電子機器およびそれに用いるカバー部材
【課題】
カバー部材を本体に容易に装着でき、かつ高い防水性を実現する電子機器およびそれに用いるカバー部材を提供すること。
【解決手段】
被収納物1aを収納するための収納部3を開口して備えるケース部材2と、ケース部材2の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材10と、を有し、ケース部材2およびカバー部材10の内の一方の部材は、他方の部材へ突出するリブ12を備え、他方の部材は、収納部3の外周囲にその内外方向に間隔を設けて閉ループ状の2つの壁部6,7を備え、2つの壁部6,7は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部8,9をそれぞれ有し、壁部6,7同士の間隙W1を、リブ12の幅W3よりも大きく、かつ突出部8,9同士の間隙W3をリブ12の幅W2よりも小さくもしくは無くし、あるいは突出部8,9同士を一体に連結した電子機器1としている。
カバー部材を本体に容易に装着でき、かつ高い防水性を実現する電子機器およびそれに用いるカバー部材を提供すること。
【解決手段】
被収納物1aを収納するための収納部3を開口して備えるケース部材2と、ケース部材2の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材10と、を有し、ケース部材2およびカバー部材10の内の一方の部材は、他方の部材へ突出するリブ12を備え、他方の部材は、収納部3の外周囲にその内外方向に間隔を設けて閉ループ状の2つの壁部6,7を備え、2つの壁部6,7は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部8,9をそれぞれ有し、壁部6,7同士の間隙W1を、リブ12の幅W3よりも大きく、かつ突出部8,9同士の間隙W3をリブ12の幅W2よりも小さくもしくは無くし、あるいは突出部8,9同士を一体に連結した電子機器1としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびそれに用いるカバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の電子機器において、防水機能等が求められる場合がある。電子機器に防水機能を付与するには、少なくとも、本体に被収納物を収納するための収納部を覆うカバー部材と収納部との隙間から水が入りこまないようにする必要がある。たとえば、電池収納部へ水が入り込まないようにするために、電池収納部を覆うカバー部材に弾性体を有する環状の突起部を備え、電池収納部の外周にその弾性体が圧入される溝を備える構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−288174
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される構造によれば、弾性体を有する突起部が溝に挿入されることで、弾性体と溝の内側とが密着し、外部から収納部への水の浸入を防ぐことができる。しかし、突起部を被覆する弾性体は、溝を形成する樹脂表面に対して難滑性を呈し、溝に挿入し難いという問題がある。特に、カバー部材の突起部と溝との間の寸法誤差が大きい場合には、弾性体を溝内に挿入することが、さらに困難になる。突起部が溝に不完全に挿入された状態は、防水性能の低下を招くので好ましくない。
【0005】
本発明は、かかる問題を解消すべくなされたものであって、カバー部材を本体に容易に装着でき、かつ高い防水性を実現することのできる電子機器およびそれに用いるカバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、被収納物を収納するための収納部を開口して備えるケース部材と、ケース部材の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材と、を有し、ケース部材およびカバー部材の内の一方の部材は、他方の部材へ突出するリブを備え、他方の部材は、収納部の外周囲に、その内外方向に間隔を設けて閉ループ状の2つの壁部を備え、その2つの壁部は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部をそれぞれ有し、壁部同士の間隙をリブの幅よりも大きく、かつ突出部同士の間隙をリブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは突出部同士を一体に連結した電子機器としている。
【0007】
また、2つの壁部の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、突出部の位置よりも壁部の先端側には、他方の面に向かって突出する突起が設けられているのが好ましい場合もある。
【0008】
さらに、突出部は、対向する壁部を連結する連結突出部であるのがより好ましい場合もある。
【0009】
本発明の別の一実施の形態は、被収納物を収納するための収納部を開口して備える電子機器のケース部材に対して、収納部の開口部を覆うように着脱可能に備えるカバー部材であって、開口部の少なくとも外周囲に備える閉ループ状の壁部を内外方向に間隔を設けて備え、壁部は、弾性体からなると共に、その中間に互いに対向するように設けられる突出部をそれぞれ有し、壁部同士の間隙を、収納部側に設けられるリブの幅よりも大きくし、かつ突出部同士の間隙をリブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは突出部同士を一体に連結したカバー部材としている。
【0010】
また、壁部の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、開口側には、他方の面に向かって突出する突起が設けられているのが好ましい場合もある。
【0011】
また、突出部は、対向する壁部を連結する連結突出部であるのが好ましい場合もある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カバー部材を本体に容易に装着でき、かつ高い防水性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である携帯電話機を、その操作面側から見た斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話機を、その背面側から見た分解斜視図である。
【図3】図2に示すカバー部材を、被収納物に対向する面側から見た斜視図である。
【図4】図1に示す携帯電話機を、ケース部材と、カバー部材とに分離して示すA−A線断面図である。
【図5】図1に示す携帯電話機のA−A線断面図である。
【図6】図4のBで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】図5のCで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図8】本発明の変形例1に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の変形例2に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の変形例3に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図11】本発明の変形例4に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図12】本発明の変形例5に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図13】本発明の変形例6に係る携帯電話機について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【図14】本発明の変形例7に係る携帯電話機について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の電子機器およびそれに用いるカバー部材の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下、電子機器の実施の形態を説明する中で、カバー部材の実施の形態についても説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である携帯電話機1を、その操作面側から見た斜視図である。
