説明

電子機器および情報処理プログラム

【課題】デモモード表示の観察者における、商品選択の際の利便性を向上させることが可能な電子機器および情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】TV装置1のデモ内容決定部12は、デモモードのうちの1つを選択し、その時点で実行されるべきデモモード(実行デモモード)として決定する。送信情報決定部14は、デモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報DCのうち、その時点での実行デモモードに対応する商品関連情報DCを、観察者5が保有する端末機器2へ送信するための送信情報として決定する。TV装置1における実行デモモードによる表示内容を観察した際に、商品選択の際に有用な情報を観察者5が簡易に入手することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器自身が有する商品機能を観察者に対して実演するための表示モード(デモモード)に関する情報処理を行う電子機器、およびそのような電子機器に適用される情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TV(Television)装置等の電子機器の販売を促進するための手法として、店頭でのデモモードによる表示が利用されている。このデモモードは、電子機器が有する商品機能(例えばTV装置の場合、画質改善機能や通信機能など)を観察者(消費者)に対して実演し、その機能をアピールするための表示モードである。このようなデモモードによる表示を観察することにより、観察者は、電子機器の商品機能を視覚的に(一見して)把握することができ、商品を選択して購入する際の有力な判断材料とすることができる。
【0003】
ここで、デモモードによる表示方法としては、従来、様々な手法が提案されている。例えば特許文献1には、カメラ付きのデジタルサイネージ端末において観察者の撮像情報を解析することにより、その観察者に適したデモモード画像を表示させるようにした手法が提案されている。これにより、観察者に応じて適切なデモモード表示を行うことができ、電子機器の販売促進機能をより向上させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−267611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなデモモード表示を観察し、電子機器が有する特定の商品機能について興味を持つと、その商品機能の詳細情報等を入手したくなる場合がある。この場合、従来の手法では、例えば店頭に置いてある紙媒体のカタログ等を持ち帰ったり、そのような詳細情報をインターネットにて検索するためのキーワードを観察者自身で考えて検索したりするしかなかった。
【0006】
すなわち、従来の電子機器におけるデモモード表示では、商品選択の際に有用な情報(例えば、その電子機器が有する商品機能の詳細情報等)を観察者が簡易に入手することが困難であったため、利便性を向上させるための手法の提案が望まれていた。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、デモモード表示の観察者における商品選択の際の利便性を向上させることが可能な電子機器および情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器は、自己が有する商品機能を観察者に対して実演するための表示モードである1または複数種類のデモモードのうちの1つを選択し、その時点で実行されるべき実行デモモードとして決定するデモ内容決定部と、デモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報を保持する保持部と、この1または複数種類の商品関連情報のうちの上記実行デモモードに対応する商品関連情報を、上記観察者が保有する端末機器へ送信するための送信情報として決定する送信情報決定部とを備えたものである。
【0009】
ここで、「商品機能」とは、商品が有する機能であり、例えば、画像処理機能(画質改善機能)、通信機能、情報入出力機能、および接続端子機能などが挙げられる。また、「商品関連情報」としては、例えば、電子機器に関する商品詳細情報(電子機器の寸法や重さ等の情報を含む)、上記商品機能に関する詳細情報、電子機器の販売サイトに関する情報、電子機器についての評価(口コミ)情報、および電子機器についてのクーポン券情報などが挙げられる。
【0010】
本発明の情報処理プログラムは、コンピュータを備えた電子機器が有する商品機能を観察者に対して実演するための表示モードである1または複数種類のデモモードのうちの1種類のデモモードを選択し、その時点で実行されるべき実行デモモードとして決定するステップと、デモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報のうち上記実行デモモードに対応する商品関連情報を、上記観察者が保有する端末機器へ送信するための送信情報として決定するステップとを、上記コンピュータに実行させるようにしたものである。
【0011】
本発明の電子機器および情報処理プログラムでは、デモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報のうち、その時点での実行デモモードに対応する商品関連情報が、観察者が保有する端末機器へ送信するための送信情報として決定される。これにより、電子機器における実行デモモードによる表示内容を観察した際に、その実行デモモードの内容に関連する商品関連情報を観察者の端末機器へ供給することができるようになり、商品選択の際に有用な情報を観察者が簡易に入手することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電子機器および情報処理プログラムによれば、デモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報のうちのその時点での実行デモモードに対応する商品関連情報を、観察者が保有する端末機器へ送信するための送信情報として決定するようにしたので、商品選択の際に有用な情報を観察者が簡易に入手することができるようになる。よって、デモモード表示の観察者における、商品選択の際の利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子機器としてのTV装置におけるデモモードの実施態様の一例を表す模式図である。
【図2】図1に示したTV装置および端末機器の詳細構成例を表すブロック図である。
【図3】図1に示したTV装置における商品関連情報の送信動作の一例を表す流れ図である。
【図4】観察者による端末機器を用いた持ち出し操作の具体例を表す模式図である。
【図5】図1に示したTV装置における送信履歴情報の送信動作の一例を表す流れ図である。
【図6】第2の実施の形態に係る電子機器としてのTV装置におけるデモモードの実施態様の一例を表す模式図である。
【図7】図6に示したTV装置および端末機器の詳細構成例を表すブロック図である。
【図8】図7に示した対応テーブルの一例を表す模式図である。
