説明

電子機器及びプログラム

【課題】 見やすく、面白味があることからユーザに注目させやすく、警報内容を容易かつ瞬時・直感的にユーザに認識させること
【解決手段】 自車の位置を検出する位置検出手段で検出された現在位置情報と、データベースに格納された目標物の位置情報とに基づき、自車の周囲に存在する目標物を抽出した場合、仮想のカメラを上空に設置し、視点を斜め下方に向けた状態で映した態様で自車位置を示す立体形状で形成される自車オブジェクトGobと、目標物を示す警報対象オブジェクトKobの双方が表示部内に入るように当該仮想のカメラを動かしながら描画する。そして、警報対象オブジェクトKobは、その目標物の種類に対応した実際の形状を模した形状とすることで、直感的に理解できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の現在位置に基づいて周囲の目標物を検出したり、所望の電波を受信することで目標物の存在を検出したりする目標物検出装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両速度測定装置から送出されるマイクロ波を検知して報知する目標物検出装置が知られている。また、車両の速度を計測する装置としては、上記のマイクロ波を用いたものにかぎられず、例えば、道路下に埋め込み設置した2つのループコイルにて道路上を走行する車両を検出し、その2つのループコイルから出力される検出信号の時間差に基づいて車両計測するものもある。係るタイプの車両速度測定装置は、マイクロ波が出力されないため上記のマイクロ波検知を利用した目標物検出装置では検出できない。そこで、車両速度測定装置等の検出対象となる目標物の位置情報を記憶保持しておき、GPSにより検出した自車の現在位置と目標物の位置とが所定の関係になった場合に警報を発するようにした目標物検出装置がある(例えば、特許文献1等)。
【0003】
上記の特許文献1等の目標物検出装置の場合、例えば、検出対象物と車両の現在位置が設定された距離(例えば、1kmや500m等)に至った際に、「500m先、○○です。」(○○は、目標物を特定する情報(ループコイル等)等の音声による警報を出力したり、ディスプレイ上に係る情報をテキストで出力表示したりする。
これらの目標物検出装置は、例えば車両速度測定装置への接近をドライバーに知らせることで、ドライバーが知らず知らずのうちに速度を出しすぎてしまうのを予防することに貢献している。特に、車両速度測定装置は、一般的に速度を超過しやすい場所等に設置されていることが多いため、危険性のある場所で、ドライバーに対して速度超過への注意を喚起することができる。このように、この種の目標物検出装置は、安全運転に寄与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3070388号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の警報の契機となる位置関係は、通常、1つの目標物に対して複数(例えば、1km,500m,直前,……)設定されている。従って、車両が走行している車線の前方に目標物が存在している場合、車両が進む(目標物に近づく)につれて、複数回警報が発せられることになり、運転者は目標物である車両速度測定装置に近づいている(前方に目標物がある)ことを容易に理解することができる。
【0006】
ところで、自車の周囲に複数の目標物が存在することが多々ある。係る場合、警報の契機となる位置関係に合致する目標物が検出されると、その目標物についての警報を発することになる。従って、ある目標物に近づいている場合において、当該目標物以外の目標物に基づく警報が発せられることがある。例えば高速道路などにおいては、複数の目標物A,Bが同一走行路線上に適宜の間隔を置いて配置されることがある。便宜上、目標物Aと目標物Bの間隔が800m離れているとし、警報は車両と目標物の距離が1km,500m,直前の位置関係にあるときに発せられるものとする。すると、まず、目標物Aに基づいて2回(1kmと500m)警報が発せられた後、目標物Bに基づいて1kmの警報が発せられ、その後に目標物Aに基づく直前を知らせる警報が発せられることになる。従って、運転者は、目標物A,Bのどちらに基づく警報かがわからないので、1kmというように比較的離れた位置に目標物が存在していると認識した直後に急に直前に目標物があること認識することになり、好ましくない。
【0007】
また、走行中の道路の前方に設置された目標物Cと、走行中の道路以外の道路に設置された目標物Dが存在し、車両と目標物Dとの距離の方が近い場合にも、有効な警報報知をすることができない(運転者は、どの目標物について報知されているかがわからない)。
【0008】
さらに、車両が走行する道路は直線に限られず、適宜曲がっている場合もある。そうすると、車両の存在位置によっては、実質的な道のりが長い目標物Dとの距離の方が短くなり、報知された自車との距離の遠近と実際の出現順番が異なり、運転者は、どの目標物について報知されているかがわからないと言う問題もある。
【0009】
このような問題を解決するため、自車を示すマークと、目標物を示すマークとを、ディスプレイ上に表示する報知態様を採るようにした目標物検出装置がある。このとき、それぞれの位置に合わせて、各マークを2次平面上に配置するとともに、自車の周囲に複数の目標物が存在する場合には、その目標物に対応する位置にそれぞれマークを表示するようにする。これにより、自車の周囲に存在する目標物の位置(方向並びに距離)が一目でわかり、目標物の種類に応じてマークを変えることで、どのような目標物があるかを認識することもできる。さらに、車両と目標物の距離が設定された条件になり、音声等でその条件にある目標物の警報をするような場合には、係る条件に合致する目標物についてのマークを強調して描画することで、どの目標物について着目して警報がされているかが容易に認識できるので、上述したどの目標物についての警報かがわからないという問題が解消される。なお、マークは、円形などの単純に2次平面のものをもちい、強調して描画する態様としては、寸法形状を大きくしたり、点滅させたりすることが行われている。
【0010】
しかし、上記の2次平面上の自車位置と目標物の位置にそれぞれ対応するマークを描画する態様では、以下に示す課題があった。すなわち、通常自車位置は、表示画面の下方中央位置で固定し、その真上から見た状態での各位置を描画していた。よって、視点が固定されており、見づらく、面白味に欠けるという課題がある。
【0011】
また、目標物に近づくにつれて、段階的に表示をする尺度(スケール)を拡大する処理は行うものの、段階的であることと上記の自車位置を固定した状態であることが相まって、やはり、見づらく面白味に欠けるという課題が残る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、(1)自車の位置を検出する位置検出手段と、検出対象の目標物の位置情報とその目標物の種類とを関連づけて記憶するデータベースと、前記位置検出手段で検出された現在位置情報と、前記データベースに格納された目標物の位置情報とに基づき、自車の周囲に存在する目標物を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された目標物についての警報情報を、出力手段が出力する制御を行う警報制御手段と、を備え、前記警報制御手段は、仮想のカメラを上空に設置し、視点を斜め下方に向けた状態で映した態様で自車位置を示す立体形状で形成される自車オブジェクトと、目標物をその目標物の種類に対応した立体形状で示す目標物オブジェクトの双方が前記出力手段を構成する表示部内に入るように当該仮想のカメラを動かしながら描画するものとした。
【0013】
このようにすると、自車並びに目標物をそれぞれが、表示部上で、立体形状からなるオブジェクトで表現されるため、ユーザは見やすく、認識しやすくなる。しかも、それら双方のオブジェクトが、上方空間に位置された仮想のカメラが斜め下方を向いた状態で撮像した態様で各オブジェクトを描画するようにしたので、各オブジェクトは俯瞰的に表示されると共に、個々のオブジェクトに着目しても従来の平面で表記されたマークに比べて趣があると共に目立つので、ユーザ(ドライバー)は、目標物オブジェクトの存在並びにその自車位置との位置関係を容易に認識することができる。また、各オブジェクトは、カメラを動かしながら、各時々で得られた状態を描画することで、そのカメラの動き(カメラワーク)を連続的に行えば、描画される内容もなめらかに変化するので、ユーザは違和感なく見ていることができる。なお、目標物の種類に対応した立体形状で示す目標物オブジェクトは、形状自体を目標物の種類によって変えたり、寸法を変えたり、色を変えたり、表面に記載する文字等を変えたりするなど、各種の態様をとれる。これらの各オブジェクトの描画は、3次元(3D)空間上に配置した、3Dオブジェクトの存在する空間を、仮想のカメラで2次元映像として撮影し、その撮影した2D映像を表示部に表示させるといった公知の技術により実現することができる。
