説明

電子機器およびプログラム

【課題】無線通信を維持しつつ無線通信部の発熱を適切に抑制すること。
【解決手段】電子機器は、パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得部と、無線通信部の温度が予め定められた第1基準値以上である場合に、無線通信部の温度が第1基準値より低い場合より、無線通信部から無線で送信されるパケットの送信間隔を長くする送信間隔制御部と、を備える。プログラムは、パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得ステップと、無線通信部の温度が予め定められた第1基準値以上である場合に、無線通信部の温度が第1基準値より低い場合より、無線通信部から無線で送信されるパケットの送信間隔を長くする送信間隔制御ステップと、をコンピュータに実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯通信端末の温度が所定値以上になった場合、現在の処理が緊急通信中であれば当該緊急通信を継続し、緊急通信中でなければ温度警告を使用者に報知する帯通信端末が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2007−043422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線通信を維持しつつ無線通信部の発熱を適切に抑制することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電子機器は、パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得部と、無線通信部の温度が予め定められた第1基準値以上である場合に、無線通信部の温度が第1基準値より低い場合より、無線通信部から無線で送信されるパケットの送信間隔を長くする送信間隔制御部と、を備える。
【0005】
本発明の第2の態様においては、電子機器は、パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得部と、無線通信部の温度が予め定められた基準値以上である場合に、無線通信部の温度が基準値より低い場合より、無線通信部から無線で送信されるパケットの伝送速度の下限値を高く設定する伝送速度設定部と、無線通信部から無線で伝送されるパケットの伝送速度を下限値以上の範囲内で調整する伝送速度調整部と、を備える。
【0006】
本発明の第3の態様においては、プログラムは、パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得ステップと、無線通信部の温度が予め定められた第1基準値以上である場合に、無線通信部の温度が第1基準値より低い場合より、無線通信部から無線で送信されるパケットの送信間隔を長くする送信間隔制御ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0007】
本発明の第4の態様においては、プログラムは、パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得ステップと、無線通信部の温度が予め定められた基準値以上である場合に、無線通信部の温度が基準値より低い場合より、無線通信部から無線で送信されるパケットの伝送速度の下限値を高く設定する伝送速度設定ステップと、無線通信部から無線で伝送されるパケットの伝送速度を下限値以上の範囲内で調整する伝送速度調整ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】通信システム5の利用環境の一例を示す。
【図2】撮像システム110のシステム構成の一例を模式的に示す。
【図3】ASIC135が有する機能ブロック構成の一例を示す。
【図4】通信アダプタ10が有する機能ブロック構成の一例を示す。
【図5】ユーザ端末20が有する機能ブロック構成の一例を示す。
【図6A】高速リンク時と低速リンク時の無線出力のデューティー比の説明図である。
【図6B】パケット間にウェイトを挿入した場合の送信シーケンスの一例を示す。
【図7】通信アダプタ10へ転送される複数のファイルの転送順序の一例を示す。
【図8】伝送速度および温度の時間発展の一例を模式的に示す。
【図9A】撮像装置100に表示される警告画面の一例を示す。
【図9B】ユーザ端末20に表示される警告画面の一例を示す。
【図10】撮像装置100の起動から終了までの処理フローを示す。
【図11】機器接続処理に関する設定を行うフローの一例を示す。
【図12】通信アダプタ10における処理の一例を示す。
【図13】通信アダプタ10が無線通信中に行う温度制御に関する処理の一例を示す。
【図14】パケット間にウェイトを挿入する処理の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、通信システム5の利用環境の一例を示す。通信システム5は、撮像システム110およびユーザ端末20を備える。ユーザ端末20は、外部装置の一例である。ユーザ端末20は、いわゆるスマートフォン等の携帯電話機であってよい。ユーザ端末20は、撮像システム110との間で無線通信を行う。例えば、ユーザ端末20は、パケット通信により、撮像システム110との間で無線通信を行う。
【0012】
撮像システム110は、電子機器の一例としての通信アダプタ10および撮像装置100を備える。通信アダプタ10は、撮像装置100に接続される。具体的には、通信アダプタ10は、撮像装置100に着脱可能に接続される。例えば、通信アダプタ10は、USBインタフェースを介して撮像装置100に接続される。通信アダプタ10は、無線信号を送受信する機能を有する。具体的には、通信アダプタ10は、ユーザ端末20からの無線信号を受信し、ユーザ端末20へ無線信号を送信する。撮像装置100は、通信アダプタ10を通じて、ユーザ端末20と無線通信を行い、ユーザ端末20との間で各種指示、各種データ等を送受信する。
【0013】
ユーザ端末20は、撮像装置100を遠隔から操作する。例えば、ユーザ端末20は、タッチパネルディスプレイ22に、ライブビュー動作を示すアイコン24を表示する。ユーザ端末20は、アイコン24の表示位置がユーザ50にタッチされたことを検出すると、ライブビューで撮像動作させる指示を撮像装置100へ無線で送信する。撮像装置100は、通信アダプタ10で受信した無線信号で指示された内容に従って、ライブビューの撮像動作を行う。具体的には、撮像装置100は、順次に被写体を撮像して、撮像により順次に得られた画像データを、通信アダプタ10から順次に無線信号でユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、通信アダプタ10から順次に受信した画像データに基づいて、タッチパネルディスプレイ22に順次に画像を表示する。
【0014】
ここで、通信アダプタ10は、無線信号を送受信する無線通信回路の温度が予め定められた温度以上になった場合に、連続して送信するパケットの間にウェイトを挿入する。これにより、無線通信回路における送信のデューティー比を低下させ、無線通信回路からの発熱量の増加を抑制することができる。また、通信アダプタ10は、無線通信回路の温度が予め定められた温度以上になった場合に、無線通信の伝送速度の下限値を高める。これにより、伝送速度が低速になることを抑制して、一パケットあたりの送信電力を低下させることができる。このため、無線通信回路からの発熱量の増加を抑制することができる。このように、通信アダプタ10は、パケット送信にウェイトを挿入したり、伝送速度の下限値を高めたりすることにより、無線通信を継続しつつ、通信アダプタ10の筐体温度を規定温度以下に維持するようにすることができる。
【0015】
また、ユーザ端末20は、通信アダプタ10から無線通信回路の温度を無線信号で取得する。ユーザ端末20は、無線通信回路の温度が予め定められた温度以上になったことを検出すると、ライブビューの撮像レートを低下させる指示を無線信号で送信する。これにより、通信アダプタ10から送信すべき単位時間あたりのデータ量を低下させることができ、無線通信回路の発熱量の増加を抑制することができる。また、撮像装置100から通信アダプタ10へ単位時間あたりに転送されるデータ量を低下することができる。このため、例えばパケット間にウェイトを挿入することで実効的な伝送レートが低下した場合でも、画像データを遅滞なく送信できる。
【0016】
図2は、撮像システム110のシステム構成の一例を模式的に示す。本例において、撮像装置100は、レンズ交換式カメラの一例としての一眼レフレックスカメラである。まず、撮像装置100のシステム構成の概要を説明する。
【0017】
