電子機器及び電子時計
【課題】衛星信号を受信可能な衛星数を把握できる電子機器及び電子時計を提供すること。
【解決手段】電子機器(腕時計1)は、所定の情報を表示する表示手段2と、位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段6と、表示手段2を制御する制御手段7とを有する。この制御手段7は、受信手段6により捕捉された位置情報衛星のうち、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部76と、表示衛星数を表示手段2に表示させる表示制御部77とを有する。
【解決手段】電子機器(腕時計1)は、所定の情報を表示する表示手段2と、位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段6と、表示手段2を制御する制御手段7とを有する。この制御手段7は、受信手段6により捕捉された位置情報衛星のうち、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部76と、表示衛星数を表示手段2に表示させる表示制御部77とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS衛星等の位置情報衛星から衛星信号を受信する電子機器及び電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
自己位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)システムでは、地球を周回するGPS衛星が用いられている。これらGPS衛星には、原子時計が設けられており、当該GPS衛星は、極めて正確な時刻情報(GPS時刻、衛星時刻情報)を有している。
このため、GPS衛星から衛星信号(航法メッセージ)を受信して、当該衛星信号に含まれる時刻情報を取得し、当該時刻情報に基づいて内部時刻を修正する時刻修正時計が提案されている。
【0003】
ここで、GPS衛星から衛星信号を受信する場合、受信装置の場所によって衛星信号の受信レベルが変化する。このため、受信状態が良好な場所であるか否かを判断するために、使用者が当該受信レベルを把握できることが好ましい。
このような受信レベルを表示する装置として、各GPS衛星の受信レベルを棒グラフ状に表示するカーナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−073650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の構成では、各GPS衛星の受信レベルをそれぞれ表示するため、GPSの仕組みを理解している人では衛星信号の受信状況を把握できる。しかしながら、一般的な使用者では当該受信状況を把握しづらいという問題がある。このため、一般的な使用者であっても、受信状態を簡易に把握できる構成が要望されていた。
【0006】
本発明の目的は、衛星信号を受信可能な衛星数を把握できる電子機器及び電子時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明の電子機器は、所定の情報を表示する表示手段と、位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、前記表示手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として衛星計数部により計数された表示衛星数が、表示手段に表示される。これによれば、捕捉された位置情報衛星ごとに、受信される衛星信号の信号強度(受信レベル)がそれぞれ表示される場合に比べ、当該衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。
また、このような構成によれば、それぞれの位置情報衛星の受信強度をそれぞれ表示する必要がないので、情報の表示形式及び表示領域が限られた腕時計等の携帯型電子機器においても、表示衛星数を表示できる。
【0009】
本発明では、前記制御手段は、時刻を計時する計時部と、前記受信手段により1機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、前記計時部により計時されている時刻の修正を実施する第1時刻修正部と、前記受信手段により3機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報に基づいて、前記第1時刻修正部より高精度な前記時刻の修正を実施する第2時刻修正部とを有し、前記衛星計数部は、前記第1時刻修正部が機能する場合と、前記第2時刻修正部が機能する場合とで、前記表示衛星数の計数方法を切り替えることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、衛星計数部は、1機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信させる第1時刻修正部が機能する場合と、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信させる第2時刻修正部が機能する場合とで、表示衛星数の計数方法を切り替える。これによれば、それぞれの時刻修正部による時刻修正に必要な位置情報衛星の数を適切に計数でき、これにより、より正確な表示衛星数を計数できる。従って、表示された表示衛星数を確認することで、使用者が第1時刻修正部及び第2時刻修正部による時刻修正が適切に行われるか否かを把握できる。
【0011】
本発明では、前記制御手段は、前記位置情報と、当該位置情報により示される地域での標準時に対する時差とが関連付けられた記憶部を有し、前記第2時刻修正部は、前記位置情報に基づいて前記記憶部から取得される時差と前記時刻情報とに基づいて、前記時刻の修正を実施することが好ましい。
【0012】
本発明によれば、第2時刻修正部は、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信させ、当該衛星信号に基づいて現在位置を特定する。そして、当該第2時刻修正部は、現在位置での標準時に対する時差を記憶部から取得し、当該時差と衛星信号から取得された時刻情報とに基づいて、計時部により計時されている時刻を修正する。これによれば、時差が異なる地域を移動する場合でも、計時部により計時されている時刻を、電子機器が位置する地域に応じて確実に修正できる。従って、電子機器の利便性を向上できる。
【0013】
本発明では、前記第1時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0であると、前記表示衛星数を0とし、前記捕捉衛星数が1以上であると、前記表示衛星数を1とすることが好ましい。
【0014】
ここで、第1時刻修正部が機能する場合、使用者は、衛星信号を受信可能な位置情報衛星が0機であるのか、1機以上であるのかを把握できれば、時刻修正を実施できるか否かを把握できる。
このため、本発明では、衛星計数部が、捕捉衛星数が0であると表示衛星数を0とし、当該捕捉衛星数が1以上であると表示衛星数を1とする。これによれば、当該表示衛星数が表示されることで、使用者は、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。
【0015】
本発明では、前記第2時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0以上3以下であると、当該捕捉衛星数に応じた数を前記表示衛星数とし、前記捕捉衛星数が4以上であると、前記表示衛星数を4とすることが好ましい。
【0016】
ここで、第2時刻修正部が機能する場合、使用者は、衛星信号を受信可能な位置情報衛星が3機未満であるのか、3機以上であるのかを把握できれば、当該時刻の修正を実施できるか否かを把握できる。また、より適切に時刻の修正を行うためには、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要があるが、当該衛星信号を受信可能な位置情報衛星が4機以上ある場合、表示衛星数が4以上であることを把握できれば、使用者は、当該時刻の修正を実施できることを把握できる。
このため、本発明では、衛星計数部が、捕捉衛星数が0以上3以下であれば、当該捕捉衛星数に応じた数を表示衛星数とし、捕捉衛星数が4以上であれば表示衛星数を4とする。これによれば、前述の第1時刻修正部が機能する場合と同様に、表示衛星数が簡略化して表示されるので、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。
【0017】
或いは、本発明では、前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信される前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、前記所定の閾値は、前記第1時刻修正部が機能する場合より、前記第2時刻修正部が機能する場合の方が高いことが好ましい。
【0018】
ここで、捕捉された位置情報衛星には、受信される衛星信号の信号強度が低く、ノイズ等の影響により衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星も含まれる場合がある。
これに対し、本発明では、衛星計数部は、信号強度が所定の閾値以上の衛星信号が受信される位置情報衛星の数を表示衛星数として計数し、表示制御部が、当該表示衛星数を表示させる。これによれば、有効な衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより適切に表示できる。従って、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
【0019】
また、第1時刻修正部が機能する場合の閾値より、第2時刻修正部が機能する場合の閾値の方が高い。これは、第1時刻修正部が機能する場合には、1機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信できればよいので、衛星信号を適切に受信できる確率が高いが、第2時刻修正部が機能する場合には、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要があり、衛星信号を適切に受信できる確率が前者の場合より下がるので、表示衛星数の計数に際して、信号強度をより厳密に判定する必要があるためである。このため、第1時刻修正部が機能する場合の閾値に比べ、第2時刻修正部が機能する場合の閾値を高く設定し、表示衛星数の計数方法を厳しくすることにより、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより正確に表示でき、第2時刻修正部による時刻の修正を適切に行えるか否かを、使用者がより適切に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
【0020】
或いは、本発明では、前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信された前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数に応じて調整されることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、前述のように、受信された衛星信号の信号強度と比較される閾値を設定し、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星を計数しないことで、衛星信号を適切に受信可能な位置情報衛星をより正確に計数でき、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
また、当該閾値は、捕捉された位置情報衛星の数に応じて調整される。これによれば、例えば、電子機器の機能(例えば、前述の時刻修正)に必要な数の位置情報衛星が捕捉された際に、衛星信号を適切に受信可能な位置情報衛星の計数条件が厳しくなるように閾値を調整することで、当該必要な数の位置情報衛星から衛星信号を確実に受信できるか否かを判定できるようになる。従って、当該計数条件に合わせて計数された表示衛星数が表示されることで、電子機器の機能が適切に実施可能か否かを把握できる。
【0022】
本発明では、前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が0以上3以下である場合より、当該位置情報衛星の数が4以上である場合の方が高いことが好ましい。
ここで、前述のように、第2時刻修正部を有する電子機器では、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要があり、現在位置をより高精度に算出するためには、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要がある。しかしながら、捕捉された位置情報衛星の中には、信号強度が低い等、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星が含まれる場合がある。このため、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する場合には、信号強度が比較的高い衛星信号を位置情報衛星から受信する必要がある。
これに対し、本発明では、捕捉された位置情報衛星の数が4以上の場合には、0以上3以下の場合に比べて閾値が高く設定される。これによれば、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を適切に受信可能か否かを正確に判定できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより適切に把握できる。
【0023】
或いは、本発明では、前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合の方が、当該範囲外の場合より高いことが好ましい。
本発明によれば、捕捉された位置情報衛星の数が上記範囲内の場合に、当該範囲外の場合に比べて、各位置情報衛星から衛星信号を適切に受信可能か否かを正確に判定できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより正確に把握できる。
【0024】
或いは、本発明では、前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数から所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数することが好ましい。
ここで、前述のように、捕捉された位置情報衛星には、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星が含まれる場合がある。このため、当該位置情報衛星が存在することを想定し、衛星計数部は、捕捉された位置情報衛星の数から所定値減算した数を表示衛星数とする。これによれば、衛星信号を適切に受信できないと想定される位置情報衛星の数を減算することにより、衛星信号を適切に受信できる確率の高い衛星数を表示衛星数として簡易に計数できる。従って、衛星計数部は、複雑な計数処理を実施しなくてもよいので、当該衛星計数部の処理負担を軽減でき、消費電力を低減できる。
【0025】
本発明では、前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合に、当該位置情報衛星の数から前記所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数することが好ましい。
本発明によれば、閾値を設定する前述の場合と同様に、捕捉された位置情報衛星の数が上記範囲内の場合に、当該範囲外の場合に比べて、各位置情報衛星から衛星信号を適切に受信可能か否かを正確に判定できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより正確に把握できる。
【0026】
本発明では、前記整数値は5であることが好ましい。
ここで、位置情報衛星から衛星信号を受信し、当該衛星信号から位置情報を取得して現在位置を算出するためには、3機以上の位置情報衛星から当該位置情報を取得する必要がある。また、高度を加えた現在位置を算出するためには、4機以上の位置情報衛星から位置情報を取得する必要がある。しかしながら、前述のように、衛星信号の受信強度が低かったり、ノイズの影響を受ける場合があるため、捕捉された位置情報衛星の数が3及び4であっても、各位置情報衛星から衛星信号を適切に受信できるとは限らない。一方、捕捉された位置情報衛星の数が十分に多い場合(例えば6以上)には、3機又は4機の位置情報衛星から衛星信号を適切に受信できる確率が高い。
【0027】
このため、本発明では、捕捉された位置情報衛星に、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星が含まれることを考慮して、捕捉された位置情報衛星の数が4以上5以下の場合に、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数の計数条件を厳しくする。これによれば、現在位置の算出に際して必要な数の位置情報衛星から衛星信号を適切に受信できるか否かを、より正確に評価できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより一層正確に把握できる。
【0028】
また、本発明の電子時計は、時刻情報を含む衛星信号を位置情報衛星から受信し、当該時刻情報に基づいて時刻を修正する電子時計であって、所定の情報を表示する表示手段と、前記位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から前記衛星信号を受信する受信手段と、前記表示手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、前述の電子機器と同様の効果を奏することができ、表示領域の限られた電子時計においても、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数を、使用者が簡易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る腕時計の構成及び使用態様を示す模式図。
