説明

電子機器及び高周波発振装置

【課題】外部環境の変化に左右されることなく安定して駆動する電子素子を備えた電子機器及び高周波発振装置を提供する。
【解決手段】発振器31、レギュレータ32を備えた発振ユニット11を、カバー14とケース本体15とからなるケース16に収容した。そして、ケース本体15の左側板部15bの略中央部にペルチェユニット50を設け、カバー14とケース本体15の各板部14a〜14c,15a〜15cを加熱または冷却することによってケース16内の雰囲気の温度を、発振素子が安定したパワーの電磁波を出力するときの温度になるように制御した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び高周波発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体技術や集積回路の進歩にともない、各種電子機器の高精度化・小型化・低電力化が進んでいる。
特に通信分野や衝突防止レーダ装置等の高周波等を扱う分野における発振器等では、ますます高い周波数帯における技術開発が行われてきている。ところが、各材料に半導体を使い、極めて微小な信号などを扱うことから、各デバイスの環境、特に温度変化によって、特性が変化する欠点が無視できなくなってきた。
【0003】
この種の電子機器に用いられる装置としては、高周波の電磁波を発生する電子素子としてガンダイオードを使用した高周波発振装置がある。ガンダイオードは、小型で、かつ、動作電圧が比較的低いことから高周波発振装置の発振器として使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−50832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記ガンダイオードは、使用される外部環境(温度及び風の有無)によって発生する電磁波の出力パワーが変動することが知られている。例えば、一般的なガンダイオードでは、その周囲の雰囲気の温度が25℃近傍のとき、安定した出力パワーを示すとともに、25℃近傍から高温または低温にずれるに従い、その出力パワーが徐々に変化するとともに不安定となるという特性を有している。また、周囲の雰囲気の温度が25℃で一定であっても、風にあたっている場合では、風にあたっていない場合に比べて出力パワーが不安定となってしまう問題があった。
【0005】
本発明では、このような事情に鑑みてなされたものであって、外部環境の変化に左右されることなく安定して駆動する電子素子を備えた電子機器及び高周波発振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、電気信号を出力する電子素子を備えた電子機器において、前記電子素子を収容するケースと、前記電子素子を前記ケース内に支持固定する支持部材と、前記ケース内に、前記ケース内の雰囲気の温度を測定する温度測定手段と、前記ケースの側壁に、前記温度測定手段によって測定された前記ケース内の雰囲気の温度に基づいて発熱または冷却して前記ケース内の雰囲気の温度を一定に制御する温度制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
この発明によれば、電子素子には、ケースによってケース外からの風があたることはない。従って、電子素子から出力される電気信号の出力値が、風によって不安定になりにくくなる。また、温度制御手段によってケース内の雰囲気の温度が一定に制御される。従って、電子素子が作動して発熱した場合であっても、ケース内の雰囲気の内部温度の変動は抑えられる。この結果、安定した電気信号を出力する電子機器が実現される。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電子機器において、前記ケース内には、前記電子素子に給電する電源装置が設けられ、前記電源装置は、前記支持部材によって支
持固定されていることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、電子素子に加えて電源装置にもケース外からの風があたらない。従って、ケース内に電源装置を内蔵した電子機器において、ケース外からの風の有無によって出力される電力が不安定になることはない。また、温度制御手段によってケース内の雰囲気の温度が一定に制御される。従って、ケース内に電源装置を内蔵した電子機器において、電源装置が作動して発熱した場合であっても、ケース内の雰囲気の内部温度の変動は抑えられる。この結果、電子素子は、安定した電気信号を出力することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の電子機器において、前記ケースと前記支持部材との間には、前記ケースと前記支持部材との間の熱の移動を遮断する断熱部材が設けられていることを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、ケース外の熱が支持部材を介して電子素子に直に伝達することはない。従って、外部温度の影響を受けた支持部材の温度の変動によって電子素子から出力される電気信号が不安定にならない。また、支持部材上に電子素子に加えて電源装置が配置された場合であっても、ケース外の熱が支持部材を介して電源装置に直に伝達することはない。従って、外部温度が変動した場合であっても、電源装置から出力される電力がその外部温度の変動によって変動しない。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の電子機器において、前記支持部材は、前記断熱部材上に配置され、少なくとも前記電子素子は、前記ケースに接触しないように互いに隣接して配置されていることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、ケース外の熱がケースを介して電子素子又は電源装置に直に伝達することはない。