説明

電子機器及びノイズ抑制用磁性体の形成方法

【課題】省スペース化、低コスト化を図りつつ、十分なノイズ抑制効果を得ることのできる電子機器、ノイズ抑制用磁性体の形成方法を提供する。
【解決手段】配線4は、半導体素子と半導体素子との電磁干渉において、ノイズ源またはノイズ伝播路となるため、基板上において配線4が延びる方向に関わらず、配線4が延びる方向に対して直交する方向のスリット6で区切られた短冊状の磁性体5、5、…を周期的に形成することで、配線4から放射または伝播されるノイズを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話をはじめとする各種の電子機器、およびそれに用いるノイズ抑制用磁性体の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表される各種電子機器の高機能化、高性能化及び小型化、軽量化、薄型化の急速な進展に伴って、高集積化した半導体素子が、プリント配線板等へ高密度に搭載される傾向がますます強くなっている。このような状況下では、高密度に実装された半導体素子や微細化した配線が近接する。その結果、機器の動作に伴って発生するノイズや電磁干渉による機器の誤動作等、いわゆる電磁波障害が生じることがある。機器の高性能化に伴う信号処理の高速化により、この問題はより顕著となる。
【0003】
そこで、このような電子機器においては、外部あるいは電子機器内部で発生するノイズによる電磁干渉抑制のためのノイズ対策として、例えば、ノイズ発信源又は受信源近傍に、ノイズを吸収して抑制する磁性シートを配置する方法が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、1GHzを超える高周波領域でのノイズ吸収特性の優れた材料として、軟磁性金属粉末を樹脂、ゴム中に分散させた複合軟磁性部材が開示されている。この複合軟磁性部材は、高周波かつ広帯域に対するノイズ吸収特性を有しており、ベース材料中に可撓性のあるゴムを含んでいることから、落下衝撃に対する割れ等の破損にも強い。
【0004】
携帯電話のように小型薄型化および高性能化の進展が著しいものは、機器の高密度化による部品の実装スペースが少なくなる一方である。そこで、特許文献2には、少ない実装スペースにも配置が可能で、薄くても高周波帯域における透磁率に優れた磁性シートとして、複数の軟磁性金属層の間に介在する絶縁層を積層させた積層軟磁性部材が開示されている。
【0005】
特許文献3には、マイクロストリップ線路の直上に、線路幅と同等ないし狭い幅の導電性軟磁性膜を有する電磁雑音抑制体を設ける構成が開示されている。
特許文献4には、伝導ノイズ抑制体を、プリント基板上の配線回路に密着させて設ける構成が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献5には、基材の片面に、シールド層のパターンがストライプ状に設けられた電磁シールド材が開示されている。
特許文献6には、基材上に形成したプライマー層の上に、格子状やストライプ状の電磁遮蔽パターンが導電層により形成された構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−35927号公報
【特許文献2】特開2004−281814号公報
【特許文献3】特開2002−151916号公報
【特許文献4】特開2006−093414号公報
【特許文献5】特開2002−223095号公報
【特許文献6】特開2010−123979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記したような従来の技術においては、以下に示すような問題が存在する。
特許文献1に記載の技術においては、軟磁性金属粉末を樹脂、ゴム中に分散させた複合軟磁性部材により、ノイズ吸収を実現しているが、今後、機器の高性能化、高密度化が進展すると、磁性部材の省スペース化や薄型化が要求され、磁性部材の体積を縮小した場合に、ノイズ吸収効果が低減し、十分なノイズ抑制効果が実現できなくなるという問題がある。
【0009】
特許文献2では、金属層と絶縁層の積層構造であるため、更なる薄膜化に対しては限界がある。また、シート状であるために高密度化した部品の所定の箇所に適正に貼ることが困難になる。さらに、導体層は低電気抵抗のため、渦電流の影響で透磁率が低下する可能性がある。
【0010】
特許文献3、4に記載の技術においては、配線に密着するように導電性軟磁性膜、電動ノイズ抑制体等の磁性体を設けているが、スペース確保、材料コスト等の観点から、その設置面積をなるべく小さくすることが望まれ、改善の余地がある。
【0011】
特許文献5、6に記載の技術は、格子状やストライプ状に磁性材料を設けることで、磁性材料の使用量を抑えつつ、ノイズ抑制効果の確保を狙っているが、いずれも基材がシート状であるため、特許文献2と同様、高密度化した部品の所定の箇所に適正に貼ることが困難であるという問題がある。
