説明

電子機器および画像形成装置

【課題】利便性を向上させつつ、無駄な電力消費を抑制する。
【解決手段】印刷装置1は、電力を用いて印刷処理を実行する処理実行部10と、外部電源3から供給される電力を処理実行部10に供給する電力供給部20とを有する。電力供給部20は、電力供給部20への外部電源3からの電力供給が再開された場合、電力供給部20への電力供給が前回停止した際に処理実行部10への電力供給が行われていたときには、処理実行部10への電力供給を開始し、電力供給部20への電力供給が前回停止した際に処理実行部10への電力供給が行われていなかったときには、処理実行部10への電力供給を開始しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非稼働時間が一定時間を超えた場合に省電力モードに移行し、消費電力を低減する画像処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−178855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、電子機器への外部電源からの電力供給が停止した後、外部電源からの電力供給の再開に応じて電子機器が電源投入動作を行う場合(または起動する場合)、ユーザにとって利便性が高い。しかし、電力供給の再開に応じて常に電子機器が電源投入動作を行う場合(または起動する場合)、無駄な電力消費が生じる場合がある。
【0005】
本発明は、利便性を向上させつつ、無駄な電力消費を抑制することが可能な電子機器および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、電力を用いて所定の処理を実行する処理実行手段と、外部電源から供給される電力を前記処理実行手段に供給する電力供給手段であって、前記電力供給手段への前記外部電源からの電力供給が再開された場合、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていたときには、前記処理実行手段への電力供給を開始し、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていなかったときには、前記処理実行手段への電力供給を開始しない電力供給手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置は、電力を用いて画像形成処理を実行する処理実行手段と、外部電源から供給される電力を前記処理実行手段に供給する電力供給手段であって、前記電力供給手段への前記外部電源からの電力供給が再開された場合、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていたときには、前記処理実行手段への電力供給を開始し、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていなかったときには、前記処理実行手段への電力供給を開始しない電力供給手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利便性を向上させつつ、無駄な電力消費を抑制することが可能な電子機器および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1における電子機器としての印刷装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における処理実行部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1における電力供給部の具体的な構成の一例を示す回路図である。
【図4】実施の形態1における制御部の具体的な動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2における電子機器としての印刷装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2における制御部の印刷時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2における制御部の電力供給開始後の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態3における電子機器としての印刷装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】実施の形態3における電力供給部の具体的な構成の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における電子機器としての印刷装置1の構成の一例を示すブロック図である。この印刷装置1は、紙等の印刷媒体に画像を印刷する装置である。例えば、印刷装置1は、プリンタ機能、コピー機能、およびファクシミリ機能のうち、少なくとも1つの機能を有する装置である。図1の例では、印刷装置1は、上位装置(例えばホストコンピュータまたはパーソナルコンピュータ)2と通信可能に接続され、上位装置2からの印刷要求に応じて印刷を行うプリンタである。印刷装置1は、処理実行部10および電力供給部20を有する。
【0011】
処理実行部10は、電力供給部20から供給される電力を用いて所定の処理を実行する。所定の処理は、具体的には電子機器本来の処理であり、本例では画像を形成する処理(具体的には印刷処理)である。処理実行部10は、例えば電子機器の本体と呼ぶことができる。
【0012】
電力供給部20は、外部電源3から供給される電力を処理実行部10に供給する。外部電源3は、例えば商用電源である。電力供給部20は、処理実行部10に電源を投入する電源投入部とも呼べる。
【0013】
図1の例では、印刷装置1は電源部30を備えており、外部電源3からの電力は電源部30を介して電力供給部20に供給される。電源部30は、具体的には、外部電源3からの電圧(例えば交流電圧)を電力供給部20に応じた電圧(例えば直流電圧)に変換して電力供給部20に供給する回路である。
【0014】
印刷装置1は、外部電源3からの電力が電力供給部20に供給されている場合におけるモードとして、電力供給部20から処理実行部10に電力が供給されるモードである「ONモード」と、電力供給部20から処理実行部10に電力が供給されないモードである「OFFモード」とを有する。図1において、ONモードでは、処理実行部10、電力供給部20、および電源部30に電源が供給され、OFFモードでは、電力供給部20および電源部30に電源が供給される。OFFモードは、例えば、電源スイッチ(図1ではON操作受付部23)の操作を監視する部分にのみ電力供給されるモードである。OFFモードでは、印刷装置1の消費電力は例えば0.5W以下である。
【0015】
電力供給部20は、印刷装置1のモードをONモードに移行させる動作(電源投入動作)を行う。具体的には、電力供給部20は、当該電力供給部20への外部電源3からの電力供給が再開された場合、電力供給部20への電力供給が前回停止した際に処理実行部10への電力供給が行われていたときには、処理実行部10への電力供給を開始し、電力供給部20への電力供給が前回停止した際に処理実行部10への電力供給が行われていなかったときには、処理実行部10への電力供給を開始しない。すなわち、電力供給部20は、電力供給部20への電力供給が再開された場合、電力供給が前回停止した際にONモードであったときには、処理実行部10への電力供給を開始し、電力供給部20への電力供給が前回停止した際にOFFモードであったときには、処理実行部10への電力供給を開始しない。したがって、ONモード中に電力供給部20への電力供給が停止した場合には、その後電力供給が再開されたときにONモードとなり、OFFモード中に電力供給部20への電力供給が停止した場合には、その後電力供給が再開されたときにOFFモードとなる。電力供給部20への電力供給が停止した場合としては、例えば、外部電源3が停電した場合や、印刷装置1の電源ケーブルC1が外部電源3のコンセントから抜かれた場合があり、電力供給部20への電力供給が再開された場合としては、例えば、外部電源3が停電から復旧した場合や、印刷装置1の電源ケーブルC1が外部電源3のコンセントに差し込まれた場合がある。
【0016】
図1に示されるように、具体的には、電力供給部20は、状態保持部21およびスイッチ部22を含む。
