説明

電子機器保護装置

【課題】商用電源により所定の動作を行う電子機器などに対して、落雷による破壊を未然に防止する電子機器保護装置を提供する。
【解決手段】落雷thaが発生した場合、放送電波awはレベルが変動し、落雷サージ保護制御部31で放送電波awの受信レベルが算出され、基準値以上のレベル変動が検知された場合、アクティブモードの電源供給停止信号pssが出力される。電磁開閉器33は、オフ状態となり、送電線41と電力線34との接続がオフ状態となる。これにより、無停電電源装置35では、電力線34からの電力供給が途絶え、同無停電電源装置35から電子機器44に電力が供給される。この状態で、落雷thbによる直撃雷又は誘導雷によって、送電線41に異常電圧が発生した場合、電磁開閉器33がオフ状態のため、落雷サージ保護制御部31、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36が保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器保護装置に係り、たとえば商用電源により所定の動作を行う電子機器に対して、特に落雷によって送電線に発生した異常電圧による破壊を未然に防止する場合に用いて好適な電子機器保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工場や精密機械工場などのような電子機器を扱う場所で近隣に雷が発生する状態にあるとき、直撃雷又は誘導雷により送電線に発生する異常電圧による被害を未然に防止する対策が必要である。このため、このような被害を防止するための落雷サージ保護装置が製作されている。
【0003】
従来、この種の技術としては、たとえば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された雷サージプロテクタは、図5に示すように、マイクロホン(MIC)1と、稲妻検知回路2と、雷音検知回路3と、雷接近検出器4と、AC電源しゃ断器5と、電話回線しゃ断器6と、アンテナ(ANT)接続しゃ断器7と、アンテナ(ANT)8とから構成されている。この雷サージプロテクタでは、マイクロホン1及び雷音検知回路3により雷音が検知され、また、稲妻検知回路2により稲妻が検知される。雷接近検出器4により、稲妻と雷音の聞こえる時間差が検出され、この時間差がたとえば1秒以内となったとき、AC電源しゃ断器5、電話回線しゃ断器6及びアンテナ接続しゃ断器7に対して、それぞれの外部配線を切り離すように制御され、電子機器が直撃雷などによる破損から保護される。
【0004】
また、特許文献2に記載された落雷サージ警告装置では、図6に示すように、受光素子などの光検知手段10により稲妻光が検知され、信号変換手段11により電気信号に変換される。マイクロホンなどの音検知手段13により雷音が検知され、計時制御手段12により電気信号に変換される。上記各変換された電気信号は、計時制御手段14,15によりそれぞれ計時を制御する計時制御信号となる。計時手段16により、光検知から音声検知までの時間が計時される。演算手段17により、この計時時間結果から距離が演算され、雷の発生時点から数回にわたって同演算が行われ、各距離及び地点が測定され、距離表示手段18により、落雷地点の分布が表示される。また、演算手段17により、雷の移動速度が演算される。比較手段20により、これらの演算結果と危険距離基準値19のデータとが比較され、落雷地点が落雷距離基準値内に入るとき、警告手段21からアラームなどが発生する。
【0005】
また、特許文献3に記載された襲雷警報装置では、コロナ電流を測定する第1のセンサと、電界の急変化を測定する第2のセンサとでセンサ手段が構成されている。第1のセンサからの信号及び第2のセンサからの信号が増幅手段で増幅され、演算手段で増幅手段からの信号を用いて演算が行われ、同演算手段からの信号により警報手段から警報が発生する。コロナ電流を測定することにより、雷雲の接近が判定され、また、電界の急変化を測定することにより、雷雲の発生が判定される。
【0006】
また、特許文献4に記載された雷応答リレー装置では、雷検知器により雷が検知されると、発動発電機が起動する。発動発電機の電圧が確立すると、商用電源が断になり、タイマにより時間(20分)が計測される。この後、雷が検知されなくなると、商用電源が復旧し、発動発電機が停止する。
【特許文献1】特開平11−018285号公報(要約書、図1)
【特許文献2】特開2001−066378号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2003−149349号公報(要約書、図1)
【特許文献4】特開平07−298476号公報(第4頁、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の落雷サージ保護装置では、次のような問題点があった。
すなわち、特許文献1に記載された雷サージプロテクタでは、稲妻と雷音の聞こえる時間差が判定基準に用いられているため、落雷ノイズと音信号が揃わないと、雷接近検出器4が動作しない。落雷によるの異常電圧は、音速よりもかなり速く送電線上を伝わるため、本来の目的である各しゃ断器の動作による保護動作の起動前に到達し、保護すべき電子機器が破壊されるという問題点がある。また、雷音検知回路3によって雷音が検出されるため、たとえば道路沿いや工事現場近辺など、騒音の多い場所では正確に動作しないという問題点がある。
【0008】
特許文献2に記載された落雷サージ警告装置では、音検知回路13による音検出と光検知手段10による落雷時の稲妻光の発生との時間差によって距離が判断されるので、上記特許文献1と同様の問題点がある他、光検出手段10が用いられるため、日中や照明がある明るい場所において、稲妻光の検出が困難であり、安定した動作が期待できないという問題点がある。