【0014】
(2)前記仮想のカメラを動かす処理は、カメラの視点の方向(方位角・俯角)の変更・倍率の変更・そのカメラの位置の変更の少なくとも1つ(1または複数)を行うものとすることができる。このようなカメラワークを採ることで、自車オブジェクトや目標物オブジェクトの描画される内容が、変化に富み、おもむきがあると共に、注目を得やすく内容が理解しやすくなる。すなわち、たとえば、倍率を上げると描画されるオブジェクトが拡大される。よって、自車が目標物に近づくにつれて、倍率を上げることで、自車オブジェクトと目標物オブジェクトとは、両者の距離が遠方位置から徐々に接近する位置に至るまで、画面いっぱいに描画するような制御を行うことができ、このとき、両オブジェクトが徐々に拡大されていくので、仮に画面上での両者の距離に変化が無くても近づいていっていることは容易に理解できる。つまり、従前の平面形状のマークを用いた表示態様では、目標物と自車位置との距離に合わせてそれぞれのマークを移動させることはあるが、その寸法は変化が無く、両マークの画面上の距離からどれくらい接近しているかを認識しなければならず、比較的離れた位置から通過するまでの表示部状の尺度を同一とすると、接近してきた場合にその後の変化がわかりにくい。一方、係る問題を解消するため、従来のこの種の装置では、たとえば、自車が目標物にある程度近づいた場合に尺度を大きくすることで、自車を示すマークと目標物を示すマークの距離の変化(接近していくこと)を理解しやすくするようにしているが、この尺度の切り替えの際に、目標物のマークが一旦自車を示すマークから大きく離れるため、違和感が生じると共に、尺度の切り替え前後でも表示されるマークの大きさに変化があるわけでなく、現在の尺度を認識していないと目標物までの距離を理解しにくいという問題がある。これに対し、本発明では、上記の通りであり、係る従来で示した問題は生じない。さらに、カメラを固定にする(動かさない)と、目標物に近づくにつれて目標物オブジェクトと自車オブジェクトが徐々に接近していくようになり、仮に、従来のように一気に(段階的に)に表示する尺度(カメラの倍率)を大きなものに切り替えた場合、その切り替え時には、従来と同様に、表示部に表示される目標物オブジェクトは自車オブジェクトから一気に離反することになるが、このとき、同時に描画される寸法形状も拡大されるので、近くなって尺度を変えたことにより表示部状での距離が離れただけで、実際の距離は接近していることを容易に理解できる。
【0015】
また、カメラの視点の方向を変えたり、カメラの位置自体を移動させたりすることで、表示部に描画される各オブジェクトが移動する。そして、オブジェクトが立体形状からなり、仮想のカメラで撮像した態様で描画するので、表示部には、3D空間で各オブジェクトが描画されることになり、実空間上に存在する実際の目標物に対するイメージと近く、ユーザも目標物オブジェクトから実際の状況を想像・認識しやすい。
【0016】
(3)存在位置を特定することができない目標物を検出する検出手段を備え、警報制御手段は、前記位置情報を記憶している目標物については、当該目標物の位置情報と前記現在位置情報とに基づき双方の位置関係に対応する箇所に前記自車オブジェクトと当該目標物オブジェクトの描画を行い、前記検出手段により存在位置を特定することができない目標物を検出した際には、前記自車オブジェクトとともに当該存在位置を特定することができない目標物についての目標物オブジェクトを前記表示部内に描画する機能を備えると良い。存在位置を特定することができない目標物は、ピンポイントでの位置情報がないなど具体的な位置を特定できない目標物である。検出手段は、実施形態では、マイクロ波受信機2や無線受信機3に対応する。このように電波を検出するものが、簡易な構成として実現できるが、電波以外でももちろん良い。そして、存在位置を特定することができない目標物についての目標物オブジェクトは、自車オブジェクトの前方位置や周囲に描画するとよい。また、位置情報を持つ目標物については、表示部上のそれぞれの対応位置に描画することで目標物の位置と現在位置との関係が分かりやすくなる。
【0017】
(4)電波を受信する受信機と、その受信機で受信した電波に基づいて目標物の有無を判断する判断手段と、を備え、前記目標物オブジェクトは、前記判断手段で検出された目標物に対応するものを含むものとするとよい。すなわち、目標物の中には、位置情報が不明・不定なものがある。そのような目標物が電波を出射するものの場合、その電波を受信できる受信機を設け、当該電波を受信した場合に、対応する目標物オブジェクトを描画することで、ユーザに対して多岐にわたる情報提供をすることができる。受信機は、実施形態では、マイクロ波受信機2や無線受信機3に対応する。
【0018】
(5)前記目標物オブジェクトは、単純な形状(球形・立方体・三角錐等)からなる簡略オブジェクトの表示態様と、実際の目標物を模した3次元形状からなる実物オブジェクトの表示態様があり、前記警報制御手段は、前記表示部の表示エリア内に存在する目標物の目標物オブジェクトは、簡略オブジェクトの表示態様で描画すると共に、警報条件に合致する目標物についての目標物オブジェクトを前記簡略オブジェクトから前記実物オブジェクトへ変更するようにするとよい。警報条件は、たとえば、目標物までの距離が設定された距離あるいはそれ以下になることなどがある。このようにすると、同一の表示画面において目標物オブジェクトの表示態様の切り替え(簡略オブジェクト→実物オブジェクト)を行うとともに、一連のつながった処理で実現が可能であるので切り替え前後でのオブジェクトの表示位置も同じとなるので、ユーザは、その変化・切り替えをスムーズに受け止めることができる。
【0019】
(6)設定されたイベントの発生時(無線受信・RD受信時)には、当該イベントを示す目標物オブジェクトを実物オブジェクトの表示態様で描画するようにするとよい。この場合、簡略オブジェクトの表示を省略しても良いし、上記の(4)の発明と同様に一旦簡略オブジェクトを描画後に、所定のタイミング(受信レベルが基準値以上等)で実物オブジェクトの表示態様での描画を行うようにしても良い。
【0020】
(7)前記警報制御手段は、前記自車オブジェクトと、前記実物オブジェクトの双方を前記表示部に表示中に、前記カメラを動かして前記自車オブジェクトを前記表示部の表示領域外に位置させると共にズームアップして前記実物オブジェクトを拡大するように描画する制御を行うようにしてもよい。このようにすると、警報対象となっている目標物の実物オブジェクトが拡大表示されるので、目標物の種類を容易かつ瞬時に認識することができると共に、全体(自車オブジェクトと目標物オブジェクトの双方)が表示されていることから目標物オブジェクトにズームがかかるので、その表示内容の変化から、ユーザは、当該変化があったことを認識して表示部を確認する契機を与えることができるので好ましい。なお、ズームアップは、例えば、カメラの画角を変更して行うようにしてもよいが、カメラを実物オブジェクトに近づけるように移動させて行なうと処理負荷が軽いのでよい。
【0021】
(8)上記の(7)の発明を前提とし、前記ズームアップして前記実物オブジェクトを拡大するように描画した後、設定されたタイミングで、前記自車オブジェクトと前記実物オブジェクトとが前記表示部内に入るようにズームダウンするように描画する制御を行うようにするとよい。
【0022】
従来は切り替え表示等によって警報を行っていたため、警報中は、自車と目標物との位置関係が把握できなくなることがあったが、本発明によれば、ズームアップ→ズームダウンという連続性を保って表示を行うので、特に位置情報を有する目標物について、当該目標物の位置情報と前記現在位置情報とに基づき双方の位置関係に対応する箇所に自車オブジェクトと当該目標物オブジェクトの描画を行っている場合、自車位置と目標物の位置との関係を把握したまま、目標物の種類を確認することができる。
