電子機器および画像形成装置
【課題】低消費電力モード設定を過去の使用実績から自動でカスタマイズする装置において、ユーザーが容易に消費電力削減量を知りつつ、業務に支障が無い、納得できる利便性を保つことができる電子機器を提供する。
【解決手段】2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器1であって、低消費電力モード動作設定部2と、消費電力測定部3と、消費電力履歴記憶部6と、動作状態履歴記憶部5と、一つ以上の低消費電力モード設定候補と、その設定での消費電力値を算出する低消費電力モード動作設定情報算出部7と、算出部7によって算出された低消費電力モード設定候補からいずれかを選択する選択部8と、選択部8によって選択された低消費電力モード設定情報を、低消費電力モード動作設定部2に設定可能な機能を備える。
【解決手段】2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器1であって、低消費電力モード動作設定部2と、消費電力測定部3と、消費電力履歴記憶部6と、動作状態履歴記憶部5と、一つ以上の低消費電力モード設定候補と、その設定での消費電力値を算出する低消費電力モード動作設定情報算出部7と、算出部7によって算出された低消費電力モード設定候補からいずれかを選択する選択部8と、選択部8によって選択された低消費電力モード設定情報を、低消費電力モード動作設定部2に設定可能な機能を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力を抑えて省エネルギーを実現する電子機器および電子機器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置を初めとした電気製品において、近年は環境負荷への意識の高まりを受け、省エネルギー、省消費電力が製品のセールスポイントの一つとなっており、ユーザーが不便を感じない範囲で可能な限り消費電力を抑えて装置を使用可能であることが望まれている。
【0003】
例えば、動作中においても、装置内の分割された各制御ブロックを非活電にする、または処理能力を落とすなどして消費電力量を抑える低消費電力モードを備え、ある一定期間装置が使用されない場合、低消費電力モードに切り替わる技術が考えられ、既に知られている。
【0004】
また、個々のユーザーが通常動作モードから低消費電力モードに移行する時間を設定する技術や、ユーザーに合わせて自動に通常動作モードや低消費電力モードでの活電構成や設定をカスタマイズする技術が考えられ、既に知られている。
【0005】
特許文献1には、資源使用量の目標量を確実に達成する目的で、現在の使用状況から目標期間の終了時点での使用量を予測し、このままでは資源使用目標を上回る予測結果だった場合に省エネ移行時間や使用可能機能、ジョブモード変更をユーザーに促すことによって目標資源使用量を達成させる構成が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、無駄な消費電力を削減し、エネルギー消費効率の向上を図る目的で、過去の電力量使用実績より、ある程度ジョブが蓄積してから印刷動作を行う制御を初めとしたエネルギー消費効率を優先させるモードと、生産性を優先させるモードを備え、どちらの優先モードで印刷動作を行うか選択可能な構成が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献3には、利用者の利便性を維持しながら、電力削減目標値を達成させる目的で、過去の使用実績と予め設定された電力削減目標値から各制御時間の低消費電力モード設定を新規で算出し、既存の低消費電力モード設定を更新する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、今までの低消費電力モード移行方法では、実際にどの程度の節電が達成されるかがユーザーには分からないという問題があった。
【0009】
また、特許文献1,3は、低消費電力モード設定は、目標値に依存するため実際の利便性の変化は使用してみないと分からない、つまり実際に高い目標値を掲げた際に期待と反する動作が行われる可能性がある、業務に支障をきたす可能性があるという問題があった。
【0010】
また、特許文献2は、期待と反する動作が行われる可能性があり、業務に支障をきたす可能性があるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低消費電力モード設定を過去の使用実績から自動でカスタマイズする装置において、ユーザーが容易に消費電力削減量を知りつつ、業務に支障が無い、納得できる利便性を保つことができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0013】
本発明に係る電子機器は、2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器であって、低消費電力モードでの装置内の各箇所の機能、状態を変更可能な低消費電力モード設定手段と、装置の消費電力を測定する消費電力測定手段と、過去の消費電力履歴データを格納するための消費電力履歴記憶手段と、過去の動作状態履歴データを格納するための動作状態履歴記憶手段と、ある一定期間の前記消費電力履歴データと動作状態履歴データから、ユーザーの利便性に合わせた一つ以上の低消費電力モード設定候補と、その設定での消費電力値を算出する低消費電力モード設定情報算出手段と、前記算出部によって算出された低消費電力モード設定候補からいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された低消費電力モード設定情報を、前記低消費電力モード設定手段に設定可能な機能を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、過去の装置内の各箇所の消費電力、動作状況から節電可能値、設定を算出し、それに伴う動作の変化と共に複数の組み合わせを選択する機能を持つので、低消費電力モード動作設定を過去の使用実績からカスタマイズする装置において、ユーザーが容易に消費電力削減量を知りつつ、業務に支障が無い程度の納得できる利便性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る電子機器内の機能ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るハードウェアの構成図である。
【図3】本実施形態に係るスキャナ動作設定による電力削減例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る利便性比を用いたスキャナとプリンタ動作の電力削減例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る電力削減効果を示す図である。
【図6】本実施形態に係るスキャナ省エネ移行時間設定による電力消費削減量例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る時間帯ごとの動作回数例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る各電源に関して測定部を設ける構成図である。
【図9】本実施形態に係る動作設定情報選択を行う構成の機能ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る低消費電力モード設定候補示す図である。