従って、電子素子又は電源装置は、温度制御手段からの熱的影響を片寄り無く周囲から空気媒体を通して均一に受けることができる。この結果、ケース内の雰囲気が一様に温度調整され、ケース外の温度変動による影響も受けにくくなり、電気信号が不安定になりにくくなる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子機器において、前記電子素子は、前記ケース内の雰囲気の温度によって出力される前記電気信号の出力特性が変動する素子であることを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、ケース内の雰囲気の温度は一定になるように制御されることから、電子素子は安定した電気信号を出力することができる。従って、例えば、発振素子や検波器はその周囲の雰囲気の温度や風の影響を受けてその出力特性が変動する場合があるが、この変動を小さくすることができる。従って、電子素子を発振素子や検波器に適用した場合では、発振素子から出力される電磁波や検波器によって検波される電磁波を高精度で制御することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子機器において、前記温度制御手段は、ペルチェ素子と、前記ペルチェ素子にて生じる放熱、吸熱作用に対して、外部との熱交換を行う熱交換板フィン及び前記熱交換板フィンの熱交換の効果を促進させるためのファンとを備えていることを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、ケース内の温度が迅速に所望の温度になるように制御される。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子機器において、前記ケースの外側面には前記ケース外の熱を前記ケース内の雰囲気に伝達しにくくする断熱シートが貼り付けられていることを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、さらに、ケース内の雰囲気の温度は、ケース外の熱が変動しても変動しにくくなる。従って、電子素子は、安定した電気信号を出力することができる。また、ケース内の雰囲気の温度が安定することから温度制御手段の駆動期間が短くなる。この結果、温度制御手段の長寿命化及び省エネルギー化を図ることができる。
【0019】
請求項8に記載の発明では、高周波の電磁波を発生する発振素子を備えた発振器と、前記発振器に給電する電源装置と、前記発振器が発生した前記電磁波を伝送する導波管と、を備えた高周波発振装置において、前記発振器及び前記電源装置を収容するケースと、前記発振器及び前記電源装置を前記ケース内に支持固定する支持部材と、前記ケース内に、そのケース内の雰囲気の温度を測定する温度測定手段と、前記ケースの側壁に、前記温度測定手段によって測定された前記ケース内の雰囲気の温度に基づいて発熱または冷却して前記ケース内の雰囲気の温度を一定に制御する温度制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、発振器及び電源装置は、それぞれ、ケースによってケース外からの風があたることはない。この結果、発振器から発振される電磁波のパワーは、外気の風によって影響を受けないことから、風によって電磁波のパワーが不安定になることはない。また、温度制御手段によってケース内の雰囲気の温度が一定に制御される。従って、発振器及び電源装置が作動することによって加熱された場合であっても、ケース内の雰囲気の内部温度の変動を抑えられる。この結果、安定した電磁波を出力する高周波発振装置が実現される。
【0021】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の高周波発振装置において、前記支持部材は、前記ケースの熱を伝達しにくい断熱部材上に配置され、前記発振器と前記電源装置は、前記ケースに接触しないように互いに隣接して配置されていることを要旨とする。
【0022】
この発明によれば、発振器と電源装置は、ケースに接触しないように互いに隣接して配置されていることから、ケースの温度が直接発振器及び電源装置に伝達することはない。従って、発振器及び電源装置は、温度制御手段からの熱的影響を片寄り無く周囲から空気媒体を通して均一に受けることができる。この結果、ケース内の雰囲気が一様に温度調整され、ケース外の温度変動による影響も受けにくくなり、発振器から出力される電磁波のパワーが不安定になりにくくなる。
【0023】
請求項10に記載の発明では、請求項8または9に記載の高周波発振装置において、前記温度制御手段は、ペルチェ素子を備えていることを要旨とする。
この発明によれば、安価でかつ簡単な構造で温度制御手段を設けることができる。
【0024】
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の高周波発振装置において、前記温度制御手段は、さらに、前記ペルチェ素子にて生じる放熱、吸熱作用に対して、外部との熱交換を行う熱交換板フィン及び前記熱交換板フィンの熱交換の効果を促進させるためのファンを備えていることを要旨とする。
この発明によれば、ケース内の温度が迅速に所望の温度になるように制御される。
【0025】
請求項12に記載の発明では、請求項8〜11のいずれか一つに記載の高周波発振装置において、前記ケースの外側面には前記ケース外の熱を前記ケース内の雰囲気に伝達しにくくする断熱シートが貼り付けられていることを要旨とする。
【0026】
この発明によれば、さらに、ケース内の雰囲気の温度は、ケース外の熱が変動しても変動しにくくなる。従って、電子素子は、安定した電気信号を出力することができる。また
、ケース内の雰囲気の温度が安定することから温度制御手段の駆動期間が短くなる。この結果、温度制御手段の長寿命化及び省エネルギー化を図ることができる。
【0027】
