説明

電子機器に設けられる操作部材、及び電子機器

【課題】操作部材の外面が有するクッション性を向上しながら、操作性を維持できる操作部材及び電子機器を提供する。
【解決手段】操作スティック3はクッション部31とクッション部31が載せられるベース部32とを有している。ベース部32は、電子機器1に対して動くことができるよう支持されている。また、ベース部32はクッション部31の外周を囲む枠部32aを有し、クッション部31の材料よりも高い剛性を有する材料で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押しボタンや操作スティックなど、電子機器に設けられる操作部材に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型のゲーム機や、ゲーム装置のコントローラなどの電子機器は、押しボタンや操作スティックなど、ユーザが指で操作できる操作部材を備えている。下記特許文献1には、コントローラに設けられた操作スティックが開示されている。この操作スティックは柱状の部分(以下、単に柱部とする)を有している。柱部の上端は円盤状に形成され、この円盤状の部分の外面の全体がカバーで覆われている。換言すると、カバーは柱部の上端を収容している。カバーは、柱部の材料よりも柔らかい材料(特許文献1においてはエラストマー)で形成されている。これによりユーザが操作スティックに触れたときの感触の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6394906号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カバーが柱部の上端を収容する構造において操作スティックの外径を小さくしようとすると、カバーの厚さを薄くする必要が生じる。そのため、カバーの厚さ、すなわちクッション性を維持することが難しくなる。また、カバーが柱部の上端を収容する構造においてクッション性がさらに高い材料をカバーに用いると、ユーザの操作入力が操作スティックを介して電子機器にクリアに入力されにくくなり、操作性が低下する。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、操作部材のクッション性を向上しながら、操作性を維持できる操作部材及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る操作部材はユーザが指で操作可能な操作部材である。上記課題を解決するために、前記操作部材は、ユーザの指で押される被押圧面を表面に有するクッション部と、前記クッション部が載せられるとともに、電子機器に対して動くことができるよう支持されたベース部と、を備える。前記ベース部は前記クッション部の外周を囲む枠部を有し、前記クッション部の材料よりも高い剛性を有する材料で形成されている。
【0007】
また、上記課題を解決するための電子機器は上記操作部材を備える。
【0008】
本発明によれば、操作部材はクッション部の外周を囲む枠部を有しているので、クッション部にクッション性の高い材料を用いた場合であっても、ユーザによる操作部材の操作を電子機器にクリアに伝えることができ、操作性の低下を抑えることができる。また、クッション部はベース部上に配置されているので、操作部材を小型化した場合でもクッション部の厚さを維持し易くなる。
【0009】
本発明の一態様では、前記操作部材は、前記ベース部から前記クッション部とは反対側に伸びる柱部を備える操作スティックである。この態様によれば、ユーザが枠部の外周縁を指で押して操作スティックを操作する際、その指の動きが操作スティックを介して電子機器にクリアに入力され得る。また、操作スティックは、当該操作スティックを中心としてあらゆる方向に動かされる。そこで、この態様においては、前記枠部は前記クッション部の全周に亘って形成されてもよい。こうすることにより、いずれの方向に操作スティックが動かされる場合であっても、指の動きが電子機器にクリアに入力され得る。
【0010】
本発明の他の態様では、前記クッション部の厚さは前記ベース部の厚さよりも大きくてもよい。こうすることにより、クッション部とベース部の全体の厚さを抑えながら、クッション部の厚さを確保することが容易となる。
【0011】
本発明のさらに他の態様では、前記クッション部と前記ベース部の一方には他方に向けて突出する突起が形成され、前記クッション部と前記ベース部の前記他方には前記突起が嵌る穴が形成されてもよい。この態様によれば、クッション部とベース部との相対位置のずれを抑えることができる。また、この態様においては、前記操作部材は、前記ベース部から前記クッション部とは反対側に伸びる柱部を備える操作スティックであり、前記突起は前記柱部の中心線を囲む環状に形成されてもよい。こうすることにより、いずれの方向に操作スティックが動かされる場合であっても、クッション部とベース部との相対位置のずれを効果的に抑えることができる。この態様においては、さらに、前記突起は前記クッション部に形成され、前記穴は前記ベース部に形成されてもよい。こうすることにより、クッション部の広い領域において、クッション部の厚さを確保できる。この態様においては、前記突起は、その端部に、前記他方に引っ掛かる係合部を有してもよい。こうすることにより、クッション部がベース部から離れることを抑えることができる。また、この態様においては、前記操作部材は、前記ベース部から前記クッション部とは反対側に伸びる柱部を備える操作スティックであり、前記突起の前記係合部は前記柱部の外周を囲む環状に形成されてもよい。こうすることにより、いずれの方向に操作スティックが動かされる場合であっても、クッション部がベース部から外れることを、効果的に抑えることができる。