【0016】
本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である携帯電話機1は、薄い略直方体形状を有する。また、携帯電話機1は、ケース部材2側に表示部等を露出し、ケース部材2の操作面と逆側(以後、「背面側」という。)に、ケース部材2を着脱可能に備える。ケース部材2およびカバー部材10は、共に、携帯電話機1の筺体の一部を構成することから、同じ部材から構成されるのが好ましい。なお、以後の説明において、操作面から背面への方向を高さ方向という。
【0017】
図2は、図1に示す携帯電話機1を、その背面側から見た場合を示す分解斜視図である。図3は、図2に示すカバー部材10を、被収納物1aに対向する面側から見た斜視図である。図4は、図1に示す携帯電話機1を、ケース部材2と、カバー部材10とに分離して示すA−A線断面図である。図5は、図1に示す携帯電話機1のA−A線断面図である。なお、図5およびそれ以後の断面図では、見易さを考慮して、各部材の厚さの比率を実際の比率と変えて図示している。また、被収納物1aは、薄い略直方体の形態として図示している。
【0018】
ケース部材2は、被収納物1aを収納する収納部3を開口して備える。被収納物1aは、本実施の形態において、薄い略直方体である。被収納物1aとしては、たとえば、携帯電話機1の制御部、記憶部、電池、メモリーディスクあるいはPCB等が挙げられる。なお、被収納物1aは、収納部3から脱落しないように固定されてもよいし、収納部3とカバー部材10とに挟まれることにより保持されてもよい。
【0019】
ケース部材2は、その外周に側壁4を有している。側壁4は、その内周面に、内周側に突出する係止爪4aを有している。また、ケース部材2は、側壁4の内側と収納部3との間にある平坦部5に、壁部としての第1の壁部6を有する。さらに、ケース部材2は、第1の壁部6の外側を囲むように、第1の壁部6と離間して、壁部としての第2の壁部7を有する。第1の壁部6および第2の壁部7(以後、第1の壁部6と第2の壁部7との両方を指す場合には、「壁部6,7」という。)は、閉ループ状に、収納部3の外周囲に形成されている。壁部6,7は、接着剤等により、平坦部5に固着される。なお、壁部6,7は、接着剤による接着以外の方法により平坦部5に固着されてもよい。たとえば、壁部6,7は、インサート成型あるいは2色成型により、平坦部5に設けられてもよい。平坦部5は、壁部6,7を固着する位置の位置決めを容易にするために、壁部6,7を固着する位置に突起あるいは印(不図示)を有してもよい。
【0020】
壁部6,7は、幅W1にて互いに離間して設けられている。壁部6,7は、互いに対向する側に、突出部8および突出部9を有する。突出部8,9は、壁部6,7の高さ方向における略中央に設けられている。第1の壁部6と突出部8および第2の壁部7と突出部9は、別体に固定されてもよいが、一体的に形成されているのが好ましい。突出部8の先端と突出部9の先端とは、幅W2にて互いに離間して対向している。また、突出部8,9は、カバー部材10の装着方向に対して垂直に設けられるが、カバー部材10側に傾斜するように設けられてもよい。
【0021】
壁部6,7の幅方向の厚さおよび突出部8,9の高さ方向の厚さは、たとえば、0.2mm以上、より好ましくは、0.5mm以上である。なお、以後の説明において、「幅方向」とは、第1の壁部6の収納部3側の面からその外側の面に向かう方向を指す。壁部6,7の幅方向の厚さおよび突出部8,9の高さ方向の厚さが0.2mm以上の場合、一般的な成形法により壁部6,7および突出部8,9を成形しやすく、かつ壁部6,7および突出部8,9の形状を保持可能である。なお、壁部6,7の幅方向の厚さは、突出部8,9の高さ方向の厚さよりも厚いのが好ましい。突出部8,9を変形しやすくする一方、壁部6,7にある程度高い剛性を付与することにより、壁部6,7と後述するリブ12との間の封止力が向上する。
【0022】
壁部6,7および突出部8,9は、柔軟性に富む弾性体にて主に形成される。たとえば、JIS−A硬度が90度以下、より好ましくは60度以下である。かかる場合には、後述するリブ12が壁部6,7の間に挿入されて、突出部8,9の端部側を押し下げると、壁部6,7の開口側がリブ12側に移動して、その側面に密着する。また、壁部6,7の形状を保持するために、そのJIS−A硬度は、10度以上、より好ましくは30度以上である。
【0023】
また、壁部6,7および突出部8,9は、カバー部材10の着脱動作を繰り返す場合に、後述するリブ12により変形と開放とを繰り返すため、その形状をある程度保持可能な材料から構成されるのが好ましい。たとえば、JIS K 6262に準拠した測定法より測定された圧縮永久歪(CS)が50%以下、好ましくは20%以下であることが好ましい。CSが50%以下の場合、第1の壁部6および第2の壁部7は、数回の変形により、元の形状に復元しやすいことから、寸法精度が維持できるため、十分な防水性能が発揮できる。
【0024】
壁部6,7および突出部8,9を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系、ポリウレタン系あるいはポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマー、または、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム、シリコーンゴムあるいはフッ素ゴム等の熱硬化性エラストマーを好適に用いることができる。その中でも、シール材として必要な特性、たとえば、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐薬品性および圧縮永久歪等に優れ、比較的安価なシリコーンゴムを特に好適に用いることができる。
【0025】
ケース部材2およびカバー部材10は、たとえば、薄いトレイ形状の成型体である。ケース部材2およびカバー部材10は、成形性および加工性等の理由から、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂あるいはPBT樹脂等の熱可塑性樹脂、または、それらのアロイ等から好適に構成される。さらに、それらの樹脂にガラスファイバー等を混合してもよい。カバー部材10は、収納部3に収納された被収納物1aを覆うように、ケース部材2に装着される。ケース部材2およびカバー部材10は、カバー部材10がケース部材2に装着された際に、携帯電話機1の両側面が共に平面になるように構成されている。
【0026】
カバー部材10は、ケース部材2に装着した場合に、ケース部材2側へ突出するリブ12を有する。リブ12は、カバー部材10をケース部材2に取り付けた際に、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に対向する位置に設けられている。また、カバー部材10は、リブ12の外周を取り囲む外壁13を有する。外壁13は、リブ12と離間して設けられている。さらに、カバー部材10は、外壁13の外周に、外壁13より低い段差をもって略水平な外周面14を有する。外壁13の外周側の面は、その外周を取り囲むように、外周側に突出する係止用突起15を有している。
