説明

電子機器及び情報処理装置及びそれらの制御方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体

【課題】簡単な作業で、且つ、セキュリティ面でも安全に、電子機器に設定するためのパラメータを生成する。
【解決手段】無線LAN機能と撮像機能を有する電子機器用の設定パラメータを生成する際に、先ず無線LAN通信に必要とされるパラメータを入力するS2。そして、入力されたパラメータを暗号化するための秘密キーを入力するS6。この後、入力されたパラメータを秘密キーを用いてS7、暗号化して暗号化情報を生成するS8。そして、暗号化情報から2次元バーコードのイメージを生成しS9、撮像機能を利用して撮像させるために、生成したイメージを可視出力するS10、S12。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードや2次元コード等の情報コードを光学的に読み取る機能を備えた光学的情報読取装置及びそれらの情報コードの出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やデジタルカメラなどの携帯端末が高機能化し、ネットワークに接続できる端末も増えている。しかしこれらの携帯端末は操作部材が限られているため、たとえばネットワークにアクセスするためのIDやパスワードなどのパラメータを入力する作業はきわめて面倒である。また、これらのパラメータの設定に関してはある程度ネットワークの知識が必要とされるため、ネットワークの知識に乏しいユーザにとって設定そのものが困難である。
【0003】
そこで、これらパラメータをユーザが入力することなく設定する方法の1つとして、携帯端末に情報コード読み取り機能を付加することによって、これらのパラメータを情報コードに変換して出力された表示装置に対して、ユーザは携帯端末の情報コード読み取り機能を使って読み込ませることで、設定するものが考えられる。
【0004】
光学的情報読取装置のシステムパラメータを設定する方法として、これらのパラメータを情報コードの一つである2次元バーコード(QRコード)に変換したものを読み込むことで自動的に設定する技術がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−85474
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、たとえばネットワークに接続するためのパスワードなどの機密パラメータを前述の方法で読み込み装置に設定する場合、携帯端末の情報コード読み取り機能を有する携帯端末であればどの端末でも、コードを読み込むだけで機密パラメータを保持し設定することができ、セキュリティの面で問題がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、簡単な作業で、且つ、セキュリティ面でも安全に、電子機器に設定するためのパラメータを生成する技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するため、例えば本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
所定の撮像手段と、パラメータに従って処理する処理手段とを備える電子機器用の前記パラメータを作成する情報処理装置であって、
前記電子機器用のパラメータを入力する入力手段と、
該入力手段で入力されたパラメータを暗号化し、暗号化情報を生成する暗号化手段と、
該暗号化手段で得られた暗号化情報に基づき、前記電子機器の前記撮像手段で撮像するための可視画像を生成し、出力する画像出力手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な作業で、且つ、セキュリティ面でも安全に、電子機器に設定するためのパラメータを生成することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0010】
なお、実施形態では、設定情報の入力及び出力装置としてパーソナルコンピュータ(PC)、被設定装置として光学的情報コード読み込むことが可能なデジタルカメラに適用した例を説明する。
【0011】
<デジタルカメラの構成の説明>
図1は実施形態におけるデジタルカメラのブロック構成図である。デジタルカメラ100は、光学系(撮像用レンズ)10を介して被写体像を撮影するように構成されている。光学系10は、ズームレンズ(撮影画角を変更可能なレンズ)として構成されうる。これにより光学的なズーム機能(いわゆる光学ズーム)が提供されている。デジタルカメラ100は、更に、撮像素子14によって撮像される画像を電子的に切り取る(トリミング)ことによる電子的なズーム機能(いわゆる電子ズーム)を有するように構成されうる。なお、デジタルカメラ100は、光学ズーム及び電子ズームのいずれか一方の機能のみを有するように構成される場合もある。また、光学系10は、交換可能であってもよく、この場合は、デジタルカメラ100の本体側から光学系10に対して電気信号を送ることにより、光学系10内の駆動機構が変倍用のレンズを駆動してズーム機能を提供してもよいし、デジタルカメラ100の本体側に光学系10内の変倍用のレンズを機械的に駆動する駆動機構を設けてもよい。