【0023】
(9)前記実物オブジェクトの表示態様による表示の際には、アニメーション表示(3D空間上で所定パターンで動かすことなど)をするようにするとよい。アニメーション表示により動きに変化があるので、より注目を得ることができるとともに、ユーザは、一目で目標物の種類やその状態を認識し、ユーザの記憶に残りやすいのでよい。
【0024】
アニメーション表示は、例えばオブジェクトを移動させることで行うとよく、移動させるオブジェクトは、目標物オブジェクトとしたり、目標物オブジェクト以外のオブジェクトとしたりするとよい。特に、位置情報を持たない目標物オブジェクトは、目標物オブジェクト自体を移動させるとよい。また位置情報を持つオブジェクトは、目標物オブジェクト以外のオブジェクトを移動させるとよい。
【0025】
アニメーション表示の具体例としては、(10)前記アニメーション表示は、前記実物オブジェクトの表示態様の目標物オブジェクトが、前記自車オブジェクト周辺を通るパターンで行うようにしたり、(11)前記アニメーション表示は、前記実物オブジェクトの表示態様の目標物オブジェクトから自車オブジェクトへ向けてアニメーションオブジェクトを描画することで行うようにしたりできる。
【0026】
(12)前記データベースに格納する前記目標物の情報として、その目標物に付帯する設備についての詳細情報(例えばサービスエリアのガソリンスタンドなど)を付加し、実物オブジェクト内に前記設備を示すオブジェクトも描画するようにするとよい。このようにすると、ユーザは、目標物にどのような設備が付帯しているかが容易に認識でき、自己にとって必要な物かあるか否かを認識できるので好ましい。特に、前記設備を示すオブジェクトをアニメーション表示させるとよい。このようにすれば、目標物に付帯する設備を容易に認識することができる。
【0027】
(13)前記カメラの視点を、前記実物オブジェクトの表示態様の目標物オブジェクトと、前記自車オブジェクトとの中間に設定し、それら双方のオブジェクトが、前記表示部に設定された表示領域いっぱいに表示されるようにするとよい。このようにすると、違和感なく双方のオブジェクトを大きく表示することができるので、目標物の種類を認識しやすくなる。また、両者の距離は、ズームアップされることから各オブジェクトが拡大されるので、そのオブジェクトの大きさから認識できる。
【0028】
(14)自車の加速度を検出する加速度検出手段を備え、前記警報制御手段は、前記加速度検出手段で検出された自車の加速度にあわせて、前記自車オブジェクトを傾けて描画するとよい。このようにすると、自車オブジェクトを見ることで、その状況がわかると共に、表示部に表示される自車オブジェクトの状態が実際のものと同期がとれることから、より現実味がわき、ユーザは、表示内容についてより素直に取り込むことができる。
【0029】
(15)前記目標物に関連づけられた目標物の種類を示すメッセージを、前記表示部に表示するとよい。実施形態は、メッセージエリアMEにより実現される。目標物オブジェクトの表示内容に加え、メッセージ出力することで、ユーザは、目標物の種類をより確実に認識することができる。
【0030】
(16)前記目標物の種類にあわせて、緊急度を示す複数の警報レベルに分け、前記メッセージは、その警報レベルに合わせて色分けするとよい。このようにすると、メッセージの色から、速度測定装置等の緊急性があり、安全運転をするのに重要な情報であるかなどを理解できるので、好ましい。この場合に、たとえば、目標物オブジェクトの表示色も警報レベルによって色分けする場合には、同じ色を割り振ることで、色と警報レベルの対応を覚えやすいと共に、複数の目標物オブジェクトが描画されている場合には、メッセージと同じ色の目標物オブジェクトを探せばよいので、メッセージとして出力されている物に対応する目標物オブジェクトが探しやすくなる。
【0031】
(17)前記メッセージは、そのメッセージを表示するエリア内でスクロールあるいは切り替え方式で出力するとよい。このように動きがあると、注目させることができるとともに、スクロールや切り替えにより別の情報を出力することも可能となり、情報提供する内容を増やすことができる。
【0032】
(18)前記警報制御手段は、警報のレベルに応じて前記表示部の背景の色を変えるようにするとよい。たとえば、警報のレベルが高くなるにつれて、青→黄色→赤色のように目立つ色に変えたり、同一系統の色であっても、明るくしていったりすることができる。警報のレベルは、単純に、1つの条件(目標物の距離のみ,信号の受信レベルのみ,目標物の種類のみ等)によって行っても良いし、複数の条件を総合的に判断して決定しても良い。
【0033】
(19)前記表示部には、前記自車オブジェクトの位置を中心とした円弧からなるスケールを描画すると共にそのスケールに自車からの距離を示す目盛を配置するとよい。このようにすると、目標物との距離を容易に認識できる。なお、このスケールは、カメラの動きに合わせてオブジェクトの描画の変更と同期をとって変更することになる。
【0034】
(20)前記警報制御手段は、前記自車オブジェクトの位置を回転中心とし、前記スケールに沿って前記目盛を回転移動させるように描画するとよい。このように、目盛が回転することで、スケールの距離をユーザが認識しやすくなると共に、目盛が目標物オブジェクトのそばを通過することで、その目標物オブジェクトまでの距離をユーザが認識しやすくなる。
【0035】
(21)道路地図情報を記憶する地図データベースを備え、前記位置検出手段で検出された自車の位置の周辺の地図データを前記地図データベースから読み出して生成される地図画面を前記表示部に表示すると共に、その地図画面上の前記目標物並びに前記自車の存在位置に前記目標物オブジェクト並びに前記自車オブジェクトが表示するようにするとよい。このようにすると、目標物が、自己が走行している道路の先、あるいは、走行しようとしている道路の先にあるか否かが一目でわかるので好ましい。
【0036】
(22)本発明のプログラムは、(1)〜(21)のいずれかに記載の目標物検出装置としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、自車及び目標物を示すオブジェクトが立体形状で描画され、それらが3D空間上に描画されることから、それらの位置関係が認識しやすくなり、しかも、カメラで撮像した態様で描画するので、たとえば、両者が接近した場合には、ズームダウンされて比較的小さい寸法形状で描画されたオブジェクトの状態から連続的にズームアップすることで表示部に表示される双方のオブジェクトを離し、接近の状態を認識しやすくすると共に、そのように離したとしても各オブジェクトは拡大されて大きく描画されることから接近していることを容易に認識できるなど、見やすく、面白味があることからさらにユーザに注目させやすくなり、警報内容を容易かつ瞬時・直感的にユーザに認識させることができる。しかも、係るズームアップをズームダウンの状態から連続して行うことで、双方のオブジェクトの距離は徐々に離れながら個々のオブジェクトの寸法形状は徐々に拡大していくことから、その変化を違和感なく認識するとともに、目標物までの距離の変化を直感的に理解できる。さらに、目標物の実際の形状を模した立体形状からなる実物オブジェクトを用いるようにした場合には、より容易に目標物の種類を通知することができるので、安全運転のために有益な情報提供を確実に、理解しやすい態様で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す図である。