【図11】本実施形態に係る電子機器内の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態について図面により詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電子機器内の機能ブロック図である。本発明は、2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器1が、低消費電力モード動作設定部2と消費電力測定部3と電子機器機能部4と動作状態履歴記憶部5と消費電力履歴記憶部6と低消費電力モード動作設定情報算出部7と低消費電力モード動作設定情報選択部8とを有していることが特徴である。
【0018】
低消費電力モード動作設定部2は、電子機器内の全てまたは各箇所の低消費電力モード動作時の動作設定を行う機能部である。消費電力測定部3は、電子機器内の全てまたは各箇所の消費電力を測定する機能部である。電子機器機能部4は、電子機器本来の機能部である。動作状態履歴記憶部5は、電子機器機能部の過去の動作状態を記憶する機能部である。消費電力履歴記憶部6は、消費電力測定部の過去の測定結果を記憶する機能部である。
【0019】
低消費電力モード動作設定情報算出部7は、動作状態履歴と消費電力履歴よりユーザーの使用傾向や予め設定した制約などを利用し、ユーザーにとって利便性の高いと思われる低消費電力動作モードの設定情報の候補を1つ以上算出する機能部である。低消費電力モード動作設定情報選択部8は、低消費電力モード動作設定情報算出部7により算出された低消費電力モード動作の設定情報の候補から、最も適した設定情報を選択する機能部である。
【0020】
図1内の機能をそれぞれ詳細に記述する。上記の消費電力測定部3は、電流検出機能と測定した消費電力値を消費電力履歴記憶部6へ出力する機能を有する。電流検出機能は、電源ラインに電流センサと電流センサ読み取り部を備えても良いし、単に抵抗器とその両端の電圧読み取り部を備えても良い。電流検出機能より検出された電流と、その電源ラインの電圧値を乗算することにより電力を求めることができる(直流電源の場合)。タイマー部で、ある一定期間の時間を計測し、その間の平均消費電力値を計算し、消費電力履歴記憶部6へ出力する。
【0021】
上記の消費電力履歴記憶部6は、機器全体の電源が遮断されても情報が保持できる不揮発メモリ(例えばHDDやROM)が好ましい。この消費電力履歴記憶部6にて過去の消費電力量を記憶し、設定された時間間隔、若しくはユーザーからの要求があった際に低消費電力モード設定情報算出部7へと消費電力履歴を出力する。
【0022】
上記の低消費電力モード動作設定部2は、低消費電力モード時の電子機器機能部4の各制御ブロックでの動作・機能の設定を行う機能を有する。ここでの動作・機能の設定とは、例えば、以下の様なものが考えられる。
【0023】
通常動作モードから省エネモードへの移行時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所のセンサ・スイッチへのポーリング間隔時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所の動作電圧設定、低消費電力モード時の機器各箇所の電源の供給・非供給設定、低消費電力モード時の機器各箇所の電流設定、低消費電力モード時の機器各箇所のクロック周波数設定、以上の全ての組み合わせ設定である。
【0024】
上記の電子機器機能部4は、電子機器本来の機能を成す部分であり、画像形成装置であればプロッタ、スキャナ、コントローラやそれに伴う各ハードウェア・ソフトウェアなどがある。これらの部分は、それぞれ低消費電力モードを持っており、上記低消費電力モード設定部2により設定された動作・機能により制御される。
【0025】
動作状態履歴記憶部5は、上記電子機器機能部4の動作状態をソフトウェアのログ収集やハードウェアでの活電回数、動作回数を記憶する部分であり、設定された時間間隔、若しくはユーザーからの要求があった際に、低消費電力モード設定情報算出部7へと動作状態履歴を出力する。これも機器全体の電源が遮断されても情報が保持できる不揮発メモリ(例えばHDDやROM)が好ましい。
【0026】
低消費電力モード動作設定情報算出部7は、上記消費電力履歴記憶部6と動作状態履歴記憶部5より、それぞれ消費電力履歴と動作状態履歴を入力され、動作状態履歴記憶部5より、ユーザーの使用状況により利便性値を求め、利便性を保持したまま使用できる状況を複数列挙し、消費電力履歴よりそれぞれの状況で節電可能な電力値を算出する機能を有する。
【0027】
低消費電力モード動作設定情報選択部8は、上記低消費電力モード動作設定情報算出部7より算出された複数の低消費電力モード動作設定データから低消費電力モード設定部2へユーザーが手動で設定する、若しくはユーザーが設定した制約に従って自動で設定する機能を有する。
【0028】
図2は、本実施形態に係るハードウェアの構成図である。本発明でのインクジェット方式の画像形成装置におけるハードウェア構成の一例を説明する。
【0029】
インクジェット方式の画像形成装置においては、演算処理を行うためのCPU18、演算処理に使用される一時的な記憶領域であるRAM17、各種設定情報やその他の長期的な記憶領域であるROM16、電子機器内部で時間を計測し様々な制御(外部との通信間隔やヘッドの維持制御、現在時刻により制御モードを選択する機能など)に利用するタイマー15、ユーザーとのインターフェイスとなり操作を受け付ける操作パネル13、電話回線と接続しFAX通信を行うFAX I/F14、メモリーカードや外部ROMを接続しデータ通信を行うメディアI/F19、PCと接続しデータ通信を行う複数のPC I/F20(LAN、USB、無線LAN、セントロニクスなど)、AC電源を外部から受け取りDC電源に変換する電源供給部11、電圧値や精度、省エネモード時に非活電となるなど複数の種類の電源を生成し制御する電源生成部21がある。
【0030】
印字エンジン制御部22には、インク吐出ヘッドを搭載したキャリッジを走査する主走査モータの制御部23や紙搬送に使用する副走査モータの制御部25、紙搬送に使用する搬送ベルトを帯電させるための高圧制御部24、紙の位置検知や機器外装の開閉状態などを検知する印字制御部26、外部PCや、内部に所持していたデータをインク吐出ヘッドに適したデータ形式へと変換し出力する画像変換部27がある。
【0031】
画像読取制御部28には、CCDなどの画像読取センサを動作させるためのスキャナモータの制御や、ADF(自動読み取り)使用時に紙搬送に使用するDFモータの制御部29、紙の位置検知や外装の開閉状態などを検知する読み取り制御部30、CCDなどの画像読取センサからのデータを変換しRAMまたは電子機器外部に出力する画像変換部31がある。
【0032】
これら全てがCPUを中心とした制御システムにより信号線によって繋がっており、また制御システムによって制御可能な構成となっている。つまり、図2に記載の例においては、インクジェット方式の画像形成装置に電力測定部12を設け、本体システム(CPU)より測定した電力値をCPU18により読み取りRAM17、ROM16を初めとしたメモリに記憶可能な構成になっている。
【0033】
図2の例において、図1中の消費電力測定部3と消費電力履歴記憶部6は、図2の電力測定部12とCPU18とメモリを中心とした制御システムの構成となる。電流センサ又は電流検知抵抗器の出力電圧をADコンバータでデジタルに変換し、制御システムに出力する。制御システムは設定されている電圧値とADコンバータより出力された値を乗算し、メモリに格納していくことによって機能を成す。
【0034】