【0027】
カバー部材10をケース部材2に取り付けると、ケース部材2およびカバー部材10は、カバー部材10の係止用突起15がケース部材2の係止爪4aに引っ掛かることにより係止される。また、カバー部材10をケース部材2に取り付けると、リブ12は、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に挿入される。
【0028】
図6は、図4のBで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。図7は、図5のCで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。
【0029】
リブ12は、高さがHおよび幅がW3にて、閉ループ状に設けられている。リブ12は、断面が略直方体であって、先端側および根元側の両幅とも、強度や成形性を考慮して、0.2mm以上であるのが好ましい。リブ12の高さHは、突出部材8,9を押し込んで、壁部6,7を互いに近づく方向に変形させるのに、十分な高さが必要であるため、壁部6,7の先端から突出部8,9の位置までの長さより長い。リブ12の好適な高さは、0.5mm以上、より好ましくは、1.0mm以上である。なお、リブ12は、カバー部材10と別体に固定されても、あるいは一体的に形成されてもよい。
【0030】
第1の壁部6と第2の壁部7との間隙W1は、これと対向するリブ12の幅W3よりも大きい。W1がW3よりも大きいため、リブ12を第1の壁部6と第2の壁部7との間に挿入する段階では、何ら抵抗なくリブ12を挿入できる。また、突出部8と突出部9との間隙の幅W2は、これと対向するリブ12の幅W3よりも小さい。このため、図7に示すように、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙にリブ12が挿入されると、リブ12が突出部8,9の端部側を押し下げることができる。リブ12により突出部8,9の端部側が押し下げられると、壁部6,7の開口側先端は、突出部8,9に引っ張られ、図7の矢印で示すように、リブ12を挟み込む方向に変形する。この結果、壁部6,7の開口側先端は、リブ12の側面に密着する。したがって、外部から浸入した水が収納部3に浸入するのを有効に防ぐことができる。
【0031】
また、第1の壁部6と第2の壁部7との間にリブ12が挿入されると、突出部8,9、壁部6,7および平坦部5とに囲まれた領域の空気は、突出部8と突出部9との間隙よりスムーズに移動することができる。このため、リブ12を挿入する際に挿入抵抗が小さい。また、リブ12の先端部は、曲面であるか、その角部が面取りされているのがより好ましい。かかる場合には、リブ12が壁部6,7の間への挿脱を繰り返しても、突出部8,9あるいは壁部6,7にクラック等が入り込みにくい。
【0032】
上述のような携帯電話機1においては、カバー部材10をケース部材2に取り付けると、リブ12は、初期段階にて第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に容易に挿入される。リブ12の挿入が進むと、リブ12は、突出部8,9の端部側を押し下げる。突出部8,9の端部側を押し下げることにより、壁部6,7の開口側は、リブ12を挟み込む方向に変形してリブ12に密着するので、外部からの異物(水等)が収納部3の内部に入らないように、効果的に封止できる。したがって、上述のような携帯電話機1においては、カバー部材10をケース部材2に容易に装着できることに加え、かつ、高い防水性を実現できる。
【0033】
また、上述のように、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙にリブ12をスムーズに挿入可能であることから、必ずしも壁部6,7に滑り性を向上させるための被覆層を設けることを要しない。この結果、生産性の向上に加えて、製造コストの低減も可能である。ただし、壁部6,7は、耐異物付着性、滑り性および撥水性の少なくともいずれか1つを向上させる等のために、その表面に壁部6,7とは別の部材による被覆層を設けてもよい。その被覆層は、たとえば、フッ素含有樹脂により形成されていてもよい。
【0034】
以上、本発明の電子機器およびそれに用いるカバー部材の好適な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、種々の変形を施して実施することができる。
【0035】
例えば、上述の実施の形態では、電子機器として携帯電話機1を例示したが、携帯電話機1以外の電子機器にも応用可能であって、例えば、PDA、固定電話機、ホームオーディオ機器、車載用オーディオ機器、カーナビゲーション機器、バッテリーを搭載する電気自動車等の機器にも応用できる。また、上述の実施の形態では、収納部3への水の浸入を防止する構造を例示したが、上述の構造では、水以外の液体や埃等の、他の異物を防止することができる。
【0036】
また、上述の実施の形態では、収納部3は、背面側から見て、角が曲面の直方体としたが、このような形態に限らない。収納部3およびカバー部材10等の形状は、被収納物1aの形状により円形、あるいはその他の多角形等の形状であってもよい。
【0037】
また、上述の実施の形態では、ケース部材2が係止用爪4aを有し、カバー部材10が係止用突起15を有する形態としているが、このような形態に限らない。係止用突起15と係止爪4aとの引掛構造以外の構造により、カバー部材10とケース部材2とが固定されてもよい。たとえば、ケース部材2にカバー部材10をネジ止めしてもよい。
【0038】
(変形例1)
図8は、本発明の変形例1に係る携帯電話機20について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。なお、以下の変形例においては、携帯電話機1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0039】
図8に示すように、壁部6,7は、上述の実施の形態における突出部8と突出部9とを1つにした連結突出部21により連結されていてもよい。壁部6,7が連結突出部21により連結されている場合には、リブ12により連結突出部21の幅方向略中央が押し下げられて、壁部6,7の開口側端部がリブ12を挟み込む方向に変形する。
【0040】
(変形例2)
図9は、本発明の変形例2に係る携帯電話機30について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0041】
変形例2に係る携帯電話機30は、変形例1に係る携帯電話機20と同様に、壁部6,7は、連結突出部21により連結されている。さらに、変形例2に係る携帯電話機30は、第1の壁部6と平坦部5との間に脱気口31を有している。かかる構造により、リブ21により連結突出部21の幅方向略中央が押し下げられた場合に、壁部6,7、連結突出部21および平坦部5により囲まれた空間にある空気を脱気口31からスムーズに排出できる。したがって、壁部6,7、連結突出部21および平坦部5により囲まれた空間に閉じ込められた空気が抵抗になって、リブ21の挿入を困難にする危険性は低い。なお、脱気口31は、壁部6と平坦部5との間の一部を被接着状態とすることで設けられてもよいし、第1の壁部6のうち、平坦部5と連結突出部21との間の領域に、第1の壁部6を貫通する孔を設けることにより形成してもよい。なお、この変形例では、脱気口31は、高さ方向および長さ方向が、0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上にて設けられている。高さ方向が0.5mm以上の場合、リブ21により第1の壁部6が高さ方向に圧縮された場合であっても、脱気口31は、開口した状態を保持できる。
