説明

電子機器およびプログラム

【課題】電子機器のセキュリティを向上させることができる電子機器およびプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態の電子機器は、位置検出手段と、位置判定手段と、制御手段とを備える。位置検出手段は、自装置の位置を検出する。位置判定手段は、前記自装置の位置が所定のエリア外にあるか否かを判定する。制御手段は、前記自装置の位置が前記所定のエリア外にある場合には、自装置の動作を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店等の店舗では、省スペース化を図るために小型のPOS(Point Of Sales)端末が広く用いられている。ところが、このような小型のPOS端末は軽量であるために盗難される危険性が高い。これに対して従来は、チェーンロック等によってPOS端末をメインの使用場所に固定することで、盗難対策が行われる場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術においては、チェーンロック等で繋ぎ止めておくためPOS端末の置き場所を自由に変えられずに不便であるという課題があった。また、チェーンロック部分を破損すればPOS端末を盗難することが可能となり、POS端末を不正に用いられる危険性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の電子機器は、位置検出手段と、位置判定手段と、制御手段とを備える。位置検出手段は、自装置の位置を検出する。位置判定手段は、前記自装置の位置が所定のエリア外にあるか否かを判定する。制御手段は、前記自装置の位置が前記所定のエリア外にある場合には、自装置の動作を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るPOS端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、POS端末が行う情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、エラー画面の一例を示す図である。
【図4】図4は、起動時にPOS端末が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、OS起動後にPOS端末が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第2の実施形態に係るPOS端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図7は、起動時にPOS端末が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、OS起動後にPOS端末が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本実施形態に係る電子機器は、POS(Point Of Sales)端末、決済端末、カードリーダ等として用いることができるが、以下では本実施形態の電子機器としてPOS端末を用いる場合について説明する。
【0007】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るPOS端末1の構成を示すブロック図である。POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)3と、スキャナ4と、プリンタ5と、キーボード6と、GPS(Global Positioning System)受信機7と、タンパスイッチ8と、FROM(Flash ROM)9と、表示器10と、タイマ11と、無線LAN I/F(Interface)12とを主に備えており、これらがバスやインタフェースによって相互に接続されている。また、POS端末1は、無線LAN I/F12および無線LAN等のネットワークNTを介して、ストアサーバ2と情報通信することができる。
【0008】
スキャナ4は、商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルをスキャンする。プリンタ5はレシート等を印字する。キーボード6には現在の合計金額を算出する現計キーやテンキー等が設けられている。表示器10は、商品を登録する登録画面や、POS端末1の各種設定を行う設定画面などの各種画面を表示する。
【0009】
GPS受信機7は、位置検出手段として機能し、複数のGPS衛星からの電波を受信してそれぞれとの距離を割り出すことにより、POS端末1の現在位置を検出する。また、GPS受信機7は、CPU3が所定の時間おきに送信する制御信号に基づいて、所定の時間おきにPOS端末1の現在位置を検出する。
【0010】
タンパスイッチ8は、タンパスイッチ8内の回路を切断するなどして、POS端末1への電源供給を停止させたり、キーボード6を動作不可能にしたり、FROM9内の機密情報を消去したりすることが可能であり、これによりPOS端末1の少なくとも一部の動作を制限することができる。
【0011】
FROM9は、BIOS(Basic Input/OutPut System)やその他の各種プログラム、各種データを格納する。また、FROM9は、CPU3がプログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。
【0012】
