説明

電子機器におけるバッテリ充電回路

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器におけるバッテリ充電回路に関し、特に、充電を必要とする電池を使用したコードレス電話機、携帯用電話機等におけるバッテリ充電回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子機器におけるバッテリ充電回路は、一般に、図2のブロック図のような構成となっていた。すなわち、電子機器1の内部に、交流電源を整流した入力電源2に接続された電圧安定化回路3と、この電圧安定化回路3から駆動電流が供給される主目的回路4と、バッテリ充電回路5の一部である電流制限回路6とを備え、入力電源2と電流制限回路6との間に接続されたバッテリ接続端子7を電子機器の外部に設け、このバッテリ接続端子7に、充電を必要とするバッテリ使用機器8を接続していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のバッテリ充電回路は、電子機器1の主目的回路4に対し付属的な機能であったため、主目的回路4に対して並列に構成されており、この場合、この充電回路5を含む電子機器1の消費する電流は、非充電時には電圧安定化回路3からの駆動電流(例えば100mA)だけであるのに対して、充電時には電圧安定化回路3からの駆動電流(100mA)に加えて充電回路5の充電電流(例えば50mA)分だけ増加(合計150mA)し、それに伴い、電子機器1の内部では電圧安定化回路3及び主目的回路4からの発熱に合せ、電流制限回路6の発熱が加わり大きな電力ロスとなる問題があった。本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、充電時の消費電流を抑えると共に機器内の発熱を抑えた電子機器におけるバッテリ充電回路を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子機器におけるバッテリ充電回路は、入力電源電圧を安定化する電圧安定化回路と、該電圧安定化回路より駆動電流が供給される主目的回路とを備えた電子機器において、バッテリ充電回路を、前記入力電源と前記主目的回路の入力側に接続し、前記主目的回路を前記電圧安定化回路からの駆動電流と前記バッテリ充電回路の充電電流の加算電流で駆動するように構成する。
【0005】
【作用】主目的回路を電圧安定化回路からの駆動電流とバッテリ充電回路の充電電流の加算電流で駆動する。したがって、充電時には、電圧安定化回路からの駆動電流は非充電時よりバッテリ充電回路の充電電流分だけ減少し、結果的に非充電時に対して充電時に電子機器の消費電流が増加することはなく、省エネルギーとなり、電子機器内部の発熱も抑えられる。
【0006】
【実施例】図1は、本発明に係る電子機器の置けるバッテリ充電回路の1実施例のブロック図を示す。なお、図2R>2と同一の構成要素は同一符号を付す。図1において、電流制限回路6とバッテリ接続端子7から成るバッテリ充電回路5は、入力電源2と主目的回路4の入力側との間に接続される。この構成において、図2の従来回路との比較のため電子機器1の主目的回路4に必要な駆動電流を図2と同じ(100mA)とする。充電を行なっていない時、電圧安定化回路3からのみ主目的回路4へ駆動電流(100mA)が供給される。次に、充電を必要とするバッテリ使用機器8をバッテリ接続端子7に接続して充電を行なう時、電圧安定化回路3からの駆動電流は、一部バッテリ充電回路5を流れる充電電流(例えば50mA)で置き換えられるため、電圧安定化回路3からの駆動電流が減少(100mAから50mAになる)し、主目的回路4に供給される駆動電流は、電圧安定化回路3からの駆動電流(50mA)とバッテリ充電回路5の充電電流(50mA)との加算電流(100mA)となる。したがって、充電するしないにかかわらず電子機器1を流れる電流は一定であるため、消費電力も一定となる。また、電流制限回路6の両端にかかる電圧が低下し、熱になる無効電力が減少する。その結果、電圧安定化回路3の発熱減少とあわせて電子機器1内部の発熱を減少させることができる。
【0007】特に、電子機器1がコードレス電話機の親機であり、充電を必要とするバッテリ使用機器8が子機の場合、子機は親機に載置されて充電されており、充電状態での親機にて発生する熱が従来回路にくらべて少なくなるため、子機を暖める熱量が少なく不快感を防げる。なお、図1に示す回路において、バッテリ充電回路5の充電電流値の選択に依存するが、主目的回路4に必要な駆動電流のほとんどをバッテリ充電回路5の充電電流で供給できる場合には、電圧安定化回路3の電圧安定化特性が良くなり最も効果的である。また、別の実施例として、バッテリ充電回路5の充電電流が主目的回路4に必要な駆動電流より少ない場合は、バッテリ充電回路5を入力電源2と主目的回路4の入力側との間に接続し、バッテリ充電回路5の充電電流が主目的回路4に必要な駆動電流より多い場合は、バッテリ充電回路5を入力電源2の両端に接続するように構成してもよい。
【0008】
【発明の効果】本発明に係る電子機器におけるバッテリ充電回路によれば、充電するしないにかかわらず電子機器で消費する電流は一定となり、省エネルギーとなる。また、電子機器内部の発熱も抑えられるので、特にコードレス電話機の場合、充電状態での親機にて発生する熱が従来回路にくらべて少なくなるため、子機を暖める熱量が少なく不快感を防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子機器におけるバッテリ充電回路の1実施例を示すブロック図である。
【図2】従来の電子機器におけるバッテリ充電回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 電子機器
2 入力電源
3 電圧安定化回路
4 主目的回路
5 バッテリ充電回路
6 電流制限回路
7 バッテリ接続端子
8 充電を実用とするバッテリ使用機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力電源(2)の電圧を安定化する電圧安定化回路(3)と、該電圧安定化回路(3)より駆動電流が供給される主目的回路(4)とを備えた電子機器(1)において、バッテリ充電回路(5)を、前記入力電源(2)と前記主目的回路(4)の入力側に接続し、前記主目的回路(4)を前記電圧安定化回路(3)からの駆動電流と前記バッテリ充電回路(5)の充電電流の加算電流で駆動するように構成したことを特徴とする電子機器におけるバッテリ充電回路。
【請求項2】 バッテリ充電回路(5)は、電流制限回路(6)とバッテリ接続端子(7)とを含む請求項1記載の電子機器におけるバッテリ充電回路。
【請求項3】 電子機器(1)はコードレス電話機の親機であり、バッテリ接続端子(7)にはコードレス電話機の子機が接続される請求項2記載の電子機器におけるバッテリ充電回路。

【図1】
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【図2】
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【特許番号】第2962538号
【登録日】平成11年(1999)8月6日
【発行日】平成11年(1999)10月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−19465
【出願日】平成5年(1993)1月13日
【公開番号】特開平6−217471
【公開日】平成6年(1994)8月5日
【審査請求日】平成9年(1997)8月29日
【出願人】(391001848)ユピテル工業株式会社 (238)