生成される画像データに基づいて記録材に画像を形成するものである。なお、図1では、上記特定の機能として、画像形成部10を例示しているが、上記に限定されるものではない。上記特定の機能としては、例えば、FAX送信部(図示せず)や、画像読み取り部等が挙げられる。
【0049】
診断部11は、画像形成部10の状態を診断するものである。そして、診断部11が、画像形成部10が正常に動作できる場合を正常状態、画像形成部10が正常に動作できない(動作できない)場合を異常状態として判断する。そして、当該診断部11が画像形成部10の状態を異常状態と判断した場合には、上記判定部21に対して、異常状態である旨を通知する。また、診断部11は、画像形成部10が異常状態である場合に、判定部21および情報格納部25に対して、異常状態の内容を送信することがより好ましい。また、診断部11は、異常状態時に画像形成部10から送信されてくる情報を解析して異常状態の内容を把握することができる。
【0050】
情報格納部25は、デジタル複合機1に格納されるさまざまな情報を格納するものである。具体的には、情報格納部25は、送信先記憶部26、履歴記憶部27および重要度記憶部28を備えている。
【0051】
上記送信先記憶部26は、後述する電子メール通信部22から外部の送信先端末2に対して情報を送信する際、送信先である送信先端末2のアドレスを記憶している。また、送信先記憶部26は、後述する送信先入力部33を介して入力された送信先端末2のアドレスを記憶する。
【0052】
上記履歴記憶部27は、図10に示すように、診断部11によって判断された画像形成部10の異常状態の内容を記憶している。さらに、履歴記憶部27は、上記診断部11によって画像形成部10が異常状態と判断されたときに、異常状態の内容とこの異常状態の内容を送信した送信先端末2のアドレスとの対応関係を記憶している。
【0053】
つまり、上記履歴記憶部27は、過去に送信した送信先端末2のアドレスとこの送信先端末2に送信した異常状態の内容との対応関係を記憶している。
【0054】
上記重要度記憶部28は、診断部11によって診断される異常状態の内容と、この異常状態の内容に応じて情報を送信する送信先端末2のアドレスとの対応関係を示している。具体的には、上記重要度記憶部28は、異常状態の種類に応じて情報を送信する送信先端末2のアドレスが記憶されている。
【0055】
つまり、履歴記憶部27には、過去の送信履歴(送信先端末2のアドレスとそのアドレスに対して送信した情報)が記録されている一方、重要度記憶部28には、異常状態の内容に応じて情報の送信先端末2のアドレス、すなわち、異常状態の内容と当該異常状態に関する情報を送信した送信先端末とを対応づけたもの(図2)が記憶されている。
【0056】
送信部20は、ネットワーク3を介して外部の送信先端末2(図1では2つ)に対して情報を送信する。
【0057】
上記送信部20は、判定部21と電子メール通信部22とを備えている。上記電子メール通信部22は、ネットワーク3を介して外部に電子メールを送信するものである。上記判定部21については、後述する。
【0058】
上記操作入力部30は、外部からの入力を受け付ける、また、外部に対して情報を提示するものである。なお、ここでの外部とは、特にデジタル複合機1を操作する操作者を示すものであり、必ずしもネットワーク3を介するものではない。上記操作入力部30は、音声出力部31、表示部32、および、送信先入力部33を備えている。
【0059】
上記表示部32は、例えば、表示パネルであり、デジタル複合機1の状態や操作状況を示す様々な情報を表示する。具体的には、例えば、表示部32は、上記画像形成部10が異常状態となったときに、情報の送信先を入力するための情報を表示することができる。また、上記音声出力部31は、各種の情報を音声によって出力するものである。
【0060】
上記送信先入力部33は、上記情報を送信する際に、送信先端末2を特定可能な情報を入力するものである。具体的には、情報を送信する送信先端末2のアドレスを入力するものである。また、上記送信先入力部33は、操作者によって上記特定情報(ここではアドレス)が入力されたことを検出する。
【0061】
上記検索部16は、判定部21から通知された異常状態の内容に基づいて、情報格納部25の履歴記憶部27から上記異常状態の内容と一致する内容を検索し、ある場合には、履歴記憶部27から、上記異常状態の内容と対応付けられた送信先端末2のアドレスを抽出して、判定部21に通知する。また、上記検索部16は、判定部21から通知された異常状態の内容に基づいて、情報格納部25の重要度記憶部28から上記異常状態の内容と一致する内容があるか否かを検索し、ある場合には、重要度記憶部28から、上記異常状態の内容と対応付けられた送信先端末2のアドレスを抽出して、判定部21に通知する。つまり、上記検索部16は、判定部21から受信した異常状態の内容に基づいて、情報格納部25に記憶されている情報(送信先端末2)を検索する。
【0062】
上記時刻記憶部14は、算出部13の指示により時刻を記憶するものである。また、タイマ15は、時間を計測するものである。
【0063】
ここで、算出部13および判定部21について詳細に説明する。
【0064】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する算出部13と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて情報を送信する送信先端末2を決定するとともに、当該決定された送信先端末2に上記情報を送信する判定部21とを備えている。
【0065】
上記算出部13は、所定の時点を計測開始時刻とし、この計測開始時刻から、診断部11によって画像形成部10が異常状態であると判断された時刻までの間の経過時間を算出する。そして、上記算出部13は、その経過時間が、予め設定された予め設定された設定時間より大きいか否か(経過時間内であるか否か)を判断する。
【0066】
上記所定の時点とは、例えば、(1)送信先入力部33から上記特定情報が入力された時点、(2)前回の異常状態から正常状態に戻った時点等が挙げられる。上記(1)の場合、送信先入力部33が上記特定情報の入力を検出すると、当該送信先入力部33は、算出部13に対して、特定情報が入力された旨を通知する。そして、上記算出部13は、上記特定情報が入力された旨の通知を受信すると、タイマ15を参照してこの時点時刻を時刻記憶部14に記憶させる。つまり、上記(1)の場合には、算出部13は、送信先入力部33からの通知をトリガとして上記所定の時点を設定する。一方、上記(2)の場合には、診断部11が画像形成部10の状態を監視しており、当該診断部11が異常状態から正常状態に戻ったことを検出すると、当該診断部11は、算出部13に対して、画像形成部10が正常状態に戻った旨を通知する。上記算出部13は、診断部11から正常状態に戻った旨の通知を受信するとタイマ15を参照してこの時点の時刻を時刻記憶部14に記憶させる。つまり、上記(2)の場合には、算出部13は、診断部11からの通知をトリガとして上記所定の時点を設定する。