請求項13に記載の発明では、請求項8〜12のいずれか一つに記載の高周波発振装置において、前記発振器は、ガンダイオードであることを要旨とする。
この発明によれば、ミリ波またはマイクロ波を安定して発振させることが可能な高周波発信装置を実現することができる。
【0028】
請求項14に記載の発明では、請求項8〜13のいずれか一つに記載の高周波発振装置において、前記ケース内に配置された前記導波管には、アイソレータが設けられ、前記アイソレータは、前記支持部材によって支持固定されていることを要旨とする。
【0029】
この発明によれば、導波管を介して外部へ伝送された電磁波は反射された後、発振器に再び照射することはない。この結果、導波管を介して外部へ伝送された電磁波の反射波によって発振器が破損することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を電子機器として非破壊検査に使用する高周波発振装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る高周波発振装置10は、発振ユニット11及び温度コントローラ12を備えている。発振ユニット11は高周波の電磁波(ミリ波)を発生し、その電磁波を発振ユニット11に連結された導波管13を介して外部へ伝送するようになっている。
【0031】
図2に示すように、発振ユニット11は、左右及び下側が開口したコの字状のカバー14と、前後及び上側が開口したコの字状のケース本体15とからなるケース16を備えている。カバー14及びケース本体15は、それぞれ熱伝導性の高い材料で構成されており、好ましくは、金属で構成されている。本実施形態においてはアルミニウムで構成されている。また、カバー14の天板部14a、前側及び後側板部14b,14cの外側面には、断熱シート17が貼り付けられている。同様に、ケース本体15の底板部15a、左側及び右側板部15b,15cの外側面には、断熱シート17が貼り付けられている。
【0032】
ケース本体15の底板部15aの内側面には、その中央よりやや左側寄りの位置に断熱部材としての断熱ボード18が固着されている。断熱ボード18は、たとえば、公知のセラミックス材料や、ベークライト、エポキシガラスシート等で構成されたものである。この底板部15aに対する断熱ボード18の固定方法については、底板部15a及び断熱ボード18のそれぞれに対応した所定の位置に、底板部15a及び断熱ボード18を連通する図示しない孔が形成され、この各孔に雄ネジNaを貫通させてナットNbを螺着させることによって底板部15aに対して断熱ボード18を締結固定するようにしている。また、このナットNbと断熱ボード18との接触位置には、断熱性を有した環状の治具19が設けられている。この環状の治具19は、例えば、ゴム製のパッキンである。従って、底板部15aの熱が雄ネジNaを介して断熱ボード18(発振ユニット11の内部)に直接伝達することはない。
【0033】
断熱ボード18上には、直方体形状をした支持部材20が上方向に向かって立設固定されている。断熱ボード18と支持部材20とは、L字状の固定治具21によって固定連結されている。
【0034】
支持部材20の右側面20aには、L字状の固定治具22が連結固定され、その固定治具22の先端部22aが右方向に向かって延出している。その固定治具22の先端部22
aには、平板状のステージ25が連結固着されている。従って、ステージ25は、底板部15aの上方であって該底板部15aから所定距離だけ離間して配置されている。また、ステージ25は、ケース本体15の左側及び右側板部15b,15c及びカバー14の天板部14a、前側板部14b、及び後側板部14cに接触しないようにその配置位置が調整されている。即ち、ステージ25は、ケース16の内側面に対して直接接触していない。従って、ステージ25には、カバー14及びケース本体15の各板部14a〜14c,15a〜15cの熱が、直接、ステージ25に伝達することはない。この結果、ステージ25の温度は、ケース16内の雰囲気の温度とほぼ一致する。
【0035】
図3に示すように、ステージ25には、発振器31、電源装置としてのレギュレータ32及び放熱板33,34が設けられている。
放熱板33は、ステージ25の略中央に固着され、その放熱板33に、ステージ25に接触しないように発振器31が密着して固着されている。発振器31は、箱体Cを備え、その箱体C内に電子素子としての発振素子40及び周波数設定器41を備えている。発振素子40は、本実施形態においては、公知のガンダイオードで構成されたものであって、50GHzの電磁波(ミリ波)を発生するものである。また、本実施形態の発振素子40は、その周囲の雰囲気の温度が25℃近傍のとき、安定した出力パワーの電磁波(ミリ波)を発生するとともに、25℃近傍から高温または低温にずれるに従い、出力パワーが徐々に変化するとともに不安定になる特性を有している。
【0036】
周波数設定器41は、箱体Cから上方に向かって突出したつまみ41aを備えている。周波数設定器41は、発振素子40にて発振される電磁波の周波数の微調整を行うものであって、そのつまみ41aを回動操作することによって、発振素子40を駆動する駆動素子(図示略)の抵抗値等を変化させて発振素子40の発振条件を調整可能にするものである。尚、本実施形態の周波数設定器41は、つまみ41aを回動操作することによって、発振素子40から発生される電磁波の発振周波数(50GHz)に対して±2.5GHz程度ずらすことができる。つまり、発振器31は、47.5GHz〜52.5GHzの発振周波数を発生することができる。
【0037】
このように、発振器31は、放熱板33を介してステージ25に固着されていることから、発振器31(発振素子40)の温度は、その周囲のケース16内の雰囲気の温度とほぼ同じ温度になろうとして影響を受ける。尚、発振器31と放熱板33との接触面の間には、公知の熱伝導に優れた材料を挟み込んで連結固定されていてもよい。このようにすることによって、発振器31と放熱板33との熱伝導性が向上されることから、発振素子40から発せられる熱は放熱板33に効率良く伝達される。従って、発振器31(発振素子40)の温度は、速やかに冷却されてケース16内の雰囲気の温度との間で、ある均衡した温度に平衡して安定する。