【0017】
状態保持部21は、電力供給部20への電力供給が停止した際に処理実行部10への電力供給が行われていたことを示す第1の状態、または電力供給部20への電力供給が停止した際に処理実行部10への電力供給が行われていなかったことを示す第2の状態を保持する。図1では、状態保持部21は、電力を保持する電力保持部21aと、当該電力保持部21aを電源として上記第1または第2の状態を保持する自己保持回路21bとを含む電子回路である。電力保持部21aは、具体的には電池やコンデンサなどである。例えば、コンデンサの場合、数分から数日間の保持が可能であり、電池の場合、それ以上の期間の保持が可能である。
【0018】
状態保持部21の状態は、例えば処理実行部10により設定される。この場合、処理実行部10は、例えば、電力供給部20からの電力供給を停止する際に(すなわちOFFモードへ移行する際に)、状態保持部21を第2の状態に設定し、電力供給部20からの電力供給が開始された際に(すなわちONモードへ移行した際に)、状態保持部21を第1の状態に設定する。ただし、状態保持部21は、スイッチ部22からの信号やユーザからの操作などに基づいて状態が設定されるように構成されてもよい。
【0019】
スイッチ部22は、外部電源3から供給される電力を処理実行部10に対して供給または遮断するものであり、電力供給部20への電力供給が開始された場合、状態保持部21が第1の状態にあるときには、処理実行部10への電力供給を開始し、状態保持部21が第2の状態にあるときには、処理実行部10への電力供給を開始しない。スイッチ部22は、例えば、自己保持回路21bの状態に応じて、外部電源3と処理実行部10との間を電気的に接続または遮断するスイッチ素子22aを含む電子回路である。スイッチ素子22aは、外部電源3からの電力供給が開始された場合、状態保持部21が第1の状態にあるときには、外部電源3と処理実行部10との間を接続し、状態保持部21が第2の状態にあるときには、外部電源3と処理実行部10との間を遮断する。一つの態様では、スイッチ部22は、処理実行部10への電力供給を開始した場合に、当該電力供給状態を自己保持する自己保持回路22bを含む。自己保持回路22bは、例えば、スイッチ素子22aを含み、スイッチ素子22aのON状態を自己保持する回路である。外部電源3からの電力供給が停止した場合や、リセット信号(例えば電源OFF信号)が供給された場合には、自己保持回路22bの自己保持状態が解除され、スイッチ素子22aはOFF状態となる。
【0020】
電力供給部20は、一つの態様では、当該電力供給部20に電力が供給されており、処理実行部10に電力が供給されていない場合、外部からの入力に応じて、処理実行部10への電力供給を開始する。すなわち、電力供給部20は、OFFモードにおいて、外部からの入力に応じて、印刷装置1のモードをONモードへ移行させる動作(電源投入動作)を行う。本実施の形態では、電力供給部20は、上記外部からの入力としてユーザからの電源ON操作を受け付けるON操作受付部23を含み、当該ON操作受付部23により電源ON操作が受け付けられた場合に、処理実行部10への電力供給を開始する。例えば、電力供給部20は、ON操作受付部23に対する電源ON操作に応じてスイッチ素子22aがON状態となるように構成される。ON操作受付部23は、例えば、ユーザからの押下操作を受け付ける押しボタン式の電源スイッチである。
【0021】
また、電力供給部20は、処理実行部10に電力が供給されている場合、外部からの入力に応じて、処理実行部10への電力供給を停止する。すなわち、電力供給部20は、ONモードにおいて、外部からの入力に応じて、印刷装置1のモードをOFFモードへ移行させる動作(電源遮断動作)を行う。例えば、電力供給部20は、上記外部からの入力としてユーザからの電源OFF操作を受け付けるOFF操作受付部24を含み、当該OFF操作受付部24により電源OFF操作が受け付けられた場合に、処理実行部10への電力供給を停止する。例えば、処理実行部10は、OFF操作受付部24に対する電源OFF操作を検知すると、所定の終了処理を行った後、電力供給部20に電源OFF信号を出力するように構成され、電力供給部20は、処理実行部10からの電源OFF信号に応じてスイッチ素子22aがOFF状態となるように構成される。OFF操作受付部24は、例えば、ユーザからの押下操作を受け付ける押しボタン式の電源スイッチである。ON操作受付部23およびOFF操作受付部24は、同一のスイッチにより実現されてもよい。
【0022】
一つの態様では、電力供給部20は、実質的に、電源投入動作のみ、または、電源投入動作および電源遮断動作のみを行う部分である。例えば、電力供給部20は、電力供給の再開に応じて処理実行部10に電源を投入する動作、外部からの入力に応じて処理実行部10に電源を投入する動作、外部からの入力に応じて処理実行部10への電源を遮断する動作のみを行う。
【0023】
処理実行部10は、電力供給部20からの電力供給が開始されると起動する。一つの態様では、処理実行部10は、外部からの入力に応じて処理実行部10への電力供給が開始された場合と、電力供給部20への電力供給の再開に応じて処理実行部10への電力供給が開始された場合とで、互いに異なる動作モードに起動する。具体的には、処理実行部10は、動作モードとして、「通常モード」と、当該通常モードよりも消費電力の低い(消費電力を抑えた)「省電力モード」とを有し、外部からの入力に応じて電力供給が開始された場合には通常モードに起動し、電力供給部20への電力供給の再開に応じて電力供給が開始された場合には省電力モードに起動する。省電力モードでは、例えば通常モードで通電される所定の負荷(例えば定着ヒータ)に対する電力供給が停止または低減される。本態様において、処理実行部10は、例えば、状態保持部21の状態に基づいて、外部からの入力に応じて電力供給が開始されたか、または電力供給部20への電力供給の再開に応じて電力の供給が開始されたかを判断する。具体的には、処理実行部10は、状態保持部21が第1の状態にあるときには、電力供給部20への電力供給の再開に応じて電力供給が開始されたと判断して省電力モードに起動し、状態保持部21が第2の状態にあるときには、外部からの入力に応じて電力供給が開始されたと判断して通常モードに起動する。この場合、処理実行部10は、状態保持部21の状態に基づいて上記判断ができるように、状態保持部21の状態の設定を行う。例えば、処理実行部10は、電力供給部20からの電力供給が開始された際に状態保持部21を第1の状態に設定する場合、電力供給の開始後、状態保持部21の状態に基づいて動作モードを決定した後に、状態保持部21の状態を第1の状態に設定する。
【0024】
図2は、実施の形態1における処理実行部10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図2を参照しながら、印刷装置1の動作を説明する。
【0025】
ONモード中に印刷装置1への外部電源3からの電力供給が停止し、その後印刷装置1への電力供給が再開された場合、状態保持部21が第1の状態を保持していることから、スイッチ部22はON状態となり、処理実行部10への電力の供給が開始される。
【0026】
一方、OFFモード中に印刷装置1への外部電源3からの電力供給が停止し、その後印刷装置1への電力供給が再開された場合、状態保持部21が第2の状態を保持していることから、スイッチ部22はOFF状態を維持し、処理実行部10への電力の供給は開始されない。その後、OFFモード中に電源ON操作が行われると、スイッチ部22がON状態となり、処理実行部10への電力供給が開始される。
【0027】
上記のように処理実行部10への電力供給が開始されると、処理実行部10は、図2の処理を開始する。
【0028】
図2において、処理実行部10は、状態保持部21が第1の状態にあるか第2の状態にあるかを判断し(S1)、第2の状態にあると判断された場合には(S1:第2の状態)、状態保持部21を第1の状態に設定し(S2)、通常モードに起動する(S3)。通常モードでは、処理実行部10は、上位装置2からの印刷要求に応じて印刷処理を実行する。処理実行部10は、電源OFF操作を検知するまで通常モードを維持し(S4:NO)、電源OFF操作を検知すると(S4:YES)、処理をステップS8に移す。
【0029】
