説明

電子機器および電子機器の制御方法

【課題】範囲選択された文字に対して実行可能な動作機能を表示することにより、使用性を向上させた電子機器の制御装置を提供する。
【解決手段】電子機器が実行可能な動作機能と文字種とを対応付けて記憶する記憶部と、前記動作機能及び文字列を表示する表示部と、前記表示部に表示された文字列から所望文字を選択させる文字選択部と、前記文字選択部によって選択された文字の文字種を判別して取得する文字種取得部と、前記文字種取得部によって取得された文字種に対応する動作機能を、前記記憶部取得する機能取得部と、前記機能取得部によって取得された前記動作機能を前記表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び電子機器の制御方法に関し、特に複数の機能を選択することが可能な電子機器の制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータは複数の機能を有し、通常、動作機能を選択した後、その機能をどの部分に対して実行するかを指示する。例えば電子辞書は、単語音声再生機能、文章音声再生機能、Sジャンプ機能またはマーカー機能などを有し、これら機能から1つの機能を選択して立ち上げ、そして、その機能を実行する文字範囲を指示する。すると、範囲選択した文字に対して、選択した機能が実行される。
【0003】
ここで、「単語音声再生機能」とは、アルファベット(英字)の1単語のみからなる1つの英単語の読みを音声で出力する機能である。「文章音声再生機能」とは、選択された文字列が複数の英単語からなり、複数の英単語を合成音声で出力する機能である。「Sジャンプ機能」とは、選択された英単語、あるいは選択された日本語(たとえば、漢字,ひらがな,カタカナを含む文字列)を見出し語として、電子辞書に搭載された英語辞書あるいは国語辞典などからその見出し語に対応する情報を検索する機能である。なお、選択される文字列は英単語あるいは日本語に限らず、表示している文字列であれば、英語、日本語以外の他の言語でも選択可能である。その場合は、その言語に応じたコンテンツの情報を検索する。「マーカー機能」とは、選択されたすべての文字列や記号の部分を、その文字表示色とは異なる色で着色表示する機能である。着色表示する機能に代えてアンダーラインを付加する機能であってもよい。
【0004】
即ち、図9に示すように、動作機能を指示するためのハ−ドキーが電子機器に備えられ、ハードキーを選択操作すると、そのキーに対応した機能が立ち上がる。例えば、電子辞書の場合は、単語音声再生機能、文章読上げ機能、Sジャンプ機能、またはマーカー機能を有し、各動作機能を指示するキーを操作すると、指示された機能が立ち上がる。次に選択した機能を実行する文字範囲を指示する。電子辞書の場合は、選択機能に対応した文字種について範囲選択操作を行わなければならない。即ち、範囲選択操作を行う場合、立ち上げた機能に対応して、範囲選択可能な文字種、例えば、単語の選択は可能か、複数の連続する単語は選択可能か、英語または日本語は選択可能か、英語と日本語が混在する選択は可能かを考慮して選択する必要がある。このようにして、範囲選択が終了すると、範囲選択した文字に対して、選択した機能が実行される。つまり、機能を選択してから、その機能に対する範囲選択を実行する、と言う順序である。
【0005】
図9(a)に示す電子辞書は、Sジャンプ機能ボタン51、MP3音声再生機能ボタン52、TTS文章読上げ機能ボタン53、マーカー機能ボタン54を備える。そして、Sジャンプ機能を実施する場合は、図9(b)に示すように、Sジャンプ機能ボタン51を押してから文字範囲「い」を指示する。またMP3音声再生機能を実施する場合は、図9(c)に示すように、MP3音声再生機能ボタン52を押してから、文字範囲「That」を指示する。またTTS文章読上げ機能を実施する場合は、図9(d)に示すように、TTS文章読上げ機能ボタン53を押して、文字範囲「That goes」を指示する。またマーカー機能を実施する場合は、図9(e)に示すように、マーカー機能ボタン54を押してから、文字範囲「私の言うとおりにしなさい」を指示する。
【0006】
このように、動作機能と、その動作機能が実施し得る文字種は、動作機能ごとに異なっている。そのため先に動作機能を選択し、その後、選択された動作機能を実行可能な文字種を含む文字範囲を選択する必要があった。これは動作機能ごとに文字範囲に含まれる選択可能な文字種が異なるため、先に動作機能を選択することにより、選択可能な文字種が決められるからである。しかしながら、動作機能を先に選択するため、選択した文字範囲に動作機能が実施できない文字種が含まれている場合は、再度文字範囲を選択する必要がある。そのため、使用者は、各動作機能に対して選択可能な文字種を覚えている必要があり、間違えると、動作機能が実施されないので、再度、動作機能が実施得る文字範囲を選択し直さなければならない。また、動作機能ごとに立ち上がる動作が異なるので、図9に示すように、ハードキーが多くなり、使い方が分かり難くなっていた。
【0007】
従来、情報処理装置の操作を簡単にするための工夫がなされている。
例えば、特許文献1は、タッチパネルを備える情報端末装置において、簡単な手順で容易に文字操作を行うようにするものである。すなわち、表示装置とタブレットを重ねて構成し、ペン操作によってタブレットから入力されると、そのストロークを解析し、ストロークと表示された文字との位置関係を解析する。その解析結果から操作対象文字を特定し、テーブルから実行すべき文字操作の種類を読み出す。そして、読み出した文字操作と対象文字に同じ文字飾りが付されていた場合は対象の文字から文字飾りを消去し、同じ文字飾りが付されていなければ、対象の文字に文字飾りを付するものである。
【0008】
また、特許文献2は、入力文字に応じてメニュー表示を制御し、関数電卓のファンクションメニューを操作仕様の使い勝手のよいものにするものである。すなわち、入力式に用いられる各演算文字の組合わせ情報を記憶し、ユーザの操作入力にしたがって入力された演算文字及び使用組合わせ情報に基づいて、現在入力中の入力式に用いられる可能性のある演算文字を候補演算文字としてメニュー表示し、メニュー表示された候補演算文字の中から何れかの候補演算文字を選択させて演算文字を入力させるものである。
【0009】
特許文献3は、一体型表示入力装置を備える情報処理装置において、処理対象文字列の範囲指定から処理機能選択に移行するときの操作範囲を少なくし、かつ操作量を少なくして操作性を向上させるものである。即ち、座標入力装置から入力された座標データにより、表示装置に表示された文書等の一部分を処理対象範囲として指定し、その範囲指定に応じて、その範囲指定に対する処理を選択するための複数のメニュー項目からなる表示位置可変メニューを指定範囲の近傍に表示し、表示位置可変メニューのメニュー項目が選択された場合、そのメニュー項目に定義された処理を、前記指定範囲に対して行うからものである。
【0010】