【0038】
レギュレータ32は、ステージ25に接触しないようにステージ25に固着された放熱板34に密着して固着されている。また、レギュレータ32は、発振器31に隣接した位置に配置されている。このレギュレータ32は、公知の直流安定化電源であって、外部から供給された電圧信号をさらに高精度に安定した電圧信号に変換、整流し、図示しない配線を介して発振器31の発振素子40に給電するものである。
【0039】
レギュレータ32は、放熱板34を介してステージ25に固着されていることから、レギュレータ32の温度は、そのケース16内の雰囲気の温度になろうとして影響を受ける。尚、レギュレータ32と放熱板34との接触面の間に、公知の熱伝導に優れた材料を挟み込んで連結固定されていてもよい。このようにすることによって、レギュレータ32と放熱板34との熱伝導が向上されることから、レギュレータ32から発せられる熱は放熱板34に効率良く伝達される。従って、レギュレータ32の温度は、速やかに冷却されて
ケース16内の雰囲気の温度との間で、ある均衡した温度に平衡して安定する。
【0040】
また、レギュレータ32は、発振器31に隣接して配置されていることから、レギュレータ32にて生成された安定化電源を発振器31へ給電する前記配線の配線長は短くてすむ。従って、この配線によって生じる電圧降下やノイズの発生が抑制される。
【0041】
また、図2に示すように、発振器31には発振素子40(図3参照)にて発生した電磁波をケース16の外部へ伝送するための前記導波管13が連結されている。この導波管13は、ケース本体15の右側板部15c及び断熱シート17に形成された貫通孔Hを介して貫通して外部へ突出している。この貫通孔Hの内周側には、導波管13と右側板部15c及び断熱シート17とを電気的に絶縁するための絶縁部材42が設けられている。絶縁部材42は、熱伝導性の低い材料で構成されている。本実施形態の絶縁部材42は、ゴム等の樹脂で構成されている。従って、ケース本体15の熱は、導波管13を介して発振器31(発振素子40)に直接伝達することはない。
【0042】
また、ケース16内に配置される導波管13には、アイソレータ45が設けられている。このアイソレータ45は、導波管13を介して外部へ伝送された前記電磁波が反射しその反射波が再び発振器31に照射されることを防止するためものである。
【0043】
図2に示すように、前記支持部材20の前側面20bには、L字形状の取付治具46の基端部が固着されている。この取付治具46の先端部には温度検出手段としての白金測温抵抗体47が取り付けられている。取付治具46は、白金測温抵抗体47がケース16内の雰囲気の温度を検出する位置に取付られている。本実施形態の取付治具46は、白金測温抵抗体47が、ケース本体15の底板部15aとカバー14の天板部14aとの中間位置であって、かつ、発振器31とカバー14の前側板部14bとの中間位置に配置されるように支持部材20の前側面20bに取り付けられている。従って、白金測温抵抗体47は、ケース本体15の底板部15aとカバー14の天板部14aとの中間位置であって、かつ、発振器31とカバー14の前側板部14bとの中間位置の雰囲気の温度を検出する。
【0044】
また、白金測温抵抗体47は、図1に示すように、配線Laを介して発振ユニット11の外部に配置された温度コントローラ12に接続されている。白金測温抵抗体47は、その配線Laを介して、ケース本体15の底板部15aとカバー14の天板部14aとの中間位置であって、かつ、発振器31とカバー14の前側板部14bとの中間位置の雰囲気の温度に応じた電気信号を温度コントローラ12へ出力するようになっている。
【0045】
また、図2に示すように、ケース本体15の左側板部15bの外側面の略中央部には、左側板部15bの外側面に設けた断熱シート17を貫通して温度制御手段としてのペルチェユニット50が設けられている。
【0046】
図4に示すように、ペルチェユニット50は、収納ケース52、熱交換板フィン53、ファン54を備え、ケース本体15の左側板部15bから左方向に向かって収納ケース52→熱交換板フィン53→ファン54の順に互いに連結されている。
【0047】
収納ケース52は、公知のペルチェ素子51を収納している。ペルチェ素子51は、配線Lbを介して温度コントローラ12に接続され、該温度コントローラ12から出力される制御信号に基づいて発熱及び冷却制御されるようになっている。
【0048】
また、収納ケース52は、その右側面52aに複数のネジ穴55が形成されている。各ネジ穴55は、ケース本体15の左側板部15bに形成された図示しない貫通穴と連通し
、ケース16の内側から図示しないネジが前記貫通穴を貫通し、ネジ穴55にて螺着されている。これにより、収納ケース52の右側面52aがケース本体15の左側板部15bの外側面に密着して連結される。従って、ペルチェ素子51にて発生した熱は収納ケース52の右側面52aを介してケース本体15の左側板部15bに伝達される。尚、本実施形態においては、右側面52aと左側板部15bの外側面との間には、図示しない公知の熱伝達剤が塗布されている。従って、ペルチェ素子51にて発生した熱が効率良くケース本体15の左側板部15bに伝達されることとなる。
【0049】
また、収納ケース52の左側面52bには、熱交換板フィン53が密着して設けられている。この熱交換板フィン53によって、収納ケース52に生じた放熱、吸熱作用に対して、外部と効率よく熱交換を行うためである。熱交換板フィン53と対向する位置には連結部材56を介してファン54が取り付けられている。
【0050】
