説明

電子機器及び電子機器内における信号の送受信制御方法

【課題】アンテナ感度抑圧低減及び消費電力の低減と耐ノイズ性能の劣化防止との両立を図ることができ、かつノイズによるクロック信号の乱れを防止できる。
【解決手段】ノイズ発生検出部15はインタフェース回路3上におけるノイズの発生を検出する。情報信号電圧値切替制御部14はノイズの発生が検出されたとき、CPU11とCPU21間で送受信される情報を含む情報信号の電圧の値をそれまでの1.8Vから3.0に切り替えるよう情報信号送受信部12a,12bを制御する。また、送信レベル変動検出部18は送信レベルの変動時に、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルを検出する。情報信号電圧値切替制御部14は、送信レベルが、予め定められた値を超したことが検出されたときも、上記情報を含む情報信号の電圧の値を1.8Vから3.0に切り替えるよう情報信号送受信部12a,12bを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器及び電子機器内における信号の送受信制御方法に関し、特にノイズの影響を低減することが可能な電子機器及び電子機器内における信号の送受信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置や各種携帯型端末装置などの電子機器は、近年様々な用途に用いられて、その機能が多様化してきている。このため、各種の電子機器は、内蔵したCPU(Central Processing Unit)によって、この多様化した様々な機能を実現するようになってきている。このような傾向の中で、1個のCPUでは多様化した様々の機能を実現することが困難になってきている。
【0003】
このような状況にあって、特開平11−85337号公報に記載されているように、複数のCPUによって、多様化している様々な機能を分担した携帯型端末装置も開発されている。
【0004】
上記公報に記載の、携帯型端末装置としての携帯情報端末には、通信機能を実現するためのCPUと、携帯情報端末の提供する各種サービス機能を実現するためのCPUとが備えられている。上記二つのCPUの間では、互いに情報の送受を行うための情報信号が送受信されるようになっている。
【0005】
図4に、二つのCPU11及びCPU21を備えた折り畳み型の携帯型端末装置のブロック図を示す。
【0006】
折り畳み式の携帯型端末装置は、一般的には図4に示すように、キー操作部13が配置されている第1のボード部1bと、液晶表示部23が配置されている第2のボード部2bとに筐体が分かれる。上記第1のボード部1bと第2のボード部2bとは、構造的にはヒンジで相互に接続される。そして、第1のボード部1bには通信機能を実現するためのCPU11を、また第2のボード部2bには表示機能を含む各種サービス機能を実現するためのCPU21を備えている。
【0007】
また、図4に示すように、第1のボード部1bのCPU11と第2のボード部2bのCPU21とは電気的にはインタフェース回路3を介して接続されている。さらに、CPU11は情報信号送受信部12bを介してインタフェース回路3に接続される。また、CPU21は情報信号送受信部22bを介してインタフェース回路3に接続される。すなわち、CPU11とCPU21とは情報信号送受信部12b、インタフェース回路3及び情報信号送受信部22bを介して情報信号の送受信を行うように構成されている。
【0008】
なお、上記インタフェース回路3を介して情報信号送受信部12bと情報信号送受信部22bとの間で送受信される情報信号は、振幅値が予め定められた一定の値を維持する。すなわち、インタフェース回路3上での情報信号の振幅値(電圧)が通常、図5に示すように、1.8Vから3.0Vの範囲の電圧値を維持するように情報信号の送受信が行われる。
【0009】
また、図5に示す信号波形は、上記情報信号の信号波形である。図5(a)はインタフェース回路3の情報信号の電圧の値が3.0Vの場合である。また、図5(b)はインタフェース回路3の情報信号の電圧の値が1.8Vの場合である。
【0010】
【特許文献1】特開平11−85337号公報 (第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した従来の携帯型端末装置では、インタフェース回路上の信号電圧を高電圧の3.0Vに設定した場合は、インタフェース回路での耐ノイズ性能は高いが、アンテナ感度抑圧及び消費電力が大きくなるという欠点を有している。
【0012】
一方、インタフェース回路上の信号電圧を低電圧の1.8Vに設定した場合には、アンテナ感度抑圧及び消費電力は小さくなるが、インタフェース回路での耐ノイズ性能が低くなってしまうという欠点を有している。特に、信号電圧を低電圧の1.8Vに設定した場合は、特にクロック信号にノイズがのったときに、クロック信号が乱れてそれぞれのCPUの動作に異状が発生する可能性が高くなるという欠点も有している。
【0013】
また、無線送信電力のレベルが高くなったときには、インタフェース回路上の情報信号に無線送信信号がノイズとして影響を与えることがある。このような場合もインタフェース回路での耐ノイズ性能が低くなってしまうという欠点を有している。
【0014】
本発明の目的は、アンテナ感度抑圧低減及び消費電力の低減と、耐ノイズ性能の劣化防止との両立を図ることができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の発明の電子機器は、ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含む電子機器であって、前記ディジタル信号線上のノイズの発生を検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御手段を備えることを特徴として構成される。
【0016】
また、第2の発明の電子機器は、ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含み、無線基地局へ所定の送信レベルの信号を送出する電子機器であって、前記送信レベルが予め定められた値より大きくなったことを検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御手段を備えることを特徴として構成される。
【0017】
また、第3の発明の電子機器は、
(A)内蔵する複数のCPUが相互に情報を送受信するためのディジタル信号線、
(B)前記情報を含む情報信号を前記ディジタル信号線を介して送受信する情報信号送受信手段、
を備えた電子機器において、