図1中の低消費電力モード動作設定部2は、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、メモリに設定されている消費電力モード動作設定に従って制御システムが各箇所を制御する。図1中の電子機器機能部4は図2中の全ての箇所に該当し、電子機器としての機能全てを指す。
【0035】
図1中の動作状態履歴記憶部5は、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、機器内の各箇所の動作回数や、動作の組み合わせなどを制御時にカウント、記憶し、メモリに格納することによってその機能を成す。
【0036】
図1中の低消費電力モード動作設定情報算出部7は、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、タイマー15による一定時間の通知、又は操作部や外部I/Fからのユーザー要求に応じてメモリより動作状態履歴を取得し、利便性を保った設定を算出し、消費電力履歴記憶部6と関連させて低消費電力モード動作設定候補における予想消費電力値を算出する。このとき、消費電力履歴と動作状態履歴より逆算し、ある箇所の動作状態ごとに消費電力を取得することによって各箇所の各動作状態と消費電力を関連させ、求める機能を有する。
【0037】
低消費電力モード動作設定情報算出部7の実施形態の1つとして、利便性を保った設定の算出方法は、例えば、ある機能の使用回数をカウントする方法が考えられる。図2に示した画像形成装置の場合で、プリント動作とスキャン動作を比較する。あるユーザーは、一日平均のプリント動作回数(Pyn)が6回で、スキャン動作回数(Syn)が2回であった場合、Pyn>Synであり、スキャン動作の優先度は低いと考えることができる。
【0038】
ここで、ある単調減少関数を用い、利便性値を算出する。例えば、y=1/xにしたがってyにPyn、Synをそれぞれ代入するとそれぞれの解はPxn=1/6、Sxn=1/2となる(単調減少関数であればy=−ax+b、y=c/(ax+b)、y=C×exp(−ax+b)など状況に応じてどのような関数でも構わない。)。
【0039】
このような値の比によって、より電力消費の小さな設定をスキャン動作全体に課す。例えば、スキャナの開閉センサをポーリングする間隔を10msから100msに変更したり、動作状態から省エネモードへの移行時間を20分から30秒に変更したりする。これによる消費電力の削減値を消費電力履歴より逆算し計算する。
【0040】
スキャナ開閉センサの1回のポーリングで消費する電力をSsp[Wh/回]とするとポーリングの間隔をT1秒からT2秒に変更すると1時間当たり(3600/T1−3600/T2)×Ssp[Wh]の削減となる。1日24時間、電源がONしていたとすると一日あたりの削減量は24×(3600/T1−3600/T2)×Ssp[Wh]となる。この値をAとする。
【0041】
また、スキャナの動作状態と省エネモードの電力差がSst[Wh/s]とすると省エネモードへの移行時間をT3秒からT4秒へと変化させると一回の動作あたり(T3−T4)×Sst[Wh]の削減となる。一日のスキャナ動作平均回数が2回なので1日の削減量は2×(T3−T4)×Sst[Wh]となる。この値をBとする。
【0042】
T1=10ms、T3=1200s、Ssp=1μWh/回、Sst=1mWh/s、とするとA=8.64−0.0864/T2、B=2.4−2×T4×10^−3となるので、A+B=8.64−0.0864/T2+2.4−2×T4×10^−3
【0043】
このT2及びT4から計算される消費電力削減量の組み合わせは無数にあるが、設定できるポーリング間隔を10/50/100/500ms、省エネ移行時間を0.5/1/3/5/10/20分毎とすると図3のような組み合わせとなる。
【0044】
図3は、スキャナ動作設定による電力削減例を示す図である。これらの設定を低消費電力モード動作設定としてユーザーが選択することにより、優先度の低い動作・機能を後述の低消費電力モード設定情報選択部8により、ユーザーが納得できる設定で動作できることを可能とする。
【0045】
また、その低消費電力モード動作設定情報算出部7に付随する形態として、同じようにプリンタ開閉センサの一回のポーリングで消費する電力をPsp[Wh/回]とするとポーリングの感覚をT5秒からT6秒へと変化すると1時間当たり(3600/T5−3600/T6)×Psp[Wh]の削減となる。1日24時間、電源がONしていたとすると一日あたりの削減量は、24×(3600/T5−3600/T6)×Ssp[Wh]となる。この値をCとする。
【0046】
また、プリンタの動作状態と省エネモードの電力差がPst[Wh/s]とすると省エネモードへの移行時間をT7秒からT8秒へと変化させると一回の動作あたり(T7−T8)×Pst[Wh]の削減となる。一日のスキャナ動作平均回数が10回なので1日の削減量は10×(T7−T8)×Pst[Wh]となる。この値をDとする。
【0047】
T5=10ms、T7=1200s、Psp=1μWh/回、Pst=1mWh/s、とするとC=8.64−0.0864/T6、D=12−T8×10^−2となるので、C+D=8.64−0.0864/T6+12−T8×10^−2
【0048】
同じように設定できるポーリング間隔を10/50/100/500ms、省エネ移行時間を0.5/1/3/5/10/20分毎とする。また、上述の利便性を表す比であるPxn:Sxn=1:9より、それぞれの削減量をこの比に合わせる組み合わせを図4のように抽出する。
【0049】
図4は、利便性比を用いたスキャナとプリンタ動作の電力削減例を示す図である。これらの設定を低消費電力モード動作設定としてユーザーが選択することにより、実使用に合わせた動作・機能を後述の低消費電力モード設定情報選択部8により、ユーザーが納得できる設定で動作できることを可能とする。
【0050】
もちろん、この例は、スキャナとプリンタのカバー開閉センサのポーリングと省エネモード移行時間を具体例とした一例であり、実施形態はこの限りでなく上記低消費電力モード動作設定部2の説明で述べた。
【0051】
通常動作モードから省エネモードへの移行時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所のセンサ・スイッチへのポーリング間隔時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所の電源の供給・非供給設定、低消費電力モード時の機器各箇所のクロック周波数設定、以上の全ての組み合わせ設定などに適応することができる。
【0052】
他の低消費電力モード動作設定情報算出部7の実施形態に、例えば、ユーザーが使用しないPC I/Fの電源を完全に非供給にすることによる電力削減も可能であるし、それによる効果もユーザーは知ることができる。また、ユーザーによりCPUのクロック周波数を下げることによる電力削減も可能であるし、処理時間の増加と電力削減量を対比させ、納得できる設定に変更することもできる。
【0053】
別の形態として、ある機能が連続で使用されるかどうかを動作履歴記憶しておき、利便性を保つ方法がある。例えば、スキャナ動作において一度のスキャナ動作から次のスキャナ動作を行うまでの最低時間間隔が1時間であるユーザーにおいて、スキャナの省エネ移行時間が最長で20分であった場合、省エネ移行時間は短時間の方が節電可能であり、利便性も保つことができる。
【0054】
図5は、スキャナ動作後の省エネ移行時間を20分から3分にした時の電力削減効果を示す図である。この図のように、スキャン動作の間隔が省エネモード移行時間より長い場合、常に省エネ状態からの復帰で動作するため、省エネモード移行時間は現状以下であれば、利便性は変わらない。よって、スキャン動作完了から省エネ移行時間までの待機状態の消費電力を1mWh/sとすると、常に1時間おきにスキャン動作をするユーザーの1日における電力使用量を算出し、図6のような設定候補をユーザーに提案することができる。