特許文献4は、マウスボタンがクリックされたときの座標を利用して有効な機能を選択し、複数の機能が動作してしまうことを防止するものである。即ち、マウスの右ボタンをクリックすると、制御部はそのときのマウスカーソルの座標位置を判別し、それが外字作成有効範囲内であるときはその座標位置の外字ドットの表示消去を表示装置に行わせるとともに、外字編集部により外字作成用メモリから該当するドットを消去する。また外字作成有効範囲外であるときは、外字編集メニューウンドウを表示し、メニュー選択を行わせるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−78509号公報
【特許文献2】特開2006−65768号公報
【特許文献3】特開平5−189149号公報
【特許文献4】特開平8−76729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、図9に示した電子辞書では、動作機能を先に選択し、その後、選択した動作機能を実行させる文字を指定するので、各動作機能に対して選択可能な文字種を間違えると、動作機能が実施されないので、再度、動作機能が実施得る文字範囲を選択し直さなければならない。
上記特許文献1は文字飾りのような文字操作を容易にするものであり、また、特許文献2は関数電卓の入力援助に関するものであり、特許文献4は複数の機能が動作することを防止するものであり、動作機能を選択するものではない。
特許文献3は、表示位置可変メニューによって、予め設定された全ての機能を表示し、表示された機能から選択して動作を実行させるものであるが、表示位置可変メニューには予め設定された全ての機能を表示しているので、指定された文字に対して実行不可能な機能が含まれている場合もあり、使用者は実行不可能な機能を選択する場合がある。そのため使用者にとって操作性が悪い場合がある。
【0013】
本発明は、以上のように課題に鑑みて、範囲選択された文字列に対して実行可能な動作機能を表示することにより、操作性を向上させた電子機器の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の電子機器は、電子機器が実行可能な複数の動作機能と、文字種とを対応付けて記憶する記憶部と、前記動作機能及び文字列を表示する表示部と、前記表示部に表示された文字列から所望文字を選択させる文字選択部と、前記文字選択部によって選択された文字種を取得する文字種取得部と、前記文字種取得部によって取得された文字種に対応する動作機能を、前記記憶部より取得する機能取得部と、前記機能取得部によって取得された前記動作機能を前記表示部に表示する制御部を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の電子機器は、例えば、電子辞書に適用され、電子機器の制御装置は電子辞書の単語音声再生機能、文章音声再生機能、Sジャンプ機能またはマーカー機能のいずれが実行可能な動作かを表示する制御装置に使用される。上記単語音声再生機能は、アルファベット(英字)のみからなる1つの英単語の読みを音声で出力する機能である。文章音声再生機能は、複数の英単語を合成音声で出力する機能である。Sジャンプ機能は、選択された英単語(単語検索)、あるいは選択された複数の英単語(成句検索)、または選択された日本語(たとえば、漢字,ひらがな,カタカナを含む文字列)を見出し語として、電子辞書に搭載された英語辞書あるいは国語辞典などからその見出し語に対応する情報を検索する機能である。マーカー機能は、選択されたすべての文字や記号の部分を、その文字表示色とは異なる色で着色表示する機能である。
なお、電子辞書が日本語及び英語以外の言語(中国語など)の辞書を搭載している場合は、日本語及び英単語や英文のみならず、他言語の単語や文章についても、実行可能な機能が予め決定されており、選択された文字列に対応して特定の機能を実行するものとする。
【0016】
また本発明において、文字種は、文字列に含まれる英単語、複数の英単語、日本語、または二言語以上の文字列、あるいは記号を意味する。特に二言語以上の文字列は、電子辞書に搭載された辞書に使用されている言語を意味する。
そして、本発明の電子機器の制御装置は、記憶部に上記動作機能と文字種を対応付けて、半導体記憶装置に文字種機能対応情報として記憶する。
例えば、本発明の電子機器の制御装置は、英単語が選択された場合は、単語音声再生機能、文章音声再生機能、1単語検索するSジャンプ機能またはマーカー機能が実行可能である。複数の英単語が選択された場合は、文章音声再生機能、成句検索するSジャンプ機能またはマーカー機能が選択可能である。日本語が選択された場合は、Sジャンプ機能またはマーカー機能が選択可能である。二言語以上の文字列あるいは記号が選択された場合は、マーカー機能が選択可能である。従って、文字種は、単語と、複数の単語と、二言語以上の文字列或いは記号を判別すればよい。
【0017】
また本発明は、別の観点によれば、電子機器の制御方法であり、電子機器が実行可能な複数の動作機能と、文字種との関係を記憶する記憶部を備え、コンピュータによって、文字列を表示する表示ステップと、前記表示された文字列から所望文字を選択させる文字選択ステップと、前記選択された文字の文字種を取得する文字種取得ステップと、前記取得された文字種に対応する動作機能を、前記記憶部より取得する機能取得ステップと、前記取得された動作機能を表示する表示制御ステップとを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電子機器の制御表示制御装置によれば、範囲選択された文字列に対して実行可能な動作機能が表示されるので、操作性を向上させた電子機器の制御装置および制御方法が提供される。
本発明によれば、所望の動作機能を実行させる文字を選択すると、動作可能な機能が表示されるので、使用者の操作ミスが少なくなり、電子機器の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による電子機器のブロック図を示す。
【図2】本発明による電子機器のデータ部のブロック図を示す。
【図3】本発明による電子機器に使用される機能毎の範囲選択文字種対応表を示す。
【図4】本発明による電子機器が適用される電子辞書の動作説明図を示す。
【図5】本発明による電子機器が適用される電子辞書のSジャンプ機能の動作説明図を示す。
【図6】本発明による電子機器が適用される電子辞書の別のSジャンプ機能の動作説明図を示す。
【図7】本発明による電子機器が適用される電子辞書の更に別のSジャンプ機能の動作説明図を示す。
【図8】本発明による電子機器のフローチャート図を示す。
【図9】従来の電子辞書の動作説明図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の電子機器は、範囲選択された文字列に対して実行可能な動作機能を表示することにより、操作性を向上させるものであり、使用者の操作ミスが少なくする。
図1は、本発明による電子機器100のブロック図を示す。
本発明による電子機器100は、例えば、電子辞書のような小型携帯型電子機器として具現化され、電子機器は上側本体と下側本体に分割され、上側本体と下側本体が蝶番機構によって折り畳み可能に結合される。上側本体に表示部が備えられ、下側本体に電子機器の制御部を備える。上側本体に備えられた表示部は上側本体の面積の大部分を占めるような大きい画面を有し、各種情報を表示する。例えば、電子機器が電子辞書である場合、入力された見出し語や指示、命令を表示する。また見出し語に対応する訳語(語義)、説明文、関連情報、発音記号、例文を表示する。本発明の電子機器の制御装置100は、上側本体に備えられた表示部の表示制御するものである。このように、電子機器を上側本体と下側本体に分割し、蝶番機構によって折り畳み可能に結合することは、本発明において必須ではなく、一体構成としてもかまわない。