(C)前記ディジタル信号線上のノイズの発生を検出するノイズ発生検出手段、
(D)前記ノイズ発生検出手段により前記ノイズの発生が検出されたとき、前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信手段を制御する情報信号送受信制御手段、
を備えることを特徴として構成される。
【0018】
また、第4の発明の電子機器は、第3の発明の電子機器において、前記ノイズ発生検出手段はコンパレータを含んで構成され、前記情報信号の電圧と前記ノイズの電圧との合成電圧を、予め定められた電圧と前記コンパレータで比較し前記ノイズの発生を検出することを特徴として構成される。
【0019】
また、第5の発明の電子機器は、第3または第4の発明の電子機器において、前記電子機器は携帯型端末装置であることを特徴として構成される。
【0020】
また、第6の発明の電子機器は、
(A)内蔵する複数のCPUが相互に情報を送受信するためのディジタル信号線、
(B)前記情報を含む情報信号を、前記ディジタル信号線を介して送受信する情報信号送受信手段、
を備えた、携帯型端末装置として機能する電子機器において、
(C)無線基地局への送信レベルが、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルになったことを検出する送信レベル変動検出手段、
(D)前記送信レベル変動検出手段により送信レベルの変動によって、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルになったことが検出されたとき、前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信手段を制御する情報信号送受信制御手段、
を備えることを特徴として構成される。
【0021】
また、第7の発明の電子機器は、第5の発明の電子機器において、無線基地局への送信レベルが、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルになったことを検出する送信レベル変動検出手段を備え、前記送信レベル変動検出手段が、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルに前記送信レベルがなったことを検出したとき、情報信号送受信制御手段は前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信手段を制御することを特徴として構成される。
【0022】
また、第8の発明の電子機器は、第3、第4、第5、第6または第7の発明の電子機器において、前記情報信号送受信手段により前記第2の電圧値に切り替えられた、前記情報信号の電圧の値は、予め定められた一定時間保持された後に前記第1の電圧値に切り替えられることを特徴として構成される。
【0023】
また、第9の発明の電子機器は、装置内の各種機能の動作制御を分担する第1のCPU及び第2のCPUと、前記第1のCPU及び前記第2のCPUが、それぞれ分担する前記各機能の動作制御に関して他のCPUと情報の送受信を行うために用いられるインタフェース回路と、前記第1のCPU及び前記第2のCPUのそれぞれが前記インタフェース回路を介して他のCPUと前記情報の送受信を行うために前記情報を含む情報信号を前記インタフェース回路を介して相手CPUと送受信する情報信号送受信部とを備えた電子機器において、前記インタフェース回路上に発生したノイズの電圧と前記情報信号の電圧との合成電圧の値が、予め定められた第3の電圧値を超えるか否かを判定し、前記合成電圧の値が、予め定められた第3の電圧値を超えたときは、ノイズ発生を検出したものとしてノイズ発生検出信号を出力するノイズ発生検出部と、前記ノイズ発生検出部から前記ノイズ発生検出信号を入力して、前記インタフェース回路を介して相手CPUへ送信する前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第1の電圧値切替制御信号を出力し、予め定められた第1の時間が経過したとき前記情報信号の電圧の値をそれまでの前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第2の電圧値切替制御信号を出力する情報信号電圧値切替制御部と、前記情報信号電圧値切替制御部から出力された前記第1の電圧値切替制御信号を入力してカウント動作を起動し、予め定められた第1の時間をカウントしてカウントアップになったとき、前記第1の時間が経過したことを通知するカウントアップ通知信号を前記情報信号電圧値切替制御部に出力するタイマ部とを備えることを特徴として構成される。
【0024】
また、第10の発明の電子機器は、無線基地局と無線通信を行うための無線部と、装置内の各種機能の動作制御を分担して行う第1のCPU及び第2のCPUと、前記第1のCPU及び前記第2のCPUが、それぞれ分担する前記各機能の動作制御に関して他のCPUと情報の送受信を行うために用いられるインタフェース回路と、前記第1のCPU及び前記第2のCPUのそれぞれが前記インタフェース回路を介して他のCPUと前記情報の送受信を行うために前記情報を含む情報信号を前記インタフェース回路を介して相手CPUと送受信する情報信号送受信部とを備えた電子機器において、前記無線部から出力される無線送信電力の送信レベルが予め定められたレベル値を超えるか否かを判定し、前記無線送信電力の送信レベルが前記予め定められたレベル値を超えたときは、前記無線送信電力の送信レベルが前記レベル値を超えたことを示す送信レベル変動検出信号を出力する送信レベル変動検出部を備え、前記情報信号電圧値切替制御部は、前記送信レベル変動検出部から前記送信レベル変動検出信号を入力して、前記インタフェース回路介して相手CPUへ送信する前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する前記第1の電圧値切替制御信号を出力し、前記タイマ部は、前記情報信号電圧値切替制御部から出力された前記第1の電圧値切替制御信号を入力してカウント動作を起動し、予め定められた第2の時間をカウントしてカウントアップになったとき、前記第2の時間が経過したことを通知する前記カウントアップ通知信号を前記情報信号電圧値切替制御部に出力し、前記カウントアップ通知信号を入力して、前記情報信号電圧値切替制御部は前記情報信号の電圧の値をそれまでの前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第2の電圧値切替制御信号を出力することを特徴として構成される。
【0025】