【0067】
そして、算出部13は、上記所定の時点を設定した後、診断部11から画像形成部10が異常状態になった旨の通知を受信すると、タイマ15を参照してこの時点の時刻を時刻記憶部14に記憶させる。次に、算出部13は、所定の時点から上記異常状態になった時点までの経過時間を算出(取得)する。そして、算出部13は、上記算出した経過時間と、時刻記憶部14に予め記憶されている設定時間とを比較して、上記経過時間が、設定時間内であるか否かを判断する。そして、上記算出部13は、判断結果を判定部21に送信する。なお、時刻記憶部14に記憶されている設定時間は、例えば、送信先入力部33等を用いて任意に設定することが可能である。
【0068】
上記判定部21では、上記算出部13から受信した判断結果に基づいて、情報を送信する送信先を決定する。具体的には、例えば、算出部13から受信した判断結果が設定時間内という判断結果である場合には、上記判定部21は、情報の送信先を上記デジタル複合機1のメンテナンスを行うサービスマンに設定する。または、上記所定の時点の設定が(1)の場合、すなわち、送信先入力部33を介して特定情報が入力された時点を所定の時点を設定している場合、判定部21は、算出部13から設定時間内である旨を受信すると、上記特定情報に基づく送信先端末2に情報の送信先を設定する。
【0069】
一方、算出部13から受信した判断結果が設定時間を越えたという判断結果の場合には、上記判定部21は、情報の送信先を、例えば、上記デジタル複合機1を管理している管理サーバに設定する。
【0070】
そして、判定部21は設定した情報の送信先を電子メール通信部22に送信し、電子メール通信部22は、受信した送信先に対して電子メールを送信する。
【0071】
ここで、上記判定部21が、送信先を決定する方法について説明する。判定部21は、情報格納部25に記憶されている情報に基づいて送信先を決定する。具体的には、例えば、送信先記憶部26に送信先入力部33によって、送信先端末2のアドレスが入力された場合であって、上記経過時間が設定時間内である場合には、判定部21は、入力されたアドレスを送信先として設定する。なお、上記の説明では、送信先入力部33にアドレスが入力されたことを検出し、その入力されたアドレスに情報を送信するように設定しているが、送信先入力部33に入力する情報としては、上記アドレスに限定されるものはない。
【0072】
また、上記所定の時点を異常状態から正常状態に戻った時点として設定している場合には、判定部21は、経過時間が設定時間内であるか否かに応じて互いに異なるように設定されている送信先に情報を送信するように送信先を設定する。
【0073】
また、経過時間が上記設定時間内である場合、上記判定部21は、異常状態の内容に応じて情報を送信する送信先端末2を決定することがより好ましい。上記重要度記憶部28は、異常状態の内容と当該異常状態を解消するために最適な送信先端末2との対応関係を記憶している。そして、上記判定部21は、検索部16を動作させて診断部11から受信した異常状態の内容に基づいて、重要度記憶部28に記憶されている対応関係から最適な送信先端末2を抽出する。そして、判定部21は、上記抽出された送信先端末2を送信先として設定すればよい。
【0074】
また、例えば、上記経過時間が設定時間内である場合であって、複数の送信先端末2に対して情報を送信するように設定している場合、判定部21は、決定された送信先端末2の中で異常状態を解消するために最適な送信先端末2を決定して情報の送信先に設定することがより好ましい。最適な送信先端末2の決定方法については上記と同様である。
【0075】
図2は、重要度記憶部28に記憶されているテーブルの例を説明する図面である。図2に示すように、異常状態の内容に基づいて、(I)デジタル複合機1の操作者によって解消できる異常状態、(II)サービスマンが対応できる異常状態、(III)管理センターに通知する必要がある異常状態の3つに分けられている場合、判定部21は、検索部16を動作させて、診断部11から受信した異常状態の内容が上記の分類のうち、どの分類に当てはまるのか否かを判断する。そして、経過時間が設定時間である場合であって、診断部11から受信した異常状態の内容が、上記分類のうち(II)サービスマンが対応できる異常状態に該当する内容である場合に、判定部21は、サービスマンが有する端末に対して情報を送信する構成が好ましい。なお、上記図2の例では、3つに分類しているが、重要度の分類方法としては、上記に限定されるものではなく、例えば、サービスマンが対応可能である異常状態と、管理サーバに通知する必要がある異常状態との2つに分類してもよく、また、上記3以上に分類してもよい。
【0076】
さらに、他の送信先端末2の決定方法としては、例えば、上記経過時間が設定時間内である場合に、過去の履歴(異常状態の内容とその場合に情報を送信した送信先端末2との対応関係を示す履歴)に基づいて送信先端末2を決定する方法がある。これについて説明する。
【0077】
上記履歴記憶部27には、過去に発生した異常状態と当該異常状態に関して情報を送信した送信先端末2との対応関係が記憶されている。上記判定部21は、経過時間が設定時間内である場合には、上記履歴記憶部27を参照して、診断部11から受信した異常状態を解消するために最適な送信先端末2を決定してもよい。具体的には、判定部21は、検索部16を動作させて、履歴記憶部27に記憶されている履歴情報から、診断部11から受信した異常状態の内容があるか否かを検索する。そして、履歴記憶部27には、上記異常状態の内容がある場合には、この異常状態に対して過去に情報を送信した送信先端末2を抽出し、この抽出された送信先端末2に情報を送信するように送信先を設定すればよい。
【0078】
ここで、本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法について図3のフローチャートを参照して説明する。
【0079】
まず、診断部11が、画像形成部10が異常状態になったことを検出する(S10)と、当該診断部11は、判定部21に異常状態の内容を送信する。そして、判定部21では、電子メール通信部22を動作させて、管理サーバに情報を送信する(S11)。また、このとき、診断部11は、履歴記憶部27に異常状態の内容と当該異常状態に対して情報を送信した送信先端末2との対応関係を記憶させる。