下側本体の表面には、キーボードが配置されると共に小画面のタッチパネルが配置される。小画面のタッチパネルは、手書き文字入力部として、あるいはペン又は指による指示部、命令部として使用される。本発明では、下側本体の表面に小画面のタッチパネルがない構成であっても構わない。
以下の説明では、一例として電子辞書を説明するが、本発明の電子機器の制御装置は、PDA、携帯電話、ノート型パソコンなどに適用可能である。
【0021】
本発明の電子機器100は、入出力デバイス部1と、プログラム部2と、データ部3、制御部4、一時記憶部5を備える。
【0022】
入出力デバイス部1は、表示部11と、キー入力部12と、タッチパネル入力部13及びマウス入力部14を備える。
表示部11は、代表的には液晶表示装置であるが、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、電子ペーパーのような表示装置を使用することも可能である。表示部11は、例えば、上側本体と下側本体が折り畳み可能に結合された電子機器である場合、上側本体に配置され、上側本体と同程度の面積の表示画面を有する。表示部11は、コンテンツ表示部11aと機能選択表示部11bを有する。コンテンツ表示部11aと機能選択表示部11bは、表示部11の表示画面中にウインドウとして表示してもかまわない。
コンテンツ表示部11aは、キー入力部12より入力された見出し語を表示し、また見出し語の検索結果である訳語(語義)、説明文、関連情報、発音記号、例文などを表示する。また、コンテンツ表示部11aは、文字列の外に、記号、図形、表、写真、動画なども表示するが、この発明では、主として文字列が表示されるとする。
機能選択表示部11bは、使用者が文字範囲を選択した後に、実行可能な動作機能項目を表示する部分であり、自動的に表示されるようにすることが好ましい。また、機能選択表示部11bに表示される機能項目は、文字種機能対応情報に基づき、実行可能な機能項目だけが表示されるようにするのが好ましい。
【0023】
キー入力部12は、QWERTY方式キーボードよりなり、下側本体の表面に配置される。このキーボードを使用して文字、数字などの見出し語を入力する。また、キーボードを使用して電子辞書に指示、命令のコマンドを入力する。ここで、キーボードは、上記に記載したQWERTY形式のキーボードだけでなく、五十音表順にひらがなを配列した「あいうえおキーボード」や、その他言語に対応した専用のキーボードであっても構わない。
【0024】
タッチパネル入力部13は、表示部11の前面に重ねて配置したタッチパネルに、ペンまたは指によって入力する部分であり、手書き入力部、位置指示部、画面選択部、範囲選択部として使用される。タッチパネルは、アナログ抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、赤外線遮光方式、静電容量方式、電磁誘導方式、画像認識方式があり、いずれも使用可能であるが、ここではアナログ抵抗膜方式を使用した。また、下側本体に配置したキーボード部の近傍に配置した表示部にもタッチパネル入力部を設けて、手書き入力部、位置指示、画面選択、範囲選択として使用してもよい。ただし、本発明では、下側本体の表面にタッチパネル入力部がない構成であっても構わない。
タッチパネル入力部13に代えて、またはタッチパネル入力部13とともに、マウス入力部14を備え、マウス入力部14を使用して、任意の位置を指示し、画面を選択し、文字範囲のような領域を指示することができる。
【0025】
プログラム部2は、表示処理部19、キー入力受付部20、タッチパネル入力受付部21、コンテンツ見出し語検索処理部22、コンテンツ例文検索処理部23、コンテンツ成句検索処理部24、コンテンツ表示処理部25、表示バッファ部26、タッチパネル入力位置情報判断部27、表示中コンテンツの状態判別部28、文字種取得部29、機能取得部30を備える。この外に、図示しないが、電子辞書の制御プログラム、文書作成プログラム、図表作成プログラムを備える。
【0026】
表示処理部19は、表示部11の表示データを処理する部分である。
キー入力受付部20は、キー入力部12の入力を受付け、キー操作の情報を処理する部分である。
タッチパネル入力受付部21は、ペンまたは指によって操作されたタッチパネル入力部13の入力を受付け、入力座標または入力座標領域を検出する部分である。また、キーボード近傍に配置した表示部11のタッチパネル入力部の入力を受付け、入力座標または入力座標領域を検出する。マウス入力部14を備える場合は、マウス入力部14の入力操作を受付け、マウスの操作情報、例えば、任意の位置を指示する指示操作、画面を選択する画面選択操作、領域を指示する領域操作による情報を処理する。
上記キーワードを入力するキー入力部12、あるいはキーワードを範囲指定するタッチパネル入力部13、またはキーワードを範囲指定するマウス14が文字選択部を構成する。
【0027】
コンテンツ見出し語検索処理部22は、キー入力部12より入力されたキーワード、あるいはタッチパネル入力部13によって範囲指定されたキーワード、またはマウス14によって範囲指定されたキーワードを用いて、データ部3に格納されたコンテンツ見出し語検索情報データベース部31の見出し語を検索する部分である。コンテンツ見出し語検索処理部22は、入力されたキーワードが1つの英単語である場合に使用され、1つの英単語をキーワードにして、コンテンツ見出し語検索情報データベース部31を検索する。
コンテンツ例文検索処理部23は、キー入力部12より入力されたキーワード、あるいはタッチパネル入力部13によって範囲指定されたキーワード、またはマウス入力部14によって範囲指定されたキーワードが、複数の英単語である場合に、データ部3に格納されたコンテンツ例文検索情報データベース部32を検索する部分である。 コンテンツ成句検索処理部24は、キー入力部12より入力されたキーワード、あるいはタッチパネル入力部13によって範囲指定されたキーワード、またはマウス入力部14によって範囲指定されたキーワードが、複数の英単語である場合に、データ部3に格納されたコンテンツ成句検索情報データベース部33を検索する部分である。
【0028】
コンテンツ表示処理部25は、コンテンツ見出し語リスト表示情報データベース部34、コンテンツ例文リスト表示情報データベース部35、コンテンツ成句リスト表示情報データベース部36、コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37、コンテンツ例文部表示情報データベース部38及びコンテンツ成句部表示情報データベース部39に接続され、コンテンツ表示情報を処理する部分である。
表示バッファ部26は、表示処理部19によって処理するための表示データを一時記憶する部分である。
タッチパネル入力位置情報判断部27は、タッチパネル入力受付部21によって受付された入力座標情報から入力位置を判断する部分である。タッチパネル入力位置情報判断部27は、入力位置に文字が存在するか、文字が存在しないかを判断する。