【0009】
特許文献3に記載された襲雷警報装置では、第2のセンサが設置されている場所における電界の上昇の度合いに基づいて電界強度の急変化が測定され、設置場所での落雷の予測が可能であるが、遠距離にある場所の電界の変動を検出して落雷を予測することができないという問題点がある。
【0010】
特許文献4に記載された雷応答リレー装置では、発動発電機が起動してから電圧が確立するまでの間は保護動作に移れず、この間に落雷を受けると、電源の供給先である電子機器が破損するという問題点がある。
【0011】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、稲妻と雷音との時間差によらず、落雷発生時に即座に保護動作し、電子機器に対して異常電圧による破壊から護る電子機器保護装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、電子機器保護装置に係り、放送電波を受信して受信信号を生成する受信手段と、前記受信信号のレベルを検出するレベル検出手段と、該レベル検出手段で検出された受信レベルを監視し、該受信レベルが所定の基準値を超えて変動したときにアクティブモードの電源供給停止信号を出力する受信レベル監視手段と、該受信レベル監視手段の前記電源供給停止信号がノンアクティブモードのとき、オン状態となって電力供給元から送電線を介して伝送される電力を負荷としての電子機器に供給する一方、前記電源供給停止信号がアクティブモードのとき、オフ状態となって前記電子機器に対して前記電力の供給を停止する保護スイッチ手段とを備えてなることを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子機器保護装置に係り、前記放送電波は、送信アンテナから送信されるAM(Amplitude Modulation、振幅変調)ラジオ放送に対応した電波であることを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電子機器保護装置に係り、前記受信手段は、前記放送電波を継続的に受信する構成とされ、前記受信レベル監視手段は、前記レベル検出手段で検出された受信レベルを継続的に監視する構成とされていることを特徴としている。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の電子機器保護装置に係り、電気エネルギー蓄積手段を有し、前記保護スイッチ手段から前記電力が供給されるとき、前記電子機器、受信手段、レベル検出手段、受信レベル監視手段及び保護スイッチ手段に対して該電力をそのまま動作用電源として供給する一方、前記保護スイッチ手段から前記電力が供給されなくなったとき、前記電子機器、受信手段、レベル検出手段及び受信レベル監視手段に対して前記電気エネルギー蓄積手段から電力を供給する無停電電源装置と、前記保護スイッチ手段から前記電力が供給されなくなったとき、前記電気エネルギー蓄積手段に対して電力を補給する発電手段とが設けられ、前記受信レベル監視手段は、前記電源供給停止信号をアクティブモードからノンアクティブモードに遷移させる状態になったとき、所定の遅延時間が経過した後に該ノンアクティブモードとする構成とされていることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の電子機器保護装置に係り、前記遅延時間は、前記発電手段が前記電気エネルギー蓄積手段に対して電力を完全に補給可能な時間に設定されていることを特徴としている。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5記載の電子機器保護装置に係り、前記受信レベルが前記基準値を超えて変動した状態は、該受信レベルが前記レベル検出手段で検出されない状態を含むことを特徴としている。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の電子機器保護装置に係り、前記受信手段は、屋外で前記放送電波を受信するためのアンテナを有し、前記受信レベル監視手段は、前記電源供給停止信号を光信号として出力する構成とされ、前記保護スイッチ手段は、光信号としての前記電源供給停止信号を入力する構成とされていることを特徴としている。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の電子機器保護装置に係り、前記受信手段、レベル検出手段、受信レベル監視手段及び保護スイッチ手段に対して、前記電力供給元から前記送電線を介して伝送される電力を電源として伝送するための電力線が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
この発明の構成によれば、放送電波が受信手段で受信されて受信信号が生成され、レベル検出手段で同受信信号のレベルが検出される。受信レベル監視手段により、レベル検出手段で検出された受信レベルが監視され、同受信レベルが所定の基準値を超えて変動したときにアクティブモードの電源供給停止信号が出力される。受信レベル監視手段の電源供給停止信号がノンアクティブモードのとき、保護スイッチ手段がオン状態となって電力供給元から送電線を介して伝送される電力が負荷としての電子機器に供給される。一方、電源供給停止信号がアクティブモードのとき、保護スイッチ手段がオフ状態となって電子機器に対して電力の供給が停止される。
【0021】
このため、放送電波の状態に基づいて落雷状況が監視され、落雷検出時にタイムラグが発生することなく保護動作を行うことができる。また、アクティブモードの電源供給停止信号が出力される状態は、保護スイッチ手段に対して動作用電源が供給されない状態であるので、受信手段、レベル検出手段又は受信レベル監視手段が故障して電源供給停止信号が停止した場合でも保護動作が行われ、落雷の検出が不可能な状態で落雷を受けても、電子機器を保護できる。また、受信レベルがレベル検出手段で検出されない状態でも、電源供給停止信号がアクティブモードとなるので、落雷の検出が不可能な状態で落雷をうけても、電子機器を保護できる。
