説明

電子機器およびフォトフレーム装置

【課題】電子部品をシールドするシールド部材により効率よく放熱することが可能な電子機器およびフォトフレーム装置を提供する。
【解決手段】このスピーカ搭載フォトフレーム装置100(電子機器)は、発熱するとともに基板40に実装されるIC30と、IC30をシールドするシールド本体部61と、シールド本体部61に一体的に形成された放熱部62とを含むシールド部材60とを備え、放熱部62は、両端部がシールド本体部61に支持された両持ち支持状態でIC30に対向する部分がIC30側に突出するとともに平坦面形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器およびフォトフレーム装置に関し、特に、電子部品をシールドするシールド部材を備えた電子機器およびフォトフレーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品をシールドするシールド部材を備えた電子機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、発熱するとともに基板に実装される電子部品と、電子部品をシールドするシールドケース(シールド部材)とを備える高周波ユニット(電子機器)が開示されている。このシールドケースには、切り起こし加工により電子部品側に突出された片持ち支持状態の放熱用舌片(放熱部)が形成されている。放熱用舌片は、電子部品に対向する先端部が平坦面形状に形成されており、先端部が電子部品に当接されることにより電子部品の熱をシールドケース本体に伝達して放熱するように構成されている。このように特許文献1の高周波ユニットでは、電子部品をシールドするシールドケース(シールド部材)を放熱部材としても機能させることによって部品点数の増加を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−347290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の高周波ユニット(電子機器)では、電子部品をシールドするシールドケース(シールド部材)を放熱部材としても機能させることによって部品点数の増加を抑制可能である一方、放熱用舌片がシールドケース(シールド部材)に片持ち支持状態で支持されているため、平坦面形状の先端部を電子部品の上面に対して当接させる際に、平坦面形状の先端部が片持ち支持部を回動中心にして電子部品の上面に対して傾斜しやすいという不都合がある。このため、放熱用舌片の先端部を電子部品に良好に当接させることができず、その結果、シールドケース(シールド部材)により電子部品の熱を効率よく放熱することができないという問題点があると考えられる。また、放熱用舌片がシールドケース(シールド部材)に片持ち支持状態で支持されているため、電子部品の熱が放熱用舌片の一方端部からしかシールド本体に伝達されず、シールド本体への熱伝達を効率的に行うことができない。このため、シールドケース(シールド部材)により電子部品の熱を効率よく放熱することができないという問題点もある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電子部品をシールドするシールド部材により電子部品の熱を効率よく放熱することが可能な電子機器およびフォトフレーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による電子機器は、発熱するとともに基板に実装される電子部品と、電子部品をシールドするシールド本体部と、シールド本体部に一体的に形成された放熱部とを含むシールド部材とを設け、放熱部は、両端部がシールド本体部に支持された両持ち支持状態で電子部品に対向する部分が電子部品側に突出するとともに平坦面形状に形成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による電子機器では、上記のように、電子部品をシールドするシールド本体部に一体的に形成された放熱部をシールド部材に設けるとともに、両持ち支持状態の放熱部の電子部品に対向する部分を電子部品側に突出させて平坦面形状に形成することによって、放熱部の電子部品に対向する部分を電子部品に当接させる際に、両持ち支持により、平坦面形状の電子部品に対向する部分が電子部品の上面に対して傾斜しにくいので、平坦面形状の電子部品に対向する部分を電子部品に対して平行に配置させることができる。これにより、放熱部の電子部品に対向する部分を電子部品に良好に面接触状態で当接させることができるので、電子部品をシールドするシールド部材により電子部品の熱を効率よく放熱することができる。また、放熱部を両端部がシールド本体部に支持された両持ち支持状態に形成することによって、電子部品の熱が放熱部の両端部からシールド本体部に伝達されるので、放熱部の一方端部からしか伝達されない場合に比べてシールド本体部への熱伝達を効率的に行うことができ、その結果、シールド部材により電子部品の熱をさらに効率よく放熱することができる。
【0009】