【0080】
管理サーバを管理している管理者は、デジタル複合機1からの情報を受信すると、受信した情報に基づいて、上記デジタル複合機1のメンテナンスを行うためにサービスマンを派遣する。そして、サービスマンによってデジタル複合機1のメンテナンスが行われる(S12)。
【0081】
サービスマンによってメンテナンスが実施されると、診断部11は、画像形成部10の異常状態が解消したか、すなわち、異常状態から正常状態に戻ったか否かを判断する(S13)。
【0082】
そして、診断部11は、ステップS13にて正常状態に戻ったと判断すると、表示部32を動作させて、情報の送信先を設定する設定画面を表示する(S14)。具体的には、設定画面として、図4に示すように、少なくとも設定時間および情報を送信する送信先端末2のアドレスを入力する画面が表示されている。さらに、本実施の形態では、(A)異常状態のうち重要度の高い内容の場合のみ上記アドレスに情報を送信するか否か、(B)前回と同じ内容が診断部11によって検出された場合のみ上記アドレスに情報を送信するか否か、(C)正常状態に戻ると、上記設定時間およびアドレス等の設定をクリアするか否かの選択が行えるような設定画面が表示されている。そして、サービスマンは、送信先入力部33を用いて、上記(A)〜(C)を含む設定情報を入力する。
【0083】
そして、サービスマンによって上記設定情報が入力されたことを送信先入力部33が検出すると(S15)、当該送信先入力部33は、上記設定情報を算出部13に送信する。算出部13は、上記設定情報を受信すると、時刻記憶部14に入力された時点の時刻を所定の時点として記憶させるとともに、設定時間を時刻記憶部14に記憶させる(S16)。また、上記送信先入力部33は、上記設定情報が入力されたことを検出すると、表示部32に、例えば、図5に示すような設定完了画面を表示させる(S17)。上記図5の設定完了画面には、設定時間と上記経過時間が設定時間内である場合の情報の送信先である送信先端末2のアドレスが表示されている。
【0084】
その後、正常状態に戻ったデジタル複合機1は、操作者によって所定の動作が行われる。そして、診断部11は、画像形成部10が、再び異常状態になったか否かを判断する(S18)。
【0085】
上記ステップS18にて、画像形成部10が再び異常状態になったと判断すると、診断部11は、異常状態になった旨の通知を算出部13に送信する。また、このとき、診断部11は、異常状態の内容を判定部21に送信するとともに、当該異常状態の内容を履歴記憶部27に記憶させる。
【0086】
算出部13は、診断部11からの異常状態の通知を受信すると、当該通知を受信した時刻を時刻記憶部14に記憶する。そして、算出部13は、既に記憶していた上記所定の時点の時刻(アドレスが入力された時刻)と当該通知を受信した時刻とから、上記所定の時点からの経過時間を算出(取得)する(S19)。そして、判定部21は、この算出された経過時間に応じて情報の送信先の送信先端末2を決定する(S20:送信先設定処理)。この送信先設定処理については後述する。
【0087】
そして、電子メール通信部22は、上記ステップS20において判定部21にて決定された情報の送信先である送信先端末2に対して情報を送信する(S21)。
【0088】
その後、電子メール通信部22は、情報が送信できたか否かを判断(S22)し、情報の送信が完了している場合には、処理を終了する。一方、上記ステップS22にて、情報の送信が完了していない、すなわち、情報の送信ができなかったと判断すると、判定部21は、診断部11を介して画像形成部10を動作させて、異常状態の内容を出力するとともに、表示部32に異常状態の内容を表示する(S23)。
【0089】
次に、送信先設定処理について、図6を参照して説明する。
【0090】
まず、上記算出部13は、上記ステップS19にて算出した経過時間と、時刻記憶部14に記憶されている設定時間とを比較し、経過時間は設定時間内であるか否かを判断し、その判断結果を判定部21に通知する(S30)。
【0091】
次に、上記ステップS30にて、算出部13から経過時間は設定時間内である旨が通知されると、判定部21は、検索部16を動作させて、診断部11から受信した異常状態の内容が、情報格納部25の重要度記憶部28に記憶されているか否かを検索させる。重要度記憶部28には、異常状態の内容とその異常状態を解消できる可能性の高い送信先端末2との対応関係が記憶されている。そして、判定部21は、その検索結果を参照して、診断部11から受信した異常状態の重要度が高いか否かを判断する(S31)。ここで、重要度とは、(A)異常状態の内容に応じて、例えば、デジタル複合機1を操作する操作者によって異常状態を解消できる、(B)サービスマンや管理サーバに連絡する必要がある等の異常状態の内容によって情報の送信先を決めるものである。そして、重要度が高い場合には、操作者では対処できないため、管理サーバまたはサービスマンに連絡する必要があり、重要度が低い場合には、操作者で対処できるので、管理サーバやサービスマンに連絡する必要がないことを示している。つまり、上記ステップS31では、重要度記憶部28に記憶されている情報に基づいて、情報の送信先を決定している。
【0092】
そして、上記ステップS31にて、重要度が高いと判断した場合、判定部21は、上記検索結果を参照して、上記異常状態と対応付けられている送信先端末2を情報の送信先として設定する(S34)。
【0093】
その後、判定部21は、他に送信先があるか否かを判断し(S33)、ある場合にはさらに他の送信先端末2を情報の送信先に設定する(S34)一方、ない場合には、送信先設定処理を終了する。
【0094】
一方、上記ステップS31にて、重要度が低いまたは判断不能であると判断した場合、判定部21は、検索部16に、履歴記憶部27に記憶されている過去に発生した異常状態から、診断部11から受信した異常状態と同じ内容があるか否かを検索させて、過去に同じ異常状態が発生していたか否かを判断する(S33)。
【0095】
そして、上記ステップS33にて、過去に同じ異常状態があると判断すると、判定部21は、検索部16の検索結果を参照して、過去に発生した異常状態に対して情報を送信した送信先端末2を、情報の送信先端末2として設定する(S36)。そして、上記ステップS33の処理に進む。
【0096】
また、上記ステップS30にて、算出手段にて、経過時間が設定時間内でない、すなわち、経過時間は設定時間を越えている旨の通知を受信した診断部11は、情報の送信先を管理サーバに設定し(S37)、送信先設定処理を終了する。また、上記ステップS33にて、判定部21が過去に同じ状態がないと判断すると、処理はステップS37に進む。