【0012】
光学系(撮影レンズ)10を通る被写体からの光線(光学的な画角内から入射する光線)は、絞り機能を備えるシャッター12の開口を通して撮像素子(例えば、CCDセンサ、CMOSセンサ)14の撮像面に被写体の光学像を形成する。撮像素子14は、この光学像を電気的なアナログ画像信号に変換して出力する。A/D変換器16は、撮像素子14から提供されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。撮像素子14及びA/D変換器16は、タイミング発生回路18から提供されるクロック信号や制御信号によって制御される。タイミング発生回路18は、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
【0013】
画像処理回路20は、A/D変換器16から提供される画像データ(デジタル画像信号)又はメモリ制御回路22から提供される画像データに対して画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行う。また、画像処理回路20は、撮像素子14で撮像された画像データに基づいて、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光による自動調光)処理のためのデータを演算して、その演算結果をシステム制御回路50に提供する。システム制御回路50は、この演算結果に基づいて露光制御部40、測距制御部(AF制御部)42を制御し、自動露出やオートフォーカス機能を実現している。更に、画像処理回路20は、撮像素子14で撮像された画像データに基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も実行する。
【0014】
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。
【0015】
A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理回路20及びメモリ制御回路22を介して、又は、画像処理回路20を介することなくメモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0016】
画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器26によって表示用のアナログ画像信号に変換されて画像表示部28に提供され、これにより画像表示部28に撮像画像が表示される。画像表示部28に撮像画像を連続的に表示することにより、電子ファインダー機能が実現される。画像表示部28は、システム制御回路50からの指令によって任意に表示をON/OFFされうる。表示をOFFにして使用することにより、デジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0017】
メモリ30は、撮影(記録媒体に記録する画像として撮像)した静止画像や動画像を格納するために使用される。メモリ30の容量やアクセス速度(書き込み速度、読み出し速度)は、任意に決定されうるが、複数枚の静止画像を連続して撮影する連射撮影やパノラマ撮影を可能にするためには、それに応じた容量やアクセス速度を与える必要がある。メモリ30は、システム制御回路50の作業領域としても使用されうる。
【0018】
圧縮・伸長回路32は、例えば適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮・伸長する回路であり、メモリ30に格納された画像データを読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えた画像データをメモリ30に書き込むように構成されうる。
【0019】
露光制御部40は、システム制御回路50から提供される情報に基づいて、絞り機能を備えるシャッター12を制御する。露光制御部40は、フラッシュ(発光装置)48と連携したフラッシュ調光機能も有しうる。フラッシュ48は、フラッシュ調光機能及びAF補助光の投光機能を有する。
【0020】
測距制御部42は、システム制御回路50から提供される情報に基づいて、光学系10のフォーカシング用レンズを制御する。ズーム制御部44は、光学系10のズーミングを制御する。バリア制御部46は、光学系10を保護するバリア102の動作を制御する。
【0021】
表示部(例えば、LCD、LED)54、音源(例えば、スピーカ)55は、それぞれ1又は複数の素子で構成され、システム制御回路50におけるプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等により動作状態やメッセージ等を出力するように構成され、画像処理装置100の適所に配置される。表示部54を構成する一部の表示素子は、光学ファインダー104内に配置されうる。