【図2】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図3】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図4】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図5】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図6】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図7】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図8】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図9】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図10】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図11】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図12】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図13】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図14】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図15】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図16】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図17】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図18】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図19】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図20】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図21】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【図22】表示部の表示態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を用いて本発明の好適な実施形態を説明する。図1は、本発明の好適な一実施の形態を示している。図1に示すように、各種の電波等を受信する受信機として、位置検出手段たるGPS受信機1と、マイクロ波受信機2と、無線受信機3と、を備えている。GPS受信機1は、GPS信号を受信し、その受信したGPS信号から現在位置を求め、その求めた現在位置の位置情報(経度,緯度)を制御部4に送る。
【0040】
マイクロ波受信機2は、所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので、その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。無線受信機3は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。
【0041】
制御部4は、上記の各種の受信機から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部6,警報ランプ7,スピーカ8等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。この受信機から入力される情報に基づく警報内容を決定する所定の処理は、基本的従来と同様のものを利用することができる。つまり、一定の条件を具備する信号を受信・取得した場合には、対応する警報を出力する。なお、スピーカ8を用いた警報は、ブザーや音声等がある。
【0042】
本発明と関係する、GPS受信機1により検出した位置情報(自車両の現在位置情報)に基づく警報について、さらに説明する。データベース5には、検出対象の目標物(交通監視装置等の交通監視ポイント)について、その監視の種類と位置情報(経度:緯度)と頻度等の情報が関連づけられたテーブル構造として格納される。さらに、その交通監視ポイント固有の警報表示情報が存在する場合には、当該警報表示情報を直接あるいはその情報を特定するための情報(ファイル名等)も併せて格納される。これらの目標物に関する情報は、出荷時に一定の目標物について登録されている。このデータは、公知の各種の手法により、更新可能となる。データベース5は、制御部4のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。さらに、データベース5には、道路地図データも格納されている。
【0043】
図2は、表示部6に表示される表示態様の一例を示している。本実施形態では、表示部6は、たとえば、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイを用いて実現される。この表示部6の表示画面は、たとえば2.4インチとし、一般のナビゲーション装置における表示画面に比べると小さいので、ナビゲーション装置と同じように各目標値についての情報を表示画面に描画してしまうと情報過多になり見にくくなってしまう。そこで本実施形態では、表示画面を以下に示す領域のレイアウトを採ると共に、各領域に描画する態様を適宜設定した。
【0044】
まず、画面領域のレイアウトは、その大部分を占める矩形状のメイン表示領域R1の下側に帯状のアイコン表示領域R2を配置した構成を採る。アイコン表示領域R2は、GPSの受信中を示すアイコンI1のように装置の動作状態を示すアイコンや、マイクロ波の受信感度を示すアイコンI2のように装置の設定・モード等を示すアイコンなどがある。また、検出対象物となる目標物の種類を報知するためのアイコンなどがある。係る表示は、制御部4からの制御命令により出力される。さらにアイコン表示領域R2には、その右端に現在時刻が描画されている。時刻に変えて、日付その他の情報を描画するようにしても良い。
【0045】
メイン表示領域R1は、主として目標物と自車との位置関係を示すもので、それぞれ所定の形状からなるオブジェクトをそれぞれの位置に表示するための領域である。表示された空間内に複数の目標物が存在する場合には、その複数の目標物のオブジェクトをそれぞれ描画する。図では、目標物が存在していないので、自車位置を示すオブジェクト(以下、「自車オブジェクト」と称する)のみが描画されている。また、報知対象である目標物(POI:“Point Of Interest”)のオブジェクトは、POIオブジェクトと称する。各オブジェクトは、いずれも3次元(立体)で表すようにしている。
【0046】
本実施形態の自車オブジェクトGobは、三角錐あるいは四角錐のポリゴンから構成される。制御部4が、その自車オブジェクトGobを描画する場合、その三角錐あるいは四角錐の頂点が車両の進行方向前方を向くようにする。また、本実施形態では、その自車オブジェクトGobのポリゴンの表面を、2色(たとえば赤色と白色)のツートンカラーのストライプ(進行方向と平行)で模様を付すようにした。これにより、進行方向が形状と模様の相乗効果により、一目でわかる。なお、以下の説明において、特に断り書きがない場合においても、表示部6の表示画面に各オブジェクトその他の画像を描画するのは、制御部4が行う。
【0047】
また、この自車オブジェクトGobは、空中に浮かせた状態で描画させているので、その浮いた状態がわかるようにその下に影を描画している。さらに、本実施形態では、車両の走行状態に応じて、自車オブジェクトGobの姿勢を変更するようにしている。すなわち、通常の定速走行をしている場合、自車オブジェクトGobは、図2に示すように水平状態を保たせた姿勢で描画する。そして、自車の車両速度の変化があった場合には、制御部4は、自車オブジェクトを、自車の加速度の状態に応じて傾けて描画する処理を行う。 具体的には、加速している場合、自車オブジェクトGobは、その先端(前方)を斜め上に向くように傾斜した姿勢となり、減速している場合、自車オブジェクトGobは、その先端(前方)を斜め下に向くように傾斜した姿勢となるように描画される。さらに、自車の進行方向を変えた場合、それに伴い自車オブジェクトGobも所定角度旋回させる。このように、自車の走行状態に応じて自車オブジェクトGobの姿勢を変更することで、表示部6に表示された自車オブジェクトGobがより現実の状態に近づき、状況が視覚的に直感的に認識できて目標物の警報に対して適切に対応しているか否かを認識し安全運転に寄与する情報の提供が行えるとともに、おもしろみも増すので好ましい。なお、自車の加速度や、進路の変更は、GPS受信機1からの信号に基づく自車位置情報の履歴から求めることができるし、それらを検出するための別途センサを設けたり、車両から情報を取得したりすることもできる。
【0048】