ファン54は、配線Lcを介して温度コントローラ12に接続され、該温度コントローラ12から出力される制御信号に基づいて回転することによって熱交換板フィン53の熱交換を促進するものである。
【0051】
温度コントローラ12は、白金測温抵抗体47から供給される電気信号に基づいてペルチェユニット50を統括制御する。詳しくは、温度コントローラ12は、制御回路及び記憶回路を備えている。前記記憶回路には、発振素子40が安定したパワーの電磁波を出力するときの温度が設定温度として記憶されている。本実施形態では、発振素子40は公知のガンダイオードであって、安定したパワーの電磁波を出力する時の一条件例として、ケース16内の発振器31周辺の雰囲気の温度を25℃近傍とした時の発振器31自体の温度を測定するとほぼ34℃であった。従って、ケース16内の発振器31周辺の雰囲気の温度として白金測温抵抗体47が設置された位置の温度が25℃近傍となればよい。よって、本実施形態では、前記記憶回路には25℃が設定温度として記憶されている。
【0052】
温度コントローラ12の制御回路は、白金測温抵抗体47によって検出された温度検出信号を入力し、その温度検出信号から白金測温抵抗体47が設置された位置のその時々の実際の温度(実温度)を算出する。そして、温度コントローラ12の制御回路は、算出した白金測温抵抗体47の実際の温度(実温度)と、前記記憶回路に記憶された設定温度(25℃)との偏差を算出し、その偏差からペルチェ素子51が自ら冷たくなったり発熱したりして、白金測温抵抗体47の実際の検出温度(実温度)を設定温度(25℃)にするための制御信号を生成するとともに、配線Lbを介してペルチェ素子51に出力する。この温度制御は、たとえばPID制御によって行われるようにしてもよい。つまり、温度コントローラ12の制御回路は、白金測温抵抗体47によって検出された実温度と、前記記憶回路に記憶された設定温度(25℃)との偏差を算出し、その算出結果に基づいて白金測温抵抗体47が設定温度(25℃)になるためのPID定数を算出する。そして、そのPID定数に応じた制御信号を生成し、配線Lbを介してペルチェ素子51に出力する。
【0053】
さらに、温度コントローラ12の制御回路は、ファン54の回転駆動を制御する制御信号を生成し、配線Lcを介してファン54に供給する。本実施形態では、前記制御回路は、温度コントローラ12の電源がオンされると配線Lcを介してファン54に給電して回転させ、温度コントローラ12の電源がオフされると、給電を停止してファン54の回転を停止させる。
【0054】
従って、温度コントローラ12は、白金測温抵抗体47によって検出された白金測温抵抗体47が設置された位置での実温度が設定温度(25℃)よりも低いと判断した場合、ペルチェ素子51を加熱する旨の制御信号を生成し、配線Lbを介してペルチェ素子51に出力する。この結果、ペルチェ素子51が加熱され、その熱がケース本体15の左側板
部15bを介してカバー14及びケース本体15の各板部14a〜14c、15a〜15cに伝達される。すると、各板部14a〜14c、15a〜15cが加熱されることから、ケース16内の雰囲気の温度が上昇する。
【0055】
また、温度コントローラ12は、白金測温抵抗体47によって検出された白金測温抵抗体47が設置された位置での実温度が設定温度(25℃)よりも高いと判断した場合、ペルチェ素子51を冷却する旨の制御信号を生成し、配線Lbを介してペルチェ素子51に出力する。この結果、ペルチェ素子51が冷却され、ケース本体15の左側板部15bを介してカバー14及びケース本体15の各板部14a〜14c、15a〜15cに伝達される。すると、各板部14a〜14c、15a〜15cが冷却されることから、ケース16内の雰囲気の温度が下降する。このようにして、温度コントローラ12は、ケース16内の雰囲気の温度が設定温度(25℃)に一定になるようにペルチェ素子51を制御する。
【0056】
次に、前記のように構成された高周波発振装置10の作用について図5〜図8に従って説明する。
図5(a)は、外部環境の変化として発振ユニット11の外側の温度(外気温度)を、0分〜30分間では室温(19℃)から30℃になるように、続く30分〜60分間では30℃から室温(19℃)になるように、それぞれ温度調整を行った場合での発振器31から出力される電磁波の出力パワーの時系列変化を示すグラフである。図5(b)において実線は、その時々の発振ユニット11の外側の温度(外気温度)、破線は、発振器31の温度を示す。
【0057】
図5(b)に示すように、前記温度調整に伴って、0分〜30分間では、発振ユニット11の外側の温度(外気温度)は室温(19℃)から30℃に徐々に高くなる。すると、ケース16内の雰囲気の温度もその影響を受けて高くなろうとする傾向にあるが、前述したように、ケース本体15の左側板部15bの略中央部を除く各板部14a〜14c、15a〜15cの外周囲には断熱シート17が貼り付けられていることから、ケース16内の雰囲気の温度は外気温度の変動に比べて緩慢に徐々に変動するようになっており、さらに、温度コントローラ12によってペルチェ素子51が制御されてケース16内の雰囲気の温度が設定温度(25℃)近傍に安定的に一定になるように制御され、結果的に発振器31の温度も34℃近傍に安定的に一定に保たれる。
【0058】
また、図5(b)に示すように、続く30分〜60分間では、発振ユニット11の外側の温度(外気温度)は30℃から室温(19℃)に徐々に低くなる。すると、ケース16内の雰囲気の温度もその影響を受けて低くなろうとする傾向にあるが、前述したように、ケース本体15の左側板部15bの略中央部を除く各板部14a〜14c、15a〜15cの外周囲には、断熱シート17が貼り付けられていることから、ケース16内の雰囲気の温度は外気温度の変動に比べて緩慢に徐々に変動するようになっており、さらに、温度コントローラ12によってペルチェ素子51が制御されてケース16内の雰囲気の温度が設定温度(25℃)近傍に安定的に一定になるように制御され、結果的に発振器31の温度も34℃近傍に安定的に一定に保たれる。この結果、図5(a)に示すように、発振器31(発振素子40)から出力される電磁波の出力パワーは発振ユニット11の外側の温度(外気温度)の変化に関係なく安定したものとなる。