表示中コンテンツの状態判別部28は、表示バッファ部26に一時記憶された表示データから表示中のコンテンツの表示状態を判別する部分である。例えば、1画面表示中か、複数画面表示中かを判別する。また、タッチペンまたはマウスによって指示された位置がコンテンツの表示部分か表示部分でないかを判別する。
【0029】
文字種取得部29は、キー入力部12より入力された文字列、あるいはタッチパネル入力部13によって範囲指定された文字列,またはマウス入力部14によって範囲指定された文字列の文字種を判別して取得する部分である。例えば、英単語、複数の英単語、日本語、日本語と英語のように二言語以上を含む文章、または言語以外の記号を含む文章を判別し、文字種を収得する。ここで、二言語以上の文字は、この電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字である。
機能取得部30は、図3に示す機能毎の範囲選択文字種の対応表40から、文字種に対応する機能を文字種機能対応情報として取得する部分である。
【0030】
データ部3は、コンテンツ見出し語検索情報データベース部31と、コンテンツ例文検索情報データベース部32と、コンテンツ成句検索情報データベース部33と、コンテンツ見出し語リスト表示情報データベース部34と、コンテンツ例文リスト表示情報データベース部35と、コンテンツ成句リスト表示情報データベース部36と、コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37と、コンテンツ例文部表示情報データベース部38と、コンテンツ成句部表示情報データベース部39と、機能毎の範囲選択文字種対応表40を備える。
【0031】
上記コンテンツ見出し語検索情報データベース部31は、コンテンツ1の見出し語検索情報記憶部31a、コンテンツ2の見出し語検索情報記憶部31b、及びコンテンツ3の見出し語検索情報記憶部31c・・・を備える。コンテンツ見出し語検索情報データベース部31は、検索のキーワードが1つの英単語である検索情報を記憶する。このコンテンツ見出し語検索情報データベース部31は、キーワードが1つの英単語である場合に、コンテンツ見出し語検索処理部22により、そのキーワードによって検索情報を検索される。ここで、コンテンツとは国語辞書、漢字辞書、英語辞書、ドイツ語辞書、フランス語辞書、及び中国語辞書・・のような語学辞書であり、また電気用語辞典、機械用語辞典、及び化学辞典・・・のような専門用語辞典であり、百科事典、現代用語辞典、法律用語辞典、その他辞典、及び辞書を含む。これらコンテンツは例示であり、全てを備える必要はなく、適宜選択することができる。以下も同じ。そして、コンテンツ見出し語検索処理部22によって情報コンテンツ見出し語検索情報データベース部31の見出し語を検索する。
【0032】
上記コンテンツ例文検索情報データベース部32は、コンテンツ1の例文検索情報記憶部32a、コンテンツ2の例文検索情報記憶部32b、及びコンテンツ3の例文検索情報記憶部32c・・・を備える。コンテンツ例文検索情報データベース部32は、検索のキーワードが複数の英単語である例文検索情報を記憶する。そして、キーワードが複数の英単語である場合に、コンテンツ例文検索処理部23により、そのキーワードによってコンテンツ例文検索情報データベース部32の例文を検索する。
【0033】
上記コンテンツ成句検索情報データベース部33は、コンテンツ1の成句検索情報記憶部33a、コンテンツ2の成句検索情報記憶部33b、及びコンテンツ3の成句検索情報記憶部33c・・・を備える。コンテンツ成句検索情報データベース部33は、検索のキーワードが複数の英単語である成句検索情報を記憶する。そして、キーワードが複数の英単語である場合に、コンテンツ成句検索処理部24により、そのキーワードによってコンテンツ成句検索情報データベース部33の成句検索情報を検索する。
【0034】
ここで、成句検索について説明する。例えば、1つ目のキーワードが「a」、2つ目のキーワードが「lot」からなる2つのキーワードで成句検索する場合、検索のキーワードが複数の英単語であるので、図2(a)に示すコンテンツ2の成句検索情報記憶部33bが検索される。まず1つ目のキーワードでコンテンツ成句検索情報記憶部33bのリスト中に1つ目のキーワード「a」を持つリストがあるかどうか検索する。その結果、コンテンツ成句検索情報記憶部33bの中で、「a」が存在する成句情報No1とNo3が検索される。次に、検索された成句情報No1とNo3に対して、2つ目のキーワード「lot」が存在するかどうかを検索する。その結果、成句情報No1が検索される。
上記の例は、2つのキーワードによって検索した場合を説明したが、3つ目のキーワードがあれば、上記のような検索をキーワードがなくなるまで繰り返す。そして、最後まで残ったコンテンツ成句検索情報記憶部33b中の成句情報に対応したコンテンツ成句部表示情報記憶部39bの情報が成句検索結果となる。この例では、成句情報No1の「a lot of たくさんの」が表示部11に表示される。
【0035】
コンテンツ見出し語リスト表示情報データベース部34は、コンテンツ1の見出し語リスト表示情報記憶部34a、コンテンツ2の見出し語リスト表示情報記憶部34b、及びコンテンツ3の見出し語リスト表示情報記憶部34c・・・を備える。コンテンツ見出し語リスト表示情報データベース部34は、コンテンツ1〜nの見出し語リスト表示情報を記憶し、コンテンツkの見出し語リスト表示情報がキーワードによって検索された場合に、その検索された見出し語リスト表示情報が出力される。
【0036】
コンテンツ例文リスト表示情報データベース部35は、コンテンツ1の例文リスト表示情報記憶部35a、コンテンツ2の例文リスト表示情報記憶部35b、及びコンテンツ3の例文リスト表示情報記憶部35c・・・を備える。コンテンツ例文リスト表示情報データベース部35は、コンテンツ1〜nの例文リスト表示情報を記憶し、コンテンツkの例文リスト表示情報がキーワードによって検索された場合に、その検索された例文リスト表示情報が出力される。
【0037】
コンテンツ成句リスト表示情報データベース部36は、コンテンツ1の成句リスト表示情報記憶部36a、コンテンツ2の成句リスト表示情報記憶部36b、及びコンテンツ3の成句リスト表示情報記憶部36c・・・を備える。コンテンツ成句リスト表示情報データベース部36は、コンテンツ1〜nの成句リスト表示情報を記憶し、コンテンツkの成句リスト表示情報がキーワードによって検索された場合に、その検索された成句リスト表示情報が出力される。
【0038】
コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37は、コンテンツ1の見出し語解説部表示情報記憶部37a、コンテンツ2の見出し語解説部表示情報記憶部37b、及びコンテンツ3の見出し語解説部表示情報記憶部37c・・・を備える。コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37は、コンテンツ1〜nの見出し語解説部表示情報を記憶する。また、コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37は、コンテンツ1〜nの見出し語解説部表示情報の外に、コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37に関連する関連データまたはリンク情報を記憶してもかまわない。コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37は、コンテンツ1〜nの見出し語解説部表示情報を記憶し、コンテンツkの解説部表示情報がキーワードによって検索された場合に、その検索された見出し語解説部表示情報が出力される。