【0022】
また、アンテナが屋外に設けられ、かつ、受信レベル監視手段から電源供給停止信号が光信号として保護スイッチ手段へ出力されるので、当該電子機器保護装置が設けられている建屋の構造や材質に関わらず、良好な感度で受信レベルの変動が検出されると共に、同アンテナに直接落雷し、受信手段、レベル検出手段及び受信レベル監視手段が破壊された場合でも、電子機器、無停電電源装置及び発電手段を保護できる。また、落雷により送電線に発生した異常電圧が電力線を経て、受信手段、レベル検出手段及び受信レベル監視手段へ伝わり、これらが破壊された場合でも、電子機器、無停電電源装置及び発電手段には波及せず、保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
AM放送電波の受信レベルの強弱を検出し、検出結果に基づいて、落雷による異常電圧から電子機器を保護する電子機器保護装置を提供する。
【実施例1】
【0024】
図1は、この発明の第1の実施例である電子機器保護装置の要部の電気的構成及び同電子機器保護装置が用いられる環境を示す図である。
この例の電子機器保護装置は、同図に示すように、落雷サージ保護装置30であり、落雷サージ保護制御部31と、制御線32と、電磁開閉器33と、電力線34と、無停電電源装置(UPS、Uninterruptable Power Supply)35と、発電機36と、電力線37とから構成され、入力側が送電線41を介して電力供給元42に接続される一方、出力側が電力線43を介して電子機器44に接続され、同落雷サージ保護制御部31が電波塔45に無線接続されている。
【0025】
電力供給元42は、通常、電力会社の変電所などであり、たとえば商用電源としての電力を供給する。電波塔45は、AM(Amplitude Modulation、振幅変調)ラジオ放送に用いられる送信アンテナであり、AMラジオ放送に対応した放送電波awを発信する。落雷サージ保護制御部31は、放送電波awを継続的に受信し、この受信信号のレベルを検出して継続的に監視し、この受信レベルが所定の基準値を超えて変動したときにアクティブモードの電源供給停止信号pssを制御線32を介して電磁開閉器33へ出力する。電磁開閉器33は、落雷サージ保護制御部31の電源供給停止信号pssがノンアクティブモードのとき、オン状態となって電力供給元42から送電線41を介して伝送される電力を、電力線34、無停電電源装置35及び電力線43を経て電子機器44に供給すると共に電力線37を経て落雷サージ保護制御部31に供給する一方、同電源供給停止信号pssがアクティブモードのとき、オフ状態となって同電力の供給を停止する。
【0026】
無停電電源装置35は、たとえば内蔵バッテリなどの電気エネルギー蓄積手段を有し、電磁開閉器33から電力が供給されるとき、電子機器44及び落雷サージ保護制御部31に対して同電力をそのまま動作用電源として供給する一方、同電磁開閉器33から同電力が供給されなくなったとき(たとえば、電磁開閉器33がオフ状態のときや、電磁開閉器33がオン状態でも停電のとき)、上記電子機器44及び落雷サージ保護制御部31に対して上記電気エネルギー蓄積手段から電力を供給する。発電機36は、電磁開閉器33から電力が供給されなくなったとき、無停電電源装置35の指令により上記電気エネルギー蓄積手段に対して電力を補給する。電子機器44は、たとえばコンピュータなどの電子機器であり、電力線43を経て電力供給を受けて稼動する機器である。落雷tha及び落雷thbは、自然現象で発生する雷であり、同落雷thaは放送電波awに対してノイズとして干渉し、また、同落雷thbは、送電線41に対して直撃雷及び誘導雷として、異常電圧を発生する。
【0027】
図2は、図1中の落雷サージ保護制御部31の電気的構成を示すブロック図である。
この落雷サージ保護制御部31は、同図2に示すように、受信アンテナ51と、チューナ部52と、レベル検出部53と、制御部54と、制御開閉器55と、制御部電源機構56とから構成されている。受信アンテナ51は、放送電波awを継続的に受信する。特に、この実施例では、この受信アンテナ51は、屋内又は落雷サージ保護制御部31の内部にあり、落雷は発生しない。チューナ部52は、受信アンテナ51が受信した放送電波awの受信信号rsaを生成する。レベル検出部53は、受信信号rsaのレベルを検出して受信レベルrsvを算出する。
【0028】
制御部54は、受信レベルrsvを継続的に監視し、同受信レベルrsvが所定の基準値を超えて変動したときにアクティブモードの制御信号ctrを制御開閉器55へ出力する一方、同受信レベルrsvの変動が同基準値以下のとき、同制御信号ctrをノンアクティブモードとする。特に、この実施例では、制御部54は、制御信号ctrをアクティブモードからノンアクティブモードに遷移させる状態になったとき、所定の遅延時間が経過した後に同ノンアクティブモードとする。この遅延時間は、発電機36が無停電電源装置35の電気エネルギー蓄積手段に対して電力を完全に補給(電気エネルギー蓄積手段がバッテリであれば、満充電とする)可能な時間に設定されている。
【0029】