さらに、本実施形態では、メイン表示領域R1に対する表示態様として、円形の表示領域を設定しスケールを表示するようにした。このスケールは、同心円状の所定本数の円弧状のスケールS1と、各円弧の半径を一目でわかるようにするために表示部6の表示画面における上下方向に延びる直線状のスケールS2を表示するようにした。そして、各スケールには目盛を設けている。図示の例では、スケールの目盛(半径)は、中心側から「500m」、「1000m」となっている(3本目の最外周のスケールは、この例では、一部のみ描画されているので、目盛は描画されていない)。さらに、本実施形態では、仮想のカメラを上空に設置し、視点を斜め下方に向けた状態で映した態様で描画するようにしたため、スケールS1は、楕円形で描画される。
【0049】
そして、中心に自車オブジェクトGobを配置し、後述するように、GPS受信機1によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物を、データベース5に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部6に表示させる。この機能をレーダースコープ表示機能と称する。このようにすることで、目標物までの距離が一目でわかる。さらに、上記の距離を示す複数の数字(500,1000,1500等)は、平面上、つまり、円弧状のスケールS1上を回転移動する。このとき、各数字は、面積速度一定で回転表示させることで実現する。
【0050】
さらにメイン表示領域R1には、その下方位置に、自車の車両速度を出力するようにしている。これにより、ユーザは、表示部6を見ることで、自車のおおよその走行速度を知ることができる。
【0051】
さらに、メイン表示領域R1における表示画面は、自車の進行方向を表示部6の画面内での上に見た状態で表示する。これは、GPS受信機1から与えられる自車の位置情報に基づき、制御部4が自車の進行方向を求め、その進行方向が上に向いた状態での各目標物の位置を求め、円形の表示領域内に存在するものを該当する位置に表示することで対応できる。
【0052】
また、通常は、待ち受け画面として、図3などに示すようなスピードメータや、カレンダ等を表示しておき、レーダー波受信警報時や所定の距離にオービス等の目標物が近付いたときなどの所定のイベント発生時に、警報画面やレーダースコープ画面等の所定のイベント発生画面へ自動的に切り替えるようにしてもよい。また、このような特別な待ち受け画面を設けるのではなく、図2に示すように、周囲に目標物が存在しない場合には、自車オブジェクトGobのみ(スケールS1,S2や地図データ等を含む)を描画してもよい。
【0053】
一方、自車の周囲に目標物が検出された場合、制御部4は、その検出された目標物の種類に応じた図4以降に示すような各種のイベント発生画面を描画出力する。つまり、その目標物についてのオブジェクトであるPOIオブジェクトIobが、その存在位置に対応する画面上の位置に描画される。POIオブジェクトIobは、通常は、球形や立方体等の単純な形状としている。そして、表面には所定の色を付すと共に、目標物の種類を示す記号(アルファベット,マーク等)を付している。また、このPOIオブジェクトIobも宙に浮いた状態としているので、その下方に影が描画されるようにしている。これらのPOIオブジェクトIobの表示態様(形状)は、簡単な形状からなるので、簡略オブジェクトと称する。
さらに、本実施形態では、緊急度(重要度)に応じて色分けをしている。色分けの一例としては、
緊急度大:赤色
緊急度中:黄色
緊急度小:青色
の3種類としている。
【0054】
緊急度が大の目標物としては、例えばループコイル、Hシステム等の車両速度測定装置がある。緊急度が中の目標物としては、例えばNシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)などがある。緊急度が小の目標物としては、例えば、高速道路におけるサービスエリアや、一般道路脇に設置される道の駅などの交通に関係する場所等などがある。
【0055】
データベース5には、目標物の種類と、位置情報と、緊急度などを関連づけたテーブル構造となっている。さらに、有効/無効フラグを関連づけ、当該フラグがONのもののみを表示するように設定するとよい。このフラグは、ユーザからの指定により切り替えが可能となる。
【0056】
さらに本実施形態では、POIオブジェクトIobのうち、条件を具備する1つのオブジェクト(目標物)が警報対象目標物となり、その警報対象目標物に関する情報が、メイン表示領域R1の上方位置に用意されたメッセージエリアME内に描画される。このメッセージエリアMEは、警報対象となる目標物の種類を特定する名称(図4では、“Hシステム”)と、当該目標物までの距離(図4では、“713m”)を示すエリアである。
【0057】
また、このメッセージエリアMEに表示する目標物の種類を特定する名称の色は、緊急度にあわせて色分けしている。具体的には、簡略オブジェクトの色と同じ色としている。これにより、メッセージの色からも、検出された対象物が、緊急度の高いものか否かを知ることができる。
【0058】
また、このメッセージエリアMEに表示する情報は、固定表示でも良いし、スクロールさせてもよい。スクロールのように移動させることで、より注目させることができる。さらに、スクロールや切り替えることで、別の情報をスムーズに表示することができる。別の情報としては、詳細情報があり、緊急度のレベルを星の数で示したりするものがある。
【0059】
さらに、警報対象目標物のオブジェクト(警報対象オブジェクトKob)の表示態様(形状)の表示態様を変更する。具体的には、その警報対象オブジェクトKobの表示態様は、実際の目標物のものを模した3次元形状としている。このように、実際の目標物を模した形状であることから、実物オブジェクトとも称する。図4では、警報対象目標物が、車両速度測定装置であるので、警報対象オブジェクトKobは、当該車両速度測定装置の形状からなる実物オブジェクトとして描画されている。
【0060】
また、この警報対象オブジェクトKobの上方には、一対の小さい立方体からなる指示オブジェクトSobを配置し、ユーザに注目させて警報対象オブジェクトKob(警報対象の目標物)の存在及びその存在位置を知らせるようにしている。この指示オブジェクトSobは、一対の小さい立方体が、警報対象オブジェクトKobの中心を回転中心としてそれぞれが自転しながら公転移動させる。このように公転移動させることから、より注目させることができる。さらに、各立方体の表面は、上面の対角線で2分割し、それぞれの領域を異なる色(たとえば、自車オブジェクトに合わせて赤色と白色)で塗り分けた状態で描画する。このように表面を2色に塗り分けることで、自転していることがよくわかるので、各立方体が自転していることでも警報対象オブジェクトKobの存在を注目させることができる。このようにユーザに注目させることで、たとえば、事故多発地帯等で普段よりもさらに気をつけて安全運転をすべき場所が接近していることを容易かつ迅速に知らせることができるので、係る安全運転のための情報提供・報知を適切に行うことができる。
【0061】
なお、この指示オブジェクトSobは、場所を特定して指示する警報対象オブジェクトが存在しない場合には、たとえば図2に示すように、自車オブジェクトGobの上方に描画させても良い。ここで、場所を特定して指示する警報対象オブジェクトKobがないとは、目標物自体が存在しない場合はもちろんのこと、目標物が存在しても、各種の電波(マイクロ波(レーダー),カーロケ無線等)の受信など、周囲に目標物が存在することは検出できても具体的な場所を特定できない場合もある。
【0062】
また、警報対象オブジェクトKobを3次元の実物オブジェクトの描画に切り替えるタイミングは、たとえば、音声による警報を行うときに行う。すなわち、目標物が自車位置から一定の距離(たとえば、1km)に近づいた場合には、「1km先、○○です。」という音声による警報を出力するが、このとき、実物オブジェクトを描画する。また、音声による警報は、目標物に近づくに伴い複数回行うことがあるが、たとえば、1回目の音声の警報のタイミングに合わせて簡略オブジェクトから実物オブジェクトの描画に切り替えた後、一旦簡略オブジェクトに戻し、その後、所定のタイミングで再度実物オブジェクトの描画に切り替え、その後は、当該警報対象オブジェクトが警報対象でなくなる(車両が目標物を通過したり、逆に離反したりした場合)まで、実物オブジェクトの状態を保持するなど、その表示態様を切り替えると良い。このように、実物オブジェクトで描画した後で一旦簡略オブジェクトに戻し、再度実物オブジェクトにするというように、その表示態様を変化させることで、ユーザにより注目させることができると共に、2回目に実物オブジェクトにすることで、より接近していることをユーザに認識させることができるので好ましい。そして、2回目の再度の実物オブジェクトへの切り替えのタイミングは、2回目の音声の警報に合わせても良いし、それよりも早く(遠い位置から)行うようにしても良い。