【0039】
コンテンツ例文部表示情報データベース部38は、コンテンツ1の例文部表示情報記憶部38a、コンテンツ2の例文部表示情報記憶部38b、及びコンテンツ3の例文部表示情報記憶部38c・・・を備える。コンテンツ例文部表示情報データベース部38は、コンテンツ1〜nの例文情報を記憶する。例文が存在しないコンテンツは、その例文部表示情報記憶部を省略することができる。また、例文は解説部表示情報に対応する関連データとして示したものであり、関連データを記憶してもよい。コンテンツ例文部表示情報データベース部38は、コンテンツ1〜nの例文部表示情報を記憶し、コンテンツkの例文部表示情報がキーワードによって検索された場合に、その検索された例文部表示情報が出力される。
【0040】
コンテンツ成句部表示情報データベース部39は、コンテンツ1の成句部表示情報記憶部39a、コンテンツ2の成句部表示情報記憶部39b、及びコンテンツ3の成句部表示情報記憶部39c・・・を備える。コンテンツ成句部表示情報データベース部39は、コンテンツ1〜nの成句情報を記憶する。成句情報が存在しないコンテンツは、その成句部表示情報記憶部を省略することができる。コンテンツ成句部表示情報データベース部39は、コンテンツ1〜nの成句部表示情報を記憶し、コンテンツkの成句部表示情報がキーワードによって検索された場合に、その検索された成句部表示情報が出力される。
【0041】
制御部4は、プログラム部2に備えられた電子辞書の制御プログラム、文書作成プログラム、図表作成プログラムを読み出し、各プログラムに従って各部を順次動作させ、本発明の表示制御方法を実現する。
一時記憶部5は、各種データを一時記憶する部分である。
【0042】
図2は、コンテンツ見出し語検索情報データベース部31、コンテンツ見出し語リスト表示情報ベース部34、コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37、コンテンツ成句検索情報データベース部33、コンテンツ成句リスト表示情報データベース部36、コンテンツ成句部表示情報データベース部39、コンテンツ例文検索情報データベース部32、コンテンツ例文リスト表示情報データベース部35及びコンテンツ例文部表示情報データベース部38の一例を示す図である。
図2において、コンテンツ見出し語検索情報データベース部31、コンテンツ見出し語リスト表示情報ベース部34及びコンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部37が見出し語検索のための一組のデータベースを構成する。また、コンテンツ成句検索情報データベース部33、コンテンツ成句リスト表示情報データベース部36及びコンテンツ成句部表示情報データベース部39が成句検索のための一組のデータベースを構成する。さらに、コンテンツ例文検索情報データベース32、コンテンツ例文リスト表示情報データベース35及びコンテンツ例文部表示情報データベース部38が例文検索のための例文検索のための一組のデータベースを構成する。
【0043】
図2(a)は、コンテンツ1が国語辞書である場合に、コンテンツ1の見出し語検索情報記憶部31a、コンテンツ1の見出し語リスト表示情報記憶部34a及びコンテンツ1の見出し語解説部表示情報記憶部37aの一例を一部分だけ示す。また、コンテンツ1の成句検索情報記憶部33a、コンテンツ1の成句リスト表示情報記憶部36a及びコンテンツ1の成句部表示情報記憶部39aの一例を一部分だけ示す。
なお、コンテンツ1は、例文情報が存在しないので、例文検索情報記憶部、例文リスト表示情報記憶部及び例文部表示情報記憶部は省略されている。
【0044】
図2(b)は、コンテンツ1が英語辞書である場合に、コンテンツ2の見出し語検索情報記憶部31b、コンテンツ2の見出し語リスト表示情報記憶部34b及びコンテンツ2の見出し語解説部表示情報記憶部37aの一例を一部分だけ示す。また、コンテンツ2の成句検索情報記憶部33b、コンテンツ2の成句リスト表示情報記憶部36b及びコンテンツ2の成句部表示情報記憶部39bの一例を一部分だけ示す。更に、コンテンツ2の例文検索情報記憶部32b、コンテンツ2の例文リスト表示情報記憶部35b及びコンテンツ2の例文部表示情報記憶部38bの一例を一部分だけ示す。
【0045】
図2に示したコンテンツkの見出し語検索情報記憶部31k、コンテンツkの見出し語リスト表示情報記憶部34k、コンテンツkの見出し語解説部表示情報記憶部37k、コンテンツkの成句検索情報記憶部33k、コンテンツkの成句リスト表示情報記憶部36k及びコンテンツkの成句部表示情報記憶部39k、コンテンツkの例文検索情報記憶部32k、コンテンツkの例文リスト表示情報記憶部35k及びコンテンツkの例文部表示情報記憶部38kは、n個のコンテンツについてそれぞれ備えられるが、図示を省略した。
【0046】
なお、本発明において、図2(a)に示すように、コンテンツkの見出し語検索情報記憶部31k、コンテンツkの見出し語リスト表示情報記憶部34k、コンテンツkの見出し語解説部表示情報記憶部37k、コンテンツkの成句検索情報記憶部33k、コンテンツkの成句リスト表示情報記憶部36k及びコンテンツkの成句部表示情報記憶部39k、コンテンツkの例文検索情報記憶部32k、コンテンツkの例文リスト表示情報記憶部35k及びコンテンツkの例文部表示情報記憶部38kは、関係あるコンテンツという。そして、図2(a)、図2(b)・・・に記憶されるコンテンツは関係のないコンテンツという。
つまり、コンテンツ番号が同じである見出し語検索情報、見出し語リスト表示情報、見出し語解説部表示情報、成句検索情報、成句リスト表示情報、成句部表示情報、例文検索情報、例文リスト表示情報及び例文部表示情報は関係のあるコンテンツであり、コンテンツ番号が異なる見出し語検索情報、見出し語リスト表示情報、見出し語解説部表示情報、成句検索情報、成句リスト表示情報、成句部表示情報、例文検索情報、例文リスト表示情報及び例文部表示情報は関係のないコンテンツである。
【0047】
図2に示したコンテンツkの見出し語検索情報記憶部31a、31b、・・・は、1つの単語がキーワードである場合に、そのキーワードによって見出し語が検索される。検索結果が、1つまたは複数である場合、該当する見出し語が見出し語リスト表示情報記憶部34a,34b、・・・から出力され、表示部11に表示される。検索結果が1つである場合は、その見出し語に対応する解説情報が見出し語解説部表示情報記憶部37a、37b、・・・から読み出され、表示部11に表示される。しかし、検索結果が複数である場合は、複数の見出し語が表示部11に表示される。複数の見出し語の内の1つを選択すると、対応する解説情報が見出し語解説部表示情報記憶部37a、37b、・・・から読み出され、表示部11に表示される。