一方、ステップS1で第1の状態にあると判断された場合には(S1:第1の状態)、処理実行部10は、省電力モードに起動する(S5)。省電力モードでは、処理実行部10は、上位装置2からの印刷要求を受けるか、電源OFF操作を検知するまで省電力モードを維持し(S6:NO、S7:NO)、印刷要求を受けた場合には(S6:YES)、通常モードに移行して印刷処理を実行し(S3)、電源OFF操作を検知した場合には(S7:YES)、処理をステップS8に移す。
【0030】
ステップS8では、処理実行部10は、状態保持部21を第2の状態に設定する。ついで、処理実行部10は、スイッチ部22に電源OFF信号を出力する(S9)。この電源OFF信号によりスイッチ部22がOFF状態となり、処理実行部10への電力供給が停止する。
【0031】
以下、印刷装置1の構成および動作について、より具体的な例を説明する。
図1の例では、処理実行部10は、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、メモリコントローラ13、通信インタフェース14、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)15、伸張回路16、計時部17、印刷部18、および制御部19を有する。
【0032】
ROM11は、読み出し専用の不揮発性メモリであり、制御部19に実行されるプログラムを格納している。RAM12は、読み書き可能な揮発性メモリであり、上位装置2からの画像データや圧縮されたラスタデータ等のデータを一時的に記憶する。メモリコントローラ13は、ROM11およびRAM12に対するアクセスを制御する回路である。通信インタフェース14は、上位装置2と通信するためのインタフェースであり、例えばUSBインタフェースである。EEPROM15は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、省電力モード移行時間やOFFモード移行時間などのデータを記憶する。伸張回路16は、圧縮されたラスタデータを伸張して元のラスタデータを出力する回路である。計時部17は、時間を計時する回路であり、例えばリアルタイムクロック(RTC)である。印刷部18は、ラスタデータに基づいて画像を用紙に印刷する装置であり、ここでは電子写真方式を用いて印刷を行うものである。ただし、印刷部は、例えばインクジェット方式など、電子写真方式以外の印刷方式を用いるものでもよい。制御部19は、印刷装置1の動作を制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)である。具体的には、制御部19は、バスB等を介して上記各部と接続され、ROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより印刷処理等の各種処理を行う。
【0033】
ここで、印刷処理について説明する。上位装置2は、ユーザ操作に基づき、画像データを作成した後、予め決められたプリンタドライバにより画像データをプリンタ言語による印刷データに変換し、当該印刷データを印刷装置1に送信する。制御部19は、通信インタフェース14を介して上位装置2からの印刷データを受信し、RAM12に格納する。制御部19は、ROM11に格納されたエミュレーションプログラムに基づき、RAM12に格納された印刷データをラスタデータに展開し、当該ラスタデータを圧縮してRAM12に格納する。そして、制御部19は、伸張回路16に伸張開始指示を送り、印刷部18に印刷開始指示を送る。これに応じて、伸張回路16は、RAM12に格納された圧縮後のラスタデータを伸張してラスタデータを印刷部18に送り、印刷部18は、伸張回路16からのラスタデータに基づいて画像を形成して用紙に印刷する。
【0034】
上記印刷処理の他に、制御部19は、印刷装置1のモードの制御に関し、以下の処理を行う。
【0035】
制御部19は、処理実行部10への電力供給が開始された場合に、Mode信号ラインL1を介して状態保持部21の状態を示すMode信号を受信し、当該Mode信号に基づいて、通常モードおよび省電力モードのうちいずれの動作モードに起動するかを決定する。
【0036】
また、制御部19は、処理実行部10への電力供給が開始された場合に、動作モードの決定後、状態保持部21に対し、Go_ps信号ラインL2を介して、状態保持部21を第1の状態にセットするためのGo_ps信号を出力する。このGo_ps信号は、外部電源3から印刷装置1への電力供給の再開時に省電力モードに移行するという意味を持つ信号である。
【0037】
また、制御部19は、計時部17により計時された時間に基づき、通常モードにおける待機時間が予め設定された省電力モード移行時間に達した場合、印刷装置1のモードを通常モードから省電力モードへ移行させる。ここで、通常モードにおける待機時間は、例えば、通常モード移行後に印刷処理が行われていない場合には、通常モード移行時点からの経過時間であり、通常モード移行後に印刷処理が行われた場合には、最後に行われた印刷処理の終了時点からの経過時間である。
【0038】
また、制御部19は、計時部17により計時された時間に基づき、省電力モードにおける待機時間(すなわち省電力モード移行時点からの経過時間)が予め設定されたOFFモード移行時間に達した場合、印刷装置1のモードを省電力モードからOFFモードへ移行させる。制御部19は、通常モードにおける待機時間がOFFモード移行時間に達した場合、印刷装置1のモードを通常モードからOFFモードへ移行させてもよい。
【0039】
例えば、省電力モード移行時間の初期値およびOFFモード移行時間の初期値は、印刷装置1の工場出荷時に設定される。省電力モード移行時間およびOFFモード移行時間の変更は、図示しないオペレーションパネルから行われる。省電力モード移行時間の設定範囲は、例えばおよそ1分から120分までであり、OFFモード移行時間の設定範囲は、例えば1時間から12時間までである。
【0040】
また、制御部19は、OFF操作受付部24が操作されたことを検知すると、状態保持部21に対し、Go_off信号ラインL3を介して、状態保持部21を第2の状態にセットするためのGo_off信号を出力し、スイッチ部22に対し、Power_off信号ラインL4を介して、処理実行部10への電力供給を停止させるための電源OFF信号を出力する。Go_off信号は、外部電源3から印刷装置1への電力供給の再開時にOFFモードに留まるという意味を持つ信号である。
【0041】
図3は、実施の形態1における電力供給部20の具体的な構成の一例を示す回路図である。以下、図3を参照して、状態保持部21およびスイッチ部22の具体的な構成の一例を説明する。
【0042】
状態保持部21は、pチャネルFET(電界効果トランジスタ)50およびnチャネルFET51により構成される自己保持回路21bを有する。FET50のゲートは、抵抗52を介してFET51のドレインに接続されている。FET50のゲートとソースとの間には、抵抗53が接続されている。FET50のソースは、ダイオード54を介して、電源部30からの電源ライン(具体的には5V電圧ライン)VDDに接続されている。ダイオード54は、カソードがFET50に接続されるように挿入されている。また、FET50のソースは、ダイオード55および抵抗56を介して、電力保持部21aとしての電池57の正極に接続されている。ダイオード55は、カソードがFET50に接続されるように挿入されている。電池57の負極は、グランドに接続されている。FET50のソースは、抵抗58を介してFET51のゲートに接続されている。FET51のゲートは、ダイオード59を介して、状態保持部21と制御部19とを接続するGo_ps信号ラインL2に接続されている。ダイオード59は、カソードがFET51に接続されるように挿入されている。また、FET51のゲートは、nチャネルFET60のドレインに接続されている。FET60のゲートは、ダイオード61を介して、状態保持部21と制御部19とを接続するGo_off信号ラインL3に接続されている。ダイオード61は、カソードがFET60に接続されるように挿入されている。FET60のゲートとソースとの間には抵抗62が接続されており、FET60のソースはグランドに接続されている。FET51のゲートとソースとの間には抵抗63が接続されている。FET51のソースは、グランドに接続されている。FET50のドレインは、nチャネルFET64のゲートに接続されている。FET64のゲートとソースとの間には抵抗65が接続されており、FET64のソースはグランドに接続されている。FET64のドレインは、状態保持部21と制御部19とを接続するMode信号ラインL1に接続されている。また、FET64のドレインは、抵抗66を介してpチャネルFET67のゲートに接続されている。FET67のゲートとソースとの間には抵抗68が接続されており、FET67のソースは電源ラインVDDに接続されている。FET67のドレインは、状態保持部21とスイッチ部22とを接続するPs信号ラインL5に接続されている。