また、第11の発明の電子機器は、第9の発明の電子機器において、無線基地局と無線通信を行うための無線部と、前記無線部から出力される無線送信電力の送信レベルが予め定められたレベル値を超えるか否かを判定し、前記無線送信電力の送信レベルが前記予め定められたレベル値を超えたときは、前記無線送信電力の送信レベルが前記レベル値を超えたことを示す送信レベル変動検出信号を出力する送信レベル変動検出部とを備え、前記情報信号電圧値切替制御部は、前記送信レベル変動検出部から前記送信レベル変動検出信号を入力して、前記インタフェース回路介して相手CPUへ送信する前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する前記第1の電圧値切替制御信号を出力し、前記タイマ部は、前記情報信号電圧値切替制御部から出力された前記第1の電圧値切替制御信号を入力してカウント動作を起動し、予め定められた第2の時間をカウントしてカウントアップになったとき、前記第2の時間が経過したことを通知する前記カウントアップ通知信号を前記情報信号電圧値切替制御部に出力し、前記カウントアップ通知信号を入力して、前記情報信号電圧値切替制御部は前記情報信号の電圧の値をそれまでの前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第2の電圧値切替制御信号を出力することを特徴として構成される。
【0026】
また、第12の発明の電子機器は、第9または第11の発明の電子機器において、前記ノイズ発生検出部はコンパレータを含んで構成され、前記情報信号の電圧と前記ノイズの電圧との合成電圧を、予め定められた電圧と前記コンパレータで比較し前記ノイズの発生を検出することを特徴として構成される。
【0027】
また、第13の発明の電子機器は、第9、第10、第11または第12の発明の電子機器において、前記情報信号送受信部により前記第2の電圧値に切り替えられた、前記情報信号の電圧の値は、予め定められた一定時間保持された後に前記第1の電圧値に切り替えられることを特徴として構成される。
【0028】
また、第14の発明の電子機器内信号レベル制御方法は、ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含む電子機器内信号レベル制御方法であって、前記ディジタル信号線上のノイズの発生を検出するノイズ検出工程と、前記ノイズ検出工程で前記ノイズの発生を検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御工程とを備えることを特徴として構成される。
【0029】
また、第15の発明の電子機器内信号レベル制御方法は、ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含み、無線基地局へ所定の送信レベルの信号を送出する電子機器内信号レベル制御方法であって、前記送信レベルが予め定められた値より大きくなったことを検出する送信レベル検出工程と、前記送信レベル検出工程で前記送信レベルが前記予め定められた値より大きくなったことを検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御工程とを備えることを特徴として構成される。
【0030】
また、第16の発明の電子機器内における信号の送受信制御方法は、
(A)第1のCPUと第2のCPUとの間を接続するインタフェース回路上で情報の送受信を行うための情報信号の電圧の値を、予め定められた第1の電圧値に設定して前記情報信号の送受信を行う第1の工程、
(B)前記インタフェース回路上の、前記情報信号の電圧と前記インタフェース回路上に発生するノイズの電圧との合成電圧の値が、前記合成電圧の電圧と比較するための予め定められた第3の電圧値を超えるか否かを判定する第2の工程、
(C)前記合成電圧の値が、前記第3の電圧値を超えたときは、前記情報信号の電圧値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替える第3の工程、
(D)前記情報信号の電圧の値を前記第2の電圧値に切り替えてから、予め定められた第1の時間が経過したか否かを判定する第4の工程、
(E)前記第1の時間が経過したとき、前記情報信号の電圧の値を前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替える第5の工程、
(F)無線部が出力する無線送信電力の送信レベルが予め定められたレベル値を超えているか否かを判定する第6の工程
(G)前記無線送信電力の送信レベルが、予め定められたレベル値を超えているときは、前記インタフェース回路上の、前記第1及び第2のCPU間で送受信される前記情報信号の電圧の値を、予め定められた、前記第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替える第7の工程、
(H)前記第2の電圧値に切り替えてから、予め定められた第2の時間が経過したか否かを判定する第8の工程、
(I)前記第2の時間が経過したとき、前記情報信号の電圧の値を前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えて、動作を第2の工程に戻す第9の工程、
を実行することを特徴として構成される。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明の電子機器は、ディジタル信号線上で予め定められた電圧の値を超すノイズの発生を検出したときには、そのディジタル信号線上での信号の電圧の値を通常の設定値より大きい値に切り替えるように構成される。そして、本発明の電子機器は、上記のように構成されることにより、アンテナ感度抑圧低減及び消費電力の低減と、耐ノイズ性能の劣化防止との両立を図ることができるという効果を有している。
【0032】
また、無線基地局への無線送信電力が予め定められたレベルの値を超す送信レベルになったことを検出したときにも、ディジタル信号線上での信号の電圧の値を通常の設定値より大きい値に切り替えるように構成される。そして、本発明の電子機器は上記のように構成されることにより、無線送信電力のレベルが高くなったときは、ディジタル信号線上の信号に無線送信信号がノイズとして与える影響を低減できる。本発明の電子機器は上記のように構成されることにより、アンテナ感度抑圧低減及び消費電力の低減と、耐ノイズ性能の劣化防止との両立を図ることができるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、情報を送受信する複数のCPU間を接続したディジタル信号線を有する電子機器に適用される。そして、ディジタル信号線上において、ある程度のレベルのノイズが検出されたとき、上記ディジタル信号線を介して送受信される情報信号の電圧の値を通常の設定値より大きい値に切り替えるように構成される。このような構成によって、アンテナ感度抑圧低減及び消費電力の低減と耐ノイズ性能の劣化防止との両立を図ることができる。