【図9】図6に示したTV装置における商品関連情報の送信動作の一例を表す流れ図である。
【図10】図8に示した対応テーブルを用いた送信情報決定動作の一例を説明するための模式図である。
【図11】図6に示したTV装置に対して観察者が複数人いるときの状況の一例を表す模式図である。
【図12】図11に示した状況の場合における対応テーブルを用いた送信情報決定動作の一例を説明するための模式図である。
【図13】第3の実施の形態に係る電子機器としてのビデオカメラにおけるデモモードの実施態様の一例を、外部の表示装置としてのTV装置と共に表す模式図である。
【図14】図13に示したビデオカメラおよびTV装置の詳細構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(電子機器がカメラ(撮像部)を有しない例)
2.第2の実施の形態(電子機器がカメラを有する例)
3.第3の実施の形態(外部の表示装置を用いて間接的にデモモードの表示等を行う例)
4.変形例
【0015】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器(TV装置1)における、デモモードの実施態様の一例を模式的に表すものである。このTV装置1は、表示部11においてデモモードによる表示(例えば、図中のデモモード画面11Aの表示)を行うことにより、TV装置1の観察者5に対して自己の商品機能を実演してアピールする機能を有している。すなわち、このデモモードとは、TV装置1自身が有する商品機能を観察者5に対して実演するための表示モードである。ここで、この商品機能としては、TV装置1の場合、画像処理機能(画質改善機能)や通信機能、接続端子機能などが挙げられる。
【0016】
TV装置1はまた、詳細は後述するが、例えば表示部11のウィンドウ画面11B内のメッセージを見て所定の操作(後述する持ち出し操作)を行った観察者5が保有する端末機器2に対し、後述する商品関連情報DCを供給(送信)する機能も有している。これにより、観察者5はこの端末機器2の表示部21において、取得した商品関連情報DCの内容等を表示して見ることができるようになっている。
【0017】
更に、このTV装置1は、そのような商品関連情報DCを端末機器2へ送信した履歴を示す送信履歴情報DLを、その都度保持しておくようになっている。そして、これも詳細は後述するが、外部(例えば、TV装置1の製造メーカー内)の情報サーバ3からの要求(後述するログ情報取得操作)に応じて、保持されている送信履歴情報DLを、通信回線30を介して情報サーバ3へ供給(送信)する機能も有している。
【0018】
なお、本実施の形態の情報処理プログラムは、電子機器としてのTV装置1における各情報処理機能をソフトウェア的に実現したものに対応している。この場合、そのソフトウェアは、各情報処理機能を電子機器におけるコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、専用のハードウェアに予め組み込まれて用いられてもよいし、汎用のパーソナルコンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールして用いられてもよい。なお、後述する他の実施の形態の情報処理プログラムもまた、対応する実施の形態の電子機器における各情報処理機能をソフトウェア的に実現したものに対応しており、上記と同様にして用いることが可能である。
【0019】
[TV装置1等の構成]
図2は、TV装置1および端末機器2の詳細なブロック構成を表したものである。
【0020】
(TV装置1)
TV装置1は、表示部11、表示制御部110、デモ内容決定部12、保持部13、送信情報決定部14、送信部15、送信制御部150、操作検知部16、通信部17および通信制御部170を備えている。ここで、通信部17が本発明における「第1の送信部」の一具体例に対応し、送信部15が本発明における「第2の送信部」の一具体例に対応している。なお、TV機能を実現するためのチューナ等については、ここでは図示を省略している(後述する他の実施の形態についても同様)。
【0021】
表示部11は、デモモード用の画面(例えば、図1中のデモモード画面11A)を表示する際(デモモード表示の際)に用いられるものである。この表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等により構成されている。表示制御部110は、表示部11に対して所定の表示制御を行うものである。
【0022】
保持部13は、デモモード画面を表示するためのデータであるデモモードデータDDと、以下説明する商品関連情報DCと、後述する送信履歴情報DLとを保持しておくための記憶部(メモリ)である。これらのうち、デモモードデータDDおよび商品関連情報DCはそれぞれ、1種類だけ保持されているようにしてもよく、あるいは複数種類保持されているようにしてもよい。以下では、デモモードデータDDおよび商品関連情報DCがそれぞれ、複数種類保持されているものとして説明する。特に、商品関連情報DCについては、1種類のデモモードに対して複数種類の商品関連情報DCが対応付けて設けられているものとする。なお、保持部13における記憶手段としては、固定ディスクでもリムーバブルディスクでもよく、また、その種類としても、磁気ディスクや光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の種々のものを用いることができる。また、場合によっては、上記した情報をネットワーク上に保持するようにしてもよく、以下の場合も同様である。
【0023】
ここで、商品関連情報DCとは、デモモードの内容に関連する情報のことである。具体的には、例えば、TV装置1に関する商品詳細情報(商品のモデル情報等)や、商品機能に関する詳細情報、TV装置1の販売サイトに関する情報、TV装置1についての評価(口コミ)情報、TV装置1についてのクーポン券情報などが挙げられる。また、商品関連情報DC自身がこれらの情報の内容を示すものであってもよく、あるいは、商品関連情報DC自身は、これらの情報を有するインターネットサイトの場所を示す情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))であってもよい。
【0024】
デモ内容決定部12は、TV装置1におけるデモモードのうちの1つを選択し、その時点で実行されるべきデモモード(実行デモモード)として決定するものである。具体的には、保持部13に保持されているデモモードデータ(ここでは、複数種類のデモモードデータDD)のうち、1種類のデモモードデータDDを選択して取得することにより、上記実行デモモード用のデータとして決定し、表示制御部110へ供給するようになっている。なお、その際の実行デモモードの決定(選択)方法としては、例えば、一定の時間間隔をおいて周期的に複数種類のデモモードを切り換える(自動的に決定する)ようにしたり、ユーザの操作によって決定する(手動で決定する)ようにしたりする手法等が挙げられる。あるいは、観察者5を撮像するためのカメラ(例えば、後述するカメラ18)がTV装置に設けられている場合には、そのカメラによる撮像データの内容(例えば、観察者5の顔情報等)を用いて実行デモモードを決定するようにしてもよい。
【0025】