また、基板上において配線は様々な方向に延びており(一般には互いに直交する二方向)、磁性材料のパターンと、配線からのノイズ発生状況(方向)とが必ずしもマッチせず、十分なノイズ抑制効果が得られない可能性がある。
【0012】
そこでなされた本発明の目的は、省スペース化、低コスト化を図りつつ、十分なノイズ抑制効果を得ることのできる電子機器、ノイズ抑制用磁性体の形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の電子機器は、基板と、基板上に実装された電子部品と、基板上に沿って設けられ、電子部品に電気的に接続された配線と、配線上に設けられ、当該配線が連続する方向に沿って間隔を隔てて複数配置された磁性体と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明は、基板上に形成された配線が連続する方向に沿って間隔を隔てて複数の磁性体を形成するための複数の凹部を有したモールドに対し、凹部に磁性体材料を封入する工程と、基板とモールドを位置合わせして凹部に封入された磁性体材料を基板上の配線に転写して磁性体を配線上に形成する工程と、モールドから磁性体を離型する工程を含むことを特徴とするノイズ抑制用磁性体の形成方法とすることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子機器によれば、配線上に、配線が連続する方向に沿って間隔を隔てて磁性体を複数配置することによって、配線から放射または伝播されるノイズを有効に抑制することができる。
ここで、磁性体を配線上に配置することで、配線以外の部分に磁性体を設ける必要がなく、磁性体を形成する材料の使用量も少なく、高密度化した電子機器においても適正に磁性体を配することができ、省スペース化、低コスト化を図ることができる。
【0016】
また、磁性体材料を、モールドに形成された凹部に充填し、これを配線上に転写することで、上記したような電子機器を構成することができ、さらに、磁性体を正確かつ確実に配線上に設けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態にかかる電子機器の基板上のレイアウトの一例を示す図である。
【図2】(a)は図1のP部の拡大図、(b)は図1のQ部の拡大図である。
【図3】図2(a)のA−A断面図である。
【図4】磁性体の一例を示す断面図である。
【図5】磁性体を配線上に形成するためのモールドの型枠面を示す図である。
【図6】磁性体を配線上に形成する工程の流れを示す図である。
【図7】磁性体を、配線が連続する方向ごとに分けて形成するためのモールドの型枠面を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係る磁性体の設置構造を示す断面図である。
【図9】第3の実施形態に係る磁性体の設置構造を示す断面図である。
【図10】第4の実施形態に係る磁性体の設置構造を示す断面図である。
【図11】第4の実施形態に係る磁性体を配線上に形成する工程の流れを示す図である。
【図12】第5の実施形態に係る磁性体の設置構造を示す断面図である。
【図13】第5の実施形態に係る磁性体を配線上に形成する工程の流れを示す図である。
【図14】第6の実施形態に係る磁性体の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明による電子機器、ノイズ抑制用磁性体の形成方法を実施するための最良の形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0019】
〔第一の実施形態〕
図1に示すように、基板3上に、電子部品として、例えば半導体素子1、2が実装され、これら半導体素子1、2は、基板3の表面に沿って形成された導電性材料からなる配線4によって電気的に接続されている。
ここで、配線4や基板3の材料は一般的なものでよく、例えば、配線4はCu、基板3の材料は、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板材等を使用することができる。
【0020】
この配線4は、半導体素子1と半導体素子2との電磁干渉において、ノイズ源またはノイズ伝播路となる。そこで、本実施形態では、配線4上に、配線4が延びる方向に沿って、一定間隔を隔てて周期的に複数の磁性体(ノイズ抑制用磁性体)5が設けられている。
図2、図3に示すように、配線4上に沿って複数配列された磁性体5、5、…は、配線4が延びる方向に向かって所定長さのスリット(磁性体非形成部)6によって、互いに区切られている。
【0021】
また、配線4は、基板3上において適宜箇所で曲折して配置されることがある。そのような場合、図2(a)、(b)に示すように、配線4の曲折部の一方の側において第1の方向に延びる部分(例えば図1のQ部)と、曲折部の他方の側において第1の方向とは異なる第2の方向に延びる部分(例えば図1のP部とで、それぞれ、複数の磁性体5が、配線4の延びる方向に沿ってスリット6を挟んで周期的に形成される。つまり、磁性体5は、基板3上における配線4の向き(配線4が延びる方向)が変わっても、常に、配線4が延びる方向にスリット6を挟んで周期的に形成される。