ここで、BIOSとは、POS端末1の電源投入時に最初に起動されるプログラム群であり、OS(Operating System)の起動を行うものである。また、BIOSは、CPU3、スキャナ4、プリンタ5、キーボード6、GPS受信機7、タンパスイッチ8、FROM9、表示器10、タイマ11、無線LAN I/F12等の各部を各種設定データに基づいて制御するプログラム群であり、上述の各部に対するデータの入出力をOSやアプリケーションソフトに対して提供する。
【0013】
本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、BIOSが有するプログラムの1つであり、表示制御部21、情報登録部22、位置判定部23、パスワード判定部24、フラグ判定部25、動作制御部26を含むモジュール構成となっている。CPU3(プロセッサ)は、FROM9から上述のプログラムを読み出して実行することにより上記各部を主記憶装置上にロードし、図1に示すように、表示制御部21、情報登録部22、位置判定部23、パスワード判定部24、フラグ判定部25、動作制御部26を主記憶装置上に生成する。各部の機能については後述する。
【0014】
また、FROM9は、使用可能エリア情報および管理用パスワードを記憶する。
【0015】
ここで、使用可能エリアとは、POS端末1の使用を許可する所定のエリアである。この使用可能エリア内でPOS端末1が使用される場合には、正規の使用と見なしてPOS端末1を使用することができる。また、使用可能エリア情報とは、使用可能エリアを示す位置情報である。
【0016】
また、管理用パスワードとは、POS端末1が使用可能エリア外にある場合にも、POS端末1を通常通り動作させるために用いられる認証パスワードである。即ち、管理用パスワードによるユーザ認証がなされた場合に、使用可能エリア外でのPOS端末1の使用が許可される。
【0017】
尚、管理用パスワード以外にも、指紋や声紋等のデータを認証情報としてFROM9に格納し、この認証情報による生体認証がなされた場合に、使用可能エリア外でのPOS端末1の使用を許可するとしてもよい。
【0018】
ユーザは、POS端末1を店舗に導入する場合や、使用可能エリアを変更する場合等に、使用可能エリア情報または管理用パスワードをFROM9に登録することができる。
【0019】
次に、表示制御部21および情報登録部22による使用可能エリア情報および管理用パスワードの登録方法について図2を用いて説明する。図2は、POS端末1が行う情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0020】
表示制御部21は、使用可能エリア情報および管理用パスワードの登録を受付ける登録画面(不図示)を表示器10に表示させる(ステップS1)。
【0021】
情報登録部22は、登録画面において使用可能エリア情報の入力を受付けてFROM9に登録(格納)する(ステップS2)。また、情報登録部22は、登録画面から管理用パスワードの入力を受付けて登録する(ステップS3)。
【0022】
一例として、登録画面にはGPS通信を開始するボタン等が設けられる。情報登録部22は、このボタンが選択操作された場合に、GPS受信機7によって現在位置の位置情報を受信する。そして、情報登録部22は、現在位置を中心とする所定のエリア(例えば半径5m以内)をこのPOS端末1の使用可能エリアとして、その使用可能エリア情報をFROM9に格納する。
【0023】
また、FROM9に店舗内のレジ設置場所などの所定の場所の位置情報をFROM9に格納しておき、これらの場所を基点とする所定の範囲を使用可能エリアとして登録するとしてもよい。
【0024】
さらに、使用可能エリアとして店舗内の複数のエリアを登録しておけば、POS端末1を移動して用いる場合にも、各移動先のエリアで正規の位置として使用を許可することができる。即ち、例えばショッピングセンターと、センターの屋外のイベント会場とを使用可能エリアとして登録しておけば、これらのエリア内でPOS端末1を自由に移動させて用いることができる。
【0025】
次に、このようにして登録された使用可能エリア情報および管理用パスワードに基づいて、POS端末1の各部が行うPOS端末1の位置判定方法について説明する。
【0026】
位置判定部23は、位置判定手段として機能し、POS端末1の位置(現在位置)が、FROM9に登録されている使用可能エリア外にあるか否かを判定する。
【0027】
即ち、位置判定部23は、POS端末1の起動時に、GPS受信機7に制御信号を送信して、POS端末1の現在位置を検出させる。そして、位置判定部23は受信した現在位置が、FROM9に登録されている使用可能エリア外の場所であるか否かを判定する。
【0028】
また、位置判定部23は、POS端末1の起動後(例えば、OS起動後)はタイマ11で時間を計測する。そして、位置判定部23は、所定の時間おきに、GPS受信機7に制御信号を送信して、POS端末1の現在位置を検出させる。そして、位置判定部23は受信した現在位置が、FROM9に登録されている使用可能エリア外の場所であるか否かを判定する。
【0029】
また、位置判定部23は、GPS受信機7に制御信号を送信したが現在位置の検出応答が得られなかった場合に、再度制御信号を送信する。そして、制御信号の送信回数すなわちリトライ回数をFROM9に格納し、リトライ回数が所定の閾値に達した場合には電波状況等が悪く位置検出が行えない状態にあると判定する。
【0030】
尚、位置判定部23は、GPS受信機7以外の位置検出手段を用いてもよい。一例として、店舗内に設けられた複数の無線LANのアクセスポイントを位置検出手段として用いるとしてもよい。
【0031】