操作検知部16は、観察者5による所定の操作(後述する持ち出し操作)を検知する機能を有するものであり、その検知結果としての検知データDF(操作が検知されたか否かを示すデータ等)を送信情報決定部14へ供給するようになっている。なお、このような操作の検知手法の詳細については後述する(図4)。
【0026】
送信情報決定部14は、保持部13に保持されている複数種類の商品関連情報DCのうちの1種類の商品関連情報DCを選択して取得し、観察者5が保有する端末機器2へ送信するための送信情報として決定するものである。具体的には、操作検知部16から供給された検知データDFが、観察者5による持ち出し操作が検知された旨を示すデータであった場合に、その時点での実行デモモードに対応する商品関連情報DCを上記送信情報として決定するようになっている。また、ここでは上記したように、1種類のデモモードに対して複数種類の商品関連情報DCが対応付けて設けられているため、送信情報決定部14は、その時点での実行デモモードに対応する複数種類の商品関連情報DCのうちの1つを選択し、送信情報として決定する機能も有している。なお、このようにして送信情報に決定された商品関連情報DCは、送信制御部150へ供給されるようになっている。
【0027】
送信部15は、送信情報として決定された商品関連情報DCを端末機器2へ送信するためのものである。送信制御部150は、送信情報決定部14から供給された商品関連情報DCを送信部15へ供給し、送信部15の送信動作を制御するものである。なお、送信部15による商品関連情報DCの送信手法としては、種々の(無線)通信手法を用いることができ、また、例えば商品関連情報DCの内容を表す2次元コードを表示部11に表示することにより送信するようにしてもよい。
【0028】
通信部17は、保持部13に保持されている送信履歴情報DLを、通信回線30を介して外部の情報サーバ3へ送信するためのものである。通信部17はまた、この情報サーバ3からの要求(後述するログ情報取得操作)を受信する機能も有している。なお、通信回線30としては、例えばインターネット回線やLAN(Local Area Network)回線などが挙げられる。これらのうち、LAN回線を用いた場合とは、送信履歴情報DLを直接インターネット上にアップロードするのではなく、一旦ローカルサーバへアップロードした後、このローカルサーバからインターネット上にアップロードされることを想定したものである。通信制御部170は、通信部17における通信動作を制御するものである。
【0029】
ここで、送信履歴情報DLは、例えば、送信日時や送信した商品関連情報DCの内容、電子機器(ここではTV装置1)自身の情報(商品の型番等)、その電子機器が設置されている店舗の情報等を含んで構成されており、場合によっては、送信対象の観察者5の個人情報を含めるようにしてもよい。
【0030】
(端末機器2)
端末機器2は、表示部21、表示制御部210、受信部22、受信制御部220、記憶部23、入力部24、通信部25および通信制御部250を備えている。なお、この端末機器2としては、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)、ノート型PC(Personal Computer)などが挙げられるが、必ずしも携帯型の端末機器には限定されない。
【0031】
受信部22は、TV装置1の送信部15から送信された商品関連情報DCを受信するためのものである。受信制御部220は、この受信部22における受信動作を制御し、受信した商品関連情報DCを記憶部23へ供給するものである。
【0032】
記憶部23は、受信制御部23から供給される商品関連情報DCを含め、種々のデータを保持しておくためのメモリであり、前述した保持部13と同様に種々の記憶手段を用いて構成することが可能となっている。
【0033】
表示部21は、記憶部23に保持されている種々のデータ(商品関連情報DCを含む)を表示するために用いられるものであり、前述した表示部11と同様に各種のディスプレイにより構成することができる。表示制御部210は、この表示部21に対して所定の表示制御を行うものである。
【0034】
入力部24は、端末機器2内に所定の情報を入力するために用いられるものであり、例えば、キーボードやタッチパッド、タッチパネル等を用いて構成されている。
【0035】
通信部25は、外部との通信を行うためのものであり、例えば端末機器2が携帯電話である場合には通話や通信動作を行う部分に対応する。通信制御部250は、この通信部25における通信動作等を制御するものである。
【0036】
[TV装置1の作用・効果]
続いて、本実施の形態のTV装置1の作用および効果について説明する。
【0037】
(基本動作:デモモードによる表示動作)
このTV装置1では、デモ内容決定部12が、予め用意された複数種類のデモモードのうちの1つを選択し、その時点で実行されるべきデモモード(実行デモモード)として決定する。具体的には、保持部13に保持されているデモモードデータDDのうちのうちの1つを選択して取得することにより、上記実行デモモード用のデータとして決定し、表示制御部110へ供給する。そして、表示制御部110が、この実行デモモード用のデモモードデータDDに基づいて表示部11を表示制御することにより、表示部11においてデモモードによる表示(デモモード表示)がなされる(例えば、図1中のデモモード画面11A参照)。これにより、TV装置1の観察者5に対して、自己の商品機能の実演がなされる。
【0038】
このようなデモモード表示を観察することにより、観察者5は、TV装置1の商品機能を視覚的に把握することができ、商品を選択して購入する際の有力な判断材料とすることができる。
【0039】
次に、本実施の形態の特徴的部分の1つである、TV装置1における商品関連情報DCの送信動作および送信履歴情報DLの送信動作について、それぞれ詳細に説明する。
【0040】
(商品関連情報DCの送信動作)
図3は、TV装置1における商品関連情報DCの送信動作を流れ図で表したものである。この送信動作の際には、まず前提動作として、上記したデモモード表示が実行される(ステップS11)。このとき、例えば図1中に示した表示部11内のウィンドウ画面11Bに、以下説明する所定の操作を行えば、現在実行中のデモモード画面11Aの内容に関連する商品関連情報DCを取得することが可能である旨のメッセージが表示されるようにするのが望ましい。
【0041】
次に、このようなデモモード表示がなされている間、操作検知部16は、観察者5による所定の操作(持ち出し操作)がなされたか否かを、常時検知する。具体的には、例えば図4(A)に示したように、観察者5が保有する端末機器2が送信部15の近傍に置かれたか否かを検知することにより、上記持ち出し操作の有無を検知する。あるいは、例えば図4(B)に示したように、TV装置1に付属するリモートコントロール装置(リモコン10)を介して商品関連情報DCの送信がなされるようになっている場合には、以下のようにしてもよい。すなわち、このリモコン10の送信部10Aの近傍に端末機器2が置かれたか否かを検知することにより、上記持ち出し操作の有無を検知するようにしてもよい。また、例えば図4(C)に示したように、表示部11内に所定の2次元コード11Cを表示することによって商品関連情報DCの送信を行う場合には(この場合、表示部11が送信部15としても機能することになる)、以下のようにしてもよい。すなわち、この2次元表示コード11Cの近傍に端末機器2が置かれたか否かを検知することにより、上記持ち出し操作の有無を検知するようにしてもよい。なお、このように2次元コード11Cを用いて送信を行う場合、更に、観察者5による操作がなされなくても2次元コード11Cが常時表示されるケースと、観察者5によって所定の操作(所定のボタンを押す等の操作)がなされたときに2次元コード11Cが表示されるケースとが挙げられる。