【0042】
(変形例3)
図10は、本発明の変形例3に係る携帯電話機40について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0043】
上述の実施の形態では、リブ12は、先端側の幅も根元側の幅も略同一であるがこのような形態に限らない。たとえば、図10に示すように、リブ41は、その先端側に凸部42を有していてもよい。また、凸部42の先端の幅W4は、突出部8と突出部9との間隙の幅W2よりも小さいのが好ましい。かかる場合には、リブ41は、初期段階にて第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に非常に容易に挿入される。リブ41の挿入が進むと、凸部42が突出部8と突出部9との間隙へ容易に挿入される。さらにリブ41の挿入が進むと、凸部42がガイドしながら、突出部8,9の端部側を押し下げることができる。したがって、リブ41は、斜めにまがったりせずに、突出部8,9の端部側を直線的かつスムーズに押し下げることができる。
【0044】
(変形例4)
図11は、本発明の変形例4に係る携帯電話機50について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0045】
図11に示すように、壁部6,7は、それらが対向する面であって、その開口側先端に突起51をそれぞれ有してもよい。壁部6,7に突起51を備えることにより、リブ12が第1の壁部6と第2の壁部7との間に挿入され、壁部6,7とリブ12とを確実に圧接できる。2つの突起51は、リブ12の挿入時の抵抗とならないように、それらの間隔W1を幅W3より大きくして形成されるのが好ましい。また、突起51は、壁部6,7のいずれか一方にのみ形成してもよい。
【0046】
(変形例5)
図12は、本発明の変形例5に係る携帯電話機60について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0047】
図12に示すように、壁部6,7の各先端に突起51を有する場合に、リブ61は、その側面に、突起51を挿入可能な凹部62を備えていてもよい。かかる場合には、リブ61が壁部6,7の間隙に挿入されることにより、突起51が凹部62に嵌めこまれる。その突起51と凹部62との嵌めこみ構造部分により、リブ61と壁部6,7との封止状態を保持することができる。このように、壁部6,7にリブ61との係止構造を設けることにより、弾性体の反力でケース部材2が変形しにくくなり、これによって壁部6,7によるリブ61の圧接力を維持する結果、防水性を高く保持することができる。かかる効果は、壁部6,7の突起51から底部までの距離が長いほど、またケース部材2の剛性が低いほど大きい。なお、突起51と凹部62との嵌めこみ構造部分により、カバー部材10がケース部材2から脱落するのを防ぐこともできる。
【0048】
また、上述の実施の形態および変形例は、互いにそれぞれの特徴を1以上組み合わせても良い。たとえば、壁部6,7を連結する連結突出部21を有し、かつ、その壁部6,7に突起51を備えてもよい。
【0049】
(変形例6)
図13は、本発明の変形例6に係る携帯電話機70について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【0050】
上述の実施の形態および変形例は、ケース部材2が壁部6,7を有し、カバー部材10がリブ12を有する形態としたが、そのような形態に限らない。たとえば、図13に示すように、ケース部材2にリブ12を備え、カバー部材10に壁部6,7を備えてもよい。この場合、携帯電話機70は、被収納物1aを収納するための収納部3を開口して備えるケース部材2と、ケース部材2の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材10と、を主に有する。また、カバー部材10がケース部材2に装着された状態において、壁部6,7は、閉ループ状に、かつ、収納部3の外周囲に位置するように、カバー部材10に設けられる。リブ12は、ケース部材2に設けられる。また、2つの壁部6,7は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部8,9をそれぞれ有し、壁部6,7同士の間隙W1をリブ12の幅W3よりも大きくし、かつ突出部8,9同士の間隙W2を、リブ12の幅W3よりも小さくもしくは無くしている。また、その場合、2つの壁部6,7の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、突出部8,9の位置よりも壁部6,7の先端側に、他方の面に向かって突出する突起51を設けることもできる。さらに、突出部8,9を、対向する壁部6,7を連結する連結突出部21とすることもできる。
【0051】
(変形例7)
図14は、本発明の変形例7に係る携帯電話機80について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【0052】
上述の実施の形態および変形例では、壁部6,7は、それぞれ別体にて閉ループ状に形成されているが、このような形態に限らない。壁部6,7は、それらの底部を連接してもよい。また、図14に示すように、収納部3の凹部内側の面までを覆うシート状の連結部81の外周部分に、壁部6,7を形成してもよい。その場合、壁部6,7の内方に、収納部3の内面からその外周囲を覆うようなシート状の連結部81を有する場合には、壁部6,7が部分的にケース部材2から剥離した場合にも、防水構造を維持できる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、被収納物の取り外しが可能な電子機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0054】
1,20,30,40,50,60,70,80 携帯電話機(電子機器の一例)
1a 被収納物
2 ケース部材
3 収納部
6 第1の壁部(壁部)
7 第2の壁部(壁部)
8,9 突出部
10 カバー部材
12,41,61 リブ
21 連結突出部
51 突起
W1 壁部同士の間隙
W2 突出部同士の間隙
W3 リブの幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびそれに用いるカバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の電子機器において、防水機能等が求められる場合がある。電子機器に防水機能を付与するには、少なくとも、本体に被収納物を収納するための収納部を覆うカバー部材と収納部との隙間から水が入りこまないようにする必要がある。たとえば、電池収納部へ水が入り込まないようにするために、電池収納部を覆うカバー部材に弾性体を有する環状の突起部を備え、電池収納部の外周にその弾性体が圧入される溝を備える構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−288174
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される構造によれば、弾性体を有する突起部が溝に挿入されることで、弾性体と溝の内側とが密着し、外部から収納部への水の浸入を防ぐことができる。しかし、突起部を被覆する弾性体は、溝を形成する樹脂表面に対して難滑性を呈し、溝に挿入し難いという問題がある。特に、カバー部材の突起部と溝との間の寸法誤差が大きい場合には、弾性体を溝内に挿入することが、さらに困難になる。突起部が溝に不完全に挿入された状態は、防水性能の低下を招くので好ましくない。
【0005】