表示制御部21は、POS端末1の位置(現在位置)が使用可能エリア外にある場合には、エラー画面E(図3参照)を表示器10に表示する。また、表示制御部21は、上述のようにGPS受信機7による位置検出が行えない状態であると判定された場合にも、エラー画面E(図3参照)を表示器10に表示する。
【0032】
図3は、エラー画面Eの一例を示す図である。図3に示すように、エラー画面Eには、「使用可能エリア外です。この場所での使用は許可されていません。」等と、POS端末1が使用可能エリア外にあり、その場所でのPOS端末1の使用が許可されていない旨を報知あるいは警告するメッセージが表示される。尚、POS端末1は上記のようなメッセージを音声出力することによりユーザに報知するとしてもよい。また、図3に示すように、エラー画面Eにおいては、管理用パスワードを入力することが可能である。
【0033】
パスワード判定部24は、認証情報受付手段として機能し、エラー画面Eにおいて入力されたパスワードを受付ける。また、パスワード判定部24は、認証情報判定手段として機能し、エラー画面Eにおいて受付けたパスワードと、FROM9に登録されている管理用パスワードとが一致するか否かを判定する。
【0034】
即ち、パスワード判定部24は、エラー画面Eにおいて受付けたパスワードとFROM9に登録されている管理用パスワードとが一致した場合には、POS端末1が正規のユーザによって使用可能エリア外で使用されている状態であり、正規の持ち出しであると判定する。
【0035】
一方、パスワード判定部24は、エラー画面Eにおいて受付けたパスワードとFROM9に登録されている管理用パスワードとが一致しない場合には、POS端末1は使用可能エリア外に不正に持ち出されたものと判定する。
【0036】
また、パスワード判定部24は、管理用パスワードが一致した場合に、管理用パスワードによる認証処理が済んでいることを記憶するフラグをON(1)にする。尚、このフラグはFROM9内に格納され、初期値はOFF(0)である。
【0037】
フラグ判定部25は、POS端末1の起動後(例えば、OS起動後)にFROM9のフラグの値を読み取って、フラグがONであるか否かを判定する。フラグがONである場合は上述のように認証処理が済んでいるため、位置判定部23によるPOS端末1の位置判定は行われない。一方、フラグがOFFである場合は認証処理が済んでいないため、位置判定部23によるPOS端末1の位置判定は行われる。
【0038】
動作制御部26は、制御手段として機能し、POS端末1の位置(現在位置)が使用可能エリア外にある場合には、POS端末1の動作を制限する。即ち、動作制御部26は、パスワード判定部24によって不正持ち出しであると判定された場合には、タンパスイッチ8を制御してPOS端末1の少なくとも一部の動作を制限する。
【0039】
より詳細には、動作制御部26は、POS端末1の起動時において不正持ち出しと判定された場合には、POS端末1の起動処理を停止し、POS端末1を起動させない。尚、動作制御部26は、POS端末1の一部の機能を制限してPOS端末1を起動させるとしてもよい。
【0040】
また、動作制御部26は、POS端末1の起動後(例えば、OS起動後)において不正持ち出しと判定された場合には、POS端末1の動作を停止させる。尚、動作制御部26は、POS端末1の動作を停止させず、POS端末1の一部の機能を制限するとしてもよい。
【0041】
なお、動作制御部26は、タンパスイッチ8等を制御することによりPOS端末1の少なくとも一部の動作を制限するとしたが、タンパスイッチ8を用いずに当該動作制限を行ってもよい。その他の例として、動作制御部26は、BIOSによってPOS端末1の各部(図1参照)を制御することによりPOS端末1の少なくとも一部の動作を制限するとしてもよい。
【0042】
一方、動作制御部26は、POS端末1の位置(現在位置)が使用可能エリア内にある場合には、POS端末1の動作を制限せず、POS端末1を通常通り動作させる。また、動作制御部26は、パスワード判定部24によって正規の持ち出しであると判定された場合には、POS端末1の動作を制限せず、POS端末1を通常通り動作させる。
【0043】
即ち、動作制御部26は、POS端末1の起動時において、使用可能エリア内あるいは正規の持ち出しと判定された場合には、POS端末1の起動処理を続行し、OSやその他のアプリケーションの起動処理を行う。
【0044】
また、動作制御部26は、POS端末1の起動後(例えば、OS起動後)において、使用可能エリア内あるいは正規の持ち出しと判定された場合には、POS端末1の動作を制限することなく、OSやその他のアプリケーションの機能を通常通り使用可能とする。
【0045】
次に、POS端末1の起動時にPOS端末1が行う位置判定処理の手順について説明する。図4は、起動時にPOS端末1が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0046】
POS端末1の電源スイッチ(不図示)が投入された場合に、POS端末1はPOS端末1の起動処理を開始する。まず、POS端末1はGPS受信機7に制御信号を送信して、POS端末1の現在位置を検出させる(ステップS11)。電波状況が悪いなどの要因により現在位置の検出ができない場合(ステップS11:No)には、位置検出のリトライ回数が閾値に達したか否か判定する(ステップS12)。閾値に達していない場合(ステップS12:No)には、再度GPS受信機7に制御信号を送信して現在位置の検出を行う(ステップS11)。
【0047】