【0059】
尚、図6(a)は、温度コントローラ12及びペルチェユニット50を備えていない点で本実施形態に係る高周波発振装置10とは異なった構成を有した高周波発振装置における、発振器から出力される電磁波の出力パワーの時系列変化を示すグラフである。また、同図(b)において実線は、その時々の発振ユニットの外側の温度(外気温度)、破線は、その発振器の温度を示す。
【0060】
図6(a)は、前記と同じ条件で、即ち、外部環境の変化として発振ユニット11の外側の温度(外気温度)を、0分〜30分間では30℃になるように、続く30分〜60分間では室温(19℃)になるように、それぞれ温度調整を行った場合での発振器から出力される電磁波の出力パワーの時系列変化を示すグラフである。
【0061】
図6(a),(b)に示すように、温度コントローラ12及びペルチェユニット50を備えていない高周波発振装置では、発振ユニットの外側の温度(外気温度)の変化に伴ってその発振器の温度も変動することがわかる。このことから、発振器(発振素子)から出力される電磁波の出力パワーはその発振ユニットの外側の温度(外気温度)の変化に応じて変化し不安定となる。
【0062】
図7(a)は、外部環境の変化として外気温度を21℃一定とし、かつ発振ユニット11に対して外部から風を3分毎に強制的にあてた場合での発振器31(発振素子40)から出力される電磁波の出力パワーの時系列変化を示すグラフである。図7(b)において破線は、その時々の発振ユニット11の外側の温度(外気温度)、実線は、発振器31の温度を示す。
【0063】
本実施形態に係る発振ユニット11は、ケース16を備え、発振素子40を備えた発振器31はそのケース16によって収容されていることから、発振ユニット11に対して外部から風を強制的にあてた場合であってもケース16によって発振素子40に風があたらない。また、図7(b)に示すように、外部環境の変化として外気温度を21℃一定とした状態である。このとき、ペルチェユニット50によってケース16内の雰囲気の温度が設定温度(25℃)近傍に安定的に一定になるように制御されることから、図7(b)に示すように、発振器31の温度は34℃近傍に安定的に一定に保たれる。この結果、図7(a)に示すように、発振器31から出力される電磁波の出力パワーは風の有無に関係なく安定したものとなる。
【0064】
図8(a)は、ケース16を備えていない点で本実施形態に係る高周波発振装置10とは異なった構成を有した高周波発振装置における、発振器から出力される電磁波の出力パワーの時系列変化を示すグラフである。また、同図(b)において破線は、その時々の発振ユニットの外側の温度(外気温度)、実線は、その発振器の温度を示す。
【0065】
図8(a)は、前記と同じ条件で、即ち、外部環境の変化として外気温度を21℃一定とし、かつ発振ユニットに対して外部から風を3分毎に強制的にあてた場合での発振器(発振素子)から出力される電磁波の出力パワーの時系列変化を示すグラフである。
【0066】
図8(a),(b)に示すように、ケース16を備えていない高周波発振装置では、発振ユニットに風が3分毎にあたることによって、発振器から出力される電磁波の出力パワーは不安定となることがわかる。
【0067】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、発振器31、レギュレータ32を備えた発振ユニット11をケース16に収容した。従って、発振ユニット11に対して外部から風を強制的にあてた場合であっても、ケース16によって発振素子40には風があたらない。この結果、風の有無に関係なく安定した出力パワーの電磁波を出力することができる高周波発振装置10を実現できる。
【0068】
(2)本実施形態によれば、ケース本体15の底板部15aの内側面に断熱ボード18を設け、その断熱ボード18上に支持部材20を立設した。そして、その支持部材20に
固定治具22を介してステージ25を連結固着し、そのステージ25上に発振器31を備えた。従って、ステージ25には、ケース本体15の底板部15aの熱が、直接、ステージ25に伝達するのを抑制することができる。
【0069】
(3)また、本実施形態によれば、ステージ25を、ケース本体15の左側及び右側板部15b,15c、及び、カバー14の各板部14a〜14cに接触しないように配置した。従って、ステージ25には、カバー14及びケース本体15の各板部14a〜14c,15a〜15cの熱が、ステージ25上の発振器31に直接、伝達することはないことから、カバー14及びケース本体15の温度の急激な変動があっても、ステージ25上の発振器31の温度変化は緩慢な反応となり、大きく変動するのが抑えられるので、電磁波の出力パワーを安定にすることができる。
【0070】
(4)本実施形態によれば、ケース本体15の左側板部15bの略中央部を除く各板部14a〜14c,15a〜15cの外周囲に断熱シート17を貼り付けた。従って、外気温度が急激に変化した場合であっても、ケース16内の雰囲気の温度を外気温度の変動に比べて緩慢に変化させることができる。この結果、白金測温抵抗体47の温度検出の感度を過度に高くなるのを抑えられるので、ペルチェユニット50の温度制御性を向上させることができる。また、ケース16内の雰囲気の温度の変動を緩慢にすることができることから、ペルチェユニット50の駆動期間を短くすることができる。この結果、ペルチェユニット50の長寿命化及び省エネルギー化を図ることができる。
【0071】