【0043】
スイッチ部22は、pチャネルFET70(図1のスイッチ素子22aに相当する)およびnチャネルFET71により構成される自己保持回路22bを有する。FET70のゲートは、抵抗72を介してFET71のドレインに接続されている。FET70のゲートとソースとの間には抵抗73が接続されており、FET70のソースは電源部30からの電源ラインVDDに接続されている。FET70のドレインは、抵抗74を介してFET71のゲートに接続されている。FET71のゲートは、抵抗75を介してPs信号ラインL5に接続されている。また、FET71のゲートは、nチャネルFET76のドレインに接続されている。FET76のゲートは、ダイオード77を介して、スイッチ部22と制御部19とを接続するPower_off信号ラインL4に接続されている。ダイオード77は、カソードがFET76に接続されるように挿入されている。FET76のゲートとソースとの間には抵抗78が接続されており、FET76のソースはグランドに接続されている。FET71のゲートとソースとの間には抵抗79が接続されており、FET71のソースはグランドに接続されている。FET70のドレインは、スイッチ部22と処理実行部10とを接続する電源ラインVDD_Pに接続されている。さらに、FET71のゲートは、抵抗80を介して接点81と接続されている。スイッチ部22は、操作スイッチ82を有し、この操作スイッチ82が押下されている間、接点81と、電源ラインVDDに接続されている接点83とが導通状態となり、電源ラインVDDとFET71のゲートとが接続されるように構成されている。操作スイッチ82は、図1のON操作受付部23およびOFF操作受付部24として機能する電源ON/OFFスイッチであり、例えば図示しない印刷装置1のオペレーションパネルに配置される。なお、図3には示されていないが、操作スイッチ82が押下されると、当該操作を示す信号が制御部19に供給されるように構成されている。例えば、制御部19への信号ラインと接続される接点と、電源ラインVDDと接続される接点とが設けられ、操作スイッチ82が押下されている間、両接点が導通状態となり、電源ラインVDDの電圧が上記信号ラインに印加される。
【0044】
次に、図3に示される状態保持部21の動作を説明する。
FET50および51がOFF状態にある場合に、Go_ps信号ラインL2がローレベルからハイレベル(具体的には5V)になると、FET51がON状態となり、FET51のドレイン電圧が下がり、FET50のゲート電圧が下がる。これにより、FET50がON状態となり、電源ラインVDDの電圧がFET50および抵抗58を介してFET51のゲートに再び印加され、自己保持回路21bが自己保持状態となる。すなわち、Go_ps信号は自己保持回路21bのセット信号であり、ハイレベルのGo_ps信号の供給により自己保持回路21bがセット状態(自己保持状態)となる。Go_ps信号は、通常はローレベルであり、自己保持回路21bをセットする際、制御部19により所定時間だけハイレベルとされる。なお、電源部30からの電圧供給が停止した後は、電池57の電圧により自己保持回路21bの自己保持状態が維持される。
【0045】
自己保持回路21bがセット状態にある場合、すなわちFET50および51がON状態にある場合に、Go_off信号ラインL3がローレベルからハイレベル(具体的には5V)になると、FET60がON状態となり、FET51のゲート電圧が下がり、FET51がOFF状態となる。これにより、FET51のドレイン電圧が上がり、FET50のゲート電圧が上がり、FET50がOFF状態となり、自己保持回路21bの自己保持状態が解除される。すなわち、Go_off信号は自己保持回路21bのリセット信号であり、ハイレベルのGo_off信号の供給により自己保持回路21bがリセット状態となる。Go_off信号は、通常はローレベルであり、自己保持回路21bをリセットする際、制御部19により所定時間だけハイレベルとされる。
【0046】
自己保持回路21bがセット状態にある場合、電源ラインVDDの電圧がFET50を介してFET64のゲートに印加され、FET64がON状態となり、Mode信号ラインL1がFET64を介してグランドに接続され、Mode信号はローレベルとなる。また、FET67のゲート電圧が下がり、FET67がON状態となり、電源ラインVDDの電圧がFET67を介してPs信号ラインL5に印加され、Ps信号はハイレベルとなる。
【0047】
一方、自己保持回路21bがリセット状態にある場合には、FET64がOFF状態となり、電源ラインVDDの電圧が抵抗68および66を介してMode信号ラインL1に印加され、Mode信号はハイレベルとなる。また、FET67がOFF状態となり、Ps信号ラインL5が抵抗75および79を介してグランドに接続され、Ps信号はローレベルとなる。
【0048】
このように、Mode信号およびPs信号は、自己保持回路21bの状態を示す信号である。Mode信号は、自己保持回路21bの状態を制御部19に伝達するための信号であり、ハイレベル(論理値1)のときは自己保持回路21bがリセット状態にあることを示し、ローレベル(論理値0)のときは自己保持回路21bがセット状態にあることを示す。一方、Ps信号は、自己保持回路21bの状態をスイッチ部22に伝達するための信号であり、ハイレベル(論理値1)のときは自己保持回路21bがセット状態にあることを示し、ローレベル(論理値0)のときは自己保持回路21bがリセット状態にあることを示す。すなわち、Ps信号とMode信号とは、極性が互いに反対である。
【0049】
次に、図3に示されるスイッチ部22の動作を説明する。
電源部30からの電源供給がない場合、FET70および71はOFF状態にあり、自己保持回路22bはリセット状態にあり、電源ラインVDD_Pの電圧は0Vである。
【0050】
状態保持部21の自己保持回路21bがセット状態にある場合に、電源部30からの電源供給が開始すると、電源ラインVDDの電圧(具体的には5V)がFET67を介してPs信号ラインL5に印加され、Ps信号がハイレベルとなり、FET71のゲートがハイレベルとなる。これにより、FET71がON状態となり、FET70のゲート電圧が下がり、FET70がON状態となる。これにより、電源ラインVDDがFET70を介して電源ラインVDD_Pに接続され、処理実行部10への電源供給が開始される。また、電源ラインVDDの電圧がFET70および抵抗74を介してFET71のゲートに再び印加され、自己保持回路22bが自己保持状態(セット状態)となり、処理実行部10への電源供給状態が維持される。
【0051】
状態保持部21の自己保持回路21bがリセット状態にある場合に、電源部30からの電源供給が開始したときは、Ps信号がローレベルであることから、FET71もFET70もOFF状態のままであり、自己保持回路22bはリセット状態を維持する。その後、操作スイッチ82が押下されると、電源ラインVDDの電圧が抵抗80を介してFET71のゲートに印加され、FET71がON状態となる。これにより、FET70のゲート電圧が下がり、FET70がON状態となる。これにより、電源ラインVDDがFET70を介して電源ラインVDD_Pに接続され、処理実行部10への電源供給が開始される。また、電源ラインVDDの電圧がFET70および抵抗74を介してFET71のゲートに再び印加され、自己保持回路22bが自己保持状態(セット状態)となり、処理実行部10への電源供給状態が維持される。
【0052】