【図2】前記第1実施形態における腕時計の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記第1実施形態における腕時計の機能を示すブロック図。
【図4】前記第1実施形態における捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図5】前記第1実施形態における時刻修正処理を示すフローチャート。
【図6】前記第1実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図8】前記第2実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図10】前記第3実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の第4実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図12】前記第4実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図13】本発明の第5実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図14】前記第5実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る腕時計1の構成及び使用態様を示す模式図である。
本実施形態に係る腕時計1は、GPS時刻修正機能付き電子時計である。すなわち、腕時計1は、図1に示すように、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星SLから、時刻情報及び位置情報を含む衛星信号(GPS信号)を受信し、当該時刻情報及び位置情報に基づいて、内部で計時している内部時刻情報を修正したり、現在位置を表示する電子機器である。
なお、GPS衛星SLは、本発明における位置情報衛星の一例であり、図1においては4機のGPS衛星SLを図示している。しかしながら、現在は約30個のGPS衛星SLが周回しており、屋外であれば常時8〜11機のGPS衛星SLからの衛星信号の受信が可能である。
【0031】
このような腕時計1は、表示手段2及び操作手段3を備える。
表示手段2は、腕時計1の各種情報を表示する。この表示手段2は、文字板21及び指針22と、当該指針22を駆動させるステップモーター(図示省略)と、当該文字板21の一部に形成された開口部から露出するディスプレイ23とを有する。
文字板21及び指針22は、例えば、内部時刻情報により示される時刻を表示する。これらのうち、指針22は、秒針、分針及び時針を備えて構成され、これら各針は、ステップモーターにより歯車を介して駆動される。
ディスプレイ23は、本実施形態では液晶パネルにより構成され、後述する制御手段7の制御の下、前述の衛星信号に含まれる位置情報に基づいて算出された現在位置や、所定のメッセージを表示する。
操作手段3は、ボタン31及びリュウズ32を有し、これらボタン31及びリュウズ32が操作されることにより、腕時計1は、多様な機能を実行する。
【0032】
[腕時計の回路構成]
図2は、腕時計1の回路構成を示すブロック図である。
腕時計1は、前述の表示手段2及び操作手段3の他、図2に示すように、電源手段4、発電手段5、受信手段6及び制御手段7を有し、これらはバスにより互いに接続されている。
電源手段4は、二次電池(以下、電池と略す場合がある)を備えて構成されている。
発電手段5は、詳しい図示を省略するが、文字板21の表面側又は裏面側に配置されるソーラーパネルを備え、当該ソーラーパネルに光が入射されることで発生した電力を電源手段4に供給して、当該電源手段4の電池を充電する。
【0033】
受信手段6は、腕時計1の内部に設けられたアンテナATを有し、後述する制御手段7の制御の下、当該アンテナATを介して衛星信号を受信し、当該衛星信号から時刻情報及び位置情報等を取得するモジュールである。
なお、アンテナATは、本実施形態では、複数のGPS衛星SLからの衛星信号を受信可能なパッチアンテナにより構成されているが、これに限らず、フィルムアンテナ等の他の構成のアンテナを採用してもよい。
【0034】
[制御手段の構成]
図3は、制御手段7の機能を示すブロック図である。
制御手段7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の回路素子が実装された回路基板として構成されており、腕時計1の動作を制御する。この制御手段7は、図3に示すように、ROM及びRAMにより構成される記憶部71を有する他、CPUが当該ROMに記録されたプログラム等を実行することにより、計時部72、条件判定部73、第1時刻修正部74、第2時刻修正部75、衛星計数部76及び表示制御部77として示される各機能を実現する。
【0035】
記憶部71は、制御手段7による腕時計1の動作制御に必要な各種プログラム及びデータを記憶している。このようなプログラムとして、記憶部71は、第1時刻修正部74及び第2時刻修正部75による時刻修正のための時刻修正プログラムを記憶している。また、記憶部71は、当該時刻修正に要するデータとして、位置情報と、タイムゾーンとが関連付けられたテーブルを記憶している。このタイムゾーンは、緯度及び経度に応じて世界地図を複数の地域に区分したものであり、当該各ブロックには標準時に対する時差が設定されている。このため、当該テーブルから、位置情報により特定される地域での標準時に対する時差を取得できる。
【0036】
計時部72は、前述の記憶部71を利用して、時刻(以下、内部時刻という場合がある)を計時する。このため、当該記憶部71には、内部時刻を示す内部時刻情報が記憶される。
条件判定部73は、操作手段3に対して使用者による操作が行われたか否かを判定する。そして、使用者による操作が行われたと判定した際には、条件判定部73は、当該操作が測時モードでの時刻修正を行うための操作であるのか、測位モードでの時刻修正を行うための操作であるのかを判定する。
【0037】
この条件判定部73により、測時モードでの時刻修正を行う操作であると判定された場合には、第1時刻修正部74が機能する。
ここで、測時モードとは、少なくとも1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信し、当該衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、内部時刻を修正するモードである。
このため、第1時刻修正部74は、まず、受信手段6を制御して、当該受信手段6に少なくとも1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信させる。そして、当該第1時刻修正部74は、当該衛星信号に含まれる時刻情報(例えば、Zカウントデータ)に基づいて、内部時刻を修正する。
【0038】
一方、条件判定部73により、測位モードでの時刻修正を行う操作であると判定された場合には、第2時刻修正部75が機能する。
ここで、測位モードとは、3機以上(好ましくは4機以上)のGPS衛星SLから衛星信号を受信し、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報に基づいて、内部時刻を修正するモードであり、前述の測時モードよりも高精度な時刻修正を行うことができるモードである。
【0039】
このため、第2時刻修正部75は、まず、受信手段6を制御して、当該受信手段6に3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信させる。そして、当該第2時刻修正部75は、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて現在位置を算出する。この後、第2時刻修正部75は、前述の記憶部71を参照して、現在位置に応じた地域での標準時に対する時差を取得し、取得された時差及び時刻情報に基づいて内部時刻を修正する。
【0040】
衛星計数部76は、第1時刻修正部74又は第2時刻修正部75が機能する際に、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLのうち、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数を計数する。この際、衛星計数部76は、前述の第1時刻修正部74が機能する場合と、第2時刻修正部75が機能する場合とで、当該表示衛星数の計数方法を切り替える。
【0041】
具体的に、第1時刻修正部74が機能する場合で、かつ、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLの数(以下、補足衛星数という場合がある)が0である場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を0とする。また、第1時刻修正部74が機能する場合で、捕捉衛星数が1以上である場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を1とする。
これは、測時モードでの時刻修正の場合には、1機以上のGPS衛星SLからの衛星信号を受信できれば、当該時刻修正を実施可能であるためであり、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数が0か1かを使用者が把握できれば、測時モードでの時刻修正を実行可能な環境に腕時計1があることを使用者が容易に認識できるためである。
【0042】
一方、第2時刻修正部75が機能する場合で、かつ、捕捉衛星数が0以上3以下である場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を当該捕捉衛星数に応じた値(すなわち、0、1、2又は3)とする。また、第2時刻修正部75が機能する場合で、捕捉衛星数が4以上の場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を4とする。
これは、第2時刻修正部75が機能する場合には、3機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信が必要であるためであり、測位モードでの時刻修正を実行可能な環境に腕時計1があるか否かを使用者が把握できるようにするためである。
また、捕捉衛星数が4機以上であっても表示衛星数を4機とするのは、4機のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できれば、より詳細な現在位置の取得及び時刻の修正を実行可能であるので、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLが4機であることを把握できれば、使用者が測位モードでの時刻修正を適切に実行可能な環境に腕時計1があることを認識できるためである。
【0043】
図4は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。なお、図4においては、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLからの衛星信号の信号強度を3種類の点線と、一点鎖線と、二点鎖線とにより示しているが、これらの線が途切れている期間は、対応するGPS衛星SLから衛星信号を受信できなかった期間を示している。以下の図7、図9、図11及び図13においても同様である。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図4に示す期間t1では、捕捉衛星数は4である。このため、衛星計数部76は、測時モード(第1時刻修正部74が機能する場合)では表示衛星数を1とし、測位モード(第2時刻修正部75が機能する場合)では表示衛星数を4とする。
【0044】
期間t2及び期間t3では、捕捉衛星数はそれぞれ0及び1である。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードのそれぞれの場合で表示衛星数をそれぞれ0及び1とする。
期間t4では、捕捉衛星数は2である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を2とする。
期間t5では、捕捉衛星数は3である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を3とする。
期間t6及び期間t7では、捕捉衛星数はそれぞれ5である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を4とする。
期間t8では、捕捉衛星数は3である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を3とする。
このように、衛星計数部76は、時刻修正のモードに応じて表示衛星数の計数方法を切り替える。
【0045】
表示制御部77は、表示手段2を制御して、内部時刻を表示させる。この他、表示制御部77は、操作手段3に対する使用者の操作に応じて、前述の測時モード又は測位モードでの時刻修正が行われる際に、衛星計数部76により計数された表示衛星数を表示手段2に表示させる。
このような表示手段2による表示衛星数の表示は、本実施形態では、指針22を構成する秒針により行われる。このため、例えば、表示衛星数が0である場合には、当該秒針は「0時(12時)」の位置を示し、表示衛星数が4である場合には、当該秒針は「4時」の位置を示す。前述のように、屋外であれば8〜11機のGPS衛星SLからの衛星信号を受信可能であるため、このような秒針による表示衛星数の表示を問題なく実施できる。
【0046】
なお、このような秒針を用いた表示衛星数の表示に限らず、ディスプレイ23による表示を行ってもよい。この場合、時刻修正のモードも合わせて表示すれば、使用者が現在のモード及び受信状態をより把握しやすくすることができる。この他、表示手段2が小時計を有する場合には、当該小時計による表示を行ってもよい。
更に、表示制御部77は、衛星信号を適切に受信できなかった場合等、時刻修正を実施できなかった場合には、ディスプレイ23により、時刻修正に失敗した旨のメッセージを表示させる。
【0047】
[時刻修正処理]
図5は、制御手段7により実行される時刻修正処理を示すフローチャートである。
腕時計1は、時刻を修正するための操作が操作手段3に対して行われると、図5に示す時刻修正処理を実行する。
この時刻修正処理では、まず、条件判定部73が、当該使用者の操作に基づいて、時刻修正のモードを取得する(ステップSA1)。すなわち、条件判定部73は、当該操作が測時モードでの時刻修正を行う第1時刻修正部74を機能させる操作であるのか、測位モードでの時刻修正を実行う第2時刻修正部75を機能させる操作であるのかを判定し、この判定結果に基づいて、第1時刻修正部74及び第2時刻修正部75のいずれかを機能させる。
【0048】
このステップSA1で取得されたモードに応じた時刻修正部(第1時刻修正部74又は第2時刻修正部75)は、受信手段6を制御して、GPS衛星SLを捕捉させる(ステップSA2)。
この後、衛星計数部76が、捕捉衛星数を算出し(ステップSA3)、衛星計数処理SBを実行する。
【0049】
図6は、衛星計数処理SBを示すフローチャートである。
図6に示すように、衛星計数処理SBでは、衛星計数部76は、実行されているモードが測時モードであるか否か、すなわち、第1時刻修正部74が機能しているか否かを判定する(ステップSB1)。
ここで、当該モードが測時モードである(第1時刻修正部74が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、ステップSA3で算出された捕捉衛星数が0であるか否かを判定する(ステップSB2)。
そして、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0であると判定すると、表示衛星数を0とし(ステップSB3)、捕捉衛星数が0でない(1以上である)と判定すると、表示衛星数を1とする(ステップSB4)。この後、衛星計数部76は、衛星計数処理SBを終了する。
【0050】
一方、ステップSB1での判定処理にて、実行されているモードが測位モードである(第2時刻修正部75が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0以上3以下であるか否かを判定する(ステップSB5)。
そして、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0以上3以下であると判定すると、表示衛星数を捕捉衛星数とし(ステップSB6)、捕捉衛星数が0以上3以下でない(4以上である)と判定すると、表示衛星数を4とする(ステップSB7)。この後、衛星計数部76は、衛星計数処理SBを終了する。
【0051】
図5に戻り、衛星計数処理SBが終了すると、表示制御部77が、設定された表示衛星数を表示手段2に表示させる(ステップSA4)。
そして、ステップSA1で取得されたモードに応じた時刻修正部が、衛星信号の受信を完了できたか否かを判定する(ステップSA5)。具体的に、第1時刻修正部74が機能している場合には、当該第1時刻修正部74が、1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できたか否かを判定し、また、第2時刻修正部75が機能している場合には、当該第2時刻修正部75が3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できたか否かを判定する。
【0052】
ここで、衛星信号の受信を完了できなかったと判定された場合には、表示制御部77が、衛星信号を受信できなかった旨のメッセージを表示手段2に表示させる(ステップSA6)。なお、当該メッセージは、ディスプレイ23により表示されてもよく、指針22が所定の位置を示すことにより表示するように構成してもよい。