本発明は、かかる問題を解消すべくなされたものであって、カバー部材を本体に容易に装着でき、かつ高い防水性を実現することのできる電子機器およびそれに用いるカバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、被収納物を収納するための収納部を開口して備えるケース部材と、ケース部材の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材と、を有し、ケース部材およびカバー部材の内の一方の部材は、他方の部材へ突出するリブを備え、他方の部材は、収納部の外周囲に、その内外方向に間隔を設けて閉ループ状の2つの壁部を備え、その2つの壁部は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部をそれぞれ有し、壁部同士の間隙をリブの幅よりも大きく、かつ突出部同士の間隙をリブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは突出部同士を一体に連結した電子機器としている。
【0007】
また、2つの壁部の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、突出部の位置よりも壁部の先端側には、他方の面に向かって突出する突起が設けられているのが好ましい場合もある。
【0008】
さらに、突出部は、対向する壁部を連結する連結突出部であるのがより好ましい場合もある。
【0009】
本発明の別の一実施の形態は、被収納物を収納するための収納部を開口して備える電子機器のケース部材に対して、収納部の開口部を覆うように着脱可能に備えるカバー部材であって、開口部の少なくとも外周囲に備える閉ループ状の壁部を内外方向に間隔を設けて備え、壁部は、弾性体からなると共に、その中間に互いに対向するように設けられる突出部をそれぞれ有し、壁部同士の間隙を、収納部側に設けられるリブの幅よりも大きくし、かつ突出部同士の間隙をリブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは突出部同士を一体に連結したカバー部材としている。
【0010】
また、壁部の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、開口側には、他方の面に向かって突出する突起が設けられているのが好ましい場合もある。
【0011】
また、突出部は、対向する壁部を連結する連結突出部であるのが好ましい場合もある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カバー部材を本体に容易に装着でき、かつ高い防水性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である携帯電話機を、その操作面側から見た斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話機を、その背面側から見た分解斜視図である。
【図3】図2に示すカバー部材を、被収納物に対向する面側から見た斜視図である。
【図4】図1に示す携帯電話機を、ケース部材と、カバー部材とに分離して示すA−A線断面図である。
【図5】図1に示す携帯電話機のA−A線断面図である。
【図6】図4のBで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】図5のCで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図8】本発明の変形例1に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の変形例2に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の変形例3に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図11】本発明の変形例4に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図12】本発明の変形例5に係る携帯電話機について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【図13】本発明の変形例6に係る携帯電話機について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【図14】本発明の変形例7に係る携帯電話機について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の電子機器およびそれに用いるカバー部材の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下、電子機器の実施の形態を説明する中で、カバー部材の実施の形態についても説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である携帯電話機1を、その操作面側から見た斜視図である。
【0016】
本発明の実施の形態に係る電子機器の一例である携帯電話機1は、薄い略直方体形状を有する。また、携帯電話機1は、ケース部材2側に表示部等を露出し、ケース部材2の操作面と逆側(以後、「背面側」という。)に、ケース部材2を着脱可能に備える。ケース部材2およびカバー部材10は、共に、携帯電話機1の筺体の一部を構成することから、同じ部材から構成されるのが好ましい。なお、以後の説明において、操作面から背面への方向を高さ方向という。
【0017】
図2は、図1に示す携帯電話機1を、その背面側から見た場合を示す分解斜視図である。図3は、図2に示すカバー部材10を、被収納物1aに対向する面側から見た斜視図である。図4は、図1に示す携帯電話機1を、ケース部材2と、カバー部材10とに分離して示すA−A線断面図である。図5は、図1に示す携帯電話機1のA−A線断面図である。なお、図5およびそれ以後の断面図では、見易さを考慮して、各部材の厚さの比率を実際の比率と変えて図示している。また、被収納物1aは、薄い略直方体の形態として図示している。
【0018】
ケース部材2は、被収納物1aを収納する収納部3を開口して備える。被収納物1aは、本実施の形態において、薄い略直方体である。被収納物1aとしては、たとえば、携帯電話機1の制御部、記憶部、電池、メモリーディスクあるいはPCB等が挙げられる。なお、被収納物1aは、収納部3から脱落しないように固定されてもよいし、収納部3とカバー部材10とに挟まれることにより保持されてもよい。
【0019】
ケース部材2は、その外周に側壁4を有している。側壁4は、その内周面に、内周側に突出する係止爪4aを有している。また、ケース部材2は、側壁4の内側と収納部3との間にある平坦部5に、壁部としての第1の壁部6を有する。さらに、ケース部材2は、第1の壁部6の外側を囲むように、第1の壁部6と離間して、壁部としての第2の壁部7を有する。第1の壁部6および第2の壁部7(以後、第1の壁部6と第2の壁部7との両方を指す場合には、「壁部6,7」という。)は、閉ループ状に、収納部3の外周囲に形成されている。壁部6,7は、接着剤等により、平坦部5に固着される。なお、壁部6,7は、接着剤による接着以外の方法により平坦部5に固着されてもよい。たとえば、壁部6,7は、インサート成型あるいは2色成型により、平坦部5に設けられてもよい。平坦部5は、壁部6,7を固着する位置の位置決めを容易にするために、壁部6,7を固着する位置に突起あるいは印(不図示)を有してもよい。
【0020】
壁部6,7は、幅W1にて互いに離間して設けられている。壁部6,7は、互いに対向する側に、突出部8および突出部9を有する。突出部8,9は、壁部6,7の高さ方向における略中央に設けられている。第1の壁部6と突出部8および第2の壁部7と突出部9は、別体に固定されてもよいが、一体的に形成されているのが好ましい。突出部8の先端と突出部9の先端とは、幅W2にて互いに離間して対向している。また、突出部8,9は、カバー部材10の装着方向に対して垂直に設けられるが、カバー部材10側に傾斜するように設けられてもよい。