スイッチ部22の自己保持回路22bがセット状態にある場合に、Power_off信号ラインL4の電源OFF信号がローレベルからハイレベル(具体的には5V)になると、FET76がON状態となり、FET71のゲート電圧が下がり、FET71がOFF状態となる。これにより、FET70のゲート電圧が上がり、FET70がOFF状態となり、電源ラインVDD_Pが0Vとなり、処理実行部10への電源供給が停止する。また、自己保持回路22bの自己保持状態が解除される。すなわち、電源OFF信号は自己保持回路22bのリセット信号であり、ハイレベルの電源OFF信号の供給により自己保持回路22bがリセット状態となる。電源OFF信号は、通常はローレベルであり、自己保持回路22bをリセットする際、制御部19により所定時間だけハイレベルとされる。
【0053】
図4は、実施の形態1における制御部19の具体的な動作の一例を示すフローチャートである。以下、図4を参照して、制御部19の動作の一例を説明する。
【0054】
制御部19は、スイッチ部22からの電源供給が開始されたことを検知すると、図4の動作を開始する。具体的には、制御部19は、処理実行部10への電源供給が開始され、図示しないリセット回路のリセット信号がインアクティブに変化したことを検出すると、図4の動作を開始する。
【0055】
制御部19は、ROM11からプログラムを読み込み、RAM12の初期化を行い(S101)、通信インタフェース14の初期化を行う(S102)。具体的には、制御部19は、USBデバイスの制御ICのレジスタ設定を行う。
【0056】
ついで、制御部19は、Mode信号のチェックを行い(S103)、Mode信号がハイレベル(論理値1)である場合には(S103:“1”)、処理をステップS104に移行させ、Mode信号がローレベル(論理値0)である場合には(S103:“0”)、処理をステップS108に移行させる。ここで、Mode信号のハイレベルは、前回処理実行部10への電源供給が正常終了したこと(具体的には、前回電源OFF操作により処理実行部10への電源供給が遮断されたこと)を示し、Mode信号のローレベルは、前回処理実行部10への電源供給が異常終了したこと(具体的には、前回ONモード中に停電等により処理実行部10への電源供給が遮断されたこと)を示す。
【0057】
ステップS104では、制御部19は、状態保持部21の自己保持回路21bをセットするために、Go_ps信号を所定時間だけハイレベルにする。
【0058】
ついで、制御部19は、印刷部18の初期化を行う(S105)。具体的には、制御部19からの指示に基づき、印刷部18は、ヒータ(例えば定着器のヒータ)の通電および制御を開始し、モータの初期動作を行う。
【0059】
そして、制御部19は、印刷装置1の動作モードを通常モードにする(S106)。この通常モードでは、印刷部18は、ヒータ制御を行い、印刷可能状態を維持し、印刷要求に応じて印刷処理を実行する。
【0060】
ついで、制御部19は、モードの変更に関する判断を行う(S107)。具体的には、制御部19は、通常モードにおける待機時間が所定の省電力モード移行時間に達したと判断した場合には(S107:省電力移行)、処理をステップS108へ移行させる。制御部19は、操作スイッチ82が押されたか、または、通常モードにおける待機時間が所定のOFFモード移行時間に達したと判断した場合には(S107:POWER OFF)、処理をステップS110に移行させる。制御部19は、モードを変化させる事象が発生しなかったと判断した場合には(S107:NO)、処理をステップS106に戻す。
【0061】
ステップS108では、制御部19は、印刷装置1の動作モードを省電力モードにする。この省電力モードは、ヒータの通電および制御を行わない点や、使用していない回路へのクロック供給を行わない点などで、通常モードと異なる。省電力モードでは、印刷装置1は、通常モード時と比較して省電力状態になる。
【0062】
ついで、ステップ109では、制御部19は、モードの変更に関する判断を行う。具体的には、制御部19は、通信インタフェース14から印刷データを受信したと判断した場合には(S109:印刷)、処理をステップS105へ移行させる。制御部19は、操作スイッチ82が押されたか、または、省電力モードにおける待機時間が所定のOFFモード移行時間に達したと判断した場合には(S109:POWER OFF)、処理をステップS110へ移行させる。制御部19は、モードを変化させる事象が発生しなかったと判断した場合には(S109:NO)、処理をステップS108に戻す。
【0063】
ステップS110では、制御部19は、状態保持部21の自己保持回路21bをリセットするために、Go_off信号を所定時間だけハイレベルにする。
【0064】
ついで、ステップS111では、制御部19は、スイッチ部22の自己保持回路22bをリセットし、処理実行部10への電源供給を停止させるために、電源OFF信号を所定時間だけハイレベルにし、処理を終了させる。
【0065】
以上のように状態保持部21、スイッチ部22、および制御部19が動作することにより、電力供給再開時の印刷装置1の動作は、以下の通りとなる。
【0066】
OFFモード中に外部電源3から印刷装置1への電力供給が停止し、その後、外部電源3からの電力供給が再開された場合、状態保持部21の自己保持回路21bはリセット状態であり、Ps信号はローレベルであり、FET70はOFF状態を維持し、処理実行部10への電力供給は開始されない。すなわち、印刷装置1はOFFモードに留まる。その後、操作スイッチ82が押下されると、FET70がON状態となり、処理実行部10への電力供給が開始される。処理実行部10の制御部19は、電力供給の開始を検知すると、初期動作を行った後、Mode信号がハイレベルであることを検出し、印刷部18の初期化を行って、通常モードに移行する。
【0067】
一方、ONモード(省電力モードまたは通常モード)中に外部電源3から印刷装置1への電力供給が停止し、その後、外部電源3からの電力供給が再開された場合、状態保持部21の自己保持回路21bがセット状態であることから、Ps信号はハイレベルとなり、FET70がON状態となり、処理実行部10への電力供給が開始される。すなわち、印刷装置1はONモードに移行する。処理実行部10の制御部19は、電力供給の開始を検知すると、初期動作を行った後、Mode信号がローレベルであることを検出し、印刷部18の初期化を行わず、省電力モードに移行する。
【0068】
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(10)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、電子機器は、電力を用いて所定の処理を実行する処理実行部と、外部電源から供給される電力を処理実行部に供給する電力供給部とを有し、電力供給部は、電力供給部への外部電源からの電力供給が再開された場合、電力供給部への電力供給が前回停止した際に処理実行部への電力供給が行われていたときには、処理実行部への電力供給を開始し、電力供給部への電力供給が前回停止した際に処理実行部への電力供給が行われていなかったときには、処理実行部への電力供給を開始しない。このため、本実施の形態によれば、利便性を向上させつつ、無駄な電力消費を抑制することが可能となる。
【0069】
具体的には、処理実行部への電力供給が行われていたときに電子機器への電力供給が停止した場合、電子機器への電力供給の再開に応じて、電力供給部により処理実行部への電力供給が開始される。すなわち、電力供給の再開に応じて、電力供給部が電源投入動作を行う。このため、ユーザが電源投入操作を行う必要がなくなり、ユーザの利便性が向上する。また、処理実行部は、電子機器への電力供給の再開後、速やかに起動することが可能となり、これにより、停電等による電子機器の動作停止期間を短くすることが可能となる。例えば、電子機器が外部装置から情報を受信する機能(例えばファクシミリ機能)を有する場合には、停電等による受信不能期間を短くすることが可能となる。
【0070】
一方、処理実行部への電力供給が行われていなかったときに電子機器への電力供給が停止した場合には、電子機器への電力供給が再開されたとき、電力供給部による処理実行部への電力供給は開始されない。このため、電力供給の再開に応じて常に処理実行部への電力供給が開始される場合と比較して、無駄な電力消費を抑制することができる。具体的には、もともと処理実行部への電力供給が行われていなかった場合には、電子機器への電力供給が停止し再開されたとき、処理実行部への電力供給を開始する必要はなく、処理実行部への電力供給を開始すると無駄な電力消費(例えばユーザの意図しない電源投入動作や起動のための電力消費)が生じることが考えられる。例えば、無駄な電力消費として、ユーザの意図しない電源投入動作のための電力消費や、電源供給状態を維持するための電力供給部における電力消費、ユーザの意図しない起動のための処理実行部における電力消費などが生じることが考えられる。本実施の形態によれば、このような無駄な電力消費を回避または軽減することが可能となる。