【0022】
磁性体5は、短冊状に形成されており、その幅寸法すなわち配線4が延びる方向に直交する方向への寸法は、配線4の幅寸法に対して、同等以上であることが望ましい。その理由は、なるべく配線4の幅全体を磁性体5でカバーすることで、ノイズ抑制効果を高めるためである。
【0023】
磁性体5において、その長さ寸法すなわち配線4が延びる方向への寸法は、配線4の幅寸法に対し3分の2以下であることが望ましい。この理由は、磁性体5が、配線4から放出されるノイズによって発生する磁界方向に対して、常に平行方向に磁化容易方向となるような形状磁化異方性を持つようにするためである。
【0024】
磁性体5の厚みに関しては、要求されるノイズ抑制効果と許容されるスペースとのバランスが重要であり、これらに応じて適宜設定すれば良い。磁性体5のノイズ抑制効果は、一般的には磁性体5の透磁率と厚さの積で決まるため、磁性体5の薄型化とノイズ抑制効果向上は相反する関係にある。この点を考慮し、さらに、配線4の幅、配線4が延びる方向における磁性体5の長さとの兼ね合いから、実際に形成する磁性体5の厚さの目安は、1μm〜50μmである。
【0025】
なお、図2では、配線4の幅寸法と磁性体5の幅寸法とを同一として図示しているが、磁性体5の幅寸法を配線4の幅寸法より長くしても良い。この場合、配線4の幅からはみ出した磁性体5は、基板3の表面と密着することになる。すると、磁性体5と配線4の密着力が小さい場合に磁性体5の密着強度を高めることができる。
【0026】
配線4が延びる方向において互いに前後する磁性体5、5間に形成されたスリット6は、スリット6の長さ寸法すなわち配線4が延びる方向への寸法が、磁性体5の長さ寸法すなわち配線4が延びる方向への寸法より小さいことが望ましい。その理由は、なるべく配線4上の全体を磁性体5でカバーすることで、ノイズ抑制効果を高めるためである。ただし、前記したスリット6の長さ寸法の範囲内においても、その長さ寸法を変化させることで、互いに前後する磁性体5、5間の静磁気結合と、個々の磁性体5の形状磁気異方性の相互作用を利用し、透磁率と周波数特性を制御することが可能となる。したがって、要求される周波数特性に応じ、スリット6の長さ寸法を調整することが望ましい。
【0027】
図4に示すように、磁性体5は、磁性粒子8、9が、絶縁材料11中に分散した状態で添加されて構成されている。
磁性粒子8、磁性粒子9の材質は、Fe、Co、Niの少なくとも一種、またはこれらの少なくとも一種を含んだ合金を用いることができる。磁性粒子8、磁性粒子9の粒子径は、0.1μm〜10μm程度が好ましい。また、磁性粒子8、磁性粒子9は、粒子径が小さいと凝集しやすく、凝集すると狙った磁性体特性が得られないだけでなく、狙った膜厚や形状で形成できなくなるため注意が必要である。
【0028】
磁性粒子8、磁性粒子9の凝集対策の一例として、磁性粒子8、磁性粒子9表面にシリカのような安定な物質で膜を形成し磁性粒子8、磁性粒子9をシリカカプセル化する方法があげられる。具体的には、磁性粒子8、磁性粒子9存在下でシリカの縮重合反応を行なうことで磁性粒子8、磁性粒子9の表面にシリカを析出させ、シリカ層を形成することで、磁性粒子8、磁性粒子9をシリカカプセル化できる。また、粒子形状は、球状にて図示しているが特に限定されない。
【0029】
磁性粒子8、磁性粒子9の違いは粒子径であり、粒子径にして10倍程度の差をつけている。その理由は、大きい粒子である磁性粒子8の隙間に、小さい粒子である磁性粒子9が密集し、さらに磁性体5の磁化容易方向である長手方向に磁気的につながるように配置させることで、磁性体5の反磁界を低下させて透磁率を上げることにより、ノイズ抑制効果を向上させることができるからである。磁性粒子8、磁性粒子9をこのように配置させるために有効な手段としては、絶縁材料11が未硬化の状態において、硬化までのプロセス中に磁性体5に磁場を印加する方法がある。
【0030】
絶縁材料11の材質は、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等があげられる。
これらの材料は、それぞれ単体で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。この中でも、接着性に優れたエポキシ樹脂をベースとしたものを使用することが望ましい。また、前述のエポキシ樹脂の場合、磁性粒子8、9を混合したエポキシ樹脂を加熱硬化して磁性体5を形成するが、絶縁材料11として光硬化樹脂を用いることも可能であり、この場合は、モールド材を透明にして光を透過させ、磁性体5の絶縁材料部分に照射することで、磁性体5を形成できる。この方法の場合、磁性体5を低温で形成できるため熱膨張に起因する寸法変化を低減でき、寸法安定性に優れた磁性体構造を得られるというメリットがある。
【0031】
磁性粒子8及び磁性粒子9を合わせた磁性粒子の充填量と絶縁材料11の割合については、磁性粒子8、9の割合を可能な限り増やした方がノイズ抑制効果の向上に有利であるが、磁性粒子の割合が増えると、材料の粘度が高くなり、配線上への形成が難しくなる等、製造性との兼ね合いがある。そこで、製造性確保を考慮した磁性粒子8,9の充填割合は、30〜55vol%程度が目安となる。