また、受信レベルrsvが上記基準値を超えて変動した状態は、受信信号rsaがなく、同受信レベルrsvがレベル検出部53で算出されない状態を含む。制御開閉器55は、アクティブモード/ノンアクティブモードの制御信号ctrに基づいてアクティブモード/ノンアクティブモードの電源供給停止信号pssを制御線32を介して電磁開閉器33へ出力する。特に、この実施例では、制御開閉器55は、電力線37を経て供給される電力をノンアクティブモードの電源供給停止信号pssとして出力する。また、アクティブモードの電源供給停止信号pssが出力される状態は、電力線37を経て供給される電力を制御開閉器55で遮断する状態である。制御部電源機構56は、電力線37を経て供給される電力を、チューナ部52、レベル検出部53及び制御部54に供給する。
【0030】
次に、この例の落雷サージ保護装置30の動作について説明する。
この落雷サージ保護装置30では、落雷が発生していない通常の状態の場合、電波塔45からの放送電波awが受信アンテナ51で継続的に受信される。チューナ部52では、受信アンテナ51で受信された放送電波awの受信信号rsaがレベル検出部53へ送出される。レベル検出部53では、チューナ部52から送出された受信信号rsaに基づいて受信レベルrsvが算出され、制御部54に送出される。制御部54では、レベル検出部53より送出された受信レベルrsvが継続的に監視され、同受信レベルrsvが安定している場合には、落雷がないものとして、制御開閉器55に対して、回路を閉じる(オン状態とする)ように制御信号ctrを送出し続ける。
【0031】
制御開閉器55では、制御部54から送出された制御信号ctrに基づいて、回路を閉じ(オン状態とする)、無停電電源装置35から電力線37を経て供給された電力がノンアクティブモードの電源供給停止信号pssとして制御線32を介して電磁開閉器33へ出力される。電磁開閉器33では、ノンアクティブモードの電源供給停止信号pssを受け、回路を閉じることにより(オン状態)、送電線41から供給される電力が電力線34に送出される。無停電電源装置35では、電力線34から送出される電力が、電力線37及び電力線43へ送出される。
【0032】
一方、送電線41からの電力供給が途絶え、停電した状態の場合、無停電電源装置35では、内蔵バッテリなどに蓄積されていたエネルギー及び発電機36から供給される電力により、引き続き安定した電力が生成され、電力線37及び電力線43へ送出される。このため、落雷サージ保護制御部31では、通常の場合と同様の動作が継続して行われ、また、電子機器44に対する電力供給も継続される。これにより、電磁開閉器33は、継続して回路を閉じ続ける。また、発電機36は、無停電電源装置35の電力生成が開始されたことを受け、同無停電電源装置35が電力生成するに必要な電力を供給する。
【0033】
送電線41からの電力供給が再開され、復電した状態では、閉じ続けていた電磁開閉器33及び電力線34を経て、無停電電源装置35に電力供給が行われる。これにより、通常の場合と同様の動作に戻り、発電機36では、無停電電源装置35が電力線34からの電力供給が再開したことを受け、無停電電源装置35への電力供給が停止される。
【0034】
また、落雷thaが発生した場合、電波塔45からの放送電波awは、同落雷thaの電気的干渉によりレベルが変動する。通常時と同様に、チューナ部52では受信アンテナ51で受信された放送電波awの受信信号rsaがレベル検出部53に送出され、同レベル検出部53では、チューナ部52からの受信信号rsaに基づいて受信レベルrsvが算出され、制御部54に送出される。制御部54では、レベル検出部53より送られた受信レベルrsvが継続的に監視され、たとえば“通常値の2%”のように、設置環境による受信感度にあわせて、ノイズなどによる誤動作が発生しにくくなるように予め設定されている値以上のレベル変動が検知された場合、落雷が発生しているものとして、制御開閉器55に対し、回路を開く(オフ状態)ように制御信号ctrが送出される。制御開閉器55では、制御部54の制御信号ctrに基づいて回路を開き(オフ状態)、制御線32に送出されていたノンアクティブモードの電源供給停止信号pssがアクティブモードとされる。電磁開閉器33では、電源供給停止信号pssがアクティブモードとなったことを受けて回路を開き(オフ状態)、送電線41と電力線34との接続がオフ状態とされる。これにより、無停電電源装置35では、電力線34からの電力供給が途絶え、同無停電電源装置35及び発電機36では、停電時と同様の動作が行われる。このため、電子機器44には、安定した電力が継続して供給される。
【0035】
この状態で、落雷thbによる直撃雷又は誘導雷によって、送電線41に異常電圧が発生した場合、電磁開閉器33が開いているため、落雷サージ保護制御部31、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36には異常電圧が伝わらず、保護される。通常、発電機36が起動して無停電電源装置35に電力供給を開始するまでに若干の時間を要するため、その間、無停電電源装置35の内蔵バッテリに蓄積されていたエネルギーを元にして電力が生成され、電子機器44に電力が供給される。
【0036】
ここで、無停電電源装置35では、発電機36から電力が供給された場合、ならびに電力線34から電力が供給された場合、これらの電力を元にして電子機器44に対して電力供給が行われるが、これに併せて、蓄積されていたエネルギーによって電力供給した際に減少したエネルギーの補給も行われる。この場合、電力線34からの電力供給が小刻みに途絶えると、発電機36が起動して無停電電源装置35に電力供給を開始する前に復電する事態が繰り返されることになる。電力線34からの電力供給がない状態では、無停電電源装置35は、蓄積されているエネルギーを使い続けるが、同電力線34からの電源供給が回復すると、発電機36は、無停電電源装置35に電力供給する前に停止する。電力線34からの電源供給が回復した場合においても、無停電電源装置35で減少したエネルギーを充分補給するには時間を要するため、電力線34からの電力供給と停止とが繰り返されることにより、最終的に無停電電源装置35に蓄積されているエネルギーが枯渇し、発電機36が起動するまで、電子機器44に対して電力が供給がされくなる事態が発生する。