(5)本実施形態によれば、ケース本体15の底板部15aとカバー14の天板部14aとの中間位置であって、かつ、発振器31とカバー14の前側板部14bとの中間位置に白金測温抵抗体47を設けた。従って、発振器31の発熱した温度に影響を受けたケース16内の雰囲気の温度を精度良く検出することができる。
【0072】
(6)本実施形態によれば、ケース本体15の左側板部15bの略中央部にペルチェユニット50を設けた。そして、カバー14及びケース本体15の各板部14a〜14c,15a〜15cを加熱または冷却することによってケース16内の雰囲気の温度を強制的に制御するようにした。この結果、発振素子40の周囲の雰囲気の温度を、安定したパワーの電磁波を出力するときの温度にすることができる。
【0073】
(7)本実施形態によれば、発振器31とレギュレータ32とを、隣接して配置した。従って、レギュレータ32にて生成された安定化電源を発振器31へ給電する配線の配線長が短くてすむので、この配線によって生じる電圧降下やノイズの発生を抑制することができる。この結果、レギュレータ32から安定した電圧信号を発振器31へ給電することができる。
【0074】
(8)本実施形態によれば、発振素子40をガンダイオードで構成した。従って、ケース16内の雰囲気の温度を25℃近傍にすることによって、発振器31自体の温度が34℃で平衡状態になって50GHzの電磁波(ミリ波)を安定して発振させることができる。
【0075】
(9)本実施形態によれば、ケース本体15の左側板部15bの外側面の略中央部に、ペルチェユニット50を設けた。そして、ペルチェユニット50によって、ケース16内の雰囲気の温度を制御するようにした。この結果、安価でかつ簡単な構造でケース16内の雰囲気の温度を制御することができる。
【0076】
(10)本実施形態によれば、ペルチェユニット50は、熱交換板フィン53及びファン54を設けた。従って、ペルチェ素子51にて発生した熱(発熱及び冷却)を効率よく
ケース本体15の左側板部15bに伝達することができることから、ケース16内の温度が設定温度(25℃)になるように迅速に制御される。
【0077】
(11)本実施形態によれば、ケース16内に配置される導波管13に、アイソレータ45を設けた。従って、導波管13を介して外部へ伝送された前記電磁波の反射波が再び発振器31に照射されることはない。この結果、発振器31が発生した電磁波の反射波によって発振器31自体が破損することはない。
【0078】
尚、本発明は、以下のように変更して具体化することもできる。
・ 上記実施形態では、高周波発振装置10は、発振素子40(ガンダイオード)を備えた発振器31とレギュレータ32と内蔵しているが、本発明はこれに限定されず、発振器31を備え、レギュレータ32を内蔵しないものに具体化してもよい。
【0079】
・ 上記実施形態では、電子機器として、発振素子40(ガンダイオード)を備えた発振器31を具備した高周波発振装置10に具体化したが、本発明はこれに限定されるものではない。発振素子40(ガンダイオード)以外の電子素子を具備した電子機器に具体化してもよい。たとえば、ステージ25上にスーパーへテロダイン検波ユニットやクワドラチャー検波ユニット等の公知の検波ユニットや、ネットワークアナライザやスペクトルアナライザ等の計測装置において計測及び検査される局所的空間や検査空間に具体化してもよい。
【0080】
・ 上記実施形態の高周波発振装置10は、ペルチェユニット50を備えたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ペルチェユニット50を備えていなくてもよい。要は、ケース16内に設けられた支持部材20によって発振素子40及びレギュレータ32がケース16内に収容されていればよい。
【0081】
・ 上記実施形態では、電源装置として直流安定化電源(レギュレータ32)を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、給電する電子素子に応じて例えば出力値が可変する電源装置であってもよい。
【0082】
・ 上記実施形態では、ケース本体15の底板部15aの内側面に断熱ボード18を設け、その断熱ボード18上に支持部材20を立設した。そして、その支持部材20に固定治具22を介して発振器31を備えたステージ25を連結固着したが、本発明はこれに限定されない。
【0083】
たとえば、断熱ボード18を設けず、底板部15aの内側面に支持部材20を立設し、その支持部材20に固定治具22を介してステージ25を連結固着してもよい。このようにすることによっても、ペルチェユニット50によって、発振素子40の周囲の雰囲気の温度を制御することで、発振素子40を安定したパワーの電磁波を出力させることができる。
【0084】
・ 本実施形態では、温度検出手段として白金測温抵抗体47を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のものであってもよい。たとえば、サーミスタやサーモカップル(熱電対)であってもよい。
【0085】
・ 上記実施形態では、カバー14及びケース本体15を、それぞれアルミニウムで構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。要は、熱伝導性の高い材料で構成されていればよく、たとえば、銅であってもよい。
【0086】
・ 上記実施形態では、温度制御手段にペルチェユニット50を適用したが、本発明は
これに限定されない。たとえば、誘導加熱や液体窒素による冷却を組み合わせた加熱・冷却装置を適用させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】高周波発振装置の構成を説明するための図。
【図2】本実施形態に係る発振ユニットの構成を説明するための図。
【図3】同じく、本実施形態に係る発振ユニットの構成を説明するための図。
【図4】本実施形態に係るペルチェユニットの斜視図。
【図5】(a)及び(b)は、それぞれ、本実施形態に係る高周波発振装置の作用を説明するためのグラフ。