【0034】
また、本発明は、無線送信電力が予め定められたレベルの値を超す送信レベルになったことを検出したときに、ディジタル信号線上での信号の電圧の値を通常の設定値より大きい値に切り替えるように構成される。このような構成によって、アンテナ感度抑圧低減及び消費電力の低減と耐ノイズ性能の劣化防止との両立を図ることができる。
【0035】
また、本発明は、ディジタル信号線上におけるノイズの検出と、予め定められたレベルの値を超す送信レベルの検出とを組み合わせて、いずれかの検出により信号の電圧の値を通常の設定値より大きい値に切り替えるようにも構成される。このような構成によって、より一層、アンテナ感度抑圧低減及び消費電力の低減と耐ノイズ性能の劣化防止との両立を図ることができるようになる。
【実施例】
【0036】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0037】
以下の実施例の説明では、本発明の実施例の電子機器として、携帯型端末装置の場合を例にして説明する。
【0038】
図1は、本発明の電子機器としての携帯型端末装置の実施の一形態の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1に示す携帯型端末装置の動作を説明するための説明図である。
【0039】
図1の携帯型端末装置は、キー操作部13を有する第1のボード部1aと、液晶表示部23を有する第2のボード部2aと、第1のボード部1aと第2のボード部2aとを接続する、ディジタル信号線として機能するインタフェース回路3とを備える。
【0040】
また、第1のボード部1aは、第1のボード部1a内で実現される、通信機能を含む各機能の動作制御を行うCPU11(第1のCPU)を備える。一方、第2のボード部2aは、第2のボード部1a内で実現される各機能の動作制御を行うCPU21(第2のCPU)を備える。
【0041】
第1のボード部1aは、CPU11が第2のボード部2aのCPU21へ送信する情報を含む情報信号37aを送信する情報信号送受信部12aを備える。また、情報信号送受信部12aは、第2のボード部2aのCPU21から送信される情報を含む情報信号37bを受信する。
【0042】
第2のボード部2aは、CPU21が第1のボード部1aのCPU11へ送信する情報を含む情報信号37bを送信する情報信号送受信部22aを備える。また、情報信号送受信部22aは、CPU21が第1のボード部1aのCPU11から受信する情報を含む情報信号37aを受信する。
【0043】
また、第1のボード部1aは、ノイズ発生検出部15、情報信号電圧値切替制御部14、及びタイマ部16を備える。
【0044】
ノイズ発生検出部15は、情報信号送受信部22aから出力される情報信号37bの電圧とインタフェース回路3上に発生するノイズ電圧との合成電圧であるインタフェース回路上信号電圧31を入力する。そして、ノイズ発生検出部15は、インタフェース回路3上で図2に示すようなノイズ38が発生したとき、ノイズ38の発生を検出してノイズ発生検出信号32を情報信号電圧値切替制御部14に出力する。情報信号電圧値切替制御部14は、ノイズ38の発生時に、インタフェース回路3上に送信される情報信号37aの電圧の値を、通常時の1.8V(第1の電圧値)から3.0V(第2の電圧値)に上げるように情報信号送受信部12aを制御する。情報信号電圧値切替制御部14は第1の電圧値切替制御信号33を情報信号送受信部12aに出力して情報信号送受信部12aを制御する。また、タイマ部16は、送信される情報信号37aの電圧の値を3.0Vに上げた後、予め定められた一定の時間が経過したとき、情報信号37aの電圧の値を1.8Vに戻すようにするための、タイミング信号であるカウントアップ通知信号34を発生する。
【0045】
なお、ノイズ発生検出部15はコンパレータ回路(図示せず)を含んで構成される。上記コンパレータ回路は、インタフェース回路3上で発生するノイズ38の電圧と情報信号37bの電圧との合成電圧(図示せず)を1.9V(第3の電圧)と比較する。なお、この1.9Vは、前記合成電圧の電圧と比較するために、参照電圧39(図2参照)として予め定められ、ノイズ発生検出部15内に設定された電圧である。この比較の結果、上記合成電圧の値が1.9Vを超えたときに、それまで「Hレベル(ハイレベル)」であったコンパレータ回路の出力信号は、「Lレベル(ローレベル)」となって、図2に示すようなパルス41a〜41cが出力される。
【0046】
ノイズ発生検出部15は、パルス41aのパルス幅が、予め定めた所定の値を超えていたとき、ノイズの発生を示すノイズ発生検出信号32を情報信号電圧値切替制御部14に出力する。また、パルス41aのパルス幅が上記所定の値を超えていないときは、次のパルス41bのパルス幅が所定の値を超えているか否かを判定する。41bのパルス幅が所定の値を超えていないときは、さらに、パルス41cのパルス幅が所定の値を超えているか否かを判定する。このように各パルスのパルス幅を順次調べる。そして、調べたパルス41a〜41cのパルスのパルス幅がいずれも所定の値を超えていないときは、ノイズ発生検出部15はノイズ発生検出信号32を出力しない。
【0047】
また、第1のボード部1aは、無線部17及び送信レベル変動検出部18を備える。送信レベル変動検出部18は、無線部17の、無線基地局への無線送信電力の送信レベルが変動して高くなったときに、この送信レベルの変動を検出して送信レベル変動検出信号35を情報信号電圧値切替制御部14に出力する。送信レベル変動検出信号35を入力した情報信号電圧値切替制御部14は、ノイズ38の発生時と同様に、インタフェース回路3上に送信される情報信号の電圧の値を上げるように情報信号送受信部12aを制御する。
【0048】
次に、動作を説明する。
【0049】
最初に、第1のボード部1aのCPU11と第2のボード部2aのCPU21との間で送受信される情報を含んで構成される情報信号について説明する。
【0050】
第1のボード部1aのCPU11と第2のボード部2aのCPU21との間で送受信される情報は、情報信号送受信部12aと情報信号送受信部22aとの間で送受信される情報信号37a,37bに含まれてインタフェース回路3上を送受信される。
【0051】