撮像装置100は、交換レンズ120およびカメラ本体130を備える。交換レンズ120は、レンズマウント接点121を有するレンズマウントを備え、カメラ本体130は、カメラマウント接点131を有するカメラマウントを備える。レンズマウントとカメラマウントとが係合して交換レンズ120とカメラ本体130とが一体化されると、レンズマウント接点121とカメラマウント接点131とが接続される。レンズMPU123は、レンズマウント接点121およびカメラマウント接点131を介してカメラMPU133と接続され、相互に通信しつつ協働して交換レンズ120を制御する。
【0018】
交換レンズ120は、レンズ群122、レンズ駆動部124およびレンズMPU123を有する。被写体光は、交換レンズ120が有する光学系としてのレンズ群122を光軸に沿って透過して、カメラ本体130に入射する。メインミラー150は、レンズ群122の光軸を中心とする被写体光束中に斜設される斜設状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。
【0019】
メインミラー150が斜設状態にある場合、メインミラー150は、レンズ群122を通過した被写体光束の一部を反射する。メインミラー150により反射された被写体光束は光学ファインダ部156に導かれて、ユーザに観察される。ユーザは、光学ファインダ部156を通じて構図等を確認することができる。
【0020】
斜設状態におけるメインミラー150の光軸近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。メインミラー150の光軸近傍領域を透過した被写体光束は、サブミラー151で反射されて、合焦センサ142へ導かれる。合焦センサ142は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子列を有する。光電変換素子列は、合焦状態にある場合には位相が一致した信号を出力し、前ピン状態または後ピン状態にある場合には、位相ずれした信号を出力する。位相のずれ量は、焦点状態からのずれ量に対応する。合焦センサ142は、光電変換素子列の出力を相関演算することで位相差を検出して、位相差を示す位相差信号をカメラMPU133に出力する。
【0021】
レンズ群122の焦点状態は、カメラMPU133等の制御により、合焦センサ142からの位相差信号を用いて調節される。例えば、カメラMPU133によって、位相差信号に基づき検出された焦点状態に基づき、レンズ群122が含むフォーカスレンズの目標位置が決定され、レンズMPU123の制御により、決定された目標位置に向けてフォーカスレンズの位置が制御される。具体的には、レンズMPU123は、一例としてフォーカスレンズモータを含むレンズ駆動部124を制御して、レンズ群122を構成するフォーカスレンズを移動させる。このように、メインミラー150がダウンして斜設状態にある場合に、位相差検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。合焦センサ142は、被写体像の特定の領域に対応してそれぞれ設けられ、特定の領域のそれぞれにおいて焦点状態を調節することができる。
【0022】
メインミラー150が被写体光束から退避すると、サブミラー151はメインミラー150に連動して被写体光束から退避する。メインミラー150が退避状態にある場合、レンズ群を透過した被写体光束は、撮像素子132の受光面に入射する。
【0023】
撮像素子132は、撮像部として機能する。撮像素子132は、レンズ群122を通過した被写体光束により被写体を撮像する。撮像素子132としては、例えばCCDセンサ、CMOSセンサ等の固体撮像素子を例示することができる。撮像素子132は、被写体光束を受光する複数の光電変換素子を有しており、複数の光電変換素子でそれぞれ生じた蓄積電荷量に応じたアナログ信号をA/D変換器134に出力する。A/D変換器134は、撮像素子132から出力されたアナログ信号を、画像データを表すデジタル信号に変換して出力する。撮像素子132およびA/D変換器134は、カメラMPU133からの指示を受けた駆動部140により駆動される。
【0024】
A/D変換器134がデジタル信号で出力した画像データは、揮発性メモリの一例としてのSDRAM136に記憶される。SDRAM136の少なくとも一部のメモリ領域は、画像データを一時的に記憶するバッファ領域として使用される。撮像素子132が連続して撮像した場合、順次に出力される画像データはバッファ領域に順次に記憶される。撮像素子132が連続して撮像することにより得られた複数の画像データは、連続する静止画の画像データ、または、動画を構成する各画像の画像データとして、バッファ領域に順次に記憶される。なお、動画を構成する画像の画像データを、特にフレームと呼ぶ場合がある。SDRAM136は、ASIC135において動画を処理する場合にフレームを一時的に記憶するフレームメモリとしても機能する。
【0025】
ASIC135は、SDRAM136に記憶された画像データを処理する。ASIC135は、画像処理機能に関連する回路等を一つにまとめた集積回路である。画像処理としては、記録用の画像データを生成する処理、表示用の画像データを生成する処理、自動焦点調節(AF)用の画像データ処理等を例示することができる。ASIC135は、SDRAM136の少なくとも一部のメモリ領域を画像処理用のワークエリアとして使用して画像処理を行う。ASIC135は、例えば、欠陥画素補正、ホワイトバランス補正、色補間処理、色補正、ガンマ補正、輪郭強調処理等の画像処理を行う。
【0026】
ASIC135は、画像データを、規格化された画像フォーマットの画像データに変換して出力する。例えば、ASIC135は、静止画の画像データを、JPEG等の規格に準拠した符号化形式で符号化された静止画データを生成するための画像処理を行う。また、ASIC135は、複数のフレームを、H.264、MPEG2、Motion JPEG等の規格に準拠した符号化方式で符号化された動画データを生成するための画像処理を行う。ASIC135は、生成した静止画データ、動画データ等の画像データを、不揮発性の記録媒体の一例としての外部メモリ160に転送して記録させる。外部メモリ160としては、フラッシュメモリ等の半導体メモリを例示することができる。
【0027】
ASIC135は、記録用の画像データの生成に並行して、表示用の画像データを生成する。再生時においては、ASIC135は、外部メモリ160から読み出された画像データから表示用の画像データを生成する。生成された表示用の画像データは、表示制御部137の制御に従ってアナログの信号に変換され、液晶ディスプレイ等の表示デバイスとしての表示部138に表示される。また、画像の表示と共に、もしくは画像を表示することなく、撮像装置100の各種設定に関する様々なメニュー項目も、表示制御部137の制御により表示部138に表示することができる。ASIC135は、表示制御部137を制御して、メニュー項目を表示部138に表示させる。
【0028】
また、ASIC135は、AF処理用のコントラスト量を検出する処理を担う。具体的には、ASIC135は、画像データからコントラスト量を検出してカメラMPU133に供給する。例えば、ASIC135は、光軸方向の異なる位置にフォーカスレンズを位置させて撮像することにより得られた複数の画像データのそれぞれからコントラスト量を検出する。カメラMPU133は、検出されたコントラスト量とフォーカスレンズの位置とに基づいて、レンズ群122の焦点状態を調節する。例えば、カメラMPU133は、コントラスト量を増大させるようフォーカスレンズの目標位置を決定して、レンズMPU123に、決定された目標位置に向けてフォーカスレンズの位置を制御させる。このように、メインミラー150がアップして退避状態にある場合に、コントラスト検出方式でレンズ群122の焦点状態が検出されて焦点調節が行われる。このように、カメラMPU133は、ASIC135およびレンズMPU123と協働して、レンズ群122の焦点調節を行う。
【0029】
撮像装置100は、上記に説明した制御を含めて、カメラMPU133およびASIC135により直接的または間接的に制御される。撮像装置100の動作に必要な定数、変数等のパラメータ、プログラム等は、システムメモリ139に格納される。システムメモリ139は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリであり、例えばフラッシュROM、EEPROM等により構成される。システムメモリ139は、パラメータ、プログラム等を、撮像装置100の非動作時にも失われないように格納する。システムメモリ139に記憶されたパラメータ、プログラム等は、SDRAM136に展開され、撮像装置100の制御に利用される。カメラ本体130内の、ASIC135、SDRAM136、システムメモリ139、表示制御部137、カメラMPU133、外部メモリ160は、バス等の接続インタフェース145により相互に接続され、各種のデータをやりとりする。
