説明

電子機器および録画方法

【課題】ユーザの立体視映像を見逃すことを低減することのできる電子機器および録画方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 実施の形態の電子機器は、受信手段と、録画制御手段とを具備する。受信手段は、映像を受信する。録画制御手段は前記映像が立体視映像であって、ユーザが立体視視聴用のメガネを装着していないとき、自動的に前記映像を録画する。実施形態の電子機器は上記構成を有することでユーザの立体視映像を見逃すことを低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、電子機器および録画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術発達により、映像を立体的にユーザに視認させることの可能な電子機器が開発され、普及し始めている。
【0003】
ユーザが立体的に視認することのできる映像(以下、立体視映像とも呼ぶ)の表示方法
の一例として立体視用メガネをもちいた映像表示方法が存在する。この方法では、ユーザは立体視用メガネを装着し、これを通して映像を視聴することで立体視映像を立体として捉えることができる。
【0004】
このような立体視用メガネを用いた立体視映像の表示方法においては、ユーザは立体視用メガネを装着していないときは、映像を立体視として捉えることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−118197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、電子機器が立体視映像でない映像(以下、2D映像とも呼ぶ)を表示しているときに、表示番組が変わる又はチャンネルが変更される等によって、突然立体視映像が表示されると、ユーザは立体視用メガネを装着していない場合が多いため、これを立体視映像として楽しむことができない。
【0007】
本発明は上記に鑑みたもので、ユーザの立体視映像を見逃すことを低減することのできる電子機器および録画方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の形態の電子機器は、受信手段と、録画制御手段とを具備する。受信手段は、映像を受信する。録画制御手段は前記映像が立体視映像であって、ユーザが立体視視聴用のメガネを装着していないとき、自動的に前記映像を録画する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態における映像表示システムの一例を示す概念図。
【図2】実施形態におけるDTVおよびシャッタメガネの内部構造の一例を示すブロック図。
【図3】実施形態における立体視映像録画処理に関する構成の一例を示すブロック図。
【図4】実施形態における表示部に表示された選択用画面の一例を示す概念図。
【図5】実施形態における自動録画に関する処理の一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で、実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は本実施形態における映像出力システム3の一例を示す概念図である。図1にはDTV1、シャッタメガネ2、および映像出力システム3が示されている。
【0012】
DTV1は例えばデジタルテレビ(Digital Television)であって本実施形態における電子機器の一例である。本実施形態では電子機器の一例としてDTV1を示すが、これに限定されるものではなく、例えばDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、HDD(Hard Disk Drive)プレーヤ、STB(Set Top Box)、又はPC(Personal Computer)等の様々なものが電子機器の例として考えられる。
【0013】
DTV1は、例えば放送波等によって受信した放送信号をデコードし、これを映像や音声として、表示部120やスピーカ110から出力することができる。
【0014】
DTV1は撮影部160を有しており、撮影部160は撮影手段としてDTV1正面の像を撮影することができる。つまり、DTV1に正対したユーザの顔を撮影することができる。
【0015】
また、DTV1は視聴するユーザに対して立体視映像を提供することができる。本実施形態においては、シャッタメガネによる立体視映像のユーザへの提供を例に挙げて説明を行う。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば偏光フィルタメガネ等を用いてユーザに立体視映像を提供するとしても良い。DTV1は互いに視差を有する左眼用画像と右眼用画像を交互に表示することによって、シャッタメガネ2を装着したユーザに立体視映像を提供することが可能である(フレームシーケンシャル方式)。
【0016】