情報信号送受信部12aから情報信号送受信部22aへの情報信号37aの振幅値を示す電圧の値も、情報信号送受信部22aから情報信号送受信部12aへの情報信号37bの振幅値を示す電圧の値もともに、通常は1.8Vに設定されるものとする。情報信号送受信部12aから情報信号送受信部22aへの情報信号37aの電圧の値は、情報信号送受信部12aにおいて設定される。また、情報信号送受信部22aから情報信号送受信部12aへ送信される情報信号37bの電圧の値は、情報信号送受信部22aにおいて設定される。
【0052】
なお、後述するように、インタフェース回路3上にノイズの発生が検出されたとき、通常1.8Vに設定されている情報信号37a,37bの電圧の値は、情報信号送受信部12a,22aにおいて、それぞれ3.0Vに切り替えられる。そして、情報信号37a,37bの電圧の値が3.0Vに切り替えられると、その状態は予め定められた所定の期間(矢印40の示す期間)継続される。
【0053】
また、無線送信電力の送信レベルが変動し高くなったことが検出されたときも、情報信号37a,37bの電圧の値が、情報信号送受信部12a,22aにおいて、ノイズの発生時と同様、1.8Vから3.0Vに切り替えられる。なお、このときも、情報信号37a,37bの電圧の値が3.0Vに切り替えられると、その状態は予め定められた所定の期間(矢印40の示す期間)継続される。
【0054】
図2に示すように、情報信号37a,37bの電圧の値が所定の期間、3.0Vに切り替えられた状態にあるとき、ノイズ発生検出部15のコンパレータ回路の出力信号もLレベルとなって、パルス42a〜42eがコンパレータ回路から出力される。しかし、ノイズ発生検出部15は、ノイズ発生検出信号32を出力した後の、予め定められた所定の期間中にコンパレータ回路出力のLレベルのパルスが発生しても、このとき出力されたパルスに基づいてノイズ発生検出信号32を出力するための処理は行わない。従って、上記の所定の期間中にコンパレータ回路から出力された上記パルス42a〜42eは、上記情報信号37a,37bの電圧の値の切り替え動作には関与しないパルスとなる。
【0055】
なお、図2は、実際には符号を構成して「1」、「0」の混在するビット列で構成される情報信号と、インタフェース回路3上に発生するノイズとの関係を示すため、情報信号のビット列のビットを全て「1」とした場合の模式図として示されている。
【0056】
次に、図1〜図3を参照して本発明の携帯型端末装置における制御動作の流れを説明する。
【0057】
図3は、図1に示す携帯型端末装置における制御動作の流れを示すフローチャートである。
【0058】
通常時は、CPU1とCPU2との間で行われる情報の送受信のための、情報信号送受信部12aからインタフェース回路3上に送信される情報信号37aの電圧の値は、予め定められた1.8Vに設定される。また、情報信号送受信部22aからインタフェース回路3上に送信される情報信号37bの電圧の値も、予め定められた1.8Vに設定される(ステップ1:図2のS1)。
【0059】
そして情報信号送受信部22aからインタフェース回路3上に送信される情報信号37bの電圧とノイズ電圧との合成電圧であるインタフェース回路上信号電圧31が、ノイズ発生検出部15により、参照電圧39の1.9Vを超えているか否かチェックされる。そして、インタフェース回路3上にノイズ38が発生したとき、ノイズ発生検出部15は、情報信号の電圧とインタフェース回路3上に発生したノイズ38の電圧との合成電圧の値が参照電圧39である1.9Vを超えているか否かを判定する。(ステップ2)。
【0060】
上記の判定で合成電圧の値が1.9Vを超えているものと判定したノイズ発生検出部15は、ノイズ発生検出信号32を情報信号電圧値切替制御部14に出力する。ノイズ発生検出信号32を入力した情報信号電圧値切替制御部14は、インタフェース回路3上に送信される情報信号37aの電圧の値を、1.8Vから3.0Vに切り替えるように指示する第1の電圧値切替制御信号33を情報信号送受信部12aに出力する。このとき、第1の電圧値切替制御信号33は情報信号電圧値切替制御部14からタイマ部16にも出力される。
【0061】
第1の電圧値切替制御信号33を入力した情報信号送受信部12aは、送信する前記情報信号37aの電圧の値を通常時の1.8Vから3.0Vに切り替える。また、情報信号送受信部12aは、第1の電圧値切替制御信号33を、インタフェース回路3を介して情報信号送受信部22aに転送する。情報信号送受信部12aから転送された第1の電圧値切替制御信号33を入力した情報信号送受信部22aは、情報信号送受信部12a向けの情報信号37bの電圧の値を通常時の1.8Vから3.0Vに切り替える(ステップ3)。
【0062】
一方、第1の電圧値切替制御信号33を情報信号電圧値切替制御部14から入力したタイマ部16は、カウント動作を起動する。このカウント動作は、情報信号の電圧の値を3.0Vに切り替えてから、予め定められた第1の時間が経過したか否かを判定するためのカウント動作である。なお、前記第1の時間は、ノイズ発生が収まると想定される時間であり、ここでは2秒として設定されているものとする。タイマ部16は、カウント動作を行い、カウントアップしたとき、予め定められた時間である上記2秒が経過したことを通知するカウントアップ通知信号34を情報信号電圧値切替制御部14に出力する(ステップ4)。
【0063】
情報信号電圧値切替制御部14は、カウントアップ通知信号34を入力して、3.0Vに切り替えられていた情報信号37aの電圧の値を1.8Vに切り替えるように指示する第2の電圧値切替制御信号36を情報信号送受信部12aに出力する。情報信号送受信部12aは第2の電圧値切替制御信号36を入力して、3.0Vに切り替えられていた情報信号37aの電圧の値を1.8Vに切り替える。また、情報信号送受信部12aは、第2の電圧値切替制御信号36を、インタフェース回路3を介して情報信号送受信部22aに転送する。情報信号送受信部12aから転送された第2の電圧値切替制御信号36を入力した情報信号送受信部22aは、情報信号送受信部12a向けの情報信号37bの電圧の値を3.0Vから1.8Vに切り替える。すなわち、情報信号37a,37bの電圧の値はそれぞれ、ノイズ38の発生時に1.8Vから3.0Vに切り替えられる。そして、情報信号の電圧の値が3.0Vに切り替えられてから、ノイズ発生が収まったと想定される2秒後に、ノイズ38の発生以前の通常時の電圧の値である1.8Vに、情報信号37a,37bの電圧の値はそれぞれ戻される(ステップ5)。
【0064】
次に、無線部17の出力する無線送信電力の送信レベルが、送信レベル変動検出部18によって、予め定められたレベル値である10dBmを超えているか否かチェックされる(ステップ6)。
【0065】