【0063】
さらに、図4等に示すように、自車オブジェクトGobと警報対象オブジェクトKob の双方が、メイン表示領域R1の表示画面内の所定範囲に入るように描画する。このメイン表示領域R1への各オブジェクトの描画は、上方空間の所定位置に仮想のカメラを置き、そこから斜め下方に向けて撮像した状態を描画する。これにより、真上から直下を撮像するのではないので、各オブジェクトが立体的な3次元画像として描画することができ、ユーザにとっても見やすく、各オブジェクトが示す目標物の種類や、自車位置との位置関係(方向・距離)を直感的に認識しやすい。そして、この仮想のカメラを置く位置や、見る方向(方位角・俯角)や、倍率(ズーム)を適宜変更するといったカメラワークを適宜に行うことで実現する。このとき、基本は、メイン表示領域R1内において、自車オブジェクトGobと、警報対象オブジェクトKobとが、できるだけ画面いっぱいに表示されるようなカメラワークにする。また、従来のこの種の装置の場合、上記の仮想のカメラの視点は、自車オブジェクトGobに設定していたが、本実施形態では、自車オブジェクトGobと警報対象オブジェクトKobの中間地点に視点を置くようにした。これにより、3次元のオブジェクトにしたことと相まって、見え方が今までと大きく異なり、警報対象オブジェクトKobが比較的遠方にいる場合であっても、警報対象オブジェクトKobが極端に小さく(自車オブジェクトGobに比べて)表示されることもなく、遠方から近傍に位置するに至るまでの間、どの位置においても自車オブジェクトGobと警報対象オブジェクトKobとが適宜の大きさで、かつ、どの位置でも同じようなイメージ・感覚で描画されるため、見やすくなり好ましい。さらに、上記のカメラワークは、自車の加速度によっても変更することができる。たとえば、増速した場合には、少し描画する際の倍率を大きくし、オブジェクトを拡大して注意を促したり、減速した場合にはそれとは逆に少し描画する際の倍率を小さくしたりすることができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、警報対象の目標物と自車との距離が変わるに伴い、その都度双方のオブジェクトが上記の状態(自車オブジェクトGobと、警報対象オブジェクトKobとが、できるだけ画面いっぱいに表示される状態)になるように描画するため、目標物が警報対象の目標物に近づくにつれて、徐々に画面に描画される自車オブジェクトGob並びに警報対象オブジェクトKobの寸法形状が大きくなるので、近づいているのをよく認識することができる。
【0065】
さらに、上述したように、基本的には自車オブジェクトGobと、警報対象オブジェクトKobとは、両者が画面内に入るように描画しているが、図5に示すように、所定のタイミングで、警報対象オブジェクトKobに対してズームをし、当該警報対象オブジェクトKobがメイン表示領域R1の中央付近に位置するように描画する。これにより、画面いっぱいに実物オブジェクトで描画された警報対象オブジェクトKobが画面中央に大きく描画されることで、ユーザは、どのような種類の目標物であるかが一目で理解できる。さらに、図4の全体表示(自車オブジェクトGobと警報対象オブジェクトKobの双方を描画)から図5に示す警報対象オブジェクトKobを中心に描画する状態を経て、図6に示すように、元の全体表示に戻るまでの一連処理を、仮想のカメラの位置・方向・倍率を徐々に変更するカメラワークをすることで表現するため、ズームインからズームアウトのようになめらかな動きで表現されるので、ユーザは、その表示態様の変化を違和感なく見ることができると共に、警報対象オブジェクトKobも、徐々に中央に移動しながらその寸法形状も徐々に拡大するので、より注目させることができる。
【0066】
このように、目標物を表示するオブジェクトは、自車から所定距離以上離れている場合には、球形等からなる簡略オブジェクトで表示とする一方、所定距離未満に接近した場合には3Dで描かれた実物オブジェクトへ切り替え表示し、しかも、その実物オブジェクトをスムーズに拡大表示するようにしたので、警報対象と自車の位置関係を把握したまま、警報内容も的確に把握することができる。
【0067】
さらに、車両速度測定装置は、監視方向がある。この監視方向は、当該車両速度測定装置が設置された道路の配置方向(上り/下り車線)に合わせている。従って、監視方向と異なっていれば、仮に、車両速度測定装置と車両の現在位置とが近くても、その車両速度測定装置によって自車の車両速度は計測されない。つまり、自車が走行している道路以外の道路に設置されていたり、上り車線を走行している場合において下り車線を走行する車両を監視するように設置されていたりした場合には、自車の車両速度は計測されないのである。そこで、そのように監視する方向などが存在する目標物の場合には、位置情報や目標物の種類に加え、係る監視の方向等も関連づけてデータベース5に登録する。そして、警報対象オブジェクトKobを描画するに際し、その監視の方向等が登録されている場合には、その方向を向くように描画する。これにより、警報対象オブジェクトKobの監視方向が一目で認識することができる。その結果、現在走行している道路の先あるいはその後に通行しようとしている道路に車両速度測定装置が存在しているか否か、つまり、安全運転のためにより注意して走行すべきか否かを視覚により直感的に瞬時に理解できるので好ましい。車両の進行方向が変わったり、道路がカーブしていたりして、自車の進行方向と、車両速度測定装置の監視の方向が変化した場合には、それにあわせて警報対象オブジェクトKobの向きも変更する。一例を示すと、図4〜図7までは、斜めを向いているが、図8,図9に示す位置に来た場合には、車両速度測定装置と車両とが正対している。
【0068】
さらに、目標物が車両速度測定装置のように車両の走行速度を測定するものであり、常設の固定式の場合には、その目標物の設置位置の道路の制限速度を詳細情報としてデータベース5に持たせておく。そして、警報対象オブジェクトKobを描画するに際し、メイン表示領域R1の下方に、現在の制限速度と上下に並べてその制限速度(LIMIT)を描画する。このように、上下に並べて配置することで、その道路の制限速度を知ると共に、自車が制限速度を守って走行しているか否かが一目でわかるので、好ましい。さらに、制限速度を超えて走行している場合には、自車の走行速度を、点滅させたり、赤色等の目立つ色で描画させたりする。これにより、速度超過をしていることをドライバーに通知し、減速を促すことができる。
【0069】
また、実物オブジェクトは、3次元空間上において所定パターンで動くアニメーション表示をさせる。このアニメーションは、具体的には、図6→図7→図8→図9のように、実物オブジェクトで表現された警報対象オブジェクトKobが自車オブジェクトGobを通過していくものがある。また、図10,図11に示すように、警報対象オブジェクトKobが自車オブジェクトGobの周辺を通るパターンで行うことができる。この図10,図11では、警報対象オブジェクトKobは、2台の車両を模したオブジェクトで構成され、その2台の車両が、自車オブジェクトGobの両側を通過するように移動する。これは、緊急車両が通過したことを検知した場合に発生するイベント(警報画面)であり、たとえば、無線受信機3にてカーロケーターシステムにおける緊急車両から出力される当該緊急車両の位置情報を基地局に送信する電波を受信した場合に、その電波の受信レベルが設定した基準値A(緊急車両が自車の直近に位置すると推定できる高いレベル)を超えた後、受信レベルが低下し、基準値B(基準値B<基準値A)以下になった場合には、緊急車両が通過していったと判断できる。係る場合、上記の図10,図11に示すような「すれ違い」の警報画面を出力する。なお、図示省略しているが、図11の次には、緊急車両を模した警報対象オブジェクトKobが、自車オブジェクトGobよりもさらに図中下側に位置する状態となる。