上記第1の局面による電子機器において、好ましくは、放熱部は、電子部品側に突出するとともに電子部品に対向するように配置される平坦面形状を有する平坦部と、平坦部の両端をシールド本体部に連結する撓み変形可能な一対の連結部とを有する。このように構成すれば、両持ち状態の支持部を構成する一対の連結部が撓み変形することにより放熱部の平坦部と電子部品とを所定の押圧力で面接触状態で良好に当接させることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、放熱部は、シールド部材に形成された一対の切り込み部の間の領域を電子部品側に突出させることにより形成されている。このように構成すれば、シールド部材に形成された一対の切り込み部の間の領域を電子部品側に突出させるだけで、容易に、シールド本体部に両持ち支持される放熱部を形成することができる。また、一対の切り込み部を設けることにより、シールド部材に一対の切り込み部が形成されていない場合に比べて、より一対の連結部が撓み変形しやすくすることができる。
【0011】
上記放熱部がシールド部材に形成された一対の切り込み部の間の領域を電子部品側に突出させて形成された構成において、好ましくは、一対の切り込み部の間の領域は、平面的に見て、略長方形形状に形成されており、放熱部には、平面的に見て、略長方形形状の長手方向に沿って、平坦部と平坦部を挟む一対の連結部とが設けられている。このように構成すれば、短手方向よりも撓みやすい長手方向に沿って放熱部が形成されるので、放熱部の平坦部と電子部品とを容易に所定の押圧力で面接触させることができる。
【0012】
上記放熱部が平坦部と撓み変形可能な一対の連結部とを有する構成において、好ましくは、一対の連結部は、それぞれ、複数の折り曲げ部を有する。このように構成すれば、複数の折り曲げ部により一対の連結部がより撓みやすくなるので、平坦部と電子部品とをより良好に面接触させることができる。また、一対の連結部に複数の折り曲げ部を設けることによって、一対の連結部の平面積の増加を抑制しながら、一対の連結部の全長を大きくして放熱部の表面積を大きくすることができるので、放熱部の平面積の増加を抑制しながら(放熱部が大きくなるのを抑制しながら)、放熱部から効率よく熱を放熱させることができる。
【0013】
上記一対の連結部が複数の折り曲げ部を有する構成において、好ましくは、一対の連結部のうちの複数の折り曲げ部の近傍は、一対の連結部の他の部分よりも小さい厚みを有する。このように構成すれば、他の部分よりも厚みが小さい折り曲げ部の近傍を撓みやすくすることができるので、平坦部と電子部品とをより容易に所定の押圧力で面接触させることができる。なお、本発明の「折り曲げ部の近傍」とは、折り曲げ部および折り曲げ部の付近という意味である。
【0014】
上記一対の連結部のうちの複数の折り曲げ部の近傍が、一対の連結部の他の部分よりも小さい厚みを有する構成において、好ましくは、放熱部は、絞り加工により形成されている。このように構成すれば、絞り加工により、折り曲げ部の近傍が延ばされて厚みが小さくなるので、容易に、一対の連結部のうちの複数の折り曲げ部の近傍を、一対の連結部の他の部分よりも小さい厚みにすることができる。
【0015】
上記放熱部が平坦部と撓み変形可能な一対の連結部とを有する構成において、好ましくは、一対の連結部は、平坦部に対して対称形状に形成されている。このように構成すれば、一対の連結部を均等に撓ませることができるので、より平坦部の傾きを抑制することができる。その結果、放熱部の平坦部と電子部品とを所定の押圧力で良好に面接触させることができる。
【0016】
上記第1の局面による電子機器において、好ましくは、放熱部は、熱伝導シートまたはグリスを介して電子部品を押圧するように構成されている。このように構成すれば、熱伝導シートまたはグリスによって平坦部と電子部品との密着性を高めることができるので、その分、電子部品から放熱部の平坦部に熱を効率的に伝達させることができる。
【0017】
この発明の第2の局面によるフォトフレーム装置は、表示部と、発熱するとともに基板に実装される電子部品と、電子部品をシールドするシールド本体部と、シールド本体部に一体的に形成された放熱部とを含むシールド部材とを設け、放熱部は、両端部がシールド本体部に支持された両持ち支持状態で電子部品に対向する部分が電子部品側に突出するとともに平坦面形状に形成されている。
【0018】