【0030】
操作入力部141は、ユーザ操作を受け付ける。操作入力部141は、レリーズボタンの他、電源スイッチおよび各種操作ボタン等のキーを含む。また、操作入力部141は、タッチパネル等として表示部138と一体に実装された入力部材を含んでよい。カメラMPU133は、操作入力部141が操作されたことを検知して、操作に応じた動作を実行する。例えば、カメラMPU133は、レリーズボタンが操作された場合に、レリーズ動作を実行するよう撮像装置100の各部を制御する。例えば、カメラMPU133は、撮像の動作モードが連写モードに設定されている場合、レリーズボタンが押し込まれている間、連続して静止画を撮像するよう撮像装置100の各部を制御する。また、カメラMPU133は、操作入力部141の一部としてのライブビューボタンや動画ボタンが操作された場合に、例えばローリング読み出しで撮像素子132に対する読み出しを行うよう撮像装置100の各部を制御する。また、カメラMPU133は、タッチパネルとして実装された入力部材が操作された場合に、表示部138に表示されたメニュー項目および操作内容に応じた動作をするよう、撮像装置100の各部を制御する。
【0031】
カメラ本体130の各要素および外部メモリ160は、電源回路143を介して電源170から電力供給を受ける。電源170としては、カメラ本体130に対して着脱できる例えばリチウムイオン電池等の二次電池、系統電源等を例示することができる。二次電池は電池の一例であり、電池とは、実質的に充電することができない非充電式の電池を含む。
【0032】
カメラMPU133は、電源の状態を検出して、電源の状態に応じて撮像装置100の各部を制御する。例えば、カメラMPU133は、電源170が二次電池であるか否か等の電源の種別を判断する。また、カメラMPU133は、電源170が二次電池である場合に、二次電池の容量、残存容量等の電源の状態を検出する。カメラMPU133は、検出した残存容量に応じて撮像装置100の各部を制御する。なお、二次電池の容量として、例えば完全充電された二次電池から取り出すことができる電気量としての放電容量、定格容量等を適用することができる。
【0033】
ASIC135は、接続部181を介して通信アダプタ10と通信する。接続部181は、例えばUSB通信用の接続端子を含む。接続部181は、USB規格に準拠したUSB接続部であってよい。例えば、接続部181は、USBレセプタクルである。ASIC135は、接続部181を介して、USB規格に準拠して通信アダプタ10との間でデータを送受信する。なお、接続部181は、AV信号を伝送するAV端子等、他の信号用の端子とUSB接続端子とを含んでよい。例えば、接続部181は、USB信号およびAV信号を伝送するAV複合ケーブルを受け入れるレセプタクルであってよい。
【0034】
図3は、ASIC135が有する機能ブロック構成の一例を示す。ここでは、ASIC135が有する機能ブロックのうち、通信システム5における制御用の機能ブロックを特に取り上げて示す。ASIC135は、データ送受信制御部310、送信順序決定部320、撮像レート制御部330、および、通信IF部300を有する。通信IF部300は、USB通信回路を有する。
【0035】
データ送受信制御部310は、通信アダプタ10へ転送するデータを、通信IF部300へ供給する。例えば、撮像素子132で撮像することにより得られた画像データを、SDRAM136から読み出して、通信IF部300へ供給する。また、外部メモリ160に画像ファイルとして記録されSDRAM136に読み出された画像データを、通信IF部300へ供給する。通信IF部300は、データ送受信制御部310から供給されたデータを、通信アダプタ10へ転送する。
【0036】
また、通信IF部300は、通信アダプタ10から転送されたデータをデータ送受信制御部310へ供給する。データ送受信制御部310は、通信アダプタ10から転送されたデータを、通信IF部300から取得する。データ送受信制御部310は、取得したデータに基づいて、各部を制御する。例えば、データ送受信制御部310は、撮像素子132の撮像レートを、撮像レート制御部330に制御させる。一例として、撮像レート制御部330は、通信アダプタ10から転送されたデータに撮像レートを低下させる指示が含まれる場合、撮像レートを低下させるようカメラMPU133に指示する。
【0037】
送信順序決定部320は、ファイルの送信順序を制御する。具体的には、送信順序決定部320は、外部メモリ160に記録されたファイルの送信順序を制御する。ファイルとしては、画像ファイルや書類ファイル等、種々のデータを格納したファイルを適用できる。画像ファイルとは、静止画データ、動画データ等、種々の画像データを格納したファイルであってよい。通信アダプタ10から転送されたデータにファイルの送信順序を制御する指示が含まれる場合、送信順序決定部320は、通信IF部300に転送される複数のファイルを、データサイズの昇順でソートする。送信順序決定部320は、ソートした順でファイルデータが通信IF部300に転送されるよう、データ送受信制御部310を制御する。
【0038】
図4は、通信アダプタ10が有する機能ブロック構成の一例を示す。通信アダプタ10は、MCU420、RAM496、ROM498、温度検出部408、無線通信部410、発光部436、操作入力部492、通信IF部400、電源制御部494、および、接続部490を備える。接続部490は、USB用の接続端子を含む。接続部490は、接続部181に適合する形状を有する。接続部490は、例えば、USBプラグである。通信IF部400は、USB通信回路を有する。
【0039】
MCU420は、温度取得部430、送信デューティー制御部432および警告制御部434を有する。送信デューティー制御部432は、送信順序制御部470、送信間隔制御部440、伝送速度設定部450、伝送速度調整部460、および、温度通知部480を含む。無線通信部410は、無線LSI402、送受信切替部404、および、アンテナ部406を含む。無線通信部410は、パケットを無線で送信する。
【0040】
ROM498は、通信アダプタ10の動作に必要な定数、変数等のパラメータ、プログラム等を格納する。ROM498は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリであり、例えばフラッシュROM、EEPROM等により構成される。ROM498に格納されたパラメータ、プログラム等は、RAM496に展開され、MCU420により通信アダプタ10の制御に利用される。主としてMCU420の制御により、通信アダプタ10の全体が制御される。
【0041】
通信IF部400は、撮像装置100から転送されたデータを取得する。通信IF部400は、撮像装置100で撮像することにより得られた画像データを取得する画像データ取得部として機能する。MCU420は、通信IF部400で取得されたデータを、無線通信部410に供給して、無線信号でユーザ端末20へ送信させる。例えば、MCU420は、PTP(Picture Transfer Protocol)プロトコルに基づくパケットデータを、Wi−Fi無線通信上で規格化されたPTP/IPのパケットデータへとプロトコル変換して、無線通信部410から無線信号で送信させる。また、MCU420は、無線通信部410で受信した無線信号から得られたデータを取得して、通信IF部400へ供給する。例えば、MCU420は、PTP/IPのパケットデータをUSBのパケットデータに変換して、通信IF部400から撮像装置100へ転送させる。
【0042】
無線通信部410において、無線LSI402は、Wi−Fi規格としてのIEEE802.11a/b/g/nの規格に基づく無線通信用の無線通信回路を含む。無線LSI402は、PTP/IPプロトコルのパケットデータを、Wi−Fi通信規格に準じた符号化、復号化、変調、復調を行う。送信時においては、無線LSI402は、MCU420から取得したデータを符号化および変調して送受信切替部404に電気信号を供給する。データを送信する場合、無線通信部410は、送受信切替部404を制御して高周波アナログスイッチを切り替えて、アンテナ部406へ電気信号を出力する。アンテナ部406は、送受信切替部404から供給された電気信号を電波として空間に送出する。これにより、無線通信部410に供給されたデータは、無線通信部410および送受信切替部404を介して、アンテナ部406から無線信号として出力される。
【0043】