【0012】
本発明のさらに他の態様では、前記枠部は、前記クッション部の前記表面の少なくとも外周部と同一平面を形成する外面を有してもよい。この態様によれば、ユーザが操作部材を操作する際にさらに良好な感触を得ることができる。
【0013】
本発明のさらに他の態様では、前記クッション部の材料は、当該クッション部の前記表面が押されたときにその外形が外側に広がる軟性を有し、前記枠部の材料は、その外面が押されたときにおいてもその外形の変化を抑える剛性を有してもよい。クッション部がこの程度の軟性を有していると、ユーザが操作部材を操作するときに、さらに良好な感触を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の正面図である。
【図2】上記電子機器の拡大正面図である。同図においては操作部材が設けられた部分が拡大されている。
【図3】図2に示すIII−III線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の例である電子機器1の正面図である。図2は電子機器1の拡大正面図であり、同図においては右の操作スティック3が設けられた部分が拡大されている。図3は図2に示すIII−III線での断面図である。以下の説明においては、図1のX1−X2で示す方向が左右方向であり、Y1−Y2で示す方向が上下方向である。
【0016】
電子機器1は、例えばゲーム装置や個人情報端末(PDA)などの携帯型の電子機器であり、音声再生機能や、動画再生機能、無線或いは有線の通信機能を備えている。図1に示すように、電子機器1は、その前面に略矩形の表示画面2を有している。表示画面2は前面の概ね中央部に配置されている。電子機器1は、表示画面2の右側及び左側に、ユーザが手で保持可能な保持部1R,1Lを有している。電子機器1の使用の一形態では、ユーザは親指と中指等とで保持部1R,1Lを挟み、当該電子機器1を保持する。
【0017】
図1に示すように、保持部1R,1Lには、電子機器1のハウジング10の前面から突出し、ユーザが操作可能な複数の操作部材を有している。この例の電子機器1は、請求項の操作部材として、表示画面2の右側及び左側に位置する操作スティック3を有している。操作スティック3はハウジング10の前面から突出するよう配置されている(図3参照)。この例では、操作スティック3の頭部は略円盤状に形成されている。操作スティック3はその頭部から電子機器1の内部に向かって伸びる棒状の部分(後述する柱部33)を有している(図3参照)。操作スティック3は、当該操作スティック3の中心線Cを中心とする半径方向に動かすことができる。換言すると、操作スティック3は、当該操作スティック3を中心とする周方向における全ての位置に向けて移動できる。この例の操作スティック3は、半径方向に傾けることができる。
【0018】
操作の一態様では、ユーザは、操作スティック3の頭部の外周縁(後述する枠部32aの外周縁32c(図2及び図3参照))を指で押して、操作スティック3を傾ける。また、操作の他の態様では、ユーザは、操作スティック3の表面(後述する被押圧面31a(図3参照))を指で押しながら、半径方向(例えば、上下方向)に指を動かすことで、操作スティック3を傾ける。操作スティック3は所謂ジョイスティック又はアナログスティックであり、傾けた方向及び角度に応じた信号を出力する。なお、操作スティック3の動きはこれに限られない。例えば、操作スティック3は傾くことなく、半径方向にスライド可能であってもよい。
【0019】
図2及び図3に示すように、操作スティック3は、その頭部に、クッション部31と、クッション部31が載せられるベース部32とを有している。この例のクッション部31とベース部32は平面視で円形であり、全体として円盤状となっている。
【0020】
図3に示すように、クッション部31の表面は、ユーザの指で押される被押圧面31aを形成している。クッション部31は軟質の材料で形成されている。そのため、ユーザが被押圧面31aを押した時に、被押圧面31aが指の形状に合わせて変形し、ユーザは良好な感触を得ることができる。クッション部31は弾力性を有してもよい。クッション部31の材料は、当該クッション部31の被押圧面31aが押されたときに、当該クッション部31の外形が外側に広がる軟性を有している。換言すると、後述する枠部32aで囲まれていない状態のクッション部31の被押圧面31aをユーザが押した時に、クッション部31の外形は外側に広がることができる。クッション部31の材料は、例えばシリコーンなどのエラストマーやラバーなどである。
【0021】
被押圧面31aは、その中心が上方に膨らむように湾曲している。そのため、被押圧面31aにおいてユーザの指から最も力を受けやすい部分(すなわち被押圧面31aの中心)において、クッション部31の厚さが最大となっている。これにより、ユーザはさらに良好な感触を得ることができる。