【0042】
このとき、操作検知部16による検知結果としての検知データDFは、送信情報決定部14に対して随時供給される。そして、送信情報決定部14は、この検知データDFに基づいて、観察者5による持ち出し操作がなされたか否かを判断する(ステップS12)。
【0043】
ここで、観察者5による持ち出し操作がなされていないと判断された場合(ステップS12:N)、以下説明するステップS13〜S15の処理は行われず、後述するステップS16へと進む。
【0044】
一方、観察者5による持ち出し操作がなされていると判断された場合(ステップS12:Y)、続いて、送信情報決定部14は、現在実行中のデモ内容(実行デモモードに対応するデモモードデータDD)を、保持部13から選択的に取得する(ステップS13)。
【0045】
次いで、送信情報決定部14は、保持部13に保持されている複数種類の商品関連情報DCのうちの1種類の商品関連情報DCを選択して取得し、観察者5が保有する端末機器2へ送信するための送信情報として決定する(ステップS14)。具体的には、送信情報決定部14は、その時点での実行デモモードに対応する商品関連情報DCを、上記送信情報として決定する。また、詳細には、ここでは1種類のデモモードに対して複数種類の商品関連情報DCが対応付けて設けられているため、その時点での実行デモモードに対応する複数種類の商品関連情報DCのうちの1つを選択し、送信情報として決定する。この際の商品関連情報DCの選択手法としては、本実施の形態では、例えばある特定の商品関連情報DCが固定もしくは順番で選択される(自動的に選択される)ようにしてもよいし、あるいは、観察者5の所定の操作によって手動で選択されるようにしてもよい。なお、このようにして送信情報として決定された商品関連情報DCは、送信情報決定部14から送信制御部150へと供給される。
【0046】
次に、この送信情報として決定された商品関連情報DCが、観察者5側(端末機器2)へと送信される(ステップS15)。具体的には、送信制御部150が、送信情報決定部14から供給された商品関連情報DCに基づいて送信部15を送信制御することにより、送信部15から端末機器2へと商品関連情報DCが送信される。なお、このようにして商品関連情報DCを端末機器2へ送信した履歴は、前述した送信履歴情報DLとして、保持部13内にその都度記憶され保持される。
【0047】
ここで、端末機器2側では、受信部22において商品関連情報DCを受信し、受信制御部220を介して商品関連情報DCが記憶部23へと供給される。これにより、観察者5は、この商品関連情報DCの内容自体を表示部21に表示させたり、商品関連情報DCを利用して、通信部25を介して情報を取得したりすることが可能となる。
【0048】
次いで、TV装置1では、例えば外部からの操作等に応じて、デモモード表示を終了させるか否かを随時判断する(ステップS16)。終了させないと判断した場合(ステップS16:N)には、最初のステップS11へと戻る一方、終了させると判断した場合(ステップS16:Y)には、それに伴って商品関連情報DCの送信動作も終了となる。
【0049】
このようにして本実施の形態では、TV装置1のデモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報DCのうち、その時点での実行デモモードに対応する商品関連情報DCが、観察者5が保有する端末機器2へ送信するための送信情報として決定される。これにより、TV装置1における実行デモモードによる表示内容を観察した際に、その実行デモモードの内容に関連する商品関連情報DCを観察者5の端末機器2へ供給することができるようになり、商品選択の際に有用な情報を観察者5が簡易に入手することが可能となる。すなわち、従来のように、店頭等に置いてある紙媒体のカタログ等を持ち帰ったり、TV装置1の詳細情報をインターネットにて検索するためのキーワードを観察者自身で考えて検索したりする必要なく、簡単な操作・システムを用いて有用な情報を入手することができる。
【0050】
(送信履歴情報DLの送信動作)
続いて、図5は、TV装置1における送信履歴情報DLの送信動作を流れ図で表したものである。この送信動作では、まず、通信部17が、外部の(例えばTV装置1の製造メーカーに設置された)情報サーバ3から、所定の要求(ログ情報取得操作)がなされたか否かを検知する(ステップS21)。
【0051】
ここで、情報サーバ3側からのログ情報取得操作が検知されていないと判断した場合(ステップS21:N)、そのような操作が検知されたと判断するまで、ステップS21の処理が繰り返される。
【0052】
一方、情報サーバ3側からのログ情報取得操作が検知されたと判断した場合(ステップS21:Y)、次に通信部17は、保持部13に保持されている送信履歴情報DLを、通信回線30を介して外部の情報サーバ3へ送信(アップロード)する(ステップS22)。これにより、送信履歴情報DLの送信動作が終了となる。
【0053】
このようにして本実施の形態では、商品関連情報DCを端末機器2へ送信した履歴を示す送信履歴情報DLがその都度保持されると共に、外部の情報サーバ3からの要求に応じて、その送信履歴情報DLが通信回線30を介して情報サーバ3へ送信される。これにより、例えば情報サーバ3を保有する製造メーカーでは、取得した送信履歴情報DLをマーケティング情報として活用できるようになり、TV装置1の販売促進に有用な情報を入手することが可能となる。
【0054】
以上のように本実施の形態では、TV装置1のデモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報DCのうち、その時点での実行デモモードに対応する商品関連情報DCを、観察者5が保有する端末機器2へ送信するための送信情報として決定するようにしたので、TV装置1における実行デモモードによる表示内容を観察した際に、商品選択の際に有用な情報を観察者5が簡易に入手することができるようになる。よって、デモモード表示の観察者5における、商品選択の際の利便性を向上させることが可能となる。
【0055】
また、TV装置1の製造メーカーにとっては、紙媒体のカタログを設置することが困難な場所でも、商品に関連する情報(商品関連情報DC)を持って帰ってもらえることができるため、販売(広告)の機会を増やすことが可能となる。更に、商品関連情報DCを紙媒体のカタログの代替として用いることにより、販売コストの削減や環境負荷の低減を図ることも可能となる。
【0056】
続いて、本発明の他の実施の形態(第2,第3の実施の形態)について説明する。なお、以下では、第1の実施の形態と同一の構成要素については同一符号を付してその説明を適宜省略する。
【0057】