無線LSI402は、データを受信する場合、送受信切替部404を制御して高周波アナログスイッチを切り替えて、送受信切替部404からデータを取得する。これにより、アンテナ部406で受信された無線信号は、送受信切替部404を介して電気信号として無線LSI402に供給される。無線LSI402は、供給された信号を復調および復号化して、得られたデータをMCU420に出力する。
【0044】
温度検出部408は、無線通信部410の温度を検出する。温度検出部408としては、サーミスタなどの温度検出素子を例示することができる。例えば、温度検出部408は、無線LSI402の温度を検出する。
【0045】
温度取得部430は、無線通信部410の温度を取得する。具体的には、温度取得部430は、温度検出部408が検出した温度を取得する。送信デューティー制御部432は、温度検出部408が取得した温度に基づいて、無線通信部410から無線で送信する場合の送信デューティー比を制御する。
【0046】
具体的には、送信間隔制御部440は、無線通信部410の温度が予め定められた第1基準値以上である場合に、無線通信部410の温度が第1基準値より低い場合より、無線通信部410から無線で送信されるパケットの送信間隔を長くする。具体的には、送信間隔制御部440は、連続して送信するパケット間にウェイトを挿入することにより、送信間隔を長くする。なお、送信間隔としては、1のパケットの出力を終えてから、次のパケットの出力を開始するまでの時間を適用できる。
【0047】
また、伝送速度設定部450は、無線通信部410の温度が予め定められた第2基準値以上である場合に、無線通信部410の温度が第2基準値より低い場合より、無線通信部410から無線で送信されるパケットの伝送速度の下限値を高くする。第2基準値としては、第1基準値より高い値を適用できる。第2基準値として、第1基準値より低い値を適用してもよい。第2基準値として、第1基準値と同じ値を適用してもよい。
【0048】
伝送速度調整部460は、伝送速度を、無線伝送路の通信品質に応じて調整する。伝送速度調整部460は、無線通信部410を通じてユーザ端末20とネゴシエーションすることにより、伝送速度を調整する。ここで、伝送速度調整部460は、無線通信部410から無線で伝送されるパケットの伝送速度を、当該下限値以上の範囲内で調整する。すなわち、伝送速度調整部460は、パケットの伝送速度が下限値を下回らないように、伝送速度を調整する。
【0049】
送信順序制御部470は、無線通信部410の温度が第2基準値より高い予め定められた第3基準値以上である場合に、無線通信部410から送信されるべき複数のファイルを、ファイルのデータサイズが小さい順で無線通信部410から送信させる。具体的には、送信順序制御部470は、無線通信部410の温度が第3基準値以上である場合に、ファイルのデータサイズが小さい順で通信アダプタ10にさせるよう、撮像装置100に指示する。撮像装置100において、送信順序決定部320が当該指示に基づいて送信順序を制御することにより、無線通信部410から送信されるべき複数のファイルのデータが、データサイズが小さい順で無線通信部410から送信される。
【0050】
温度通知部480は、無線通信部410の温度を外部に通知する。例えば、温度通知部480は、温度取得部430が取得した温度を、無線通信部410を通じてユーザ端末20に通知する。ユーザ端末20は、通知された温度に基づいて、撮像装置100から通信アダプタ10へ転送されるデータ量を低下させてよい旨を撮像装置100へ無線で送信する。このように、温度通知部480は、無線通信部410における送信デューティー比を低下させるべく、無線通信部410の温度をユーザ端末20に通知する。なお、温度通知部480は、無線通信部410の温度を撮像装置100に通知してもよい。撮像装置100が、通知された温度に基づいて、通信アダプタ10へ転送されるデータ量を低下させてよい。温度通知部480は、無線通信部410の温度が、上述した第1基準値、第2基準値および第3基準値等の種々の基準値を超えた場合に、外部に通知してよい。
【0051】
警告制御部434は、ユーザへの警告を制御する。具体的には、警告制御部434は、伝送速度が下限値に調整された場合に、発光部436を発光させることによりユーザに警告する。警告制御部434は、発光部436を予め定められた発光パターンで発光させることにより、ユーザに警告する。警告制御部434および発光部436は、ユーザに警告する警告部の一例である。なお、警告制御部434は、撮像装置100に警告内容を通知することにより、撮像装置100からユーザに警告してもよい。また、警告制御部434は、無線通信部410を通じてユーザ端末20へ警告内容を通知することにより、ユーザ端末20からユーザに警告してもよい。
【0052】
操作入力部492は、ユーザからの操作を受け付ける。操作入力部492は、通信アダプタ10をリセットする旨の操作を受け付けてよい。また、操作入力部492は、通信アダプタ10の動作をOFFする旨の操作を受け付けてよい。操作入力部492が受け付けた操作はMCU420に供給され、MCU420が操作内容に応じて通信アダプタ10の各部を制御する。
【0053】
電源制御部494は、通信アダプタ10の各部への電力供給を制御する。具体的には、接続部490に含まれるVBUS端子を介して撮像装置100から供給される電力を、MCU420、無線通信部410等の通信アダプタ10の各部へ供給する。電源制御部494は、VBUS端子を介して供給される電圧を、通信アダプタ10の各部がそれぞれ必要とする電圧に変換する電圧変換部を有する。撮像装置100から供給された電力は、電圧変換部で電圧が変換されて、通信アダプタ10の各部に供給される。
【0054】
通信アダプタ10によれば、冷却ファンを使用しなくても発熱を制御することができる。このため、冷却ファンを使用する場合と比較して、通信機器を小型化することができ、消費電力も削減できる。また、伝送速度が無線通信環境要因によって変化しても、通信を継続しつつ発熱を抑制することができる。
【0055】
図5は、ユーザ端末20が有する機能ブロック構成の一例を示す。ここでは、ユーザ端末20が有する機能ブロックのうち、通信システム5における制御用の機能ブロックを特に取り上げて示す。ユーザ端末20は、表示部580、MPU520、RAM530、ROM540、操作入力部550、無線通信部510、および、電源560を備える。MPU520は、温度情報取得部522およびデータ量低下通知部524を有する。
【0056】
ROM540は、ユーザ端末20の動作に必要な定数、変数等のパラメータ、プログラム等を格納する。ROM540は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリであり、例えばフラッシュROM、EEPROM等により構成される。ROM540に格納されたパラメータ、プログラム等は、RAM530に展開され、MPU520によりユーザ端末20の制御に利用される。主としてMPU520の制御により、通信アダプタ10の全体が制御される。
【0057】
無線通信部510は、通信アダプタ10との間で無線通信を行う。無線通信部510がユーザ端末20から受信した無線信号は、データとしてMPU520へ供給される。また、無線通信部510は、MPU520から取得したデータを無線信号として出力する。なお、無線通信部510は、無線通信部410と同様の構成要素を有する。無線通信部510における無線信号を送受信する動作は、無線通信部410に関連して説明した動作と同様の動作を適用できるので、詳細については説明を省略する。
【0058】
MPU520において、温度情報取得部522は、無線通信部410の温度を、通信アダプタ10から取得する。具体的には、温度情報取得部522は、無線通信部510から供給されたデータから、温度通知部480の制御により無線信号で無線通信部410から送信された温度を取得する。データ量低下通知部524は、温度情報取得部522が取得した温度が予め定められた値より高い場合に、撮像装置100から単位時間あたりに出力される画像データのデータ量を低下してよい旨を撮像装置100に通知する。データ量低下通知部524は、当該画像データ等のデータ量を低下してよい旨を、無線通信部510を通じて、無線信号で撮像装置100へ送信させる。本制御により、通信アダプタ10においてパケット間にウェイトが挿入されることで伝送速度が低下した場合でも、通信アダプタ10から未送信状態にあるパケットのデータ量を削減することができる。
【0059】
表示部580は、無線通信部510で取得した画像データを表示する。表示部580は、ユーザからの操作を受け付ける操作入力部550の一部とともに、タッチパネルディスプレイ22の一部を形成する。操作入力部550が受け付けた操作はMPU520に供給され、MPU520が操作内容に応じてユーザ端末20の各部を制御する。例えば、MPU520は、表示部580に表示させたアイコン24に対応する位置が操作された旨を検出した場合に、ライブビューで撮像動作させる指示を撮像装置100へ無線で送信する。これにより、ユーザ50は遠隔から撮像装置100を制御することができる。