【0021】
壁部6,7の幅方向の厚さおよび突出部8,9の高さ方向の厚さは、たとえば、0.2mm以上、より好ましくは、0.5mm以上である。なお、以後の説明において、「幅方向」とは、第1の壁部6の収納部3側の面からその外側の面に向かう方向を指す。壁部6,7の幅方向の厚さおよび突出部8,9の高さ方向の厚さが0.2mm以上の場合、一般的な成形法により壁部6,7および突出部8,9を成形しやすく、かつ壁部6,7および突出部8,9の形状を保持可能である。なお、壁部6,7の幅方向の厚さは、突出部8,9の高さ方向の厚さよりも厚いのが好ましい。突出部8,9を変形しやすくする一方、壁部6,7にある程度高い剛性を付与することにより、壁部6,7と後述するリブ12との間の封止力が向上する。
【0022】
壁部6,7および突出部8,9は、柔軟性に富む弾性体にて主に形成される。たとえば、JIS−A硬度が90度以下、より好ましくは60度以下である。かかる場合には、後述するリブ12が壁部6,7の間に挿入されて、突出部8,9の端部側を押し下げると、壁部6,7の開口側がリブ12側に移動して、その側面に密着する。また、壁部6,7の形状を保持するために、そのJIS−A硬度は、10度以上、より好ましくは30度以上である。
【0023】
また、壁部6,7および突出部8,9は、カバー部材10の着脱動作を繰り返す場合に、後述するリブ12により変形と開放とを繰り返すため、その形状をある程度保持可能な材料から構成されるのが好ましい。たとえば、JIS K 6262に準拠した測定法より測定された圧縮永久歪(CS)が50%以下、好ましくは20%以下であることが好ましい。CSが50%以下の場合、第1の壁部6および第2の壁部7は、数回の変形により、元の形状に復元しやすいことから、寸法精度が維持できるため、十分な防水性能が発揮できる。
【0024】
壁部6,7および突出部8,9を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系、ポリウレタン系あるいはポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマー、または、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム、シリコーンゴムあるいはフッ素ゴム等の熱硬化性エラストマーを好適に用いることができる。その中でも、シール材として必要な特性、たとえば、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐薬品性および圧縮永久歪等に優れ、比較的安価なシリコーンゴムを特に好適に用いることができる。
【0025】
ケース部材2およびカバー部材10は、たとえば、薄いトレイ形状の成型体である。ケース部材2およびカバー部材10は、成形性および加工性等の理由から、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂あるいはPBT樹脂等の熱可塑性樹脂、または、それらのアロイ等から好適に構成される。さらに、それらの樹脂にガラスファイバー等を混合してもよい。カバー部材10は、収納部3に収納された被収納物1aを覆うように、ケース部材2に装着される。ケース部材2およびカバー部材10は、カバー部材10がケース部材2に装着された際に、携帯電話機1の両側面が共に平面になるように構成されている。
【0026】
カバー部材10は、ケース部材2に装着した場合に、ケース部材2側へ突出するリブ12を有する。リブ12は、カバー部材10をケース部材2に取り付けた際に、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に対向する位置に設けられている。また、カバー部材10は、リブ12の外周を取り囲む外壁13を有する。外壁13は、リブ12と離間して設けられている。さらに、カバー部材10は、外壁13の外周に、外壁13より低い段差をもって略水平な外周面14を有する。外壁13の外周側の面は、その外周を取り囲むように、外周側に突出する係止用突起15を有している。
【0027】
カバー部材10をケース部材2に取り付けると、ケース部材2およびカバー部材10は、カバー部材10の係止用突起15がケース部材2の係止爪4aに引っ掛かることにより係止される。また、カバー部材10をケース部材2に取り付けると、リブ12は、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に挿入される。
【0028】
図6は、図4のBで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。図7は、図5のCで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。
【0029】
リブ12は、高さがHおよび幅がW3にて、閉ループ状に設けられている。リブ12は、断面が略直方体であって、先端側および根元側の両幅とも、強度や成形性を考慮して、0.2mm以上であるのが好ましい。リブ12の高さHは、突出部材8,9を押し込んで、壁部6,7を互いに近づく方向に変形させるのに、十分な高さが必要であるため、壁部6,7の先端から突出部8,9の位置までの長さより長い。リブ12の好適な高さは、0.5mm以上、より好ましくは、1.0mm以上である。なお、リブ12は、カバー部材10と別体に固定されても、あるいは一体的に形成されてもよい。
【0030】
第1の壁部6と第2の壁部7との間隙W1は、これと対向するリブ12の幅W3よりも大きい。W1がW3よりも大きいため、リブ12を第1の壁部6と第2の壁部7との間に挿入する段階では、何ら抵抗なくリブ12を挿入できる。また、突出部8と突出部9との間隙の幅W2は、これと対向するリブ12の幅W3よりも小さい。このため、図7に示すように、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙にリブ12が挿入されると、リブ12が突出部8,9の端部側を押し下げることができる。リブ12により突出部8,9の端部側が押し下げられると、壁部6,7の開口側先端は、突出部8,9に引っ張られ、図7の矢印で示すように、リブ12を挟み込む方向に変形する。この結果、壁部6,7の開口側先端は、リブ12の側面に密着する。したがって、外部から浸入した水が収納部3に浸入するのを有効に防ぐことができる。
【0031】
また、第1の壁部6と第2の壁部7との間にリブ12が挿入されると、突出部8,9、壁部6,7および平坦部5とに囲まれた領域の空気は、突出部8と突出部9との間隙よりスムーズに移動することができる。このため、リブ12を挿入する際に挿入抵抗が小さい。また、リブ12の先端部は、曲面であるか、その角部が面取りされているのがより好ましい。かかる場合には、リブ12が壁部6,7の間への挿脱を繰り返しても、突出部8,9あるいは壁部6,7にクラック等が入り込みにくい。
【0032】
上述のような携帯電話機1においては、カバー部材10をケース部材2に取り付けると、リブ12は、初期段階にて第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に容易に挿入される。リブ12の挿入が進むと、リブ12は、突出部8,9の端部側を押し下げる。突出部8,9の端部側を押し下げることにより、壁部6,7の開口側は、リブ12を挟み込む方向に変形してリブ12に密着するので、外部からの異物(水等)が収納部3の内部に入らないように、効果的に封止できる。したがって、上述のような携帯電話機1においては、カバー部材10をケース部材2に容易に装着できることに加え、かつ、高い防水性を実現できる。
【0033】
