説明

電子機器及び電子機器の冷却方法

【課題】筐体内部の圧力の変化を抑えることができ、温度上昇部材の温度制御を的確に行うことができる電子機器を提供する。
【解決手段】筐体10は温度上昇部材である液晶素子1R,1B,1Gを内部に有する。吸気ファン3は温度上昇部材を冷却するための空気を取り込む。排気ファン5は筐体10内の空気を排出する。圧力センサ20は、筐体10の内圧と外圧との差を検出して圧力データを出力する。制御部21,圧力・回転数設定テーブル22,同期化部23,クロック発生部24,PWM駆動部25,加算部26の部分は、圧力データに応じて排気ファン5の回転数を制御して、排気ファン5が空気を排出する程度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度上昇部材を冷却する構造・方法を改良した電子機器及び電子機器の冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の一例である液晶プロジェクタは、映像信号に応じて液晶を変調させる液晶素子を備える。液晶プロジェクタを動作させると、液晶素子は駆動回路の発熱や照射される光によって温度が上昇する。部材それ自体が発熱する発熱体や外部から与えられる熱によって温度が上昇する部材を温度上昇部材と総称する。液晶プロジェクタでは、液晶素子以外にも電源部,ランプ,電気回路等が温度上昇部材となる。そこで、液晶プロジェクタは、液晶素子等の温度上昇部材を冷却するための冷却ファンを備える。特許文献1に記載されているように、冷却ファンとして吸気ファンと排気ファンとを備える場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−84534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように電子機器が温度上昇部材を冷却するための冷却ファンを複数備える場合には、複数の冷却ファンによる相互影響で筐体の内部は圧力が変化しやすい。圧力が変化すると、冷却ファンの回転数が変動して送風量が変化してしまう。そのため、所望の冷却特性を得ることができず、温度上昇部材の温度制御を的確に行うことができない場合がある。吸気ファンとしては遠心送風方式のシロッコファンが用いられる場合が多い。シロッコファンは軸流方式ファンと比較して圧力変化の影響を受けやすいため、温度上昇部材の温度制御を的確に行うことが特に求められる。
【0005】
本発明はこのような要望に対応するため、筐体内部の圧力の変化を抑えることができ、温度上昇部材の温度制御を的確に行うことができる電子機器及び電子機器の冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、温度上昇部材(1R,1B,1G)を内部に有する筐体(10)と、前記筐体の吸入口に取り付けられ、前記温度上昇部材を冷却するための空気を取り込む吸気ファン(3,3R,3B,3G)と、前記筐体の排出口に取り付けられ、前記筐体内の空気を排出する排気ファン(5)と、前記筐体の内圧と外圧との差を検出し、前記差を示す圧力データを出力する圧力センサ(20)と、前記圧力データに応じて前記排気ファンが空気を排出する程度を制御する排出制御部(21〜26)とを備えることを特徴とする電子機器を提供する。
【0007】
上記の電子機器において、前記排出制御部は、前記圧力データに応じて前記排気ファンの回転数を制御する排気ファン回転数制御部であることが好ましい。
【0008】
上記の電子機器において、前記温度上昇部材の温度を検出して温度データを出力する温度センサ(13G,13B,13R)と、前記温度データに応じて前記吸気ファンの回転数を制御する吸気ファン回転数制御部(11〜15)とを備えることが好ましい。
【0009】
上記の電子機器において、前記筐体が複数の温度上昇部材(1R,1B,1G)を有する場合には、前記複数の温度上昇部材それぞれに対応した複数の吸気ファン(3R,3B,3G)と、前記複数の温度上昇部材それぞれの温度を検出してそれぞれの温度データを出力する温度センサ(13G,13B,13R)とを備え、前記吸気ファン回転数制御部は、前記複数の温度上昇部材それぞれの温度データに応じて前記複数の吸気ファンの回転数を個別に制御することが好ましい。
【0010】
上記の電子機器において、前記温度上昇部材は液晶素子であり、前記電子機器は液晶プロジェクタであってよい。