【0060】
図6Aは、高速リンク時と低速リンク時の無線出力のデューティー比を説明する模式図である。本図において、通信アダプタ10に時系列で入力される複数のパケットデータをA〜Dで示す。また、高速リンク時と低速リンク時とのそれぞれにおいて、対応するパケットデータを送信するタイミングを、対応する符号A〜Dで示す。本図において、無線通信の伝送速度の高さを、パルスの高さで示す。
【0061】
高速リンク時においては、無線LSI402は、1つのパケットデータを、時間T1をかけてアンテナ部406から無線信号で出力させる。無線LSI402は、次のパケットデータを撮像装置100から完全に受信した後に、無線出力を開始する。本図において、パケットデータAを出力した後、時間T2が経過してから、次のパケットデータBの出力を開始する。高速リンク時の無線出力のデューティー比は、T1/(T1+T2)となる。
【0062】
一方、低速リンク時においては、無線LSI402は、1つのパケットデータを、時間T1より長い時間T3をかけてアンテナ部406から出力させる。本図において、パケットデータAを出力した後に、撮像装置100から時間T4が経過してから、次のパケットデータBの出力を開始する。このため、パケットを送信する時間間隔T4は、高速リンク時の時間T3よりも短くなる。このため、低速リンク時における無線出力のデューティー比T3/(T3+T4)は、高速リンク時のデューティー比より高くなる。
【0063】
このように、伝送速度が低速になるにつれて、PTPパケットに対して無線で送信されるPTP/IPパケットの送信密度が高まり、無線LSI402の送信デューティー比が高まる。このため、無線LSI402の符号化および変調処理の負荷が上昇するとともに、無線LSI402内部の送信アンプは、変調された電気信号を長く出力し続ける状態になる。このため、無線LSI402からの単位時間あたりの発熱量も増加し、無線LSI402の温度が上昇する場合がある。
【0064】
図6Bは、パケット間にウェイトを挿入する場合の送信シーケンスの一例を模式的に示す。上述したように、低速な伝送速度で無線通信を継続すると、無線LSI402の温度が上昇する場合がある。送信間隔制御部440は、無線LSI402の温度が第1基準温度以上になった場合に、ウェイトを挿入する。本図において、パケットデータCを送信した後、次のパケットデータDを送信するまでの間に、例えば1パケット分のウェイトを挿入する。ウェイトを挿入することにより、平均のデューティー比を低下させることができる。このように、通信アダプタ10によると、温度に応じてパケット密度を動的に制御することにより、温度上昇時において無線通信で送信するパケット密度の上昇を緩和することができる。このため、無線LSI402における単位時間あたりの発熱量を低下させることができ、ひいては無線LSI402の温度を低下させることができる。
【0065】
図7は、通信アダプタ10へ転送される複数のファイルの転送順序の一例を示す。撮像装置100が通信アダプタ10を通じて複数のファイルを送信する場合、通信アダプタ10が1のファイルデータを無線出力した後、次のファイルを撮像装置100から受信するまでの間に、空き時間が生じる場合がある。例えば、撮像装置100が通信アダプタ10へ転送するファイルを切り替える場合に、外部メモリ160のファイルシステム等にアクセスするためのタイムラグが生じる。具体的には、1つのファイルのファイルデータの転送が完了した後、当該ファイルをクローズして次のファイルをオープンし、ファイルデータを読み出すまでに、一定の時間を要する。
【0066】
本図の例では、データサイズの小さい順でファイルを転送した場合を模式的に示す。通信アダプタ10が期間700で第1のファイルのファイルデータを無線出力した後、一定の時間を空けて、撮像装置100から第2のファイルの転送が開始される。期間710において、第2のファイルのファイルデータを撮像装置100から受信しつつ無線出力する。その後に受信する第3のファイルのファイルデータ、第4のファイルのファイルデータ、第5のファイルのファイルデータも同様に、一定の時間を空けて、それぞれ期間720、期間730、期間740で送信する。
【0067】
本図に例示したように、データサイズの小さい順でファイルを無線出力させることにより、空き時間が頻繁に生じる。このため、無線出力のデューティー比を低下させることができる場合がある。このため、無線LSI402の温度が第3基準温度以上になった場合には、撮像装置100の送信順序決定部320において、ファイルの転送順序をデータサイズが小さい順に変更して通信アダプタ10へ転送する。これにより、無線LSI402における単位時間あたりの発熱量を低下させることができる。
【0068】
図8は、伝送速度および温度の時間発展の一例を模式的に示す。本図において、時刻t1までの間、36Mbpsの伝送速度で送信する。時刻t1から、環境要因等により転送レートを18Mbpsに低下させると、無線LSI402における発熱量が増加して温度が上昇する。時刻t2から、転送レートを6Mbpsに低下させると、無線LSI402における発熱量がさらに増加して、温度上昇が急になる。時刻t3において、温度検出部408で検出した温度が40度に達すると、送信間隔制御部440の制御により、連続して送信するパケット間へのウェイトの挿入が開始される。これにより、無線出力のデューティー比が減少して、温度上昇が緩やかになる。
【0069】
時刻t4において、温度検出部408で検出した温度が42度に達すると、伝送速度設定部450は、伝送速度の下限値を引き上げる。例えば、伝送速度の下限値を9Mbpsに引き上げる。伝送速度調整部460は、当該下限値以上の範囲内で、ユーザ端末20と伝送速度のネゴシエーションを行う。本図においては、9Mbpsの伝送速度で無線通信が再開される。これにより、無線出力のデューティー比がさらに減少して、温度上昇がさらに緩やかになる。時刻t5において、温度検出部408で検出した温度が45度に達すると、ユーザへの警告を開始する。
【0070】
時刻t6において、温度検出部408で検出した温度が47度に達すると、送信順序制御部470は、ファイルの送信順序を変更するよう撮像装置100に依頼する。送信順序決定部320は、通信アダプタ10からの依頼を受けると、データ送受信制御部310を制御して、データサイズの小さい順にファイルデータを通信IF部300へ転送させる。これにより、無線出力のデューティー比がさらに減少して、温度上昇がさらに緩やかになる。
【0071】
なお、通信アダプタ10は、規定温度の一例としての60度を超えないように動作する。例えば、温度検出部408で検出された温度が58度に達すると、通信アダプタ10のシャットダウンを開始する。本図に例示した40度、42度、45度、47度および58度等は、基準温度の一例である。これらの基準温度は、通信アダプタ10の設計時に設定された規定温度等に応じて定められてよい。
【0072】
このように、環境温度が一定でも、伝送速度によって無線LSI402の温度が変化する。具体的には、通信アダプタ10が送信した無線信号は、外来ノイズ、混信、電波の強弱等によりS/N比が変化する。このため、ユーザ端末20における復号化に影響が出る場合がある。劣悪な電波環境でありS/N比が悪い場合、伝送速度をユーザ端末20との間でネゴシエーションを行い、自動的に伝送速度を下げることで、ユーザ端末20においてきちんと復号化できるようにする。例えばIEEE802.11aでは、伝送速度は36Mbps、24Mbps、18Mbps、12Mbps、9Mbps、6Mbpsの範囲内で伝送速度を切り替えることができる。IEEE802.11bでは、1Mbpsまで伝送速度を下げることができる。しかし、伝送速度を下げるにつれて、上述したようにパケット密度が上昇して、温度上昇を招いてしまう。
【0073】
本図に例示したように、通信アダプタ10によれば、無線LSI402の温度が第1基準値未満であれば、送信デューティー比の制御を行なわない。無線LSI402の温度が第1基準値以上になると、パケット間にウェイトを挿入してデューティー比を低下させ。そして、第2基準値を超えると、伝送速度の下限値を例えば9Mbps以上に設定する。伝送速度の下限値を高めることで、無線LSI402の温度上昇を抑制することができる。また、伝送速度の下限値を高めることで、デューティー比の低下による実効的な伝送速度の低下を抑制できる。一方、下限値を設定することでS/N比が低下して、復号化の余裕度が小さくなる場合がある。このため、ユーザに警告して、通信アダプタ10とユーザ端末20との距離を近づけてもらうことを推奨する。S/N比を改善するための情報をユーザに提供することで、伝送速度の低下により生じる影響を低減することが期待でき、ひいては通信アダプタ10の筐体の温度が規定温度に達して動作が停止することを未然に防ぐことが期待できる。