【0097】
なお、上記の例では、重要度に基づいて、管理サーバかサービスマンが有する送信先端末2かのどちらかに情報を送信するように判断しているが、例えば、上記重要度をさらに細分化し、デジタル複合機1の操作者が解消できる程度の異常状態であれば、情報の送信先をデジタル複合機1の表示部32に設定するようにしてもよい。
【0098】
ここで、上記送信先設定処理の他の例について図7を参照して説明する。なお、上記と同じ処理については、同じ工程番号を付し、詳細な説明は省略する。なお、以下の説明では、送信先入力部33を用いて、情報を送信する送信先端末2を特定するための特定情報(例えば、アドレス)が入力された時点を上記所定の時点とし、この所定の時点から最初に異常状態になった時点までの間を経過時間として算出した場合における説明である。
【0099】
また、上記ステップS30にて、経過時間は設定時間内であると判断すると、判定部21は、送信先記憶部26を参照して、送信先入力部33から入力された上記特定情報に基づいて、情報の送信先である送信先端末2を設定する(S39)。そして、処理はステップS33に進む。
【0100】
以上のように、本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、例えば、送信先入力部33から特定情報が入力された時点や、異常状態から正常状態に戻った時点等の所定の時点からの経過時間を算出し、この算出された経過時間に応じて、情報を送信する送信先端末2を設定する方法である。より具体的には、本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、上記デジタル複合機1の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知工程と、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得工程と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて情報を送信する送信先端末2を決定するとともに、当該決定された送信先端末2に上記情報を送信する送信工程とを含む方法である。
【0101】
また、本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、一旦、情報を送信先端末2に送信した後、所定時間が経過しても異常状態が解消されなければ、再度情報を送信することがでより好ましい。これについて、図8を参照して説明する。
【0102】
上記ステップS10〜ステップS21が終了し、ステップS22にて、送信先端末2に対して情報の送信が終了したことを検知すると、算出部13は、タイマ15を用いて、上記情報の送信が完了した時点からの時間(以下、計測時間と称する)を計測する(S40)。そして、算出部13は、上記計測時間を、時刻記憶部14に予め記憶されている待機時間(設定時間と同じでもよく異なっていてもよい)と比較し、上記計測時間が上記待機時間を超えたか否かを判断する(S41)。そして、上記ステップS41にて、上記計測時間が待機時間を超えたと判断すると、算出部13は超えた旨を判定部21に通知する。そして上記通知を受信した判定部21は、上記電子メール通信部22を動作させて、以前に情報を送信した送信先端末2に対して再度情報を送信する(S42)。
【0103】
一方、上記ステップS41にて、上記計測時間が上記待機時間を超えていないと判断すると、算出部13は、診断部11から異常状態が解消した旨の通知を受信しているか否かを判断し(S42)、受信している場合には時間の計測を終了する。一方、上記ステップS42にて、診断部11から異常状態が解消した旨の通知を受信していないと判断すると、処理はステップS41に戻る。
【0104】
なお、上記の説明では、計測時間が待機時間を超えた場合、以前に情報を送信した送信先に対して再度情報を送信する例について説明している。しかしながら、上記に限定されるものではなく、例えば、計測時間が待機時間を超えた場合に、以前に情報を送信した送信先端末2とは異なる送信先端末2に情報を送信してもよい。
【0105】
ところで、送信先入力部33を用いて上記特定情報が入力された場合、この特定情報は、情報格納部25に保存されることとなる。この場合、例えば、メンテナンスが終了し、デジタル複合機1の異常状態が解消された場合であっても、上記特定情報は保存されることとなる。そこで、このような状態を解消するために、上記特定情報が入力されてから発生した異常状態が解消された時点で上記特定情報は消去される構成であることがより好ましい。以下に、特定情報の自動消去処理について、図9を参照して説明する。
【0106】
上記ステップS10〜ステップS23が終了した後、例えば、サービスマンによってデジタル複合機1(画像形成部10)の再メンテナンスが行われ(S50)、異常状態が解消されると、判定部21は、情報格納部25に格納されている、上記ステップS14にて設定された項目のうち(C)正常状態に戻ると、上記設定時間およびアドレス等の設定をクリアする旨の選択がされているか否かを判断する(S51)。
【0107】
上記ステップS51にて、設定が有効でないと判断した場合、判定部21は、算出部13から再メンテナンス完了後から所定の待機時間が経過した旨の通知を受信したか否かを判断する(S52)。そして、上記通知を受信していないと判断すると、処理はS18に戻る。
【0108】
一方、上記ステップS51で設定が有効であると判断した場合、または、ステップS52で通知を受信したと判断すると、判定部21は、上記情報格納部25に格納されている特定情報を消去(クリア)する(S53)。
【0109】
このように、特定情報を自動的に消去することにより、一度特定情報を入力しただけで、サービスマンにいつまでも情報の送信が行われることを防止できる。
【0110】
なお、上記の説明によれば、上記ステップS14において、サービスマンが送信先入力部33を用いて、アドレスを入力する例について説明したが、例えば、表示部32に、情報格納部25の送信先記憶部26に記憶されているアドレスを表示し、サービスマンに表示されたアドレスを選択させるような画面表示を行ってもよい。つまり、送信先入力部33は、情報を送信するアドレスのみを検出するものではなく、情報を送信する送信先端末2を特定するための特定情報を検出するものであればよい。
【0111】
また、上記の説明によれば、ステップS19において、経過時間を算出する際、算出部13は、送信先入力部33にアドレスが入力された時点からの経過時間を算出する例について説明しているが、経過時間を算出する際の起点になる時点としては、画像形成部10が異常状態から正常状態に戻った時点を起点(所定の時点)としてもよい。