【0071】
また、ユーザが意図していないのに(例えばユーザが電源ON操作していないのに)起動してしまうといった奇異な動作をなくすことが可能となる。
【0072】
また、電力供給の再開に応じて常に処理実行部への電力供給が開始される構成では、電子機器が複数台ある場合、電力供給が再開された際に、複数台の電子機器が一斉に起動してピーク電力が過大となる可能性がある。本実施の形態によれば、このような事態の発生を回避または軽減することが可能となる。
【0073】
ところで、外部電源が停電した場合に制御部が停電時の動作モードを不揮発性の記憶部に書き込んでおき、停電が復旧した際に、制御部が記憶部から動作モードを読み出し、元の動作モードに戻る構成も考えられる。しかし、当該構成では、記憶部から動作モードを読み出すために、制御部に電力を供給して制御部を起動する必要がある。このため、OFFモード中に停電した場合、停電が復旧した際にOFFモードを維持することが望ましいが、上記構成ではいったん制御部が起動するため、起動のための電力が消費されてしまう。また、ユーザにとっては、意図せず装置が起動したように見えてしまう。さらに、上記構成を有する複数の電子機器が存在する場合、停電からの回復後、当該複数の電子機器が一斉に電力を消費し、ピーク電力が過大となる。急激な電流増加は保安装置を働かせる可能性があり、保安装置が働いてしまうと復旧が困難となる。
【0074】
(2)電力供給部は、電力供給部への電力供給が停止した際に処理実行部への電力供給が行われていたことを示す第1の状態、または電力供給部への電力供給が停止した際に処理実行部への電力供給が行われていなかったことを示す第2の状態を保持する状態保持部と、外部電源から供給される電力を処理実行部に対して供給または遮断するスイッチ部であって、電力供給部への電力供給が開始された場合、状態保持部が第1の状態にあるときには、処理実行部への電力供給を開始し、状態保持部が第2の状態にあるときには、処理実行部への電力供給を開始しないスイッチ部と、を含む。本態様によれば、電力供給部を簡易な構成で実現することができ、電力供給部の消費電力を抑えることができる。
【0075】
(3)状態保持部は、電力を保持する電力保持部と、当該電力保持部を電源として第1または第2の状態を保持する自己保持回路とを含み、スイッチ部は、自己保持回路の状態に応じて、外部電源と処理実行部との間を電気的に接続または遮断するスイッチ素子を含む。本態様によれば、少量のまたは簡易な電子部品により電力供給部を構成することが可能となり、電力供給部の構成の簡易化や消費電力の抑制をより一層図ることができる。
【0076】
(4)スイッチ部は、処理実行部への電力供給を開始した場合に、当該電力供給状態を自己保持する自己保持回路を含む。本態様によれば、電力供給状態を維持することができ、例えばスイッチ部の電力供給状態を維持しながら、状態保持部の状態を変更することが可能となる。
【0077】
(5)電力供給部は、当該電力供給部に電力が供給されており、処理実行部に電力が供給されていない場合、外部からの入力に応じて、処理実行部への電力供給を開始する。本態様によれば、外部からの入力に応じて処理実行部への電力供給を開始する場合に、電力供給の再開に応じて処理実行部への電力供給を開始するための電力供給部の構成を利用すること(具体的には部品の共用)が可能となる。
【0078】
(6)電力供給部は、上記外部からの入力としてユーザからの操作を受け付ける操作受付部を含み、当該操作受付部により上記操作が受け付けられた場合に、処理実行部への電力供給を開始する。本態様によれば、電力供給の再開に応じて処理実行部への電力供給を開始するための構成を利用しながら、ユーザからの操作に応じて処理実行部への電力供給を開始することが可能となる。
【0079】
(7)処理実行部は、外部からの入力に応じて電力供給が開始された場合と、電力供給部への電力供給の再開に応じて電力供給が開始された場合とで、互いに異なる動作モードに起動する。本態様によれば、それぞれの場合に応じた動作モードに起動することが可能となる。
【0080】
(8)処理実行部は、動作モードとして、通常モードと、当該通常モードよりも消費電力の低い省電力モードとを有し、外部からの入力に応じて電力供給が開始された場合には通常モードに起動し、電力供給の再開に応じて電力の供給が開始された場合には省電力モードに起動する。本態様によれば、電力供給の再開に応じて電力供給が開始された場合(ユーザの意図によらずに電力供給が開始された場合)に、消費電力を抑えることができる。具体的には、ユーザの知らない間に多くの電力が消費されることを回避または軽減することができる。
【0081】
(9)上記(7)または(8)において、処理実行部は、状態保持部の状態に基づいて、外部からの入力に応じて電力供給が開始されたか、または電力供給部への電力供給の再開に応じて電力の供給が開始されたかを判断する。本態様によれば、上記判断に状態保持部を利用することにより、構成の簡易化が可能となる。
【0082】
なお、上記の説明では、電力供給部への電力供給の再開に応じて電力の供給が開始された場合に省電力モードに起動する場合を例示したが、通常モードに起動する構成とされてもよい。
【0083】
また、図3では、状態保持部21の自己保持回路21bに外部電源3からの電力を供給する構成を例示したが、自己保持回路21bへの外部電源3からの電力供給は省略されてもよい。すなわち、印刷装置1への電力供給の有無にかかわらず、自己保持回路21bの自己保持状態が電池55のみにより保持される構成であってもよい。
【0084】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2における電子機器としての印刷装置5の構成の一例を示すブロック図である。この印刷装置5は、実施の形態1のものと殆ど同じであるので、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0085】
本実施の形態では、図5に示されるように、処理実行部10は、記憶装置40をさらに有する。この記憶装置40は、具体的には不揮発性のメモリであり、ここではSDカードである。ただし、記憶装置40は、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトフラッシュ(CF:登録商標)などでもよい。
【0086】
処理実行部10は、実行中の処理に関する情報を記憶装置40に記憶させ、処理実行部10への電力供給が開始された場合、記憶装置40に実行中の処理に関する情報が記憶されているとき、当該情報を用いて当該処理を実行する。したがって、処理実行部10により処理が実行されている最中に停電等で処理実行部10への電力供給が停止した場合、停電の復旧等により処理実行部10への電力供給が再開されたとき、処理実行部10は、記憶装置40に記憶されている情報を用いて、停電等で中断した処理を行う。記憶装置40に記憶される情報は、電力供給の停止により中断した処理を行うための情報であり、例えば、実行中の処理の経過を示す経過情報や、実行中の処理の処理対象の情報などである。ここでは、記憶装置40に記憶される情報は、実行中の印刷処理の経過を示す経過情報と、実行中の印刷処理における印刷対象の印刷データとを含む。
【0087】
図6は、実施の形態2における制御部19の印刷時の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図6を参照して、制御部19の印刷時の動作を説明する。図6の動作は、通常モードにおいて実行される。
【0088】
制御部19は、通信インタフェース14から印刷データを受信すると(S201)、当該印刷データを記憶装置40に格納する(S202)。
【0089】
ついで、制御部19は、上記印刷データの1ページを印刷し(S203)、印刷データの最終ページが印刷されたか否かを判断する(S204)。
【0090】