【0070】
また、上記の電波の受信レベルが、たとえば基準値Aを超えた状態が一定時間継続した場合、緊急車両が並走している恐れがある。係る場合には、周囲を確認し、自車の後方を緊急車両が走行している場合には、車両を道路の端に寄せで緊急車両がスムーズに走行・通過できるようにする必要がある。このように緊急車両がいることを事前に報知することで、運転者は、自分の車両を道路の端に寄せる心の準備ができ、実際に緊急車両が来た場合にスムーズ・安全に移動できるので、係る情報の報知は、安全運転に寄与する情報として好ましい。このような場合の報知として、1台の緊急車両を模した警報対象オブジェクトKobを自車オブジェクトGobを中心に、その近い周辺(後述するカーロケ接近の場合にパターンよりも近い位置)を旋回するパターンをとり、これが、上記の3次元空間上において所定パターンで動くアニメーション表示の一態様である。
【0071】
さらに、上記のアニメーションは、実物オブジェクトからなる警報対象オブジェクトKobの中心から自車オブジェクトGobへ向けて行うものがある。すなわち、目標物の種類の1つとして、移動式の車両速度測定装置(レーダー)がある。これは、不定期に警官が監視位置に移動しそこにおいて当該警官が車両速度測定装置を操作して、走行する車両の速度を測定するものである。この移動式の場合、固定式の速度測定装置と異なり、設置位置が固定されていないので、位置情報が登録されていない。そこで、係る移動式の車両速度測定装置から出射される所定周波数帯のマイクロ波(レーダー)をマイクロ波受信機2で受信すると、その移動式の車両速度測定装置があると推定し、警報を発する。この場合の警報の態様としては、図12〜図14に示すようなものを用いることができる。すなわち、まず、図13,図14に示すように、移動式の車両速度測定装置を模した警報対象オブジェクトKobを、自車オブジェクトGobから所定距離だけ離した位置(本形態では、500m)に描画する。このとき、実際の目標物である車両速度測定装置の具体的な位置がわからないので、自車オブジェクトGobを中心とした半径500mの円周上を旋回させている。また、警報対象の目標物の位置を特定できないので、指示オブジェクトSobは、自車オブジェクトGobの情報に描画している。
【0072】
そして、メッセージエリアMEには、目標物の種類である「レーダー」を表示すると共に、受信したマイクロ波の信号レベル(強度)を5段階に分けて示している。この信号レベルは、数値とインジケータの2種類で表記している。なお、図12の状態では、受信したマイクロ波の信号レベルが低い(下から2番目:L2)ため、警報対象オブジェクトKobは描画せずにメッセージエリアMEを用いた報知のみ行っている。
【0073】
この目標物の場合、実際の存在位置は不明であり、その警報対象オブジェクトKobは代表として500mの位置に描画しているが実際の自車からの距離は、500mよりも遠い場合もあれば、近い場合もある。そこで、信号レベルを表記することで、おおよその距離を知ることができる。つまり、仮に車両速度測定装置から出射される際の信号レベルが等しいとすると、マイクロ波受信機2で受信した信号レベルが大きいほど車両速度測定装置までの距離が短いといえる。実際には、車両速度測定装置から出射される際の信号レベルが同一ではないので、受信した信号レベルのみからでは、自車位置からの距離を完全に認識することは困難であるが、おおよその位置を知ることはできる。さらに、同じ車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の信号レベルはほぼ等しいと考えられるので、一旦受信し、その後継続して受信しているマイクロ波の信号レベルの推移から、当該車両速度測定装置に近づいていっているのか離れていっているのか、通過したのか等を理解することはできる。
【0074】
さらに、本実施形態では、マイクロ波(レーダー)の信号レベルに応じて視点を拡大して表示している。つまり、図13と図14を比較すると明らかなように、警報対象オブジェクトKobは、500mの地点に描画している点は変わらないが、信号レベルが大きくなるにつれて、仮想カメラの倍率を上げてズームアップするように描画している。たとえば、信号レベルが“2”の図10の場合、1500mのスケールS1まで描画されているが、信号レベルが“3”の図11の場合、1000mのスケールS1まで描画され、信号レベルが“5”の図12の場合、500mのスケールS1までしか描画されず、それにともない、警報対象オブジェクトKobや自車オブジェクトGobも拡大して描画する。
【0075】
さらにまた、アニメーションAとして、レーダー波(マイクロ波)が警報対象オブジェクトKobから自車オブジェクトGobの中心に向かっているように描画する。このアニメーションは、マイクロ波が自車に向かってくることがわかるように、先端位置が徐々に延びるような動画で表記する。さらに、そのアニメーションであるマイクロ波の寸法形状は、信号レベルが大きい物ほど大きく、しかも、発光量を強くするように描画する。これらの描画の態様(信号レベルに応じて視点を拡大したり、アニメーションAを変えたりすること)により、ユーザは、緊急性の有無(車両速度測定装置がすぐ近くあるのか、比較的遠い位置にあるのか等)の判断が容易に行えるので好ましい。さらに、本実施形態では、メッセージエリアMEに表記する信号レベルに応じたインジケータであるが、レベル3までは、同色(たとえば黄色)とするが、レベル4以上になると、レベル4,5のインジケータ部分(上の2本)の色を異ならせる(たとえば赤色)ことで、信号レベルが大きいことを知らせるようにしている。
【0076】
図15から図17は、無線受信機3にて、ヘリテレ無線を受信した場合の警報画面の一例を示している。ヘリテレ無線の場合も、上記のレーダーと同様に、存在位置を特定することができないので、警報対象オブジェクトKobを所定位置(たとえば500m位置)で旋回するように描画する(図16,図17参照)。そして、受信した無線の信号レベルに応じて、視点(倍率)を変える(図15と、図16&図17参照)。また、図15では、信号レベルが基準値未満と小さく、ヘリテレ無線を出射したヘリコプターも遠い位置にいるとか推定できるため、簡略オブジェクトの態様で描画し、ヘリテレ無線を受信したことを知らせるためにメッセージエリアMEに、「ヘリテレ無線」と表記して、ユーザに注意を促すようにした。
【0077】
図18,図19は、無線受信機3にて、カーロケーターシステムを搭載する緊急車両から送信される位置情報を報知するための無線を受信した場合の警報画面の一例を示している。係る無線を受信した場合、具体的な位置を特定できないので、上述したヘリテレ無線やレーダーの場合と同様に、カーロケーターシステムを代表する緊急車両を模した警報対象オブジェクトKobを適宜の位置に描画し、その警報対象オブジェクトKobを自車オブジェクトGobを中心に旋回させる。そして、受信した信号レベルが小さい場合(閾値未満)には、比較的遠い位置にいるので、“カーロケ遠方受信”とし、警報対象オブジェクトKobは1000mの円周上を旋回するように描画する。また、受信した信号レベルが大きい場合(閾値以上)には、比較的近い位置にいるので、“カーロケ近接受信”とし、警報対象オブジェクトKobは500mの円周上を旋回するように描画する。
【0078】
図20,図21は、目標物として、速度切り替えポイントを報知する場合の警報画面の一例を示している。すなわち、制限速度は、一般道の場合には、特に標識がない場合には60km/hとなり、事故多発地帯等では、たとえば制限速度を50km/hと少し下げるにようにしている。このような事情から、同一の道路で、制限速度が低くなる切り替えポイントは、より安全に気をつけて運転する必要があるので、当該切り替えポイントに接近した場合には所定の警報画面を出力するようにしている。そこで、データベース5には、目標物の種類が「制限速度の切り替え」、位置情報がその制限速度が切り替わる地点の経度緯度、詳細情報が係るポイントの前後の制限速度(例:○○kmから△△km/h)を関連づけて登録する。そして、制御部4は、現在位置と制限速度の切り替えポイントまでの距離が、一定の距離(たとえば1000m)以下になると、図20に示すように、メッセージエリアMEに、“速度切替ポイント”というメッセージを出力して、前方に制限速度が切り替わる地点があることを知らせる。そして、制御部4は、現在位置と制限速度の切り替えポイントまでの距離が、警報基準値(上記の、メッセージを出力するよりも近い距離:たとえば500m)以下になったならば、図21に示すように、その目標物(制限速度の切り替えポイント)の位置に対応する箇所に、警報対象オブジェクトKobを描画する。警報対象オブジェクトKobとしては、制限速度の道路標識を模したものとし、さらに、上方からスライドインさせる。このように道路標識からなる警報対象オブジェクトKobを移動させながら該当箇所に描画させるようにしたので、ドライバーであれば見慣れている道路標識であるため、その制限速度が一目でわかると共に、上方からスライドインして落下してくるようにオブジェクトが移動するので、切り替えポイントに近づいたことを確実に気がつくことができる。
【0079】
このように、警報対象の目標物の種類に合わせて、異なるオブジェクトをそれぞれその目標物の種類にあった携帯で描画することで、ユーザは、その報知内容を容易かつ正確に認識することができる。
【0080】
実物オブジェクトに、詳細情報を付加し、実物オブジェクト内に詳細情報に関する実物オブジェクトも表示する機能を備えると良い。たとえば、目標物がサービスエリアや道の駅などであった場合に、その詳細情報としてその目標物内に存在する物(付帯する設備)を付加する。係る目標物内に付帯する設備としては、たとえば、ガソリンスタンドなどの交通に関する施設がある。また、ドッグラン等の交通に直接関係しないその他の設備を付加しても良い。そして、検出された警報対象の目標物がサービスエリアで、その目標物に付加された詳細情報としてガソリンスタンドがあった場合、図22に示すように、警報対象オブジェクトKob内に、ガソリンスタンドを模した詳細オブジェクトSobを描画する。
【0081】
上述したように、警報画面により警報する警報内容の重要度(警報レベル)は、警報対象となっている目標物の種類によっても異なる(たとえば、上述した3つの緊急度によるレベルわけ)し、自車と目標物との位置関係によっても異なる(距離が短いほど警報レベルは高くなる)し、各種のマイクロ波や無線を受信した場合にはその受信した信号レベルによっても異なる(受信した信号レベルが高いほど警報レベルは高くなる)。そこで、それらの情報を総合的に判断して警報レベルを求め、求めた警報レベルに対応する背景色で描画する。この総合的な判断は、それぞれの判断条件(目標物の種類に応じた重要度,目標物までの距離,受信した電波塔の信号レベル等)に重み付けを行うと共に総和を求めたり、平均値を求めるなどの演算処理を行ったり、IF THEN方式その他の各種ルールに従って背景色を決定することができる。このように、予め決めた条件に従って背景色を変えることで、現在の状況(警報レベル)を背景色から認識することができる。
【0082】
さらに、図示は省略しているが、道路ネットワーク情報(道路情報)をデータベース5に持ち、検出された自車の位置の周辺の地図データをデータベース5から読み出して生成される地図画面を表示部6に表示すると共に、その地図画面上の前記目標物並びに前記自車の存在位置に前記目標物オブジェクト並びに前記自車オブジェクトが表示されるようにするとよい。このとき、仮想のカメラにより斜め上方から撮像した態様で描画することから、その平面と平行な面上に地図情報を俯瞰状態で表示することになる。
【符号の説明】
【0083】
1 GPS受信機
2 マイクロ波受信機
3 無線受信機
4 制御部
5 データベース
6 表示部
7 ランプ
8 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の位置を検出する位置検出手段で検出された現在位置情報と、検出対象の目標物の位置情報を記憶する位置記憶手段にアクセスして取得した当該目標物の位置情報とに基づき、自車の周囲に存在する目標物を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された目標物についての警報情報を、表示部に出力する制御を行う警報制御手段と、を備え、
前記警報制御手段は、自車の位置を示す自車オブジェクトと、警報条件に合致する目標物の位置を示す目標物オブジェクトの双方を前記表示部に表示中に、前記自車オブジェクトを前記表示部の表示領域外に位置させるとともにズームアップして前記目標物オブジェクトを拡大した後、設定されたタイミングで、前記自車オブジェクトと前記目標物オブジェクトとが前記表示部の表示領域内に入るようにズームダウンするように描画する機能を備えたことを特徴とする目標物検出装置。
【請求項2】
前記警報制御手段は、前記自車オブジェクトと前記目標物オブジェクトの双方を前記表示部に設定された表示領域いっぱいに表示することを特徴とする請求項1に記載の目標物検出装置。
【請求項3】
前記警報制御手段は、前記目標物オブジェクトが前記自車オブジェクトに接近し、通過するパターンでアニメーション表示することを特徴とする請求項1または2に記載の目標物検出装置。
【請求項4】
前記警報制御手段は、前記目標物オブジェクトが前記自車オブジェクトの周辺を通るパターンでアニメーション表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の目標物検出装置。
【請求項5】
前記目標物オブジェクトは車両を模したオブジェクトであり、
前記警報制御手段は、緊急車両の通過を検知した場合、その車両を模したオブジェクト
を2台分描画するともに、その2台の車両のオブジェクトを自車オブジェクトの両側を通
過するようにアニメーション表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
目標物検出装置。
【請求項6】
前記警報制御手段は、目標物オブジェクトを、自車オブジェクトを中心に周回するようにアニメーション表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の目標物検出装置。
【請求項7】
前記警報制御手段は、前記目標物オブジェクトから前記自車オブジェクトへ向けて移動するオブジェクトをアニメーション表示すること特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の目標物検出装置。
【請求項8】
前記目標物は、マイクロ波を発する装置であり、
前記警報制御手段は、受信した前記マイクロ波の信号レベルが大きいほど、前記自車オブジェクトへ向けて移動する前記オブジェクトの寸法形状を大きく描画すること、発光量を強く描画することの少なくとも一方を行うこと特徴とする請求項7に記載の目標物検出装置。
【請求項9】
前記目標物に監視の方向が登録されている場合、前記警報制御手段は、その目標物オブジェクトをその登録された方向を向くように描画することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の目標物検出装置。
【請求項10】
前記警報制御手段は、自車が増速した場合に前記自車オブジェクトを拡大して描画し、自車が減速した場合に前記自車オブジェクトを縮小して描画することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の目標物検出装置。
【請求項11】
前記警報制御手段は、前記自車オブジェクトの位置を中心とした円弧からなるスケールを描画すると共にそのスケールに自車からの距離を示す目盛を配置し、前記自車オブジェクトの位置を回転中心とし、前記スケールに沿って前記目盛を回転移動させるように描画することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の目標物検出装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の目標物検出装置としての機能をコンピュータに実現
させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2011−258223(P2011−258223A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171950(P2011−171950)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【分割の表示】特願2009−1725(P2009−1725)の分割
【原出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】