シャッタメガネ2は、左眼用レンズ及び右眼用レンズにそれぞれ遮蔽可能な液晶シャッタが設けられており、これらのレンズとシャッタとを合わせてレンズユニットと呼ぶこととする。シャッタメガネ2はDTV1から受信するシャッタの開閉信号に基づいて左右のレンズユニットのそれぞれのシャッタを異なるタイミングで開閉することで、ユーザに立体視映像を提供する。例えば、DTV1に左眼用画像が表示されているときには、シャッタメガネ2はDTV1からの開閉信号に基づいて右眼用レンズユニットのシャッタを閉状態(遮蔽状態)、左眼用レンズユニットのシャッタを開状態(透過状態)として、ユーザの左眼のみに左眼用画像を見せる。また右眼用画像が表示されているときには左眼用レンズユニットのシャッタを閉状態、右眼用レンズユニットのシャッタを開状態として、ユーザの右眼のみに右眼用画像を見せる。この動作によってユーザは見ている映像を立体として捉えることができる。また、シャッタメガネ2は、ユーザのシャッタメガネ2の装着状態を検知することができ、この装着状態情報が示される装着状態信号をDTV1からの要求に応じて、DTV1に送信することが可能である。
【0017】
上記の立体視の原理を詳細に説明すると、人間は通常、物体を位置の異なる左眼と右眼とのそれぞれで見ており、この左眼と右眼とで見る像にはそれぞれ視差が存在する。この視差の存在する左眼で見る像と右眼で見る像とを脳内で合成することによって人間は見ている物体を立体として認識することができる。よって、視差を有する左眼用の画像と右眼用の画像とをそれぞれの眼で見せることによって、ユーザに映像を立体として捉えさせることが可能となる。この原理を用いて上述のようにシャッタメガネ2はDTV1の映像をユーザに立体視映像として提供している。
【0018】
映像出力システム3はDTV1及びシャッタメガネ2によって構成される。上述のように、ユーザはシャッタメガネ2を装着して、DTV1に表示されている映像を見ることで、この映像を立体視映像として認識することができる。
【0019】
次にDTV1およびシャッタメガネ2の内部構造に関して詳細に説明を行う。
【0020】
図2は本実施形態におけるDTV1およびシャッタメガネ2の内部構造の一例を示すブロック図である。
【0021】
まず、DTV1の内部構造に関して説明を行う。
【0022】
DTV1は、装置各部の動作を制御する制御部156を備えている。制御部156は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵している。制御部156は、操作部116から入力される操作信号や、リモートコントローラ117から送信され受光部118を介して受信される操作信号に応じて、ROM(Read Only Memory)157に予め記憶されたシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを起動させる。制御部156は、起動したプログラムに従って、RAM(Random Access Memory)158をワークメモリとして装置各部の動作を制御する。また、制御部156は各種機能を実行するための処理部を有している。この処理部については図3を用いて後述にて説明を行う。
【0023】
入力端子144は、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ143が受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号を衛星デジタル放送用のチューナ145に供給する。チューナ145は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングしたデジタル放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器146に送信する。PSK復調器146は、TS(Transport Stream)の復調を行い、復調したTSをTS復号器147aに供給し、TS復号器147aは、TSをデジタル映像信信号、デジタル音声信号、およびデータ信号を含むデジタル信号に復号した後、信号処理部100にこれを出力する。ここでのデジタル映像信号とはDTV1が出力可能な映像に関するデジタル信号であり、音声信号はDTV1が出力可能な音声に関するデジタル信号である。またデータ信号とは、例えばDTV1が電子番組表であるEPG(Electronic Program Guide)を生成するときに使用する情報である番組関連情報等を含む、放送波の放送番組に関する情報に関するデジタル信号である。またこのデータ信号の中には、受信する映像が立体視映像であるか否かを示すフラグも含まれる。
【0024】