【図6】同じく、(a)及び(b)は、それぞれ、本実施形態に係る高周波発振装置の作用を説明するためのグラフ。
【図7】(a)及び(b)は、それぞれ、本実施形態に係る高周波発振装置の作用を説明するためのグラフ。
【図8】(a)及び(b)は、それぞれ、本実施形態に係る高周波発振装置の作用を説明するためのグラフ。
【符号の説明】
【0088】
10…高周波発振装置、13…導波管、31…電子素子としての発振器、32…電源装置としてのレギュレータ、16…ケース、18…断熱部材としての断熱ボード、20…支持部材、40…発振素子、47…温度測定手段としての白金測温抵抗体、50…温度制御手段としてのペルチェユニット、51…ペルチェ素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を出力する電子素子を備えた電子機器において、
前記電子素子を収容するケースと、
前記電子素子を前記ケース内に支持固定する支持部材と、
前記ケース内に、前記ケース内の雰囲気の温度を測定する温度測定手段と、
前記ケースの側壁に、前記温度測定手段によって測定された前記ケース内の雰囲気の温度に基づいて発熱または冷却して前記ケース内の雰囲気の温度を一定に制御する温度制御手段と
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記ケース内には、前記電子素子に給電する電源装置が設けられ、
前記電源装置は、前記支持部材によって支持固定されていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子機器において、
前記ケースと前記支持部材との間には、前記ケースと前記支持部材との間の熱の移動を遮断する断熱部材が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器において、
前記支持部材は、前記断熱部材上に配置され、
少なくとも前記電子素子は、前記ケースに接触しないように互いに隣接して配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子機器において、
前記電子素子は、前記ケース内の雰囲気の温度によって出力される前記電気信号の出力特性が変動する素子であることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子機器において、
前記温度制御手段は、
ペルチェ素子と、
前記ペルチェ素子にて生じる放熱、吸熱作用に対して、外部との熱交換を行う熱交換板フィン及び前記熱交換板フィンの熱交換の効果を促進させるためのファンと
を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子機器において、
前記ケースの外側面には前記ケース外の熱を前記ケース内の雰囲気に伝達しにくくする断熱シートが貼り付けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
高周波の電磁波を発生する発振素子を備えた発振器と、前記発振器に給電する電源装置と、前記発振器が発生した前記電磁波を伝送する導波管と、を備えた高周波発振装置において、
前記発振器及び前記電源装置を収容するケースと、
前記発振器及び前記電源装置を前記ケース内に支持固定する支持部材と、
前記ケース内に、そのケース内の雰囲気の温度を測定する温度測定手段と、
前記ケースの側壁に、前記温度測定手段によって測定された前記ケース内の雰囲気の温度に基づいて発熱または冷却して前記ケース内の雰囲気の温度を一定に制御する温度制御手段と
を備えたことを特徴とする高周波発振装置。
【請求項9】
請求項8に記載の高周波発振装置において、
前記支持部材は、前記ケースの熱を伝達しにくい断熱部材上に配置され、
前記発振器と前記電源装置は、前記ケースに接触しないように互いに隣接して配置されていることを特徴とする高周波発振装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の高周波発振装置において、
前記温度制御手段は、ペルチェ素子を備えていることを特徴とする高周波発振装置。
【請求項11】
請求項10に記載の高周波発振装置において、
前記温度制御手段は、さらに、前記ペルチェ素子にて生じる放熱、吸熱作用に対して、外部との熱交換を行う熱交換板フィン及び前記熱交換板フィンの熱交換の効果を促進させるためのファンを備えていることを特徴とする高周波発振装置。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一つに記載の高周波発振装置において、
前記ケースの外側面には前記ケース外の熱を前記ケース内の雰囲気に伝達しにくくする断熱シートが貼り付けられていることを特徴とする高周波発振装置。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか一つに記載の高周波発振装置において、
前記発振器は、ガンダイオードであることを特徴とする高周波発振装置。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか一つに記載の高周波発振装置において、
前記ケース内に配置された前記導波管には、アイソレータが設けられ、
前記アイソレータは、前記支持部材によって支持固定されていることを特徴とする高周波発振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−28159(P2008−28159A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199210(P2006−199210)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(504368077)三重津田電器産業 株式会社 (6)
【Fターム(参考)】