【0011】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、温度上昇部材(1R,1B,1G)を内部に有する筐体(10)の吸入口に取り付けられた吸気ファン(3,3R,3B,3G)によって前記温度上昇部材を冷却するための空気を取り込み、前記筐体の排出口に取り付けられた排気ファン(5)によって前記筐体内の空気を排出し、前記筐体の内圧と外圧との差を検出して圧力データを生成し、前記圧力データに応じて前記排気ファンが空気を排出する程度を制御することを特徴とする電子機器の冷却方法を提供する。
【0012】
上記の電子機器の冷却方法において、前記圧力データに応じて前記排気ファンの回転数を制御することが好ましい。
【0013】
上記の電子機器の冷却方法において、前記温度上昇部材の温度を検出して温度データを生成し、前記温度データに応じて前記吸気ファンの回転数を制御することが好ましい。
【0014】
上記の電子機器の冷却方法において、前記筐体は複数の温度上昇部材(1R,1B,1G)を有し、前記複数の温度上昇部材それぞれに対応した複数の吸気ファン(3R,3B,3G)によって前記複数の温度上昇部材それぞれを冷却し、前記複数の温度上昇部材それぞれの温度を検出してそれぞれの温度データを生成し、前記複数の温度上昇部材それぞれの温度データに応じて前記複数の吸気ファンの回転数を個別に制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子機器及び電子機器の冷却方法によれば、筐体内部の圧力の変化を抑えることができ、温度上昇部材の温度制御を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の電子機器の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】各実施形態で用いているシロッコファンの風量と圧力との関係を示すP-Q特性図である。
【図3】本発明の電子機器の第2実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の電子機器の第3実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の電子機器及び電子機器の冷却方法の各実施形態について、添付図面を参照して説明する。後述する各実施形態は、電子機器として液晶プロジェクタを例にして説明する。電子機器は液晶プロジェクタに限定されるものではなく、冷却を必要とする温度上昇部材を有する任意の電子機器でよい。
【0018】
<第1実施形態>
図1において、筐体10内の所定の位置には温度上昇部材の一例としての液晶素子1R,1B,1Gが取り付けられている。液晶素子1R,1B,1Gはそれぞれ、赤,青,緑の3原色映像信号を変調するための変調素子である。液晶素子1R,1B,1Gにはそれぞれ、放熱のためのヒートシンク2R,2B,2Gが取り付けられている。筐体10の図1左側に設けられている吸気口には吸気ファン3が装着されている。第1実施形態では、吸気ファン3としてシロッコファンを用いている。ハッチングを付した矢印は筐体10内に取り込まれる空気の流れを示している。
【0019】
吸気ファン3にはダクト4が接続されている。第1実施形態では、1つの吸気ファン3によって筐体10内に取り込んだ空気をダクト4によって液晶素子1R,1B,1G(ヒートシンク2R,2B,2G)近傍まで導き、液晶素子1R,1B,1G(ヒートシンク2R,2B,2G)を冷却する。ダクト4は、ヒートシンク2Rに対向する開口4orと、ヒートシンク2Bに対向する開口4obと、ヒートシンク2Gに対向する開口4ogとを備える。液晶素子1R,1B,1Gによって発熱量が異なるので開口4or,4ob,4ogの面積を異ならせることが好ましく、例えば、開口4or,4ob,4ogの順で1:4:5とする。
【0020】
筐体10の図1右側に設けられている排気口には排気ファン5が装着されている。第1実施形態では、排気ファン5として軸流方式ファンを用いている。ハッチングを付した矢印は筐体10より排出される空気の流れを示している。
【0021】
図2は、シロッコファンの風量と圧力(静圧)との関係を示すP-Q特性を示している。図2より分かるように、シロッコファンは静圧が低くなれば風量が大きくなり、静圧が高くなれば風量が小さくなる特性を有する。静圧が最大のとき全閉状態で風量が0、風量が最大のときは無圧力のフリーエアの状態となる。筐体10内の圧力が変化すれば、吸気ファン3による吸気の風量が変化することになる。
【0022】
特に図示していないが、筐体10内には、温度上昇部材として、液晶素子1R,1B,1Gの他に電源部やランプ等の発熱体も有し、筐体10内にはこれらを冷却する冷却ファンも存在する。この冷却ファンによって筐体10内の圧力が変化しやすく、吸気ファン3による吸気の風量に影響を及ぼすことになる。