無線送信電力の送信レベルが、10dBmを超えているものと判定した送信レベル変動検出部18は、送信レベルの変動が検出されたことを示す送信レベル変動検出信号35を情報信号電圧値切替制御部14に出力する。送信レベル変動検出信号35を入力した情報信号電圧値切替制御部14は、情報信号37aの電圧の値を、1.8Vから3.0Vに切り替えるように指示する第1の電圧値切替制御信号33を情報信号送受信部12a及びタイマ部16に出力する。第1の電圧値切替制御信号33を入力した情報信号送受信部12aは、前記情報信号の電圧の値を1.8Vから3.0Vに切り替える。また、情報信号送受信部12aは、第1の電圧値切替制御信号33を、インタフェース回路3を介して情報信号送受信部22aに転送する。情報信号送受信部12aから転送された第1の電圧値切替制御信号33を入力した情報信号送受信部22aは、情報信号送受信部12a向けの情報信号37bの電圧の値を通常時の1.8Vから3.0Vに切り替える(ステップ7)。
【0066】
また、第1の電圧値切替制御信号33を情報信号電圧値切替制御部14から入力したタイマ部16は、カウント動作を起動する。このカウント動作は、情報信号の電圧の値を3.0Vに切り替えてから、予め定められた第2の時間が経過したか否かを判定するためのカウント動作である。なお、前記第2の時間は、送信レベルの変動が収まると想定される時間であり、ここでも2秒として設定されているものとする。タイマ部16は、カウント動作を行い、カウントアップしたとき、予め定められた時間である2秒が経過したことを通知するカウントアップ通知信号34を情報信号電圧値切替制御部14に出力する(ステップ8)。
【0067】
そして、情報信号送受信部12a,22aによって情報信号37a,37bの電圧の値が3.0Vに切り替えられた後、第2の時間である2秒が経過したとき、情報信号の電圧の値が3.0Vから1.8Vに切り替えられて、動作がステップ2に戻る(ステップ9)。
【0068】
以上で、図1に示す携帯型端末装置における制御動作の流れの説明を終了する。
【0069】
上記の説明では、ノイズの発生が検出されたとき、あるいは無線送信電力の送信レベルの変動により送信レベルが10dBmを超えたことが検出されたとき、情報信号37a,37bの電圧の値を1.8Vから3.0Vに切り替えることで説明した。しかし、ノイズの発生時、あるいは送信レベルの10dBm超過時に、情報信号37a,37bの電圧の切り替えだけでなく、図示しない、インタフェース回路3を伝送されるクロック信号の振幅電圧を、より大きい振幅電圧に切り替えるように構成してもよい。
【0070】
また上記の説明では、情報信号37bの電圧とインタフェース回路3上に発生するノイズ電圧との合成電圧を、1.9V(第3の電圧)と比較して、合成電圧の値が1.9Vを超えたか否かを調べ、ノイズの発生を検出する場合で説明した。しかし、情報信号37bの電圧の代わりに、上記クロック信号の電圧と、インタフェース回路3上に発生するノイズ電圧との合成電圧を比較して、ノイズの発生を検出するように構成してもよい。また、上記クロック信号の電圧とノイズ電圧との合成電圧を比較して、ノイズの発生を検出したとき、情報信号37a,37bの電圧の切り替えだけでなく、上記クロック信号の振幅電圧を、より大きい振幅電圧に切り替えるように構成してもよい。
【0071】
上記の説明では、携帯型端末装置の動作が開始すると、ノイズの発生を検出する動作、次に、送信レベルの変動を検出する動作が行われ、以後、携帯型端末装置の動作中は継続して上記両者の検出が交互に行われる場合で説明した。しかし、ノイズの発生を検出する動作だけを、繰り返し行うように構成してもよい。また、送信レベルの変動を検出する動作だけを、繰り返し行うように構成してもよい。なお、ノイズの発生と送信レベルの変動とを交互に検出する構成の場合は、ノイズの発生または、送信レベルの変動を単独で行う構成の場合よりも、より耐ノイズ性能を上げることができる。
【0072】
また、上記の説明では、ノイズの発生を検出する動作終了後、直ちに送信レベルの変動を検出する動作に入る場合で動作を説明したが、ノイズの発生を検出する動作終了後、予め定められた時間を経過した後に送信レベルの変動を検出する動作に入るようにしてもよい。
【0073】
また、上記の説明では、ノイズ発生が収まると想定される時間と送信レベルの変動が収まると想定される時間とをともに2秒として設定する場合について説明した。しかし、ノイズ発生が収まると想定される時間と送信レベルの変動が収まると想定される時間とを別々の時間に設定するようにしてもよい。
【0074】
また、上記の動作説明においては、第1の電圧を1.8V、第2の電圧を3.0V及び第3の電圧を1.9Vとして説明したが、第1の電圧、第2の電圧及び第3の電圧の値はそれぞれ上記の電圧値に限定されるものではない。
【0075】
また、上記の説明では、ノイズ発生の検出にコンパレータを用いた場合で説明しているが、コンパレータの代わりにADコンバータを用いて、ノイズ発生の検出を行うように構成してもよい。この場合は、信号電圧とノイズ電圧との合成電圧がADコンバータによりディジタル値に変換され、ディジタル値で示される参照電圧39の値を超えているか否か比較される。
【0076】
上記のように、本発明では、ノイズの発生を検出する場合、信号電圧とノイズ電圧との合成電圧を、予め定められた参照電圧39とコンパレータまたはADコンバータを用いて比較することにより、ノイズの発生を検出できるように構成されている。従って、どのような発生源からのノイズでも、そのノイズの種類のいかんにかかわらず自動的にノイズの発生を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の電子機器としての携帯型端末装置の実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯型端末装置の動作を説明するための説明図である。
【図3】図1に示す携帯型端末装置における制御動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】従来の携帯型端末装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の携帯型端末装置の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1a,1b 第1のボード部
2a,2b 第2のボード部
3 インタフェース回路
11 CPU
12a,12b 情報信号送受信部
13 キー操作部
14 情報信号電圧値切替制御部
15 ノイズ発生検出部
16 タイマ部
17 無線部
18 送信レベル変動検出部
21 CPU
22a,22b 情報信号送受信部
23 液晶表示部
31 インタフェース回路上信号電圧
32 ノイズ発生検出信号