【0112】
なお、デジタル複合機1には、上記画像形成部10を含む画像形成装置として機能するための各種手段や部材が備えられている。図1では、説明の便宜上、上記画像形成部10と、操作入力部30としての音声出力部31、および、表示部32とのみを示しているが、もちろんデジタル複合機1の構成はこれに限定されるものではなく、公知の画像形成装置に備えられている各種手段や部材を含むことができる。
【0113】
特に上記表示部32は、電子メール通信部22で送受信された電子メールの送受信に関わる情報や、画像形成部10における画像形成条件等を表示可能となっている。表示部32の表示については後述する。
【0114】
以上のように、本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、複数の送信先端末2に対して情報の送信が可能であるデジタル複合機1であって、自装置の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する診断部11と、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する算出部13と、上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて情報を送信する送信先端末2を決定するとともに、当該決定された送信先端末2に異常状態に関する異常情報を送信する送信部20を備える構成である。上記複数の送信先端末2としては、例えば、常に上記デジタル複合機1を管理するサービスセンターや、デジタル複合機1のメンテナンスを行うサービスマンが所有している端末等が挙げられる。上記の構成によれば、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間が予め設定された設定時間内であるか否かに応じて、情報を送信する送信先(送信先端末2)を決定している。
【0115】
これにより、例えば、上記経過時間が予め設定された設定時間内である場合には、当該デジタル複合機1のメンテナンスを行ったサービスマンが所有している端末に情報を送信する一方、上記経過時間が予め設定された設定時間を越えた場合には、サービスセンターに情報を送信することが可能になる。従って、上記の構成とすることにより、所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間によって、最適な送信先に情報を送信することができるので、効率よくデジタル複合機1を管理することができる。
【0116】
また、本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、異常情報を送信する送信先端末2を特定するための特定情報が入力されたことを検出する送信先入力部33を備え、上記所定の時点は、上記特定情報が入力された時点であり、上記送信部20は、上記経過時間が上記設定時間内であると判断すると、上記入力された特定情報に対応する送信先端末2に上記情報を送信するものである構成がより好ましい。上記の構成によれば、情報を送信する送信先端末2を特定するための特定情報が入力された時点からの経過時間を取得し、この経過時間が予め設定された設定時間内である場合には、情報の送信先を当該特定情報に対応する送信先端末2に設定している。
【0117】
これにより、例えば、デジタル複合機1のメンテナンスを行うサービスマンが、デジタル複合機1のメンテナンスを行った後で、当該デジタル複合機1に、当該サービスマンが所有する端末の特定情報を入力することにより、当該特定情報を入力してから予め設定された設定時間内にデジタル複合機1が異常状態を検出した場合には、上記サービスマンの端末に情報を送信することになる。また、上記予め設定された設定時間内は、当該サービスマンは未だ上記デジタル複合機1の近くにいる可能性が高い。従って、所定の経過時間内にデジタル複合機1が異常状態を検出した場合には、サービスマンに情報を送信することにより、サービスマンを直ぐにデジタル複合機1の再メンテナンスに向かわせることができる。
【0118】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記送信部20は、上記特定情報と対応する送信先端末2に情報を送信した後、上記診断部11が異常状態から正常状態に戻ったことを検出すると、入力された特定情報を消去するものである構成がより好ましい。上記の構成によれば、異常状態が解消された後、上記異常状態に関する情報を送信するために入力された送信先端末2のアドレスを消去している。これにより、上記アドレスを自動的に消去するので、アドレスの消去作業を行わなくて済む。
【0119】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記診断部11が異常状態から正常状態に戻ったことを検出すると、上記特定情報を少なくとも入力するための送信設定画面を表示する表示部32を備える構成がより好ましい。上記の構成によれば、異常状態が解消された時点で、送信設定画面を表示することにより、送信設定(送信先端末2のアドレスの入力)を確実に行うことができる。
【0120】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記所定の時点が、上記最初に異常状態になる時点より前の、異常状態から正常状態に戻った時点である構成がより好ましい。
【0121】
上記の構成によれば、前回異常状態から復帰してから再度異常状態になるまでの経過時間が上記設定時間内であるか否かの判断に応じて情報の送信先を決定することにより、より適切な情報の送信先を選択することができる。また、上記の構成とすることにより、前回異常状態になってから最初に異常状態になるまでの経過時間を取得することになる。そして、この経過時間に応じて情報の送信先を決定している。従って、例えば、上記経過時間が短い場合には、サービスマンに情報を送信する一方、上記経過時間が長い場合には、管理センターへ情報を送信するというような情報の送信先の切換を行うことができる。