この発明の第2の局面によるフォトフレーム装置では、上記のように、電子部品をシールドするシールド本体部に一体的に形成された放熱部を含むシールド部材を設けるとともに、両持ち支持状態の放熱部の電子部品に対向する部分を電子部品側に突出させて平坦面形状に形成することによって、放熱部の電子部品に対向する部分を電子部品に当接させる際に、両持ち支持により、平坦面形状の電子部品に対向する部分が電子部品の上面に対して傾斜しにくいので、平坦面形状の電子部品に対向する部分を電子部品に対して平行に配置させることができる。これにより、放熱部の電子部品に対向する部分を電子部品に良好に面接触状態で当接させることができるので、電子部品をシールドするシールド部材により電子部品の熱を効率よく放熱することができる。また、放熱部を両端部がシールド本体部に支持された両持ち支持状態に形成することによって、電子部品の熱が放熱部の両端部からシールド本体部に伝達されるので、放熱部の一方端部からしか伝達されない場合に比べてシールド本体部への熱伝達を効率的に行うことができ、その結果、シールド部材により電子部品の熱をさらに効率よく放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態によるフォトフレーム装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示したフォトフレーム装置の全体構成を示した分解斜視図である。
【図3】図1に示したフォトフレーム装置のシールド部材を示した平面図である。
【図4】図1に示したフォトフレーム装置のシールド部材および基板を前側筺体に取り付けた状態を示した分解斜視図である。
【図5】図4の500−500線に沿った断面図である。
【図6】図4の600−600線に沿った断面図である。
【図7】図4の700−700線に沿った断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による放熱部を示した断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態によるフォトフレーム装置の変形例を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態によるフォトフレーム装置100の構成について説明する。フォトフレーム装置100は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0021】
第1実施形態によるフォトフレーム装置100は、図1および図2に示すように、前側筺体10と、後側筺体20とを備えている。また、図2に示すように、フォトフレーム装置100の内部には、IC30が実装された基板40と、静電および電磁波対策用のSPTE(すずメッキ鋼板(ブリキ))からなる金属製のシールド部材60とが設けられている。ここで、IC30は、本発明の「電子部品」の一例である。
【0022】
前側筺体10は、図1および図2に示すように、フォトフレーム装置100の前側(Y2方向側)に配置されている。また、前側から見て、前側筺体10の中央部には表示部50が設けられている。
【0023】
後側筺体20は、図1および図2に示すように、フォトフレーム装置100の後側(Y1方向側)に配置されている。後側筺体20は、ねじ110によって前側筺体10に取り付けられるように構成されている。
【0024】
基板40の後側筺体20側の表面上には、図2に示すように、動作時に発熱するIC30と、SDカードを挿入可能なSDスロット41と、グランドパターン42とが設けられている。基板40は、ねじ120によって後述するシールド部材60と共に前側筺体10に取り付けられるように構成されている。グランドパターン42は、ねじ120による締結位置に配置されており、シールド部材60に当接するように構成されている。
【0025】
ここで、本実施形態では、金属製のシールド部材60は、図2〜図4に示すように、シールド本体部61と、IC30から伝達された熱を放熱する放熱部62とを含んでいる。シールド本体部61は、図2に示すように、基板40のグランドパターン42に電気的に接続されるように構成されている。シールド本体部61には、図2〜図5に示すように、シールド本体部61の下方側(Y2方向側)に突出する接触部63が形成されている。接触部63は、SDスロット41に対応する位置に設けられている。接触部63は、切り起こし加工により形成されている。また、接触部63は、先端部がSDスロット41に接触するように構成されている。そして、シールド本体部61は、接触部63を介して、SDスロット41に生じた静電気を基板40のグランドパターン42に流してIC30を静電気からシールドする機能を有している。また、シールド本体部61は、基板40の所定の部分を覆うことによって、フォトフレーム装置100の外部から内部に向かう電磁波を基板40のグランドパターン42に流してIC30を電磁波からシールドするように構成されている。
【0026】