そして、最終ページが印刷されたと判断された場合(S204:YES)、制御部19は、処理をステップS206へ移行させる。そうでなければ(S204:NO)、制御部19は、実行中の印刷処理の経過情報を記憶装置40に記録し(S205)、処理をステップS203に戻し、次の1ページの印刷を行う。ここでは、制御部19は、経過情報として、印刷済みのページ数またはページ番号(すなわちどのページの印刷が完了したかを示す情報)を記録する。制御部19は、印刷済みのページ数を印刷中の印刷データのファイル名と対応付けて記録してもよい。
【0091】
ステップS206では、制御部19は、ステップS202で記憶装置40に格納された印刷データを削除し、処理を終了させる。なお、印刷処理が終了した場合、制御部19は、印刷が完了した旨を経過情報に記録してもよいし、経過情報を削除してもよい。
【0092】
図7は、実施の形態2における制御部19の電力供給開始後の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図7を参照して、制御部19の電力供給開始後の動作を説明する。図7の動作は、処理実行部10への電力供給が開始されると実行される。図7の動作は、実施の形態1における図4の動作と殆ど同じであるが、図7のステップS130,S160がそれぞれ図4のステップS103,S106と異なる。
【0093】
ステップS130では、制御部19は、Mode信号および記憶装置40の経過情報のチェックを行う。そして、制御部19は、Mode信号がハイレベル(論理値1)である場合には(S130:“1”)、処理をステップS104に移行させる。また、制御部19は、Mode信号がローレベル(論理値0)である場合でも、記憶装置40に印刷中の印刷データが残されていると判断したときには(S130:“1”)、処理をステップS104に移行させる。一方、Mode信号がローレベルであり、記憶装置40に印刷中の印刷データがないと判断したときには(S130:“0”)、処理をステップS108に移行させる。
【0094】
ステップS160では、制御部19は、図6の動作を実行する。すなわち、制御部19は、印刷処理を実行する場合に、実行中の印刷処理に関する情報を記憶装置40に記憶させる。また、ステップS130において記憶装置40に印刷中の印刷データが残されていると判断された場合には、ステップS105の印刷部の初期化の終了後、制御部19は、残されている印刷中の印刷データの印刷を再開する。具体的には、制御部19は、記憶装置40に記録されている経過情報に基づき、印刷データのうち未印刷のページの印刷を行う。より具体的には、制御部19は、図6の動作をステップS203から開始する。このとき、制御部19は、記憶装置40に記録されている印刷済みのページ数に基づき、印刷済みの最後のページの次のページから印刷を開始する。すなわち、停電等による電力供給の停止により印刷処理が中断した場合、停電の復旧等により電力供給が再開されたとき、制御部19は、ユーザの操作によらず(自動的に)、中断時点の状態から印刷処理を再開する。なお、制御部19は、電力供給の再開後、自動的に印刷処理を再開するのではなく、ユーザからの印刷指示に応じて印刷処理を再開してもよい。
【0095】
以上説明した本実施の形態2によれば、下記(10)の効果が得られ得る。
(10)処理実行部は、実行中の処理に関する情報を記憶装置に記憶させ、処理実行部への電力供給が開始された場合、記憶装置に実行中の処理に関する情報が記憶されているとき、当該情報を用いて当該処理を実行する。このため、処理の実行中に停電等により処理実行部への電力供給が停止した場合に、その後処理実行部への電力供給が再開された際に、記憶装置の情報を用いて実行中に中断した処理を実行することが可能となる。
【0096】
具体的には、処理対象の情報を記憶装置に記憶させておく場合、処理対象の情報を電子機器に再度供給する必要がなくなり、利便性が向上する。また、処理の経過情報を記憶装置に記憶させておく場合、中断した位置から処理を再開することが可能となり、最初から処理を行う場合と比較して、電力や紙等の資源の消費量や、ユーザの作業時間を低減することが可能となる。例えば、数十MBあるいは数千ページの印刷データを印刷している最中に停電等の不意の電源断があると、大量の印刷データを再度印刷することになり不便であったが、本実施の形態によれば、このような問題を回避または軽減することが可能となる。
【0097】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3における電子機器としての印刷装置8の構成の一例を示すブロック図である。この印刷装置8は、実施の形態1のものと殆ど同じであるので、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0098】
本実施の形態では、電力供給部20は、外部からの入力として外部装置からの信号を受信する受信部90を含み、当該受信部90により上記信号が受信された場合に、処理実行部10への電力供給を開始する。具体的には、電力供給部20は、外部装置が所定の状態にあることを示す信号を受信すると、電力供給を開始する。所定の状態としては、例えば、電源ON状態、動作状態、通信可能状態などがある。
【0099】
一つの態様では、外部装置からの信号が受信された場合に処理実行部10への電力供給が開始された場合、処理実行部10は通常モードに起動する。ただし、処理実行部10は省電力モードに起動してもよい。
【0100】
図8の例では、電力供給部20の受信部90は、信号ラインL6を介して、外部装置としての上位装置2と接続されている。通信インタフェース14は、通信ケーブルC2を介して上位装置2と接続されている。ここでは、通信ケーブルC2は、USBケーブルであり、データ信号であるD+信号およびD−信号を伝送するD+ラインおよびD−ラインと、グランド(GND)ラインと、VBUS信号を伝送するVBUSラインとを含む。VBUS信号は、通信開始を示す信号であり、上位装置2がON状態になるとハイレベル(具体的には5V)となり、OFF状態になるとローレベル(具体的には0V)になる。USBケーブルC2を印刷装置8または上位装置2のUSBコネクタから抜いた場合も、VBUS信号はローレベルとなる。信号ラインL6は、通信ケーブルC2のVBUSラインに接続されている。
【0101】
図9は、実施の形態3における電力供給部20の具体的な構成の一例を示す回路図である。図9では、状態保持部21の図示は省略されている。
【0102】
電力供給部20の受信部90において、信号ラインL6は、ダイオード91を介してPs信号ラインL5と接続されている。ダイオード91は、カソードがPs信号ラインL5に接続されるように挿入されており、VBUS信号がローレベルのときに電流が逆流するのを防ぐためのものである。図9の回路では、FET70および71がOFF状態の場合に、VBUS信号がローレベルからハイレベルに切り替わると、ハイレベルの電圧が抵抗75を介してFET71のゲートに印加され、FET71がON状態となり、FET70がON状態となる。すなわち、スイッチ部22がON状態となる。
【0103】
以下、図8、9を参照しながら、実施の形態3における印刷装置8の動作の一例を説明する。
【0104】
停電によって外部電源3から印刷装置8および上位装置2への電力供給が停止し、その後、停電が復旧し、印刷装置8および上位装置2への電力供給が再開されたものとする。また、停電時において印刷装置8はOFFモードであったものとする。
【0105】
上記の場合、印刷装置8への電力供給が再開されたとき、状態保持部21の自己保持回路21bはリセット状態であり、処理実行部10への電力供給は直ちには開始されない。
【0106】
停電復旧後、上位装置(例えばパーソナルコンピュータ)2に対してユーザにより電源投入操作(例えば電源スイッチの押下)が行われると、上位装置2は、初期動作を行いOS(Operation System)が立ち上がる。その際、USBインタフェースのドライバも初期化され、通信可能状態になり、VBUS信号がローレベルからハイレベルになる。これにより、印刷装置8のスイッチ部22がON状態となり、電源ラインVDDがFET70を介して電源ラインVDD_Pに接続され、処理実行部10への電力供給が開始される。
【0107】