【0037】
このような事態を防止するために、電力線34の元である送電線41からの電力供給が小刻みに途絶えた場合に、発電機36を起動して無停電電源装置35が消耗したエネルギーを充分補給できる時間を監視時間(遅延時間)として、予め設定しておく。すなわち、送電線41からの電力供給が再開した場合においても、監視時間の間は、制御部54から制御開閉器55に対し、回路を開く(オフ状態)制御信号ctrを送出し続ける。これにより、制御開閉器55は電磁開閉器33を開き続け、送電線41からの電力が電力線34に伝送されない状態が継続される。このため、発電機36が起動され、無停電電源装置35に対して電力が供給され、同無停電電源装置35では、減少したエネルギーが完全に補給される。なお、監視時間は、無停電電源装置35で減少したエネルギーが完全に補給される時間以上であれば良い。このため、一度落雷が発生した後に暫く落雷が継続する場所に落雷サージ保護装置30を設置する場合、上記監視時間を、無停電電源装置35で減少したエネルギーが完全に補給される時間以上であって、かつ、たとえば落雷が継続する平均時間として設定しても良い。
【0038】
制御部54では、監視時間として設定された時間内に再びレベル検出部53からの受信レベルrsvの変動が検出された場合は、落雷が継続しているものとして制御開閉器55に対し、回路を開く(オフ状態)制御信号ctrを送出し続ける。また、制御部54では、監視時間として設定された時間内に再び受信レベルrsvの変動が検出されず、監視時間が経過した場合は、落雷が終了したものとして、制御開閉器55に対し、回路を閉じる(オフ状態)ための制御信号ctrを送出する。以降、通常動作に戻る。なお、落雷以外の要因で、制御部54で受信レベルrsvの変動が検出された場合でも、落雷時と同様の動作が行われるが、電子機器44の電力供給は継続されるので、問題にはならない。
【0039】
また、電波塔45からの放送電波awがなくなった場合、制御部54では、受信レベルrsvが未検出となるが、この場合は、電波塔45に対して落雷があったものとして、受信レベルrsvの変動を検出した場合と同様に制御開閉器55に対し、回路を開く(オフ状態)ための制御信号ctrを送出する。制御開閉器55では、制御部54の制御信号ctrに基づいて回路を開き(オフ状態)、アクティブモードの電源供給停止信号pssを制御線32を介して電磁開閉器33へ出力する。これにより、電磁開閉器33がオフ状態となる。以降、落雷thaが発生した状態と同様の動作が行われ、電波塔45からの放送電波awが再度検出された場合は、制御部54では、制御開閉器55に対し、回路を閉じる(オン状態)ための制御信号ctr信号が送出され、以降、通常時の動作に戻る。
【0040】
以上のように、この第1の実施例では、放送電波awの状態に基づいて落雷状況が監視されるので、落雷検出時にタイムラグがなく保護動作が行われる。また、放送電波awが受信されなくなった場合でも保護動作が行われるので、落雷の検出が不可能な状態で落雷をうけても、電子機器が保護される。また、アクティブモードの電源供給停止信号pssが出力される状態は、電力線37を経て供給される電力を制御開閉器55で遮断することにより、電磁開閉器33をオフ状態とする状態であるので、落雷サージ保護制御部31が故障して電源供給停止信号pssが停止した場合でも保護動作が行われ、落雷の検出が不可能な状態で落雷を受けても、電子機器が保護される。
【実施例2】
【0041】
図3は、この発明の第2の実施例である落雷サージ保護装置の要部の電気的構成及び同落雷サージ保護装置が用いられる環境を示す図であり、第1の実施例を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この例の落雷サージ保護装置30Aでは、同図3に示すように、図1中の落雷サージ保護制御部31及び制御線32に代えて、異なる構成の落雷サージ保護制御部31A及び制御線32Aが設けられ、かつ補助開閉器38及び電力線39が付加されている。電力線39は、電力供給元42から送電線41を介して伝送される電力を落雷サージ保護制御部31Aへ供給する。同電力線39が送電線41より電力を受けるため、落雷thbが送電線41及び同電力線39を経て落雷サージ保護制御部31Aに到達する可能性がある。
【0042】
落雷サージ保護制御部31Aは、屋外で放送電波awを受信するための図示しないアンテナを有し、また、電源供給停止信号pssを光信号として出力する構成とされている。同アンテナは、屋外に設置されているため、落雷thaが直接到達する可能性がある。制御線32Aは、ガラス素材などの非電導素材で構成された光ファイバなどの信号線であり、落雷サージ保護制御部31Aからの光信号として電源供給停止信号pssを補助開閉器38へ伝送する。この制御線32Aが非電導素材で構成されていることにより、落雷サージ保護制御部31Aが落雷による異常電圧によって破壊される事態が発生した場合でも、その異常電圧は、電磁開閉器33、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36に波及しない。
【0043】
補助開閉器38は、たとえばフォトカプラなどを有し、落雷サージ保護制御部31Aから光信号としての電源供給停止信号pssを制御線32Aを介して入力し、同光信号を電気信号に変換して電磁開閉器33へ供給する。特に、この実施例では、補助開閉器38は、光信号を検出した場合には、回路を閉じ、電力線37で伝送される電力を電磁開閉器33に供給し、同電磁開閉器33に対して閉じる(オン状態)動作をさせる一方、光信号を検出しない場合は、回路を開き、電力線37から電磁開閉器33への電力供給を絶ち、電磁開閉器33に開く(オフ状態)動作をさせる。他は、図1と同様の構成である。