33 第1の電圧値切替制御信号
34 カウントアップ通知信号
35 送信レベル変動検出信号
36 第2の電圧値切替制御信号
37a,37b 情報信号
38 ノイズ
39 参照電圧
40 矢印
41a〜41c パルス
42a〜42e パルス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含む電子機器であって、前記ディジタル信号線上のノイズの発生を検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含み、無線基地局へ所定の送信レベルの信号を送出する電子機器であって、前記送信レベルが予め定められた値より大きくなったことを検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
(A)内蔵する複数のCPUが相互に情報を送受信するためのディジタル信号線、
(B)前記情報を含む情報信号を前記ディジタル信号線を介して送受信する情報信号送受信手段、
を備えた電子機器において、
(C)前記ディジタル信号線上のノイズの発生を検出するノイズ発生検出手段、
(D)前記ノイズ発生検出手段により前記ノイズの発生が検出されたとき、前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信手段を制御する情報信号送受信制御手段、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3記載の電子機器において、前記ノイズ発生検出手段はコンパレータを含んで構成され、前記情報信号の電圧と前記ノイズの電圧との合成電圧を、予め定められた電圧と前記コンパレータで比較し前記ノイズの発生を検出することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の電子機器において、前記電子機器は携帯型端末装置であることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
(A)内蔵する複数のCPUが相互に情報を送受信するためのディジタル信号線、
(B)前記情報を含む情報信号を、前記ディジタル信号線を介して送受信する情報信号送受信手段、
を備えた、携帯型端末装置として機能する電子機器において、
(C)無線基地局への送信レベルが、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルになったことを検出する送信レベル変動検出手段、
(D)前記送信レベル変動検出手段により送信レベルの変動によって、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルになったことが検出されたとき、前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信手段を制御する情報信号送受信制御手段、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項5記載の電子機器において、無線基地局への送信レベルが、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルになったことを検出する送信レベル変動検出手段を備え、前記送信レベル変動検出手段が、予め定められた送信レベルの値を超す送信レベルに前記送信レベルがなったことを検出したとき、情報信号送受信制御手段は前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信手段を制御することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の電子機器において、前記情報信号送受信手段により前記第2の電圧値に切り替えられた、前記情報信号の電圧の値は、予め定められた一定時間保持された後に前記第1の電圧値に切り替えられることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
装置内の各種機能の動作制御を分担する第1のCPU及び第2のCPUと、前記第1のCPU及び前記第2のCPUが、それぞれ分担する前記各機能の動作制御に関して他のCPUと情報の送受信を行うために用いられるインタフェース回路と、前記第1のCPU及び前記第2のCPUのそれぞれが前記インタフェース回路を介して他のCPUと前記情報の送受信を行うために前記情報を含む情報信号を前記インタフェース回路を介して相手CPUと送受信する情報信号送受信部とを備えた電子機器において、前記インタフェース回路上に発生したノイズの電圧と前記情報信号の電圧との合成電圧の値が、予め定められた第3の電圧値を超えるか否かを判定し、前記合成電圧の値が、予め定められた第3の電圧値を超えたときは、ノイズ発生を検出したものとしてノイズ発生検出信号を出力するノイズ発生検出部と、前記ノイズ発生検出部から前記ノイズ発生検出信号を入力して、前記インタフェース回路を介して相手CPUへ送信する前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第1の電圧値切替制御信号を出力し、予め定められた第1の時間が経過したとき前記情報信号の電圧の値をそれまでの前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第2の電圧値切替制御信号を出力する情報信号電圧値切替制御部と、前記情報信号電圧値切替制御部から出力された前記第1の電圧値切替制御信号を入力してカウント動作を起動し、予め定められた第1の時間をカウントしてカウントアップになったとき、前記第1の時間が経過したことを通知するカウントアップ通知信号を前記情報信号電圧値切替制御部に出力するタイマ部とを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