一方、衛星信号の受信が完了できたと判定された場合には、時刻修正部が内部時刻を修正する(ステップSA7)。すなわち、第1時刻修正部74が機能している場合には、受信された衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて内部時刻を修正する。また、第2時刻修正部75が機能している場合には、衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報、並びに、当該位置情報に応じた現在位置での標準時に対する時差に基づいて内部時刻を修正する。
これらステップSA6又はステップSA7の終了の後、制御手段7は、時刻修正処理を終了する。
【0053】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る腕時計1によれば、以下の効果を奏することができる。
衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として衛星計数部76により計数された表示衛星数が、表示制御部77及び表示手段2により表示される。これによれば、捕捉されたGPS衛星SLごとに衛星信号の信号強度をそれぞれ表示する場合に比べ、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態を簡易に把握できる。
また、表示衛星数は、指針22により表示されるので、情報の表示形式及び表示領域が限られた腕時計1においても、表示衛星数の表示を実現できる。
【0054】
衛星計数部76は、1機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信を要する第1時刻修正部74が機能する場合と、3機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信を要する第2時刻修正部75が機能する場合とで、表示衛星数の計数方法を切り替える。これによれば、各時刻修正部74,75による時刻修正に必要な位置情報衛星の数を適切に計数でき、より正確な表示衛星数を計数できる。従って、表示された表示衛星数を確認することで、使用者が第1時刻修正部74及び第2時刻修正部75による時刻修正が適切に行われるか否かを把握できる。
【0055】
第2時刻修正部75は、3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信手段6に受信させ、当該衛星信号に含まれる位置情報に基づいて、現在位置を特定する。そして、当該現在位置での標準時に対する時差を記憶部71から取得し、当該時差と衛星信号に含まれる時刻情報とに基づいて内部時刻を修正する。これによれば、時差が異なる地域を移動する場合でも、腕時計1が位置する地域に応じて内部時刻を適切かつ確実に修正できる。従って、腕時計1の利便性を向上できる。
【0056】
衛星計数部76は、第1時刻修正部74が機能する場合(測時モードの場合)には、捕捉衛星数が0であれば表示衛星数を0とし、当該捕捉衛星数が1以上であれば表示衛星数を1とする。これによれば、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数をより容易に把握でき、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。この他、測時モードでは、1機以上のGPS衛星SLからの衛星信号により時刻を修正できるので、当該測時モードでの時刻修正が実施可能か否かを容易に把握できる。
【0057】
衛星計数部76は、第2時刻修正部75が機能する場合(測位モードの場合)には、捕捉衛星数が0以上3以下であれば、表示衛星数を当該捕捉衛星数とし、捕捉衛星数が4機以上であれば表示衛星数を4とする。これによれば、前述の第1時刻修正部74が機能する場合と同様に、表示衛星数が簡略化して表示されるので、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数を容易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。この他、測位モードでは、3機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信を要するので、当該測位モードでの時刻修正が実施可能か否かを容易に把握できる。
【0058】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。具体的に、本実施形態に係る腕時計は、時刻修正の際に実行されるモードに応じて受信強度の閾値を調整し、当該閾値以上の受信強度の衛星信号を送信するGPS衛星数を表示衛星数とする点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、本実施形態においては、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLのうち、当該GPS衛星SLから受信される衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の衛星信号を送信するGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、衛星計数部76は、前述の第1時刻修正部74が機能する場合と、第2時刻修正部75が機能する場合とで、上記閾値を切り替える。具体的に、衛星計数部76は、第1時刻修正部74が機能する場合にはSN比30の第1閾値を閾値として設定し、第2時刻修正部75が機能する場合には、第1閾値より高いSN比35の第2閾値を閾値として設定する。
【0060】
図7は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図7に示す期間t1では、捕捉衛星数は4であるが、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLのうち、第1閾値以上の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は4であり、第2閾値以上の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は3である。このため、衛星計数部76は、測時モード(第1時刻修正部74が機能する場合)及び測位モード(第2時刻修正部75が機能する場合)での表示衛星数をそれぞれ4及び3とする。
【0061】
期間t2では、捕捉衛星数は1であるが、第1閾値及び第2閾値以上の信号強度の衛星信号を送信するGPS衛星SLがない。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードでの表示衛星数をそれぞれ0とする。
期間t3では、捕捉衛星数が0であるため、衛星計数部76は表示衛星数を0とする。
期間t4では、捕捉衛星数は2であるが、第1閾値及び第2閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は、それぞれ2及び1である。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードでの表示衛星数をそれぞれ2及び1とする。
【0062】
期間t5では、捕捉衛星数は4であるが、第1閾値及び第2閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は、それぞれ3及び2である。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードでの表示衛星数をそれぞれ3及び2とする。
期間t6〜t8においても、衛星計数部76により、同様に表示衛星数が計数される。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0063】
図8は、衛星計数処理SCを示すフローチャートである。
本実施形態に係る腕時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SCを実行する。
この衛星計数処理SCでは、図8に示すように、まず、衛星計数部76が、実行されているモードが測時モードであるか否か、すなわち、第1時刻修正部74が機能しているか否かを判定する(ステップSC1)。
【0064】
ここで、実行されているモードが測時モードである(第1時刻修正部74が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、前述の閾値に第1閾値を設定する(ステップSC2)。
一方、実行されているモードが測位モードである(第2時刻修正部75が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、前述の閾値に第2閾値を設定する(ステップSC3)。
これらステップSC2又はステップSC3の後、衛星計数部76は、前述の計数方法で、捕捉されたGPS衛星SLのうち、信号強度が第1閾値又は第2閾値以上の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を計数して、当該GPS衛星の数を表示衛星数とする(ステップSC4)。これにより、衛星計数処理SCが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0065】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
衛星計数部76は、受信された衛星信号の信号強度が第1閾値又は第2閾値以上のGPS衛星SLの数を表示衛星数として計数し、表示制御部77が、当該表示衛星数を表示する。これによれば、有効な衛星信号を受信可能な衛星数をより適切に計数及び表示でき、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
【0066】
また、第1時刻修正部74が機能する場合の第1閾値より、第2時刻修正部75が機能する場合の第2閾値の方がSN比は高い。これは、第1時刻修正部74による時刻修正では、1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信できればよいので、適切な衛星信号を受信できる確率が高いが、第2時刻修正部75による時刻修正では、3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信する必要があり、適切に衛星信号を受信できる確率が前者の場合より下がるので、表示衛星数の計数に際して、信号強度をより厳密に判定する必要があるためである。このため、第1時刻修正部74が機能する場合に比べ、第2時刻修正部75が機能する場合の閾値を高くして、表示衛星数の計数方法を厳しくすることにより、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより正確に表示でき、当該第2時刻修正部75による時刻修正が適切に行えるか否かを、使用者がより適切に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより適切に把握でき、腕時計1の利便性をより向上できる。
【0067】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。すなわち、本実施形態に係る腕時計は、衛星信号の信号強度と比較される閾値を捕捉衛星数に応じて調整する点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、捕捉されたGPS衛星SLのうち、所定の閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、衛星計数部76は、捕捉衛星数に応じて当該閾値を調整する。具体的に、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0以上3以下である場合には、前述の第1閾値(SN比30)を当該閾値に設定し、捕捉衛星数が4以上である場合には、第1閾値より高い第2閾値(SN比35)を当該閾値に設定する。
【0069】
図9は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図9に示す期間t1では、捕捉衛星数が4である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t1での表示衛星数は3となる。
期間t2では、捕捉衛星数が1である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t2での表示衛星数は0となる。
期間t3では、捕捉衛星数が0であるため、衛星計数部76は表示衛星数を0とする。
【0070】
期間t4及び期間t5では、捕捉衛星数が2及び3である。このため、衛星計数部76は、それぞれの期間で第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t4及び期間t5での表示衛星数はそれぞれ2及び3となる。
期間t6では、捕捉衛星数が4である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t6での表示衛星数は2となる。
期間t7及び期間t8では、捕捉衛星数がそれぞれ5である。このため、衛星計数部76は、それぞれの期間で第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t7及び期間t8での表示衛星数は2及び3となる。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0071】
図10は、衛星計数処理SDを示すフローチャートである。
本実施形態に係る腕時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SDを実行する。
この衛星計数処理SDでは、図10に示すように、まず、衛星計数部76は、前述の時刻修正処理のステップSA3(図5参照)で算出された捕捉衛星数が0以上3以下であるか否かを判定する(ステップSD1)。
【0072】
ここで、捕捉衛星数が0以上3以下であると判定すると、衛星計数部76は、第1閾値(SN比30)を閾値に設定する(ステップSD2)。
一方、捕捉衛星数が0以上3以下でない(4以上である)と判定すると、衛星計数部76は、第2閾値(SN比35)を閾値に設定する(ステップSD3)。
これらステップSD2又はステップSD3の後、衛星計数部76は、前述の計数方法で、捕捉されたGPS衛星SLのうち、信号強度が第1閾値又は第2閾値以上である衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を計数して、当該GPS衛星の数を表示衛星数とする(ステップSD4)。これにより、衛星計数処理SDが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0073】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
衛星計数部76は、衛星信号の信号強度と比較される閾値を設定することで、ノイズ等の影響により、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLの数を表示衛星数として計数しない。これにより、より適切な表示衛星数を表示でき、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
また、当該閾値は、捕捉衛星数に応じて調整されるので、第2時刻修正部75による時刻修正の場合に、表示衛星数の計数条件を厳しくすることで、必要な数のGPS衛星SLから衛星信号を確実に受信できるか否か、すなわち、当該時刻修正が適切に実行できるか否かを使用者が把握できる。従って、表示された表示衛星数を確認することで、第2時刻修正部75による時刻修正を実施できるか否かを使用者がより適切に把握できる。
【0074】
また、衛星計数部76は、捕捉衛星数が4以上の場合には、0以上3以下の場合に比べてSN比が高い第2閾値を閾値に設定するので、第2時刻修正部75による高精度な時刻修正を行う場合の4機以上のGPS衛星SLからの衛星信号が受信可能か否かを、表示衛星数を確認することで、使用者がより適切に把握できる。従って、腕時計1の時刻修正が適切に実施可能か否かをより適切に把握できる。
【0075】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。すなわち、本実施形態に係る腕時計は、捕捉衛星数が所定範囲内にある場合に、衛星信号の信号強度と比較される閾値に高い閾値を採用し、当該範囲外にある場合に、低い閾値を採用する点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、捕捉されたGPS衛星SLのうち、所定の閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、本実施形態では、衛星計数部76は、捕捉衛星数が所定範囲内にあるときと無いときとで、閾値を調整する。
具体的に、衛星計数部76は、捕捉衛星数が4以上5以下である場合に、SN比35の第2閾値を採用し、捕捉衛星数が上記範囲外(すなわち、0以上3以下又は6以上)である場合に、第2閾値より低いSN比30の第1閾値を採用する。
なお、このような範囲は変更可能であり、例えば、捕捉衛星数が3以上5以下である場合に第2閾値を採用し、それ以外の場合に第1閾値を採用してもよい。すなわち、捕捉衛星数が当該範囲内のときに高い閾値が採用され、当該範囲外のときに低い閾値が採用されればよい。
【0077】
図11は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。なお、図11においては、前述の3種類の点線と、一点鎖線と、二点鎖線とにより示される衛星信号の他、実線により示される衛星信号が追加されている。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図11に示す期間t1では、捕捉衛星数は4である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t1での表示衛星数は3となる。
期間t2では、捕捉衛星数は1である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t2での表示衛星数は0となる。