【0048】
成句検索は、複数の単語がキーワードである場合に、そのキーワードによってコンテンツkの成句検索情報記憶部33a、33b、・・・の見出し語が検索される。検索結果が、1つまたは複数である場合、該当する成句が成句リスト表示情報記憶部36a,36b、・・・から出力され、表示部11に表示される。検索結果が1つである場合は、その成句に対応する成句情報が成句部表示情報記憶部39a、39b、・・・から読み出され、表示部11に表示される。しかし、検索結果が複数である場合は、複数の成句が表示部11に表示され、その内の1つを選択すると、対応する成句情報が成句部表示情報記憶部39a、39b、・・・から読み出され、表示部11に表示される。
【0049】
更に、例文検索は、複数の単語がキーワードである場合に、そのキーワードによってコンテンツkの例文検索情報記憶部32a、32b、・・・の例文が検索される。検索結果が、1つまたは複数である場合、該当する例文が例文リスト表示情報記憶部35a,35b、・・・から出力され、表示部11に表示される。検索結果が1つである場合は、その例文に対応する例文情報が例文部表示情報記憶部38a、38b、・・・から読み出され、表示部11に表示される。しかし、検索結果が複数である場合は、複数の例文が表示部11に表示され、その内の1つを選択すると、対応する例文情報が例文部表示情報記憶部38a、39b、・・・から読み出され、表示部11に表示される。
【0050】
図3は、電子機器が実行可能な動作機能と、その動作機能ごとに実行対象となる文字の文字種を対応付けた文字種機能対応情報を表形式によって示すものであり、機能毎の範囲選択文字種対応表40を示す。本発明は、この表に基づいて動作機能を選択する。
【0051】
図3に示すように、電子辞書の動作機能として、MP3音声再生機能、TTS文章読上げ機能、Sジャンプ機能(英単語検索と、成句検索及び例文検索)、マーカー機能を有する。この発明において、「MP3音声再生機能」とは、選択された文字列がアルファベット(英字)の英単語のみからなり、1つの英単語の読みを音声で出力する機能である。「TTS文章読上げ機能」とは、選択された文字列が複数の英単語からなり、複数の英単語を合成音声で出力する機能である。「Sジャンプ機能」とは、選択された英単語(単語検索)、あるいは選択された複数の英単語(成句検索)、または選択された日本語(たとえば、漢字,ひらがな,カタカナを含む文字列)を見出し語として、電子辞書に搭載された英語辞書あるいは国語辞典などからその見出し語に対応する解説部表示情報、成句部表示情報及び例文部表示情報を検索する機能である。なお、選択される文字列は、英単語あるいは日本語の文字列に限らず、表示している文字列であれば英語、日本語以外の言語でも選択可能である。その場合は、その言語に応じたコンテンツの情報を検索する。「マーカー機能」とは、選択されたすべての文字や記号の部分を、その文字表示色とは異なる色で着色表示する機能である。または、選択されたすべての文字や記号の部分にアンダーラインを付加する機能である。
なお、電子辞書が日本語及び英語以外の言語(中国語など)の辞書を搭載している場合は、日本語及び英単語や英文のみならず、他言語の単語や文章についても、実行可能な機能が予め決定されており、選択された文字列に対応して特定の機能を実行するものとする。
【0052】
これら動作機能に対して範囲選択に含まれる文字種は、次のように限定される。MP3音声再生機能は,英単語(1word)が選択された場合に、実行可能である。TTS文章読上げ機能は,英単語(1word)、または複数の英単語(複数のwordの英単語)が選択された場合に、実行可能である。複数の英単語は、英単語間にスペースがあるか否かによって判断される。Sジャンプ機能は、英単語(1word)、複数の英単語又は日本語が選択された場合に実行可能である。英単語(1word)が選択された場合は、単語検索を実行し、複数の英単語が選択された場合は、成句検索及び例文検索を実行する。マーカー機能は、英単語、複数の英単語、日本語、二言語以上の文字を含む場合、あるいは記号が選択された場合に実行可能である。ここで、二言語以上の文字は、この電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字であるとよい。
この実施形態では、MP3音声再生機能は、英単語に対して実行可能であるが、その他言語に対して単語音声再生が実行可能であれば、当該言語が選択された場合に実行可能となる。同様に、TTS文章読上げ機能は,英単語(1word)又は英語文章(複数のwordの英単語)に対して実行可能であるが、その他言語に対して読上げ音声再生が実行可能であれば、当該言語が選択された場合に実行可能となる。
【0053】
言い換えれば、範囲選択に含まれる文字が、英単語(1word)である場合は、MP3音声再生機能、TTS文章読上げ機能、Sジャンプ機能(単語検索)、マーカー機能のいずれも実行可能である。また、範囲選択された文字が複数の英単語(複数のwordの英単語)である場合は、TTS文章読上げ機能と、Sジャンプ機能(成句検索及び例文検索)と、マーカー機能が実行可能である。また、範囲選択された文字が、日本語である場合は、Sジャンプ機能、マーカー機能が実行可能である。そして、範囲選択に含まれる文字が、電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字を含む場合、あるいは記号に対して、マーカー機能が実行可能である。
本発明は、文字列範囲を選択し、その文字列範囲に含まれる文字種を検出することにより、文字種が実行可能な動作機能を取得するものである。
【0054】
図4は、本発明の電子機器の動作機能を選択する説明図である。
図4(a)に示すように、使用者は、キー入力部12より入力された見出し語、または見出し語を検索して得られた見出し語の意味あるいは例文から所望の文字範囲を選択開始する。図4(a)は、「言う」の例文から所望の文字範囲を選択する場合を示している。文字範囲の選択開始は文字種に関係なく、使用者が任意に選択可能である。図4(b)は所望の文字範囲を選択した様子を示す。図4(b)では、英単語「That」を選択範囲の先頭文字として選択し、その後、英単語「without」を選択範囲の終了として選択した場合を示す。選択された範囲は、文字の白黒表示を反転させて、使用者に表示する。
【0055】
このようにして、使用者が所望の文字範囲を選択すると、電子辞書は、文字種取得部29によって、選択された範囲に含まれる文字種を解析する。この解析に基づき、機能取得部30は、図3に示した表から実行可能な動作機能を取得する。図4(b)では、「That goes without」が選択されているので、この場合は、英単語が複数選択されている場合である。従って、図3の表からこの場合に実行可能な動作機能は、TTS文章読上げ機能と、Sジャンプ機能(成句検索及び例文検索)と、マーカー機能である。従って、図4(d)に示すように、機能ウインドウを自動的に表示し、実行可能な動作機能(TTS文章読上げ機能と、Sジャンプ機能(成句検索及び例文検索)と、マーカー機能)を表示部に表示する。機能ウインドウの表示場所は、範囲選択された文字列の近傍が使用者に分かりやすく、操作に便利である。機能ウインドウに表示する実行可能な動作機能(TTS文章読上げ機能、Sジャンプ機能とマーカー機能)以外の動作機能(即ち、MP3音声)は使用者に選択されないようにグレーアウトするとよい。そして、使用者は表示された動作機能から所望の動作機能を選択すると、その選択された動作機能が立ち上がり、実行される。