【0044】
図4は、図3中の落雷サージ保護制御部31Aの電気的構成を示すブロック図であり、第1の実施例を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この落雷サージ保護制御部31Aでは、同図4に示すように、図2中の受信アンテナ51及び制御開閉器55に代えて、屋外に設けられた受信アンテナ51A及び異なる機能を有する閉信号発信器57が設けられている。また、電力線39が制御部電源機構56に接続されている。受信アンテナ51Aは、屋外に設置されて放送電波awを受信する。閉信号発信器57は、制御部電源機構56から電源供給を受け、制御部54からのアクティブモード/ノンアクティブモードの制御信号ctrに基づいてアクティブモード/ノンアクティブモードの電源供給停止信号pssを光信号として制御線32Aを介して補助開閉器38へ出力する。特に、この実施例では、閉信号発信器57は、アクティブモードの電源供給停止信号pssとして光信号を消灯の形で出力する一方、ノンアクティブモードの電源供給停止信号pssとして光信号を発光の形で出力する。
【0045】
次に、この例の落雷サージ保護装置30Aの動作について説明する。
この落雷サージ保護装置30Aでは、落雷が発生していない通常の状態の場合、電波塔45からの放送電波awが受信アンテナ51Aで継続的に受信される。チューナ部52では、受信アンテナ51Aで受信された放送電波awの受信信号rsaがレベル検出部53へ送出される。レベル検出部53では、チューナ部52から送出された受信信号rsaに基づいて受信レベルrsvが算出され、制御部54に送出される。制御部54では、レベル検出部53より送出された受信レベルrsvが継続的に監視され、同受信レベルrsvが安定している場合には、落雷がないものとして、閉信号発信器57に対して、回路を閉じる(オン状態とする)ように制御信号ctrを送出し続ける。
【0046】
閉信号発信器57では、制御部54から送出された制御信号ctrに基づいて光信号を発生し、制御線32Aを介して補助開閉器38送出される。補助開閉器38では、制御線32Aからの光信号が検出され、回路を閉じることにより、電力線37からの電力が電磁開閉器33へ出力される。電磁開閉器33では、補助開閉器38からの電力を受け、回路を閉じることにより、送電線41から供給される電力が電力線34に送出される。無停電電源装置35では、電力線34から送出される電力が、電力線37及び電力線43へ送出される。
【0047】
一方、送電線41からの電力供給が途絶え、停電した状態の場合、落雷サージ保護制御部31Aの動作が停止する。このため、閉信号発信器57に対する電力供給が途絶え、光信号が発生しなくなる。これにより、制御線32Aへの光信号が消灯するため、補助開閉器38では開信号として検知され、電力線37を経て供給された電力が電磁開閉器33に伝送されなくなる。よって、電磁開閉器33は回路を開き(オフ状態)、送電線41供給される電力が電力線34に伝送されなくなる。このとき、無停電電源装置35では、内蔵バッテリなどに蓄積されていたエネルギー及び発電機36から供給される電力により、引き続き安定した電力が生成され、電力線37及び電力線43へ送出される。このため、落雷サージ保護制御部31では、通常の場合と同様の動作が継続して行われ、また、電子機器44に対する電力供給も継続される。また、発電機36は、無停電電源装置35の電力生成が開始されたことを受け、同無停電電源装置35が電力生成するに必要な電力を供給する。
【0048】
送電線41からの電力供給が再開され、復電した状態では、落雷サージ保護制御部31Aの動作が再開され、正常時の動作ルーチンに戻る。これにより、閉信号発信器57に対する電力供給も戻り、光信号が発生する状態になる。補助開閉器38では、停電中も電力線37より電力供給を受けており、発生した光信号が閉信号として検知され、電力線37を経て伝送される電力が電磁開閉器33に供給される。これにより、電磁開閉器33では回路を閉じ(オン状態)、送電線41を経て供給される電力が電力線34に伝送され、無停電電源装置35に電力供給が行われる。これにより、通常の場合と同様の動作に戻り、発電機36では、無停電電源装置35が電力線34からの電力供給が再開したことを受け、無停電電源装置35への電力供給が停止される。
【0049】
また、落雷thaが発生した場合、電波塔45からの放送電波awは、同落雷thaの電気的干渉によりレベルが変動する。通常時と同様に、チューナ部52では受信アンテナ51で受信された放送電波awの受信信号rsaがレベル検出部53に送出され、同レベル検出部53では、チューナ部52からの受信信号rsaに基づいて受信レベルrsvが算出され、制御部54に送出される。制御部54では、レベル検出部53より送られた受信レベルrsvが継続的に監視され、たとえば“通常値の2%”のように、設置環境による受信感度にあわせて、ノイズなどによる誤動作が発生しにくくなるように予め設定されている値以上のレベル変動が検知された場合、落雷が発生しているものとして、閉信号発信器57に対し、回路を開く(オフ状態)ように制御信号ctrが送出される。閉信号発信器57では、制御部54の制御信号ctrに基づいて光が消灯され、制御線32Aに送出されていた光信号が停止される。補助開閉器38では、制御線32Aの光信号がなくなったことを受けて回路を開き(オフ状態)、無停電電源装置35から電力線37を経て供給される電力を電磁開閉器33に伝送しない。電磁開閉器33では、補助開閉器38から電力が供給されなくなったことを受けて回路を開き(オフ状態)、送電線41と電力線34との接続がオフ状態とされる。これにより、無停電電源装置35では、電力線34からの電力供給が途絶え、同無停電電源装置35及び発電機36では、停電時と同様の動作が行われる。このため、電子機器44には、安定した電力が継続して供給される。
