説明

電子機器及びステータスランプ発光方法

【課題】ステータスランプの発光源とステータス表示部との距離が開いた場合でも、発光源に基づく十分な光を確実にステータス表示部に到達させることができる電子機器を提供する。
【解決手段】筐体10と、筐体10の内部の基板20と、光によって状態を表示するステータスランプ40とを具備する。ステータスランプ40は、基板20上に配置されて、レーザー光41aを放射する発光源41と、筐体10に設けられ、レーザー光41aを散乱させて筐体10の外部へ透過させるステータス表示部42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の状態を表すステータスランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ステータスランプを具備する電子機器は、ステータスランプの点灯、点滅及び消灯などの発光パターンや発光色に基づいて、電子機器の状態を外部へ通知する。ユーザはステータスランプの発光状態に基づいて、電子機器の状態を認識することができる。
【0003】
図1は、ステータスランプ140を具備する電子機器100の内部構造である。ここでは、電子機器100は外部の電子機器と接続可能なユニットとして示されている。電子機器100は、筐体110と、プリント配線基板120と、コネクタ130と、ステータスランプ140とを具備する。
【0004】
プリント配線基板120は、コネクタ130を介して接続される外部の電子機器から電源が供給されて動作する。コネクタ130は、プリント配線基板120と外部の電子機器とを接続するコネクタである。
【0005】
ステータスランプ140は、光によって電子機器100及び接続された外部の電子機器の状態を表示する。ステータスランプ140は、プリント配線基板120上に配置されて発光する発光源141と、筐体110の開口部に設けられて、発光源141の光を筐体110の外部へ透過させるステータス表示部142とを備える。発光源141は、LED(Light Emitting Diode)が例示され、電子機器100及び接続された外部の電子機器の状態に応じて発光する。発光源141の光がステータス表示部142を透過することで、電子機器100の状態は外部へ通知されることになる。
【0006】
ステータスランプに関連した技術が特許文献1に開示されている。特許文献1の技術は、電子機器のインディケーターランプを前面に持ってくるために、通常用いられるリード線、端子、ハウジングからなるハーネスに換えて、光ファイバーケーブルを用いるというものである。
【0007】
また、特許文献2には発光に関わる技術として、光散乱体と、半導体レーザーとを組み合わせたアイセーフ半導体レーザーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−279805号公報
【特許文献2】国際公開第2007/114493号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図1において、ステータスランプ140の発光源141とステータス表示部142との間の距離が離れると、ステータス表示部142を透過した発光源141の光が筐体110の外部まで届き難くなる。つまり、電子機器100及び接続された外部の電子機器の状態を、ユーザが把握し難くなる恐れがある。そのため、発光源141とステータス表示部142との距離は短い方が好ましく、発光源141はステータス表示部142の近傍に配置される。つまり、発光源141は筐体110内部で、ユーザが目視しやすい表面側に配置されることになる。しかし、コネクタ130が接続する外部の電子機器のバックプレーンは、外部の電子機器の内側に配置されているため、コネクタ130はプリント配線基板120上で、ステータスランプ140と反対側(外部の電子機器の筐体の内側)に配置されることになる。その結果、発光源141とコネクタ130とはプリント配線基板120上で離れて配置されることになり、プリント配線基板120が大きくなってしまう問題があった。
【0010】
本発明の目的は、ステータスランプの発光源とステータス表示部との距離が開いた場合でも、発光源に基づく十分な光を確実にステータス表示部に到達させることができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電子機器は、筐体と、筐体の内部の基板と、光によって状態を表示するステータスランプとを具備する。ステータスランプは、基板上に配置されて、レーザー光を放射する発光源と、筐体に設けられ、レーザー光を散乱させて筐体の外部へ透過させるステータス表示部とを備える。
【0012】
本発明のステータスランプ発光方法は、筐体と、筐体の内部の基板と、光によって状態を表示するステータスランプとを具備する電子機器のステータスランプ発光方法であって、基板上に配置されたステータスランプの発光源がレーザー光を放射することと、筐体に設けられたステータスランプのステータス表示部が、レーザー光を散乱させて筐体の外部へ透過させることとを具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子機器は、ステータスランプの発光源とステータス表示部との距離が開いた場合でも、発光源に基づく十分な光を確実にステータス表示部に到達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、ステータスランプ140を具備する電子機器100の内部構造である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態による電子機器1の構成図である。
【図3】図3は、電子機器1が外部の電子機器2に接続される様子を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態による電子機器1aの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態による電子機器を説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態による電子機器を説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態による電子機器1の構成図である。ここでは、電子機器1は外部の電子機器(バックプレーン3)と接続可能(取り外し可能)なユニットとして示されている。図2を参照すると、電子機器1は、筐体10と、プリント配線基板20と、コネクタ30と、ステータスランプ40とを具備する。
【0017】
筐体10は、内部に配置された各部を保護する。筐体10は、図1では上面がない形状であるが上面がある形状でもよく、更に、内部の各部を保護できる形状であればどのような形であってもよい。筐体10は、ステータス表示部42を設けるための開口部を有している。尚、ステータス表示部42については後述する。
【0018】
プリント配線基板20は、筐体10の内部に配置される。プリント配線基板20は、コネクタ30を介してバックプレーン3と接続し、バックプレーン3から供給される電源に基づいて動作する。コネクタ30は、プリント配線基板20とバックプレーン3とを電気的に接続する。
【0019】