図4(d)は、ウインドウを開き、TTS文章読上げ機能、Sジャンプ機能とマーカー機能の各動作機能を表示したが、図4(e)に示すように表示画面を上下に分けて、下側画面に実行可能なTTS文章読上げ機能、Sジャンプ機能とマーカー機能の各動作機能を表示してもよい。
もし、文字範囲の選択を間違えた場合は、機能ウインドウまたは下側画面に表示された動作機能を選択せずに、再度文字範囲の選択をやり直すとよい。
【0056】
以上のような操作は、英単語、日本語文章、電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字を含む場合、あるいは記号が選択された場合にも行われる。なお、電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字を含む場合、その実行し得る動作機能は、マーカー機能だけであるので、図4(d)または図4(e)に示したように、実行可能な動作機能を表示しないで、使用者に選択操作をさせずに、自動的にマーカー機能を実行してもよい。つまり、電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字を含む場合、或いは記号が選択された場合、直ちに選択された文字部分にマーカーを付加すると、使用者の操作を少なくすることができ、電子機器の使用性が向上する。
これは、二言語以上の文字を含む場合に限らず、実行可能な動作機能が1つであった場合は、自動的にその動作機能が実行されることを意味している。
【0057】
図4は、「That goes without」のように、複数の単語が選択された場合を示したが、本発明のSジャンプ機能は、1単語と複数単語を選択した場合で、異なる動作をするので、次にこれを説明する。即ち、Sジャンプ機能には、1単語検索と成句検索があり、本発明は1単語の場合は1単語検索を実施し、複数単語の場合は成句検索する。ここで、複数単語は、例えば、1つの文章に含まれる単語数であり、通常、2,3から4,5単語である。
【0058】
図5は、本発明のSジャンプ機能(成句検索または例文検索)の説明図を示し、図5(a)は、使用者が英英辞典を使用して、所望の文字範囲を選択した画面を示す。ここでは、英英辞典の「look at」が選択されたことを示す。このように、選択された英単語が複数である場合は、上記説明のように、実行可能な動作機能は、TTS文章読上げ機能と、Sジャンプ機能(成句検索及び例文検索)と、マーカー機能である。
図5(b)は、実行可能な動作機能(TTS文章読上げ機能と、Sジャンプ機能(成句検索及び例文検索)と、マーカー機能)が表示部に表示され、MP3音声再生機能はグレーアウトしている様子を示す。次に、Sジャンプ機能が選択されると、選択された単語数が複数であるので、成句検索が実行される。図5(c)は、成句検索した表示結果を示す。
図5(d)は、Sジャンプ機能において、例文検索が選択された場合の検索結果を示す。即ち、Look at the time! We're going to be late. Can't you look where you're going?と、That book look interesting.が表示される。
【0059】
図6及び図7は、図5とは異なるSジャンプ機能の説明図を示す。
図6(a)は、選択された英単語が1単語の場合を示し、「look」が選択されたことを示す。選択された単語が1つである場合は、1単語検索であるので、1単語検索が実施され、その検索結果が図6(b)のように出力される。しかし、図7(a)に示すように、選択された英単語が複数である場合(「look at」)は、成句検索及び例文検索であるので、成句検索または例文検索が実施され、その検索結果が出力される。図7(b)は、成句検索の結果を示し、図7(c)は例文検索の結果を示す。
本発明は、図5または図6及び図7のように、Sジャンプ機能(単語検索と成句検索または例文検索)を実施することができるが、図5に示したように、実行可能な動作機能が表示部に表示される方が好ましい。
【0060】
図8は、本発明の制御装置のフローチャートを示す。
図8のフローチャートは、表示部の表示画面に、見出し語またはコンテンツが表示されている状態において、ステップS1は、使用者がタッチペンを用いて表示画面の所望文字にタッチする。このタッチ操作は、タッチパネル入力部13より入力され、タッチパネル入力受付部21によって処理されて、表示バッファ26によって、表示画面上の位置が検出される。ここではタッチペンを用いた操作を説明するが、キー入力部12またはマウス入力部14を用いても同様の操作を行うことができる。以下の操作も同様である。この操作によりステップS2では、範囲選択が開始される。次に、ステップS3では、使用者はタッチペンを移動させて選択範囲を移動させる。所望の文字範囲を選択すると、使用者は、タッチペンを表示画面から離す操作を行う(ステップS4)。この操作により、選択範囲が決定され、範囲選択操作が終了される(ステップS5)。
【0061】
次に、ステップS6では、電子辞書は、表示バッファ部26とタッチパネル入力位置情報判断部27により、範囲選択された部分の文字列を取得する。そして、ステップS7で、文字種取得部29が文字列に含まれている文字種を判別し、文字種を取得する。ステップS8では、ステップS7の判別結果が、アルファベットのみか否か判断する。アルファベットのみである場合(Yesの場合)は、ステップS9に移行し、複数の英単語が含まれているか否か判断する。英単語が1つか、複数かは、英単語に間にあるスペースがあるか否かによって判断される。複数の英単語が含まれている場合(Yesの場合)、ステップS10に移行し、選択された文字列の文字種は「英文」であると判断する。ステップS9で、複数の英単語が含まれていない場合(Noの場合)、ステップS11に移行し、選択された文字列の文字種は「英単語」であると判断する。
【0062】
上記ステップS8において、範囲選択された部分の文字列がアルファベットのみでない場合(Noの場合)は、ステップS12に移行し、日本語のみか判断する。日本語のみである場合(Yesの場合)、ステップS13に移行し、選択された文字列の文字種は「日本語」であると判断する。しかし、ステップS12で、日本語のみでない場合(Noの場合)、ステップS14に移行し、選択された文字列の文字種は「電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字、あるいは記号」であると判断する。例えば、日本語と英語であると判断する。
英語、日本語以外の言語(例えば、中国語)を判断する場合は、ステップS12とステップS14の間に、その他の言語を判断するステップを挿入するとよい。
【0063】