【0055】
図6は、スキャナ省エネ移行時間設定による電力消費削減量例を示す図である。これらの設定を低消費電力モード動作設定としてユーザーが選択することにより、実使用に合わせた動作・機能を後述の低消費電力モード設定情報選択部8によりユーザーが納得できる設定で動作できることを可能とする。
【0056】
これらの低消費電力モード動作設定情報算出部7の実施形態の付随として時間帯ごとに運用方法を分ける実施形態にしても良い。例えば、上記の利便性を単調減少関数で表し低消費電力モード動作設定候補を抽出する際に、それぞれの機能の利便性を7〜15時、15〜23時、23〜7時の時間帯に分け、それぞれ設定可能とする。これによって、ユーザーの使用状況により、合わせた低消費電力モード動作設定が可能となる。
【0057】
図7はスキャナ、プリント、PC I/Fそれぞれの時間帯ごとの動作回数例を示す図である。例えば、図7のような使用状況のユーザーだった場合、一日のトータルではプリント動作回数が最も多いが、7〜15時の時間帯においてはスキャナ動作回数のほうが大きくなっており、この時間帯に関しては、スキャナ動作の優先度を上げた設定を行った方がユーザーの利便性が良い。よって、それぞれの時間帯に応じて前述の方法で設定可能であることが望ましい。
【0058】
図8は、本実施形態に係る各電源に関して測定部61を設ける構成図である。図2と同一の構成は説明を省略する。AC電源を外部から受け取りDC電源に変換する電源供給部11、電圧値や精度、省エネモード時に非活電となるなど複数の種類の電源を生成し制御する電源生成部62がある。
【0059】
別の構成として各動作状態履歴から各箇所の消費電力を逆算により求めるのではなく、各箇所の消費電力を直接測定するために各種電源を個々に電力測定部61により測定する構成にしても良い。このときの電力測定部61は、全ての電源を測定するときと同様に電流センサ又は抵抗器を電源ラインに挿入し、その出力をAD変換した値と該当電源ラインの電圧値を乗算することにより電力を求める。この構成にすることによって、各箇所の状態履歴より、消費電力を逆算するための処理を省くことができるため、CPUを中心としたシステムの負荷を減らすことができる。
【0060】
図1中の低消費電力モード動作設定情報選択部8は、操作パネル13や外部I/F、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、上述の低消費電力モード動作設定情報算出部7により、算出された設定候補を操作パネル13や外部I/Fの出力によってユーザーに伝え、設定候補の中からユーザーが低消費電力モード動作設定を選択し、操作パネル13や外部I/Fより制御システムに選択情報を伝える。
【0061】
または、ユーザーが設定した制約(スキャナの起動速度は落とさない、CPU18のクロックを優先的に下げる、消費電力目標値など)を操作パネル13や外部I/Fより入力し、メモリに格納しておき、それらの情報によって自動的に条件の抽出、選択を行う方法も考えられる。図8にその構成の機能ブロック図を示す。
【0062】
図9は、低消費電力モード制約を設定することにより動作設定情報選択を行う構成の機能ブロック図である。図1と同一の構成は説明を省略する。
【0063】
図9において低消費電力モード制約設定部71は、図2中の操作パネル13や外部I/F、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、上述の様な制約を与える。例えば、図3の結果において「スキャナ動作に対して消費電力削減量10Wh以上達成、省エネ移行時間3分以上」という制約を与えた場合、図10に示す2つの候補に絞られる。
【0064】
図10は、低消費電力モード制約を与えた場合の低消費電力モード設定候補示す図である。これにより、ユーザーは、事前に制約情報を登録しておくことによって、簡便に低消費電力モード選択を行うことができる。また、「スキャナ動作に対して消費電力削減量10Wh以上達成、省エネ移行時間5以上」という制約を与えた場合には候補は1つとなり、自動的に設定を行うことも可能である。
【0065】
図11は、本実施形態の一つとして低消費電力モード動作設定と動作状態履歴と消費電力履歴を消去できる機能を有した構成を示す図である。図1と同一の構成は説明を省略する。
【0066】
この消去部81は、操作パネル13や外部I/F、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、操作パネルや外部I/Fからのユーザー操作によって、メモリ内の低消費電力モード動作設定と動作状態履歴と消費電力履歴を消去する。これにより、ユーザーが変更になった場合や電子機器の設置場所が変わった際に現状の設定を消去し、新しいユーザー、環境に応じた最適な低消費電力モード動作設定を構築することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 電子機器
2 低消費電力モード動作設定部
3 消費電力測定部
4 電子機器機能部
5 動作状態履歴記憶部
6 消費電力履歴記憶部
7 低消費電力モード動作設定情報算出部
8 低消費電力モード動作設定情報選択部
12、61 電力測定部
71 低消費電力モード制約設定部
81 履歴消去部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特許第4692342号公報
【特許文献2】特開2004−074530号公報
【特許文献3】特開2007−249638号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力を抑えて省エネルギーを実現する電子機器および電子機器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置を初めとした電気製品において、近年は環境負荷への意識の高まりを受け、省エネルギー、省消費電力が製品のセールスポイントの一つとなっており、ユーザーが不便を感じない範囲で可能な限り消費電力を抑えて装置を使用可能であることが望まれている。
【0003】
例えば、動作中においても、装置内の分割された各制御ブロックを非活電にする、または処理能力を落とすなどして消費電力量を抑える低消費電力モードを備え、ある一定期間装置が使用されない場合、低消費電力モードに切り替わる技術が考えられ、既に知られている。
【0004】
また、個々のユーザーが通常動作モードから低消費電力モードに移行する時間を設定する技術や、ユーザーに合わせて自動に通常動作モードや低消費電力モードでの活電構成や設定をカスタマイズする技術が考えられ、既に知られている。
【0005】
特許文献1には、資源使用量の目標量を確実に達成する目的で、現在の使用状況から目標期間の終了時点での使用量を予測し、このままでは資源使用目標を上回る予測結果だった場合に省エネ移行時間や使用可能機能、ジョブモード変更をユーザーに促すことによって目標資源使用量を達成させる構成が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、無駄な消費電力を削減し、エネルギー消費効率の向上を図る目的で、過去の電力量使用実績より、ある程度ジョブが蓄積してから印刷動作を行う制御を初めとしたエネルギー消費効率を優先させるモードと、生産性を優先させるモードを備え、どちらの優先モードで印刷動作を行うか選択可能な構成が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献3には、利用者の利便性を維持しながら、電力削減目標値を達成させる目的で、過去の使用実績と予め設定された電力削減目標値から各制御時間の低消費電力モード設定を新規で算出し、既存の低消費電力モード設定を更新する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、今までの低消費電力モード移行方法では、実際にどの程度の節電が達成されるかがユーザーには分からないという問題があった。