【0022】
表示部54に表示される情報のうち、LCD等に表示される情報としては、例えば、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付け・時刻表示、撮影モード/情報コード読み取りモード表示、等がある。
【0023】
また、表示部54に表示される情報のうち、光学ファインダー104内に表示される情報としては、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、等がある。
【0024】
不揮発性メモリ56は、例えばEEPROM等の、電気的に消去・記録可能が可能なメモリである。画像データや外部機器からのオブジェクトデータは、不揮発性メモリ56に格納されてもよい。
【0025】
第1シャッタースイッチ(SW1)62は、シャッターボタン310の操作途中(半押し)でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の開始をシステム制御回路50に指示する。第2シャッタースイッチ(SW2)64は、シャッターボタン310の操作完了(全押し)でONとなり、撮像素子12から画像信号を読み出してA/D変換器16でデジタル画像データに変換した後にこれを画像処理回路20で処理してメモリ制御回路22を介してメモリ30に書き込む処理や、メモリ30から画像データを読み出して圧縮・伸長回路32で圧縮しその圧縮された画像データを記録媒体200又は210に書き込む処理を含む一連の処理(撮影)の開始をシステム制御回路50に指示する。
【0026】
ズーム操作部65は、撮影画角(ズーム倍率或いは撮影倍率)を変更するために撮影者によって操作される操作部であって、例えば、スライド式の操作部材又はレバー式の操作部材とその動作を検知するスイッチ又はセンサとによって構成されうる。
【0027】
操作部70は、図2に示すボタン又はスイッチ701〜712を含み、電源をON/OFFしたり、撮影条件を設定或いは変更したり、撮影条件を確認したり、デジタルカメラ100の状態を確認したり、撮影済みの画像を確認したりする際に、これらのボタン又はスイッチ701〜712が操作される。
【0028】
電源制御部80は、例えば、電源検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等を含み、電源の有無、電源の種類、電池残量の検出を行い、その検出結果とシステム制御回路50からの指令に従ってDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間に各ブロックに供給する。デジタルカメラ100の本体、電源86は、それぞれコネクタ82、84を有し、これによって接続される。電源86は、例えば、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池や、NiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等である。
【0029】
記録媒体200、210は、コネクタ206、216によってデジタルカメラ100の本体のコネクタ92、96に接続される。記録媒体200、210は、例えば、半導体メモリ又はハードディスク等の記録部202、212と、インターフェース204、214とを含み、デジタルカメラ100の本体側のインターフェース90、94を介してデジタルカメラ100内のバスに接続される。記録媒体着脱検知部98は、コネクタ92、96に記録媒体200、210が接続されているか否かを検知する。
【0030】
なお、この例では、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを2系統有するものとして説明されているが、これらは1系統でもよいし、3系統以上でもよい。複数系統のインターフェース及びコネクタを備える場合は、それらは互いに異なる仕様を有していてもよい。インターフェース及びコネクタとしては、例えば、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを採用しうる。
【0031】
インターフェース90及び94、並びにコネクタ92及び96としてPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを採用する場合、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHS等の通信カード、等の各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を相互に転送することができる。
【0032】
光学ファインダー104は、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用することなしに撮影を行うことを可能にする。光学ファインダー104内には、表示部54の一部を構成する表示素子、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示を行うための表示素子が配置されうる。
