説明

電子機器及び報知方法

【課題】電子機器の使用者がペンを紛失するのを防止することができる。
【解決手段】タッチペン検出部106は、タッチペンがタッチペン保持部に保持されているか否かを検出する。制御部108は、タッチペン検出部106の検出結果に応じて、報知部(例えば液晶表示装置102a、スピーカ111)に対して、タッチペンの保持状態に関する情報を報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばタッチパネルの入力に用いるペンを保持することができる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末にはペンで入力可能なタッチパネルが搭載されている。このような情報携帯端末では、ペンを用いてタッチパネルを押下することにより、文字入力や座標入力などをすることができる。このように、近年の携帯情報端末では、ペンを用いてタッチパネルを操作することにより入力を行えるので、操作性に富む。一方、タッチパネル入力用のペンは、携帯情報端末とともに持ち運ぶものであり、一般的には、携帯情報端末の筐体に収容できるように構成されている。このような例が、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2007−179502号公報
【特許文献2】特開平2001−24921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タッチパネル入力用のペンは、携帯情報端末などの電子機器の筐体に収納できるようするため、通常は細く小型であるため、紛失しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされものであり、電子機器の使用者がペンを紛失するのを防止する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、ペンを保持するペン保持部と、ペンがペン保持部に保持されているか否かを検出するペン検出部と、ペンの保持状態に関する情報を報知する報知部と、ペン検出部の検出結果に応じて、報知部に対して、ペンの保持状態に関する情報を報知させる制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる技術によれば、電子機器の使用者がペンを紛失するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを収納した状態を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを検出する構成も併せて示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末のブロック図である。
【図4】報知オンモードと報知オフモードの切り替え操作を示すフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の動作フローを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを検出する構成も併せて示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかる携帯情報端末のタッチペン検出部の動作を説明するための概念図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを検出する構成も併せて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを収納した状態を示す図である。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを検出する構成も併せて示す図である。
【0010】
図1に示されるように、携帯情報端末100は、筐体101と、表示パネル102と、操作部103a〜103dとを備えている。なお、携帯情報端末100は本発明の電子機器に相当する。電子機器には、携帯情報端末100のほか、携帯電話機、電子手帳、携帯ゲーム機などが含まれる。
【0011】
筐体101は、携帯情報端末100の電子部品(不図示)を収容するためのケースである。表示パネル102は、タッチパネル機能を有しており、液晶表示装置とタッチパネルにより構成されている。タッチパネルは液晶表示装置の表面側に取り付けられている。携帯情報端末100の使用者は、タッチペン200の先端部をタッチパネルの表面に接触させることで、当該タッチパネル内の座標を特定し、当該座標を信号として入力することができる。なお、表示パネル102には、液晶表示装置に限らず、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置などを用いてもよい。タッチペン200は本発明のペンに相当する。
【0012】
操作部103a〜103dは、携帯情報端末100の使用者が各種操作を行うためのもので、例えば押しボタンスイッチで構成され、筐体101の表面に設けられている。携帯情報端末100の使用者は、操作部103a〜103dを用いて、携帯情報端末100に対して、予め設定されたプログラムを実行させるための信号を入力することができる。また、筐体101の内側には、タッチペン200を保持するためのタッチペン保持部105が形成されている。タッチペン保持部105は、タッチペン200の形状に合わせて形成されている。図1の例では、タッチペン200は円柱状であるので、タッチペン保持部105はタッチペン200の形状に合わせて円筒状に形成されている。
【0013】
次に、図2に基づいて、タッチペン200を検出する構成として、タッチペン検出部106について説明する。図2に示されるように、タッチペン検出部106は、タッチペン200がペン保持部105に保持されているか否かを検出する。タッチペン検出部106は、スイッチ106a、タッチペン検出用制御部106b、電源106cおよび電流制御用抵抗106dを備えている。なお、タッチペン制御部106bは、後述するように、携帯情報端末の各電子部品を制御するための制御部(図2では不図示)に組み込むことができる。タッチペン制御部106bは、スイッチ106aに接続されている。また、電源部106cは電流制御用抵抗106dを介してスイッチ部106aに接続されている。