放熱部62は、図3、図6および図7に示すように、IC30側に突出するようにシールド本体部61に一体的に形成されている。放熱部62は、IC30に対向するように配置される平坦面形状を有する平坦部64と、平坦部64の両端をシールド本体部61に連結する撓み変形可能な一対の連結部65とを含んでいる。放熱部62は、両端部がシールド本体部61に支持された両持ち支持状態になるように構成されている。具体的には、図2〜図4に示すように、放熱部62は、上面(Y1方向)から見て、シールド部材60に形成された一対の切り込み部66の間の略長方形形状の領域をIC30側(Y2方向側)に突出させることにより形成されている。放熱部62は、絞り加工により形成されている。放熱部62の平坦部64および一対の連結部65は、図3および図6に示すように、一対の切り込み部66の間の略長方形形状の領域の長手方向(X方向)に沿って設けられている。平坦部64は、シールド部材60が取り付けられた状態でIC30に平行に配置されるように構成されている。放熱部62は、シリコンシート70を介してIC30を押圧するように構成されている。具体的には、放熱部62は、撓み変形可能な一対の連結部65の付勢力により平坦部64がIC30に面接触した状態でIC30を押圧するように構成されている。シリコンシート70は、図2、図6および図7に示すように、平面的に見て、IC30の発熱量が大きい略中心部に設けられている。なお、シリコンシート70は、本発明の「熱伝導シート」の一例である。
【0027】
平坦面形状を有する平坦部64は、図6に示すように、シリコンシート70を介してIC30から伝達された熱を一対の連結部65に伝達するように構成されている。
【0028】
一対の連結部65は、図6に示すように、平坦部64に対してX方向に対称形状に形成されている。一対の連結部65は、平坦部64から伝達された熱をシールド本体部61に伝達するように構成されている。
【0029】
次に、図2および図4〜図7を参照して、シールド部材60の取付手順について説明する。まず、図2に示すように、基板40を前側筺体10の裏面側(Y1方向側)に配置する。また、基板40に実装されたIC30の上面(Y1方向の表面)にシリコンシート70を配置する。続けて、シールド部材60を基板40の上面側(Y1方向側)に配置する。この際、図6および図7に示すように、シールド部材60の放熱部62の平坦部64は、シリコンシート70を介して間接的にIC30に当接される。また、接触部63は、図5に示すように、SDスロット41に当接される。そして、基板40を前側筺体10との間に挟み込んだ状態でシールド部材60をねじ120により前側筺体10に取り付ける。これにより、放熱部62によりシリコンシート70を介してIC30が面接触状態で押圧される。
【0030】
第1実施形態では、上記のように、IC30をシールドするシールド本体部61に一体的に形成された放熱部62を含むシールド部材60を設けるとともに、IC30側に突出させて両持ち支持状態の放熱部62のIC30に対向する平坦部64を形成することによって、放熱部62の平坦部64をIC30に当接させる際に、シールド本体部61に両持ち状態に支持された放熱部62の平坦部64がIC30の上面に対して傾斜しにくいので、平坦部64をIC30に対して平行に配置させることができる。これにより、放熱部62の平坦部64をIC30に良好に面接触状態で当接させることができるので、シールド部材60によりIC30の熱を効率よく放熱することができる。また、放熱部62を両端部がシールド本体部61に支持された両持ち支持状態に形成することによって、IC30の熱が放熱部62の両端部からシールド本体部61に伝達されるので、放熱部62の一方端部からしか伝達されない場合に比べてシールド本体部61への熱伝達を効率的に行うことができ、その結果、シールド部材60によりIC30の熱をさらに効率よく放熱することができる。
【0031】
第1実施形態では、上記のように、IC30側に突出するとともにIC30に対向するように配置される平坦部64と、平坦部64の両端をシールド本体部61に連結する撓み変形可能な一対の連結部65とを放熱部62に設けることによって、両持ち状態の支持部を構成する一対の連結部65が撓み変形することにより平坦部64とIC30とを所定の押圧力で面接触状態で良好に当接させることができる。
【0032】
第1実施形態では、上記のように、シールド部材60に形成された一対の切り込み部66の間の領域をIC30側に突出させることにより放熱部62を形成することによって、シールド部材60に形成された一対の切り込み部66の間の領域をIC30側に突出させるだけで、容易に、両持ち支持される放熱部62を形成することができる。また、一対の切り込み部66を設けることにより、一対の切り込み部66が形成されていない場合に比べて、より一対の連結部66が撓み変形しやすくすることができる。
【0033】
第1実施形態では、上記のように、略長方形形状に一対の切り込み部66の間の領域を形成するとともに、略長方形形状の長手方向に沿って、平坦部64と平坦部64を挟む一対の連結部65とを放熱部62に設けることによって、短手方向よりも撓みやすい長手方向に沿って放熱部62が形成されるので、放熱部62の平坦部64とIC30とを容易に所定の押圧力で面接触させることができる。
【0034】
第1実施形態では、上記のように、一対の連結部65を、平坦部64に対して対称形状に形成することによって、一対の連結部65を均等に撓ませることができるのでより平坦部64の傾きを抑制することができる。その結果、放熱部62の平坦部64とIC30とを所定の押圧力で良好に面接触させることができる。
【0035】