【0122】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、過去に発生した異常状態の内容と当該異常状態に関する情報を送信した送信先端末2との対応関係を記憶する情報格納部25と、上記診断部11に検知された異常状態の内容が、情報格納部25に記憶された上記過去に発生した異常状態の内容と一致するものを検索する検索部16とを備え、上記経過時間が上記設定時間内である場合であって、さらに検索部16により一致した過去の異常状態の内容が検索された場合、上記送信部20は、上記一致した過去の異常状態の内容と対応づけられた送信先端末2に情報を送信する構成がより好ましい。上記の構成によれば、経過時間が上記設定時間内である場合であって、診断部11にて検知された異常状態が、過去に生じた異常状態の内容と一致している場合には、過去に生じた異常状態に対する情報を送信した送信先に対して情報を送信する。これにより、同じ内容の異常状態に対しては、同じ送信先端末2に情報を送信することができるので、この異常状態に対処できる可能性高い送信先端末2に情報を送信することができる。
【0123】
なお、例えば、上記異常状態が、複数の理由によって発生している場合、上記検索部16は、情報格納部25に記憶されている異常状態の内容と一部のみが一致している場合であっても、一致したと判断してもよい。すなわち、上記検索部16が一致するか否かを判断する判断基準としては、完全一致のみを示すものではなく、部分一致(例えば前方一致、後方一致等)を含むものである。
【0124】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記送信部20が、経過時間が上記設定時間内である場合、異常状態の内容に応じて情報を送信する送信先端末2を決定する構成がより好ましい。また、本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記送信部20は、決定した送信先端末2のうち、さらに異常状態の内容に応じて情報を送信する送信先端末2を決定する構成がより好ましい。例えば、上記設定時間内であるか否かに応じて情報を送信する送信先端末2を決定する際に、この異常状態を対処することができる送信先に上記情報を送信することが好ましい。具体的には、上記設定時間内であるか否かに応じて決定された送信先端末2の中で、異常状態の内容に応じて送信先端末2を決定している。上記の構成によれば、異常状態の内容に応じて情報を送信する送信先を決定しているので、異常状態を確実に対処することができる送信先に情報を送信することができる。
【0125】
なお、上記異常状態の内容に応じて情報を送信する送信先端末2を決定する方法としては、例えば、予め記憶されている異常状態の内容とこの異常状態に対して情報を送信する送信先端末2との対応関係を参照して情報を送信する送信先端末2を決定する方法が挙げられる。
【0126】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記送信部20が、情報を送信先端末2に送信してから所定の待機時間が経過した場合であって、異常状態が解消されていないと判断すると、情報を送信した送信先端末2に対して再度情報を送信するものである構成がより好ましい。上記の構成によれば、送信先端末2に対して情報を送信した後、異常状態が解消されていない場合には、再度同じ送信先端末2に対して同じ情報を送信するので、催促を行うことができる。
【0127】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記送信部20が、情報を送信先端末2に送信してから所定の待機時間が経過した場合であって、異常状態が解消されていないと判断すると、情報を送信した送信先端末2と異なる送信先端末2に対して情報を送信する構成がより好ましい。上記の構成によれば、送信先端末2に対して情報を送信した後、異常状態が解消されていない場合には、情報を送信した送信先では異常状態を解消できないと判断して、異なる送信先端末2に対して情報を送信している。これにより、異常状態を解消することができる可能性のある送信先端末2に情報を送信することができる。
【0128】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記設定時間を記憶する時刻記憶部14を有する構成がより好ましい。上記の構成によれば、上記設定時間を記憶する時刻記憶部14を有しているので、任意に所定の経過時間を設定することができる。
【0129】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記入力されたアドレスを、パスワードによって保護する送信先入力部33を有する構成がより好ましい。上記の構成によれば、入力されたアドレスをパスワードによって保護しているので、第3者による、情報の送信先の変更を防止することができる。
【0130】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記送信部20が、情報を送信する送信先端末2を決定する際、複数の送信先端末2を決定する構成がより好ましい。上記の構成によれば、複数の送信先端末2に情報を送信することができるので、例えば、複数のサービスマンに対して情報を送信することができる。
【0131】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記送信部20が情報の送信を行うことができない場合に、異常状態であることを報知する表示部32・音声出力部31が備えられている構成がより好ましい。上記の構成によれば、送信部20が、情報の送信を行うことができない場合に、情報を送信する送信先端末2以外の外部に対して異常状態であることを報知することができるので、デジタル複合機1の操作者は、異常状態であることを知ることができるとともに、送信部20が情報の送信を行うことができないことを知ることができる。なお、上記異常状態の内容を報知する表示部32・音声出力部31としては、例えば、表示によって報知する表示パネル等の表示部32や、音声によって報知するスピーカ等の音声出力部31、シート等に情報を出力して報知する出力部等が挙げられる。
【0132】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1は、上記情報格納部25が、特定情報を記憶する構成がより好ましい。上記の構成によれば、入力された特定情報を記憶することができるので、例えば、デジタル複合機1の電源を切った場合でも、情報の送信先を上記入力された特定情報にした設定を保存することが可能になる。
【0133】
また、本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、特定の機能を有しており、さらに第1の送信先端末2および第2の送信先端末2に対してネットワーク3を介して接続され、当該第1の送信先端末2および第2の送信先端末2に対して電子メールにより情報の送信が可能となっているデジタル複合機1の管理方法において、上記デジタル複合機1が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知工程と、上記デジタル複合機1に対して、第2の送信先端末2へ情報の送信の設定が行われた時点から、最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得工程と、上記経過時間が予め設定された設定時間内である場合に、第2の送信先端末2に情報の送信を行う送信工程とを含む構成がより好ましい。
