説明

電子機器及び処理方法

【課題】覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を可能にする電子機器及び処理方法を提供すること。
【解決手段】複数のキーを有する操作部11と、設定部46と、メモリ44と、制御部45を備える。設定部46は、複数のキーの操作により入力された所定の文字列をパスワードとして設定する。メモリ44は、所定の文字列を複数のキーの操作により複数通りの押下順で入力可能な場合に、パスワードが設定されるときの複数のキーの押下順を所定の押下順として記憶する。制御部45は、複数のキーの操作によりパスワードとして所定の文字列が入力される際、操作された複数のキーの押下順が所定の押下順と同一であった場合に制限を解除し、所定の押下順とは異なっていた場合に制限を解除しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字の入力機能を有する電子機器及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器では、機器を起動する場合や起動後に特定のファイルにアクセスする場合等に、セキュリティ等の観点からパスワードの入力を要求するものがある。このような電子機器は、入力されたパスワードが予め登録(設定)されているものと一致するか否かによって真偽を判定し、真と判定した場合には、機器の起動や特定のファイルへのアクセスを許容する(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−259324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、短いパスワードは、覚えやすいが安全性が損なわれ、長いパスワードは、安全性が高いが覚え難いという問題がある。
【0005】
本発明では、覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を可能にする電子機器及び処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、上記課題を解決するために、複数のキーを有する操作部と、前記複数のキーの操作により入力された所定の文字列をパスワードとして設定する設定部と、前記所定の文字列を前記複数のキーの操作により複数通りの押下順で入力可能な場合に、前記パスワードが設定されるときの前記複数のキーの押下順を所定の押下順として記憶する記憶部と、前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の文字列が入力される際、操作された前記複数のキーの押下順が前記所定の押下順と同一であった場合に制限を解除し、前記所定の押下順とは異なっていた場合に制限を解除しない制御部と、を備える。
【0007】
また、上記電子機器では、前記設定部は、前記複数のキーの操作により入力された仮名文字を変換して得られる所定の変換文字列を、前記所定の文字列として前記パスワードに設定することが好ましい。
【0008】
また、上記電子機器では、前記仮名文字を変換するための変換方法として、予測変換及び非予測変換のいずれかを選択する選択部と、をさらに有し、前記選択部により選択された変換方法を用いて前記複数のキーの操作により前記所定の変換文字列が前記パスワードとして設定された場合に、前記記憶部は、前記パスワードが設定されるときに選択された所定の変換方法を記憶し、前記制御部は、前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の変換文字列が入力される際、当該入力で使用された変換方法が前記所定の変換方法と同一であった場合に制限を解除し、前記所定の変換方法と異なっていた場合に制限を解除しないことが好ましい。
【0009】
また、上記電子機器では、前記仮名文字を変換するための変換方法は、変換候補である複数の文字列を配列して表示し、前記変換方法において配列される前記複数の文字列のうち選択された文字列により前記所定の変換文字列が前記パスワードとして設定された場合に、前記記憶部は、前記パスワードが設定されるときに選択された文字列が前記複数の文字列のうち何番目に配列されているかの配列順番を記憶し、前記制御部は、前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の変換文字列が入力される際、複数の文字列のうち選択された文字列が配列された順番が前記配列順番と同一であった場合に制限を解除し、前記配列順番と異なっていた場合に制限を解除しないことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る処理方法は、上記課題を解決するために、複数のキーの操作により入力された所定の文字列をパスワードとして設定する設定工程と、前記所定の文字列を前記複数のキーの操作により複数通りの押下順で入力可能な場合に、前記パスワードが設定されるときの前記複数のキーの押下順を所定の押下順として記憶する記憶工程と、前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の文字列が入力される際、操作された前記複数のキーの押下順が前記の押下順と同一であった場合に制限を解除し、前記所定の押下順とは異なっていた場合に制限を解除しない解除工程を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】携帯電話装置の外観斜視図である。
【図2】携帯電話装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】パスワードを設定する場合の具体的な処理についての説明に供するフローチャートである。
【図4】パスワードの入力要求にしたがって入力されたパスワードの照合処理についての説明に供するフローチャートである。
【図5】逆トグル機能の使用による差異についての説明に供する図である。
【図6】逆トグル機能の使用による差異についての説明に供する図である。
【図7】読み情報入力桁数による差異についての説明に供する図である。
【図8】文節区切り入力による差異についての説明に供する図である。
【図9】変換操作の回数による差異についての説明に供する図である。
【図10】候補順による差異についての説明に供する図である。
【図11】パスワードの設定時の表示態様についての説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る電子機器の一例である携帯電話装置1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが一つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ、フリップタイプ)でも良い。
【0014】
携帯電話装置1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3を備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12を備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15により構成されている。また、決定操作キー15は、上方向スクロールキー15aと、下方向スクロールキー15bと、決定キー15c等から構成されている。
【0015】
なお、本実施例では、操作部11は、物理的なボタンで構成されているものとして説明するが、これに限られず、タッチパネルで構成されていても良い。また、操作部11が透過性を有するタッチパネルで構成されている場合には、操作部11は、表示部21上に配置されても良い。
【0016】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22を備えて構成されている。
【0017】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0018】
また、図2は、携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話装置1は、図2に示すように、操作部11と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、表示制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、制御部45が操作部側筐体部2に備えられ、表示部21と、スピーカ22と、ドライバIC23が表示部側筐体部3に備えられている。
【0019】
メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯(例えば、1.5GHz)に対応できるデュアルバンド対応構成である。なお、本実施の形態では、第1の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であっても良い。また、メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯で外部装置と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯に対応できるアンテナを別途設けても良い。
【0020】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部45に供給する。そして、制御部45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置(基地局)に送信する。また、その一方で、メインアンテナ40によって受信している信号の強度を制御部45に通知する。
【0021】
表示制御部42は、制御部45の制御にしたがって、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、表示制御部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで表示部21に出力する。
【0022】
音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0023】
また、音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0024】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、複数のアプリケーションや当該アプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていても良い。
【0025】
制御部45は、携帯電話装置1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。また、メモリ44には、複数のキーアサインテーブルが格納されている。制御部45は、携帯電話装置1の状態(起動しているアプリケーション等)に基づいてキーアサインテーブルを選択し、操作部11のいずれかのキーが操作(押下)された場合に、選択しているキーアサインテーブルを参照して、当該キーに対応した処理を実行する。
【0026】
このように構成される携帯電話装置1では、パスワード入力に際して、覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定をする機能を有している。ここで、当該機能を実現するための構成及び動作の一例について以下に説明する。
携帯電話装置1は、図2に示すように、複数のキーを有する操作部11と、設定部46と、メモリ44と、制御部45を備える。
【0027】
設定部46は、複数のキーの操作により入力された所定の文字列をパスワードとして設定する。ここで、文字列には、平仮名文字列だけでなく、片仮名文字列、英字列、数字列も含まれる。また、設定部46は、複数のキーの操作により入力された仮名文字を変換して得られる所定の変換文字列を、所定の文字列としてパスワードに設定することが好ましい。
【0028】
メモリ44は、所定の文字列を複数のキーの操作により複数通りの押下順で入力可能な場合に、パスワードが設定されるときの複数のキーの押下順を所定の押下順として記憶する。
【0029】
制御部45は、複数のキーの操作によりパスワードとして所定の文字列が入力される際、操作された複数のキーの押下順が所定の押下順と同一であった場合に制限を解除し、所定の押下順とは異なっていた場合に制限を解除しない。
【0030】
ここで、制御部45の動作について説明する。例えば、所定の文字列「携帯電話」をパスワードに設定するときに、「けいたい」とひらがなで入力した後、予測変換候補の中から「携帯電話」を選択した場合について説明する。
【0031】
図1に示す携帯電話装置1において、所定の文字列「携帯電話」をパスワードして設定する場合に、ひらがなの「か」が印刷されているキーが4回押下され、次に、ひらがなの「あ」が印刷されているキーが2回押下され、次に、ひらがなの「た」が印刷されているキーが1回押下され、次に、ひらがなの「あ」が印刷されているキーが2回押下され、表示部21の文字入力領域に「けいたい」が表示され、予測変換候補の中に「携帯電話」が含まれているときに、下方向スクロールキー15bが押下されて、予測変換候補の中から「携帯電話」が選択され、次に、決定キー15cが押下されたとする。この場合には、所定の押下順は、「か」×4回、「あ」×2回、「た」×1回、「あ」×2回、下方向スクロールキー×1回、決定キー×1回、となる。
そして、設定部46は、文字列「携帯電話」をパスワードとして設定し、メモリ44は、所定の押下順(「か」×4回、「あ」×2回、「た」×1回、「あ」×2回、下方向スクロールキー×1回、決定キー×1回)を記憶する。
【0032】
次に、パスワードの入力要求に応じて、「けいた」とひらがなで入力した後、予測変換候補の中から「携帯電話」を選択した場合を一例にして、制御部45の動作について説明する。
【0033】
図1に示す携帯電話装置1において、ひらがなの「か」が印刷されているキーが4回押下され、次に、ひらがなの「あ」が印刷されているキーが2回押下され、次に、ひらがなの「た」が印刷されているキーが1回押下され、表示部21の文字入力領域に「けいた」が表示され、下方向スクロールキー15bが押下されて、予測変換候補の中から「携帯電話」が選択され、次に、決定キー15cーが押下された場合、押下順は、「か」×4回、「あ」×2回、「た」×1回、下方向スクロールキー×1回、決定キー×1回、となる。
【0034】
このような場合、制御部45は、パスワードは共に「携帯電話」で同一であるが、入力要求により入力されたパスワードの押下順が所定の押下順とは異なるため、パスワードによる制限の解除を行わない。
【0035】
したがって、携帯電話装置1は、ユーザにとって覚えやすい文字列(例えば、四字熟語やことわざ等)をパスワードに設定でき、かつキーの押下順序も記憶して、キーの押下順序の一致性をパスワードによる制限を解除するための条件にしているので、覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を行うことができる。
【0036】
また、携帯電話装置1は、図2に示すように、仮名文字を変換するための変換方法として、予測変換及び非予測変換のいずれかを選択する選択部47を有することが好ましい。なお、以下では、非予測変換を通常変換という。
【0037】
また、選択部47により選択された変換方法を用いて複数のキーの操作により所定の変換文字列がパスワードとして設定された場合に、メモリ44は、パスワードが設定されるときに選択された所定の変換方法を記憶する。
【0038】
また、制御部45は、複数のキーの操作によりパスワードとして所定の変換文字列が入力される際、当該入力で使用された変換方法が所定の変換方法と同一であった場合に制限を解除し、所定の変換方法と異なっていた場合に制限を解除しない。
【0039】
変換方法とは、入力された文字又は文字列を漢字等に変換する方法のことである。また、所定の変換方法とは、例えば、通常変換方法(辞書等を利用して、変換対象となる文字列を漢字等に変換する方法)のことであり、所定の変換方法とは異なる場合とは、例えば、予測変換方法(変換対象となる文字列から予測される文字列に変換する方法)のことである。
【0040】
例えば、制御部45は、予測変換方法を利用してパスワード「携帯電話」が設定されている場合、パスワードの入力要求に応じて、通常変換を利用してパスワード「携帯電話」が入力された場合、変換方法が異なるため、パスワードによる制限を解除しない。
【0041】
したがって、携帯電話装置1は、ユーザにとって覚えやすい文字列(例えば、四字熟語やことわざ等)をパスワードに設定でき、かつそのときに使用した変換方法も記憶し、変換方法の一致性をパスワードによる制限を解除するための条件にしているので、覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を行うことができる。
【0042】
また、仮名文字を変換するための変換方法は、変換候補である複数の文字列を配列して表示することが好ましい。
変換方法において配列される複数の文字列のうち選択された文字列により所定の変換文字列がパスワードとして設定された場合に、メモリ44は、パスワードが設定されるときに選択された文字列が複数の文字列のうち何番目に配列されているかの配列順番を記憶する。
【0043】
また、制御部45は、複数のキーの操作によりパスワードとして所定の変換文字列が入力される際、複数の文字列のうち選択された文字列が配列された順番が配列順番と同一であった場合に制限を解除し、配列順番と異なっていた場合に制限を解除しない。
【0044】
例えば、制御部45は、変換方法の中から先頭から3番目に配列されている「携帯電話」をパスワードとして設定されている場合、パスワードの入力要求に応じて、変換方法の中の5番目に配列されている「携帯電話」が入力された場合、配列順番が異なるため、パスワードによる制限を解除しない。
【0045】
したがって、携帯電話装置1は、ユーザにとって覚えやすい文字列(例えば、四字熟語やことわざ等)をパスワードに設定でき、かつそのときの配列順番も記憶し、配列順番の一致性をパスワードによる制限を解除するための条件にしているので、覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を行うことができる。
【0046】
次に、携帯電話装置1によりパスワードを設定する場合の具体的な処理について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
ステップST1において、制御部45は、パスワードを設定する際の入力モードを設定する。例えば、制御部45は、操作部11の操作に応じて、入力モードとして日本語入力に設定する。また、日本語入力には、ひらがな入力や、カタカナ入力等があり、本工程における入力モードは、日本語入力のひらがな入力等として設定しても良い。また、制御部45は、入力モードとして、英数入力等も設定可能である。
【0048】
ステップST2において、制御部45は、変換モードを設定する。制御部45は、変換モードとして、通常変換又は予測変換に設定が可能である。ここで、通常変換とは、例えば、辞書等を利用して、変換対象となる文字列を漢字等に変換するものであって、例えば、「けいたい」という変換前の文字列を漢字(「形態」又は「携帯」等)やカタカナ(「ケイタイ」)等に変換することをいう。また、予測変換とは、変換対象となる文字列から予測される文字列に変換するものであって、例えば、「けいたい」という変換前の文字列を「携帯電話」や「形態模写」等に変換することをいう。
【0049】
また、本工程における変換モードの設定は、ステップST1の工程で設定された入力モードに応じて制限される。例えば、入力モードとして英数入力が設定された場合には、変換モードの選択が制限される。
【0050】
ステップST3において、制御部45は、ステップST2の工程で選択された変換モードが通常変換であるのか予測変換であるのかを判定する。通常変換の場合には、ステップST13に進み、予測変換の場合には、ステップST4に進む。
【0051】
ステップST4において、制御部45は、予測変換を設定(選択)したことをメモリ44に記憶する。なお、予測変換を設定した旨の情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0052】
ステップST5において、制御部45は、予測変換の候補中の文字列が選択されたかどうかを判定する。変換候補の中から文字列が選択された場合(Yes)には、ステップST6に進み、変換候補の中から文字列が選択されない場合(No)には、ステップST9に進む。
【0053】
ステップST6において、制御部45は、操作部11の操作に応じて、選択候補の中から選択された文字列を確定する。
【0054】
ステップST7において、制御部45は、選択した文字列をメモリ44に記憶する。なお、選択した文字列は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0055】
ステップST8において、制御部45は、ステップST6の工程により選択された文字列が変換候補中の先頭から何番目に存在したのかについての情報をメモリ44に記憶する。なお、当該情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0056】
ステップST9において、制御部45は、文字列の入力を受け付ける。
【0057】
ステップST10において、制御部45は、操作部11の操作に応じて、選択候補を利用して文字列を確定する。制御部45は、ステップST9により入力された文字列を複数の文節で区切り、文節ごとに選択候補を利用して文字列を確定する。例えば、制御部45は、「けいたいでんわ」が入力されて、最初の文節として「けいたい」が選択され、当該「けいたい」に対する変換候補の中から「携帯」が選択され、次に、「でんわ」が選択され、当該「でんわ」に対する変換候補の中から「電話」が選択されて、「携帯電話」を文字列として確定する。
【0058】
ステップST11において、制御部45は、選択した文字列をメモリ44に記憶する。なお、選択した文字列は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0059】
ステップST12において、制御部45は、ステップST10の工程により選択された各文節がそれぞれの変換候補中の先頭から何番目に存在したのかについての情報をメモリ44に記憶する。なお、当該情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0060】
ステップST13において、制御部45は、通常変換を設定(選択)したことをメモリ44に記憶する。なお、通常変換を設定した旨の情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0061】
ステップST14において、制御部45は、文字列の入力を受け付ける。
【0062】
ステップST15において、制御部45は、操作部11の操作に応じて、文字列を確定する。
【0063】
ステップST16において、制御部45は、確定した文字列をメモリ44に記憶する。なお、確定した文字列は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0064】
次に、上述のようにパスワードが設定された場合、パスワードの入力要求にしたがって入力されたパスワードの照合処理について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。また、携帯電話装置1では、通信の待ち受け状態(初期画面が表示されている状態)において、キー操作が行われた場合に、当該キーに対応する記号(例えば、数字及び文字)を、例えば、別々の画面領域に並列的に表示させる機能を有していても良い。初期画面が表示されている状態とは、主電源が投入され、通信セッションの確立処理が終了し、通信の待ち受けが可能になっている状態をいい、メールアプリケーションや、テレビアプリケーションや、メモ帳アプリケーション等が起動していない状態をいう。
【0065】
また、以下では、携帯電話装置1は、主電源が投入された後、所定の起動処理が行われて、「パスワードを入力してください」等のパスワードの入力要求が表示部21に表示されている状態にあるとする。
【0066】
ステップST21において、制御部45は、パスワードを入力する際の入力モードを設定する。例えば、制御部45は、操作部11の操作に応じて、入力モードとして日本語入力に設定する。
【0067】
ステップST22において、制御部45は、変換モードを設定する。例えば、変換モードには、通常変換と予測変換がある。
【0068】
ステップST23において、制御部45は、ステップST22の工程で選択された変換モードが通常変換であるか又は予測変換であるかを判定する。通常変換の場合には、ステップST31に進み、予測変換の場合には、ステップST24に進む。
【0069】
ステップST24において、制御部45は、予測変換を設定(選択)したことをメモリ44に記憶する。なお、予測変換を設定した旨の情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0070】
ステップST25において、制御部45は、入力された文字列を受け付ける。また、制御部45は、最終的にパスワードとして入力されたパスワードと、当該パスワードを入力する過程(操作手順)をメモリ44に記憶する。なお、これらの情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。また、制御部45は、操作部11の操作に応じて、表示部21の文字(パスワード)入力領域に入力(表示)されている文字列に対して確定の操作が行われたことを条件に、以下のパスワードの照合処理(ステップST26からステップST30)を行う。
【0071】
ステップST26において、制御部45は、入力されたパスワードが設定されているパスワードと一致するかどうかを判定する。一致していると判定された場合(Yes)には、ステップST27に進み、一致していないと判定された場合(No)には、ステップST30に進む。
【0072】
ステップST27において、制御部45は、入力されたパスワードの変換方法と、パスワードが設定されたときの変換方法とが一致するかどうかを判定する。一致していると判定された場合(Yes)には、ステップST28に進み、一致していないと判定された場合(No)には、ステップST30に進む。ここで、変換方法が一致するとは、入力されたパスワードと設定されたパスワードが、共に予測変換が設定された場合である。
【0073】
ステップST28において、制御部45は、変換候補の順番が一致するかどうかを判定する。例えば、制御部45は、変換候補中の先頭から6番目の文字列を選択してパスワードを設定した場合には、パスワードの入力が変換候補中の先頭から6番目の文字列であれば、一致すると判定する。一致すると判定された場合(Yes)には、ステップST29に進み、一致していないと判定された場合(No)には、ステップST30に進む。
【0074】
ステップST29において、制御部45は、パスワードが整合したと判定し、パスワードを解除する。
【0075】
ステップST30において、制御部45は、パスワードが不整合であると判定し、パスワードを解除しない。
【0076】
また、ステップST31において、制御部45は、通常変換を設定(選択)したことをメモリ44に記憶する。なお、通常変換を設定した旨の情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。
【0077】
ステップST32において、制御部45は、入力された文字列を受け付ける。また、制御部45は、最終的にパスワードとして入力されたパスワードと、当該パスワードを入力する過程(操作手順)をメモリ44に記憶する。なお、これらの情報は、メモリ44ではなく他の記憶部に記憶されても良い。また、制御部45は、操作部11の操作に応じて、表示部21の文字(パスワード)入力領域に入力(表示)されている文字列に対して確定の操作が行われたことを条件に、以下のパスワードの照合処理(ステップST33からステップST36)を行う。
【0078】
ステップST33において、制御部45は、入力されたパスワードが設定されているパスワードと一致するかどうかを判定する。一致していると判定された場合(Yes)には、ステップST34に進み、一致していないと判定された場合(No)には、ステップST36に進む。
【0079】
ステップST34において、制御部45は、入力されたパスワードの変換方法と、パスワードが設定されたときの変換方法とが一致するかどうかを判定する。一致していると判定された場合(Yes)には、ステップST35に進み、一致していないと判定された場合(No)には、ステップST36に進む。ここで、変換方法が一致するとは、入力されたパスワードと設定されたパスワードが、共に通常変換が設定された場合である。
【0080】
ステップST35において、制御部45は、パスワードが整合したと判定し、パスワードを解除する。
【0081】
ステップST36において、制御部45は、パスワードが不整合であると判定し、パスワードを解除しない。
【0082】
なお、上述では、パスワードの入力の要求は、携帯電話装置1の起動時として説明したが、これに限られず、携帯電話装置1の起動後に特定のファイルにアクセスする場合等であっても良い。
【0083】
したがって、携帯電話装置1は、ユーザにとって覚えやすい文字列(例えば、四字熟語やことわざ等)をパスワードに設定でき、かつキーの押下順序も記憶して、キーの押下順序の一致性をパスワードの解除条件にしているので、覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を行うことができる。
【0084】
<照合判定>
また、携帯電話装置1によりパスワードの照合判定を行う場合の具体例を以下に述べる。
【0085】
<逆トグル機能の使用による差異>
携帯電話装置1は、一つのキーに複数の文字(例えば、「あ」〜「お」)が対応付けられており、一つのキーを連続押下することによって、対応付けられている複数の文字が順々に切り替わる構成であって、その切り替え方向が順方向(例えば、「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」→「あ」・・・)であるか、又は逆方向(例えば、「あ」→「お」→「え」→「う」→「い」→「あ」・・・)であるかの差異によって、パスワードの照合判定を行う機能を有している。
【0086】
例えば、携帯電話装置1は、パスワードの設定時において、ひらがなの「か」が印刷されているキーが順方向に4回押下され(図5(a)を参照)、次に、ひらがなの「あ」が印刷されているキーが順方向に2回押下され(図5(b)を参照)、次に、ひらがなの「た」が印刷されているキーが順方向に1回押下されると、表示部21の文字入力領域に未確定状態の「けいた」を表示させる(図5(c)を参照)。その後、携帯電話装置1は、下方向スクロールキー15bが押下されて、予測変換候補の中から「携帯電話」が選択され、その後、決定キー15cが押下されると、「携帯電話」をパスワードとして確定し、表示部21の文字入力領域に確定状態の「携帯電話」を表示させる(図5(d)を参照)。また、携帯電話装置1は、パスワード設定時の操作手順(「か」×4回、「あ」×2回、「た」×1回、下方向スクロールキー×1回、決定キー×1回)をパスワード「携帯電話」と共にメモリ44に保存する。
【0087】
次に、携帯電話装置1は上述のようにパスワードとその操作手順がメモリ44に保存された後に、パスワードの入力要求に応じてパスワードが入力されたとき、入力されたパスワードとメモリ44に保存されている情報との間で行う照合判定について具体的に説明する。
【0088】
携帯電話装置1は、パスワードの入力要求にしたがって、ひらがなの「か」が印刷されているキーが1回押下され、次に、文字の切り替え方向を逆方向にする逆トグル機能が割り当てられているキー(例えば、「#」が印刷されているキー)が2回押下され(図6(a)を参照)、次に、ひらがなの「あ」が印刷されているキーが順方向に2回押下され(図6(b)を参照)、次に、ひらがなの「た」が印刷されているキーが順方向に1回押下されると、表示部21の文字入力領域に未確定状態の「けいた」を表示させる(図6(c)を参照)。その後、携帯電話装置1は、下方向スクロールキー15bが押下されて、予測変換候補の中から「携帯電話」が選択され、その後、決定キー15cが押下されると、「携帯電話」を確定し、文字入力領域に確定状態の「携帯電話」を表示させる(図6(d)を参照)。
【0089】
上述のように操作された場合には、パスワードは、「携帯電話」で一致するが、操作手順は、(「か」×4回、「あ」×2回、「た」×1回、下向きキー×1回、決定キー×1回)と(「か」×1回、「#」×2回、「あ」×2回、「た」×1回、下方向スクロールキー×1回、決定キー×1回)とで異なる。したがって、携帯電話装置1は、照合結果が不一致であると判定する。
【0090】
<読み情報入力桁数による差異>
また、携帯電話装置1は、読み情報の入力桁数の差異によって、パスワードの照合判定を行う機能を有していても良い。
例えば、携帯電話装置1は、パスワードの設定時において、ひらがなで「けいたい」が入力され、予測変換候補の中から「携帯電話」が選択されると、「携帯電話」をパスワードとして確定する。そして、携帯電話装置1は、パスワードの設定時の操作手順としての読み情報の入力桁数を「4桁(ひらがな4文字)」として、パスワード「携帯電話」と共にメモリ44に保存する。
【0091】
次に、携帯電話装置1は上述のようにパスワードとその操作手順としての読み情報の入力桁数がメモリ44に保存された後に、パスワードの入力要求に応じてパスワードが入力されたとき、入力されたパスワードとメモリ44に保存されている情報との間で行う照合判定について具体的に説明する。
【0092】
携帯電話装置1は、パスワードの入力要求にしたがって、ひらがなの「か」が印刷されているキーが4回押下され、次に、ひらがなの「あ」が印刷されているキーが2回押下され、次に、ひらがなの「た」が印刷されているキーが1回押下されると、表示部21の文字入力領域に未確定状態の「けいた」を表示させる(図7(a)を参照)。その後、携帯電話装置1は、下方向スクロールキー15bが押下されて、予測変換候補の中から「携帯電話」が選択され、その後、決定キー15cが押下されると、「携帯電話」を確定し、表示部21の文字入力領域に確定状態の「携帯電話」を表示させる(図7(b)、(c)を参照)。しかし、この場合の読み情報の入力桁数は「3桁(平仮名文字)」である。
上述のように操作された場合には、パスワードは、「携帯電話」で一致するが、操作手順としての読み情報入力桁数は、3桁と4桁とで異なる。したがって、携帯電話装置1は、照合結果が不一致であると判定する。
【0093】
<文節区切り入力による差異>
また、携帯電話装置1は、文節区切り入力の差異によって、パスワードの照合判定を行う機能を有していても良い。
例えば、携帯電話装置1は、パスワードの設定時において、ひらがなで「けいたいでんわ」が入力され、変換候補の中から「携帯電話」が選択されると、「携帯電話」をパスワードとして確定する。そして、携帯電話装置1は、パスワードの設定時の操作手順としての文節区切り入力を「文節区切り無し」として、パスワード「携帯電話」と共にメモリ44に保存する。
【0094】
次に、携帯電話装置1は上述のようにパスワードとその操作手順としての文節区切り入力の情報がメモリ44に保存された後に、パスワードの入力要求に応じてパスワードが入力されたとき、入力されたパスワードとメモリ44に保存されている情報との間で行う照合判定について具体的に説明する。
【0095】
携帯電話装置1は、パスワードの入力要求にしたがって、ひらがなで「けいたいでんわ」が入力され、その後、文節入力機能を用いて「けいたい」が変換対象として選択され、変換候補の中から「携帯」が選択され(図8(a)、(b)を参照)、次に、「でんわ」が変換対象として選択され、変換候補の中から「電話」が選択されると、「携帯電話」を確定し、表示部21の文字入力領域に確定状態の「携帯電話」を表示させる(図8(c)、(d)、(e)を参照)。
上述のように操作された場合には、パスワードは、「携帯電話」で一致するが、操作手順としての文節区切りは、「文節区切り無し」と「文節区切り有り(「けいたい」と「でんわ」の二箇所)」で異なる。したがって、携帯電話装置1は、照合結果が不一致であると判定する。
【0096】
<変換操作の回数による差異>
また、携帯電話装置1は、変換操作の回数の差異によって、パスワードの照合判定を行う機能を有していても良い。
例えば、携帯電話装置1は、パスワードの設定時において、ひらがなで「けいたい」が入力され、変換候補の中から「携帯」が選択され(図9(a)、(b)参照)、次に、ひらがなで「でんわ」が入力され、変換候補の中から「電話」が選択され、「携帯電話」をパスワードとして確定する(図9(c)、(d)参照)。そして、携帯電話装置1は、パスワードの設定時の操作手順としての変換操作の回数を「2回」として、パスワード「携帯電話」と共にメモリ44に保存する。
【0097】
次に、携帯電話装置1は上述のようにパスワードとその操作手順としての変換操作の回数の情報がメモリ44に保存された後に、パスワードの入力要求に応じてパスワードが入力されたとき、入力されたパスワードとメモリ44に保存されている情報との間で行う照合判定について具体的に説明する。
【0098】
携帯電話装置1は、パスワードの入力要求にしたがって、ひらがなで「けいたいでんわ」が入力され、変換候補の中から「携帯電話」が選択された場合には、以下のように判定する。
パスワードは、「携帯電話」で一致するが、操作手順としての変換操作の回数が2回と1回で異なる。したがって、携帯電話装置1は、照合結果が不一致であると判定する。
【0099】
<候補順による差異>
また、携帯電話装置1は、変換を行うときの候補順による差異によって、パスワードの照合判定を行う機能を有していても良い。
例えば、携帯電話装置1は、パスワードの設定時において、ひらがなで「けいたい」が入力され、予測変換候補の先頭から6番目の「携帯電話」が選択され(図10(a)、(b)、(c)参照)、次に、所定の操作によって「携帯電話」をパスワードとして確定し、表示部21の文字入力領域に確定状態の「携帯電話」を表示させる(図10(d)を参照)。また、携帯電話装置1は、パスワード設定時の操作手順としての変換候補中の順番を「6番目」として、パスワード「携帯電話」と共にメモリ44に保存する。
【0100】
次に、携帯電話装置1は上述のようにパスワードとその操作手順としての変換候補中の順番がメモリ44に保存された後に、パスワードの入力要求に応じてパスワードが入力されたとき、入力されたパスワードとメモリ44に保存されている情報との間で行う照合判定について具体的に説明する。
【0101】
携帯電話装置1は、パスワードの入力要求にしたがって、「けいたい」がひらがなで入力され、予測変換候補の先頭から1番目の「携帯電話」が選択された場合には(図10(e)、(f)を参照)、以下のように判定する。
パスワードは、「携帯電話」で一致するが、操作手順としての変換候補中の順番は、6番目と1番目で異なる。したがって、携帯電話装置1は、照合結果が不一致であると判定する。なお、候補順による差異を利用する場合は、変換候補中の順番が学習機能(頻繁に用いる文字列を変換候補の先頭に移動する等の機能)により変更されてしまう場合があるため、パスワードとして設定された文字列を有する変換候補については、学習機能を適用しないこととしても良い。
【0102】
携帯電話装置1は、上述した各機能(<逆トグル機能の使用による差異>、<読み情報入力桁数による差異>、<文節区切り入力による差異>、<変換操作の回数による差異>及び<候補順による差異>)の一つ又は複数を選択的に採用し、パスワードの照合判定を行う。
【0103】
<パスワードの設定時の表示態様>
また、携帯電話装置1は、パスワード設定時において、設定するパスワードをユーザに確認させるために表示部21の文字入力領域に明確に表示する構成であっても良いし、パスワードをアスタリスク等の記号に置換して表示する構成であっても良い。
【0104】
後者の場合には、携帯電話装置1は、パスワードの設定時において、例えば、ひらがなで「けいた」が入力され、予測変換候補の中から「携帯電話」が選択され(図11(a)、(b)参照)、「携帯電話」をパスワードとして確定する場合、確定した文字列の長さに応じて、他の記号に置換したものを表示部21の文字入力領域に表示させる(図11(c)参照)。
【0105】
したがって、携帯電話装置1は、パスワードが入力されている状態において、他のユーザに表示部21を目視されたとしてもパスワードが他の記号に置換されているため、パスワードの漏洩を防止でき、セキュリティを向上させることができる。
【0106】
このようにして、携帯電話装置1は、ユーザにとって覚えやすい文字列(例えば、四字熟語やことわざ等)をパスワードに設定でき、かつそのときの操作手順(<逆トグル機能の使用による差異>、<読み情報入力桁数による差異>、<文節区切り入力による差異>、<変換操作の回数による差異>及び<候補順による差異>の一つ又は複数)も記憶し、パスワードの一致性及び操作手順の一致性をパスワードの解除条件にしているので、覚えやすくかつ安全性の高いパスワードの設定を行うことができる。
【符号の説明】
【0107】
1 携帯電話装置
11 操作部
21 表示部
44 メモリ
45 制御部
46 設定部
47 選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを有する操作部と、
前記複数のキーの操作により入力された所定の文字列をパスワードとして設定する設定部と、
前記所定の文字列を前記複数のキーの操作により複数通りの押下順で入力可能な場合に、前記パスワードが設定されるときの前記複数のキーの押下順を所定の押下順として記憶する記憶部と、
前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の文字列が入力される際、操作された前記複数のキーの押下順が前記所定の押下順と同一であった場合に制限を解除し、前記所定の押下順とは異なっていた場合に制限を解除しない制御部と、
を有する電子機器。
【請求項2】
前記設定部は、前記複数のキーの操作により入力された仮名文字を変換して得られる所定の変換文字列を、前記所定の文字列として前記パスワードに設定する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記仮名文字を変換するための変換方法として、予測変換及び非予測変換のいずれかを選択する選択部と、をさらに有し、
前記選択部により選択された変換方法を用いて前記複数のキーの操作により前記所定の変換文字列が前記パスワードとして設定された場合に、
前記記憶部は、前記パスワードが設定されるときに選択された所定の変換方法を記憶し、
前記制御部は、前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の変換文字列が入力される際、当該入力で使用された変換方法が前記所定の変換方法と同一であった場合に制限を解除し、前記所定の変換方法と異なっていた場合に制限を解除しない請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記仮名文字を変換するための変換方法は、変換候補である複数の文字列を配列して表示し、
前記変換方法において配列される前記複数の文字列のうち選択された文字列により前記所定の変換文字列が前記パスワードとして設定された場合に、
前記記憶部は、前記パスワードが設定されるときに選択された文字列が前記複数の文字列のうち何番目に配列されているかの配列順番を記憶し、
前記制御部は、前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の変換文字列が入力される際、複数の文字列のうち選択された文字列が配列された順番が前記配列順番と同一であった場合に制限を解除し、前記配列順番と異なっていた場合に制限を解除しない請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項5】
複数のキーの操作により入力された所定の文字列をパスワードとして設定する設定工程と、
前記所定の文字列を前記複数のキーの操作により複数通りの押下順で入力可能な場合に、前記パスワードが設定されるときの前記複数のキーの押下順を所定の押下順として記憶する記憶工程と、
前記複数のキーの操作によりパスワードとして前記所定の文字列が入力される際、操作された前記複数のキーの押下順が前記の押下順と同一であった場合に制限を解除し、前記所定の押下順とは異なっていた場合に制限を解除しない解除工程を有する処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−38268(P2012−38268A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180598(P2010−180598)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】