【0050】
この状態で、落雷thbによる直撃雷又は誘導雷によって、送電線41に異常電圧が発生した場合、電磁開閉器33が開いているため、落雷サージ保護制御部31A、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36には異常電圧が伝わらず、保護される。また、この状態で、落雷thbが発生し、異常電圧が電力線39を経て落雷サージ保護制御部31Aに到達し、制御部電源機構56をはじめとして落雷サージ保護制御部31Aが破壊される場合があるが、電磁開閉器33がオフ状態であり、併せて、制御線32Aが非電導素材で構成されているため、同異常電圧が補助開閉器38に伝わらないため、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36にも同異常電圧が伝わらず、保護される。また、この状態で、屋外に設置されている受信アンテナ51Aに直接落雷し、異常電圧によってチューナ部52をはじめとする落雷サージ保護制御部31Aが破壊される場合があるが、この場合においても、電磁開閉器33がオフ状態であり、併せて、制御線32Aが非電導素材で構成されているため、同異常電圧が補助開閉器38に伝わらないため、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36にも同異常電圧が伝わらず、保護される。また、落雷サージ保護制御部31Aが破壊されている間は、制御線32Aには光信号が送出されず、電磁開閉器33がオフ状態のため、落雷に対する保護状態が継続され、無停電電源装置35から電子機器44に対して安全に電源供給が継続される。
【0051】
また、第1の実施例と同様に、送電線41からの電力供給が小刻みに途絶えた場合に、発電機36を起動して無停電電源装置35が消耗したエネルギーを充分補給できる時間が監視時間(遅延時間)として予め設定されている。すなわち、送電線41からの電力供給が再開した場合においても、監視時間の間は、制御部54から閉信号発信器57に対し、回路を開く(オフ状態とする)制御信号ctrを送出し続ける。これにより、閉信号発信器57は、補助開閉器38を介して電磁開閉器33を開き続け(オフ状態)、送電線41からの電力が電力線34に伝送されない状態が継続される。このため、発電機36が起動され、無停電電源装置35に対して電力が供給され、同無停電電源装置35では、減少したエネルギーが完全に補給される。
【0052】
制御部54では、監視時間として設定された時間内に再びレベル検出部53からの受信レベルrsvの変動が検出された場合は、落雷が継続しているものとして閉信号発信器57に対し、回路を開く(オフ状態)制御信号ctrを送出し続ける。また、制御部54では、監視時間として設定された時間内に再び受信レベルrsvの変動が検出されず、監視時間が経過した場合は、落雷が終了したものとして、閉信号発信器57に対し、回路を閉じる(オフ状態)制御信号ctrを送出する。以降、通常動作に戻る。また、電波塔45からの放送電波awがなくなった場合、制御部54では、受信レベルrsvが未検出となるが、この場合は、電波塔45に対して落雷があったものとして、受信レベルrsvの変動を検出した場合と同様に閉信号発信器57に対し、回路を開く(オフ状態)ように制御信号ctrを送出する。閉信号発信器57では、制御部54の制御信号ctrに基づいて回路を開き(オフ状態)、制御線32Aに対する光信号の送出を停止する。以降、落雷thaが発生した状態と同様の動作が行われ、電波塔45からの放送電波awが再度検出された場合は、制御部54では、閉信号発信器57に対し、回路を閉じる(オン状態)ための制御信号ctrが送出され、以降、通常時の動作に戻る。
【0053】
以上のように、この第2の実施例では、受信アンテナ51Aが屋外に設けられ、かつ、閉信号発信器57から電源供給停止信号pssが光信号として制御線32Aを介して補助開閉器38へ出力されるので、第1の実施例の利点に加え、落雷サージ保護装置30Aが設けられている建屋の構造や材質に関わらず、良好な感度で受信レベルrsvの変動が検出されると共に、同受信アンテナ51Aに直接落雷して落雷サージ保護制御部31Aが破壊された場合でも、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36が保護される。また、落雷thbにより送電線41に発生した異常電圧が電力線39を経て落雷サージ保護制御部31Aへ伝わり、同落雷サージ保護制御部31Aが破壊された場合でも、電子機器44、無停電電源装置35及び発電機36には波及せず、保護される。
【0054】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、落雷サージ保護制御部31,31Aにより、電波塔45からの放送電波awを検出すると同時に、他の複数のAMラジオ電波などの放送電波も受信して監視し、冗長化することにより、さらに動作を安定させることができる。また、発電機36は、たとえば燃料電池などで構成しても良い。また、上記各実施例では、放送電波awは、AMラジオ放送に対応しているが、レベル検出部53で受信信号rsaのレベルを検出可能であれば良く、AM放送電波に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明は、商用電源により動作する電子機器などに対して、落雷から保護する必要がある場合全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の第1の実施例である電子機器保護装置の要部の電気的構成及び同落雷サージ保護装置が用いられる環境を示す図である。