【0022】
クッション部31は略円盤状に形成されている。ベース部32は皿状に形成されている。ベース部32の上にクッション部31が配置されている。そのため、クッション部31やベース部32が形成する操作スティック3の上部の外径を小さくした場合であっても、そのクッション部31に十分な厚さを設けることができる。
【0023】
図3に示すように、クッション部31はベース部32より大きな厚さを有している。これにより、操作スティック3の頭部の厚さが大きくなるのを抑えながら、クッション部31の厚さを十分な大きさに確保し易くなっている。この例では、クッション部31の中心部での厚さがベース部32の厚さD2よりも大きく、クッション部31の最外部での厚さD1は、ベース部32の厚さD2と概ね等しくなっている。なお、クッション部31の最外部での厚さD1も、ベース部32の厚さD2より大きくてもよい。反対に、クッション部31の最外部での厚さD1は、ベース部32の厚さD2より小さくてもよい。
【0024】
ベース部32は電子機器1に対して動くことができる。具体的には、ベース部32は、操作スティック3の中心線Cを中心とする半径方向(例えば、上下方向或いは左右方向)に動くことができる。この例では、操作スティック3は、ベース部32からクッション部31とは反対側に伸びる、すなわち電子機器1の内部に向かって伸びる柱部33を有している。柱部33は、電子機器1が内蔵する支持機構(不図示)によって、中心線Cを中心とするあらゆる方向に倒れることができるよう支持されている。支持機構は、柱部33の傾いた方向及び傾いた角度を検知するセンサを備えている。電子機器1では、センサの出力信号に基づいて種々の処理がなされ、表示画面2に表示されるオブジェクト等が動かされる。
【0025】
図3に示すように、ベース部32は枠部32aを有している。枠部32aはベース部32の外縁において突出し、クッション部31の外周を囲んでいる。換言すると、ベース部32は枠部32aの内側に凹部を有し、その凹部の内側にクッション部31が配置されている。ベース部32は、クッション部31の材料よりも高い剛性を有する材料で形成されている。ベース部32及びベース部32が含む枠部32aの材料は、当該枠部32aの外面が押されたときにおいても枠部32aの外形の変化を抑える剛性を有している。すなわち、枠部32aの前面32bや外周縁32cをユーザが押した時においても、枠部32aの外形の変化は抑えられる。ベース部32の材料は、例えばポリカーボネート、ABS樹脂などのプラスチック(換言すると、エンジニアリングプラスチック)である。そのため、ユーザが操作スティック3の頭部の外周縁(すなわち枠部32aの外周縁32c)を指で押す際、その指の動きが操作スティック3を介して支持機構のセンサにクリアに伝わる。上述したように、操作スティック3はアナログスティックであり、ユーザは微妙な操作を行う場合がある。枠部32aをクッション部31よりも高い剛性を有する材料で形成することで、ユーザによる微妙な操作をセンサで検知できる。
【0026】
枠部32aの内面はクッション部31の外周面に接している。枠部32aは、図2に示すように、クッション部31の全周に亘って形成されている。この例では、枠部32aは、クッション部31の外形に合わせて、略環状に形成されている。そのため、ユーザが枠部32aの外周縁のいずれの位置を指で押す場合であっても、その指の動きがクリアに支持機構に伝わる。
【0027】
図3に示すように、枠部32aは、被押圧面31aと同じ方向を向いた面として(この例では、前方に向いた面として)、前面32bを有している。前面32bは、被押圧面31aの外周部と同一平面を形成している。換言すると、前面32bは被押圧面31aの外周部と面一となっている。そして、クッション部31の表面である被押圧面31aと枠部32aの前面32bとが、ユーザの指によって押される被押圧面を形成する。そのため、被押圧面31aの外周部と同一平面に前面32bを形成することより、ユーザは良好な感触を得ることができる。
【0028】
この例では、被押圧面31aは上方に膨らむように湾曲している。換言すると、被押圧面31aの外周部は、その外縁が下がるように傾斜している。前面32bは、被押圧面31aの外周部に合わせて、その外周縁が下がるように傾斜している。また、前面32bは被押圧面31aと連続的に繋がっている。すなわち、前面32bと被押圧面31aとの間に、隙間が形成されていない。前面32bと被押圧面31aとの関係はこれに限られない。前面32bと被押圧面31aとの間には、僅かな隙間が形成されてもよい。クッション部31の被押圧面31aの形態はこれに限られない。例えば、被押圧面31aは水平に形成されてもよい。その場合、被押圧面31aの全体と枠部32aの前面32bとが同一平面を形成してもよい。
【0029】
クッション部31とベース部32のうち一方には、他方に形成された穴に嵌る突起が形成されている。これにより、クッション部31とベース部32との相対位置(操作スティック3の中心線Cを中心とする半径方向での相対位置)のずれを抑えることができる。この例では、図3に示すように、ベース部32のクッション部31と対向する面に、穴32dが形成されている。クッション部31はこの穴32dに嵌る突起31cを有している。このように、ベース部32とクッション部31との相対位置のずれを規制するための穴32dはベース部32に形成され、クッション部31には形成されていないので、クッション部31の厚さをクッション部31の全領域に亘って確保できる。