【0032】
上述したように、基板3上において配線4が延びる方向に関わらず、スリット6で区切られた短冊状の磁性体5、5、…を周期的に形成することで、配線4から放射または伝播されるノイズに対し、配線4が延びる方向に合わせてノイズにより発生する磁界に対し、磁性体5の磁化容易方向が常に平行方向となる。したがって、磁性体5によるノイズ抑制効果を向上させることができる。
【0033】
また、磁性体5は、配線4の幅と同等の範囲に形成されているのみであり、配線4の周囲に磁性体5を設けるためのスペースが不要となる。また、磁性体5を形成する材料の使用量を抑えて低コスト化を図ることができる。
【0034】
さらに、磁性体5を構成する磁性粒子8、9は、粒子径が大きく異なるよう構成されている。これにより、磁性体5内の磁性粒子8を磁化容易方向に配向させるとともに、それぞれの磁性粒子8、9を磁場方向に磁気的に結合させることで、磁性体5の反磁界を低下させて透磁率を上げることができる。従って、磁性体5のノイズ抑制効果をさらに向上させることができる。
【0035】
このようにして、配線4上に磁性体5を設けることによって、電子機器の高速化や高密度実装に対応したノイズ抑制構造の省スペース化と、ノイズ抑制の両立を実現することができる。
【0036】
次に、上記したような磁性体5によるノイズ抑制構造をインプリント工法により製造する方法を示す。
【0037】
まず、図5、図6(a)に示すように、基板3の配線4に対応した凹部13を有するモールド12を作製する。
モールド12の作製方法の一例として、基板3の配線パターンと同じ配置でNi電鋳メッキ法により、マスターとなるモールドを作製(図示せず)し、前記マスターとなるモールドを使用して、反転した形状のモールドを複製して作製したものがモールド12となる。モールド12の材質は、柔軟性と寸法安定性に優れたシリコーン樹脂系のPDMS(ポリジメチルシロキサン)を用いるのが一般的であるが、絶縁材料11に光硬化樹脂を使用する場合は、モールド12が光を透過しやすいように透明度の高いアクリル系の材料に弾性を付与した材料を使用することが望ましい。
【0038】
次に、図6(b)に示すように、凹部13の中に未硬化の磁性体5を封入する。磁性体5は、モールド12上に塗布した未硬化の磁性体5をスキージを用いてスキージングすることにより封入することができる。
さらに配線4が途中で屈曲して配線4が延びる方向が途中で変わる場合は、スキージングの方向及び磁場を付与する方向を、それぞれの部位で配線4が延びる方向に沿うようにすることで、それぞれの方向に効率よく磁性体5を充填することができる。
【0039】
次に、図6(c)に示すように、基板3上の配線4とモールド12を位置合わせして転写し、配線と未硬化の磁性体5を接触させる。
この際、あらかじめ配線4に表面処理を施しておくことで、磁性体5との密着性を向上させることが望ましい。表面処理方法の一例としては、Ar等によるプラズマ処理により、配線4の表面を粗化することで、密着性を向上させることができる。
また、モールド12を転写する際、モールド12の裏面をローラー等で加圧しながら転写しても良い。
【0040】
ここで、配線4の上面と基板3の表面の高さに差があり、段差が生じている場合は、モールド12にて磁性体5を転写する際に、あらかじめ段差に対応した形状をモールド12に形成しておく方法や、転写時のモールド12の変形を利用し、段差形状にモールド12を沿わせる等の方法により、配線4の側面にも磁性体5を形成することで、配線4上の磁性体5と配線幅からはみ出した基板3の表面上の磁性体5を一体化できる。
【0041】
モールド12を転写後、磁性体5を硬化させる。磁性体5の絶縁材料11にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いた場合は、使用した熱硬化樹脂の硬化温度で保持して磁性体5の硬化を行なう。磁性体5の絶縁材料11に光硬化性樹脂を使用した場合は、使用した樹脂材に対応した光照射条件により磁性体5の硬化を行なう。なお、磁性体5を硬化する際、凹部13の幅方向(配線4の幅方向)に磁場をかけながら磁性体5を硬化させることで、磁性体5中の磁性粒子を磁気的に結合させたり、配向させたりすることができ、硬化後の磁性体5のノイズ吸収効果を向上させることができる。
【0042】
図6(d)は、磁性体5を硬化後、磁性体5をモールド12から離型した状態を示している。
以上に示した製造方法により、配線4上に磁性体5を形成することができる。
【0043】
なお、配線4が延びる方向が途中で変わる場合、図7(a)、(b)に示すように、配線4が延びる方向に応じて異なる第一のモールド14および第二のモールド15を分けて用いることもできる。