入力端子149は、地上波デジタル放送受信用のアンテナ148が受信した地上波デジタルテレビジョン放送信号を地上波デジタル放送用のチューナ150に供給する。チューナ150は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングしたデジタル放送信号をそれぞれのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器151に送信する。OFDM復調器151は、TSの復調を行い、復調したTSをそれぞれのTS復号器147bに供給し、TS復号器147bは、TSをデジタル映像信号及び音声信号等に復号した後、信号処理部100にこれを出力する。また、DTV1は、一例として、アンテナ148が接続される入力端子149にCATV(Common Antenna Television)用のチューナを接続することによってCATVも視聴することができる。
【0025】
信号処理部100は、TS復号器147a、147b、または制御部156から出力されたデジタル信号に、適切な信号処理を施す。より具体的には、信号処理部100はデジタル信号を映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号に分離する。分離された映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に出力される。データ信号は、制御部156に出力され各種処理に利用される。また、信号処理部100は、ライン入力端子137からの入力信号にも所定のデジタル信号処理を施す。
【0026】
OSD(On Screen Display)信号生成部154は、制御部156の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また信号処理部100においてデジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部154により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部152に出力される。
【0027】
グラフィック処理部152は、信号処理部100から出力されるデジタルの映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、OSD信号生成部154から出力されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部155に出力される。グラフィック処理部152は、デコードされた映像信号またはOSD信号を、映像処理部155に選択的に出力することもできる。
【0028】
映像処理部155は、グラフィック処理部152から出力された信号に対して画質の補正を行った上で、表示部処理部155で表示可能なフォーマットの映像信号に変換する。映像処理部155で変換された映像信号は、表示部120に表示される。
【0029】
表示部120はLCD(Liquid Crystal Display)によって構成されており、液晶によって映像を表示する。
【0030】
音声処理部153は、入力された音声信号を、スピーカ110で再生可能なフォーマットの音声信号に変換する。変換された音声信号は、スピーカ110に出力されて再生される。
【0031】
LAN端子131は、LANI/F164を介して制御部156に接続されている。LAN端子131は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用される。本実施形態においてLAN端子131にはLANケーブルが接続されており、インターネット4と通信可能となっている。
【0032】
撮影部160は表示部120の下側に設けられており、カメラ160正面の像を撮像することができる。撮影部160は撮像した映像の中からユーザの顔を検出することができ、更に、検出したユーザの顔の情報を登録されたユーザの顔の情報と照合することで、検出されたユーザが登録されたユーザであるか否かを判別することができる。DTV1は、撮影部160によって撮像された映像にユーザの顔が存在する(検出された)場合、つまり一般的にはユーザがDTV1を視聴している場合には、これに基づいて各種処理を実行することができる。また、ユーザの顔が登録されたユーザと一致するような場合には、ユーザ個別の機能又は設定を実行することができる。撮影部160は、撮像した映像よりユーザの顔が検出できた場合には、制御部156に検出できた旨を示す情報を通知し、登録ユーザの顔を認識できた場合には、このユーザを示す認識情報を制御部156に通知する機能を有している。ここでの顔検出の方法としては、例えばユーザの顔や、肩の輪郭に基づいて顔を検出するとしても良いし、これとは異なる方法で認識しても良い。また、ここでの顔認識の技術の方法としては、例えばユーザの目、鼻、口等の形状を認識し、これに基づいてユーザを認識(認識)しても良いし、これとは異なる特徴量に基づいて認識するとしても良い。
【0033】
USB(Universal Serial Bus)端子133は、USB I/F166を介して制御部156に接続されている。USB端子133は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子133には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部156は、USB端子133を介して接続される機器との間で、情報の通信(送受信)を行うことができる。