【0009】
また、特許文献1,3は、低消費電力モード設定は、目標値に依存するため実際の利便性の変化は使用してみないと分からない、つまり実際に高い目標値を掲げた際に期待と反する動作が行われる可能性がある、業務に支障をきたす可能性があるという問題があった。
【0010】
また、特許文献2は、期待と反する動作が行われる可能性があり、業務に支障をきたす可能性があるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低消費電力モード設定を過去の使用実績から自動でカスタマイズする装置において、ユーザーが容易に消費電力削減量を知りつつ、業務に支障が無い、納得できる利便性を保つことができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0013】
本発明に係る電子機器は、2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器であって、低消費電力モードでの装置内の各箇所の機能、状態を変更可能な低消費電力モード設定手段と、装置の消費電力を測定する消費電力測定手段と、過去の消費電力履歴データを格納するための消費電力履歴記憶手段と、過去の動作状態履歴データを格納するための動作状態履歴記憶手段と、ある一定期間の前記消費電力履歴データと動作状態履歴データから、ユーザーの利便性に合わせた一つ以上の低消費電力モード設定候補と、その設定での消費電力値を算出する低消費電力モード設定情報算出手段と、前記算出部によって算出された低消費電力モード設定候補からいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された低消費電力モード設定情報を、前記低消費電力モード設定手段に設定可能な機能を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、過去の装置内の各箇所の消費電力、動作状況から節電可能値、設定を算出し、それに伴う動作の変化と共に複数の組み合わせを選択する機能を持つので、低消費電力モード動作設定を過去の使用実績からカスタマイズする装置において、ユーザーが容易に消費電力削減量を知りつつ、業務に支障が無い程度の納得できる利便性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る電子機器内の機能ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るハードウェアの構成図である。
【図3】本実施形態に係るスキャナ動作設定による電力削減例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る利便性比を用いたスキャナとプリンタ動作の電力削減例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る電力削減効果を示す図である。
【図6】本実施形態に係るスキャナ省エネ移行時間設定による電力消費削減量例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る時間帯ごとの動作回数例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る各電源に関して測定部を設ける構成図である。
【図9】本実施形態に係る動作設定情報選択を行う構成の機能ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る低消費電力モード設定候補示す図である。
【図11】本実施形態に係る電子機器内の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態について図面により詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電子機器内の機能ブロック図である。本発明は、2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器1が、低消費電力モード動作設定部2と消費電力測定部3と電子機器機能部4と動作状態履歴記憶部5と消費電力履歴記憶部6と低消費電力モード動作設定情報算出部7と低消費電力モード動作設定情報選択部8とを有していることが特徴である。
【0018】
低消費電力モード動作設定部2は、電子機器内の全てまたは各箇所の低消費電力モード動作時の動作設定を行う機能部である。消費電力測定部3は、電子機器内の全てまたは各箇所の消費電力を測定する機能部である。電子機器機能部4は、電子機器本来の機能部である。動作状態履歴記憶部5は、電子機器機能部の過去の動作状態を記憶する機能部である。消費電力履歴記憶部6は、消費電力測定部の過去の測定結果を記憶する機能部である。
【0019】
低消費電力モード動作設定情報算出部7は、動作状態履歴と消費電力履歴よりユーザーの使用傾向や予め設定した制約などを利用し、ユーザーにとって利便性の高いと思われる低消費電力動作モードの設定情報の候補を1つ以上算出する機能部である。低消費電力モード動作設定情報選択部8は、低消費電力モード動作設定情報算出部7により算出された低消費電力モード動作の設定情報の候補から、最も適した設定情報を選択する機能部である。
【0020】
図1内の機能をそれぞれ詳細に記述する。上記の消費電力測定部3は、電流検出機能と測定した消費電力値を消費電力履歴記憶部6へ出力する機能を有する。電流検出機能は、電源ラインに電流センサと電流センサ読み取り部を備えても良いし、単に抵抗器とその両端の電圧読み取り部を備えても良い。電流検出機能より検出された電流と、その電源ラインの電圧値を乗算することにより電力を求めることができる(直流電源の場合)。タイマー部で、ある一定期間の時間を計測し、その間の平均消費電力値を計算し、消費電力履歴記憶部6へ出力する。
【0021】
上記の消費電力履歴記憶部6は、機器全体の電源が遮断されても情報が保持できる不揮発メモリ(例えばHDDやROM)が好ましい。この消費電力履歴記憶部6にて過去の消費電力量を記憶し、設定された時間間隔、若しくはユーザーからの要求があった際に低消費電力モード設定情報算出部7へと消費電力履歴を出力する。
【0022】
上記の低消費電力モード動作設定部2は、低消費電力モード時の電子機器機能部4の各制御ブロックでの動作・機能の設定を行う機能を有する。ここでの動作・機能の設定とは、例えば、以下の様なものが考えられる。
【0023】
通常動作モードから省エネモードへの移行時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所のセンサ・スイッチへのポーリング間隔時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所の動作電圧設定、低消費電力モード時の機器各箇所の電源の供給・非供給設定、低消費電力モード時の機器各箇所の電流設定、低消費電力モード時の機器各箇所のクロック周波数設定、以上の全ての組み合わせ設定である。
【0024】