<第2の実施の形態>
図6は、第2の実施の形態に係る電子機器(TV装置1A)におけるデモモードの実施態様の一例を模式的に表すものである。このTV装置1Aは、第1の実施の形態のTV装置1において、後述するカメラ18等を更に設けたものに対応している。
【0058】
[TV装置1A等の構成]
図7は、TV装置1Aおよび端末機器2の詳細なブロック構成を表したものである。なお、端末機器2のブロック構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0059】
(TV装置1A)
TV装置1Aは、表示部11、表示制御部110、デモ内容決定部12、保持部13A、送信情報決定部14、送信部15、送信制御部150、操作検知部16、通信部17、通信制御部170、カメラ18(撮像部)およびカメラ制御部180を備えている。すなわち、図2に示したTV装置1において、保持部13の代わりに保持部13Aを備えると共に、カメラ18およびカメラ制御部180を更に備えたものとなっている。
【0060】
カメラ18は、観察者5を撮像してその撮像データDIを取得するためのものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて構成されている。カメラ制御部180は、カメラ18の撮像動作を制御すると共に、このカメラ18により得られた観察者5の撮像データDIを保持部13Aへ供給する機能を有している。
【0061】
保持部13Aは、保持部13と同様のデモモードデータDD、商品関連情報DCおよび送信履歴情報DLに加え、所定の対応テーブル130を保持するためのメモリである。この保持部13Aも保持部13と同様に、種々の記憶手段を用いて構成することが可能である。
【0062】
図8は、対応テーブル130の一例を模式的に表したものである。この対応テーブル130は、デモモードデータDDの内容(実行デモモードの内容)および観察者情報DO(ここでは、観察者5の撮像データDIから抽出して得られる観察者5の顔情報)と、商品関連情報DCとの間の対応関係を表すテーブルである。
【0063】
デモモードデータDDの内容としては、例えば図中に示したように、「画質デモA,B」や「ネット機能デモA,B」、「ロゴ一覧」などが挙げられる。
【0064】
観察者情報DOは、上記した観察者5の顔情報として、性別情報DO1、年齢情報DO2および表情情報DO3の3つの情報を用いたものとなっている。これらの情報はそれぞれ、撮像データDIに基づいて送信情報決定部14において抽出された情報である。性別情報DO1は、図中に示したように、観察者5が男性であるのか女性であるのかを示す情報である。年齢情報DO2は、観察者5の年齢を複数の区分に分けて(例えば、10代,20代,30代,…)を推定して示す情報である。ただし、年齢の区分の仕方については図中に示したものには限られず、他の区分を用いてもよい。表情情報DO3は、観察者5の顔の表情を示す情報であり、例えば図中に示したように、「注視」,「笑顔」などを示すものとなっている。なお、表情情報DO3として、他の表情(例えば、「怒っている表情」や「悲しい表情」など)を示す情報を用いてもよい。
【0065】
商品関連情報DCの種類としては、例えば図中に示したように、「モデル概要情報」や「販売サイト情報」、「画質デモA詳細情報」などが挙げられる。
【0066】
ここで、この対応テーブル130では、これらのデモモードデータDDの内容および観察者情報DOと、商品関連情報DCとの間でそれぞれ、後述する所定の優先度を算出するための数値(点数)が、予め個別に設定されている。すなわち、図中に示したように、ここでは例えば、「1(1点)」から「5(5点)」までの数値が設定されている。本実施の形態の送信情報決定部14は、以下詳述するように、このような数値が設定されてなる対応テーブル130を用いて、観察者5に応じた適切な商品関連情報DCを選択することが可能となっている。
【0067】
[TV装置1Aの作用・効果]
次に、TV装置1Aの作用および効果について説明する。なお、TV装置1Aにおける基本動作(デモモードによる表示動作)および送信履歴情報DLの送信動作については、第1の実施の形態で説明した動作と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0068】
(商品関連情報DCの送信動作)
図9は、TV装置1Aにおける商品関連情報DCの送信動作を流れ図で表したものである。なお、図9に示したステップS31〜S33,S36,S37の動作はそれぞれ、図3に示した第1の実施の形態におけるステップS11〜S13,S15,S16の動作と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0069】
この送信動作では、送信情報決定部14は、第1の実施の形態と同様にして実行中のデモ内容(デモモードデータDD)を取得(ステップS33)した後、上記した観察者情報DO(観察者5の顔情報)を取得する(ステップS34)。具体的には、まず、カメラ18において観察者5を撮影することにより撮像データDIが得られ、この撮像データDIがカメラ制御部180および保持部13Aを介して送信情報決定部14へ供給される。そして、送信情報決定部14は、この撮像データDIから観察者情報DO(ここでは、前述した性別情報DO1、年齢情報DO2および表情情報DO3の3つの顔情報)を抽出し、取得する。
【0070】
次に、送信情報決定部14は、取得した実行中のデモ内容(デモモードデータDD)および観察者情報DOと、上記した対応テーブル130とを用いることにより、端末機器2へ送信するための送信情報を決定する(ステップS35)。すなわち、保持部13Aに保持されている複数種類の商品関連情報DCのうちの1つを選択して取得し、送信情報として決定する。詳細には、本実施の形態では、送信情報決定部14は、実行中のデモモードの内容(デモモードデータDD)と、観察者情報DOとを用いて、対応テーブル130内に挙げられている複数種類の商品関連情報DCのうちの1つを選択し、送信情報として決定する。この際、例えば対応テーブル130を用いて、複数種類の商品関連情報DCについて個別に優先度を算出し、そのうちの優先度が最も高い商品関連情報DCを送信情報として決定するようにすることができる。
【0071】
具体的には、図10に示した対応テーブル130の例では、以下のようにして各商品関連情報DCについて優先度が算出され、送信情報が決定される。この例は、30代の男性である観察者5が、実行デモモードとして画質デモAが実行されているときに、そのデモモード表示を注視している場合に対応する。この場合、図中に示した「モデル概要情報」,「販売サイト情報」,「画質デモA詳細情報」の各商品関連情報DCについての優先度は、該当する観察者情報DOおよびデモモードデータDD(図中の実線の太枠内の数値)を用いて、以下のように算出される。すなわち、太枠内の各数値を加算することにより、優先度が算出される。そしてこの場合、優先度の値が最も高くなっている「画質デモA詳細情報」が、送信情報としての商品関連情報DCとして選択される。
モデル概要情報 :優先度=2+3+3+1= 9
販売サイト情報 :優先度=4+2+3+1=10
画質デモA詳細情報:優先度=3+4+4+5=16
【0072】