【0074】
図9Aは、撮像装置100に表示される警告画面の一例を示す。本例において、ASIC135は、「電波が弱いため通信速度が低下しています。送信先機器に近づいて下さい。」等のユーザへのメッセージを含む警告画面900を表示部138に表示させる。ASIC135は、表示中の画面に重畳してメッセージを表示させてよい。例えば撮像装置100が撮像中である場合、ASIC135は、撮像により得られた画像を順次表示させつつ、順次に表示させる画像に重畳してメッセージを表示させてよい。
【0075】
図9Bは、ユーザ端末20に表示される警告画面の一例を示す。本例において、MPU520は、「電波が弱いため通信速度が低下しています。カメラに近づいて下さい。」等のユーザへのメッセージを含む警告画面910を表示部580に表示させる。MPU520は、表示中の画面に重畳してメッセージをウインドウ表示させてよい。例えば撮像装置100をライブビューの撮像動作をさせている場合、撮像装置100から順次に受信した画像データに基づき表示させる画像を順次に更新しつつ、順次に表示させる画像に重畳してメッセージをウインドウ表示させてよい。
【0076】
図10は、撮像装置100の起動から終了までの処理フローを示す。本フローは、例えば操作入力部141の一部としての電源スイッチがON位置に切り替えられた場合に、開始される。本フローは、カメラMPU133が主体となって撮像装置100の各部を制御することにより実行される。
【0077】
ステップS1002において、撮像装置100の初期設定を開始する。例えば、撮像装置100を制御するためのパラメータ、プログラム等が、システムメモリ139からSDRAM136に展開される。カメラMPU133は、展開されたパラメータ、プログラム等に従って、撮像装置100の各部の動作条件を設定する。例えば、カメラMPU133は、操作入力部141の一部としての撮像モードダイヤル等の状態に基づき、動作条件を設定する。動作条件としては、人物、風景等を指定する被写体の種別に関する撮像モード、露光時間および撮像感度等を含む撮像条件、記録画素数等の記録条件等を例示することができる。通信アダプタ10の検出も、本処理設定処理の一部として行われる。
【0078】
動作条件の一つとして、撮像装置100全体の動作を規定する動作モードを含む。例えば、通信アダプタ10が検出された場合、動作モードとして、通信モードが設定される。通信モードで動作している場合、撮像装置100の各部は、主としてユーザ端末20からの指示に基づいて制御される。例えば、通信モードで動作している場合、撮像モード、撮像条件、記録条件等は、ユーザ端末20からの指示によって変更されるが、操作入力部141等に対するユーザからの直接の指示によっては変更されない。通信モードにおいて撮像装置100がユーザから直接に受け付ける指示としては、電源スイッチ等に対する電源OFF指示を例示することができる。
【0079】
続いて、ステップS1004において、カメラMPU133は、初期設定により設定された内容を表示部138に表示させる。例えば、カメラMPU133は、撮像モード、撮像条件、記録条件等の情報を、アイコン表示等の種々の形式で表示部138に表示させる。通信アダプタ10が接続されている場合、初期設定により設定された内容を通信アダプタ10からユーザ端末20へ送信させ、ユーザ端末20の表示部580に表示させてよい。
【0080】
続いて、ステップS1006において、ASIC135は、生じたイベントを判断する。ここでは、設定操作で生じるイベントである設定イベント、再生操作で生じるイベントである再生イベント、撮像操作で生じるイベントである撮像イベント、通信アダプタ10の接続または切断で生じる通信機器イベントについて説明する。設定イベントは、操作入力部141の一部としてのセレクタ等に対するユーザ操作が、動作設定を行うべきーザ操作に該当する場合に生じる。再生イベントは、操作入力部141の一部としての再生ボタン等に対するユーザ操作が、再生処理を行うべきーザ操作に該当する場合に生じる。撮像イベントは、レリーズボタンに対するユーザ操作を検出した場合に生じる。通信機器イベントは、ASIC135が通信アダプタ10の接続または切断を検出した場合に生じる。
【0081】
設定イベントが生じた場合、ユーザ操作に基づく設定処理を行う(ステップS1010)。例えば、撮像モード、撮像条件、記録条件等の変更を、操作入力部141等に対するユーザ操作に基づいて設定する。
【0082】
再生イベントが生じた場合、再生処理を行う(ステップS1012)。再生処理としては、外部メモリ160に記録された静止画データ、動画データ等の画像データを用いて表示部138にサムネイルを表示する処理、ユーザにより指示された画像データを用いて表示部138に画像を表示する処理等を例示することができる。
【0083】
撮像イベントが生じた場合、撮像動作に関する処理を行う(ステップS1014)。例えば、ライブビューの撮像動作による画像の取得処理、静止画や動画の取得処理および外部メモリ160への記録処理等を例示することができる。通信機器イベントが生じた場合、機器接続に関する処理を行う(ステップS1016)。本処理については、図11に関連して説明する。
【0084】
ステップS1010、ステップS1012、ステップS1014、ステップS1016の処理が完了すると、ステップS1018に進む。ステップS1018では、電源をOFFするか否かを判断する。例えば、撮像装置100が動作を開始してから予め定められた期間、ユーザ指示が無い状態が継続した場合や、電源スイッチがOFF位置にされた場合等に、電源をOFFすると判断する。電源をOFFしないと判断した場合はステップS1006に処理を移行する。電源をOFFすると判断した場合は、電源をOFFする前に必要な処理を行う(ステップS1020)。本処理としては、変更されたパラメータをシステムメモリ139に格納する処理等を例示することができる。ステップS1020の処理が完了すると、本フローを終了する。
【0085】
図11は、機器接続処理に関する設定を行うフローの一例を示す。本フローは、図10のステップS1016の一部の処理として実行される。本フローが開始すると、ステップS1102において、接続および切断の種別を判断する。ASIC135は、接続機器が接続部181に接続されたか切断されたかを、接続部181から検出された状態に基づいて判断する。例えば、接続部181に含まれるVBUS端子等の端子の状態に基づいて判断する。
【0086】
通信アダプタ10が接続された場合、VBUS端子等への電源ラインに電源回路143の出力を接続する(ステップS1104)。続いて、ステップS1106において、通信アダプタ10等の通信デバイスであるか否かを判断する。通信デバイスである場合、動作モードを通信モードに遷移させる(ステップS1108)。
【0087】
続いて、ステップS1110において、ユーザ端末20からの要求を無線通信で受信したか否かを判断する。ユーザ端末20からの要求を受信した場合、要求された処理を実行して(ステップS1112)、ステップS1110の判断に処理を移行する。ステップS1112の処理としては、ライブビューの撮像動作を行い得られた画像データをユーザ端末20へ無線で送信する処理、画像ファイルをユーザ端末20へ無線で送信する処理、撮像条件や記録条件を変更する処理等を例示することができる。ステップS1110の判断で、ユーザ端末20からの要求をユーザ端末20から予め定められた期間受信しなかった場合、タイムアウトとみなして本フローを終了する。
【0088】
ステップS1106の判断で通信アダプタ10でないと判断された場合、非通信デバイス用の処理を実行し(ステップS1114)、処理を終了する。非通信デバイスとしては、USBメモリ、AV機器等を例示することができる。非通信デバイス用の処理としては、USBメモリへ画像データを転送する処理、AV機器へ映像信号を出力する処理等を例示することができる。ステップS1102の判断で機器が切断されたと判断された場合、接続部181に含まれるVBUS端子等への電源ラインから電源を切断し(ステップS1116)、処理を終了する。
【0089】
図12は、通信アダプタ10における処理の一例を示す。本フローは、撮像装置100から電力が供給された場合に、開始される。本処理は、MCU420が主体となって通信アダプタ10の各部を制御することにより実行される。
【0090】
本フローが開始すると、ステップS1202において、初期処理を実行する。具体的には、MCU420は、ROM498に格納されたプログラム、パラメータ等をRAM496に展開して、展開したプログラム、パラメータ等に従って、各部のハードウェアを初期化する。また、本初期処理おいて、図13に関連して説明する温度加算値Tを0に設定する。