すなわち、図7(a)に示すように、第一の方向(例えば図7における縦方向)の配線4上に形成する磁性体5を作製するための凹部(第一の凹部)13を有した第一のモールド14と、図7(b)に示すように、第一の方向とは異なる第二の方向(例えば図7における横方向)の配線4上に形成する磁性体5を作製するための凹部(第二の凹部)13を有した第二のモールド15とを準備しておく。
【0044】
そして、第一のモールド14を用い、配線4において第一の方向に延びる領域に磁性体5を転写形成した後、第二のモールド15を用い、配線4において第二の方向に延びる領域に磁性体5を転写形成する。
【0045】
そして、上記の図6(c)で示した磁性体5の硬化工程における磁場印加に関して、第一のモールド14と第二のモールド15とで、それぞれの領域で配線4が延びる方向に直交する方向に磁場印加を行なうことができるため、磁性粒子の配向をより強めることが可能となり、電磁波ノイズ抑制効果の高い磁性粒子配向構造を製造することができる。
【0046】
次に、上記第一の実施形態をベースとした複数の変形例を以下に示す。以下においては、上記第一の実施形態と共通する構成については、同符号を付してその説明を省略する。
〔第二の実施形態〕
図8に示すように、本実施形態では、配線4と磁性体5の間にソルダーレジスト7が介在しており、配線4と磁性体5は、間接的に接続されている。その他については、第一の実施形態で示したのと同様の構成を有している。
【0047】
本実施形態では、配線4と磁性体5とをソルダーレジスト7を介して間接的に接続しているので、上記第一の実施形態で示した効果に加え、以下に示すような効果を奏することができる。
すなわち、配線4をソルダーレジスト7で保護した後に磁性体5を形成することができるため、ソルダーレジスト7形成前の基板製造工程中ではなく、基板製造後に磁性体5を形成することができる。従って、磁性体5の形成前にノイズ源を特定する等の検査工程が容易になり、検査後に確認したノイズ源に効果的に磁性体5を配置し、ノイズを抑制することができる。また、完成した既存の基板に対してもノイズ抑制構造を追加することが可能となるため、本構造の適用範囲を拡大することができる。
【0048】
〔第三の実施形態〕
図9に示すように、本実施形態では、配線4上に形成された磁性体5上にソルダーレジスト7を形成し、磁性体5をソルダーレジスト7で被覆した構造としている。その他については、第一の実施形態で示したものと同様である。
図9では、磁性体5を基板3の表面に形成した例を示しているが、ソルダーレジスト7の代わりに基板3の層間絶縁膜を用いることも可能である。その場合は、前記層間絶縁膜上にさらに配線パターンを形成することができるため、磁性体5を基板3の内層に配置した多層基板を実現することが可能となる。
【0049】
上述したように、配線4上に形成された磁性体5上にソルダーレジスト7を形成し、磁性体5をソルダーレジスト7で被覆することで、第一の実施形態で示した効果に加え、磁性体5と配線4との密着力をソルダーレジスト7で補強することができ、磁性体5の接続信頼性が向上する。また、ソルダーレジスト7の代わりに基板3の層間絶縁膜を用いて、多層基板に対応することで、基板3の内層のノイズ抑制にも対応することが可能となる。
【0050】
〔第四の実施形態〕
図10に示すように、本実施形態では、配線4上に形成された磁性体5の接着に関して、接着層22を介して配線4と磁性体5を接着する構造としている。その他については、第一の実施形態で示したものと同様である。
接着層22の材質については、特に制限は無いが、一例として、配線4と磁性体5との高い接着力が得られるエポキシ系樹脂を使用することができる。
【0051】
上述したように、配線4上に形成された磁性体5の接着に関して、接着層22を介して配線4と磁性体5を接着することで、磁性体5自身の接着強度が弱い場合でも、接着層22の接着力により、配線4と磁性体5を強固に接着できる。これにより、接続信頼性を向上させることができる。さらに磁性体5の材料選定の際、ノイズ抑制に特化することが可能となるため、磁性体のノイズ抑制効果を高めることができる。
【0052】
本実施形態において、磁性体5をインプリント工法により製造する方法を以下に示す。
図11(a)に示すように、モールド12は、配線4上に対応する位置に、磁性体5の形状に合わせた凹部13を形成しておく。
【0053】
次に、図11(b)に示すように、凹部13の中に未硬化の磁性体5を封入する。磁性体5の封入方法は、上記第一の実施形態で示した製造方法と同様である。続いて磁性体5の硬化を進め、磁性体5を固化させる。このとき、磁性体5を硬化する際には、凹部13の幅方向に磁場をかける。このようにして磁性体5中の磁性粒子を磁気的に結合させたり、配向させたりすることで、硬化後の磁性体5のノイズ抑制効果を向上させることができる。
【0054】
次に、図11(c)に示すように、磁性体5の表面に接着層22を塗布する。接着層22の塗布方法は各種あり特に限定はしないが、例をあげると、モールド12の表面全面にスキージングにより接着層22を塗布することで磁性体5の表面にも接着層22を形成することができる。また、磁性体5の表面のみに選択的に接着層22を塗布する場合には、磁性体5の形成パターンに合わせたモールド(図示せず)を作製して、接着層22の樹脂を前記モールドを用いて磁性体5の表面に転写することで、選択的な塗布が可能である。