【0034】
HDD170はDTV1に内蔵される磁気記憶媒体であってDTV1が有する各種情報を記憶する機能を有している。また、HDD170は、録画された放送された番組等を映像として記憶することも可能である。
【0035】
通信部162は、例えば赤外線通信モジュールであり赤外線によってシャッタメガネ2との無線通信を行うことができる。制御部156は立体視映像の右眼用の画像と左眼用の画像の表示の状態を検知し、この立体視映像の表示状態に基づいて、通信部162によってシャッタメガネ2にシャッタの開閉信号を送信する機能を有している。制御部156は表示部120が右眼用の画像を表示しているときは、シャッタメガネ2の右眼用シャッタが開(透過状態)、左眼用シャッタ(遮蔽状態)が閉とし、左眼用の画像を表示しているときは、右眼用シャッタが閉(遮蔽状態)、左眼用シャッタが開(透過状態)となるように通信部162によって開閉信号を送信する。また、通信部162はシャッタメガネ2の通信部22から送信されるユーザのシャッタメガネ2の装着状態の情報を示す装着状態信号を受信することができる。この装着状態信号に関しては後述にて説明を行う。
【0036】
次に、シャッタメガネ2の内部構造に関する説明を行う。
【0037】
制御部21はシャッタメガネ2の全体の制御を行い、MPU(Micro Processing Unit)を内蔵する。制御部21は接続される各モジュールと信号の送受信を行うことが可能である。
【0038】
通信部22は、例えば赤外線通信モジュールであり赤外線によってDTV1との無線通信を行うことができる。本実施形態では通信部162および通信部22は赤外線通信モジュールであり、DTV1とシャッタメガネ2とは赤外線によって通信を行うものとして例示しているが、これに限定されない。例えばBloutooth(登録商標)等の無線規格をはじめ、有線、無線に関わらず様々な通信規格に準拠した通信モジュールによって通信部162および通信部22は構成され得る。通信部22はDTV1の通信部162より送信されるシャッタメガネ2への開閉信号を受信する機能、及びシャッタメガネ2のユーザ装着状態を示す装着状態信号を送信する機能を有している。
【0039】
装着検知部23は、装着検知手段としてユーザのシャッタメガネ2の装着を検知する機能を有するスイッチである。例えば、本実施形態においてこの装着検知部23はシャッタメガネ2の鼻パッド(にあたる位置)に設けられる押圧スイッチであるとする。装着検知部23は、ユーザがシャッタメガネ2を装着するとき、ユーザの鼻と接触し、この接触による押圧を検知する。本実施形態において、装着検知部23は鼻パッド(にあたる位置)に設けられる押圧スイッチとして例示しているがこれに限定されるものでなく、他にも様々な構成態様によって実現されることが可能である。装着検知部23は例えば静電式のタッチセンサ等のセンサによって構成されているとしてもよいし、これの設けられる箇所もユーザの鼻と接触する箇所ではなく、耳と接触する箇所であるように構成されていてもよい。更に装着検知部23はユーザの顔の一部との接触を検知するように構成されているとも限定されず、例えば装着/非装着の状態をユーザがDTV1に報知するために押圧を行うスイッチであるとしてもよい。このとき、押圧検知部23はシャッタメガネ2のフレームの一部に押圧を検知するスイッチとして設けられ、ユーザがこのスイッチを押圧することによって装着/非装着の情報をトグルで切り換えて出力する(例えばシャッタメガネ2の電源のON/OFFを切り替える電源スイッチ等であってもよい)。装着検知部23は制御部21からの装着状態情報の送信要求に基づいて装着状態情報を制御部21に送信する。
【0040】
シャッタ駆動部24は、液晶によって構成されたシャッタ部25を駆動させる液晶駆動装置である。シャッタ駆動部24は通信部22が受信する、DTV1からの開閉信号に基づいて、シャッタ部25の左右それぞれの液晶シャッタを駆動させる機能を有している。
【0041】
シャッタ部25は、シャッタメガネ2のレンズユニットに設けられており、シャッタ駆動部24によって駆動され、右眼用、左眼用それぞれのレンズユニットで遮蔽、透過を切り替える。また、シャッタメガネ2のシャッタ部25は開閉信号を受信していないときには透過状態となっている。
【0042】
シャッタメガネ2は通信部22によってDTV1の通信部162から送信された信号を受信し、この信号に基づいた所定の動作を行う。本実施形態に於いてDTV1が送信する信号は2種類存在し、この2種類の信号はシャッタメガネ2の遮蔽、透過状態を制御するための信号である開閉信号と、シャッタメガネ2のユーザの装着状態の情報の信号である装着状態信号を送信するための要求信号である装着状態信号要求である。
【0043】