【0134】
上記第1の送信先端末2としては、例えば、常に上記デジタル複合機1を管理するサービスセンター等が挙げられる。また、第2の送信先端末2としては、上記デジタル複合機1のメンテナンスを行うサービスマンが所有している端末等が挙げられる。上記の構成によれば、情報の送信先が第2の送信先端末2に設定されてから予め設定された設定時間内にデジタル複合機1が異常状態を検出すると、当該第2の送信先端末2に対して情報を送信するようになっている。これにより、例えば、デジタル複合機1のメンテナンスを行うサービスマンが、デジタル複合機1のメンテナンスを行った後、情報の送信先(第2の送信先端末2)を設定することにより、上記設定を行ってから予め設定された設定時間内にデジタル複合機1が異常状態を検出した場合には、上記サービスマンに情報を送信することができる。つまり、サービスマンがデジタル複合機1のメンテナンスを行ってから、上記設定時間内にデジタル複合機1が異常状態を検出した場合には、当該サービスマンに情報を送信することができる。そして、サービスマンが自身に送信先を設定してから所定の時間内は、当該サービスマンは未だメンテナンスを行ったデジタル複合機1の近くにいる可能性が高い。従って、上記設定時間内にデジタル複合機1が異常状態を検出した場合に、第2の送信先端末2に情報を送信することにより、未だ近くにいるサービスマンに情報を送信することができる。これにより、サービスマンを直ぐにデジタル複合機1の再メンテナンスに向かわせることができるので、利便性が向上する。
【0135】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、特定の機能を有しており、さらに第1の送信先端末2(サービスセンタ)とネットワーク3を介して接続され、該送信先に対して電子メールにより情報の送信が可能となっているデジタル複合機1(MFP)の管理方法において、(保守対応が実施された後)上記デジタル複合機1に対して、第2の送信先端末2に直接、情報の送信を行う設定を行ってから、所定の時間内にデジタル複合機1が自己の不具合を検知すると、第2の送信先端末2(サービスマンの携帯端末)に検知された不具合に関する情報を送信する構成であってもよい。通常、デジタル複合機1からの故障等を通知する電子メールは、サービスセンタ(管理センター)に送信され、故障の内容を元にサービスセンタ内で適切なサービスマンが選ばれてデジタル複合機1の元に派遣される。(サービスセンタはサービスマンのマネジメントを行う。)しかしデジタル複合機1の保守作業が終わり、サービスマンが去った直後に不具合が発生した場合、サービスマンはまだ近くにいる可能性が高く、上記の構成とすることで、直接サービスマンの携帯電話に対して、直接、電子メールを送り修理を依頼することができる。
【0136】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、さらに、不具合の履歴を記録しておき、(保守対応が実施された後)直接送信の設定を行ってから、前回と同じ不具合が発生した場合、第2の送信端末に情報を送信する構成であってもよい。これにより、サービスマンによる修理が成功しておらず故障が継続していることが検知されたときは、サービスマンに直接情報を通知することができる。また、別の故障が発生していたらサービスマンの持っているメンテナンスツールでは解決できない場合があるので、サービスセンタに通知する。
【0137】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、不具合の重要度を判断し、判断結果に基づいて第2の送信端末に情報を送信する構成であってもよい。これにより、重要な不具合のみを選別してサービスマンに告知することができる。
【0138】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、第2の送信先端末2に検知された不具合に関する情報を送信してから、所定の経過時間内に保守が行われないことを検知した場合、第2の送信先端末2に再送する構成であってもよい。これにより、サービスマンが到着しないと当該サービスマンに対して督促を行うことができる。
【0139】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、上記デジタル複合機1にエラーが発生した後(異常状態になった後)、エラーが解消して正常状態(レディ状態)に復帰したことが確認された後、第2の送信先端末2への送信設定を消去する。構成であってもよい。これにより、サービスマンが送信設定をクリアする作業が不要となり、作業性が向上する。
【0140】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、上記デジタル複合機1に対して保守対応が実施された後に、所定の時間内にデジタル複合機1が自己の不具合を検知しなかった場合、第2の送信先端末2に不具合が無かった旨の情報を送信する構成であってもよい。これにより、デジタル複合機1が正常であることをサービスマンが確認できる。
【0141】
本実施の形態にかかるデジタル複合機1の管理方法は、サービスマンの作業によってエラー状態から復帰すると、送信設定画面を自動的に表示する機能を有する構成であってもよい。これにより、設定作業の簡素化が図れる。また、設定忘れを防ぐこともできる。
【0142】
なお、上記実施の形態におけるデジタル複合機1の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの情報格納部25に記憶されたプログラムを実行し、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態のデジタル複合機1の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0143】
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0144】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0145】
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
【0146】