【0030】
クッション部31の突起31cは操作スティック3の中心線C(柱部33の中心線)を囲む環状に形成されている。上述したように、操作スティック3は、被押圧面31aが指で押されながら、中心線Cを中心としてあらゆる方向に動かされる。操作スティック3がいずれの方向に動かされた場合であっても、突起31cが環状に形成されているので、クッション部31とベース部32との相対位置のずれを抑えることができる。なお、クッション部31には複数の突起31cが形成され、これらが中心線Cを囲む周方向に並んでもよい。
【0031】
図3に示すように、突起31cは、その端部に、ベース部32に引っ掛かる係合部31dを有している。係合部31dは、ベース部32に形成された穴の幅W1よりも大きな幅を有している。これにより、突起31cのベース部32からの抜けが規制されている。この例の突起31cはベース部32を、その厚さ方向に貫通している。係合部31dはベース部32の裏側に位置し、ベース部32の裏面に引っ掛かっている。
【0032】
突起31cと同様に、係合部31dも環状である。係合部31dは柱部33の外周を囲むように形成されている。そのため、クッション部31がベース部32からさらに外れ難くなっている。この例では、係合部31dの内径は柱部33の外径に対応している。
【0033】
突起31c及びその端部の係合部31dは、クッション部31の外周側に形成され、比較的大きな径を有している。詳細には、突起31cとクッション部31の外縁との距離R1は、突起31cと中心線Cとの距離に比べて、小さい(図3参照)。そのため、クッション部31の外縁がベース部32やその枠部32aから離れることを、さらに効果的に抑えることができる。
【0034】
この例の操作スティック3は二色成形(ダブルモールド)によって形成されている。すなわち、1次成形でベース部32と柱部33とを形成した後、これらを2次成形の型(操作スティック3の外形に対応した型)に入れる。その型の中にクッション部31の材料を流し込む。これにより、ベース部32と一体化したクッション部31が形成される。
【0035】
図1を参照して、電子機器1の前面に設けられた他の操作部材について説明する。
【0036】
右の保持部1Rには、ボタン群4Rがさらに設けられている。ボタン群4Rは複数(具体的には4つ)のボタン4a,4b,4c,4dを含んでいる。ボタン4a,4b,4c,4dは十字(cross)の端部にそれぞれ位置している。左の保持部1Lには、十字キー4Lがさらに設けられている。十字キー4Lは、全体として十字形に形成される複数(具体的には4つ)の凸部を有している。ボタン群4Rと十字キー4Lは、左右の操作スティック3の上側にそれぞれ位置している。また、ボタン群4Rと十字キー4Lは操作スティック3よりも左右方向における外方に位置している。ユーザは、多くの場合、親指を操作スティック3上に配置し、中指等を電子機器1の背面(保持部1R,1Lの背面)に配置し、保持部1R,1Lを保持する。電子機器1を使用する際、ユーザは、必要に応じて、親指をボタン群4R又は十字キー4Lに向けて斜めに移動させる。
【0037】
電子機器1の前面には、複数(この例では3つ)のボタン6a,6b,6cがさらに設けられている。ボタン6aは、例えば、表示画面2に表示される画像を初期画面に戻す際に利用されるホームボタンである。ボタン6b,6cは、例えば、表示画面2に表示される項目の選択に使用されるセレクトボタンや、アプリケーションの実行開始を指示するスタートボタンなどである。この例では、ボタン6a,6b,6cの表面はハウジング10の前面と面一となっている。
【0038】
以上説明したように、電子機器1では、操作スティック3は、ユーザの指で押される被押圧面31aを表面に有するクッション部31と、クッション部31が載せられるとともに、電子機器1に対して動くことができるよう支持されたベース部32と、を備えている。ベース部32はクッション部31の外周を囲む枠部32aを有し、クッション部31よりも高い剛性を有する材料で形成されている。そのため、クッション部31にクッション性の高い材料を用いた場合であっても、操作スティック3の頭部の外形が変化することを抑えることができる。その結果、ユーザによる操作スティック3の操作を電子機器1にクリアに伝えることができ、操作性の低下を抑えることができる。例えば、ユーザが枠部32aの外周縁を指で押して、操作スティック3を操作する際、その指の動きが操作スティック3を介して電子機器1にクリアに入力される。また、クッション部31はベース部32上に配置されているので、操作スティック3の頭部の外径を小さくした場合であってもクッション部31の厚さを維持し易くなる。
【0039】
なお、本発明は以上説明した操作スティック3や電子機器1に限られず、種々の変更が可能である。
【0040】