【0033】
デジタルカメラ100は通信回路110を有し、USB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、RS232C、無線通信等の各種通信機能を提供する。通信回路110には、デジタルカメラ100を他の機器と接続するためのコネクタ112、又は、無線通信機能を提供する際にはアンテナが接続されている。
【0034】
本実施形態では、この通信回路110は無線LAN(IEEE802・11x)インタフェースであるものとして説明する。
【0035】
図2は、デジタルカメラ100の外観構成の一例を示す図である。なお、図においては、説明のために不要な構成部分は省略されている。
【0036】
電源ボタン701は、デジタルカメラ100を起動及び停止させるため、或いは、デジタルカメラ100の主電源をON/OFFするボタンである。メニューボタン702は、各種の撮像条件の設定のため、及び、デジタルカメラ100の状態を表示させるためのメニュー(メニューは、選択可能な及び/又は値を変更可能な複数の項目を含んで構成されうる)を表示するためのボタンである。ここで、設定が可能なモード或いは項目には、例えば、撮影モード(例えば、露出の決定に関しては、プログラムモード、絞り優先モード、シャッタースピード優先モード等)、パノラマ撮影モード、情報コード読み取りモード、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード(PCは、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ)、露出補正、フラッシュ設定、単写/連写の切り替え、セルフタイマー設定、記録画質設定、日時設定、記録された画像のプロテクト等が含まれうる。例えば、メニューボタン702が押下されると、システム制御回路50は、画像表示部28にメニューを表示させる。メニューは、撮像中の画像の上に合成して表示されてもよいし、単独で表示(例えば、所定の背景色の上に表示)されてもよい。メニューが表示されている状態で再度メニューボタン702が押下されると、システム制御回路50は、画像表示部28へのメニューの表示を終了させる。
【0037】
決定ボタン703は、モード或いは項目を決定或いは選択する際に押下される。システム制御回路50は、決定ボタン703が押下されると、そのときに選択されているモード或いは項目を設定する。表示ボタン704は、撮像した画像についての撮影情報の表示・非表示を選択したり、画像表示部28を電子ファインダーとして機能させるか否かを切り替えたりするために使用される。
【0038】
左ボタン705、右ボタン706、上ボタン707、下ボタン708(方向選択キー)は、カーソル又はハイライト部等のような、複数の選択肢の中で選択されている選択肢(例えば、項目、画像)を変更するため、又は、選択されている選択肢を特定する指標の位置を変更するため、又は、数値(例えば、補正値や日時等を示す数値など)を増減させるためなどに使用されうる。ここで、左ボタン705、右ボタン706、上ボタン707、下ボタン708によって、複数の項目の中から1つの項目のみを選択する他、2つ以上の項目を選択することができるようにユーザインターフェースが構成されることが好ましい。例えば、システム制御回路50は、決定ボタン703が押下された状態で左ボタン705、右ボタン706、上ボタン707、下ボタン708が操作された場合に、その操作によって指定された2以上の項目が選択されたものと認識するように構成されうる。
【0039】
シャッターボタン710は、前述のように、例えば半押し状態で、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の開始がシステム制御回路50に指示され、全押し状態で、撮影がシステム制御回路50に指示されるように構成されうる。
【0040】
録画/再生切り替えスイッチ711は、録画モードを再生モードに、及び、再生モードを録画モードに切り替えるために使用される。
【0041】
ジャンプキー712は方向選択キーと同様の働きをし、カーソル又はハイライト部等のような、複数の選択肢の中で選択されている選択肢(例えば、項目、画像)を変更するため、又は、選択されている選択肢を特定する指標の位置を変更するために使用される。ジャンプキーによるカーソル移動は、方向選択キーによるそれに比べ早く、もしくは大きく設定してもよい。
【0042】
なお、前記のような操作系に代えて、ダイアルスイッチを採用してもよいし、他の操作系を採用することもできる。
【0043】
<パーソナルコンピュータの説明>
図3は実施形態におけるPC300のブロック構成図である。図示において、PC300は装置全体の制御を司るCPU301、BIOS及びブートプログラムを格納しているROM、CPU301のワークエリアとして使用されるRAMをはじめ以下の構成を備える。
【0044】