また、インターネットを含むネットワーク3を接続可能なシステム構成であれば、ネットワーク3からプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0147】
さらに、このようにネットワーク3からプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明の電子機器は、ネットワークを介して、情報の送信が可能な例えば、コピー機、FAX,デジタル複合機等の電子機器に好適であり、より詳細には、情報の送信先を必要に応じて変更することができる電子機器に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明にかかる電子機器の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】重要度記憶部に記憶されているテーブルの例を説明する図面である。
【図3】本実施の形態にかかる電子機器の管理方法を説明するフローチャートである。
【図4】送信先および設定時間を設定する設定画面を示す図面である。
【図5】設定完了画面を示す図面である。
【図6】送信先設定処理を説明するフローチャートである。
【図7】送信先設定処理の他の例を示すフローチャートである。
【図8】情報の再送信処理を示すフローチャートである。
【図9】特定情報の自動消去処理を示すフローチャートである。
【図10】履歴記憶部に記憶されているテーブルの例を説明する図面である。
【符号の説明】
【0150】
1 デジタル複合機(電子機器)
2 送信先端末
3 ネットワーク
10 画像形成部
11 診断部(検知手段)
13 算出部(取得手段)
14 時刻記憶部
15 タイマ
16 検索部(検索手段)
20 送信部(送信手段)
21 判定部
22 電子メール通信部
25 情報格納部(記憶手段)
26 送信先記憶部
27 履歴記憶部
28 重要度記憶部
30 操作入力部(監視手段)
31 音声出力部(報知手段)
32 表示部(報知手段)
33 送信先入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信先端末に対して情報の送信が可能である電子機器であって、
自装置の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知手段と、
所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得手段と、
上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて上記複数の送信先端末から少なくとも1つを選択するとともに、当該決定された送信先端末に異常状態に関する異常情報を送信する送信手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記異常情報を送信する送信先端末を特定するための特定情報が入力されたことを監視する監視手段を備え、
上記所定の時点は、上記監視手段が上記特定情報の入力を検出した時点であり、
上記送信手段は、上記経過時間が上記設定時間内であると判断すると、上記入力された特定情報に対応する送信先端末に上記異常情報を送信するものであることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記所定の時点は、上記最初に異常状態になる時点より前の、異常状態から正常状態に戻った時点であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
過去に発生した異常状態の内容と当該異常状態に関する情報を送信した送信先端末とを対応づけて記憶する記憶手段と、
上記検知手段に検知された異常状態の内容が、記憶手段に記憶された上記過去に発生した異常状態の内容と一致するものを検索する検索手段とを備え、
上記経過時間が上記設定時間内であり、かつ、検索手段により一致した過去の異常状態の内容が検索された場合、上記送信手段は、上記一致した過去の異常状態の内容と対応づけられた送信先端末に上記異常情報を送信するものである請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
上記送信手段は、経過時間が上記設定時間内である場合、異常状態の内容に応じて上記異常情報を送信する送信先端末を決定するものであることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
上記送信手段は、上記異常情報を送信先端末に送信してから所定の待機時間が経過した後、異常状態が解消されていないと判断すると、上記異常情報を送信した送信先端末に対して再度上記異常情報を送信するものであることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
上記送信手段は、上記異常情報を送信先端末に送信してから所定の待機時間が経過した後、異常状態が解消されていないと判断すると、上記異常情報を送信した送信先端末と異なる送信先端末に対して上記異常情報を送信するものであることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
上記送信手段が異常情報の送信を行うことができない場合に、異常状態であることを報知する報知手段が備えられていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項9】
複数の送信先端末に対して情報の送信が可能である電子機器の管理方法において、
上記電子機器の状態が異常状態であるか正常状態であるかを検知する検知工程と、
所定の時点から最初に異常状態になるまでの経過時間を取得する取得工程と、
上記経過時間が、予め設定された設定時間内であるか否かに応じて情報を送信する送信先端末を決定するとともに、当該決定された送信先端末に異常状態に関する異常情報を送信する送信工程とを含むことを特徴とする電子機器の管理方法。
【請求項10】
電子機器を制御するコンピュータの制御プログラムであって、当該コンピュータを請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子機器が備える各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−13814(P2006−13814A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186971(P2004−186971)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】