【0023】
そこで、第1実施形態においては、吸気ファン3の回転数と排気ファン5の回転数とを個別に管理して個別に制御する。吸気ファン3より出力された回転パルスPrt3は同期化部13に入力される。同期化部13にはクロック発生部14が発生する基準クロック(基準パルス)が入力される。PWM駆動部15は、所定のパルス幅の駆動パルスを吸気ファン3に供給する。吸気ファン3は駆動パルスのパルス幅に応じた回転数で回転する。同期化部13は、回転パルスPrt3を基準クロックに一致させるようにPWM駆動部15を制御する。
【0024】
吸気ファン3は、吸気ファン3→同期化部13→PWM駆動部15→吸気ファン3の第1のループによって回転パルスPrt3が一定になるように制御される。この第1のループではリアルタイムで吸気ファン3の回転数が制御される。
【0025】
液晶素子1R,1B,1Gにはそれぞれ温度センサ13G,13B,13Rが装着されている。制御部11には、少なくとも液晶素子1Bに装着されている温度センサ13Bからの温度データが入力される。破線で示しているように、制御部11に温度センサ13G,13Rからの温度データも入力してもよい。
【0026】
温度・回転数設定テーブル12には、液晶素子1B(1R,1G)の温度に対して吸気ファン3の回転数が設定されている。制御部11は、温度センサ13Bからの温度データに応じた吸気ファン3の回転数とするよう同期化部13を制御する。液晶素子1Bの温度が上昇すれば吸気ファン3の回転数を増加させるよう制御する。吸気ファン3は、液晶素子1B→制御部11→同期化部13→PWM駆動部15→吸気ファン3の第2のループによって、回転パルスPrt3が液晶素子1Bの温度に応じて制御される。この第2のループでは例えば30秒ごとに制御部11から出力される制御信号が更新される。
【0027】
制御部11が同期化部13に出力する制御信号は、回転数を指定するためのクロック数である。
【0028】
図1において、制御部11,温度・回転数設定テーブル12,同期化部13,クロック発生部14,PWM駆動部15の部分は、温度センサ13B(13R,13G)からの温度データに応じて吸気ファン3の回転数を制御する吸気ファン回転数制御部となっている。
【0029】
排気ファン5より出力された回転パルスPrt5は同期化部23に入力される。同期化部23にはクロック発生部24が発生する基準クロック(基準パルス)が入力される。PWM駆動部25は、所定のパルス幅の駆動パルスを排気ファン5に供給する。排気ファン5は駆動パルスのパルス幅に応じた回転数で回転する。同期化部23は、回転パルスPrt5を基準クロックに一致させるようにPWM駆動部25を制御する。
【0030】
排気ファン5は、排気ファン5→同期化部23→PWM駆動部25→排気ファン5の第3のループによって回転パルスPrt5が一定になるように制御される。この第3のループではリアルタイムに排気ファン5の回転数が制御される。
【0031】
筐体10には、筐体10の内部の圧力(内圧)と外部の圧力(外圧)との差を検出する圧力センサ20が取り付けられている。制御部21には、圧力センサ20からの内圧と外圧との差を示す圧力データが入力される。圧力・回転数設定テーブル22には、圧力センサ20からの圧力データに対して排気ファン5の回転数が設定されている。制御部21は、圧力・回転数設定テーブル22を参照して圧力センサ20からの圧力データに応じた排気ファン5の回転数とするよう同期化部23に対して目標とする回転数を設定する。
【0032】
排気ファン5は、圧力センサ20→制御部21→同期化部23→PWM駆動部25→排気ファン5の第4のループによって、回転パルスPrt5が筐体10の内部と外部との圧力差に応じて制御される。この第4のループでは例えば30秒ごとに制御部21から出力される制御信号が更新される。制御部21が同期化部23に出力する制御信号は、回転数を指定するためのクロック数である。
【0033】
筐体10の内圧をPain、外圧をPaoutとすると、吸気ファン3によって筐体10内に取り込まれた空気が排気ファン5によって効率的に排出されるためには、内圧Painが外圧Paoutより若干高い程度がよい。即ち、筐体10内が所定の範囲の陽圧がよい。そこで、内圧Painが外圧Paoutより所定以上高い場合には、上記の第4のループによる制御によって排気ファン5の回転数を増加させ、内圧Painが外圧Paoutと同じ、または、内圧Painが外圧Paoutより低い場合には、上記の第4のループによる制御によって排気ファン5の回転数を減少させる。
【0034】