上記の電子機器機能部4は、電子機器本来の機能を成す部分であり、画像形成装置であればプロッタ、スキャナ、コントローラやそれに伴う各ハードウェア・ソフトウェアなどがある。これらの部分は、それぞれ低消費電力モードを持っており、上記低消費電力モード設定部2により設定された動作・機能により制御される。
【0025】
動作状態履歴記憶部5は、上記電子機器機能部4の動作状態をソフトウェアのログ収集やハードウェアでの活電回数、動作回数を記憶する部分であり、設定された時間間隔、若しくはユーザーからの要求があった際に、低消費電力モード設定情報算出部7へと動作状態履歴を出力する。これも機器全体の電源が遮断されても情報が保持できる不揮発メモリ(例えばHDDやROM)が好ましい。
【0026】
低消費電力モード動作設定情報算出部7は、上記消費電力履歴記憶部6と動作状態履歴記憶部5より、それぞれ消費電力履歴と動作状態履歴を入力され、動作状態履歴記憶部5より、ユーザーの使用状況により利便性値を求め、利便性を保持したまま使用できる状況を複数列挙し、消費電力履歴よりそれぞれの状況で節電可能な電力値を算出する機能を有する。
【0027】
低消費電力モード動作設定情報選択部8は、上記低消費電力モード動作設定情報算出部7より算出された複数の低消費電力モード動作設定データから低消費電力モード設定部2へユーザーが手動で設定する、若しくはユーザーが設定した制約に従って自動で設定する機能を有する。
【0028】
図2は、本実施形態に係るハードウェアの構成図である。本発明でのインクジェット方式の画像形成装置におけるハードウェア構成の一例を説明する。
【0029】
インクジェット方式の画像形成装置においては、演算処理を行うためのCPU18、演算処理に使用される一時的な記憶領域であるRAM17、各種設定情報やその他の長期的な記憶領域であるROM16、電子機器内部で時間を計測し様々な制御(外部との通信間隔やヘッドの維持制御、現在時刻により制御モードを選択する機能など)に利用するタイマー15、ユーザーとのインターフェイスとなり操作を受け付ける操作パネル13、電話回線と接続しFAX通信を行うFAX I/F14、メモリーカードや外部ROMを接続しデータ通信を行うメディアI/F19、PCと接続しデータ通信を行う複数のPC I/F20(LAN、USB、無線LAN、セントロニクスなど)、AC電源を外部から受け取りDC電源に変換する電源供給部11、電圧値や精度、省エネモード時に非活電となるなど複数の種類の電源を生成し制御する電源生成部21がある。
【0030】
印字エンジン制御部22には、インク吐出ヘッドを搭載したキャリッジを走査する主走査モータの制御部23や紙搬送に使用する副走査モータの制御部25、紙搬送に使用する搬送ベルトを帯電させるための高圧制御部24、紙の位置検知や機器外装の開閉状態などを検知する印字制御部26、外部PCや、内部に所持していたデータをインク吐出ヘッドに適したデータ形式へと変換し出力する画像変換部27がある。
【0031】
画像読取制御部28には、CCDなどの画像読取センサを動作させるためのスキャナモータの制御や、ADF(自動読み取り)使用時に紙搬送に使用するDFモータの制御部29、紙の位置検知や外装の開閉状態などを検知する読み取り制御部30、CCDなどの画像読取センサからのデータを変換しRAMまたは電子機器外部に出力する画像変換部31がある。
【0032】
これら全てがCPUを中心とした制御システムにより信号線によって繋がっており、また制御システムによって制御可能な構成となっている。つまり、図2に記載の例においては、インクジェット方式の画像形成装置に電力測定部12を設け、本体システム(CPU)より測定した電力値をCPU18により読み取りRAM17、ROM16を初めとしたメモリに記憶可能な構成になっている。
【0033】
図2の例において、図1中の消費電力測定部3と消費電力履歴記憶部6は、図2の電力測定部12とCPU18とメモリを中心とした制御システムの構成となる。電流センサ又は電流検知抵抗器の出力電圧をADコンバータでデジタルに変換し、制御システムに出力する。制御システムは設定されている電圧値とADコンバータより出力された値を乗算し、メモリに格納していくことによって機能を成す。
【0034】
図1中の低消費電力モード動作設定部2は、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、メモリに設定されている消費電力モード動作設定に従って制御システムが各箇所を制御する。図1中の電子機器機能部4は図2中の全ての箇所に該当し、電子機器としての機能全てを指す。
【0035】
図1中の動作状態履歴記憶部5は、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、機器内の各箇所の動作回数や、動作の組み合わせなどを制御時にカウント、記憶し、メモリに格納することによってその機能を成す。
【0036】
図1中の低消費電力モード動作設定情報算出部7は、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、タイマー15による一定時間の通知、又は操作部や外部I/Fからのユーザー要求に応じてメモリより動作状態履歴を取得し、利便性を保った設定を算出し、消費電力履歴記憶部6と関連させて低消費電力モード動作設定候補における予想消費電力値を算出する。このとき、消費電力履歴と動作状態履歴より逆算し、ある箇所の動作状態ごとに消費電力を取得することによって各箇所の各動作状態と消費電力を関連させ、求める機能を有する。
【0037】
低消費電力モード動作設定情報算出部7の実施形態の1つとして、利便性を保った設定の算出方法は、例えば、ある機能の使用回数をカウントする方法が考えられる。図2に示した画像形成装置の場合で、プリント動作とスキャン動作を比較する。あるユーザーは、一日平均のプリント動作回数(Pyn)が6回で、スキャン動作回数(Syn)が2回であった場合、Pyn>Synであり、スキャン動作の優先度は低いと考えることができる。
【0038】
ここで、ある単調減少関数を用い、利便性値を算出する。例えば、y=1/xにしたがってyにPyn、Synをそれぞれ代入するとそれぞれの解はPxn=1/6、Sxn=1/2となる(単調減少関数であればy=−ax+b、y=c/(ax+b)、y=C×exp(−ax+b)など状況に応じてどのような関数でも構わない。)。
【0039】
このような値の比によって、より電力消費の小さな設定をスキャン動作全体に課す。例えば、スキャナの開閉センサをポーリングする間隔を10msから100msに変更したり、動作状態から省エネモードへの移行時間を20分から30秒に変更したりする。これによる消費電力の削減値を消費電力履歴より逆算し計算する。
【0040】
スキャナ開閉センサの1回のポーリングで消費する電力をSsp[Wh/回]とするとポーリングの間隔をT1秒からT2秒に変更すると1時間当たり(3600/T1−3600/T2)×Ssp[Wh]の削減となる。1日24時間、電源がONしていたとすると一日あたりの削減量は24×(3600/T1−3600/T2)×Ssp[Wh]となる。この値をAとする。
【0041】
また、スキャナの動作状態と省エネモードの電力差がSst[Wh/s]とすると省エネモードへの移行時間をT3秒からT4秒へと変化させると一回の動作あたり(T3−T4)×Sst[Wh]の削減となる。一日のスキャナ動作平均回数が2回なので1日の削減量は2×(T3−T4)×Sst[Wh]となる。この値をBとする。
【0042】
T1=10ms、T3=1200s、Ssp=1μWh/回、Sst=1mWh/s、とするとA=8.64−0.0864/T2、B=2.4−2×T4×10^−3となるので、A+B=8.64−0.0864/T2+2.4−2×T4×10^−3