以上のようにして、範囲選択された部分の文字列が「英文」、「英単語」、「日本語」または「電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字、あるいは記号」であることが判別されると、ステップS15では、選択された文字列の文字種が判明する。そして、ステップS16では、機能取得部30が図3に示した機能毎の範囲選択文字種の対応表にアクセスする。次に、ステップS17では、各機能について有効・無効のどちらとなるかを図3の対応表から取得する。次にステップS18では、ウンドウを開き、または画面を分割して下側画面に、有効となる機能を「選択可能」として表示し、無効となる機能は「選択不可」として表示する。即ち、図4(d)または(e)に示したように表示する。なお、ステップS18において、選択可能の動作機能が1つである場合、つまりステップS14で、「電子辞書に搭載された辞書に使用されている二言語以上の文字、あるいは記号」であると判断された場合は、ウインドウを開かずに直ちに選択可能の動作機能(つまりマーカー機能)を実行してもよい。
【0064】
次に、ステップS19で、「選択可能」と表示した機能の中、Sジャンプ機能が選択されたか否か判断する。Sジャンプ機能が選択されない場合(Noの場合)、ステップS20で、選択された機能、例えば、MP3音声機能、TTS機能、マーカー機能を、選択している文字列に対して実行し、このフローを終了する。
【0065】
上記ステップS19で、Sジャンプ機能が選択された場合(Yesの場合)、ステップS21では、選択されている文字列に複数の英単語が含まれているか否か判断する。もし、複数の英単語が含まれている場合(Yesの場合)は、ステップS22に移行し、成句検索と例文検索が選択可能であることを表示する。表示形式は、図4(d)または図4(e)に示したのと同様である。そして、ステップS22では、表示した成句検索または例文検索に対して、成句検索が選択されたか否か判断する。成句検索が選択された場合は、ステップS23に移行し、選択された複数の英単語をキーワードとして、コンテンツ成句検索情報記憶部33b、コンテンツ成句リスト表示情報記憶部36b、コンテンツ成句部表示情報記憶部39bを検索する。そして、検索結果を表示部11に表示して、このフローを終了する。
しかし、ステップS22で、成句検索でなく、例文検索が選択された場合、ステップS24に移行し、選択された複数の英単語をキーワードとして、コンテンツ例文検索情報記憶部32b、コンテンツ例文リスト表示情報記憶部35b、コンテンツ例文部表示情報記憶部38bを検索する。そして、検索結果を表示部11に表示して、このフローを終了する。
上記ステップS21において、選択された文字列に複数の英単語が含まれていない場合、ステップS25に移行し、選択された英単語と一致する見出し語を見出し語検索情報データベース31から検索して、検索結果を表示部11に表示して、このフローを終了する。
【符号の説明】
【0066】
1 入出力デバイス部
2 プログラム部
3 データ部
4 制御部
5 一時記憶部
11 表示部
12 キー入力部
13 タッチパネル入力部
29 文字種取得部
30 機能取得部
31 コンテンツ見出し語検索情報データベース部
32 コンテンツ例文検索情報データベース部
33 コンテンツ成句検索情報データベース部
34 コンテンツ見出し語リスト表示情報データベース部
35 コンテンツ例文リスト表示情報データベース部
36 コンテンツ成句リスト表示情報データベース部
37 コンテンツ見出し語解説部表示情報データベース部
38 コンテンツ例文部表示情報データベース部
39 コンテンツ成句部表示情報データベース部
40 機能毎の範囲選択文字種対応表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が実行可能な複数の動作機能と文字種とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記動作機能及び文字列を表示する表示部と、
前記表示部に表示された文字列から所望文字を選択させる文字選択部と、
前記文字選択部によって選択された文字の文字種を判別して取得する文字種取得部と、
前記文字種取得部によって取得された文字種に対応する動作機能を、前記記憶部より取得する機能取得部と、
前記機能取得部によって取得された前記動作機能を前記表示部に表示させる制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示部は、前記機能取得部によって取得された機能と、取得されなかった機能とを異なる表示形態で表示することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示部は、前記機能取得部によって取得された機能を、選択可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
更に、前記表示部に選択可能に表示された動作機能を選択する選択部を備え、前記制御部は、前記選択部により選択された動作機能を実行することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記動作機能は、単語音声再生機能、文章音声再生機能、Sジャンプ機能またはマーカー機能を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記文字種は、英単語、複数の英単語、日本語、二言語以上の文字、あるいは記号を含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記機能取得部は、前記文字種が単語の場合は、単語音声再生機能、文章音声再生機能、英単語検索するSジャンプ機能またはマーカー機能であり、
前記文字種が複数の単語である場合は、前記記憶部に記憶された動作機能は、文章音声再生機能、成句検索または例文検索するSジャンプ機能またはマーカー機能であり、
前記文字種が二言語以上の文字を含む場合、または記号である場合は、前記記憶部に記憶された動作機能は、マーカー機能である請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記機能取得部により取得された動作機能が1つの場合は、前記取得された動作機能を自動的に実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記文字種が二言語以上の文字あるいは記号である場合、マーカー機能を自動的に実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
電子機器が実行可能な複数の動作機能と、文字種とを対応付けて記憶する記憶部を備える電子機器を制御する制御方法であって、
文字列を表示する表示ステップと、
前記表示された文字列から所望文字を選択させる文字選択ステップと、
前記選択された文字の文字種を判別して取得する文字種取得ステップと、
前記取得された文字種に対応する動作機能を、前記記憶部より取得する機能取得ステップと、
前記取得された動作機能を表示する表示制御ステップと
を実行することを特徴とする電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−152874(P2010−152874A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258979(P2009−258979)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】