期間t3では、捕捉衛星数は0であるため、衛星計数部76は表示衛星数を0とする。
【0078】
期間t4及び期間t5では、捕捉衛星数はそれぞれ2及び3である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t4及び期間t5での表示衛星数はそれぞれ2及び3となる。
期間t6及び期間t7では、捕捉衛星数はそれぞれ4及び5である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t6及び期間t7での表示衛星数はそれぞれ3となる。
期間t8では、捕捉衛星数は6である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t8での表示衛星数は5となる。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0079】
図12は、衛星計数処理SEを示すフローチャートである。
本実施形態に係る腕時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SEを実行する。
この衛星計数処理SEでは、図12に示すように、まず、衛星計数部76は、前述の時刻修正処理のステップSA3(図5参照)で算出された捕捉衛星数が前述の範囲(3以上4以下)内にあるか否かを判定する(ステップSE1)。
ここで、捕捉衛星数が4以上5以下であると判定すると、衛星計数部76は、第2閾値(SN比35)を採用する(ステップSE2)。
一方、捕捉衛星数が4以上5以下でない(0以上3以下又は6以上である)と判定すると、衛星計数部76は、第1閾値(SN比30)を採用する(ステップSE3)。
これらステップSE2又はステップSE3の後、衛星計数部76は、前述の計数方法で、捕捉されたGPS衛星SLのうち、信号強度が第1閾値又は第2閾値以上である衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を表示衛星数とする(ステップSE4)。これにより、衛星計数処理SEが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0080】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
捕捉衛星数が0以上3以下の場合、又は、6以上の場合に採用される第1閾値に比べてSN比が高い第2閾値を、捕捉衛星数が4以上5以下の場合に採用することにより、第2時刻修正部75による高精度な時刻修正を確実に実施可能か否かを使用者が把握できる。
【0081】
ここで、前述のように、現在位置を算出するためには、3機以上のGPS衛星SLから位置情報を取得する必要があり、高度を加えた現在位置を算出するためには、4機以上のGPS衛星SLから位置情報を取得する必要がある。しかしながら、捕捉されたGPS衛星SLの数が3及び4であっても、各GPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できるとは限らない。一方、捕捉されたGPS衛星SLの数が十分に多い場合(例えば6以上)には、3機又は4機のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できる確率が高い。
このため、捕捉されたGPS衛星SLに、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLが含まれることを考慮して、捕捉衛星数が4以上5以下の場合に、SN比が高い第2閾値を採用することで、表示衛星数の計数条件を厳しくする。これによれば、現在位置の算出に際して必要な数のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できるか否かを、より正確に評価できる。従って、現在位置の算出及び時刻修正が適切に実施可能か否かをより一層正確に把握できる。
【0082】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。すなわち、本実施形態に係る腕時計は、捕捉衛星数が所定範囲内にある場合に、当該捕捉衛星数から所定値を減算した数を表示衛星数とし、当該範囲外にある場合に、捕捉衛星数を表示衛星数とする点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、捕捉されたGPS衛星SLのうち、所定の閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、本実施形態では、衛星計数部76は、捕捉衛星数が所定範囲内にあるときには、表示衛星数を捕捉衛星数から所定値減算した値とし、当該範囲外にあるときには、捕捉衛星数を表示衛星数とする。
具体的に、本実施形態では、衛星計数部76は、捕捉衛星数が4以上5以下である場合には、捕捉衛星数から1減算した値を表示衛星数とし、当該範囲外である場合には、捕捉衛星数を表示衛星数とする。
なお、このような範囲は変更可能であり、例えば、捕捉衛星数が3以上5以下である場合に当該捕捉衛星数から1減算した値を表示衛星数としてもよく、当該範囲はなくてもよい。この際、減算した結果が0未満となる場合には、表示衛星数を0とすればよい。また、減算する値も変更可能である。
【0084】
図13は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。なお、図13においては、図11と同様に、前述の3種類の点線と、一点鎖線と、二点鎖線とにより示される衛星信号の他、実線により示される衛星信号が追加されている。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図13に示す期間t1では、捕捉衛星数が4であるので、衛星計数部76は、当該捕捉衛星数から1減算した3を表示衛星数とする。
期間t2〜t5では、捕捉衛星数が1、0、2及び3であるので、衛星計数部76は、捕捉衛星数を減算せずに当該捕捉衛星数を表示衛星数とする。このため、当該各期間t2〜t5の表示衛星数はそれぞれ1、0、2及び3となる。
【0085】
期間t6〜t7では、捕捉衛星数が4及び5であるので、衛星計数部76は、当該各捕捉衛星数から1減算した値である3及び4を、それぞれの期間の表示衛星数とする。
期間t8では、捕捉衛星数が6であるので、衛星計数部76は、捕捉衛星数の減算をせずに当該捕捉衛星数を表示衛星数とする。このため、期間t8の表示衛星数は6となる。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0086】
図14は、衛星計数処理SFを示すフローチャートである。
本実施形態に係る時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SFを実行する。
この衛星計数処理SFでは、図14に示すように、まず、衛星計数部76は、前述の時刻修正処理のステップSA3(図5参照)で算出された捕捉衛星数が前述の範囲(4以上5以下)内にあるか否かを判定する(ステップSF1)。
ここで、捕捉衛星数が4以上5以下であると判定すると、衛星計数部76は、捕捉衛星数から所定値(本実施形態では1)減算した値を表示衛星数として計数する(ステップSF2)。
一方、捕捉衛星数が4以上5以下でない(0以上3以下又は6以上である)と判定すると、衛星計数部76は、捕捉衛星数を表示衛星数とする(ステップSF3)。
これらステップSF2又はステップSF3の後、衛星計数処理SFが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0087】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLには、信号強度が微弱であったりノイズ等の影響により、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLが含まれる場合がある。このため、当該GPS衛星SLが存在することを想定し、衛星計数部76は、捕捉衛星数から所定値減算した値を表示衛星数とすることにより、衛星信号を適切に受信できる確率の高い衛星数を表示衛星数として簡易に計数できる。従って、衛星計数部76は、複雑な計数処理を実施しなくてよいので、当該衛星計数部76の処理負担を軽減でき、消費電力を低減できる。
【0088】
また、前述のように、現在位置を算出するためには、3機以上(より好ましくは4機以上)のGPS衛星SLから位置情報を取得する必要がある。このため、捕捉されたGPS衛星SLに、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLが含まれることを考慮して、捕捉衛星数が4以上5以下の場合に、捕捉衛星数から所定値(本実施形態では1)減算した値を表示衛星数とする。これにより、表示衛星数の計数条件が厳しくなるので、現在位置の算出に際して必要な数のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できるか否かを、より正確に評価できる。従って、現在位置の算出及び時刻修正が適切に実施可能か否かをより一層正確に把握できる。
【0089】
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、それぞれ異なる表示衛星数の計数方法を採用したが、本発明はこれに限らない。すなわち、前記各実施形態で示した計数方法を互いに組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態にて示した計数方法と、第3実施形態にて示した計数方法とを組み合わせて、第2時刻修正部75による測位モードでの時刻修正に際して、第2閾値以上の信号強度の衛星信号を送信するGPS衛星SLの数が0以上3以下である場合には、表示衛星数を当該GPS衛星SLの数とし、当該GPS衛星SLの数が4以上であれば、表示衛星数を4としてもよい。
また、所定の条件に合致した場合(例えば、内部時刻が予め設定された自動受信時刻に達した場合)に衛星信号を自動的に受信する機能を有する場合には、当該衛星信号の受信に際して、上記計数方法により計数されたGPS衛星SLの数を表示する構成としてもよい。
【0090】
前記第1実施形態では、第1時刻修正部74による測時モードでの時刻修正を行う際に、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0であると表示衛星数を0とし、捕捉衛星数が1以上であると表示衛星数を1としたが、本発明はこれに限らない。例えば、捕捉衛星数が0以上1以下である場合には表示衛星数を捕捉衛星数とし、捕捉衛星数が2以上の場合に表示衛星数を2としてもよい。すなわち、表示衛星数の最大値は適宜変更可能である。第2時刻修正部75による測位モードでの時刻修正を行う場合も同様である。
【0091】
前記第2実施形態では、第1時刻修正部74が機能する場合と、第2時刻修正部75が機能する場合とで、閾値を第1閾値と第2閾値とで切り替えた。また、前記第3及び第4実施形態では、捕捉衛星数に応じて、採用される閾値を第1閾値と第2閾値とで切り替えた。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、同じSN比の閾値をそれぞれの場合で採用してもよい。また、第1閾値及び第2閾値の値は、前述の数値に限らず、適宜変更してよい。
【0092】
前記各実施形態では、補正後の衛星数を指針を構成する秒針を用いて表示したが、本発明はこれに限らない。例えば、当該衛星数をディスプレイで表示してもよい。この他、小時計が設けられている場合には、当該小時計を用いて、衛星数を表示するように構成してもよい。
【0093】
前記各実施形態では、衛星計数部76及び表示制御部77による表示衛星数の計数及び表示は、第1時刻修正部74又は第2時刻修正部75による時刻修正が行われる際に実行されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、時刻修正とは無関係に、表示衛星数の計数及び表示を行う構成としてもよい。例えば、操作手段3に対して所定の操作が使用者により行われた際に、当該表示衛星数の計数及び表示を実行してもよい。
【0094】
前記各実施形態では、ソーラーパネルを有する発電手段5を備える構成としたが、本発明はこれに限らない。例えば、ローター及びギアを備え、腕時計1が装着された人や物の動きに応じて発電する発電手段を採用してもよい。
前記各実施形態では、位置情報衛星としてGPS衛星SLを挙げたが、本発明はこれに限らない。すなわち、位置情報を含む衛星信号を送信する位置情報衛星から当該衛星信号を受信する構成を有する電子機器であれば、本発明を適用可能である。
【0095】
前記各実施形態では、電子時計として、使用者に装着される腕時計を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば、置き時計及び掛け時計に、本発明を適用することも可能である。また、ディスプレイ23がなく、文字板21及び指針22のみを有する表示手段を備えた電子時計(腕時計を含む)に、本発明を適用することも可能である。更に、携帯電話機等の電子機器に、本発明の電子時計を組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…腕時計(電子機器、電子時計)、2…表示手段、6…受信手段、7…制御手段、71…記憶部、72…計時部、74…第1時刻修正部、75…第2時刻修正部、76…衛星計数部、77…表示制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS衛星等の位置情報衛星から衛星信号を受信する電子機器及び電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
自己位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)システムでは、地球を周回するGPS衛星が用いられている。これらGPS衛星には、原子時計が設けられており、当該GPS衛星は、極めて正確な時刻情報(GPS時刻、衛星時刻情報)を有している。
このため、GPS衛星から衛星信号(航法メッセージ)を受信して、当該衛星信号に含まれる時刻情報を取得し、当該時刻情報に基づいて内部時刻を修正する時刻修正時計が提案されている。
【0003】
ここで、GPS衛星から衛星信号を受信する場合、受信装置の場所によって衛星信号の受信レベルが変化する。このため、受信状態が良好な場所であるか否かを判断するために、使用者が当該受信レベルを把握できることが好ましい。
このような受信レベルを表示する装置として、各GPS衛星の受信レベルを棒グラフ状に表示するカーナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−073650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の構成では、各GPS衛星の受信レベルをそれぞれ表示するため、GPSの仕組みを理解している人では衛星信号の受信状況を把握できる。しかしながら、一般的な使用者では当該受信状況を把握しづらいという問題がある。このため、一般的な使用者であっても、受信状態を簡易に把握できる構成が要望されていた。
【0006】
本発明の目的は、衛星信号を受信可能な衛星数を把握できる電子機器及び電子時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明の電子機器は、所定の情報を表示する表示手段と、位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、前記表示手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として衛星計数部により計数された表示衛星数が、表示手段に表示される。これによれば、捕捉された位置情報衛星ごとに、受信される衛星信号の信号強度(受信レベル)がそれぞれ表示される場合に比べ、当該衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。
また、このような構成によれば、それぞれの位置情報衛星の受信強度をそれぞれ表示する必要がないので、情報の表示形式及び表示領域が限られた腕時計等の携帯型電子機器においても、表示衛星数を表示できる。
【0009】
本発明では、前記制御手段は、時刻を計時する計時部と、前記受信手段により1機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、前記計時部により計時されている時刻の修正を実施する第1時刻修正部と、前記受信手段により3機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報に基づいて、前記第1時刻修正部より高精度な前記時刻の修正を実施する第2時刻修正部とを有し、前記衛星計数部は、前記第1時刻修正部が機能する場合と、前記第2時刻修正部が機能する場合とで、前記表示衛星数の計数方法を切り替えることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、衛星計数部は、1機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信させる第1時刻修正部が機能する場合と、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信させる第2時刻修正部が機能する場合とで、表示衛星数の計数方法を切り替える。これによれば、それぞれの時刻修正部による時刻修正に必要な位置情報衛星の数を適切に計数でき、これにより、より正確な表示衛星数を計数できる。従って、表示された表示衛星数を確認することで、使用者が第1時刻修正部及び第2時刻修正部による時刻修正が適切に行われるか否かを把握できる。
【0011】
本発明では、前記制御手段は、前記位置情報と、当該位置情報により示される地域での標準時に対する時差とが関連付けられた記憶部を有し、前記第2時刻修正部は、前記位置情報に基づいて前記記憶部から取得される時差と前記時刻情報とに基づいて、前記時刻の修正を実施することが好ましい。
【0012】