無線基地局と無線通信を行うための無線部と、装置内の各種機能の動作制御を分担して行う第1のCPU及び第2のCPUと、前記第1のCPU及び前記第2のCPUが、それぞれ分担する前記各機能の動作制御に関して他のCPUと情報の送受信を行うために用いられるインタフェース回路と、前記第1のCPU及び前記第2のCPUのそれぞれが前記インタフェース回路を介して他のCPUと前記情報の送受信を行うために前記情報を含む情報信号を前記インタフェース回路を介して相手CPUと送受信する情報信号送受信部とを備えた電子機器において、前記無線部から出力される無線送信電力の送信レベルが予め定められたレベル値を超えるか否かを判定し、前記無線送信電力の送信レベルが前記予め定められたレベル値を超えたときは、前記無線送信電力の送信レベルが前記レベル値を超えたことを示す送信レベル変動検出信号を出力する送信レベル変動検出部を備え、前記情報信号電圧値切替制御部は、前記送信レベル変動検出部から前記送信レベル変動検出信号を入力して、前記インタフェース回路介して相手CPUへ送信する前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する前記第1の電圧値切替制御信号を出力し、前記タイマ部は、前記情報信号電圧値切替制御部から出力された前記第1の電圧値切替制御信号を入力してカウント動作を起動し、予め定められた第2の時間をカウントしてカウントアップになったとき、前記第2の時間が経過したことを通知する前記カウントアップ通知信号を前記情報信号電圧値切替制御部に出力し、前記カウントアップ通知信号を入力して、前記情報信号電圧値切替制御部は前記情報信号の電圧の値をそれまでの前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第2の電圧値切替制御信号を出力することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項9記載の電子機器において、無線基地局と無線通信を行うための無線部と、前記無線部から出力される無線送信電力の送信レベルが予め定められたレベル値を超えるか否かを判定し、前記無線送信電力の送信レベルが前記予め定められたレベル値を超えたときは、前記無線送信電力の送信レベルが前記レベル値を超えたことを示す送信レベル変動検出信号を出力する送信レベル変動検出部とを備え、前記情報信号電圧値切替制御部は、前記送信レベル変動検出部から前記送信レベル変動検出信号を入力して、前記インタフェース回路介して相手CPUへ送信する前記情報信号の電圧の値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する前記第1の電圧値切替制御信号を出力し、前記タイマ部は、前記情報信号電圧値切替制御部から出力された前記第1の電圧値切替制御信号を入力してカウント動作を起動し、予め定められた第2の時間をカウントしてカウントアップになったとき、前記第2の時間が経過したことを通知する前記カウントアップ通知信号を前記情報信号電圧値切替制御部に出力し、前記カウントアップ通知信号を入力して、前記情報信号電圧値切替制御部は前記情報信号の電圧の値をそれまでの前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えるように前記情報信号送受信部に指示する第2の電圧値切替制御信号を出力することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項9または請求項11記載の電子機器において、前記ノイズ発生検出部はコンパレータを含んで構成され、前記情報信号の電圧と前記ノイズの電圧との合成電圧を、予め定められた電圧と前記コンパレータで比較し前記ノイズの発生を検出することを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項9、請求項10、請求項11または請求項12記載の電子機器において、前記情報信号送受信部により前記第2の電圧値に切り替えられた、前記情報信号の電圧の値は、予め定められた一定時間保持された後に前記第1の電圧値に切り替えられることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含む電子機器内信号レベル制御方法であって、前記ディジタル信号線上のノイズの発生を検出するノイズ検出工程と、前記ノイズ検出工程で前記ノイズの発生を検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御工程とを備えることを特徴とする電子機器内信号レベル制御方法。
【請求項15】
ディジタル信号線が接続され所定の論理レベルで動作するディジタル回路素子を含み、無線基地局へ所定の送信レベルの信号を送出する電子機器内信号レベル制御方法であって、前記送信レベルが予め定められた値より大きくなったことを検出する送信レベル検出工程と、前記送信レベル検出工程で前記送信レベルが前記予め定められた値より大きくなったことを検出したとき、前記論理レベルを増加させるように前記ディジタル回路素子を制御する論理レベル制御工程とを備えることを特徴とする電子機器内信号レベル制御方法。
【請求項16】
(A)第1のCPUと第2のCPUとの間を接続するインタフェース回路上で情報の送受信を行うための情報信号の電圧の値を、予め定められた第1の電圧値に設定して前記情報信号の送受信を行う第1の工程、
(B)前記インタフェース回路上の、前記情報信号の電圧と前記インタフェース回路上に発生するノイズの電圧との合成電圧の値が、前記合成電圧の電圧と比較するための予め定められた第3の電圧値を超えるか否かを判定する第2の工程、
(C)前記合成電圧の値が、前記第3の電圧値を超えたときは、前記情報信号の電圧値をそれまでの第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替える第3の工程、
(D)前記情報信号の電圧の値を前記第2の電圧値に切り替えてから、予め定められた第1の時間が経過したか否かを判定する第4の工程、
(E)前記第1の時間が経過したとき、前記情報信号の電圧の値を前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替える第5の工程、
(F)無線部が出力する無線送信電力の送信レベルが予め定められたレベル値を超えているか否かを判定する第6の工程
(G)前記無線送信電力の送信レベルが、予め定められたレベル値を超えているときは、前記インタフェース回路上の、前記第1及び第2のCPU間で送受信される前記情報信号の電圧の値を、予め定められた、前記第1の電圧値より大きい第2の電圧値に切り替える第7の工程、
(H)前記第2の電圧値に切り替えてから、予め定められた第2の時間が経過したか否かを判定する第8の工程、
(I)前記第2の時間が経過したとき、前記情報信号の電圧の値を前記第2の電圧値から前記第1の電圧値に切り替えて、動作を第2の工程に戻す第9の工程、
を実行することを特徴とする電子機器内における信号の送受信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−100979(P2006−100979A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282090(P2004−282090)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】