【0091】
続いて、ステップS1204において、ユーザ端末20との間で無線接続を行うか否かを判断する。例えば、SSID、暗号化キーなどのセキュリティ情報に基づいて、無線接続を行うか否かを判断する。無線接続を行う場合、ユーザ端末20との間でネゴシエーションすることにより伝送速度を決定し(ステップS1206)、決定した伝送速度で無線通信を開始する(ステップS1208)。
【0092】
続いて、MCU420は、生じたイベントを判断する。ここでは、伝送速度を再調整する旨を示すイベント、送信データが生じた場合に生じる送信イベント、受信データが生じた場合に生じるイベントである受信イベントについて説明する。
【0093】
伝送速度再調整イベントは、ユーザ端末20から伝送速度を調整する旨の要求があった場合に生じる。また、通信アダプタ10において、エラーレート等に基づいて、伝送速度を調整すべき旨が判断された場合に生じる。伝送速度再調整イベントが生じた場合、伝送速度調整部460は、通信アダプタ10とネゴシエーションして伝送速度を決定する。伝送速度設定部450によって伝送速度の下限値が設定されている場合、伝送速度が当該下限値を下回らないように調整する。
【0094】
送信イベントは、ユーザ端末20宛のデータが撮像装置100から転送された場合に生じる。送信イベントが生じた場合、撮像装置100から転送されたデータを送信する処理を行う。例えば、画像データを受信した場合、通信IF部300を通じて受信した画像データをPTP/IPパケットに変換し変調して無線出力する。
【0095】
受信イベントは、ユーザ端末20から撮像装置100へのデータを無線信号で受信した場合に生じる。受信イベントが生じた場合、受信した無線信号を復調し受信データを生成する等の受信処理を行い(ステップS1216)、生成された受信データを撮像装置100へ転送する(ステップS1218)。
【0096】
ステップS1212、ステップS1214、ステップS1218の処理が完了すると、ステップS1220に進む。ステップS1220では、通信を終了するか否かを判断する。例えば、ユーザ端末20との間で無線通信が切断された場合や、ユーザ端末20との間で無線通信がない状態が予め定められた期間にわたって継続した場合に、通信を終了する旨を判断する。通信を終了しないと判断した場合はステップS1210に処理を移行する。通信を終了すると判断した場合は、本フローを終了する。
【0097】
図13は、通信アダプタ10が無線通信中に行う温度制御に関する処理の一例を示す。本フローは、MCU420が主体となって実行される。本フローは、例えば無線通信部410で無線通信の処理が開始された場合に、開始される。
【0098】
本フローが開始すると、ステップS1302において、電波強度が規定値の20%以下であるか否かを判断する。電波強度が規定値の20%以下である場合、警告制御部434は、電波が低強度である旨をユーザに警告する(ステップS1304)。例えば、発光部436を予め定められた発光パターンで発光させる。また、撮像装置100に、警告メッセージを表示させるよう表示部138に指示してもよい。電波強度が規定値の20%を超える場合、警告せずにステップS1306に処理を進める。
【0099】
ステップS1306において、温度検出部408で検出された検出温度に温度加算値Tを加算して得られた温度評価値が、40度以上であるか否かを判断する。当該温度評価値が40度以上である場合、送信するパケット間にウェイトを挿入する処理を実行する(ステップS1308)。ウェイトを挿入する処理については、図14に関連して説明する。続いて、ステップS1310において、温度加算値Tを3度に設定する。
【0100】
続いて、ステップS1312において、検出温度に温度加算値Tを加算して得られた温度評価値が、45度以上であるか否かを判断する。当該温度評価値が45度を超える場合、伝送速度の下限値を引き上げる(ステップS1314)。続いて、ステップS1316において、検出温度に温度加算値Tを加算して得られた温度評価値が、50度以上であるか否かを判断する。当該温度評価値が50度以上である場合、送信順序制御部470は、送信ファイルの順序を調整するよう撮像装置100に要求する(ステップS1318)。これにより、撮像装置100から通信アダプタ10へ転送されるファイルの順序が、ファイルサイズの昇順にソートされる。続いて、送信すべきデータが存在する場合はデータを無線信号で送信する(ステップS1320)。
【0101】
続いて、送信を終了するか否かを判断する(ステップS1322)。例えば、送信するデータが無くなった場合に、送信を終了すると判断する。送信を終了すると判断した場合は、本フローを終了する。送信を終了しないと判断した場合は、ステップS1302に処理を移行する。
【0102】
なお、ステップS1312の判断で温度評価値が45度未満と判断された場合は、ステップS1320に処理を移行する。ステップS1316の判断で温度評価値が50度未満と判断された場合は、ステップS1320に処理を移行する。また、ステップS1306の判断で温度評価値が40度未満と判断されたた場合、温度加算値Tを0度に設定し(ステップS1324)、ステップS1320に処理を移行する。このように、検出温度が40度以上になった場合に、ウェイトの挿入等の温度制御処理を開始するとともに、温度加算値を0より大きい値に設定する。このため、温度制御を開始した後、検出温度が40度をわずかに下回っても温度制御を停止させず、検出温度が40度より一定幅以上低い値になるまで温度制御を継続することができる。したがって、温度制御のON/OFFが頻繁に切り替わることを未然に防ぐことができる。
【0103】
図14は、パケット間にウェイトを挿入する処理の一例を示す。本フローは、図13のステップS1308の処理に適用できる。
【0104】
本フローが開始すると、ステップS1402において、送信間隔制御部440は、撮像装置100との間のUSB通信のデータ転送速度Rf(Mbps)を取得する(ステップS1402)。また、送信間隔制御部440は、ユーザ端末20との間の無線通信の無線伝送速度Rm(Mbps)を取得する(ステップS1404)。続いて、送信間隔制御部440は、ウェイト量Wを算出する(ステップS1406)。具体的には、W=Rf/0.4−Rmにより算出する。Rfの除算係数0.4は、目標デューティー比を示す。
【0105】
続いて、送信間隔制御部440は、パケットの挿入を行う(ステップS1408)。具体的には、送信間隔制御部440は、Rfパケット毎にWパケット分のウェイトが挿入されるよう、ウェイトを挿入するタイミングを制御する。例えば、USBのデータ転送速度が4Mbpsであり、無線通信の伝送速度が1Mbpsの場合、ウェイト量は9Mbpsとなる。このため、USBの4パケットに対して、9パケット分のウェイトを入れることになる。なお、ウェイトを挿入する場合に、9パケット分のウェイトを纏めて挿入する必要はなく、9パケット分のウェイトを複数回に分けて分散して挿入してよいことは言うまでもない。ステップS1408の処理が完了すると、本処理を終了する。
【0106】
ここでは、目標デューティー比を40%とした場合を例示した。目標デューティー比は、40%に限られないことは言うまでもない。例えば、目標デューティー比は、通信アダプタ10の放熱設計や規定温度等に応じて、任意の値を適用できる。目標デューティー比としては、温度が実質的に一定となるようなデューティー比を適用できる。また、温度上昇率が予め定められた値以下になるようなデューティー比を適用できる。これらの目標デューティー比は、シミュレーションに基づいて決定されてよい。また、実験的または半実験的に目標デューティー比が決定されてもよい。
【0107】
本実施形態において、カメラ本体130に対して通信アダプタ10が着脱可能に接続されるとして説明した。しかし、通信アダプタ10の機能は撮像装置100に内蔵されてよい。例えば、カメラ本体130が、通信アダプタ10の機能を有してよい。
【0108】
また、本実施形態において、一眼レフレックスカメラとしての撮像装置100の機能および動作を説明した。しかし、カメラ本体130を撮像装置とみなすことができる。また、撮像装置としては、一眼レフレックスカメラの他に、レンズ非交換式カメラの一例であるコンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、ビデオカメラ、放送用の撮像機器、撮像機能付きの携帯電話機、撮像機能付きの携帯情報端末、撮像機能付きのゲーム機器等の娯楽装置等、撮像機能を有する種々の機器を適用の対象とすることができる。
【0109】