【0014】
また、タッチペン保持部105の内側には、第1の導電部107が形成されており、タッチペン200の先端部側(図1紙面の下側)には、第1の導電部107の形成位置に対応して、第2の導電部201が形成されている。なお、第1の導電部107および第2の導電部201は、例えば、銅などの導電性の金属により形成されている。タッチペン200をタッチペン保持部105に収納した結果、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されると、第1の導電部107と第2の導電部201とが電気的に接続する。この電気的な接続により、タッチパネル検出部106のスイッチ106aがオン状態となり、タッチペン検出用制御部106bに電源106cの電圧が入力される。これにより、タッチペン検出部106は、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていることを検出することができる。逆に、タッチペン200をタッチペン保持部105から取り外すと、第1の導電部107と第2の導電部201との電気的接続が切れる。この電気的接続の切断により、タッチパネル検出部106のスイッチ106aがオフ状態となり、タッチペン検出用制御部106bに電源106cの電圧が入力されなくなる。これにより、タッチペン検出部106は、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていないことを検出することができる。なお、この場合には、第1の導電部107と第2の導電部201との電気的接続が切れた際にオープンになるため、タッチペン検出用制御部106bの内部にプルダウン抵抗(不図示)を設けることにより、タッチペン検出用制御部106bでグランドレベルを判定してもよい。
【0015】
次に、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の回路構成を説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末のブロック図である。図3に示されるように、携帯情報端末100は、表示ユニット102と、操作部103と、タッチペン検出部106と、制御部108と、記憶部109と、クロック部110と、スピーカ部111と、モード切替部112とを備えている。なお、液晶表示装置102aおよびスピーカ111は、本発明の報知部に相当する。
【0016】
表示ユニット102は、前述の通り、例えば、液晶表示装置102aとタッチパネル102bを含んで構成されている。携帯情報端末100の使用者が操作部103を用いてキー操作した場合、制御部108は、キー操作があったことを認識し、例えば液晶表示装置102aやスピーカ111などを用いて、インターフェースで決定されている各種機能を作動させる。液晶表示装置102aには、制御部108の指示により各種機能の説明を表示することもできる。
【0017】
操作部103は、図1および図2の操作部103a〜103dに相当し、これらを包括的に示している。
【0018】
タッチペン検出部106は、図2を用いて説明した通りである。図3に示されるように、タッチペン検出用制御部106bは、制御部108に含まれて構成されている。
【0019】
制御部108は、各構成部品に電気的に接続されており、各構成部品に対して指示を行う。制御部108は、タッチペン検出部106の検出結果に応じて、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対して、タッチペン200の保持状態に関する情報を報知させる。具体的には、タッチペン検出部106が、タッチペン保持部105にタッチペン200が保持されていないと検出した場合に、制御部108は、報知部に対して、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていないという情報を報知させる。
この場合、例えば、液晶表示装置102bは制御部108の指示に従って「タッチペンが抜かれています」などの表示を文字や図柄を用いて行う。スピーカ111は制御部108の指示に従って「タッチペンが抜かれています」などの警告音を出力する。
【0020】
記憶部109には、例えば制御部108により設定された各種情報や、タッチペン検出部106の検出結果などを記憶させることができる。また、記憶部109には、タッチペン200がタッチペン保持部105から外された時から、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対してタッチペンの保持状態に関する情報を報知させる時までの時間(報知開始時間X)なども記憶することができる。なお、報知開始時間は、携帯情報端末100の使用者により任意に設定することができる。
【0021】
クロック部110は、制御部108の指示に従って、時間をカウントする。制御部108は、クロック部110によりカウントされた時間を管理する。スピーカ111は制御部108の指示に従って所定の音を出力する。
【0022】
モード切替部112は、報知オンモードと報知オフモードとを、制御部108に指示に従って切り替える。ここで、報知オンモードとは、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部がタッチペン200の保持状態に関する情報を報知することができる設定モードである。報知オフモードとは、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部がタッチペン200の保持状態に関する情報を報知することができない設定モードである。ここで、報知オフモードに設定された場合、使用者は、液晶表示装置102aやスピーカ11を、タッチペン200の保持状態に関する情報を報知する手段として使用することができない。一方、報知オフモードに設定された場合であっても、使用者は、液晶表示装置102aやスピーカ11を、タッチペン200の保持状態に関する情報を報知する手段以外であれば、液晶表示装置102aやスピーカ11を使用できる。なお、報知部として、液晶表示装置102aまたはスピーカ111のいずれか一方あるいは双方を機能させるのかを、制御部108により設定することができる。