本発明によれば、第2時刻修正部は、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信させ、当該衛星信号に基づいて現在位置を特定する。そして、当該第2時刻修正部は、現在位置での標準時に対する時差を記憶部から取得し、当該時差と衛星信号から取得された時刻情報とに基づいて、計時部により計時されている時刻を修正する。これによれば、時差が異なる地域を移動する場合でも、計時部により計時されている時刻を、電子機器が位置する地域に応じて確実に修正できる。従って、電子機器の利便性を向上できる。
【0013】
本発明では、前記第1時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0であると、前記表示衛星数を0とし、前記捕捉衛星数が1以上であると、前記表示衛星数を1とすることが好ましい。
【0014】
ここで、第1時刻修正部が機能する場合、使用者は、衛星信号を受信可能な位置情報衛星が0機であるのか、1機以上であるのかを把握できれば、時刻修正を実施できるか否かを把握できる。
このため、本発明では、衛星計数部が、捕捉衛星数が0であると表示衛星数を0とし、当該捕捉衛星数が1以上であると表示衛星数を1とする。これによれば、当該表示衛星数が表示されることで、使用者は、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。
【0015】
本発明では、前記第2時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0以上3以下であると、当該捕捉衛星数に応じた数を前記表示衛星数とし、前記捕捉衛星数が4以上であると、前記表示衛星数を4とすることが好ましい。
【0016】
ここで、第2時刻修正部が機能する場合、使用者は、衛星信号を受信可能な位置情報衛星が3機未満であるのか、3機以上であるのかを把握できれば、当該時刻の修正を実施できるか否かを把握できる。また、より適切に時刻の修正を行うためには、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要があるが、当該衛星信号を受信可能な位置情報衛星が4機以上ある場合、表示衛星数が4以上であることを把握できれば、使用者は、当該時刻の修正を実施できることを把握できる。
このため、本発明では、衛星計数部が、捕捉衛星数が0以上3以下であれば、当該捕捉衛星数に応じた数を表示衛星数とし、捕捉衛星数が4以上であれば表示衛星数を4とする。これによれば、前述の第1時刻修正部が機能する場合と同様に、表示衛星数が簡略化して表示されるので、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。
【0017】
或いは、本発明では、前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信される前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、前記所定の閾値は、前記第1時刻修正部が機能する場合より、前記第2時刻修正部が機能する場合の方が高いことが好ましい。
【0018】
ここで、捕捉された位置情報衛星には、受信される衛星信号の信号強度が低く、ノイズ等の影響により衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星も含まれる場合がある。
これに対し、本発明では、衛星計数部は、信号強度が所定の閾値以上の衛星信号が受信される位置情報衛星の数を表示衛星数として計数し、表示制御部が、当該表示衛星数を表示させる。これによれば、有効な衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより適切に表示できる。従って、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
【0019】
また、第1時刻修正部が機能する場合の閾値より、第2時刻修正部が機能する場合の閾値の方が高い。これは、第1時刻修正部が機能する場合には、1機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信できればよいので、衛星信号を適切に受信できる確率が高いが、第2時刻修正部が機能する場合には、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要があり、衛星信号を適切に受信できる確率が前者の場合より下がるので、表示衛星数の計数に際して、信号強度をより厳密に判定する必要があるためである。このため、第1時刻修正部が機能する場合の閾値に比べ、第2時刻修正部が機能する場合の閾値を高く設定し、表示衛星数の計数方法を厳しくすることにより、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより正確に表示でき、第2時刻修正部による時刻の修正を適切に行えるか否かを、使用者がより適切に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
【0020】
或いは、本発明では、前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信された前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数に応じて調整されることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、前述のように、受信された衛星信号の信号強度と比較される閾値を設定し、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星を計数しないことで、衛星信号を適切に受信可能な位置情報衛星をより正確に計数でき、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
また、当該閾値は、捕捉された位置情報衛星の数に応じて調整される。これによれば、例えば、電子機器の機能(例えば、前述の時刻修正)に必要な数の位置情報衛星が捕捉された際に、衛星信号を適切に受信可能な位置情報衛星の計数条件が厳しくなるように閾値を調整することで、当該必要な数の位置情報衛星から衛星信号を確実に受信できるか否かを判定できるようになる。従って、当該計数条件に合わせて計数された表示衛星数が表示されることで、電子機器の機能が適切に実施可能か否かを把握できる。
【0022】
本発明では、前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が0以上3以下である場合より、当該位置情報衛星の数が4以上である場合の方が高いことが好ましい。
ここで、前述のように、第2時刻修正部を有する電子機器では、3機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要があり、現在位置をより高精度に算出するためには、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する必要がある。しかしながら、捕捉された位置情報衛星の中には、信号強度が低い等、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星が含まれる場合がある。このため、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を受信する場合には、信号強度が比較的高い衛星信号を位置情報衛星から受信する必要がある。
これに対し、本発明では、捕捉された位置情報衛星の数が4以上の場合には、0以上3以下の場合に比べて閾値が高く設定される。これによれば、4機以上の位置情報衛星から衛星信号を適切に受信可能か否かを正確に判定できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより適切に把握できる。
【0023】
或いは、本発明では、前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合の方が、当該範囲外の場合より高いことが好ましい。
本発明によれば、捕捉された位置情報衛星の数が上記範囲内の場合に、当該範囲外の場合に比べて、各位置情報衛星から衛星信号を適切に受信可能か否かを正確に判定できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより正確に把握できる。
【0024】
或いは、本発明では、前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数から所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数することが好ましい。
ここで、前述のように、捕捉された位置情報衛星には、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星が含まれる場合がある。このため、当該位置情報衛星が存在することを想定し、衛星計数部は、捕捉された位置情報衛星の数から所定値減算した数を表示衛星数とする。これによれば、衛星信号を適切に受信できないと想定される位置情報衛星の数を減算することにより、衛星信号を適切に受信できる確率の高い衛星数を表示衛星数として簡易に計数できる。従って、衛星計数部は、複雑な計数処理を実施しなくてもよいので、当該衛星計数部の処理負担を軽減でき、消費電力を低減できる。
【0025】
本発明では、前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合に、当該位置情報衛星の数から前記所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数することが好ましい。
本発明によれば、閾値を設定する前述の場合と同様に、捕捉された位置情報衛星の数が上記範囲内の場合に、当該範囲外の場合に比べて、各位置情報衛星から衛星信号を適切に受信可能か否かを正確に判定できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより正確に把握できる。
【0026】
本発明では、前記整数値は5であることが好ましい。
ここで、位置情報衛星から衛星信号を受信し、当該衛星信号から位置情報を取得して現在位置を算出するためには、3機以上の位置情報衛星から当該位置情報を取得する必要がある。また、高度を加えた現在位置を算出するためには、4機以上の位置情報衛星から位置情報を取得する必要がある。しかしながら、前述のように、衛星信号の受信強度が低かったり、ノイズの影響を受ける場合があるため、捕捉された位置情報衛星の数が3及び4であっても、各位置情報衛星から衛星信号を適切に受信できるとは限らない。一方、捕捉された位置情報衛星の数が十分に多い場合(例えば6以上)には、3機又は4機の位置情報衛星から衛星信号を適切に受信できる確率が高い。
【0027】
このため、本発明では、捕捉された位置情報衛星に、衛星信号を適切に受信できない位置情報衛星が含まれることを考慮して、捕捉された位置情報衛星の数が4以上5以下の場合に、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数の計数条件を厳しくする。これによれば、現在位置の算出に際して必要な数の位置情報衛星から衛星信号を適切に受信できるか否かを、より正確に評価できる。従って、電子機器の機能が適切に実施可能か否かをより一層正確に把握できる。
【0028】
また、本発明の電子時計は、時刻情報を含む衛星信号を位置情報衛星から受信し、当該時刻情報に基づいて時刻を修正する電子時計であって、所定の情報を表示する表示手段と、前記位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から前記衛星信号を受信する受信手段と、前記表示手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、前述の電子機器と同様の効果を奏することができ、表示領域の限られた電子時計においても、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数を、使用者が簡易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る腕時計の構成及び使用態様を示す模式図。
【図2】前記第1実施形態における腕時計の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記第1実施形態における腕時計の機能を示すブロック図。
【図4】前記第1実施形態における捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図5】前記第1実施形態における時刻修正処理を示すフローチャート。
【図6】前記第1実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図8】前記第2実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図10】前記第3実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の第4実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図12】前記第4実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【図13】本発明の第5実施形態に係る腕時計での捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図。
【図14】前記第5実施形態における衛星計数処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る腕時計1の構成及び使用態様を示す模式図である。
本実施形態に係る腕時計1は、GPS時刻修正機能付き電子時計である。すなわち、腕時計1は、図1に示すように、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星SLから、時刻情報及び位置情報を含む衛星信号(GPS信号)を受信し、当該時刻情報及び位置情報に基づいて、内部で計時している内部時刻情報を修正したり、現在位置を表示する電子機器である。
なお、GPS衛星SLは、本発明における位置情報衛星の一例であり、図1においては4機のGPS衛星SLを図示している。しかしながら、現在は約30個のGPS衛星SLが周回しており、屋外であれば常時8〜11機のGPS衛星SLからの衛星信号の受信が可能である。
【0031】
このような腕時計1は、表示手段2及び操作手段3を備える。
表示手段2は、腕時計1の各種情報を表示する。この表示手段2は、文字板21及び指針22と、当該指針22を駆動させるステップモーター(図示省略)と、当該文字板21の一部に形成された開口部から露出するディスプレイ23とを有する。
文字板21及び指針22は、例えば、内部時刻情報により示される時刻を表示する。これらのうち、指針22は、秒針、分針及び時針を備えて構成され、これら各針は、ステップモーターにより歯車を介して駆動される。
ディスプレイ23は、本実施形態では液晶パネルにより構成され、後述する制御手段7の制御の下、前述の衛星信号に含まれる位置情報に基づいて算出された現在位置や、所定のメッセージを表示する。
操作手段3は、ボタン31及びリュウズ32を有し、これらボタン31及びリュウズ32が操作されることにより、腕時計1は、多様な機能を実行する。
【0032】
[腕時計の回路構成]
図2は、腕時計1の回路構成を示すブロック図である。
腕時計1は、前述の表示手段2及び操作手段3の他、図2に示すように、電源手段4、発電手段5、受信手段6及び制御手段7を有し、これらはバスにより互いに接続されている。
電源手段4は、二次電池(以下、電池と略す場合がある)を備えて構成されている。
発電手段5は、詳しい図示を省略するが、文字板21の表面側又は裏面側に配置されるソーラーパネルを備え、当該ソーラーパネルに光が入射されることで発生した電力を電源手段4に供給して、当該電源手段4の電池を充電する。
【0033】
受信手段6は、腕時計1の内部に設けられたアンテナATを有し、後述する制御手段7の制御の下、当該アンテナATを介して衛星信号を受信し、当該衛星信号から時刻情報及び位置情報等を取得するモジュールである。
なお、アンテナATは、本実施形態では、複数のGPS衛星SLからの衛星信号を受信可能なパッチアンテナにより構成されているが、これに限らず、フィルムアンテナ等の他の構成のアンテナを採用してもよい。
【0034】
[制御手段の構成]
図3は、制御手段7の機能を示すブロック図である。
制御手段7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の回路素子が実装された回路基板として構成されており、腕時計1の動作を制御する。この制御手段7は、図3に示すように、ROM及びRAMにより構成される記憶部71を有する他、CPUが当該ROMに記録されたプログラム等を実行することにより、計時部72、条件判定部73、第1時刻修正部74、第2時刻修正部75、衛星計数部76及び表示制御部77として示される各機能を実現する。
【0035】
記憶部71は、制御手段7による腕時計1の動作制御に必要な各種プログラム及びデータを記憶している。このようなプログラムとして、記憶部71は、第1時刻修正部74及び第2時刻修正部75による時刻修正のための時刻修正プログラムを記憶している。また、記憶部71は、当該時刻修正に要するデータとして、位置情報と、タイムゾーンとが関連付けられたテーブルを記憶している。このタイムゾーンは、緯度及び経度に応じて世界地図を複数の地域に区分したものであり、当該各ブロックには標準時に対する時差が設定されている。このため、当該テーブルから、位置情報により特定される地域での標準時に対する時差を取得できる。
【0036】
計時部72は、前述の記憶部71を利用して、時刻(以下、内部時刻という場合がある)を計時する。このため、当該記憶部71には、内部時刻を示す内部時刻情報が記憶される。
条件判定部73は、操作手段3に対して使用者による操作が行われたか否かを判定する。そして、使用者による操作が行われたと判定した際には、条件判定部73は、当該操作が測時モードでの時刻修正を行うための操作であるのか、測位モードでの時刻修正を行うための操作であるのかを判定する。