HDD(ハードディスクドライブ)304には、OS(オペレーティングシステム)304a、実施形態におけるデジタルカメラ設定プログラム304b、並びに、デジタルカメラ設定プログラム304bが参照するデジタルカメラDBファイル304cが予め格納されている。このデジタルカメラDBファイル304cには、設定対象となるデジタルカメラのモデル別の背面画像と、その背面に設けられた各種スイッチの座標位置等が記憶されている(詳細後述)。
【0045】
キーボード305、ポインティングデバイス(例えばまマウス(登録商標))306は文字入力や各種指示を与えるためのものである。表示制御部307はCPU301からの指令にしたがい、内蔵されたビデオメモリへの描画処理、並びにビデオメモリに格納されたイメージデータをビデオ信号として表示装置308に出力する処理を行う。表示装置308はCRTや液晶表示装置である。ネットワークインタフェース309は、PC300をネットワークに接続するためのもので、ネットワーク上に存在するプリンタへの印刷データの転送、ネットワーク上の各種サーバにアクセスことを可能にしている。
【0046】
<デジタルカメラの設定の説明>
以上、実施形態におけるデジタルカメラ100及びPC300の説明を行ったが、次に、実施形態におけるデジタルカメラ300における無線LANへの接続のための設定方法を以下に説明する。
【0047】
デジタルカメラ300を無線LAN通信機能を持たせる理由は、撮像画像をネットワーク上のファイルサーバに転送したり、ネットワーク上のプリンターにて印刷させるためである。
【0048】
ただし、無線LANに接続するためのハードウェアを有しているとしても、その通信を行う際の各種設定が必要になる。通常、IEEE 802.11シリーズの無線LANに接続するためには、その無線LANのネットワーク識別子であるESS−ID(Extended Service Set Identifier)、漏洩防止のための暗号化キーであるWep key、使用するチャネル、並びに、通信方式としてインフラストラクチャーモードもしくはアドホックモードのいずれにするか等の各種設定が必要となる。なお、暗号化技術は公知であるので、ここでの説明については省略する。
【0049】
ここで、ESS−IDやWep Keyについては、文字列を構成する個々の文字を入力する必要がある。これらを入力する手段として考えられるのは、デジタルカメラが通常有する表示パネル(液晶表示パネル)に、文字一覧を表示し、カーソルを十字キーで操作して目的の文字を選択し、次いで確定キーを操作することを繰り返すものであろう。しかし、PC300が有するフルキーボードと比較して、簡易な操作部であるため、その操作が繁雑であり、且つ、上記各パラメータの技術的な意味を知らない利用者にとっては難しい作業となる。
【0050】
そこで、本実施形態では、設定パラメータを含む2次元バーコード(QRコード)を、管理者が作成し、それをデジタルカメラの利用者が撮像することで、デジタルカメラ自身がデコードして設定するものとした。ただし、無線LAN機能を有し、且つ2次元バーコードのデコード機能を有するデジタルカメラの利用者であれば、たとえ無関係な第3者であっても無線LANに接続が可能となってしまうので、セキュリティ上の問題が発生する。そこで、この設定パラメータを一旦、秘密鍵で暗号化し、その結果の情報で2次元バーコードを作成するようにした。秘密鍵が管理者と正規な利用者のみで共有できれば、たとえ第3者が2次元バーコードを何らかの手段で入手したとしても、設定パラメータにまで暗号復号が不可能とすることができる。
【0051】
上記を実現するため、先ず、実施形態におけるPC300の処理を図7のフローチャート、並びに、図4乃至図6を用いて説明する。図7のフローチャートは、PC300のHDD304に格納されているデジタルカメラ設定プログラムの処理手順を示している。なお、当然であるが、既にOSが起動しているものとして説明する。
【0052】
先ず、管理者がこのプログラムの起動をポインティングデバイス306を用いて起動指示を与えると、ステップS1にて、図4に示す設定ウインドウ400を表示する。
【0053】
図示に示すように、ESS−ID、WEP KEY、Channel、Configの各設定項目毎の入力欄が表示される。設定項目ESS−ID、WEP KEYは文字列を入力することになるのでテキストボックスを表示し、設定項目channel、Configは予め決められた値の中から選択するためコンボボックス形式で表示するようにした。WEP KEYについては、キーボードによるキー入力結果の文字列を内部(RAM303)に保持し、のぞき見を防止するため、キー入力個数は判別できるものの、入力された個々のキーの種別判定ができないように「*」を表示するようにした。
【0054】
管理者は、各設定項目に、キーボード305或いはポインティングデバイス306を用いて設定することになる(ステップS2)。
【0055】
各項目への設定が完了したことを示すのは、図示の「次へ」ボタンをクリックすることで行う。このボタンがクリックされたと判断した場合(ステップS3)、処理はステップS4に進むことになる。なお、「キャンセル」ボタンがクリックされた場合には本処理を終了する。