シャッタメガネ2の通信部22が開閉信号を受信すると、制御部21はこの信号に基づいてシャッタ駆動部24にシャッタ部25を駆動させるように指示を行う。シャッタ駆動部24はこの指示に基づいてシャッタ部25の遮蔽と透過とを切り替える。また、シャッタメガネ2の通信部22が装着状態信号要求を受信すると、制御部21は装着検知部23より装着状態情報を取得し、これを装着情報信号として通信部22によって送信する。本実施形態に於いては装着情報信号要求を受信したときに、制御部21が装着状態情報を装着検知部23より取得するものとして説明するが、これに限定されるものではない。例えば、装着状態検知部23はユーザがシャッタメガネ2を装着/取り外ししたときに、この装着/取り外しを検知し、この装着状態情報を制御部21に送信してもよい。このときには、制御部21は自身の内蔵するキャッシュに装着状態情報を保持しておき、DTV1からの装着状態信号送信要求に基づいてこの情報を装着状態信号として送信するとすればよい。
【0044】
上述の構成により、DTV1は通信部162を介してユーザがシャッタメガネ2を装着しているか否かを検出することができる。
【0045】
例えば、放送波で2D映像が表示されているときに、突然映像が立体視映像に切り替われるような場合、ユーザはシャッタメガネ2を装着できていない場合が想定され、ユーザはシャッタメガネ2を装着していない間は、立体視映像を立体として認識(視聴)することができない。さらに立体視映像は、一般的に立体視視聴用メガネを装着しないと、まともな映像として視聴することもできない場合がある。
【0046】
そこで、本実施形態のDTV1ではユーザが立体視視聴用メガネを装着しているか否かを判別し、立体視視聴用メガネを装着していない間は放送されている映像を自動的に録画することができる。次に、これを実行するための構成について説明を行う。
【0047】
図3は、本実施形態における立体視映像録画処理に関する構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
制御部156は映像判別部31を有しており、この映像判別部31はDTV1が現在受信している放送の映像が2D映像であるか、立体視映像であるかの判別を行うことができる。映像判別部31の判別方法の一例としては、放送波のデータ信号に含まれる、映像が立体視映像であるか否かを示すフラグ(情報)を読み取り、これに基づいて受信している映像が2D映像であるか立体視映像であるかを判別する方法が挙げられる。本実施形態ではこの方法を採用しており、映像判別部31は信号処理部100より、現在受信している映像のデータ信号を受け取り、このデータ信号に基づいて判別を行う。2D映像であるか立体視映像であるかの判別方法としてはこれに限定されず、映像自体を解析することで判別する方法等も考えられる。映像判別部31は、受信する放送波の映像が立体視映像であると判別すると、メガネ装着検出部32及び録画制御部33にその旨を通知する。
【0049】
メガネ装着検出部32は、ユーザがシャッタメガネ2を装着しているか否かを検出する機能を有している。本実施形態において、このメガネ装着の検出方法としては幾つかの方法が挙げられる。
【0050】
まず一つは、シャッタメガネ2から受信する、シャッタメガネ2がユーザに装着されているか否かを示す装着状態信号に基づいて検出する方法である。メガネ装着検出部32は、通信部162を介して装着状態信号要求をシャッタメガネ2に送信することができ、シャッタメガネ2より装着状態信号を受信することができる。
【0051】
他の検出方法としては、撮影部160が撮影するユーザの映像に基づいて、ユーザのメガネの装着を検出する方法である。メガネ装着検出部32は撮影部160で撮影された映像を解析し、映像の中のユーザがシャッタメガネ2を装着しているか否かを判別することができる。この場合、メガネ装着検出部32は撮影した映像の中からユーザの肩、頭の形等を認識し、認識した頭の位置にシャッタメガネ2が存在するか否かを判別する。また、例えばメガネ装着検出部32が検出し易いようにシャッタメガネ2にはマーカ等が設けられているとしてもよい。
【0052】
更に他の検出方法としては、シャッタメガネ2を装着しているか否かをユーザに尋ねる方法が考えられる。この場合、DTV1はOSD等により、ユーザが現在シャッタメガネを装着して否かを尋ねる旨の映像を表示し、ユーザがリモコン操作によって答えることとなる。
【0053】
メガネ装着検出部32は、上述の内の少なくとも何れか方法を用いてユーザがシャッタメガネ2を装着しているか否かを判別する(ユーザのシャッタメガネ2の装着を検知する)。そして、メガネ装着検出部32は、この判別による結果を録画制御部33に対して出力する。
【0054】