【0043】
このT2及びT4から計算される消費電力削減量の組み合わせは無数にあるが、設定できるポーリング間隔を10/50/100/500ms、省エネ移行時間を0.5/1/3/5/10/20分毎とすると図3のような組み合わせとなる。
【0044】
図3は、スキャナ動作設定による電力削減例を示す図である。これらの設定を低消費電力モード動作設定としてユーザーが選択することにより、優先度の低い動作・機能を後述の低消費電力モード設定情報選択部8により、ユーザーが納得できる設定で動作できることを可能とする。
【0045】
また、その低消費電力モード動作設定情報算出部7に付随する形態として、同じようにプリンタ開閉センサの一回のポーリングで消費する電力をPsp[Wh/回]とするとポーリングの感覚をT5秒からT6秒へと変化すると1時間当たり(3600/T5−3600/T6)×Psp[Wh]の削減となる。1日24時間、電源がONしていたとすると一日あたりの削減量は、24×(3600/T5−3600/T6)×Ssp[Wh]となる。この値をCとする。
【0046】
また、プリンタの動作状態と省エネモードの電力差がPst[Wh/s]とすると省エネモードへの移行時間をT7秒からT8秒へと変化させると一回の動作あたり(T7−T8)×Pst[Wh]の削減となる。一日のスキャナ動作平均回数が10回なので1日の削減量は10×(T7−T8)×Pst[Wh]となる。この値をDとする。
【0047】
T5=10ms、T7=1200s、Psp=1μWh/回、Pst=1mWh/s、とするとC=8.64−0.0864/T6、D=12−T8×10^−2となるので、C+D=8.64−0.0864/T6+12−T8×10^−2
【0048】
同じように設定できるポーリング間隔を10/50/100/500ms、省エネ移行時間を0.5/1/3/5/10/20分毎とする。また、上述の利便性を表す比であるPxn:Sxn=1:9より、それぞれの削減量をこの比に合わせる組み合わせを図4のように抽出する。
【0049】
図4は、利便性比を用いたスキャナとプリンタ動作の電力削減例を示す図である。これらの設定を低消費電力モード動作設定としてユーザーが選択することにより、実使用に合わせた動作・機能を後述の低消費電力モード設定情報選択部8により、ユーザーが納得できる設定で動作できることを可能とする。
【0050】
もちろん、この例は、スキャナとプリンタのカバー開閉センサのポーリングと省エネモード移行時間を具体例とした一例であり、実施形態はこの限りでなく上記低消費電力モード動作設定部2の説明で述べた。
【0051】
通常動作モードから省エネモードへの移行時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所のセンサ・スイッチへのポーリング間隔時間設定、低消費電力モード時の機器各箇所の電源の供給・非供給設定、低消費電力モード時の機器各箇所のクロック周波数設定、以上の全ての組み合わせ設定などに適応することができる。
【0052】
他の低消費電力モード動作設定情報算出部7の実施形態に、例えば、ユーザーが使用しないPC I/Fの電源を完全に非供給にすることによる電力削減も可能であるし、それによる効果もユーザーは知ることができる。また、ユーザーによりCPUのクロック周波数を下げることによる電力削減も可能であるし、処理時間の増加と電力削減量を対比させ、納得できる設定に変更することもできる。
【0053】
別の形態として、ある機能が連続で使用されるかどうかを動作履歴記憶しておき、利便性を保つ方法がある。例えば、スキャナ動作において一度のスキャナ動作から次のスキャナ動作を行うまでの最低時間間隔が1時間であるユーザーにおいて、スキャナの省エネ移行時間が最長で20分であった場合、省エネ移行時間は短時間の方が節電可能であり、利便性も保つことができる。
【0054】
図5は、スキャナ動作後の省エネ移行時間を20分から3分にした時の電力削減効果を示す図である。この図のように、スキャン動作の間隔が省エネモード移行時間より長い場合、常に省エネ状態からの復帰で動作するため、省エネモード移行時間は現状以下であれば、利便性は変わらない。よって、スキャン動作完了から省エネ移行時間までの待機状態の消費電力を1mWh/sとすると、常に1時間おきにスキャン動作をするユーザーの1日における電力使用量を算出し、図6のような設定候補をユーザーに提案することができる。
【0055】
図6は、スキャナ省エネ移行時間設定による電力消費削減量例を示す図である。これらの設定を低消費電力モード動作設定としてユーザーが選択することにより、実使用に合わせた動作・機能を後述の低消費電力モード設定情報選択部8によりユーザーが納得できる設定で動作できることを可能とする。
【0056】
これらの低消費電力モード動作設定情報算出部7の実施形態の付随として時間帯ごとに運用方法を分ける実施形態にしても良い。例えば、上記の利便性を単調減少関数で表し低消費電力モード動作設定候補を抽出する際に、それぞれの機能の利便性を7〜15時、15〜23時、23〜7時の時間帯に分け、それぞれ設定可能とする。これによって、ユーザーの使用状況により、合わせた低消費電力モード動作設定が可能となる。
【0057】
図7はスキャナ、プリント、PC I/Fそれぞれの時間帯ごとの動作回数例を示す図である。例えば、図7のような使用状況のユーザーだった場合、一日のトータルではプリント動作回数が最も多いが、7〜15時の時間帯においてはスキャナ動作回数のほうが大きくなっており、この時間帯に関しては、スキャナ動作の優先度を上げた設定を行った方がユーザーの利便性が良い。よって、それぞれの時間帯に応じて前述の方法で設定可能であることが望ましい。
【0058】
図8は、本実施形態に係る各電源に関して測定部61を設ける構成図である。図2と同一の構成は説明を省略する。AC電源を外部から受け取りDC電源に変換する電源供給部11、電圧値や精度、省エネモード時に非活電となるなど複数の種類の電源を生成し制御する電源生成部62がある。
【0059】
別の構成として各動作状態履歴から各箇所の消費電力を逆算により求めるのではなく、各箇所の消費電力を直接測定するために各種電源を個々に電力測定部61により測定する構成にしても良い。このときの電力測定部61は、全ての電源を測定するときと同様に電流センサ又は抵抗器を電源ラインに挿入し、その出力をAD変換した値と該当電源ラインの電圧値を乗算することにより電力を求める。この構成にすることによって、各箇所の状態履歴より、消費電力を逆算するための処理を省くことができるため、CPUを中心としたシステムの負荷を減らすことができる。
【0060】
図1中の低消費電力モード動作設定情報選択部8は、操作パネル13や外部I/F、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、上述の低消費電力モード動作設定情報算出部7により、算出された設定候補を操作パネル13や外部I/Fの出力によってユーザーに伝え、設定候補の中からユーザーが低消費電力モード動作設定を選択し、操作パネル13や外部I/Fより制御システムに選択情報を伝える。
【0061】
または、ユーザーが設定した制約(スキャナの起動速度は落とさない、CPU18のクロックを優先的に下げる、消費電力目標値など)を操作パネル13や外部I/Fより入力し、メモリに格納しておき、それらの情報によって自動的に条件の抽出、選択を行う方法も考えられる。図8にその構成の機能ブロック図を示す。
【0062】
図9は、低消費電力モード制約を設定することにより動作設定情報選択を行う構成の機能ブロック図である。図1と同一の構成は説明を省略する。