【図2】図1中の落雷サージ保護制御部31の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の第2の実施例である落雷サージ保護装置の要部の電気的構成及び同落雷サージ保護装置が用いられる環境を示す図である。
【図4】図3中の落雷サージ保護制御部31Aの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】特許文献1に記載された雷サージプロテクタの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】特許文献2に記載された落雷サージ警告装置の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
30,30A 落雷サージ保護装置(電子機器保護装置)
31,31A 落雷サージ保護制御部(電子機器保護装置の一部)
32,32A 制御線(電子機器保護装置の一部)
33 電磁開閉器(電子機器保護装置の一部、保護スイッチ手段)
34 電力線(電子機器保護装置の一部)
35 無停電電源装置(電子機器保護装置の一部)
36 発電機(電子機器保護装置の一部、発電手段)
37 電力線(電子機器保護装置の一部)
38 補助開閉器(電子機器保護装置の一部、保護スイッチ手段の一部)
39 電力線
41 送電線
42 電力供給元
43 電力線
44 電子機器
45 電波塔(送信アンテナ)
51,51A 受信アンテナ(電子機器保護装置の一部、受信手段の一部)
52 チューナ部(電子機器保護装置の一部、受信手段の一部)
53 レベル検出部(電子機器保護装置の一部、レベル検出手段)
54 制御部(電子機器保護装置の一部、受信レベル監視手段の一部)
55 制御開閉器(電子機器保護装置の一部、受信レベル監視手段の一部)
56 制御部電源機構(電子機器保護装置の一部)
57 閉信号発信器(電子機器保護装置の一部、受信レベル監視手段の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送電波を受信して受信信号を生成する受信手段と、
前記受信信号のレベルを検出するレベル検出手段と、
該レベル検出手段で検出された受信レベルを監視し、該受信レベルが所定の基準値を超えて変動したときにアクティブモードの電源供給停止信号を出力する受信レベル監視手段と、
該受信レベル監視手段の前記電源供給停止信号がノンアクティブモードのとき、オン状態となって電力供給元から送電線を介して伝送される電力を負荷としての電子機器に供給する一方、前記電源供給停止信号がアクティブモードのとき、オフ状態となって前記電子機器に対して前記電力の供給を停止する保護スイッチ手段とを備えてなることを特徴とする電子機器保護装置。
【請求項2】
前記放送電波は、
送信アンテナから送信されるAMラジオ放送に対応した電波であることを特徴とする請求項1記載の電子機器保護装置。
【請求項3】
前記受信手段は、
前記放送電波を継続的に受信する構成とされ、
前記受信レベル監視手段は、
前記レベル検出手段で検出された受信レベルを継続的に監視する構成とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器保護装置。
【請求項4】
電気エネルギー蓄積手段を有し、前記保護スイッチ手段から前記電力が供給されるとき、前記電子機器、受信手段、レベル検出手段、受信レベル監視手段及び保護スイッチ手段に対して該電力をそのまま動作用電源として供給する一方、前記保護スイッチ手段から前記電力が供給されなくなったとき、前記電子機器、受信手段、レベル検出手段及び受信レベル監視手段に対して前記電気エネルギー蓄積手段から電力を供給する無停電電源装置と、
前記保護スイッチ手段から前記電力が供給されなくなったとき、前記電気エネルギー蓄積手段に対して電力を補給する発電手段とが設けられ、
前記受信レベル監視手段は、
前記電源供給停止信号をアクティブモードからノンアクティブモードに遷移させる状態になったとき、所定の遅延時間が経過した後に該ノンアクティブモードとする構成とされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の電子機器保護装置。
【請求項5】
前記遅延時間は、
前記発電手段が前記電気エネルギー蓄積手段に対して電力を完全に補給可能な時間に設定されていることを特徴とする請求項4記載の電子機器保護装置。
【請求項6】
前記受信レベルが前記基準値を超えて変動した状態は、
該受信レベルが前記レベル検出手段で検出されない状態を含むことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の電子機器保護装置。
【請求項7】
前記受信手段は、
屋外で前記放送電波を受信するためのアンテナを有し、
前記受信レベル監視手段は、
前記電源供給停止信号を光信号として出力する構成とされ、
前記保護スイッチ手段は、
光信号としての前記電源供給停止信号を入力する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の電子機器保護装置。
【請求項8】
前記受信手段、レベル検出手段、受信レベル監視手段及び保護スイッチ手段に対して、前記電力供給元から前記送電線を介して伝送される電力を電源として伝送するための電力線が設けられていることを特徴とする請求項7記載の電子機器保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−118752(P2008−118752A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298301(P2006−298301)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)