第1実施形態において、第1〜第4のループの具体的な構成は図1に示す構成に限定されることはなく、具体的な構成は適宜変更可能である。
【0035】
図1において、制御部21,圧力・回転数設定テーブル22,同期化部23,クロック発生部24,PWM駆動部25の部分は、圧力センサ20からの圧力データに応じて排気ファン5が空気を排出する程度を制御する排出制御部となっている。図1では、好適な構成として、排出制御部は、圧力データに応じて排気ファン5の回転数を制御する排気ファン回転数制御部となっている。
【0036】
<第2実施形態>
図3において、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図3に示す第2実施形態においては、液晶素子1R(ヒートシンク2R)に対して吸気ファン3Rが設けられ、液晶素子1B(ヒートシンク2B)に対して吸気ファン3Bが設けられ、液晶素子1G(ヒートシンク2G)に対して吸気ファン3Gが設けられている。吸気ファン3R,3B,3Gはシロッコファンである。
【0037】
制御部11には、液晶素子1R,1B,1Gそれぞれに装着されている温度センサ13G,13B,13Rからの温度データが入力される。制御部11は、温度センサ13G,13B,13Rからの温度データが入力され、吸気ファン3R,3B,3Gが液晶素子1R,1B,1Gに対して個別に設けられているので、上述した第2のループによって吸気ファン3R,3B,3Gを個別に制御することができる。従って、液晶素子1R,1B,1Gは個々の温度に応じて最適な状態に制御される。
【0038】
図3においては、図1における制御部21を省略して1つの制御部11によって同期化部13と同期化部23との双方を制御している。圧力センサ20からの圧力データは制御部11に入力される。制御部11は、圧力・回転数設定テーブル22を参照して、圧力センサ20からの圧力データに応じた排気ファン5の回転数とするよう同期化部23に対して目標とする回転数を設定する。
【0039】
図3においても、図1と同様に、2つの制御部11,21を備えて、同期化部13と同期化部23とを個別に制御してもよい。第1〜第4のループの具体的な構成、吸気ファン回転数制御部及び排出制御部(排気ファン回転数制御部)の具体的な構成は適宜変更可能である。
【0040】
<第3実施形態>
図4において、図1,図2と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図4に示す第3実施形態では、排気ファン5に対する制御が図1,図3と異なっている。圧力センサ20からの圧力データは制御部26に入力される。圧力・シャッタ設定テーブル27には、圧力センサ20からの圧力データに対して、筐体10の内部に設けられている排気ファン5に対するシャッタ30の位置(開閉の程度)が設定されている。
【0041】
制御部26は、圧力・シャッタ設定テーブル27を参照して、圧力センサ20からの圧力データに応じたシャッタ30の位置データをシャッタ制御部28に入力する。シャッタ制御部28は入力された位置データに応じて駆動部29を駆動して、シャッタ30を適宜の位置に移動させる。シャッタ30は、破線両矢印で示すように駆動部29によってその位置が制御される。シャッタ30が排気ファン5を塞ぐ方向(図4の上方向)に移動すれば、排気ファン5による排気量が減少し、シャッタ30が排気ファン5を塞がない方向(図4の下方向)に移動すれば、排気ファン5による排気量が増加する。
【0042】
図4において、制御部26,圧力・シャッタ設定テーブル27,シャッタ制御部28,駆動部29,シャッタ30の部分は、圧力センサ20からの圧力データに応じて排気ファン5が空気を排出する程度を制御する排出制御部となっている。図4における排出制御部は排気ファン5の回転数を一定とし、シャッタ30によって排気ファン5を塞ぐ程度を異ならせることによって、排気ファン5が空気を排出する程度を制御する構成である。
【0043】
以上説明した各実施形態によれば、筐体10の内圧と外圧との差である圧力データに応じて排気ファン5が空気を排出する程度を制御する排出制御部を備えるので、筐体10内を適度な陽圧に保つことができる。従って、筐体10内部の圧力の変化を抑えることができ、温度上昇部材の温度制御を的確に行うことが可能となる。好ましい構成として、各実施形態は、温度上昇部材の温度に応じて吸気ファン3,3R,3B,3Gの回転数を制御する吸気ファン回転数制御部を備えるので、温度上昇部材の温度制御をさらに的確に行うことが可能となる。
【0044】