このようにして本実施の形態では、実行中のデモ内容(デモモードデータDD)および撮像データDIから抽出して得られる観察者情報DOと、所定の対応テーブル130とを用いることにより、観察者5に応じた適切な商品関連情報DCが選択されて送信される。なお、図10に示した対応テーブル130の例の他にも、例えば、現在の実行デモモードの表示を笑顔で観察している場合には、その実行デモモードの詳細情報を送信情報として選択することが考えられる。また、例えば観察者5が40代の女性の場合には、省エネ機能についての詳細情報を送信情報として選択したり、観察者5が60代の人の場合には、文字が大きく表示されるように構成された商品関連情報DCを送信情報として選択したりすることが考えられる。
【0073】
(観察者5が複数人いる場合)
ここで、例えば図11に示したように、TV装置1Aにおけるデモモード表示の観察者が複数人いる場合(ここでは、端末機器2A,2Bを個別に保有する2人の観察者5A,5Bがいる場合)について考える。これは、換言すると、撮像データDIから複数の観察者についての観察者情報DO(顔情報)が得られた場合に対応する。この場合、送信情報決定部14では、例えば以下説明する2つの手法を用いることにより、複数人の観察者のうちの1人を対象として、その人に適した商品関連情報DCを選択的に送信情報として決定するようにするのが望ましい。これにより、1つの電子機器に対してそのデモモード表示の観察者が複数人いる場合であっても、適切な商品関連情報DCを送信情報として決定し、観察者の端末機器へ送信することが可能となるからである。
【0074】
1つ目の手法は、送信情報決定部14において、実行中のデモ内容(デモモードデータDD)と各観察者5A,5Bの観察者情報DOとに基づいて観察者5A,5Bごとに算出される優先度が最も高い観察者についての観察者情報DOを用いて、選択するというものである。
【0075】
具体的には、まず、例えば図12に示したようにして、2人の観察者5A,5Bごとに優先度が算出される。すなわち、ここでは、30代の男性である観察者5Aと、20代の女性である観察者5Bとが、実行デモモードとして画質デモAが実行されているときに、そのデモモード表示を注視(観察者5A)または笑顔で観察(観察者5B)している場合に対応する。この場合、「モデル概要情報」,「販売サイト情報」,「画質デモA詳細情報」の各商品関連情報DCについての優先度は、観察者5A(図中の実線の太枠内の数値)および観察者5B(図中の破線の太枠内の数値;デモモードデータDDについては実線の太枠内の数値)についてそれぞれ、以下のように算出される。その結果、この場合、優先度の値が最も高くなっている観察者5Aについての観察者情報DOを用いて、「画質デモA詳細情報」が、送信情報としての商品関連情報DCとして選択される。これにより、この「画質デモA詳細情報」が送信情報として決定され、観察者5Aの端末装置2Aへ送信されることになる。
【0076】
(観察者5Aについて)
モデル概要情報 :優先度=2+3+3+1= 9
販売サイト情報 :優先度=4+2+3+1=10
画質デモA詳細情報:優先度=3+4+4+5=16
(観察者5Bについて)
モデル概要情報 :優先度=5+3+2+1=11
販売サイト情報 :優先度=1+4+3+1= 9
画質デモA詳細情報:優先度=2+2+4+5=13
【0077】
他方、2つ目の手法は、送信情報決定部14において、端末機器からその端末機器を保有する観察者についての個人識別情報を取得し、その取得した個人識別情報を用いて選択するという手法である。具体的には、例えば観察者5Bの端末機器2BがTV装置1の近傍に置かれて操作検知部16により検知された場合、その端末機器2Bから、ユーザである観察者5Bの個人識別情報(例えば、氏名,性別,年齢などの情報)を取得して用いるというものである。このような個人識別情報を取得することが可能である場合に有効な手法である。この場合、送信情報決定部14は、撮像情報DIから得られた2人(観察者5A,5B)の観察者情報DOのうち、端末機器から得られた観察者5Bについての個人識別情報を用いて、観察者5B向けの商品関連情報DCを送信情報として決定することになる。なお、この手法では、観察者が保有する端末機器からTV装置1Aに対して個人識別情報を送信するための何らかの通信手段が設けられている必要がある。
【0078】
以上のように本実施の形態では、送信情報決定部14において、実行中のデモ内容(デモモードデータDD)と、観察者の撮像データDIから抽出して得られる観察者情報DOと、所定の対応テーブル130とを用いて、観察者が保有する端末機器へ送信するための送信情報を決定するようにしたので、観察者に応じた適切な商品関連情報DCを供給することができる。よって、デモモード表示の観察者5において、商品選択の際の利便性を更に向上させることが可能となる。
【0079】
なお、本実施の形態では、カメラ18によって観察者についての撮像データDIを取得し、送信情報の決定の際に用いる場合について説明したが、この他にも例えば、観察者がカメラ18の前に置いたカタログ等についての撮像データを取得し、送信情報の決定の際に用いるようにしてもよい。具体的には、送信情報決定部14において、取得した撮像データからカタログ等の内容(例えば、商品の製造メーカーや型番等)を示す情報を抽出し、その情報に関連する商品関連情報DC(例えば、そのカタログが示す商品の詳細情報等)を送信情報として決定するようにする。
【0080】
<第3の実施の形態>
図13は、第3の実施の形態に係る電子機器(ビデオカメラ4)におけるデモモードの実施態様の一例を、本発明における「外部の表示装置」の一具体例としてのTV装置1Bと共に模式的に表すものである。このビデオカメラ4は、所定の配線40(例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)など)を介してTV装置1Bと接続されている。本実施の形態は、実行デモモードの表示、商品関連情報DCの端末機器2への送信、および観察者5の撮像データDIの取得の各動作を、ビデオカメラ4(電子機器)自身ではなく、TV装置1B(外部の表示装置)を用いて(介して)間接的に行うようにしたものである。
【0081】
[ビデオカメラ4等の構成]
図14は、ビデオカメラ4およびTV装置1Bの詳細なブロック構成を表したものである。なお、図中に示した端末機器2のブロック構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0082】
(TV装置1B)
TV装置1Bは、表示部11、表示制御部110、保持部13B、送信部15、送信制御部150、操作検知部16、通信部17、通信制御部170、カメラ18、カメラ制御部180、送受信部19および送受信制御部190を備えている。すなわち、図7に示したTV装置1Aにおいて、保持部13Aの代わりに保持部13Bを備えると共に、送受信部19および送受信制御部180を更に備え、デモ内容決定部12および送信情報決定部14を省いたものとなっている。ここで、本実施の形態では、送信部15が本発明における「第3の送信部」の一具体例に対応している。
【0083】
保持部13Bは、これまで説明した保持部13,13Aとは異なり、送信履歴情報DLを保持するためのメモリである。この保持部13Bも保持部13,13Aと同様に、種々の記憶手段を用いて構成することが可能である。