また、本実施形態において、通信アダプタ10を撮像装置100用の通信機器として説明したが、通信アダプタ10を撮像装置以外の種々の機器用の通信機器として適用できる。例えば、通信アダプタ10を、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置、テレビジョン装置、デジタルフォトフレーム、携帯電話機等の種々の機器用の通信機器として適用できる。通信アダプタ10の接続インタフェースについても、USB以外の種々のインタフェースを適用できる。また、ユーザ端末20として、携帯電話機以外にも、PDA等の携帯情報端末、ノートパソコンやタブレット等を含むコンピュータ装置等、種々の機器を適用できる。なお、上記の説明において、カメラMPU133、ASIC135等の動作として説明した処理は、プロセッサがプログラムに従ってカメラ100が有する各ハードウェアを制御することにより、プロセッサ、メモリ等を含む各ハードウェアとプログラムとが協働して動作することにより実現することができる。また、上記の説明において、MCU420等の動作として説明した処理は、通信アダプタ10においてプロセッサがプログラムに従って通信アダプタ10が有する各ハードウェアを制御することにより、プロセッサ、メモリ等を含む各ハードウェアとプログラムとが協働して動作することにより実現することができる。すなわち、カメラ100や通信アダプタ10における処理を、いわゆるコンピュータで実現することができる。コンピュータは、上述した処理の実行を制御するプログラムをロードして、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータは、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体から当該プログラムをロードすることができる。
【0110】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0111】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0112】
5 通信システム、10 通信アダプタ、20 ユーザ端末、22 タッチパネルディスプレイ、24 アイコン、50 ユーザ、100 撮像装置、110 撮像システム、120 交換レンズ、121 レンズマウント接点、122 レンズ群、123 レンズMPU、124 レンズ駆動部、130 カメラ本体、131 カメラマウント接点、132 撮像素子、133 カメラMPU、134 A/D変換器、135 ASIC、136 SDRAM、137 表示制御部、138 表示部、139 システムメモリ、140 駆動部、141 操作入力部、142 合焦センサ、150 メインミラー、151 サブミラー、156 光学ファインダ部、160 外部メモリ、170 電源、181 接続部、143 電源回路、145 接続インタフェース、300 通信IF部、310 データ送受信制御部、320 送信順序決定部、330 撮像レート制御部、400 通信IF部、402 無線LSI、404 送受信切替部、406 アンテナ部、408 温度検出部、410 無線通信部、420 MCU、430 温度取得部、432 送信デューティー制御部、434 警告制御部、436 発光部、440 送信間隔制御部、450 伝送速度設定部、460 伝送速度調整部、470 送信順序制御部、480 温度通知部、490 接続部、492 操作入力部、494 電源制御部、496 RAM、498 ROM、510 無線通信部、520 MPU、522 温度情報取得部、524 データ量低下通知部、530 RAM、540 ROM、550 操作入力部、560 電源、580 表示部、700 期間、710 期間、720 期間、730 期間、740 期間、900 警告画面、910 警告画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得部と、
前記無線通信部の温度が予め定められた第1基準値以上である場合に、前記無線通信部の温度が前記第1基準値より低い場合より、前記無線通信部から無線で送信されるパケットの送信間隔を長くする送信間隔制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
無線で伝送されるパケットの伝送速度を、無線伝送路の通信品質に応じて調整する伝送速度調整部
をさらに備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記送信間隔制御部は、連続して送信するパケット間にウェイトを挿入することにより、前記送信間隔を長くする
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記無線通信部の温度が予め定められた第2基準値以上である場合に、前記無線通信部の温度が前記第2基準値より低い場合より、前記無線通信部から無線で送信されるパケットの伝送速度の下限値を高くする伝送速度設定部
をさらに備える
請求項1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2基準値は、前記第1基準値より高い
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記伝送速度が前記下限値に調整された場合に、ユーザに警告する警告部
をさらに備える請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記無線通信部の温度が前記第2基準値より高い予め定められた第3基準値以上である場合に、前記無線通信部から送信されるべき複数のファイルを、ファイルのデータサイズが小さい順で前記無線通信部から送信させる送信順序制御部
をさらに備える請求項4から6のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得部と、
前記無線通信部の温度が予め定められた基準値以上である場合に、前記無線通信部の温度が前記基準値より低い場合より、前記無線通信部から無線で送信されるパケットの伝送速度の下限値を高く設定する伝送速度設定部と、
前記無線通信部から無線で伝送されるパケットの伝送速度を前記下限値以上の範囲内で調整する伝送速度調整部と、
を備える電子機器。
【請求項9】
前記伝送速度調整部は、前記伝送速度を、無線伝送路の通信品質に応じて調整する
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記無線通信部
をさらに備える請求項1から9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
撮像部
をさらに備え、
前記無線通信部は、前記撮像部が撮像することにより得られた画像データを無線で送信する
請求項1から10のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項12】
請求項10に記載の電子機器と、
前記電子機器と接続される撮像装置と、
を備え、
前記無線通信部は、前記撮像装置が撮像することにより得られた画像データを無線で送信する
撮像システム。
【請求項13】
外部装置と、
請求項10に記載の電子機器と、
を備え、
前記電子機器は、
撮像部が撮像することにより得られた画像データを取得する画像データ取得部
をさらに有し、
前記無線通信部は、前記画像データを前記外部装置へ無線で送信する
通信システム。
【請求項14】
前記外部装置は、
前記無線通信部の温度を前記電子機器から取得する温度情報取得部と、
前記温度情報取得部が取得した温度が予め定められた値より高い場合に、撮像部から単位時間あたりに出力される画像データのデータ量を低下してよい旨を前記撮像部に通知するデータ量低下通知部と、
を有する請求項13に記載の通信システム。
【請求項15】
パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得ステップと、
前記無線通信部の温度が予め定められた第1基準値以上である場合に、前記無線通信部の温度が前記第1基準値より低い場合より、前記無線通信部から無線で送信されるパケットの送信間隔を長くする送信間隔制御ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
パケットを無線で送信する無線通信部の温度を取得する温度取得ステップと、
前記無線通信部の温度が予め定められた基準値以上である場合に、前記無線通信部の温度が前記基準値より低い場合より、前記無線通信部から無線で送信されるパケットの伝送速度の下限値を高く設定する伝送速度設定ステップと、
前記無線通信部から無線で伝送されるパケットの伝送速度を前記下限値以上の範囲内で調整する伝送速度調整ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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