【0023】
次に、モード切替部112による報知オンモードと報知オフモードの切り替え操作について、図4を用いて説明する。図4は、報知オンモードと報知オフモードの切り替え操作のフローを示す。
【0024】
図4に示されるように、携帯情報端末100の使用者により、報知オンモードに設定された場合(ステップ(以下、単にSと称する)401YES)、制御部108は記憶部109に報知オンモードの設定を保存する(S402)。一方、携帯情報端末100の使用者により、報知オフモードに設定された場合(ステップ(以下、単にSと称する)401NO)、制御部108は記憶部109に報知オフモードの設定を保存した後(S403)、モード切替作業を終了する。
【0025】
報知オンモードと報知オフモードの切替は次のように行われる。すなわち、携帯情報端末100の使用者は、例えば操作部103から所定のキー入力を行う。制御部108は、操作部103からの入力情報に従って、モード切替部112に対して、モードの切替処理を実行させる。この結果、報知オンモードまたは報知オフモードのいずれかに設定され、モード切替が完了する。なお、携帯情報端末100の工場出荷時には、報知オンモードまたは報知オフモードのいずれかに予めデフォルトとして設定されている。
【0026】
次に、報知オンモードに設定された後に、携帯情報端末100の使用者により、報知開始時間Xの設定が行われた場合(S404YES)、制御部108は、使用者により操作部等を用いて入力された報知開始時間Xを記憶部109に保存する(S405)。一方、携帯情報端末100の使用者により、報知開始時間Xの設定が行われた場合(S404NO)、制御部108はモード切替作業を終了する。なお、報知開始時間Xとは、上述の通り、タッチペン200がタッチペン保持部から外された時から、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対してタッチペンの保持状態に関する情報を報知させる時までの時間をいう。
【0027】
次に、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の動作説明を行う。図5は、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末の動作フローを示す図である。
【0028】
まず、タッチペン検出部106が、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されているか否かを検出する(S501)。一方、タッチペン検出部106が、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていると検出した場合(S501YES)、制御部108は液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対してタッチペンの保持状態に関する情報を報知させることなく、処理を終了する。
【0029】
一方、タッチペン検出部106が、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていないと検出した場合(S501NO)、制御部108は、報知オンモードに設定されているか否かを判断する(S502)。
【0030】
報知オンモードに設定され、報知開始時間Xが設定されている場合(S502YES、S503YES)、制御部108は、タイマーを用いて時間をカウントし、報知開始時間Xになるまでカウントをする(S504)。そして、制御部108は、予め設定されている報知開始時間Xを経過したときに(S504YES)、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていないことを、タッチペン200の保持状態に関する情報として、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対して報知させる(S506)。これにより、液晶表示装置102aは、タッチペンが抜かれています」などの表示を行い、スピーカ111は「タッチペンが抜かれています」などの警告音を出力する。
【0031】
報知オンモードに設定され、報知開始時間が設定されていない場合(S502YES、S503NO)、制御部108は、報知開始時間Xの経過を待つことなく、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていないことを液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対して上記同様の報知させる(S506)。
【0032】
報知オンモードに設定されていない場合(S502NO)、制御部108は液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対してタッチペンの保持状態に関する情報を報知させることなく、処理を終了する。
【0033】
タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されたことがタッチペン検出部106により検出されるまでは(S507NO)、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部は、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていないことを携帯情報端末100の使用者に報知し続ける(S506)。タッチペン検出部106が、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されたことを検出した場合(S507YES)、制御部108は、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対して、上記の報知を停止させる(S508)。
【0034】