【0084】
送受信部19は、図中に示したように、撮像データDIおよび検知データDFをビデオカメラ4側へ送信すると共に、ビデオカメラ4側から商品関連情報DCおよびデモモードデータDDを受信する機能を有している。送受信制御部190は、この送受信部19における送受信動作を制御すると共に、上記した撮像データDI、検知データDF、商品関連情報DCおよびデモモードデータDDをそれぞれ、送受信部19と保持部13Bとの間で受け渡す機能を有するものである。
【0085】
(ビデオカメラ4)
ビデオカメラ4は、送受信部41、送受信制御部410、保持部42、デモ内容決定部43および送信情報決定部44を備えている。ここで、本実施の形態では、送受信部41が本発明における「第2の送信部」の一具体例に対応している。
【0086】
送受信部41は、図中に示したように、撮像データDIおよび検知データDFをTV装置1Bの送受信部19から受信すると共に、商品関連情報DCおよびデモモードデータDDをこの送受信部19へ送信する機能を有している。送受信制御部410は、この送受信部41における送受信動作を制御するものである。送受信制御部410はまた、上記した撮像データDI、検知データDF、商品関連情報DCおよびデモモードデータDDをそれぞれ、送受信部41と、保持部42、デモ内容決定部43または送信情報決定部44との間で受け渡す機能も有している。
【0087】
保持部42は、デモモードデータDD、商品関連情報DCおよび対応テーブル130を保持するためのメモリである。この保持部42も保持部13,13A,13Bと同様に、種々の記憶手段を用いて構成することが可能である。
【0088】
デモ内容決定部43は、保持部42に保持されているデモモードデータDDのうちの1つを選択して取得することにより、実行デモモード用のデータとして決定し、送受信制御部410へ供給するものである。なお、このデモ内容決定部43の基本的な機能は、デモ内容決定部12と同様である。
【0089】
送信情報決定部44は、実行中のデモ内容(デモモードデータDD)と、観察者5の撮像データDIから抽出して得られる観察者情報DOと、所定の対応テーブル130とを用いて、端末機器2へ送信するための送信情報を決定するものである。なお、この送信情報決定部44の基本的な機能は、第2の実施の形態の送信情報決定部14と同様である。
【0090】
[ビデオカメラ4等の作用・効果]
次に、ビデオカメラ4およびTV装置1Bの作用および効果について説明する。なお、TV装置1Bにおける送信履歴情報DLの送信動作については、第1の実施の形態で説明した動作と同様であるため、その説明を省略する。
【0091】
(基本動作:デモモードによる表示動作)
まず、基本動作である、デモモードによる表示動作(デモモード表示)について説明する。
【0092】
この動作の際、ビデオカメラ4では、デモ内容決定部43が予め用意された複数種類のデモモードのうちの1つを選択し、その時点で実行されるべきデモモード(実行デモモード)として決定する。具体的には、保持部42に保持されているデモモードデータDDのうちのうちの1つを選択して取得することにより、上記実行デモモード用のデータとして決定し、送受信制御部410を介して送受信部41へ供給する。そして、送受信部41は、この実行デモモード用のデモモードデータDDを、TV装置1B側へと送信する。
【0093】
TV装置1Bでは、送受信部19においてこのデモモードデータDDを受信し、送受信制御部190、保持部13Bおよび表示制御部110を介して表示部11へ供給する。これにより、表示部11において実行デモモードによる表示(デモモード表示)がなされ、TV装置1Bの観察者5に対してビデオカメラ4の商品機能の実演がなされる。
【0094】
このようにして、本実施の形態では、第1および第2の実施の形態とは異なり、「電子機器」としてのビデオカメラ4についての実行デモモードの表示が、表示部11を備えた「外部の表示装置」としてのTV装置1Bを用いて行われる。
【0095】
(商品関連情報DCの送信動作)
続いて、商品関連情報DCの送信動作について説明する。
【0096】
この動作の際、TV装置1Bでは、操作検知部16により得られた検知データDFが、保持部13Bおよび送受信制御部190を介して送受信部19へ供給される。また、カメラ18において得られた撮像データDIが、カメラ制御部180、保持部13Bおよび送受信制御部190を介して、送受信部19へ供給される。そして、これらの検知データDFおよび撮像データDIがそれぞれ、送受信部19からビデオカメラ4側へ送信される。
【0097】
ビデオカメラ4では、送受信部41において、これらの検知データDFおよび撮像データDIをそれぞれ受信し、送受信部410および保持部42を介して送信情報決定部44へ供給する。送信情報決定部44は、保持部42から取得した実行中のデモ内容(デモモードデータDD)と、撮像データDIから抽出して得られる観察者情報DOと、保持部42に保持されている対応テーブル130とを用いて、端末機器2へ送信するための送信情報を決定する。そして、送信情報として決定された商品関連情報DCは、保持部42から送信情報決定部44および送受信制御部410を介して送受信部41へ供給され、この送受信部41からTV装置1B側へ送信される。
【0098】
再びTV装置1Bでは、送受信部19においてこの商品関連情報DCを受信し、送受信制御部190、保持部13Bおよび送信制御部150を介して、送信部15へ供給する。そして、送信部15において、送信情報としての商品関連情報DCが端末機器2へ送信される。
【0099】
このようにして、本実施の形態では、第1および第2の実施の形態とは異なり、撮像データDIの取得が、カメラ18を備えた「外部の表示装置」としてのTV装置1Bを用いて行われる。また、「電子機器」としてのビデオカメラ4において送信情報として決定された商品関連情報DCの端末機器2への送信が、送信部15を備えた「外部の表示装置」としてのTV装置1Bを介して行われる。
【0100】
以上のように本実施の形態では、実行デモモードの表示、商品関連情報DCの端末機器2への送信および撮像データDIの取得の各動作を、ビデオカメラ4(電子機器)自身ではなく、TV装置1B(外部の表示装置)を用いて(介して)間接的に行うようにしたので、以下の効果を得ることができる。すなわち、例えば電子機器自身に表示部やカメラ(撮像部)が設けられていない場合や、表示部が設けられていたとしても実行デモモードの表示に用いるには小さすぎる場合などであっても、電子機器および外部の表示装置を組み合わせて動作させることにより、第1または第2の実施の形態と同様の動作を実行することができ、同様の動作を得ることが可能となる。
【0101】
なお、本実施の形態では、第2の実施の形態(電子機器に撮像部が設けられている場合)を前提として説明したが、第1の実施の形態(電子機器に撮像部が設けれていない場合)において、外部の表示装置を用いた(介した)間接的な動作を行うようにしてもよい。
【0102】
<変形例>
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0103】