例えば、以上の説明では、操作部材として操作スティック3が例にされていた。しかしながら、本発明は押しボタンに適用されてもよい。例えば、ボタン群4Rを構成するボタン4a,4b,4c,4dや十字キー4Lが、上述のクッション部31及びベース部32を含んでもよい。その場合、ボタン4a,4b,4c,4dの外周と、ハウジング10に形成された、ボタン4a,4b,4c,4dを収容する穴の内縁との間のクリアランスの設定が容易となる。また、十字キー4Lの外周と、ハウジング10に形成された、十字キー4Lを収容する穴の内縁との間のクリアランスの設定が容易となる。さらに、クッション部31の外周に枠部32aが配置されているので、ユーザの指はクッション部31だけでなく枠部32aにも当り得る。その結果、十字キー4Lやボタン4a,4b,4c,4dの押下を電子機器にクリアに伝えることができる。
【0041】
また、以上の説明では、クッション部31とベース部32は二色成型によって形成されていた。しかしながら、クッション部31はベース部32に接着されてもよい。この場合、突起31cや係合部31dはクッション部31に形成されなくてもよい。
【0042】
また、クッション部31の表面には、クッション部31の本体とは異なる材料からなるフィルムが貼り付けられてもよい。これにより、クッション部31の表面の滑らかさを向上したり、クッション部31の表面の滑り止め機能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 電子機器、1L 保持部、1R 保持部、2 表示画面、3 操作スティック、4L 十字キー、4R ボタン群、C 操作スティックの中心線、10 ハウジング、31 クッション部、31a 被押圧面、31c 突起、31d 係合部、32 ベース部、32a 枠部、32b 前面、33 柱部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に設けられる、ユーザが指で操作可能な操作部材であって、
ユーザの指で押される被押圧面を表面に有するクッション部と、
前記クッション部が載せられるとともに、電子機器に対して動くことができるよう支持されたベース部と、を備え、
前記ベース部は前記クッション部の外周を囲む枠部を有し、前記クッション部の材料よりも高い剛性を有する材料で形成されている、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器の操作部材において、
前記操作部材は、前記ベース部から前記クッション部とは反対側に伸びる柱部を備える操作スティックである、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器の操作部材において、
前記枠部は前記クッション部の全周に亘って形成されている、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器の操作部材において、
前記クッション部の厚さは前記ベース部の厚さよりも大きい、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器の操作部材において、
前記クッション部と前記ベース部の一方には他方に向けて突出する突起が形成され、
前記クッション部と前記ベース部の前記他方には前記突起が嵌る穴が形成されている、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器の操作部材において、
前記操作部材は、前記ベース部から前記クッション部とは反対側に伸びる柱部を備える操作スティックであり、
前記突起は前記柱部の中心線を囲む環状に形成されている、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項7】
請求項5に記載の電子機器の操作部材において、
前記突起は前記クッション部に形成され、前記穴は前記ベース部に形成されている、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項8】
請求項5に記載の電子機器の操作部材において、
前記突起は、その端部に、前記他方に引っ掛かる係合部を有している、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項9】
請求項8に記載の電子機器の操作部材において、
前記操作部材は、前記ベース部から前記クッション部とは反対側に伸びる柱部を備える操作スティックであり、
前記突起の前記係合部は前記柱部の外周を囲む環状に形成されている、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項10】
請求項1に記載の電子機器の操作部材において、
前記枠部は、前記クッション部の前記表面の少なくとも外周部と同一平面を形成する外面を有している、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項11】
請求項1に記載の電子機器の操作部材において、
前記クッション部の材料は、当該クッション部の前記表面が押されたときにその外形が外側に広がる軟性を有し、
前記枠部の材料は、その外面が押されたときにおいてもその外形の変化を抑える剛性を有する、
ことを特徴とする電子機器の操作部材。
【請求項12】
請求項1乃至11に記載の操作部材を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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