【0037】
この条件判定部73により、測時モードでの時刻修正を行う操作であると判定された場合には、第1時刻修正部74が機能する。
ここで、測時モードとは、少なくとも1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信し、当該衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、内部時刻を修正するモードである。
このため、第1時刻修正部74は、まず、受信手段6を制御して、当該受信手段6に少なくとも1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信させる。そして、当該第1時刻修正部74は、当該衛星信号に含まれる時刻情報(例えば、Zカウントデータ)に基づいて、内部時刻を修正する。
【0038】
一方、条件判定部73により、測位モードでの時刻修正を行う操作であると判定された場合には、第2時刻修正部75が機能する。
ここで、測位モードとは、3機以上(好ましくは4機以上)のGPS衛星SLから衛星信号を受信し、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報に基づいて、内部時刻を修正するモードであり、前述の測時モードよりも高精度な時刻修正を行うことができるモードである。
【0039】
このため、第2時刻修正部75は、まず、受信手段6を制御して、当該受信手段6に3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信させる。そして、当該第2時刻修正部75は、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて現在位置を算出する。この後、第2時刻修正部75は、前述の記憶部71を参照して、現在位置に応じた地域での標準時に対する時差を取得し、取得された時差及び時刻情報に基づいて内部時刻を修正する。
【0040】
衛星計数部76は、第1時刻修正部74又は第2時刻修正部75が機能する際に、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLのうち、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数を計数する。この際、衛星計数部76は、前述の第1時刻修正部74が機能する場合と、第2時刻修正部75が機能する場合とで、当該表示衛星数の計数方法を切り替える。
【0041】
具体的に、第1時刻修正部74が機能する場合で、かつ、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLの数(以下、補足衛星数という場合がある)が0である場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を0とする。また、第1時刻修正部74が機能する場合で、捕捉衛星数が1以上である場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を1とする。
これは、測時モードでの時刻修正の場合には、1機以上のGPS衛星SLからの衛星信号を受信できれば、当該時刻修正を実施可能であるためであり、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数が0か1かを使用者が把握できれば、測時モードでの時刻修正を実行可能な環境に腕時計1があることを使用者が容易に認識できるためである。
【0042】
一方、第2時刻修正部75が機能する場合で、かつ、捕捉衛星数が0以上3以下である場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を当該捕捉衛星数に応じた値(すなわち、0、1、2又は3)とする。また、第2時刻修正部75が機能する場合で、捕捉衛星数が4以上の場合には、衛星計数部76は、表示衛星数を4とする。
これは、第2時刻修正部75が機能する場合には、3機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信が必要であるためであり、測位モードでの時刻修正を実行可能な環境に腕時計1があるか否かを使用者が把握できるようにするためである。
また、捕捉衛星数が4機以上であっても表示衛星数を4機とするのは、4機のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できれば、より詳細な現在位置の取得及び時刻の修正を実行可能であるので、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLが4機であることを把握できれば、使用者が測位モードでの時刻修正を適切に実行可能な環境に腕時計1があることを認識できるためである。
【0043】
図4は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。なお、図4においては、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLからの衛星信号の信号強度を3種類の点線と、一点鎖線と、二点鎖線とにより示しているが、これらの線が途切れている期間は、対応するGPS衛星SLから衛星信号を受信できなかった期間を示している。以下の図7、図9、図11及び図13においても同様である。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図4に示す期間t1では、捕捉衛星数は4である。このため、衛星計数部76は、測時モード(第1時刻修正部74が機能する場合)では表示衛星数を1とし、測位モード(第2時刻修正部75が機能する場合)では表示衛星数を4とする。
【0044】
期間t2及び期間t3では、捕捉衛星数はそれぞれ0及び1である。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードのそれぞれの場合で表示衛星数をそれぞれ0及び1とする。
期間t4では、捕捉衛星数は2である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を2とする。
期間t5では、捕捉衛星数は3である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を3とする。
期間t6及び期間t7では、捕捉衛星数はそれぞれ5である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を4とする。
期間t8では、捕捉衛星数は3である。このため、衛星計数部76は、測時モードでは表示衛星数を1とし、測位モードでは表示衛星数を3とする。
このように、衛星計数部76は、時刻修正のモードに応じて表示衛星数の計数方法を切り替える。
【0045】
表示制御部77は、表示手段2を制御して、内部時刻を表示させる。この他、表示制御部77は、操作手段3に対する使用者の操作に応じて、前述の測時モード又は測位モードでの時刻修正が行われる際に、衛星計数部76により計数された表示衛星数を表示手段2に表示させる。
このような表示手段2による表示衛星数の表示は、本実施形態では、指針22を構成する秒針により行われる。このため、例えば、表示衛星数が0である場合には、当該秒針は「0時(12時)」の位置を示し、表示衛星数が4である場合には、当該秒針は「4時」の位置を示す。前述のように、屋外であれば8〜11機のGPS衛星SLからの衛星信号を受信可能であるため、このような秒針による表示衛星数の表示を問題なく実施できる。
【0046】
なお、このような秒針を用いた表示衛星数の表示に限らず、ディスプレイ23による表示を行ってもよい。この場合、時刻修正のモードも合わせて表示すれば、使用者が現在のモード及び受信状態をより把握しやすくすることができる。この他、表示手段2が小時計を有する場合には、当該小時計による表示を行ってもよい。
更に、表示制御部77は、衛星信号を適切に受信できなかった場合等、時刻修正を実施できなかった場合には、ディスプレイ23により、時刻修正に失敗した旨のメッセージを表示させる。
【0047】
[時刻修正処理]
図5は、制御手段7により実行される時刻修正処理を示すフローチャートである。
腕時計1は、時刻を修正するための操作が操作手段3に対して行われると、図5に示す時刻修正処理を実行する。
この時刻修正処理では、まず、条件判定部73が、当該使用者の操作に基づいて、時刻修正のモードを取得する(ステップSA1)。すなわち、条件判定部73は、当該操作が測時モードでの時刻修正を行う第1時刻修正部74を機能させる操作であるのか、測位モードでの時刻修正を実行う第2時刻修正部75を機能させる操作であるのかを判定し、この判定結果に基づいて、第1時刻修正部74及び第2時刻修正部75のいずれかを機能させる。
【0048】
このステップSA1で取得されたモードに応じた時刻修正部(第1時刻修正部74又は第2時刻修正部75)は、受信手段6を制御して、GPS衛星SLを捕捉させる(ステップSA2)。
この後、衛星計数部76が、捕捉衛星数を算出し(ステップSA3)、衛星計数処理SBを実行する。
【0049】
図6は、衛星計数処理SBを示すフローチャートである。
図6に示すように、衛星計数処理SBでは、衛星計数部76は、実行されているモードが測時モードであるか否か、すなわち、第1時刻修正部74が機能しているか否かを判定する(ステップSB1)。
ここで、当該モードが測時モードである(第1時刻修正部74が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、ステップSA3で算出された捕捉衛星数が0であるか否かを判定する(ステップSB2)。
そして、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0であると判定すると、表示衛星数を0とし(ステップSB3)、捕捉衛星数が0でない(1以上である)と判定すると、表示衛星数を1とする(ステップSB4)。この後、衛星計数部76は、衛星計数処理SBを終了する。
【0050】
一方、ステップSB1での判定処理にて、実行されているモードが測位モードである(第2時刻修正部75が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0以上3以下であるか否かを判定する(ステップSB5)。
そして、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0以上3以下であると判定すると、表示衛星数を捕捉衛星数とし(ステップSB6)、捕捉衛星数が0以上3以下でない(4以上である)と判定すると、表示衛星数を4とする(ステップSB7)。この後、衛星計数部76は、衛星計数処理SBを終了する。
【0051】
図5に戻り、衛星計数処理SBが終了すると、表示制御部77が、設定された表示衛星数を表示手段2に表示させる(ステップSA4)。
そして、ステップSA1で取得されたモードに応じた時刻修正部が、衛星信号の受信を完了できたか否かを判定する(ステップSA5)。具体的に、第1時刻修正部74が機能している場合には、当該第1時刻修正部74が、1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できたか否かを判定し、また、第2時刻修正部75が機能している場合には、当該第2時刻修正部75が3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できたか否かを判定する。
【0052】
ここで、衛星信号の受信を完了できなかったと判定された場合には、表示制御部77が、衛星信号を受信できなかった旨のメッセージを表示手段2に表示させる(ステップSA6)。なお、当該メッセージは、ディスプレイ23により表示されてもよく、指針22が所定の位置を示すことにより表示するように構成してもよい。
一方、衛星信号の受信が完了できたと判定された場合には、時刻修正部が内部時刻を修正する(ステップSA7)。すなわち、第1時刻修正部74が機能している場合には、受信された衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて内部時刻を修正する。また、第2時刻修正部75が機能している場合には、衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報、並びに、当該位置情報に応じた現在位置での標準時に対する時差に基づいて内部時刻を修正する。
これらステップSA6又はステップSA7の終了の後、制御手段7は、時刻修正処理を終了する。
【0053】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る腕時計1によれば、以下の効果を奏することができる。
衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として衛星計数部76により計数された表示衛星数が、表示制御部77及び表示手段2により表示される。これによれば、捕捉されたGPS衛星SLごとに衛星信号の信号強度をそれぞれ表示する場合に比べ、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数をより簡易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態を簡易に把握できる。
また、表示衛星数は、指針22により表示されるので、情報の表示形式及び表示領域が限られた腕時計1においても、表示衛星数の表示を実現できる。
【0054】
衛星計数部76は、1機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信を要する第1時刻修正部74が機能する場合と、3機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信を要する第2時刻修正部75が機能する場合とで、表示衛星数の計数方法を切り替える。これによれば、各時刻修正部74,75による時刻修正に必要な位置情報衛星の数を適切に計数でき、より正確な表示衛星数を計数できる。従って、表示された表示衛星数を確認することで、使用者が第1時刻修正部74及び第2時刻修正部75による時刻修正が適切に行われるか否かを把握できる。
【0055】
第2時刻修正部75は、3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信手段6に受信させ、当該衛星信号に含まれる位置情報に基づいて、現在位置を特定する。そして、当該現在位置での標準時に対する時差を記憶部71から取得し、当該時差と衛星信号に含まれる時刻情報とに基づいて内部時刻を修正する。これによれば、時差が異なる地域を移動する場合でも、腕時計1が位置する地域に応じて内部時刻を適切かつ確実に修正できる。従って、腕時計1の利便性を向上できる。
【0056】
衛星計数部76は、第1時刻修正部74が機能する場合(測時モードの場合)には、捕捉衛星数が0であれば表示衛星数を0とし、当該捕捉衛星数が1以上であれば表示衛星数を1とする。これによれば、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数をより容易に把握でき、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。この他、測時モードでは、1機以上のGPS衛星SLからの衛星信号により時刻を修正できるので、当該測時モードでの時刻修正が実施可能か否かを容易に把握できる。
【0057】
衛星計数部76は、第2時刻修正部75が機能する場合(測位モードの場合)には、捕捉衛星数が0以上3以下であれば、表示衛星数を当該捕捉衛星数とし、捕捉衛星数が4機以上であれば表示衛星数を4とする。これによれば、前述の第1時刻修正部74が機能する場合と同様に、表示衛星数が簡略化して表示されるので、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数を容易に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより簡易に把握できる。この他、測位モードでは、3機以上のGPS衛星SLからの衛星信号の受信を要するので、当該測位モードでの時刻修正が実施可能か否かを容易に把握できる。
【0058】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。具体的に、本実施形態に係る腕時計は、時刻修正の際に実行されるモードに応じて受信強度の閾値を調整し、当該閾値以上の受信強度の衛星信号を送信するGPS衛星数を表示衛星数とする点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、本実施形態においては、受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLのうち、当該GPS衛星SLから受信される衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の衛星信号を送信するGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、衛星計数部76は、前述の第1時刻修正部74が機能する場合と、第2時刻修正部75が機能する場合とで、上記閾値を切り替える。具体的に、衛星計数部76は、第1時刻修正部74が機能する場合にはSN比30の第1閾値を閾値として設定し、第2時刻修正部75が機能する場合には、第1閾値より高いSN比35の第2閾値を閾値として設定する。
【0060】
図7は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図7に示す期間t1では、捕捉衛星数は4であるが、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLのうち、第1閾値以上の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は4であり、第2閾値以上の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は3である。このため、衛星計数部76は、測時モード(第1時刻修正部74が機能する場合)及び測位モード(第2時刻修正部75が機能する場合)での表示衛星数をそれぞれ4及び3とする。