【0063】
図9において低消費電力モード制約設定部71は、図2中の操作パネル13や外部I/F、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、上述の様な制約を与える。例えば、図3の結果において「スキャナ動作に対して消費電力削減量10Wh以上達成、省エネ移行時間3分以上」という制約を与えた場合、図10に示す2つの候補に絞られる。
【0064】
図10は、低消費電力モード制約を与えた場合の低消費電力モード設定候補示す図である。これにより、ユーザーは、事前に制約情報を登録しておくことによって、簡便に低消費電力モード選択を行うことができる。また、「スキャナ動作に対して消費電力削減量10Wh以上達成、省エネ移行時間5以上」という制約を与えた場合には候補は1つとなり、自動的に設定を行うことも可能である。
【0065】
図11は、本実施形態の一つとして低消費電力モード動作設定と動作状態履歴と消費電力履歴を消去できる機能を有した構成を示す図である。図1と同一の構成は説明を省略する。
【0066】
この消去部81は、操作パネル13や外部I/F、CPU18とメモリを中心とした制御システムがその機能を成し、操作パネルや外部I/Fからのユーザー操作によって、メモリ内の低消費電力モード動作設定と動作状態履歴と消費電力履歴を消去する。これにより、ユーザーが変更になった場合や電子機器の設置場所が変わった際に現状の設定を消去し、新しいユーザー、環境に応じた最適な低消費電力モード動作設定を構築することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 電子機器
2 低消費電力モード動作設定部
3 消費電力測定部
4 電子機器機能部
5 動作状態履歴記憶部
6 消費電力履歴記憶部
7 低消費電力モード動作設定情報算出部
8 低消費電力モード動作設定情報選択部
12、61 電力測定部
71 低消費電力モード制約設定部
81 履歴消去部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特許第4692342号公報
【特許文献2】特開2004−074530号公報
【特許文献3】特開2007−249638号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器であって、
低消費電力モードでの装置内の各箇所の機能、状態を変更可能な低消費電力モード設定手段と、
装置の消費電力を測定する消費電力測定手段と、
過去の消費電力履歴データを格納するための消費電力履歴記憶手段と、
過去の動作状態履歴データを格納するための動作状態履歴記憶手段と、
ある一定期間の前記消費電力履歴データと動作状態履歴データから、ユーザーの利便性に合わせた一つ以上の低消費電力モード設定候補と、その設定での消費電力値を算出する低消費電力モード設定情報算出手段と、
前記算出部によって算出された低消費電力モード設定候補からいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された低消費電力モード設定情報を、前記低消費電力モード設定手段に設定可能な機能を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記低消費電力モード設定情報算出手段は、利便性を機器の動作回数により単調減少関数に写像して求めることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記低消費電力モード設定情報算出手段は、利便性を機器の動作を行う時間間隔より求めることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記低消費電力モード設定情報算出手段は、機器内の各箇所の利便性の比により消費電力削減比率を設定することを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記消費電力測定手段が機器内の各箇所への電源ラインそれぞれに設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記低消費電力モード選択手段に低消費電力モード制約設定を入力するための低消費電力モード制約設定手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記低消費電力モード設定、消費電力履歴、動作状態履歴のいずれかまたは複数または全ての情報を消去するための履歴消去手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の構成が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
2つ以上の動作状態を設定可能であり、動作状態の一方がもう一方より消費電力の低い低消費電力モードである電子機器であって、
低消費電力モードでの装置内の各箇所の機能、状態を変更可能な低消費電力モード設定手段と、
装置の消費電力を測定する消費電力測定手段と、
過去の消費電力履歴データを格納するための消費電力履歴記憶手段と、
過去の動作状態履歴データを格納するための動作状態履歴記憶手段と、
ある一定期間の前記消費電力履歴データと動作状態履歴データから、ユーザーの利便性に合わせた一つ以上の低消費電力モード設定候補と、その設定での消費電力値を算出する低消費電力モード設定情報算出手段と、
前記算出部によって算出された低消費電力モード設定候補からいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された低消費電力モード設定情報を、前記低消費電力モード設定手段に設定可能な機能を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記低消費電力モード設定情報算出手段は、利便性を機器の動作回数により単調減少関数に写像して求めることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記低消費電力モード設定情報算出手段は、利便性を機器の動作を行う時間間隔より求めることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記低消費電力モード設定情報算出手段は、機器内の各箇所の利便性の比により消費電力削減比率を設定することを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記消費電力測定手段が機器内の各箇所への電源ラインそれぞれに設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記低消費電力モード選択手段に低消費電力モード制約設定を入力するための低消費電力モード制約設定手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記低消費電力モード設定、消費電力履歴、動作状態履歴のいずれかまたは複数または全ての情報を消去するための履歴消去手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の構成が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−107364(P2013−107364A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256161(P2011−256161)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]