処理実行部10への電力供給が開始されると、制御部19は図示しないリセット回路のリセット信号がインアクティブに変化したことを検出し、動作を開始する。そして、制御部19は、通信インタフェース14を介して、VBUS信号がハイレベルになっていることを検出すると、印刷部18の初期化を行う。具体的には、印刷部18は、制御部19からの指示に基づき、ヒータの通電および制御を開始し、モータの初期動作を行う。初期化処理が完了すると、印刷装置8は通常モードとなる。その後、印刷装置8は、上位装置2から印刷データを受信すると、当該印刷データの印刷を行う。
【0108】
このように、印刷装置8は、上位装置2の状態に連動して動作する。具体的には、電力供給部20は、上位装置2の状態(例えば電源状態)を検出し、上位装置2が所定の状態(例えば電源ON状態または動作状態)にあるとき、処理実行部10への電力供給を開始する。そして、処理実行部10は、電力供給が開始されると通常モードに起動する。
【0109】
以上説明した本実施の形態3によれば、下記(11)の効果が得られ得る。
(11)電力供給部は、外部からの入力として外部装置からの信号を受信する受信部を含み、当該受信部により上記信号が受信された場合に、処理実行部への電力供給を開始する。このため、外部装置の状態や動作に応じて、処理実行部への電力供給を開始することが可能となる。これにより、処理実行部は、外部装置の状態や動作(例えば起動)に応じて、速やかに起動または通常モードに移行することが可能となる。また、例えば、上位装置の起動に応じて印刷装置が通常モードに起動する構成によれば、印刷データが上位装置にあり、印刷装置に未送信の場合でも、上位装置の起動に応じて印刷装置が通常モードになるので、作業性の向上が期待できる。
【0110】
なお、上記の説明では、印刷装置を例示したが、電子機器は、印刷装置に限られず、他の種類の画像形成装置(画像を形成する処理を実行する装置)であってもよいし、画像形成処理以外の処理を実行する装置であってもよい。
【0111】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。例えば、印刷装置は、ONモード中に停電等により外部電源からの電力供給が停止した場合、当該停止時点での(通常モードまたは省電力モードにおける)待機時間を保持しておき、停電の復旧等により外部電源からの電力供給が再開されたとき、保持されている待機時間から(すなわち保持されている待機時間を初期値として)待機時間の計時(カウント)を開始してもよい。
【符号の説明】
【0112】
1,5,8 印刷装置(電子機器)、 2 上位装置(外部装置)、 3 外部電源、 10 処理実行部、 20 電力供給部、 21 状態保持部、 21a 電力保持部、 21b 自己保持回路、 22 スイッチ部、 22a スイッチ素子、 22b 自己保持回路、 23 ON操作受付部、 24 OFF操作受付部、 40 記憶装置、 90 受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を用いて所定の処理を実行する処理実行手段と、
外部電源から供給される電力を前記処理実行手段に供給する電力供給手段であって、前記電力供給手段への前記外部電源からの電力供給が再開された場合、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていたときには、前記処理実行手段への電力供給を開始し、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていなかったときには、前記処理実行手段への電力供給を開始しない電力供給手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電力供給手段は、
前記電力供給手段への電力供給が停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていたことを示す第1の状態、または前記電力供給手段への電力供給が停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていなかったことを示す第2の状態を保持する状態保持手段と、
前記外部電源から供給される電力を前記処理実行手段に対して供給または遮断するスイッチ手段であって、前記電力供給手段への電力供給が開始された場合、前記状態保持手段が前記第1の状態にあるときには、前記処理実行手段への電力供給を開始し、前記状態保持手段が前記第2の状態にあるときには、前記処理実行手段への電力供給を開始しないスイッチ手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記状態保持手段は、電力を保持する電力保持手段と、当該電力保持手段を電源として前記第1または第2の状態を保持する自己保持回路と、を含み、
前記スイッチ手段は、前記自己保持回路の状態に応じて、前記外部電源と前記処理実行手段との間を電気的に接続または遮断するスイッチ素子を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記スイッチ手段は、前記処理実行手段への電力供給を開始した場合に、当該電力供給状態を自己保持する自己保持回路を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電力供給手段は、当該電力供給手段に電力が供給されており、前記処理実行手段に電力が供給されていない場合、外部からの入力に応じて、前記処理実行手段への電力供給を開始することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記電力供給手段は、前記外部からの入力としてユーザからの操作を受け付ける操作受付手段を含み、当該操作受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記電力供給を開始することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電力供給手段は、前記外部からの入力として外部装置からの信号を受信する受信手段を含み、当該受信手段により前記信号が受信された場合に、前記電力供給を開始することを特徴とする請求項5または6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記処理実行手段は、前記外部からの入力に応じて電力供給が開始された場合と、前記電力供給手段への電力供給の再開に応じて電力供給が開始された場合とで、互いに異なる動作モードに起動することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記処理実行手段は、動作モードとして、通常モードと、当該通常モードよりも消費電力の低い省電力モードとを有し、前記外部からの入力に応じて電力供給が開始された場合には前記通常モードに起動し、前記電力供給の再開に応じて電力の供給が開始された場合には前記省電力モードに起動することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記処理実行手段は、実行中の処理に関する情報を記憶手段に記憶させ、前記処理実行手段への電力供給が開始された場合、前記記憶手段に前記実行中の処理に関する情報が記憶されているとき、当該情報を用いて当該処理を実行することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電子機器。
【請求項11】
電力を用いて画像形成処理を実行する処理実行手段と、
外部電源から供給される電力を前記処理実行手段に供給する電力供給手段であって、前記電力供給手段への前記外部電源からの電力供給が再開された場合、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていたときには、前記処理実行手段への電力供給を開始し、前記電力供給手段への電力供給が前回停止した際に前記処理実行手段への電力供給が行われていなかったときには、前記処理実行手段への電力供給を開始しない電力供給手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−218321(P2012−218321A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87308(P2011−87308)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】