【0061】
期間t2では、捕捉衛星数は1であるが、第1閾値及び第2閾値以上の信号強度の衛星信号を送信するGPS衛星SLがない。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードでの表示衛星数をそれぞれ0とする。
期間t3では、捕捉衛星数が0であるため、衛星計数部76は表示衛星数を0とする。
期間t4では、捕捉衛星数は2であるが、第1閾値及び第2閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は、それぞれ2及び1である。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードでの表示衛星数をそれぞれ2及び1とする。
【0062】
期間t5では、捕捉衛星数は4であるが、第1閾値及び第2閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されるGPS衛星SLの数は、それぞれ3及び2である。このため、衛星計数部76は、測時モード及び測位モードでの表示衛星数をそれぞれ3及び2とする。
期間t6〜t8においても、衛星計数部76により、同様に表示衛星数が計数される。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0063】
図8は、衛星計数処理SCを示すフローチャートである。
本実施形態に係る腕時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SCを実行する。
この衛星計数処理SCでは、図8に示すように、まず、衛星計数部76が、実行されているモードが測時モードであるか否か、すなわち、第1時刻修正部74が機能しているか否かを判定する(ステップSC1)。
【0064】
ここで、実行されているモードが測時モードである(第1時刻修正部74が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、前述の閾値に第1閾値を設定する(ステップSC2)。
一方、実行されているモードが測位モードである(第2時刻修正部75が機能している)と判定すると、衛星計数部76は、前述の閾値に第2閾値を設定する(ステップSC3)。
これらステップSC2又はステップSC3の後、衛星計数部76は、前述の計数方法で、捕捉されたGPS衛星SLのうち、信号強度が第1閾値又は第2閾値以上の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を計数して、当該GPS衛星の数を表示衛星数とする(ステップSC4)。これにより、衛星計数処理SCが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0065】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
衛星計数部76は、受信された衛星信号の信号強度が第1閾値又は第2閾値以上のGPS衛星SLの数を表示衛星数として計数し、表示制御部77が、当該表示衛星数を表示する。これによれば、有効な衛星信号を受信可能な衛星数をより適切に計数及び表示でき、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
【0066】
また、第1時刻修正部74が機能する場合の第1閾値より、第2時刻修正部75が機能する場合の第2閾値の方がSN比は高い。これは、第1時刻修正部74による時刻修正では、1機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信できればよいので、適切な衛星信号を受信できる確率が高いが、第2時刻修正部75による時刻修正では、3機以上のGPS衛星SLから衛星信号を受信する必要があり、適切に衛星信号を受信できる確率が前者の場合より下がるので、表示衛星数の計数に際して、信号強度をより厳密に判定する必要があるためである。このため、第1時刻修正部74が機能する場合に比べ、第2時刻修正部75が機能する場合の閾値を高くして、表示衛星数の計数方法を厳しくすることにより、衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数をより正確に表示でき、当該第2時刻修正部75による時刻修正が適切に行えるか否かを、使用者がより適切に把握できる。従って、衛星信号の受信状態をより適切に把握でき、腕時計1の利便性をより向上できる。
【0067】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。すなわち、本実施形態に係る腕時計は、衛星信号の信号強度と比較される閾値を捕捉衛星数に応じて調整する点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、捕捉されたGPS衛星SLのうち、所定の閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、衛星計数部76は、捕捉衛星数に応じて当該閾値を調整する。具体的に、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0以上3以下である場合には、前述の第1閾値(SN比30)を当該閾値に設定し、捕捉衛星数が4以上である場合には、第1閾値より高い第2閾値(SN比35)を当該閾値に設定する。
【0069】
図9は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図9に示す期間t1では、捕捉衛星数が4である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t1での表示衛星数は3となる。
期間t2では、捕捉衛星数が1である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t2での表示衛星数は0となる。
期間t3では、捕捉衛星数が0であるため、衛星計数部76は表示衛星数を0とする。
【0070】
期間t4及び期間t5では、捕捉衛星数が2及び3である。このため、衛星計数部76は、それぞれの期間で第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t4及び期間t5での表示衛星数はそれぞれ2及び3となる。
期間t6では、捕捉衛星数が4である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t6での表示衛星数は2となる。
期間t7及び期間t8では、捕捉衛星数がそれぞれ5である。このため、衛星計数部76は、それぞれの期間で第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t7及び期間t8での表示衛星数は2及び3となる。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0071】
図10は、衛星計数処理SDを示すフローチャートである。
本実施形態に係る腕時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SDを実行する。
この衛星計数処理SDでは、図10に示すように、まず、衛星計数部76は、前述の時刻修正処理のステップSA3(図5参照)で算出された捕捉衛星数が0以上3以下であるか否かを判定する(ステップSD1)。
【0072】
ここで、捕捉衛星数が0以上3以下であると判定すると、衛星計数部76は、第1閾値(SN比30)を閾値に設定する(ステップSD2)。
一方、捕捉衛星数が0以上3以下でない(4以上である)と判定すると、衛星計数部76は、第2閾値(SN比35)を閾値に設定する(ステップSD3)。
これらステップSD2又はステップSD3の後、衛星計数部76は、前述の計数方法で、捕捉されたGPS衛星SLのうち、信号強度が第1閾値又は第2閾値以上である衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を計数して、当該GPS衛星の数を表示衛星数とする(ステップSD4)。これにより、衛星計数処理SDが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0073】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
衛星計数部76は、衛星信号の信号強度と比較される閾値を設定することで、ノイズ等の影響により、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLの数を表示衛星数として計数しない。これにより、より適切な表示衛星数を表示でき、衛星信号の受信状態をより適切に把握できる。
また、当該閾値は、捕捉衛星数に応じて調整されるので、第2時刻修正部75による時刻修正の場合に、表示衛星数の計数条件を厳しくすることで、必要な数のGPS衛星SLから衛星信号を確実に受信できるか否か、すなわち、当該時刻修正が適切に実行できるか否かを使用者が把握できる。従って、表示された表示衛星数を確認することで、第2時刻修正部75による時刻修正を実施できるか否かを使用者がより適切に把握できる。
【0074】
また、衛星計数部76は、捕捉衛星数が4以上の場合には、0以上3以下の場合に比べてSN比が高い第2閾値を閾値に設定するので、第2時刻修正部75による高精度な時刻修正を行う場合の4機以上のGPS衛星SLからの衛星信号が受信可能か否かを、表示衛星数を確認することで、使用者がより適切に把握できる。従って、腕時計1の時刻修正が適切に実施可能か否かをより適切に把握できる。
【0075】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。すなわち、本実施形態に係る腕時計は、捕捉衛星数が所定範囲内にある場合に、衛星信号の信号強度と比較される閾値に高い閾値を採用し、当該範囲外にある場合に、低い閾値を採用する点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、捕捉されたGPS衛星SLのうち、所定の閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、本実施形態では、衛星計数部76は、捕捉衛星数が所定範囲内にあるときと無いときとで、閾値を調整する。
具体的に、衛星計数部76は、捕捉衛星数が4以上5以下である場合に、SN比35の第2閾値を採用し、捕捉衛星数が上記範囲外(すなわち、0以上3以下又は6以上)である場合に、第2閾値より低いSN比30の第1閾値を採用する。
なお、このような範囲は変更可能であり、例えば、捕捉衛星数が3以上5以下である場合に第2閾値を採用し、それ以外の場合に第1閾値を採用してもよい。すなわち、捕捉衛星数が当該範囲内のときに高い閾値が採用され、当該範囲外のときに低い閾値が採用されればよい。
【0077】
図11は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。なお、図11においては、前述の3種類の点線と、一点鎖線と、二点鎖線とにより示される衛星信号の他、実線により示される衛星信号が追加されている。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図11に示す期間t1では、捕捉衛星数は4である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t1での表示衛星数は3となる。
期間t2では、捕捉衛星数は1である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t2での表示衛星数は0となる。
期間t3では、捕捉衛星数は0であるため、衛星計数部76は表示衛星数を0とする。
【0078】
期間t4及び期間t5では、捕捉衛星数はそれぞれ2及び3である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t4及び期間t5での表示衛星数はそれぞれ2及び3となる。
期間t6及び期間t7では、捕捉衛星数はそれぞれ4及び5である。このため、衛星計数部76は、第2閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t6及び期間t7での表示衛星数はそれぞれ3となる。
期間t8では、捕捉衛星数は6である。このため、衛星計数部76は、第1閾値を採用して表示衛星数を計数するので、期間t8での表示衛星数は5となる。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0079】
図12は、衛星計数処理SEを示すフローチャートである。
本実施形態に係る腕時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SEを実行する。
この衛星計数処理SEでは、図12に示すように、まず、衛星計数部76は、前述の時刻修正処理のステップSA3(図5参照)で算出された捕捉衛星数が前述の範囲(3以上4以下)内にあるか否かを判定する(ステップSE1)。
ここで、捕捉衛星数が4以上5以下であると判定すると、衛星計数部76は、第2閾値(SN比35)を採用する(ステップSE2)。
一方、捕捉衛星数が4以上5以下でない(0以上3以下又は6以上である)と判定すると、衛星計数部76は、第1閾値(SN比30)を採用する(ステップSE3)。
これらステップSE2又はステップSE3の後、衛星計数部76は、前述の計数方法で、捕捉されたGPS衛星SLのうち、信号強度が第1閾値又は第2閾値以上である衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を表示衛星数とする(ステップSE4)。これにより、衛星計数処理SEが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0080】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
捕捉衛星数が0以上3以下の場合、又は、6以上の場合に採用される第1閾値に比べてSN比が高い第2閾値を、捕捉衛星数が4以上5以下の場合に採用することにより、第2時刻修正部75による高精度な時刻修正を確実に実施可能か否かを使用者が把握できる。
【0081】
ここで、前述のように、現在位置を算出するためには、3機以上のGPS衛星SLから位置情報を取得する必要があり、高度を加えた現在位置を算出するためには、4機以上のGPS衛星SLから位置情報を取得する必要がある。しかしながら、捕捉されたGPS衛星SLの数が3及び4であっても、各GPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できるとは限らない。一方、捕捉されたGPS衛星SLの数が十分に多い場合(例えば6以上)には、3機又は4機のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できる確率が高い。
このため、捕捉されたGPS衛星SLに、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLが含まれることを考慮して、捕捉衛星数が4以上5以下の場合に、SN比が高い第2閾値を採用することで、表示衛星数の計数条件を厳しくする。これによれば、現在位置の算出に際して必要な数のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できるか否かを、より正確に評価できる。従って、現在位置の算出及び時刻修正が適切に実施可能か否かをより一層正確に把握できる。
【0082】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態に係る腕時計は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有するが、本実施形態に係る腕時計と、腕時計1とは、衛星計数部76による表示衛星数の計数方法が相違する。すなわち、本実施形態に係る腕時計は、捕捉衛星数が所定範囲内にある場合に、当該捕捉衛星数から所定値を減算した数を表示衛星数とし、当該範囲外にある場合に、捕捉衛星数を表示衛星数とする点で、腕時計1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
本実施形態に係る腕時計は、衛星計数部76の機能が異なる他は、前述の腕時計1と同様の構成及び機能を有する。
この衛星計数部76は、捕捉されたGPS衛星SLのうち、所定の閾値以上の信号強度の衛星信号が受信されたGPS衛星SLの数を、衛星信号を受信可能なGPS衛星SLの数として表示される表示衛星数として計数する。この際、本実施形態では、衛星計数部76は、捕捉衛星数が所定範囲内にあるときには、表示衛星数を捕捉衛星数から所定値減算した値とし、当該範囲外にあるときには、捕捉衛星数を表示衛星数とする。
具体的に、本実施形態では、衛星計数部76は、捕捉衛星数が4以上5以下である場合には、捕捉衛星数から1減算した値を表示衛星数とし、当該範囲外である場合には、捕捉衛星数を表示衛星数とする。
なお、このような範囲は変更可能であり、例えば、捕捉衛星数が3以上5以下である場合に当該捕捉衛星数から1減算した値を表示衛星数としてもよく、当該範囲はなくてもよい。この際、減算した結果が0未満となる場合には、表示衛星数を0とすればよい。また、減算する値も変更可能である。
【0084】
図13は、捕捉衛星数と表示衛星数との関係を示す図である。なお、図13においては、図11と同様に、前述の3種類の点線と、一点鎖線と、二点鎖線とにより示される衛星信号の他、実線により示される衛星信号が追加されている。
このような衛星計数部76は、例えば、以下のように表示衛星数を計数する。
図13に示す期間t1では、捕捉衛星数が4であるので、衛星計数部76は、当該捕捉衛星数から1減算した3を表示衛星数とする。
期間t2〜t5では、捕捉衛星数が1、0、2及び3であるので、衛星計数部76は、捕捉衛星数を減算せずに当該捕捉衛星数を表示衛星数とする。このため、当該各期間t2〜t5の表示衛星数はそれぞれ1、0、2及び3となる。