録画制御部33は立体視映像が表示される場合の録画を制御する機能を有している。録画制御部33は、立体視映像が表示される場合に、録画を開始するか否かをユーザに選択させるための画像を作成することができる。この選択用の画面はOSD(On Screen Display)信号生成部154に出力され、映像と重畳して表示される。この、選択用の画面の例を図4に示す。図4には、立体視映像表示時に自動的に映像の録画を行うか否かをユーザが選択するための選択用画面41が表示部120に表示されている様子を示している。ユーザは選択用画面41を表示しているときに、リモートコントローラ117によって自動録画を行うか否かの選択をすることができる。
【0055】
また録画制御部33は、選択用画面41を用いて自動的な録画開始の実行が選択された場合には、この録画処理を制御する機能を有している。この録画では、放送波より取得した映像・音声をHDD170に記憶する。本実施形態では記憶先をHDD170として例示するが、これに限定されず、例えば外付け記憶装置等のDTV1の外部記憶装置を記憶先としてもよい。
【0056】
次に、本実施形態における処理フローについて説明を行う。
【0057】
図5は、本実施形態における自動録画に関する処理の一例を示すフロー図である。
【0058】
まず、映像判別部31が放送波のデータ信号を取得(受信)する(ステップS51)。
【0059】
映像判別部31は放送波のデータ信号を取得すると、このデータ信号の上記フラグに基づいて、現在受信している放送波の映像が立体視映像であるか否かを判別する(ステップS52)。この判別方法としては、データ信号に基づいて判別するとしても良いし、映像自体の解析によって判別を行うとしても良い。放送波により立体視映像が提供される場合には、取得する立体視映像は例えばSide-by-side、Top-bottom等の特有の映像フォーマットによって送信されている場合が多い。映像判別部31は放送波の映像を解析し、この映像がSide-by-side、Top-bottom等の特定映像フォーマットであることを検知すると、この映像が立体視映像であると判別する。本実施形態の立体視映像の判別方法としてはこれに限定されず、その他様々な方法が考えられる。
【0060】
ステップS52で映像判別部31が放送波の映像が立体視映像であると判別すると(ステップS52:Yes)、次に、メガネ装着検出部32はユーザがシャッタメガネ2を装着しているか否かの判別を行い(ステップS53)、判別結果を録画制御部33に出力する。ここでの判別方法としては上述のように、シャッタメガネ2から装着状態に関する信号を受信することで装着の判別を行う方法と、撮影部160で撮影した映像に基づいて装着を判別する方法とが考えられる。ここでは、映像判別部31が放送波の映像が立体視映像と判別したことをトリガーとして、シャッタメガネ2との通信、ユーザの撮影を行って、装着の判別をするとしても良い。もしくは、メガネ装着検出部32が、例えばそれ以前の所定のタイミングで装着の判別を行っており、立体視映像の判別をトリガーとして、このメガネ装着の判別結果を録画制御部33に出力するとしても良い。
【0061】
ステップS53において、メガネ装着検出部32はユーザがシャッタメガネ2を装着していないと判別すると(ステップS53:No)、録画制御部33は現在、立体視映像の表示開始時の録画設定が有効となっているか否かの判別を行う(ステップS54)。この設定を有効にするか否かはユーザによって、図4の画面を用いて選択されている。
【0062】
ステップS52で映像判別部31が放送波の映像が立体視映像でないと判別した場合(ステップS52:No)、ステップS53においてメガネ装着検出部32はユーザがシャッタメガネ2を装着していると判別した場合(ステップS53:Yes)、又は、録画制御部33が立体視映像の表示開始時の録画設定が無効となっていると判別した場合(ステップS54:No)、DTV1は受信した放送波の映像を表示する(ステップS55)。なおこのとき、DTV1は受信した映像が2D映像である場合には2D映像として表示するための所定の処理を実行して表示し、立体視映像である場合には立体視映像として表示するための処理の処理を実行して表示する。
【0063】
ステップS54において、録画制御部33が立体視映像の表示開始時の録画設定が無効となっていると判別した場合(ステップS54:Yes)、録画制御部33は放送波の録画を開始する(ステップS56)。
【0064】
そして、DTV1は受信した放送波の映像を表示する(ステップS57)。このとき、放送波の映像は立体視映像であり、DTV1はこの映像を立体視映像の表示方式によって表示するとしても良いし、この映像を2D映像として表示するための変換処理を行って、2D映像として表示するとしてもよい。
【0065】
次にメガネ装着検出部32はユーザがシャッタメガネ2を装着したか否かの判別を行う(ステップS58)。ユーザのシャッタメガネ2の装着を検出していない間(装着していないと判別している間)は(ステップS58:No)、処理はステップS57に戻り、DTV1は映像を表示し続ける。
【0066】