以上のように、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末100は、タッチペン200を保持するタッチペン保持部105と、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されているか否かを検出するタッチペン検出部106と、タッチペン200の保持状態に関する情報を報知する報知部とを備えている。タッチペン200の保持状態に関する情報とは、例えば、タッチペン200がタッチペン保持部106に保持されていないことを示す情報である。報知部は、例えば、液晶表示装置102aやスピーカ111などである。制御部108は、タッチペン検出部106の検出結果に応じて、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対して、タッチペン200の保持状態に関する情報を報知させる。これにより、携帯情報端末100の使用者が誤ってタッチペン200を落とした場合でも、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部が使用者に対して、タッチペン200が保持されていない等の情報を報知するので、使用者はタッチペン200を落としたことに気づくことができる。この結果、携帯情報端末100の使用者がタッチペンを紛失するのを防止することができる。
【0035】
また、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末100において、制御部108は、タッチペン200がタッチペン保持部106から外されてから報知開始時間Xを経過した後に、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対して、タッチペンの保持状態に関する情報を報知させる。このように構成したことで、報知部は、報知開始時間Xを経過する前は動作せず、報知開始時間Xを経過した後に始めて動作し、使用者に対してタッチペン200が保持されていない等の情報を報知する。これにより、使用者は、自ら設定した報知開始時間Xに合わせて、タッチペン200が保持されていない等の情報を受けることができる。
【0036】
また、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末100は、モード切替部を用いて、報知オンモードと報知オフモードを切り替えることができる。ここで、報知オンモードとは、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部がタッチペン200の保持状態に関する情報を報知することができるモードである。報知オフモードとは、報知部がタッチペン200の保持状態に関する情報を報知することができないモードである。このように、報知オンモードと報知オフモードとを切り替えるモード切替を可能にし、報知オンモードのときのみに、液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部がタッチペン200の保持状態に関する情報を報知することができるようにしたので、タッチペン200を使ってタッチパネル102bに入力しているときなど、必要のないときに不用意に、タッチペンの保持状態に関する情報を報知させることを防止することができる。
【0037】
また、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯情報端末100において、タッチペン検出部106は、タッチペン200に設けられた第1の導電部110と、携帯情報端末100の筐体に設けられた第2の導電部201との接続の有無によって、タッチペン200がタッチペン保持部106に保持されているか否かを検出する。このように、2つの導電部を電極として用いて、タッチペン検出部106を構成したので、タッチペン検出部106を簡素な構成とすることができる。
<本発明の第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる携帯情報端末について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを検出する構成も併せて示す図である。図7は、本発明の第2の実施の形態にかかる携帯情報端末のタッチペン検出部の動作を説明するための概念図である。
【0038】
本発明の第1の実施形態にかかる携帯情報端末と、本発明の第2の実施形態にかかる携帯情報端末とは、基本的な構成は共通するが、タッチペン検出部106の具体的な構造で相違する。なお、タッチペン検出部106の回路構成は、本発明の第1の実施形態にかかる携帯情報端末と、本発明の第2の実施形態にかかる携帯情報端末とで、共通する。
【0039】
図6に示されるように、タッチペン保持部105の内側には、第1の導電部113aと第2の導電部113bからなる一対の導電部が形成されている。なお、第1の導電部113aおよび第1の導電部113bは、例えば、銅などの導電性の金属により形成されている。
【0040】
図7(a)に示されるように、タッチペン210がタッチペン保持部105に保持されていない状態では、第1の導電部113aと第2の導電部113bは互いに電気的に接続している。タッチペン210がタッチペン保持部105に保持されている状態では、第1の導電部と第2の導電部113bは互いに電気的に接続していない。このため、タッチペン210をタッチペン保持部105に収納した結果、タッチペン210がタッチペン保持部105に保持されると、第1の導電部113aと第2の導電部113bとが電気的に接続しなくなる。このため、タッチパネル検出部106のスイッチ106aがオフ状態となり、タッチペン検出用制御部106bに電源106cの電圧が入力されなくなる。これにより、タッチペン検出部106は、タッチペン210がタッチペン保持部105に保持されていることを検出することができる。逆に、タッチペン210をタッチペン保持部105から取り外すと、第1の導電部113aと第2の導電部113bとが電気的に接続される。このため、タッチパネル検出部106のスイッチ106aがオン状態となり、タッチペン検出用制御部106bに電源106cの電圧が入力される。これにより、タッチペン検出部106は、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されていないことを検出することができる。なお、この場合には、第1の導電部113aと第2の導電部113bとの電気的接続が切れた際にオープンになるため、タッチペン検出用制御部106bの内部にプルダウン抵抗(不図示)を設けることにより、タッチペン検出用制御部106bでグランドレベルを判定してもよい。