第1実施形態では、上記のように、シリコンシート70を介してIC30を押圧するように放熱部62を構成することによって、平坦部64とIC30との密着性を高めることができるので、その分、IC30から放熱部62の平坦部64に熱を効率的に伝達させることができる。
【0036】
(第2実施形態)
以下、図8を参照して、本発明の第2実施形態によるフォトフレーム装置200の構成について説明する。なお、フォトフレーム装置200(図1参照)は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0037】
この第2実施形態では、第1実施形態と異なり、シールド部材260に形成された放熱部262の一対の連結部265に折り曲げ部266を設ける構成について説明する。
【0038】
図8に示すように、第2実施形態によるフォトフレーム装置200では、IC30に対向するように配置される平坦面形状を有する平坦部264と、平坦部264の両端をシールド本体部261に連結する撓み変形可能な一対の連結部265とを含む放熱部262がシールド本体部261に一体的に形成されている。一対の連結部265には、それぞれ、2つの折り曲げ部266が設けられている。すなわち、一対の連結部265は、Z方向から見て、IC30側に2段階で突出するように形成されている。また、放熱部262は、絞り加工により形成されており、一対の連結部265のうちの折り曲げ部266の近傍(折り曲げ部266および折り曲げ部266の付近)が、一対の連結部265の他の連結部265よりも小さい厚みを有している。これにより、一対の連結部265のバネ性が向上している。
【0039】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0040】
第2実施形態では、上記のように、第1実施形態と同様に、IC30をシールドするシールド本体部261に一体的に形成された放熱部262を含むシールド部材260を設けるとともに、IC30側に突出させて両持ち支持状態の放熱部262のIC30に対向する平坦部264を形成することによって、放熱部262の平坦部264をIC30に当接させる際に、シールド本体部261に両持ち状態に支持された放熱部262の平坦部264がIC30の上面に対して傾斜しにくいので、平坦部264をIC30に対して平行に配置させることができる。これにより、放熱部262の平坦部264をIC30に良好に面接触状態で当接させることができるので、シールド部材60によりIC30の熱を効率よく放熱することができる。また、放熱部262を両端部がシールド本体部261に支持された両持ち支持状態に形成することによって、IC30の熱が放熱部262の両端部からシールド本体部261に伝達されるので、放熱部262の一方端部からしか伝達されない場合に比べてシールド本体部261への熱伝達を効率的に行うことができ、その結果、シールド部材260によりIC30の熱をさらに効率よく放熱することができる。
【0041】
第2実施形態では、上記のように、複数の折り曲げ部266を、一対の連結部265にそれぞれ、設けることによって、複数の折り曲げ部266により一対の連結部265がより撓みやすくなるので、平坦部264とIC30とをより良好に面接触させることができる。また、複数の折り曲げ部266を一対の連結部265に設けることによって、一対の連結部265の平面積の増加を抑制しながら、一対の連結部265の全長を大きくして放熱部262の表面積を大きくすることができるので、放熱部262の平面積の増加を抑制しながら、放熱部262から効率よく熱を放熱させることができる。
【0042】
第2実施形態では、上記のように、一対の連結部265のうちの複数の折り曲げ部266の近傍を、一対の連結部265の他の部分よりも小さい厚みを有するように形成することによって、折り曲げ部266の近傍を他の部分よりも撓みやすくすることができるので、平坦部264とIC30とを容易に所定の押圧力で面接触させることができる。
【0043】
第2実施形態では、上記のように、放熱部262を、絞り加工により形成することによって、絞り加工により、折り曲げ部266の近傍が延ばされて厚みが小さくなるので、容易に、一対の連結部265のうちの複数の折り曲げ部266の近傍を、一対の連結部265の他の部分よりも小さい厚みにすることができる。
【0044】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0045】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
上記第1および第2実施形態では、本発明を、フォトフレーム装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、フォトフレーム装置以外の電子機器に適用してもよい。
【0047】