【0056】
処理がステップS4に進むと、設定ウインドウ400に代えて、図5に示す秘密キー入力ウインドウ500を表示する。ここでは、先ず、コンボボックス500に対してポインティングデバイス306を操作して、設定対象のデジタルカメラの機種を入力(選択)する(ステップS5)。図示では、デジタルカメラの機種名(モデル名)として「DSC−10000 shot」が選択された状態を示している。なお、ここではコンボボックスを例にしているが、キーボードより入力しても構わない。
【0057】
このデジタルカメラの機種名の選択が行われると、該当するデジタルカメラの背面画像をHDD304に格納されているデジタルカメラDB304から検索し、それをイメージ表示領域501に表示する。このとき、背面の各種スイッチ(ボタン)の座標位置と、各スイッチに割り当てられたコードも読み込み、その座標位置で示される背面画像の各位置に所定のマークを表示する。
【0058】
なお、デジタルカメラDB304に記憶されている座標位置に該当するスイッチは、シャッターボタン、電源ボタン、並びに、スライド位置を保持するようなスイッチは除外する。シャッターボタンは特別なスイッチとするため(後述)、スライドスイッチはその状態を維持し続けるため、電源ボタンについて説明するまでもないであろう。これ以外のスイッチは、押下した際にONになり、手を放した際にOFFとなるので、通常のキーボードと同様として扱えるので、それを秘密キーの入力を行えるものとして扱う。ただし、ダイヤルが設けられているデジタルカメラの場合には、その回転方向に文字コードを割り当てれば良いであろう。
【0059】
さて、管理者は、この背面画像中に表示された所望とする各マーク位置に、ポインティングデバイス306に連動するカーソル(不図示)を移動をクリックすることで、秘密キーを入力していく(ステップS6)。この際、同じスイッチを連続してクリックしても構わないし、その順番、入力回数は問わない。ただし、何回スイッチを操作したかを判別可能とするため、欄502にはスイッチへの入力回数に応じて、所定のマーク(実施形態では「*」)を表示するようにした。
【0060】
こうして、選択されたデジタルカメラの背面画像を用いてのキー入力を終了した場合には、管理者はウインドウの下部の「次へ」ボタンをクリックすることで、秘密キー(内部的にはコード列が保持されている)の入力を確定する(ステップS7がYESとなる)。
【0061】
この後、処理はステップS8に進み、図4のウインドウで設定された各パラメータを所定形式のフォーマット(例えば、適当なデリミタで区切る一続きのデータ)にし、図5のウインドウで指定された秘密キーで暗号化を行って、暗号化情報を得る。次いで、ステップS9にて、その暗号化情報から2次元バーコードのイメージデータを作成する。そして、ステップS10に進んで、図6に示す撮影ウインドウ600を表示し、その中の画像表示領域601内に、作成した2次元バーコードを表示させる。そして、設定対象となるデジタルカメラで、この表示ウインドウを撮像(撮影)させる。また、「プリント」ボタンがクリックされた場合(ステップS11)、2次元バーコードを印刷し本処理を終了する。
【0062】
以上、実施形態におけるPC300における処理を説明した。次に、実施形態におけるデジタルカメラ100の処理を図8のフローチャートに従って説明する。なお、以下に説明する処理は、デジタルカメラ100が有する表示パネルと各スイッチの操作によるものである。
【0063】
先ず、ステップS21では、無線LANの設定が指示されたか否かを判定する。無線LANの設定の指示は、メニュー表示し、その中から選択すること行うものとする。無線LANの設定以外の指示であると判定した場合には、ステップS22に進み、対応する処理を行う(例えば通常撮影)。
【0064】
また、無線LANの設定が指示された場合には、ステップS23に進み、2次元バーコードの撮影を促すメッセージを表示パネルに表示し、ステップS24でシャッターボタン710の押下を待つ。この際に撮影するのは、PCの画面もしくは印刷物となる。ただし、撮影の際には、ストロボはOFFにし、シャッタースピードは垂直同期信号(通常のCRTでは60乃至80Hz)よりも遅くする。画面の反射光の影響を無くし、且つ、表示画面全体の像が撮影できるようにするためである。また、表示画面を撮像する場合に備えて、コントラストを高くして表示する。
【0065】
シャッターボタンが押下されると撮像を行い、ステップS25で2次バーコードのデコードを行う。そして、ステップS26にて、撮像画像中に2次元バーコードが存在しない等の理由でデコード処理が失敗したと判断した場合には、ステップS23以降を繰り返す。
【0066】
2次バーコードのデコードが成功した場合、処理はステップS27に進み、秘密キーの入力を促すメッセージを表示する。そして、秘密キー入力対象となり得る全スイッチを、本来の機能を無効にし、単にそのスイッチのONになったか否かの判定処理であるステップS28に進む。