【0055】
次いで、図11(d)に示すように、基板3上の配線4とモールド12を位置合わせして転写し、配線と未硬化の接着層22を接触させる。この際、あらかじめ配線4に表面処理を施しておくことで、磁性体5との密着性を向上させることが望ましい。表面処理方法の一例としては、Ar等によるプラズマ処理により、配線4の表面を粗化することで、密着性を向上させることができる。また、モールド12を転写する際、モールド12の裏面をローラー等で加圧しながら転写しても良い。モールド12を転写後、接着層22を硬化させる。接着層22にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いた場合は、使用した熱硬化樹脂の硬化温度で保持して接着層22の硬化を行なう。
【0056】
図11(e)は、接着層22を硬化後、磁性体5をモールド12から離型した状態を示している。このようにして、配線4上に磁性体5を形成することができる。前記した方法は、モールド12に磁性体5、接着層22を形成して配線4に転写しているが、接着層22のみを形成するモールド(図示せず)を用いて、最初に接着層22のみを配線4上に形成し、その後、磁性体5を形成してもよい。
【0057】
〔第五の実施形態〕
図12(a)に示すように、本実施形態では、配線4上に、磁性体(ノイズ抑制用磁性体)16、18を複数層に積層して形成した。磁性体16、18自体は、上記第一の実施形態における磁性体5と同様である。
一層目の磁性体16およびスリット(磁性体非形成部)17上に二層目の磁性体18を形成するに際しては、一層目のスリット17をふさぐ様に二層目の磁性体18が積層されている。
その他については、第一の実施形態で示したものと同様である。
【0058】
上述したように、配線4上に、磁性体16を複数層に積層して形成され、さらに一層目のスリット17をふさぐ様に二層目の磁性体18が積層された構造とすることで、一層目のスリット17は、2層目の磁性体18に形状磁気異方性をもたせる効果がある。これにより、二層目の磁性体18についても、配線4を伝播するノイズ電流により発生する磁界に対し、磁性体16の磁化容易方向が常に平行方向になるような周期的な構造とすることができる。したがって、磁性体16の形状磁気異方性によるノイズ抑制効果を保持したまま、磁性体18の積層による磁性体全体の体積向上により、ノイズ抑制効果を高めることができる。また、前記した積層構造の磁性体についても表面を絶縁層で保護したり、磁性体間を接着層で接続する等して、信頼性を向上させることができる。
【0059】
本実施形態において、磁性体5をインプリント工法により製造する方法を以下に示す。
図13(a)に示すように、モールド12には、配線4上に対応する位置に、二層目の磁性体18の形状に合わせた凹部となる凹部13を形成しておく。
【0060】
次に、図13(b)に示すように、凹部13の中に未硬化の二層目の磁性体18を封入する。
【0061】
次に、図13(c)に示すように、基板3上の配線4とモールド12及び一層目の磁性体16間に形成されている一層目のスリット17上に二層目の磁性体18が配置されるように位置合わせして転写し、一層目の磁性体16と未硬化の二層目の磁性体18を接触させる。
【0062】
この際、一層目の磁性体16は、上記第一の実施形態と同様の方法で形成することができる。また、あらかじめ一層目の磁性体16に表面処理を施しておくことで、磁性体18との密着性を向上させることもできる。また、二層目の磁性体18の形状を保持するための施策として、未硬化の状態の二層目の磁性体18の粘度を転写時に流れ出さない程度にあらかじめ調整しておいてもよいし、図13(b)の状態で、転写時の密着性が極端に低下しない程度に二層目の磁性体18の硬化を進めても良い。
また、図13(b)の状態で、二層目の磁性体18を硬化させた後、磁性体転写面に接着層22を形成しても良い。
【0063】
以上示した二層目の磁性体18のいずれの形成方法においても、図13(c)の状態で、二層目の磁性体18または接着層22を硬化することで、二層目の磁性体18を形成する。なお、二層目の磁性体18の硬化を進める際に、磁場中で硬化を進め、一層目の磁性体16と同じ向きに磁性粒子を配向させると、より効果的である。
【0064】
図13(d)に示すように、磁性体18を硬化後、二層目の磁性体18をモールド12から離型する。これにより、図12(a)に示したような構成を実現できる。
【0065】
なお、上記では、磁性体16、18を2層に積層する構成を示したが、これに限るものではなく、3層以上に積層する構成とすることもできる。
図12(b)は、配線4上に、3層の磁性体(ノイズ抑制用磁性体)16、18、20を積層して設ける構成の例である。この図12(b)に示すように、二層目のスリット(磁性体非形成部)19をふさぐ様に3層目の磁性体20が積層されている。
【0066】
〔第六の実施形態〕