また、上述のように、第1の壁部6と第2の壁部7との間隙にリブ12をスムーズに挿入可能であることから、必ずしも壁部6,7に滑り性を向上させるための被覆層を設けることを要しない。この結果、生産性の向上に加えて、製造コストの低減も可能である。ただし、壁部6,7は、耐異物付着性、滑り性および撥水性の少なくともいずれか1つを向上させる等のために、その表面に壁部6,7とは別の部材による被覆層を設けてもよい。その被覆層は、たとえば、フッ素含有樹脂により形成されていてもよい。
【0034】
以上、本発明の電子機器およびそれに用いるカバー部材の好適な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、種々の変形を施して実施することができる。
【0035】
例えば、上述の実施の形態では、電子機器として携帯電話機1を例示したが、携帯電話機1以外の電子機器にも応用可能であって、例えば、PDA、固定電話機、ホームオーディオ機器、車載用オーディオ機器、カーナビゲーション機器、バッテリーを搭載する電気自動車等の機器にも応用できる。また、上述の実施の形態では、収納部3への水の浸入を防止する構造を例示したが、上述の構造では、水以外の液体や埃等の、他の異物を防止することができる。
【0036】
また、上述の実施の形態では、収納部3は、背面側から見て、角が曲面の直方体としたが、このような形態に限らない。収納部3およびカバー部材10等の形状は、被収納物1aの形状により円形、あるいはその他の多角形等の形状であってもよい。
【0037】
また、上述の実施の形態では、ケース部材2が係止用爪4aを有し、カバー部材10が係止用突起15を有する形態としているが、このような形態に限らない。係止用突起15と係止爪4aとの引掛構造以外の構造により、カバー部材10とケース部材2とが固定されてもよい。たとえば、ケース部材2にカバー部材10をネジ止めしてもよい。
【0038】
(変形例1)
図8は、本発明の変形例1に係る携帯電話機20について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。なお、以下の変形例においては、携帯電話機1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0039】
図8に示すように、壁部6,7は、上述の実施の形態における突出部8と突出部9とを1つにした連結突出部21により連結されていてもよい。壁部6,7が連結突出部21により連結されている場合には、リブ12により連結突出部21の幅方向略中央が押し下げられて、壁部6,7の開口側端部がリブ12を挟み込む方向に変形する。
【0040】
(変形例2)
図9は、本発明の変形例2に係る携帯電話機30について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0041】
変形例2に係る携帯電話機30は、変形例1に係る携帯電話機20と同様に、壁部6,7は、連結突出部21により連結されている。さらに、変形例2に係る携帯電話機30は、第1の壁部6と平坦部5との間に脱気口31を有している。かかる構造により、リブ21により連結突出部21の幅方向略中央が押し下げられた場合に、壁部6,7、連結突出部21および平坦部5により囲まれた空間にある空気を脱気口31からスムーズに排出できる。したがって、壁部6,7、連結突出部21および平坦部5により囲まれた空間に閉じ込められた空気が抵抗になって、リブ21の挿入を困難にする危険性は低い。なお、脱気口31は、壁部6と平坦部5との間の一部を被接着状態とすることで設けられてもよいし、第1の壁部6のうち、平坦部5と連結突出部21との間の領域に、第1の壁部6を貫通する孔を設けることにより形成してもよい。なお、この変形例では、脱気口31は、高さ方向および長さ方向が、0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上にて設けられている。高さ方向が0.5mm以上の場合、リブ21により第1の壁部6が高さ方向に圧縮された場合であっても、脱気口31は、開口した状態を保持できる。
【0042】
(変形例3)
図10は、本発明の変形例3に係る携帯電話機40について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0043】
上述の実施の形態では、リブ12は、先端側の幅も根元側の幅も略同一であるがこのような形態に限らない。たとえば、図10に示すように、リブ41は、その先端側に凸部42を有していてもよい。また、凸部42の先端の幅W4は、突出部8と突出部9との間隙の幅W2よりも小さいのが好ましい。かかる場合には、リブ41は、初期段階にて第1の壁部6と第2の壁部7との間隙に非常に容易に挿入される。リブ41の挿入が進むと、凸部42が突出部8と突出部9との間隙へ容易に挿入される。さらにリブ41の挿入が進むと、凸部42がガイドしながら、突出部8,9の端部側を押し下げることができる。したがって、リブ41は、斜めにまがったりせずに、突出部8,9の端部側を直線的かつスムーズに押し下げることができる。
【0044】
(変形例4)
図11は、本発明の変形例4に係る携帯電話機50について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0045】
図11に示すように、壁部6,7は、それらが対向する面であって、その開口側先端に突起51をそれぞれ有してもよい。壁部6,7に突起51を備えることにより、リブ12が第1の壁部6と第2の壁部7との間に挿入され、壁部6,7とリブ12とを確実に圧接できる。2つの突起51は、リブ12の挿入時の抵抗とならないように、それらの間隔W1を幅W3より大きくして形成されるのが好ましい。また、突起51は、壁部6,7のいずれか一方にのみ形成してもよい。
【0046】
(変形例5)
図12は、本発明の変形例5に係る携帯電話機60について、図4に示すBと同様の領域を示す拡大断面図である。
【0047】
図12に示すように、壁部6,7の各先端に突起51を有する場合に、リブ61は、その側面に、突起51を挿入可能な凹部62を備えていてもよい。かかる場合には、リブ61が壁部6,7の間隙に挿入されることにより、突起51が凹部62に嵌めこまれる。その突起51と凹部62との嵌めこみ構造部分により、リブ61と壁部6,7との封止状態を保持することができる。このように、壁部6,7にリブ61との係止構造を設けることにより、弾性体の反力でケース部材2が変形しにくくなり、これによって壁部6,7によるリブ61の圧接力を維持する結果、防水性を高く保持することができる。かかる効果は、壁部6,7の突起51から底部までの距離が長いほど、またケース部材2の剛性が低いほど大きい。なお、突起51と凹部62との嵌めこみ構造部分により、カバー部材10がケース部材2から脱落するのを防ぐこともできる。
【0048】
また、上述の実施の形態および変形例は、互いにそれぞれの特徴を1以上組み合わせても良い。たとえば、壁部6,7を連結する連結突出部21を有し、かつ、その壁部6,7に突起51を備えてもよい。
【0049】
(変形例6)
図13は、本発明の変形例6に係る携帯電話機70について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【0050】