ステップS58において、メガネ装着検出部32がユーザのメガネ装着を検出すると(ステップS58;Yes)、録画制御部33は、自動的に録画した映像を再生・表示する(ステップS59)。録画制御部33は録画された映像を再生する再生部(再生手段)を有しており、録画制御部33は再生部の録画した映像の再生開始後も、映像の録画を継続する。例えば録画映像の早送り等により、録画映像の再生位置が現在放送している映像に追いつくと、録画制御部33は録画映像の再生を終わり、DTV1は通常の放送波の映像を表示する。
【0067】
以上の処理によって、立体視用のメガネを装着してないときに、立体視映像が放送されても、録画された映像を視聴できるので、ユーザは最初からその立体視映像を立体として視聴することができる。また、立体視映像の録画と同時に、同映像の再生を行うことで、再生が追いつけば、ユーザはそのまま放送波の視聴を行うことができる。
【0068】
さらに、ユーザが立体視用メガネを装着すると自動的に録画している立体視映像の再生を開始することで、ユーザの再生指示の手間を省くことができる。この場合、立体視映像が表示されているときにユーザが立体視用のメガネを装着するということは、ユーザが現在表示している映像を立体として視聴したいという意思があるものと考えられ、自動的に立体視映像を再生することで、ユーザの再生指示の手間を省いている。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…DTV、2…シャッタメガネ、3…映像出力システム、4…インターネット、110…スピーカ、120…表示部、100…信号処理部、116…操作部、117…リモートコントローラ、118…受光部、131…LAN端子、133…USB端子、137…ライン入力端子、143…アンテナ、144…入力端子、145…チューナ、146…PSK復調器、147…TS復号器、148…アンテナ、149…入力端子、150…チューナ、151…OFDM復調器、152…グラフィック処理部、153…音声処理部、154…OSD信号生成部、155…映像処理部、156…制御部、157…ROM、158…RAM、160…撮影部、162…通信部、164…LAN I/F、166…USB I/F、170…HDD、21…制御部、22…通信部、23…装着検知部、24…シャッタ駆動部、25…シャッタ部、31…映像判別部、32…メガネ装着検出部、33…録画制御部、41…選択用画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を受信する受信手段と、
前記映像が立体視映像であって、ユーザが立体視視聴用のメガネを装着していないとき、自動的に前記映像を録画する録画制御手段と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
録画制御手段は、ユーザが前記立体視視聴用のメガネを装着していないときに、前記立体視映像の受信を開始すると、前記録画を開始する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記受信手段が受信する映像が立体視映像であるか否かを判別する映像判別手段を更に具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記映像判別手段は、前記受信する映像と共に受信する情報に基づいて前記判別を行う請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
ユーザが立体視視聴用のメガネを装着しているか否かを判別するメガネ装着判別手段を更に具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記メガネ装着判別手段は、前記立体視視聴用のメガネとの通信に基づいて前記判別を行う請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
周囲を撮影する撮影手段を更に具備し、
前記メガネ装着判別手段は、前記撮影された映像に基づいて前記判別を行う請求項5記載の電子機器。
【請求項8】
録画された映像を再生する再生手段を更に具備し、
ユーザが前記立体視視聴用のメガネを装着すると、前記録画制御手段が前記録画を継続したまま、前記再生手段が前記録画制御手段によって録画された前記映像を再生する請求項1記載の電子機器。
【請求項9】
前記録画制御手段は前記録画を実行するか否かをユーザに選択させるための映像を出力し、この選択に基づいて録画の実行を制御する請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
映像を受信し、
受信した前記映像が立体視映像であって、ユーザが立体視視聴用のメガネを装着していないとき、自動的に前記映像を録画する録画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−31138(P2013−31138A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167748(P2011−167748)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】