図14に示すように、本実施形態では、磁性体5中に添加する磁性粒子10を線状の磁性粒子として、さらに磁性粒子10を磁性体5の長手方向に配向させた構造としている。
その他については、第一の実施形態で示したものと同様である。
【0067】
磁性粒子10の寸法に関しては、線の直径が0.1〜0.2μm、長さは10μm〜50μm程度のものを用いることができる。
【0068】
線状の磁性粒子10の製造方法としては、モールド(鋳型)を用いた電析法、無電解メッキ法等があげられる。材質は、第一の実施形態で示した磁性粒子8、9の材質同様、Fe、Co、Niの少なくとも一種、またはこれらの少なくとも一種を含んだ合金を用いることができる。また、磁性体5中の磁性粒子10の充填割合は、第一の実施形態と同様に30〜55vol%程度が目安となる。
【0069】
また、磁性粒子10の長さは、磁性体5の長さ寸法すなわち配線4が延びる方向への寸法の2倍以上であることが望ましい。その理由は、磁性体5を形成する過程で、モールド12の凹部13に未硬化の磁性体5を封入した際に、磁性粒子10の長さと、磁性体5の幅寸法すなわち配線4が延びる方向に直交する方向への寸法との関係から、必然的に、磁性粒子10は、磁性体5の幅方向(配線4が延びる方向に概ね直交する方向)に配向して形成されるためである。尚、本発明において磁性粒子10の配向方向が配線の延びる方向に直交するとは、ちょうど90°の角度をなす場合だけに限定されるものではなく、90°から若干増減した場合も含む意味である。
【0070】
ここで、このような磁性粒子10を用いる場合、上記第一の実施形態と同様の方法で磁性体5を形成することができる。このとき、モールド12の凹部13に未硬化の磁性体5を封入する際に、磁性粒子10の向きが磁性体5の幅方向の向きと揃わない磁性粒子10は、モールド12の凹部13に封入されないため、磁性粒子10の充填量が不足する可能性がある。そこで、未硬化の磁性体5をモールド12の凹部13に封入する前に、磁性体5に磁場を印加して磁性粒子10を配向させることで、磁性粒子10の充填量を確保することができる。また、他の方法として、未硬化の磁性体5をモールド12の凹部13に封入する際に、未硬化の磁性体5をスキージングすることで封入できるが、スキージング回数を一度ではなく複数回実施することで、モールド12の凹部13に磁性粒子10を堆積させていき、充填量を増やすことができる。
この際に、スキージングする前に未硬化の磁性体5に磁場を付与して、磁性粒子10を凹部13の長手方向の向きに配向させてからスキージングする、あるいは繰り返しスキージングすることで、凹部13に対する磁性粒子10の充填量を増やすことができる。
【0071】
以上のように、線状の磁性粒子10を使用する場合は、磁性粒子10に寸法的な制約を設けることにより、特別な工程を付与することなく磁性粒子10を配向させることが可能となる。そして、第一の実施形態と同様に絶縁材料11が未硬化の状態において、硬化までのプロセス中に磁性体5に磁場を印加することで、磁性粒子10の配向をより強めることができる。
【0072】
上述したように、磁性体5中に添加する磁性粒子10を線状とし、さらに磁性粒子10を磁性体5の長手方向に配向させたことで、第一の実施形態で示した効果に加え、磁性体5内の磁性粒子10を磁化容易方向に容易に配向させることができる。また、磁性粒子10の形状要因により、磁性体5内の磁化容易方向の反磁界が低減して透磁率が向上する。以上により、磁性体5のノイズ抑制効果を向上させることができる。
【0073】
〔さらに他の実施形態〕
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、基板3上における電子部品の配置、設置数や、配線4のレイアウト等は、図示したものは一例に過ぎず、適宜他の構成とすることができるのは言うまでもない。
また、本発明は、携帯電話に限らず、種々の電子機器に適用できる。
この他にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1、2 半導体素子(電子部品)
3 基板
4 配線
5、16、18、20 磁性体(ノイズ抑制用磁性体)
6、17、19 スリット(磁性体非形成部)
7 ソルダーレジスト
8、9、10 磁性粒子(粒子)
11 絶縁材料
12 モールド
13 凹部
14 第一のモールド
15 第二のモールド
22 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に実装された電子部品と、
前記基板上に沿って設けられ、前記電子部品に電気的に接続された配線と、