【0085】
期間t6〜t7では、捕捉衛星数が4及び5であるので、衛星計数部76は、当該各捕捉衛星数から1減算した値である3及び4を、それぞれの期間の表示衛星数とする。
期間t8では、捕捉衛星数が6であるので、衛星計数部76は、捕捉衛星数の減算をせずに当該捕捉衛星数を表示衛星数とする。このため、期間t8の表示衛星数は6となる。
このようにして衛星計数部76により計数された表示衛星数は、表示制御部77及び表示手段2により表示される。
【0086】
図14は、衛星計数処理SFを示すフローチャートである。
本実施形態に係る時計では、前述の時刻修正処理において、衛星計数処理SBに代えて衛星計数処理SFを実行する。
この衛星計数処理SFでは、図14に示すように、まず、衛星計数部76は、前述の時刻修正処理のステップSA3(図5参照)で算出された捕捉衛星数が前述の範囲(4以上5以下)内にあるか否かを判定する(ステップSF1)。
ここで、捕捉衛星数が4以上5以下であると判定すると、衛星計数部76は、捕捉衛星数から所定値(本実施形態では1)減算した値を表示衛星数として計数する(ステップSF2)。
一方、捕捉衛星数が4以上5以下でない(0以上3以下又は6以上である)と判定すると、衛星計数部76は、捕捉衛星数を表示衛星数とする(ステップSF3)。
これらステップSF2又はステップSF3の後、衛星計数処理SFが終了する。
そして、当該表示衛星数は、時刻修正処理のステップSA4にて表示される。
【0087】
以上説明した本実施形態に係る腕時計によれば、前述の腕時計1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
受信手段6により捕捉されたGPS衛星SLには、信号強度が微弱であったりノイズ等の影響により、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLが含まれる場合がある。このため、当該GPS衛星SLが存在することを想定し、衛星計数部76は、捕捉衛星数から所定値減算した値を表示衛星数とすることにより、衛星信号を適切に受信できる確率の高い衛星数を表示衛星数として簡易に計数できる。従って、衛星計数部76は、複雑な計数処理を実施しなくてよいので、当該衛星計数部76の処理負担を軽減でき、消費電力を低減できる。
【0088】
また、前述のように、現在位置を算出するためには、3機以上(より好ましくは4機以上)のGPS衛星SLから位置情報を取得する必要がある。このため、捕捉されたGPS衛星SLに、衛星信号を適切に受信できないGPS衛星SLが含まれることを考慮して、捕捉衛星数が4以上5以下の場合に、捕捉衛星数から所定値(本実施形態では1)減算した値を表示衛星数とする。これにより、表示衛星数の計数条件が厳しくなるので、現在位置の算出に際して必要な数のGPS衛星SLから衛星信号を適切に受信できるか否かを、より正確に評価できる。従って、現在位置の算出及び時刻修正が適切に実施可能か否かをより一層正確に把握できる。
【0089】
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、それぞれ異なる表示衛星数の計数方法を採用したが、本発明はこれに限らない。すなわち、前記各実施形態で示した計数方法を互いに組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態にて示した計数方法と、第3実施形態にて示した計数方法とを組み合わせて、第2時刻修正部75による測位モードでの時刻修正に際して、第2閾値以上の信号強度の衛星信号を送信するGPS衛星SLの数が0以上3以下である場合には、表示衛星数を当該GPS衛星SLの数とし、当該GPS衛星SLの数が4以上であれば、表示衛星数を4としてもよい。
また、所定の条件に合致した場合(例えば、内部時刻が予め設定された自動受信時刻に達した場合)に衛星信号を自動的に受信する機能を有する場合には、当該衛星信号の受信に際して、上記計数方法により計数されたGPS衛星SLの数を表示する構成としてもよい。
【0090】
前記第1実施形態では、第1時刻修正部74による測時モードでの時刻修正を行う際に、衛星計数部76は、捕捉衛星数が0であると表示衛星数を0とし、捕捉衛星数が1以上であると表示衛星数を1としたが、本発明はこれに限らない。例えば、捕捉衛星数が0以上1以下である場合には表示衛星数を捕捉衛星数とし、捕捉衛星数が2以上の場合に表示衛星数を2としてもよい。すなわち、表示衛星数の最大値は適宜変更可能である。第2時刻修正部75による測位モードでの時刻修正を行う場合も同様である。
【0091】
前記第2実施形態では、第1時刻修正部74が機能する場合と、第2時刻修正部75が機能する場合とで、閾値を第1閾値と第2閾値とで切り替えた。また、前記第3及び第4実施形態では、捕捉衛星数に応じて、採用される閾値を第1閾値と第2閾値とで切り替えた。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、同じSN比の閾値をそれぞれの場合で採用してもよい。また、第1閾値及び第2閾値の値は、前述の数値に限らず、適宜変更してよい。
【0092】
前記各実施形態では、補正後の衛星数を指針を構成する秒針を用いて表示したが、本発明はこれに限らない。例えば、当該衛星数をディスプレイで表示してもよい。この他、小時計が設けられている場合には、当該小時計を用いて、衛星数を表示するように構成してもよい。
【0093】
前記各実施形態では、衛星計数部76及び表示制御部77による表示衛星数の計数及び表示は、第1時刻修正部74又は第2時刻修正部75による時刻修正が行われる際に実行されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、時刻修正とは無関係に、表示衛星数の計数及び表示を行う構成としてもよい。例えば、操作手段3に対して所定の操作が使用者により行われた際に、当該表示衛星数の計数及び表示を実行してもよい。
【0094】
前記各実施形態では、ソーラーパネルを有する発電手段5を備える構成としたが、本発明はこれに限らない。例えば、ローター及びギアを備え、腕時計1が装着された人や物の動きに応じて発電する発電手段を採用してもよい。
前記各実施形態では、位置情報衛星としてGPS衛星SLを挙げたが、本発明はこれに限らない。すなわち、位置情報を含む衛星信号を送信する位置情報衛星から当該衛星信号を受信する構成を有する電子機器であれば、本発明を適用可能である。
【0095】
前記各実施形態では、電子時計として、使用者に装着される腕時計を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば、置き時計及び掛け時計に、本発明を適用することも可能である。また、ディスプレイ23がなく、文字板21及び指針22のみを有する表示手段を備えた電子時計(腕時計を含む)に、本発明を適用することも可能である。更に、携帯電話機等の電子機器に、本発明の電子時計を組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…腕時計(電子機器、電子時計)、2…表示手段、6…受信手段、7…制御手段、71…記憶部、72…計時部、74…第1時刻修正部、75…第2時刻修正部、76…衛星計数部、77…表示制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を表示する表示手段と、
位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記表示手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、
前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記制御手段は、
時刻を計時する計時部と、
前記受信手段により1機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、前記計時部により計時されている時刻の修正を実施する第1時刻修正部と、
前記受信手段により3機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報に基づいて、前記第1時刻修正部より高精度な前記時刻の修正を実施する第2時刻修正部とを有し、
前記衛星計数部は、前記第1時刻修正部が機能する場合と、前記第2時刻修正部が機能する場合とで、前記表示衛星数の計数方法を切り替える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記位置情報と、当該位置情報により示される地域での標準時に対する時差とが関連付けられた記憶部を有し、
前記第2時刻修正部は、前記位置情報に基づいて前記記憶部から取得される時差と前記時刻情報とに基づいて、前記時刻の修正を実施する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の電子機器において、
前記第1時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、
捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0であると、前記表示衛星数を0とし、
前記捕捉衛星数が1以上であると、前記表示衛星数を1とする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれかに記載の電子機器において、
前記第2時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、
前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0以上3以下であると、当該捕捉衛星数に応じた数を前記表示衛星数とし、
前記捕捉衛星数が4以上であると、前記表示衛星数を4とする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信される前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、
前記所定の閾値は、前記第1時刻修正部が機能する場合より、前記第2時刻修正部が機能する場合の方が高い
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信された前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、
前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数に応じて調整される
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が0以上3以下である場合より、当該位置情報衛星の数が4以上である場合の方が高い
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項7に記載の電子機器において、
前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合の方が、当該範囲外の場合より高い
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項1に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数から所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合に、当該位置情報衛星の数から前記所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項9又は請求項11に記載の電子機器において、
前記整数値は5である
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】
時刻情報を含む衛星信号を位置情報衛星から受信し、当該時刻情報に基づいて時刻を修正する電子時計であって、
所定の情報を表示する表示手段と、
前記位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から前記衛星信号を受信する受信手段と、
前記表示手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、
前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項1】
所定の情報を表示する表示手段と、
位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信手段と、
前記表示手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、
前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記制御手段は、
時刻を計時する計時部と、
前記受信手段により1機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、前記計時部により計時されている時刻の修正を実施する第1時刻修正部と、
前記受信手段により3機以上の前記位置情報衛星から前記衛星信号を受信させ、当該衛星信号に含まれる時刻情報及び位置情報に基づいて、前記第1時刻修正部より高精度な前記時刻の修正を実施する第2時刻修正部とを有し、
前記衛星計数部は、前記第1時刻修正部が機能する場合と、前記第2時刻修正部が機能する場合とで、前記表示衛星数の計数方法を切り替える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記位置情報と、当該位置情報により示される地域での標準時に対する時差とが関連付けられた記憶部を有し、
前記第2時刻修正部は、前記位置情報に基づいて前記記憶部から取得される時差と前記時刻情報とに基づいて、前記時刻の修正を実施する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の電子機器において、
前記第1時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、
捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0であると、前記表示衛星数を0とし、
前記捕捉衛星数が1以上であると、前記表示衛星数を1とする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれかに記載の電子機器において、
前記第2時刻修正部が機能する場合、前記衛星計数部は、
前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星の数である捕捉衛星数が0以上3以下であると、当該捕捉衛星数に応じた数を前記表示衛星数とし、
前記捕捉衛星数が4以上であると、前記表示衛星数を4とする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信される前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、
前記所定の閾値は、前記第1時刻修正部が機能する場合より、前記第2時刻修正部が機能する場合の方が高い
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、受信された前記衛星信号の信号強度が所定の閾値以上の位置情報衛星の数を、前記表示衛星数として計数し、
前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数に応じて調整される
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が0以上3以下である場合より、当該位置情報衛星の数が4以上である場合の方が高い
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項7に記載の電子機器において、
前記所定の閾値は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合の方が、当該範囲外の場合より高い
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項1に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数から所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
前記衛星計数部は、捕捉された前記位置情報衛星の数が4以上で、かつ、4より大きい整数値以下の範囲内の場合に、当該位置情報衛星の数から前記所定値減算した数を、前記表示衛星数として計数する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項9又は請求項11に記載の電子機器において、
前記整数値は5である
ことを特徴とする電子機器。
【請求項13】
時刻情報を含む衛星信号を位置情報衛星から受信し、当該時刻情報に基づいて時刻を修正する電子時計であって、
所定の情報を表示する表示手段と、
前記位置情報衛星を捕捉して、当該位置情報衛星から前記衛星信号を受信する受信手段と、
前記表示手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記受信手段により捕捉された前記位置情報衛星のうち、前記衛星信号を受信可能な位置情報衛星の数として表示される表示衛星数を計数する衛星計数部と、
前記表示衛星数を前記表示手段に表示させる表示制御部とを有する
ことを特徴とする電子時計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−50396(P2013−50396A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188778(P2011−188778)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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