例えば、上記実施の形態で説明した各情報(観察者情報(顔情報)やデモモードデータ、商品関連情報など)の内容や種類はそれぞれ、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の内容や種類のものを用いるようにしてもよい。具体的には、顔情報としては、性別情報DO1、年齢情報DO2および表情情報DO3の3つの情報を必ず全て用いる必要はなく、例えばこれらの3つの情報うちの少なくとも1つを用いるようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態で説明したTV装置、端末機器およびビデオカメラについての各ブロック構成は、上記実施の形態で示したものには限られず、他のブロック構成のものを用いるようにしてもよい。
【0105】
更に、上記実施の形態では、「電子機器」の一例としてTV装置およびビデオカメラを挙げて説明すると共に、「外部の表示装置」の一例としてTV装置を挙げて説明したが、本発明は、他の種類の「電子機器」および「外部の表示装置」についても適用することが可能である。
【符号の説明】
【0106】
1,1A,1B…TV装置、10…リモコン、10A…送信部、11…表示部、11A…デモモード画面、11B…ウィンドウ画面、11C…2次元コード、110…表示制御部、12…デモ内容決定部、13,13A,13B…保持部、130…対応テーブル、14…送信情報決定部、15…送信部、150…送信制御部、16…操作検知部、17…通信部、170…通信制御部、18…カメラ、180…カメラ制御部、19…送受信部、190…送受信制御部、2,2A,2B…端末装置、21…表示部、210…表示制御部、22…受信部、220…受信制御部、23…記憶部、24…入力部、25…通信部、250…通信制御部、3…情報サーバ、30…通信回線、4…ビデオカメラ、40…配線、41…送受信部、410…送受信制御部、42…保持部、43…デモ内容決定部、44…送信情報決定部、5,5A,5B…観察者、DC…商品関連情報、DL…送信履歴情報、DD…デモモードデータ、DF…検知データ、DI…撮像データ、DO…観察者情報(顔情報)、DO1…性別情報、DO2…年齢情報、DO3…表情情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己が有する商品機能を観察者に対して実演するための表示モードである1または複数種類のデモモードのうちの1つを選択し、その時点で実行されるべき実行デモモードとして決定するデモ内容決定部と、
前記デモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報を保持する保持部と、
前記1または複数種類の商品関連情報のうちの前記実行デモモードに対応する商品関連情報を、前記観察者が保有する端末機器へ送信するための送信情報として決定する送信情報決定部と
を備えた電子機器。
【請求項2】
1種類のデモモードに対して複数種類の商品関連情報が対応付けて設けられ、
前記送信情報決定部は、前記実行デモモードに対応する複数種類の商品関連情報のうちの1つを選択し、前記送信情報として決定する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記送信情報決定部は、前記実行デモモードの内容と、前記観察者を撮像して得られた撮像データとに基づいて、前記複数種類の商品関連情報のうちの1つを選択する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記送信情報決定部は、前記撮像データから抽出して得られる観察者の顔情報を用いて、前記複数種類の商品関連情報のうちの1つを選択する
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記送信情報決定部は、
前記撮像データから複数の観察者についての顔情報が得られた場合、
前記実行デモモードの内容と各観察者の顔情報とに基づいて観察者ごとに算出される優先度が最も高い観察者についての顔情報を用いて、前記複数種類の商品関連情報のうちの1つを選択する
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記送信情報決定部は、
前記撮像データから複数の観察者についての顔情報が得られた場合、
前記端末機器からその端末機器を保有する観察者についての個人識別情報を取得すると共に、その取得した個人識別情報を用いて、前記複数種類の商品関連情報のうちの1つを選択する
請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記送信情報決定部は、前記顔情報として、観察者の性別情報、年齢情報および表情情報のうちの少なくとも1つを用いる
請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
前記端末機器への前記商品関連情報の送信履歴を示す送信履歴情報を外部へ送信するための第1の送信部を備えた
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記実行デモモードによる表示を行うための表示部と、
前記送信情報として決定された前記商品関連情報を前記端末機器へ送信するための第2の送信部と
を備えた請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
表示部および第3の送信部を備えた外部の表示装置を用いて、前記実行デモモードによる表示を行うと共に、
前記表示装置を介して、前記送信情報として決定された前記商品関連情報の前記端末機器への送信を行う
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
コンピュータを備えた電子機器が有する商品機能を観察者に対して実演するための表示モードである1または複数種類のデモモードのうちの1つを選択し、その時点で実行されるべき実行デモモードとして決定するステップと、
前記デモモードの内容に関連する情報である1または複数種類の商品関連情報のうち、前記実行デモモードに対応する商品関連情報を、前記観察者が保有する端末機器へ送信するための送信情報として決定するステップと
を前記コンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項12】
前記端末機器への前記商品関連情報の送信履歴を示す送信履歴情報を外部へ送信するステップを、更に前記コンピュータに実行させる
請求項11に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記実行デモモードによる表示を行うステップと、
前記送信情報として決定された前記商品関連情報を前記端末機器へ送信するステップと
を更に前記コンピュータに実行させる
請求項11または請求項12に記載の情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−187032(P2011−187032A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54782(P2010−54782)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】