前記配線上に設けられ、当該配線が延びる方向に沿って間隔を隔てて複数配置された磁性体と、を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記磁性体は、前記配線より幅広に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記磁性体と、前記配線が延びる方向において互いに前後する他の前記磁性体との間に、磁性体非形成部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記配線上に、前記磁性体が複数層に積層して設けられ、下層の前記磁性体上に積層される上層の前記磁性体は、前記配線が延びる方向において互いに前後する下層の前記磁性体どうしの間に位置する前記磁性体非形成部をふさぐように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記磁性体が、前記配線上に接着層を介して設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記磁性体は、その長さ寸法よりも幅寸法が大きい短冊状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
短冊状の前記磁性体の長さ寸法は、前記配線の幅寸法の3分の2以下であることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
短冊状の前記磁性体の長さ寸法は、前記磁性体非形成部の長さ寸法以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記磁性体に添加された磁性粒子は、粒子径が互いに異なる複数種の粒子で構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記磁性体に添加された磁性粒子は、線状であり、前記配線が延びる方向に直交する方向に配向されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
線状の前記磁性粒子の長さは、前記磁性体の長さの2倍以上であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項12】
基板上の配線が延びる方向に沿って間隔を隔てて複数の磁性体を形成するための複数の凹部を有したモールドに対し、前記凹部に磁性体を封入する工程と、
前記基板と前記モールドを位置合わせして前記凹部に封入された前記磁性体を前記基板上の前記配線に転写して前記磁性体を前記配線上に形成する工程と、
前記モールドから前記磁性体を離型する工程を含むことを特徴とするノイズ抑制用磁性体の形成方法。
【請求項13】
前記凹部に封入された前記磁性体は、前記配線に転写した後に硬化させることを特徴とする請求項12に記載のノイズ抑制用磁性体の形成方法。
【請求項14】
前記凹部に封入された前記磁性体は、当該凹部内で硬化を進め、
前記磁性体の表面に接着層を形成した後、前記凹部に封入された前記磁性体を前記基板上の前記配線に転写し、前記接着層を硬化させることを特徴とする請求項12に記載のノイズ抑制用磁性体の形成方法。
【請求項15】
前記モールドの前記凹部に前記磁性体を封入する際に複数回スキージングすることを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載のノイズ抑制用磁性体の形成方法。
【請求項16】
前記モールドの前記凹部に磁性体を封入した後、前記凹部に封入した前記磁性体に対して磁場を印加する工程をさらに備えることを特徴とする請求項12から15のいずれか一項に記載のノイズ抑制用磁性体の形成方法。
【請求項17】
前記モールドは、前記基板上の前記配線が第一の方向に連続する領域において前記磁性体を形成するための第1の凹部を有した第1のモールドと、前記基板上の前記配線が前記第一の方向とは異なる第二の方向に連続する領域において前記磁性体を形成するための第2の凹部を有した第2のモールドと、を有し、
前記基板と前記第1のモールドを位置合わせして前記第1の凹部に封入された前記磁性体を前記基板上の前記配線に転写し、前記磁性体を固化させる工程と、
前記基板と前記第2のモールドを位置合わせして前記第2の凹部に封入された前記磁性体を前記基板上の前記配線に転写し、前記磁性体を固化させる工程と、を備えることを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載のノイズ抑制用磁性体の形成方法。
【請求項18】
前記第1のモールドの前記第1の凹部に封入した前記磁性体に対して、前記第一の方向に直交する方向の磁場を印加する工程と、
前記第2のモールドの前記第2の凹部に封入した前記磁性体に対して、前記第二の方向に直交する方向の磁場を印加する工程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のノイズ抑制用磁性体の形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−30596(P2013−30596A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165230(P2011−165230)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、「高速・高品質な無線通信実現のためのICチップレベルの低ノイズ化技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】