【0041】
以上の通り、本発明の第2の実施の形態にかかる携帯情報端末では、第1の導電部113aと第2の導電部113bからなる一対の導電部を備えている。第1の導電部113aと第2の導電部113bは、タッチペン210がタッチペン保持部106に保持されたときに互いに接続し、タッチペン210がタッチペン保持部106に保持されていないとき互いに接続しないように、設けられている。そして、タッチペン検出部106は、携帯情報端末に設けられた前記一対の導電部113a、113bの接続の有無によって、タッチペン210がタッチペン保持部106に保持されているか否かを検出する。このように、2つの導電部113a、113bを電極として用いて、タッチペン検出部106を構成したので、タッチペン検出部106を簡素な構成とすることができる。また、本発明の第1の実施の形態と比較して、タッチペン210に導電部を設ける必要がないので、タッチペン210をより簡素な構成にすることができる。
<本発明の第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる携帯情報端末について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態にかかる携帯情報端末の外観図であって、タッチペンを検出する構成も併せて示す図である。
【0042】
本発明の第1の実施形態にかかる携帯情報端末と、本発明の第3の実施形態にかかる携帯情報端末とは、基本的な構成は共通するが、タッチペン検出部106の具体的な構造で相違する。なお、タッチペン検出部106の回路構成は、本発明の第1の実施形態にかかる携帯情報端末と、本発明の第3の実施形態にかかる携帯情報端末とで、共通する。
【0043】
図8に示されるように、タッチペン保持部105には、ボタンスイッチ114が設けられている。ボタンスイッチ114には、アクチュエータが突出して設けられており、タッチペン220がタッチペン保持部105に保持されると、タッチペン220のペン先がアクチュエータを押圧し、スイッチ106aをオン状態にし、タッチペン検出用制御部106bに電源106cの電圧が入力されるように構成されている。これにより、タッチペン検出部106は、タッチペン200がタッチペン保持部105に保持されいることを検出することができる。逆に、タッチペン220がタッチペン保持部105から抜き出されると、タッチペン220のペン先がアクチュエータを押圧しなくなり、スイッチ106aをオフ状態にし、タッチペン検出用制御部106bに電源106cの電圧が入力されなくなる。これにより、タッチペン検出部106は、タッチペン210がタッチペン保持部105に保持されていることを検出することができる。
【0044】
以上の通り、本発明の第3の実施の形態にかかる携帯情報端末において、タッチペン検出部106は、ボタンスイッチ114で構成され、タッチペン220がタッチペン保持部105に保持されたか否かをボタンスイッチ114のオンオフにより検知する。このように、スイッチを用いて、タッチペン検出部106を構成したので、タッチペン検出部106を簡素な構成とすることができる。また、本発明の第1の実施の形態と比較して、タッチペン220に導電部を設ける必要がないので、タッチペン220をより簡素な構成にすることができる。
【0045】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述各実施の形態に対して、さまざまな変更、増減、組合せを加えてもよい。これらの変更、増減、組合せが加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
なお、携帯情報端末100は、通常動作モードと、省電力動作モードとのいずれかに切り替えて使用することができるように構成してもよい。ここで、通常動作モードとは、携帯情報端末100内の電子部品に通常の電力を供給するモードをいう。通常表示モードは、例えば、液晶表示装置102aの表示をオンとし、メニュー画面を表示した状態などという。省電力モードとは、携帯情報端末100内の電子部品に通常動作モードより抑制した電力を供給するモードである。第1〜第3の実施の形態では、制御部108は、タッチペン検出部106の検出結果に応じて、報知部液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対してタッチペンの保持状態に関する情報を報知させるものであった。これに換えて、制御部108が、タッチペン検出部106の検出結果に応じて、通常電力モード又は省電力モードに設定するように構成してもよい。例えば、タッチペンがタッチペン保持部105に保持されていない場合には、携帯情報端末100の使用者が、タッチペンを紛失しない限り、タッチペンを用いて作業を行っていることが想定される。従って、タッチペン検出部106が、タッチペンがタッチペン保持部106に保持されていないと検出したときに、省電力モードから通常電力モードに移行するように設定することが考えられる。逆に、タッチペンがタッチペン保持部105に保持されている場合には、携帯情報端末100の使用者は何も作業を行っていないことが想定される。従って、タッチペン検出部106が、タッチペンがタッチペン保持部106に保持されていると検出したときに、通常電力モードから省電力モードに移行するように設定することが考えられる。さらに、タッチペン検出部106が、タッチペンがタッチペン保持部105に保持されていないと検出したときに、タッチペンの使用に限定される特別な設定(例えば液晶表示装置102aに詳細な絵を描く設定など)に移行できるようにしてもよい。このようにタッチペン検出部の検出結果に応じてモード切替する構成にすることにより、使用者が操作部103を用いてモード切替操作する手間を省くことができる。
【0047】