上述の実施の形態および変形例は、ケース部材2が壁部6,7を有し、カバー部材10がリブ12を有する形態としたが、そのような形態に限らない。たとえば、図13に示すように、ケース部材2にリブ12を備え、カバー部材10に壁部6,7を備えてもよい。この場合、携帯電話機70は、被収納物1aを収納するための収納部3を開口して備えるケース部材2と、ケース部材2の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材10と、を主に有する。また、カバー部材10がケース部材2に装着された状態において、壁部6,7は、閉ループ状に、かつ、収納部3の外周囲に位置するように、カバー部材10に設けられる。リブ12は、ケース部材2に設けられる。また、2つの壁部6,7は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部8,9をそれぞれ有し、壁部6,7同士の間隙W1をリブ12の幅W3よりも大きくし、かつ突出部8,9同士の間隙W2を、リブ12の幅W3よりも小さくもしくは無くしている。また、その場合、2つの壁部6,7の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、突出部8,9の位置よりも壁部6,7の先端側に、他方の面に向かって突出する突起51を設けることもできる。さらに、突出部8,9を、対向する壁部6,7を連結する連結突出部21とすることもできる。
【0051】
(変形例7)
図14は、本発明の変形例7に係る携帯電話機80について、図5と同様の領域を示す断面図である。
【0052】
上述の実施の形態および変形例では、壁部6,7は、それぞれ別体にて閉ループ状に形成されているが、このような形態に限らない。壁部6,7は、それらの底部を連接してもよい。また、図14に示すように、収納部3の凹部内側の面までを覆うシート状の連結部81の外周部分に、壁部6,7を形成してもよい。その場合、壁部6,7の内方に、収納部3の内面からその外周囲を覆うようなシート状の連結部81を有する場合には、壁部6,7が部分的にケース部材2から剥離した場合にも、防水構造を維持できる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、被収納物の取り外しが可能な電子機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0054】
1,20,30,40,50,60,70,80 携帯電話機(電子機器の一例)
1a 被収納物
2 ケース部材
3 収納部
6 第1の壁部(壁部)
7 第2の壁部(壁部)
8,9 突出部
10 カバー部材
12,41,61 リブ
21 連結突出部
51 突起
W1 壁部同士の間隙
W2 突出部同士の間隙
W3 リブの幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収納物を収納するための収納部を開口して備えるケース部材と、
上記ケース部材の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材と、
を有し、
上記ケース部材および上記カバー部材の内の一方の部材は、他方の部材へ突出するリブを備え、
上記他方の部材は、上記収納部の外周囲にその内外方向に間隔を設けて、閉ループ状の2つの壁部を備え、
上記2つの壁部は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部をそれぞれ有し、
上記壁部同士の間隙を上記リブの幅よりも大きくし、かつ上記突出部同士の間隙を上記リブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは上記突出部同士を一体に連結したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記2つの壁部の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、前記突出部の位置よりも前記壁部の先端側には、他方の面に向かって突出する突起が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子機器であって、
前記突出部は、対向する前記壁部を連結する連結突出部であることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
被収納物を収納するための収納部を開口して備える電子機器のケース部材に対して、上記収納部の開口部を覆うように着脱可能に備えるカバー部材であって、
上記開口部の少なくとも外周囲に備える閉ループ状の壁部を、内外方向に間隔を設けて備え、
上記壁部は、弾性体からなると共に、その中間に互いに対向するように設けられる突出部をそれぞれ有し、
上記壁部同士の間隙は、上記収納部側に設けられるリブの幅よりも大きく、かつ、上記突出部同士の間隙を上記リブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは上記突出部同士を一体に連結したことを特徴とするカバー部材。
【請求項5】
請求項4に記載のカバー部材であって、
前記壁部の互いに対向する面のうち、開口側には、突起が設けられていることを特徴とするカバー部材。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のカバー部材であって、
前記突出部は、対向する前記壁部を連結する連結突出部であることを特徴とするカバー部材。
【請求項1】
被収納物を収納するための収納部を開口して備えるケース部材と、
上記ケース部材の開口部を覆うように着脱可能なカバー部材と、
を有し、
上記ケース部材および上記カバー部材の内の一方の部材は、他方の部材へ突出するリブを備え、
上記他方の部材は、上記収納部の外周囲にその内外方向に間隔を設けて、閉ループ状の2つの壁部を備え、
上記2つの壁部は、弾性体からなると共に、その互いに対向する側に、互いの方向に突出する突出部をそれぞれ有し、
上記壁部同士の間隙を上記リブの幅よりも大きくし、かつ上記突出部同士の間隙を上記リブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは上記突出部同士を一体に連結したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記2つの壁部の互いに対向する面の少なくとも一方の面であって、前記突出部の位置よりも前記壁部の先端側には、他方の面に向かって突出する突起が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子機器であって、
前記突出部は、対向する前記壁部を連結する連結突出部であることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
被収納物を収納するための収納部を開口して備える電子機器のケース部材に対して、上記収納部の開口部を覆うように着脱可能に備えるカバー部材であって、
上記開口部の少なくとも外周囲に備える閉ループ状の壁部を、内外方向に間隔を設けて備え、
上記壁部は、弾性体からなると共に、その中間に互いに対向するように設けられる突出部をそれぞれ有し、
上記壁部同士の間隙は、上記収納部側に設けられるリブの幅よりも大きく、かつ、上記突出部同士の間隙を上記リブの幅よりも小さくもしくは無くし、あるいは上記突出部同士を一体に連結したことを特徴とするカバー部材。
【請求項5】
請求項4に記載のカバー部材であって、
前記壁部の互いに対向する面のうち、開口側には、突起が設けられていることを特徴とするカバー部材。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のカバー部材であって、
前記突出部は、対向する前記壁部を連結する連結突出部であることを特徴とするカバー部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−253196(P2012−253196A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124615(P2011−124615)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]