上記第2実施形態では、一対の連結部265のそれぞれに、2つの折り曲げ部266が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、一対の連結部のそれぞれに、3つ以上の折り曲げ部を設けてもよい。また、図9に示すように、放熱部362の連結部365の折り曲げ部366の折り曲げ角度を図8に示した第2実施形態の折り曲げ角度よりも大きくしてもよい。具体的には、各連結部365のシールド本体部361側(平坦部364から遠い側)の折り曲げ部366をIC30側(Y2方向側)に突出する山形形状に形成するとともに、平坦部364側(平坦部364に近い側)の折り曲げ部366をIC30側(Y1方向側)とは反対側に突出する山形形状に形成してもよい。
【0048】
上記第1および第2実施形態では、放熱部が、絞り加工により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、放熱部は、絞り加工以外の加工法により形成されていてもよい。
【0049】
上記第1および第2実施形態では、一対の連結部が、平坦部に対して対称形状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、一対の連結部が、平坦部に対して非対称形状に形成されていてもよい。
【0050】
上記第1および第2実施形態では、本発明の熱伝導シートとしてのシリコンシートを介して、放熱部がIC(電子部品)を押圧する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱伝導性を有するグリスを介して、放熱部が電子部品を押圧する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
30 IC(電子部品)
40 基板
50 表示部
60、260 シールド部材
61、261、361 シールド本体部
62、262、362 放熱部
64、264、364 平坦部
65、265、365 連結部
66 切り込み部
266、366 折り曲げ部
70 シリコンシート(熱伝導シート)
100、200 フォトフレーム装置(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱するとともに基板に実装される電子部品と、
前記電子部品をシールドするシールド本体部と、前記シールド本体部に一体的に形成された放熱部とを含むシールド部材とを備え、
前記放熱部は、両端部が前記シールド本体部に支持された両持ち支持状態で前記電子部品に対向する部分が前記電子部品側に突出するとともに平坦面形状に形成されている、電子機器。
【請求項2】
前記放熱部は、前記電子部品側に突出するとともに前記電子部品に対向するように配置される平坦面形状を有する平坦部と、前記平坦部の両端を前記シールド本体部に連結する撓み変形可能な一対の連結部とを有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記放熱部は、前記シールド部材に形成された一対の切り込み部の間の領域を前記電子部品側に突出させることにより形成されている、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記一対の切り込み部の間の領域は、平面的に見て、略長方形形状に形成されており、
前記放熱部には、平面的に見て、前記略長方形形状の長手方向に沿って、前記平坦部と、前記平坦部を挟む一対の連結部とが設けられている、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記一対の連結部は、それぞれ、複数の折り曲げ部を有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記一対の連結部のうちの前記複数の折り曲げ部の近傍は、前記一対の連結部の他の部分よりも小さい厚みを有する、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記放熱部は、絞り加工により形成されている、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記一対の連結部は、前記平坦部に対して対称形状に形成されている、請求項2〜7のいずれか1項に記載に記載の電子機器。
【請求項9】
前記放熱部は、熱伝導シートまたはグリスを介して前記電子部品を押圧するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
表示部と、
発熱するとともに基板に実装される電子部品と、
前記電子部品をシールドするシールド本体部と、前記シールド本体部に一体的に形成された放熱部とを含むシールド部材とを備え、
前記放熱部は、両端部が前記シールド本体部に支持された両持ち支持状態で前記電子部品に対向する部分が前記電子部品側に突出するとともに平坦面形状に形成されている、フォトフレーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−248699(P2012−248699A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119561(P2011−119561)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】