ステータスランプ40は、光によって電子機器1及び接続された外部の電子機器の状態を表示する。ステータスランプ40は、発光源41と、ステータス表示部42とを備える。発光源41は、プリント配線基板20上に配置され、プリント配線基板20と電気的に接続される。発光源41は半導体レーザーであり、電子機器1及び接続された外部の電子機器の状態に応じて、直進性を有するレーザー光41aをステータス表示部42に向けて放射する。このとき、ステータス表示部42はレーザー光41aの点灯、点滅及び消灯などのパターンや発光色に基づいて、電子機器1及び接続された外部の電子機器の状態を表示する。
【0020】
ステータス表示部42は、筐体10の開口部に設置される。ステータス表示部42は、レーザー光41aを散乱させ、散乱させたレーザー光41aを筐体10の外部へ透過させる。発光源41のレーザー光41aがステータス表示部42を透過することで、電子機器1の状態が外部へ通知されることになる。
【0021】
図3は、電子機器1が外部の電子機器2に接続される様子を示す図である。電子機器1は、電子機器2の筐体に設けられたスペースに挿入されて接続される。このとき、電子機器1のコネクタ30と、電子機器2のバックプレーン3とが接続される。ステータス表示部42は、電子機器1と電子機器2とが接続された状態において、ユーザが目視できる位置(表面側、前面側)に配置される。言い換えると、電子機器2の筐体内部ではバックプレーン3が後面の内側に配置されており、コネクタ30は電子機器2の内側に配置される。ユーザは、ステータス表示部42の発光状態に基づいて、電子機器1及び電子機器2の状態を認識することができる。尚、電子機器2は、取り外し可能なユニットとして複数の電子機器1を備えていてもよいし、取り外しできないように筐体10、プリント配線基板20と、コネクタ30と、ステータスランプ40とを直接備えていても良い。
【0022】
前述した図1の例では、ステータスランプ140の発光源141とステータス表示部142との間の距離が離れると、ステータス表示部142を透過した発光源141の光が筐体110の外部まで届き難くなることがあった。しかし、本発明の第1の実施の形態による電子機器1は、ステータスランプ40の発光源41とステータス表示部42との距離が開いた場合でも、発光源41がレーザー光41aを放射するため、十分な光を確実にステータス表示部42に到達させることが可能である。その結果、本発明の電子機器1は、プリント配線基板20を小さくすることができ、内部の構成を自由に設計できる効果を奏している。そして同時に、電子機器1はコストを下げる効果も奏している。
【0023】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態による電子機器の説明を行う。図4は、本発明の第2の実施の形態による電子機器1aの構成図である。ここで、第2の実施の形態による電子機器1aは、第1の実施の形態の電子機器1と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0024】
電子機器1aは、筐体10と、プリント配線基板20と、コネクタ30と、ステータスランプ40aと、部品60とを具備する。ステータスランプ40aは、光によって電子機器1及び接続された外部の電子機器の状態を表示する。ステータスランプ40は、発光源41と、ステータス表示部42と、反射部43とを備える。部品60は、発光源41とステータス表示部42との間に配置され、発光源41から放射されたレーザー光41aが真っ直ぐステータス表示部42に到達することを妨げる遮蔽物である。
【0025】
反射部43は、発光源41から放射されたレーザー光41aを受けて、ステータス表示部42に向けて反射させる鏡である。つまり、発光源41がレーザー光41aを放射し、反射部43がレーザー光41aを受けてステータス表示部42に向けて反射させ、ステータス表示部42がレーザー光41aを散乱させて筐体10の外部へ透過させる。これによって、発光源41から放射されたレーザー光41aが部品60を避けて確実にステータス表示部42に到達するようになる。尚、反射部43は、発光源41とステータス表示部42と部品60との位置を考慮して、レーザー光41aがステータス表示部42に到達可能な位置に配置されればよく、電子機器1aの内部側面に限らず、底面や上面に配置されてもよい。また、ステータスランプ40aは、複数の反射部43を備えていてもよい。その場合、ステータスランプ40aは部品60を避けるために、発光源41からのレーザー光41aを複数回反射させながらステータス表示部42へ到達させることができる。
【0026】
本発明の第2の実施の形態による電子機器1aは、発光源41とステータス表示部42との間に遮蔽物となる部品60が存在していたとしても、反射部43が発光源41のレーザー光41aを反射させて確実にステータス表示部42へ到達させることができる効果を奏している。
【0027】
以上、本発明を説明したが、本発明は既述した実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0028】
1、1a 電子機器
2 電子機器
3 バックプレーン
10 筐体
20 プリント配線基板
30 コネクタ
40、40a ステータスランプ
41 発光源
41a レーザー光
42 ステータス表示部
43 反射部
60 部品
100 電子機器
110 筐体
120 プリント配線基板
130 コネクタ
140 ステータスランプ
141 発光源
142 ステータス表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部の基板と、
光によって状態を表示するステータスランプと
を具備し、
前記ステータスランプは、
前記基板上に配置されて、レーザー光を放射する発光源と、
前記筐体に設けられ、前記レーザー光を散乱させて前記筐体の外部へ透過させるステータス表示部と
を備える
電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記ステータスランプは、
前記発光源から放射された前記レーザー光を受けて、前記ステータス表示部に向けて反射させる反射部
を更に備える
電子機器。
【請求項3】
筐体と、前記筐体の内部の基板と、光によって状態を表示するステータスランプとを具備する電子機器のステータスランプ発光方法であって、
前記基板上に配置された前記ステータスランプの発光源が、レーザー光を放射することと、
前記筐体に設けられた前記ステータスランプのステータス表示部が、前記レーザー光を散乱させて前記筐体の外部へ透過させることと
を具備する
ステータスランプ発光方法。
【請求項4】
請求項3に記載のステータスランプ発光方法であって、
前記ステータスランプの反射部が、前記発光源から放射された前記レーザー光を受けて、前記ステータス表示部に向けて反射させること
を更に具備する
ステータスランプ発光方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−150897(P2012−150897A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6689(P2011−6689)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)