各実施形態によれば、的確に温度上昇部材の温度を制御することが可能になるので、必要以上に吸気ファン3,3R,3B,3Gや排気ファン5を回転させることがなく、騒音を抑えることが可能となり、消費電力を削減することができるという副次的な効果も奏する。
【0045】
本発明は以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。前述のように、各実施形態は電子機器として液晶プロジェクタを例にしたが、これに限定されるものではない。また、冷却する対象の温度上昇部材は液晶素子に限定されるものでもない。
【符号の説明】
【0046】
1R,1B,1G 液晶素子(温度上昇部材)
2R,2B,2G ヒートシンク
3,3R,3B,3G 吸気ファン
4 ダクト
5 排気ファン
10 筐体
13G,13B,13R 温度センサ
11,21,26 制御部
12 温度・回転数設定テーブル
13,23 同期化部
14,24 クロック発生部
15,25 PWM駆動部
20 圧力センサ
22 圧力・回転数設定テーブル
27 圧力・シャッタ設定テーブル
28 シャッタ制御部
29 駆動部
30 シャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度上昇部材を内部に有する筐体と、
前記筐体の吸入口に取り付けられ、前記温度上昇部材を冷却するための空気を取り込む吸気ファンと、
前記筐体の排出口に取り付けられ、前記筐体内の空気を排出する排気ファンと、
前記筐体の内圧と外圧との差を検出し、前記差を示す圧力データを出力する圧力センサと、
前記圧力データに応じて前記排気ファンが空気を排出する程度を制御する排出制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記排出制御部は、前記圧力データに応じて前記排気ファンの回転数を制御する排気ファン回転数制御部であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記温度上昇部材の温度を検出して温度データを出力する温度センサと、
前記温度データに応じて前記吸気ファンの回転数を制御する吸気ファン回転数制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記筐体は複数の温度上昇部材を有し、
前記複数の温度上昇部材それぞれに対応した複数の吸気ファンと、
前記複数の温度上昇部材それぞれの温度を検出してそれぞれの温度データを出力する温度センサとを備え、
前記吸気ファン回転数制御部は、前記複数の温度上昇部材それぞれの温度データに応じて前記複数の吸気ファンの回転数を個別に制御する
ことを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記温度上昇部材は液晶素子であり、前記電子機器は液晶プロジェクタであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
温度上昇部材を内部に有する筐体の吸入口に取り付けられた吸気ファンによって前記温度上昇部材を冷却するための空気を取り込み、
前記筐体の排出口に取り付けられた排気ファンによって前記筐体内の空気を排出し、
前記筐体の内圧と外圧との差を検出して圧力データを生成し、
前記圧力データに応じて前記排気ファンが空気を排出する程度を制御する
ことを特徴とする電子機器の冷却方法。
【請求項7】
前記圧力データに応じて前記排気ファンの回転数を制御することを特徴とする請求項6記載の電子機器の冷却方法。
【請求項8】
前記温度上昇部材の温度を検出して温度データを生成し、
前記温度データに応じて前記吸気ファンの回転数を制御する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の電子機器の冷却方法。
【請求項9】
前記筐体は複数の温度上昇部材を有し、
前記複数の温度上昇部材それぞれに対応した複数の吸気ファンによって前記複数の温度上昇部材それぞれを冷却し、
前記複数の温度上昇部材それぞれの温度を検出してそれぞれの温度データを生成し、
前記複数の温度上昇部材それぞれの温度データに応じて前記複数の吸気ファンの回転数を個別に制御する
ことを特徴とする請求項8記載の電子機器の冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−98454(P2013−98454A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241955(P2011−241955)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】