【0067】
このステップS28では、スイッチがONになる度に、該当するコードを生成し、蓄積する処理を行う。そして、ステップS29にで、シャッターボタンが押下されたと判断しない限り、入力を継続する。
【0068】
シャッターボタンが押下されたと判断した場合(ここでは撮影はしない)、入力し蓄積されたコード列に従って、2次元バーコードのデコード結果の情報の暗号復号処理を行う(ステップS30)。この暗号復号処理で得られた情報が所定形式のデータフォーマットになっているか否かを判別することで、暗号復号が成功したか否かを判断する(ステップS31)。暗号復号が不成功であると判断した場合にはステップS12でエラー表示し、本処理を終える。また、暗号復号が成功した場合には、得られたパラメータに従って通信部110の無線LANに関する設定を行い、その設定内容を記憶保持するため不揮発性メモリ56に登録する(次回、起動した際には、この登録内容で無線LANの構成を初期化する)。
【0069】
以上説明したように本実施形態によれば、PC上で作成した設定パラメータを暗号化し、その結果を2次元バーコード形式にして表示もしくはプリント出力することにより、設定パラメータが漏洩することを防ぐことが可能となる。また、デジタルカメラ側の操作は、通常の文字の入力操作と異なり、操作部に設けられたスイッチやボタンの押下順序に注意して入力操作を行え、設定が完了するので、操作が簡便なり、且つ、設定パラメータに対する技術的知識がなくても無線LANの設定が行えるようになる。
【0070】
また、実施形態によると、暗号化の秘密キーの入力は、設定対象である実際のデジタルカメラの画像(実施形態では背面のみとしたが、上部に設けられたスイッチを利用するために斜視図の画像でも良い)を利用して行えるので、暗号復号する際の秘密キーの操作に支障を来すこともない。
【0071】
なお、実施形態では、2次元バーコードによる設定を例にして説明したが、無線LANに対する技術知識が十分にある利用者用に、通常の文字入力か2次元バーコードの撮影かを選択させるようにしても良い。
【0072】
また、デジタルカメラDB304cに格納されているデジタルカメラの機種別のスイッチの位置とコードの関係において、「コード」はデジタルカメラの機種毎に重複することがないようにすることが望ましい。理由は、同一メーカの場合である場合、異なる機種でも背面の操作スイッチの並びは同じか、似通ったものとなる傾向があるからである。すなわち、選択したデジタルカメラと同一機種以外では暗号復号を成功させないようにことができる。
【0073】
また、図4で設定したパラメータをファイルとして保存し、次回、それを利用するようにしても良い。このようにすると、別機種の2次元バーコードを作成する際に、そのファイルを読み込み、後はその別機種名を設定し秘密キーを入力すれば良いので、管理者の操作を簡便なものとすることができる。
【0074】
また、実施形態では、デジタルカメラの無線LANの設定ついて説明したが、設定する対象は無線LANに限らないし、対象装置は撮像手段を備える或いは撮像手段を接続可能な装置であれば良いので、デジタルカメラに限定されるものではない。要するに、情報漏洩を防ぐ必要のある情報を、該当する装置で撮像し、設定する場合に適用可能である。
【0075】
さらにまた、実施形態で説明したように、本実施形態の主要な処理はPC300にインストールされたプログラムにあるので、当然、このようなプログラムも本願発明の範疇にある。そして、通常、コンピュータプログラムはCD−ROM等のコンピュータ可読記憶媒体をコンピュータにセットし、システムにコピーもしくはインストールすることで実行可能になるわけであるから、当然、このようなコンピュータ可読記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施形態におけるデジタルカメラのブロック構成図である。
【図2】実施形態におけるデジタルカメラの背面斜視図である。
【図3】実施形態におけるパーソナルコンピュータのブロック構成図である。
【図4】実施形態におけるパーソナルコンピュータに表示される表示ウインドウを示す図である。
【図5】実施形態におけるパーソナルコンピュータに表示される表示ウインドウを示す図である。
【図6】実施形態におけるパーソナルコンピュータに表示される表示ウインドウを示す図である。
【図7】実施形態におけるPCでの設定プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施形態におけるデジタルカメラの処理手順を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮像手段と、パラメータに従って処理する処理手段とを備える電子機器用の前記パラメータを作成する情報処理装置であって、
前記電子機器用のパラメータを入力する入力手段と、
該入力手段で入力されたパラメータを暗号化し、暗号化情報を生成する暗号化手段と、