また、携帯情報端末100は、タッチペン使用モードと、タッチペン不使用モードとのいずれかに切り替えて使用することができるように構成してもよい。ここで、タッチペン使用モードとは、タッチパネル102bに対して入力が可能なモードといい、タッチペン不使用モードとは、タッチパネル102bに対して入力が不可能なモードをいう。第1〜第3の実施の形態では、制御部108は、タッチペン検出部106の検出結果に応じて、報知部液晶表示装置102aやスピーカ111などの報知部に対してタッチペンの保持状態に関する情報を報知させるものであった。これに換えて、制御部108が、タッチペン検出部106の検出結果に応じて、タッチペン使用モード又はタッチペン不使用モードに設定するように構成してもよい。例えば、タッチペンがタッチペン保持部105に保持されていない場合には、携帯情報端末100の使用者が、タッチペンを紛失していない限り、タッチペンを用いて作業を行っていることが想定される。従って、タッチペン検出部106が、タッチペンがタッチペン保持部106に保持されていないと検出したときに、タッチペン不使用モードからタッチペン使用モードに移行するように設定することが考えられる。逆に、タッチペンがタッチペン保持部105に保持されている場合には、携帯情報端末100の使用者は何も作業を行っていないか、タッチペン以外で入力を行っていることが想定される。従って、タッチペン検出部106が、タッチペンがタッチペン保持部106に保持されていると検出したときに、タッチペン使用モードからタッチペン不使用モードに移行するように設定することが考えられる。このように、タッチペン検出部の検出結果に応じて、モード切替する構成にすることにより、使用者が操作部103を用いてモード切替操作する手間を省くことができる。
【0048】
なお、前記の第1、第2及び第3の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限られない。
(付記1)
ペンを保持するペン保持部と、
前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出するペン検出部と、
前記ペンの保持状態に関する情報を報知する報知部と、
前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記報知部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を報知させる制御部とを備えた電子機器。
(付記2)
前記検知部が、前記ペン保持部に前記ペンが保持されていないと検出した場合、前記制御部は、前記報知部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を報知させる付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記制御部は、前記ペンが前記ペン保持部から外されてから所定時間経過後に、前記報知部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を報知させる付記1または2に記載の電子機器。
(付記4)
前記報知部が前記ペンの保持状態に関する情報を報知することができる設定モードである報知オンモードと、前記報知部が前記ペンの保持状態に関する情報を報知することができない設定モードである報知オフモードとを切り替えるモード切替部を備えた付記1〜3のいずれかに記載の電子機器。
(付記5)
前記報知部は、スピーカ部を有し、前記制御部は、前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記スピーカ部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を音で出力させる付記1〜4のいずれかに記載の電子機器。
(付記6)
前記報知部は、文字及び図柄を表示する表示部を有し、前記制御部は、前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記表示部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を文字又は図柄で表示させる付記1〜5のいずれかに記載の電子機器。
(付記7)
前記ペン検出部は、前記ペンに設けられた導電部と、前記電子機器に設けられた導電部との接続の有無によって、前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出する付記1〜6のいずれかに記載の電子機器。
(付記8)
前記ペンが前記ペン保持部に保持されたとき互いに接続し、前記ペンが前記ペン保持部に保持されていないとき互いに接続しないように、設けられた一対の導電部を備え、
前記ペン検出部は、前記電子機器に設けられた前記一対の導電部の接続の有無によって、前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出する付記1〜7のいずれかに記載の電子機器。
(付記9)
前記ペン検出部は、スイッチで構成され、前記ペンが前記ペン保持部に保持されたか否かをスイッチのオンオフにより検知する付記1〜8のいずれかに記載の電子機器。
(付記10)
ペンが電子機器のペン保持部に保持されているか否かを検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に応じて、ペンの保持状態に関する情報を報知するステップを有する報知方法。
(付記11)
ペンを保持することができる電子機器に使用されるペン検出装置であって、
前記ペンに形成された第1の導電部と、
前記電子機器の筐体に形成された第2の導電部とを備え、
前記第1の導電部と前記第2の導電部との接続の有無によって、前記ペンが前記電子機器に保持されているか否かを検出するペン検出装置。
(付記12)
ペンを保持することができる電子機器に使用されるペン検出装置であって、
前記ペンが前記ペン保持部に保持されたとき互いに接続し、前記ペンが前記ペン保持部に保持されていないとき互いに接続しないように、設けられた一対の導電部を備え、