現在位置が検出された場合(ステップS11:Yes)には、検出された現在位置が使用可能エリア外であるか否かを判定する(ステップS13)。使用可能エリア内であって使用可能エリア外でない場合(ステップS13:No)には、POS端末1の起動処理を続行し、OSを起動する(ステップS14)。
【0048】
一方、検出された現在位置が使用可能エリア外である場合(ステップS13:Yes)、および、リトライ回数が閾値に達した場合(ステップS12:Yes)には、表示器10にエラー画面E(図3参照)を表示させる(ステップS15)。
【0049】
POS端末1は、エラー画面Eにおいてパスワードが入力されたか否か判定する(ステップS16)。パスワードが入力された場合(ステップS16:Yes)には、入力されたパスワードがFROM9に登録されている管理用パスワードと一致するか否かを判定する(ステップS17)。パスワードが一致した場合(ステップS17:Yes)には、FROM9のフラグをON状態として(ステップS18)、POS端末1の起動処理を続行し、OSを起動する(ステップS14)。尚、OSの起動後は、図5のA以降の処理が行われる。
【0050】
一方、エラー画面Eにおいて所定の時間経過してもパスワードが入力されない場合(ステップS16:No)、または、入力されたパスワードがFROM9に登録されている管理用パスワードと一致しない場合(ステップS17:No)には、POS端末1の起動処理を停止し、POS端末1の電源をオフとして処理を終了する(ステップS19)。
【0051】
次に、OS起動後(図4のA以降)にPOS端末1が行う位置判定処理の手順について説明する。図5は、OS起動後にPOS端末1が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0052】
図4のステップS14でOSが起動すると、POS端末1は図5のA以降の処理を行う。まず、POS端末1は、タイマ11を用いて所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS21)。所定の時間が経過しない場合(ステップS21:No)には、所定の時間が経過するまで待機する(ステップS21)。そして、所定の時間が経過した場合(ステップS21:Yes)には、FROM9のフラグがONであるか否かを判定する(ステップS22)。フラグがONである場合(ステップS22:Yes)には、管理用パスワードによる認証が済んでいる状態であるから、現在位置の判定処理は行わず、位置判定処理を終了する。即ちPOS端末1は、アプリケーションソフト等による通常の業務が行える状態となる。
【0053】
一方、フラグがOFFである場合(ステップS22:No)には、GPS受信機7によって現在位置の検出を行う(ステップS11)。以降、ステップS11〜S18は図4で上述した手順と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0054】
そして、ステップS13でPOS端末1は使用可能エリア内にあり使用可能エリア外にはないと判定された場合(ステップS13:No)、および、ステップS18でフラグをONにした場合には、ステップS21に戻る。そしてPOS端末1は、所定の時間おき(ステップS21:Yes)に現在位置の判定処理(ステップS13)を繰り返す。
【0055】
一方、エラー画面Eにおいて所定の時間が経過してもパスワードが入力されなかった場合(ステップS16:No)、または、エラー画面Eで入力されたパスワードが管理用パスワードと一致しなかった場合(ステップS17:No)には、POS端末1の動作を停止させて(ステップS23)、POS端末1の電源をオフとし、処理を終了する。
【0056】
尚、OS起動後はBIOS以外のアプリケーションソフトによって図5で説明した位置判定処理を行うとしてもよい。
【0057】
尚、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0058】
さらに、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0059】
このように、第1の実施形態によれば、POS端末1が使用可能エリア外にある場合に自装置の動作を制限するので、POS端末1が使用可能エリア外に持ち出されて不正な行為をされることを防止できる。従って、POS端末1のセキュリティを向上させることができる。
【0060】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係るPOS端末201の構成を示すブロック図である。POS端末201のハードウェア構成は、第1の実施形態のPOS端末1のハードウェア構成と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0061】
本実施形態のPOS端末201で実行されるプログラムは、POS端末1で実行されるプログラムが含む表示制御部21、情報登録部22、位置判定部23、パスワード判定部24、フラグ判定部25、動作制御部26に加え、位置情報出力部27をさらに含むモジュール構成となっている。
【0062】
CPU3は、FROM9から上述のプログラムを読み出して実行することにより上記各部を主記憶装置上にロードし、図6に示すように、表示制御部21、情報登録部22、位置判定部23、パスワード判定部24、フラグ判定部25、動作制御部26、位置情報出力部27を主記憶装置上に生成する。第1の実施形態で上述した構成については同じ符号を付してここでの説明を省略する。
【0063】
位置情報出力部27は、出力手段として機能し、POS端末201の現在位置が使用可能エリア外にある場合には、POS端末201の現在位置をネットワークNTを介してストアサーバ2に出力する。
【0064】
次に、起動時にPOS端末201が行う位置判定処理の手順について説明する。図7は、起動時にPOS端末201が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。図4で説明した手順と同様の手順には同じ符号を付し、ここでの説明を省略する。
【0065】
POS端末201は、エラー画面Eにおいて所定の時間経過してもパスワードが入力されない場合(ステップS16:No)、または、入力されたパスワードがFROM9に登録されている管理用パスワードと一致しない場合(ステップS17:No)には、POS端末201の現在位置をストアサーバ2に出力する(ステップS31)。その後、POS端末201の起動処理を停止し(ステップS19)、POS端末201の電源をオフとして処理を終了する。
【0066】
次に、OS起動後にPOS端末201が行う位置判定処理の手順について説明する。図8は、OS起動後にPOS端末201が行う位置判定処理の手順を示すフローチャートである。図5で説明した手順と同様の手順には同じ符号を付し、ここでの説明を省略する。
【0067】
POS端末201は、エラー画面Eにおいて所定の時間が経過してもパスワードが入力されなかった場合(ステップS16:No)、または、エラー画面Eで入力されたパスワードが管理用パスワードと一致しなかった場合(ステップS17:No)には、POS端末201の現在位置をストアサーバ2に出力する(ステップS32)。その後、POS端末201の動作を停止させて(ステップS23)、POS端末201の電源をオフとして処理を終了する。
【0068】
このように、第2の実施形態によれば、使用可能エリア外にある場合にPOS端末201の現在位置をストアサーバ2に出力して通知する。従って、ストアサーバ2はPOS端末201の現在位置を把握することができるので、POS端末201のセキュリティを向上させることができる。
【0069】
以上説明したとおり、第1および第2の実施形態によれば、自装置の位置が所定のエリア外にある場合には自装置の動作を制限するので、電子機器(POS端末1、201)のセキュリティを向上させることができる。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0071】
1 POS端末(電子機器)
2 ストアサーバ
3 CPU
7 GPS受信機(位置検出手段)
21 表示制御部(表示制御手段)
22 情報登録部
23 位置判定部(位置判定手段)
24 パスワード判定部(認証情報受付手段、認証情報判定手段)
25 フラグ判定部
26 動作制御部(制御手段)
27 位置情報出力部(出力手段)
E エラー画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2009−104248公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記自装置の位置が所定のエリア外にあるか否かを判定する位置判定手段と、
前記自装置の位置が前記所定のエリア外にある場合には、自装置の動作を制限する制御手段と、を備える電子機器。
【請求項2】
前記自装置の位置が前記所定のエリア外にある場合には、前記自装置が前記所定のエリア外にある旨を報知するメッセージを表示する表示制御手段をさらに備える、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記自装置の位置が前記所定のエリア外にある場合に自装置を動作させるための認証情報を格納する記憶手段と、
前記認証情報の入力を受付ける認証情報受付手段と、
受付けた前記認証情報が前記記憶手段に格納されている前記認証情報と一致するか否かを判定する認証情報判定手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記認証情報が一致した場合に自装置の動作を制限しない、
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記認証情報が一致した場合に、前記認証情報による認証済みであることを記憶し、
前記位置判定手段は、前記記憶手段が前記認証情報による認証済みであることを記憶している場合に、前記自装置の位置に関する判定を行わない、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記自装置の位置が前記所定のエリア外にある場合には、前記自装置の位置をサーバに出力する出力手段をさらに備える、
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項6】
自装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記自装置の位置が所定のエリア外にあるか否かを判定する位置判定手段と、
前記自装置の位置が前記所定のエリア外にある場合には、自装置の動作を制限する制御手段と、として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−185566(P2012−185566A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46794(P2011−46794)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】