該暗号化手段で得られた暗号化情報に基づき、前記電子機器の前記撮像手段で撮像するための可視画像を生成し、出力する画像出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
更に、設定対象と成り得る各電子機器の、当該電子機器が有する各操作スイッチを含む画像と、各操作スイッチの位置情報、及び、各スイッチに対応するコードを記憶する電子機器情報記憶手段と、
設定対象となる電子機器を選択する選択手段と、
選択された電子機器に対応する画像と、前記位置情報、並びに、コード情報を、前記電子機器情報記憶手段から取得し、表示する表示手段と、
表示された画像中のスイッチを示す位置を指示する毎に対応するコードを生成するコード列生成手段とを備え、
前記暗号化手段は、前記コード列生成手段で生成されたコード列を秘密キーとして暗号化することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像出力手段は、前記暗号化情報から2次元バーコードを生成し、出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像出力手段は、表示出力、印刷出力のいずれかを選択可能とすることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記電子機機器は無線LAN機能を搭載した撮像装置であって、前記設定パラメータは無線LANの通信パラメータであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定の撮像手段と、パラメータに従って処理する処理手段とを備える電子機器用の前記パラメータを作成する情報処理装置の制御方法であって、
前記電子機器用のパラメータを入力する入力工程と、
該入力工程で入力されたパラメータを暗号化し、暗号化情報を生成する暗号化工程と、
該暗号化工程で得られた暗号化情報に基づき、前記電子機器の前記撮像手段で撮像するための可視画像を生成し、出力する画像出力工程と
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
所定の撮像手段と、パラメータに従って処理する処理手段とを備える電子機器用の前記パラメータを作成する情報処理装置として機能するコンピュータプログラムであって、
前記電子機器用のパラメータを入力する入力手段と、
該入力手段で入力されたパラメータを暗号化し、暗号化情報を生成する暗号化手段と、
該暗号化手段で得られた暗号化情報に基づき、前記電子機器の前記撮像手段で撮像するための可視画像を生成し、出力する画像出力手段
として機能することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
撮像部と簡易的な操作部を有すると共に、設定されたパラメータに従って処理を行う電子機器であって、
前記パラメータの設定を指示する指示手段と、
該指示手段で指示された場合、前記撮像部によって、暗号化情報が含まれた所定形式の画像を撮像し、撮像画像を取得する画像取得手段と、
取得した画像をデコードして、前記暗号化情報を生成する生成手段と、
生成された暗号化情報を、前記操作部による操作順に従って生成された情報を秘密キーにして暗号復号する暗号復号手段と、
該暗号復号手段によって所定の形式のデータが生成された場合、生成されたデータを前記パラメータとして設定する設定手段と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
更に、無線LAN通信手段を有し、
前記パラメータは前記無線LAN通信手段の通信パラメータであることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
更に、無線LAN通信手段を有し、
前記パラメータは前記無線LAN通信手段の通信パラメータであることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
撮像部と簡易的な操作部を有すると共に、設定されたパラメータに従って処理を行う電子機器の制御方法であって、
前記パラメータの設定を指示する指示工程と、
該指示工程で指示された場合、前記撮像部によって、暗号化情報が含まれた所定形式の画像を撮像し、撮像画像を取得する画像取得工程と、
取得した画像をデコードして、前記暗号化情報を生成する生成工程と、
生成された暗号化情報を、前記操作部による操作順に従って生成された情報を秘密キーにして暗号復号する暗号復号工程と、
該暗号復号手段によって所定の形式のデータが生成された場合、生成されたデータを前記パラメータとして設定する設定工程と
を備えることを特徴とする電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−121185(P2006−121185A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−304344(P2004−304344)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】