前記ペン検出部は、前記電子機器に設けられた前記一対の導電部の接続の有無によって、前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出するペン検出装置。
(付記13)
前記電気機器内の電子部品に通常の電力を供給する通常動作モードと、前記電気機器内の電子部品に前記通常動作モードより抑制した電力を供給する省電力動作モードとのいずれかに切り替えて使用することができる電子機器であって、
前記ペンを保持するペン保持部と、
前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出するペン検出部と、
前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記通常電力モード又は前記省電力モードに設定する制御部を備えた電子機器。
(付記14)
ペンにより入力可能なタッチパネルを有し、前記タッチパネルに対して入力が可能なモードであるペン使用モードと、前記タッチパネルに対して入力が不可能なモードであるペン不使用モードとのいずれか一方に切り替えて使用することができる電子機器であって、
ペンによりスイッチング可能なタッチパネルと、
前記ペンを保持するペン保持部と、
前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出するペン検出部と、
前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記ペン使用モード又は前記ペン不使用モードに設定する制御部を備え、
前記制御部は、前記ペン検出部が、前記ペン保持部により前記ペンが保持されていると検出した場合には、前記ペン使用モードに設定し、前期ペン保持部により前記ペンが保持されていないと検出した場合には、前記ペン不使用モードに設定する電子機器。
【符号の説明】
【0049】
100 携帯情報端末
101 筐体
102 表示ユニット
102a 液晶表示装置
102b タッチパネル
103、103a〜103d 操作部
105 タッチペン保持部
106 タッチペン検出部
108 制御部
109 記憶部
110 クロック部
111 スピーカ
112 モード切替部
200、210、220 タッチペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンを保持するペン保持部と、
前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出するペン検出部と、
前記ペンの保持状態に関する情報を報知する報知部と、
前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記報知部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を報知させる制御部とを備えた電子機器。
【請求項2】
前記検知部が、前記ペン保持部に前記ペンが保持されていないと検出した場合、前記制御部は、前記報知部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を報知させる請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記ペンが前記ペン保持部から外されてから所定時間経過後に、前記報知部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を報知させる請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記報知部が前記ペンの保持状態に関する情報を報知することができる設定モードである報知オンモードと、前記報知部が前記ペンの保持状態に関する情報を報知することができない設定モードである報知オフモードとを切り替えるモード切替部を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記報知部は、スピーカ部を有し、前記制御部は、前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記スピーカ部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を音で出力させる請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記報知部は、文字及び図柄を表示する表示部を有し、前記制御部は、前記ペン検出部の検出結果に応じて、前記表示部に対して、前記ペンの保持状態に関する情報を文字又は図柄で表示させる請求項1〜5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記ペン検出部は、前記ペンに設けられた導電部と、前記電子機器に設けられた導電部との接続の有無によって、前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出する請求項1〜6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記ペンが前記ペン保持部に保持されたとき互いに接続し、前記ペンが前記ペン保持部に保持されていないとき互いに接続しないように、設けられた一対の導電部を備え、
前記ペン検出部は、前記電子機器に設けられた前記一対の導電部の接続の有無によって、前記ペンが前記ペン保持部に保持されているか否かを検出する請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記ペン検出部は、スイッチで構成され、前記ペンが前記ペン保持部に保持されたか否かをスイッチのオンオフにより検知する請求項1〜8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項10】
ペンが電子機器のペン保持部に保持されているか否かを検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に応じて、ペンの保持状態に関する情報を報知するステップを有する報知方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate