説明

電子機器収納ラック群の冷却装置、システム及び方法

【課題】 発熱量の多い電子機器収納ラックを局所的に冷却しまた発熱量の変化にも対応することにより、効率的に電子機器収納ラック群を冷却する装置等を提供すること。
【解決手段】 本発明は、電子機器収納ラックの間等に配置され、暖気通路3から冷気通路2へ空気の流れを生ぜしめるファン14と、暖気通路の暖気を冷気にする熱交換器15と、冷気通路2へ放出する冷気の放出方向を規定する第一羽板16と、対向する少なくとも一つの電子機器収納ラックの温度を監視する赤外線センサ19と、赤外線センサ19から得られた温度を基に、第一羽板16の向きを制御する放出方向制御部とを備え、放出方向制御部は、赤外線センサにより監視される電子機器収納ラックの中の特定の電子機器収納ラックの方向へ冷気を放出するように第一羽板16の向きを制御することを特徴とする冷却装置に係る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータやネットワーク機器等の電子機器を収納する電子機器収納ラック群の冷却装置に関し、特に、電子機器収納ラックの列の間に形成される通路が冷気通路と暖気通路とに交互に形成するように配置された電子機器収納ラック群の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データセンター等の電算機室に収容されるコンピュータまたはネットワーク機器等の電子機器においては、その高密度化や設置スペースの縮小による小型化が進められ、電子機器の温度上昇はシステムトラブルに直結するため、これら電子機器の発熱問題に対処することがますます重要になってきている。また、電算機室の中において、空気調和装置の吹き出し口の位置、強さ、向きや、床下空間でのケーブルの引き回し状態、そして、コンピュータ等の使用状態などにより、暖気や冷気の偏りが生ずることがある。このような電算機室の中において温度の偏りがある場合、電算機室全体を冷却するよりも、暖気の偏りがある部分や発熱量の多い電子機器/ラック(ホットスポット)を局所的に冷却した方が、冷却効率がよいことが知られている。
【0003】
このような対策を行った先行技術として、特許文献1がある。
具体的には、通信機器を搭載したラックのラック列間の通路空間部,ラック列間の通路空間部の上方に局所冷却装置を設置し、ラックの側面に開口部を設け,ラックの上部に送風機を設け、局所冷却装置からの低温の空調空気が開口部内からラック内に取り入れられ、通信機器からの排熱が局所的に処理される構成が開示されている。
【0004】
さらに、コンピュータ等の使用状態が変化することにより、ホットスポットが時間により変化することがある。例えば、銀行のシステムは昼間によく使われ発熱し、インターネットのオンラインショップのシステムは夜間によく使われ発熱する如くである。
【0005】
このような問題に対する対策を行った先行技術として、特許文献2がある。
具体的には、制御開始に伴いタイマーカウントが開始され、所定のインターバルで、各風向パターンで一定時間、順次運転試行され、この間、温度センサによる温度計測が行われ、さらに各風向パターンについて温度分散値が演算され、その演算結果に基づき、分散値が最小の風向パターンを選択して運転が継続され、さらに、選択した風向パターンについて、最高温度が設定温度以内に収まっているか否かが判定され、この範囲から外れているときは冷房能力を増減させて、設定温度に近づける制御を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−156136号公報
【特許文献2】特開2009−264598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の先行技術は、電算機室全体ではないが、電子機器を収納するラックの列の間に形成された冷気通路の単位で冷却するための冷却装置であり、床下空間でのケーブルの引き回し状態やコンピュータ等の使用状態などにより、電子機器収納ラック単位でホットスポットが生じた場合には対応できない。
【0008】
また、特許文献2の先行技術は、冷却装置が冷気通路での特定の領域を分担する冷却システムが開示されているが、その領域の間に仕切りがあるわけではなく、冷却通路内で空気の流れがある場合にはその分担領域は曖昧なものとなり、また、時間によりホットスポットが移動する場合に、領域内の温度分散値の演算結果に基づき風向パターンを制御しても、急激な変化には対応できないし、特に、冷却装置と同じ側のラック列にある電子機器収納ラックに対する冷却は効果的、効率的であるとは言えない。
【0009】
しかし、近年これら電子機器の使用時における発熱量自体及びその変化はますます大きくなってきており、特に最近環境意識の高まりから、そのような局所的なホットスポットの変化にも対応できる、より効果的、効率的な電子機器の冷却手法が求められている。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、発熱量の多い電子機器収納ラックを局所的に冷却しまた発熱量の変化にも対応することにより、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却する装置、システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、内部に電子機器を有する複数の電子機器収納ラックが複数の列をなすように設置され、対向する前記電子機器収納ラックの前記列の間に形成される通路が冷気通路と暖気通路とに交互に形成するように配置された電子機器収納ラック群を冷却する冷却装置であって、該冷却装置は、前記電子機器収納ラックの間又は前記列の端に配置され、前記暖気通路から前記冷気通路へ空気の流れを生ぜしめるファンと、前記暖気通路の暖気を冷気にする熱交換器と、前記冷気通路に面し、前記冷気通路へ放出する前記冷気の放出方向を規定する第一羽板と、前記冷気通路を挟み対向する少なくとも一つの前記電子機器収納ラックの温度を監視する赤外線センサと、前記赤外線センサから得られた前記温度を基に、前記第一羽板の向きを制御する放出方向制御部と、を備え、前記放出方向制御部は、前記赤外線センサにより監視される前記電子機器収納ラックの中の特定の電子機器収納ラックの方向へ前記冷気を放出するように前記第一羽板の向きを制御することを特徴とする冷却装置が提供される。
この構成によれば、冷却装置が対象とする電子機器収納ラックの中で発熱量の多い電子機器収納ラックを局所的に冷却しまた発熱量の変化にも対応することにより、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却することが可能となる。
【0012】
また、前記特定の電子機器収納ラックは、前記監視される電子機器収納ラックの中の最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックであり、前記放出方向制御部は、前記最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックの方向へ前記冷気を放出するように前記第一羽板の向きを制御することを特徴としてもよい。
この構成によれば、冷却装置が対象とする電子機器収納ラックの中で発熱量の最も多い電子機器収納ラックを集中的に冷却することにより、周囲への影響を最小限に抑え、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却することが可能となる。
【0013】
また、前記特定の電子機器収納ラックは、前記監視される電子機器収納ラックの中の前記最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックと二番目に高い前記温度を有する電子機器収納ラックであり、前記放出方向制御部は、2つの系統を有し、一の系統の第一羽板は前記最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックの方向へ、他の系統の第一羽板は二番目に高い前記温度を有する電子機器収納ラックの方向へ、前記冷気を放出するように前記第一羽板の向きを制御し、さらに、前記ファンからの風量を前記一の系統の第一羽板と前記他の系統の第一羽板に振り分けるフラップを備える仕切り板と、前記仕切り板のフラップの方向を制御するフラップ制御部を備え、前記フラップ制御部は、前記ファンから放出された風量の過半を前記一の系統の第一羽板へ、残りを前記他の系統の第一羽板へ、振り分けることを特徴としてもよい。
この構成によれば、冷却装置が対象とする電子機器収納ラックの中で発熱量が二番目に多い電子機器収納ラックにも冷気を供給しつつ、発熱量の最も多い電子機器収納ラックにより多くの風量を与えることにより、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却することが可能となる。
【0014】
また、さらに、前記冷却装置の隣の電子機器収納ラックに対する電力センサ又は電流センサと、前記暖気通路に面し、前記暖気の吸引方向を規定する第二羽板と、前記電力センサ又は電流センサから得られた電力値又は電流値を基に、前記第二羽板の向きを制御する吸引方向制御部と、を備え、前記吸引方向制御部は、前記冷却装置の隣の電子機器収納ラックの内、より高い前記電力値又は電流値を有する電子機器収納ラックの方から前記暖気を吸引するように第二羽板の向きを制御することを特徴としてもよい。
この構成によれば、暖気通路側のより電力等を使用している電子機器収納ラック側からより多くの暖気を吸引することにより、暖気の冷気通路側への回り込み等を防ぐことができ、そのようにして生じるホットスポットの解消に寄与することができる。
【0015】
また、さらに、前記ファンの風量の制御を行う風量制御部を備えることを特徴としてもよい。
この構成によれば、より効果的、効率的な冷却が可能となる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、上記の冷却装置を用い、冷気通路の両側にある電子機器収納ラック群を冷却するシステムであって、一の前記冷却装置は、該一の前記冷却装置が監視する前記冷気通路を挟み対向する前記電子機器収納ラックであって、前記冷却装置が放出する冷気が前記冷却装置の第一羽板の向きの変化により到達する領域にある前記電子機器収納ラックを冷却対象とし、前記冷却装置は、前記領域が、前記冷気通路において重複せずかつ隙間がないように、前記冷気通路の両側にある前記電子機器収納ラック列に配置されることを特徴とする前記電子機器収納ラック群を冷却するシステムが提供される。
この構成によれば、発熱量の多い電子機器収納ラックを局所的に冷却し、また発熱量の変化にも対応し、冷却装置からの冷気が衝突せず、かつ満遍なく、電子機器収納ラック群を冷却するシステムを提供することが可能となる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、上記の冷却装置を用い、冷気通路の両側にある電子機器収納ラック群を冷却する方法であって、一の前記冷却装置は、該一の前記冷却装置が監視する前記冷気通路を挟み対向する前記電子機器収納ラックであって、前記冷却装置が放出する冷気が前記冷却装置の第一羽板の向きの変化により到達する領域にある前記電子機器収納ラックを冷却対象とし、前記冷却装置は、前記領域が、前記冷気通路において重複せずかつ隙間がないように、前記冷気通路の両側にある前記電子機器収納ラック列の中に配置され、前記冷却装置は、該冷却装置が監視する前記電子機器収納ラックの中の特定の電子機器収納ラックの方向へ冷気を放出し、前記監視する電子機器収納ラックを冷却することを特徴とする前記電子機器収納ラック群を冷却する方法が提供される。
この構成によれば、発熱量の多い電子機器収納ラックを局所的に冷却し、また発熱量の変化にも対応し、冷却装置からの冷気が衝突せず、かつ満遍なく、電子機器収納ラック群を冷却する方法を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、発熱量の多い電子機器収納ラックを局所的に冷却しまた発熱量の変化にも対応することにより、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の冷却装置に係る第1実施形態を適用した、電算機室における空気の流れを説明する(a)平面図、(b)断面図。
【図2】本発明の冷却装置に係る第1実施形態を適用した冷却システムを示す平面図。
【図3】本発明の冷却装置に係る第1実施形態の、(a)正面図、(b)背面図、(c)側面図、(d)上面図。
【図4】本発明の冷却装置に係る第1実施形態の立断面図。
【図5】本発明の冷却装置に係る第1実施形態の斜視図。
【図6a】本発明の冷却装置に係る第1実施形態における、第一羽板の制御を示すフローチャート。
【図6b】本発明の冷却装置に係る第1実施形態における、第二羽板の制御を示すフローチャート。
【図7】本発明の冷却装置に係る第1実施形態における、(a)第一羽板が冷気を放出するところを示した図、(b)第二羽板が暖気を吸引するところを示した図、(c)平断面図。
【図8】本発明の冷却装置に係る第1実施形態における熱交換器の詳細図。
【図9】本発明の冷却装置に係る第1実施形態におけるファンの詳細図。
【図10】本発明の冷却装置に係る第2実施形態における、(a)第一羽板が冷気を放出するところを示した図、(b)平断面図。
【図11】従来技術を適用した電算機室における空気の流れを説明した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照しながら、本発明の各実施形態に係る装置等について説明する。
まず、図11に基づき、従来の技術を用いた電算機室における空気の流れを説明する。図11(a)は電算機室の平面図、図11(b)は電算機室の立面の断面図である。
電算機室30には、空気調和システム34が備えられ、電算機室30全体を冷却している。特に、空気調和システム34で冷却された冷気は、電子機器や電子機器収納ラックを設置する床31の下の床下空間33に吹き出され、この床下空間33に冷気が正圧をもって充満する。したがって、冷気は床開口部32から上方に吹き出すことになる。
【0021】
また、電算機室30の中では、電子機器収納ラック21は、室内で当ラックを効率よく配置するために、列をなし配置される。電子機器収納ラック21は、通常その前面から冷気を吸入し、背面から電子機器などにより温められた暖気を排出する。したがって、列をなし配置された電子機器収納ラック21からなる電子機器収納ラック群20は、互いが平行になるように配置される際、各電子機器収納ラック21の冷却効果を高めるため、冷気が吹き出す床開口部32がある通路に対して前面を向けて両側に配置される。そうすると、暖気を排出する電子機器収納ラック21の背面側も、隣の電子機器収納ラック群20の電子機器収納ラック21の背面側と向き合うように配置されることとなる。その結果、電算機室30では、冷気が吹き出す床開口部32がある通路、すなわち、冷気通路2と、両側の電子機器収納ラック群20が暖気を排出する暖気通路3とが交互に現れることになる。
【0022】
暖気通路3に排出された暖気は上昇し、電算機室30の天井付近に到達した後、空気調和システム34が、壁面の上部辺りや天井の開口部(図示せず)などから暖気を吸入し、冷却することにより、再度冷気となって電算機室30内を循環させる。
このように、冷気通路と暖気通路を明確に分けると冷気と暖気が混合されることが少なくなるので、空気調和システムを使って冷却した空気を効率よく電子機器に供給できる。
【0023】
しかし、電子機器の高密度化により発熱量が大きくなった場合、電算機室30を冷却する空気調和システム34の空調能力を増強することは容易なことではない。また、暖気通路3と冷気通路2を分けたといえ、暖気が冷却通路2に侵入したり、冷気が電子機器収納ラック20を冷却せず空気調和システム34に吸入されたりし、冷却効率を低下させることがある。さらに、コンピュータ等の使用状態の変化に伴う、ホットスポットの位置の動的な変化が起こる場合、電算機室全体を冷却する静的な空気調和システムでは対応できない。
【0024】
<第1実施形態>
説明の便宜上、図7の説明から始める。図7は、第1実施形態における、正面から冷気を放出するところを示した図(a)と、背面から暖気を吸引するところを示した図(b)と、(a)と(b)内のcにおける断面図(c)である。冷却装置1の正面側には、正面ドア12があり、その正面ドア12には冷気吹出開口部10が備えられている。その冷気吹出開口部10を通して、第一羽板16と赤外線センサ19が、冷却装置1に備えられていることが見える。また、冷却装置1の背面側には、背面ドア13があり、その背面ドア13には暖気吸引開口部11が備えられており、その暖気吸引開口部11を通して、第二羽板17が、冷却装置1に備えられていることが見える。
【0025】
(c)では、第一羽板16が、左方向に向けられ、第二羽板17が、右方向に向けられている。従って、暖気通路3からより多く暖気42が右方向からファン14により吸引され、内部では図示するような空気の流れ40となり、暖気42が熱交換器15を通過するときに冷却され、そして、冷気通路2へより多くの冷気41が左方向に放出される。(b)においては、左方向から暖気42が吸引され、(a)においては、冷気41が左方向へ放出しているところを表わしている。なお、フラップ18は、本実施形態では、空気の流れる方向に真っ直ぐの状態を保持している。
【0026】
本図では、第1実施形態における、第一羽板16を正面視で左方向へ最大限向けた時の様子を表わしており、後で詳述するように、第一羽板16に取り付けられた赤外線センサ19は、第一羽板16と共に正面視で左方向と右方向の間を行ったり来たりし、冷却通路2を挟み対向する電子機器収納ラック21の温度をセンスする。本実施形態においては、第一羽板16は、左側に約40度、右側に約30度向けることができ、全体での視野角は約70度である。もちろん、これらの角度はこれに限定されるものではなく、この角度がどのように定められるかは後述する。
【0027】
また、本図では、第1実施形態における、第二羽板17を正面視で左方向へ最大限向けた時の様子を表わしており、後で詳述するように、第一羽板17は、両隣等の電子機器収納ラックの内より発熱量が高いと想定される電子機器収納ラックの方向からより多くの暖気を吸引するために、正面視で左方向と右方向の間を行ったり来たりする。本実施形態においては、第二羽板17は、左右同角に約45度ずつの視野角がある。もちろん、これらの角度はこれに限定されるものではない。
【0028】
図1は、本発明の第一実施形態の冷却装置1を適用した電算機室30における空気の流れを説明する平面図(a)と断面図(b)である。空気調和システム34が冷却した冷気を床下空間33に吹き出す結果、冷気は床開口部32から上方に吹き出し、冷気通路2を形成するところは、図11と同じである。また、そのような冷気通路2と暖気通路3が交互に現れるところも同じである。
【0029】
(a)に示されているように、第一実施形態の冷却装置1は、電子機器収納ラック21の列の中、又はその列の端に、電子機器収納ラック3台に1台の割合で配置されている。また、後述するように、1つの冷却通路2を挟んで対向する2つの電子機器収納ラック列の間では、冷却装置1は、対向する列中の冷却装置1とは互いに正面に来ないようにずらして配置されている。
【0030】
(b)に示されているように、中央にある1つの冷却通路2を挟んで対向する2つの電子機器収納ラック列(二点鎖線で囲まれた所)について見ると、床開口部32から吹き出された冷気は、右側の電子機器収納ラック列の電子機器収納ラック21から吸引され、その電子機器収納ラック列の右側にある暖気通路3へその電子機器収納ラック21により暖められた暖気が放出される。また、左側の電子機器収納ラック列の冷却装置1は、その電子機器収納ラック列の左側にある暖気通路3の暖気を吸引し、冷却した後、対向する右側の電子機器収納ラック列の電子機器収納ラック21に向けて、冷却通路2に冷気を放出する。
【0031】
図2は、第1実施形態の冷却装置1を電算機室30に適用した冷却システムを示す平面図であり、図1(a)の二点鎖線で囲まれた所を拡大したものである。両側の電子機器収納ラック列にある冷却装置1は、互いにずらされて配置されている。また、上述のように、冷却装置1は、冷却通路2に向けて、ある視野角で冷気を放出することができるので、対向する3台の電子機器収納ラック21に対して冷気を放出することができる。ある視野角は、冷気通路2の巾を離れてある、対向する3台の電子機器収納ラックの合計巾により定められ、本実施形態では、上述のように、右側約30度、左側約40度で、合計約70度の視野角である。本実施形態では3台であるが、一台の冷却装置1が分担できる電子機器収納ラック21の台数は、冷却装置1の冷気を放出する視野角、冷気の到達距離の能力、冷気通路巾などから決められるので、もちろん3台に限定されるものではない。
【0032】
特定の1台の冷却装置100について注目すると、この冷却装置100は、3台の電子機器収納ラック210、211、212を担当し、後述する方法により、この3台の中で最も高い温度を有する電子機器収納ラックに向けて冷気を放出する。従って、冷却装置1が担当とする電子機器収納ラック210、211、212の中で発熱量の多い電子機器収納ラック、例えば210を、局所的に冷却することができ、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却することが可能となる。
【0033】
また、時間が経過し、電子機器収納ラック210が冷却され、例えば電子機器収納ラック212の発熱量が多くなった場合には、冷却装置1は、そのことをセンスし、電子機器収納ラック212に向けて冷気を放出することができる。従って、電子機器収納ラックの発熱量の変化にも対応することにより、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却することが可能となる。
【0034】
このように、一台の冷却装置1は、3台の電子機器収納ラックを分担し、互いの電子機器収納ラック列の冷却装置1がずれされて配置されているので、図2に示す冷却通路2を、一つの領域が重複せずかつ隙間がないように、上底が冷却装置1の巾、下底が3台の電子機器収納ラックの巾、高さが冷気通路1の巾である、台形状に分割されている(r1〜r8)。上述の冷却装置100、電子機器収納ラック210、211、212の例では、これらは台形r3を形成している。このようにすることで、冷却装置1からの冷気が衝突せず、かつ満遍なく、電子機器収納ラック群を冷却するシステムを提供することが可能となる。また、風のカーテン効果により冷気通路内のこれらの領域を跨る熱の移動が抑えられる効果もある。
【0035】
なお、電子機器収納ラック列の端にある冷却装置1は、電子機器収納ラック列の端の位置を列間で一致させるため、分担する電子機器収納ラックの台数は調整される(本実施形態では、2台である)。
【0036】
また、本実施形態における冷却装置1は、暖気通路3に面する背面側から暖気を吸引する。この際、より高い暖気が存在するホットスポットから暖気を吸引することにより、ホットスポットの解消に寄与することができる。例えば、冷却装置100の両側にある電子機器収納ラック213と214の内、電子機器収納ラック213の方がより電力や電流を使用している場合、電子機器収納ラック213の方向からより多くの暖気を吸引することで、電子機器収納ラック213辺りでの暖気の冷気通路側の回り込みを防止することができる。詳しくは、後述する。
【0037】
図3は、本実施形態の、(a)正面図、(b)背面図、(c)側面図、(d)上面図である。冷気通路に面する方を正面、暖気通路に面する方を背面とする。正面には、正面ドア12に冷気吹出開口部10が、背面には、背面ドア13に暖気吸引開口部11が備えられている。側面は、電子機器収納ラック21と接するか、電子機器収納ラック列の端として現れる。なお、冷却装置1の高さや奥行き(側面部の巾)は、規格化された電子機器収納ラックに適合することが望ましい。冷却装置1の巾(正面ドア12及び背面ドア13の巾)は、冷却装置1の冷却能力などに応じて決定される。
【0038】
図4は、第1実施形態の、図3内の4の断面における断面図である。背面ドア13のすぐ裏には第二羽板17が備えられ、暖気を吸引する方向を規定する。なお、この規定は、後述の吸引方向制御部161により行われる。第二羽板17のさらに奥には(図視左横には)、ファン14が6台縦に備えられている。ファン14の詳細は図9に示されているように、ブロアーファンが用いられているが、これに限定されるものではない。このファン14が暖気通路3側から冷気通路2側への空気の流れを作る。ファン14の台数や大きさは、冷却装置1の冷却能力などに応じて決定される。通常、ホットスポットは暖気通路3内の上の方に生ずることが多いので、冷却装置1内の上方のファン14の送風能力を増強してもよい。
【0039】
ファン14のさらに奥には(図視左横には)、熱交換器15が備えられている。熱交換器15は、冷却装置1を通過する暖気を漏らさず冷気とするために、冷却装置1内部の全高さ、全巾に亘っている。熱交換器15の詳細は図8に示されているように、高い冷却能力を得るために水冷式であり、水冷用パイプ35により水が供給され、大きな冷却能力を持たせるためほぼ前面に亘りラジエータ151が備えられている。もちろん、これは冷媒式であってもよい。なお、本実施形態では、ファン14の奥に(図視左横に)熱交換器15が備えられているが、逆に、第二羽板17の奥に熱交換器15が備えられ、その奥にファン14が備えられてもよい。
【0040】
熱交換器15のさらに奥には(図視左横には)、フラップ18が備えられている。本実施形態では、空気の流れる方向に真っ直ぐの状態を保持している。なお、フラップ18の制御は、フラップ制御部161により行われる。
【0041】
フラップ18のさらに奥(図視左横)、即ち、正面ドア12のすぐ裏には、第一羽板16が備えられ、冷気を放出する方向を規定する。第一羽板16の下方奥に備えられた放出方向制御部161が、この規定を制御する。詳細は後述する。
【0042】
図5は、本実施形態の正面側から見た斜視図である。正面ドア12の冷気吹出開口部10の奥に、第一羽板16が備わっているのが見える。
【0043】
図6aは、本実施形態における、放出方向制御部161による、第一羽板16の制御を示すフローチャートである。なお、フローチャートにおいて、「S」は各処理のステップを示すものとする。
【0044】
まず、冷却装置1の電源をオンにする(S100)と、第一羽板16の初期の位置決めをする制御を行う(S102)。この制御の前提として、センシングする際の視野角の設定(本実施形態では、センター位置を基準角度として、右30度、左40度程度の範囲)、分解能の設定(センシングするポイント数、角度)、センシングの間隔時間の設定(例えば、10分に1回など)などを行う(S104)。
【0045】
次に、冷気通路2を挟み対向する、この冷却装置1が分担する電子機器収納ラック21を、設定された視野角に亘り、第一羽板16に備えられた赤外線センサ19により赤外線センシングを行い、電子機器収納ラック21の放射エネルギーの測定を行う(S106)。例えば、本実施形態では、センシングポイント数はn、センシング設定角度はzz度として、放射エネルギー測定を行うと、
30°+ 40°= zz°× n
の関係が成り立つ。
【0046】
なお、本実施形態では、動作モードが2つあり、動作モード00をPeakCooling,動作モード01をPIDCoolingとする(S108)。動作モード00では、最大測定値を検出し、その測定場所の確定を行う(S118)。即ち、測定結果m1,m2・・・・mnの中から最大値を検出し、初期からどの角度で測定した場所かを求める。そして、その測定位置方向に冷気を放出するため、第一羽板16を制御する(S120)。一旦、第一羽板16の向きが定まったら、設定されたセンシングの間隔時間待つ(S116)。
【0047】
また、動作モード01では、まず、左と右側の測定値の平均値を算出する(S110)。具体的には、第一羽板16の現在位置を基準とし、その位置より左側の測定平均値XXと右側の測定平均値YYを算出する。そして、PID制御によりスムーズに目標値に近づけることが出来る様に操作量を計算する(S112)。その計算された操作量に基づき、第一羽板16の向きを制御する(S114)。一旦、第一羽板16の向きが定まったら、設定されたセンシングの間隔時間待つ(S116)。
【0048】
いずれの動作モードであっても、設定されたセンシングの間隔時間待った後、次のサイクルの電子機器収納ラック21の放射エネルギーの測定を行う(S106)。この繰り返しにより、冷却装置1が分担する電子機器収納ラック21に発熱量の変化があった場合には、それに追随して発熱量の大きな電子機器収納ラック21に冷気を向けることが可能となり、発熱量の多い電子機器収納ラックを局所的に冷却しまた発熱量の変化にも対応することにより、全体として、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却する冷却システムを構築することが可能となる。
【0049】
図6bは、本実施形態における、吸引方向制御部161による、第二羽板17の制御を示すフローチャートである。まず、冷却装置1の電源をオンにする(S200)と、第二羽板17の初期の位置決めをする制御を行う(S202)。この制御の前提として、センシングの間隔時間の設定(例えば、10分に1回など)などを行う(S204)。
【0050】
次に、冷気装置1の両隣にある2台の電子機器収納ラック21の電力値又は電流値をセンシングする。また、電子機器収納ラック列内の、この冷却装置1の左側及び右側にあるすべて又は一部の電子機器収納ラック群の電力値又は電流値をセンシングしてもよい。ここでは、後者について両隣3台ずつの測定を行う(S206)。この冷却装置1の左側にある電子機器収納ラック群の電力値又は電流値(x1,x2,x3)の総和をPx、右側にある電子機器収納ラック群の電力値又は電流値(y1,y2,y3)の総和をPyとし、その比較を行う(S208)。PxがPyより大きい場合、吸引方向制御部161は、第二羽板17を左向きにする(S214)。逆に、PyがPxより大きい場合、第二羽板17を右向きにする(S216)。また、PxとPyが等しい場合は、吸引方向制御部161は、第二羽板17を中央に向くように制御する(S210)。
【0051】
いずれの場合であっても、設定されたセンシングの間隔時間待った後、次のサイクルの電力値等の測定を行う(S206)。この繰り返しにより、冷却装置1の並びにある電子機器収納ラック21の電力量等に変化があった場合には、それに追随して暖気を吸引する方向を変化させることにより、暖気の冷気通路側への回り込み等を防ぐことができ、そのようにして生じるホットスポットの解消に寄与することができることで、全体として、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却する冷却システムを構築することが可能となる。
【0052】
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態における、正面から冷気を放出するところを示した図(a)と、(a)内のbにおける断面図(b)である。冷却装置1Aの正面側には、正面ドア12Aがあり、その正面ドア12Aには冷気吹出開口部10Aが備えられている。その冷気吹出開口部10Aを通して、第一羽板16Aと赤外線センサ19が2系統、冷却装置1Aに備えられていることが見える。なお、冷却装置1の背面側は、第1実施形態と同じである。
【0053】
(b)では、第一羽板16Aが、中央を境に、左方向と右方向に向けられている。内部では、背面ドア13から吸引されて冷却された空気の流れが、フラップ18が図視右に向けられていることにより、左側の系統の第一羽板16Aの方へ曲げられ、より多くの冷気を送ることができる。また、冷気通路2へより多くの冷気41が左方向に放出されることとなるとともに、右方向へも冷気41を放出することができる。従って、冷却装置1Aが分担する電子機器収納ラックの中で発熱量が二番目に多い電子機器収納ラックにも冷気を供給しつつ、発熱量の最も多い電子機器収納ラックにより多くの風量を与えることにより、効果的、効率的に電子機器収納ラック群を冷却することが可能となる。
【0054】
本図では、第2実施形態における、一の系統の第一羽板16Aを正面視で左方向へ最大限向け、かつ、他の系統の第一羽板16Aを正面視で右方向へ最大限向けている様子を表わしている。第1実施形態と同様、第一羽板16Aは、赤外線センサ19で冷却通路2を挟み対向する電子機器収納ラック21の温度をセンスするため、正面視で左方向と右方向の間を行ったり来たりする。
【0055】
本図においては、分担する電子機器収納ラックが3台であり、冷却装置1から見て最も左側にある電子機器収納ラックが最も発熱量が大きく、最も右側にある電子機器収納ラックが2番目に発熱量が大きい場合を想定して描かれており、一の第一羽板16Aは、最も左側にある電子機器収納ラックに向けてより多くの冷気を放出し、他の第一羽板16Aは、最も右側にある電子機器収納ラックに向けても残りの冷気を放出する。
【0056】
仮に、3台ある電子機器収納ラックの内中央にある電子機器収納ラックが最も発熱量が大きい場合は、一の系統の第一羽板16Aは、正面に真っ直ぐに向けて冷気を放出することになる。
【符号の説明】
【0057】
1 冷却装置
2 冷気通路
3 暖気通路
10 冷気吹出開口部
11 暖気吸引開口部
12 正面ドア
13 背面ドア
14 ファン
15 熱交換器
151 ラジエータ
16 第一羽板
161 放出方向制御部、フラップ制御部、吸引方向制御部
17 第二羽板
18 フラップ
19 赤外線センサ
20 電子機器収納ラック群
21 電子機器収納ラック
30 電算機室
31 床
32 床開口部
33 床下空間
34 空気調和システム
35 水冷用パイプ
40 空気の流れ
41 冷気
42 暖気
r1〜r8 冷却装置が分担する領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電子機器を有する複数の電子機器収納ラックが複数の列をなすように設置され、対向する前記電子機器収納ラックの前記列の間に形成される通路が冷気通路と暖気通路とに交互に形成するように配置された電子機器収納ラック群を冷却する冷却装置であって、
該冷却装置は、前記電子機器収納ラックの間又は前記列の端に配置され、
前記暖気通路から前記冷気通路へ空気の流れを生ぜしめるファンと、
前記暖気通路の暖気を冷気にする熱交換器と、
前記冷気通路に面し、前記冷気通路へ放出する前記冷気の放出方向を規定する第一羽板と、
前記冷気通路を挟み対向する少なくとも一つの前記電子機器収納ラックの温度を監視する赤外線センサと、
前記赤外線センサから得られた前記温度を基に、前記第一羽板の向きを制御する放出方向制御部と、を備え、
前記放出方向制御部は、前記赤外線センサにより監視される前記電子機器収納ラックの中の特定の電子機器収納ラックの方向へ前記冷気を放出するように前記第一羽板の向きを制御することを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記特定の電子機器収納ラックは、前記監視される電子機器収納ラックの中の最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックであり、
前記放出方向制御部は、前記最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックの方向へ前記冷気を放出するように前記第一羽板の向きを制御することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記特定の電子機器収納ラックは、前記監視される電子機器収納ラックの中の前記最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックと二番目に高い前記温度を有する電子機器収納ラックであり、
前記放出方向制御部は、2つの系統を有し、一の系統の第一羽板は前記最も高い前記温度を有する電子機器収納ラックの方向へ、他の系統の第一羽板は二番目に高い前記温度を有する電子機器収納ラックの方向へ、前記冷気を放出するように前記第一羽板の向きを制御し、
さらに、前記ファンからの風量を前記一の系統の第一羽板と前記他の系統の第一羽板に振り分けるフラップを備える仕切り板と、前記仕切り板のフラップの方向を制御するフラップ制御部を備え、
前記フラップ制御部は、前記ファンから放出された風量の過半を前記一の系統の第一羽板へ、残りを前記他の系統の第一羽板へ、振り分けることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
さらに、前記冷却装置の隣の電子機器収納ラックに対する電力センサ又は電流センサと、
前記暖気通路に面し、前記暖気の吸引方向を規定する第二羽板と、
前記電力センサ又は電流センサから得られた電力値又は電流値を基に、前記第二羽板の向きを制御する吸引方向制御部と、を備え、
前記吸引方向制御部は、前記冷却装置の隣の電子機器収納ラックの内、より高い前記電力値又は電流値を有する電子機器収納ラックの方から前記暖気を吸引するように第二羽板の向きを制御することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
さらに、前記ファンの風量の制御を行う風量制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の冷却装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかに記載の冷却装置を用い、冷気通路の両側にある電子機器収納ラック群を冷却するシステムであって、
一の前記冷却装置は、該一の前記冷却装置が監視する前記冷気通路を挟み対向する前記電子機器収納ラックであって、前記冷却装置が放出する冷気が前記冷却装置の第一羽板の向きの変化により到達する領域にある前記電子機器収納ラックを冷却対象とし、
前記冷却装置は、前記領域が、前記冷気通路において重複せずかつ隙間がないように、前記冷気通路の両側にある前記電子機器収納ラック列に配置されることを特徴とする前記電子機器収納ラック群を冷却するシステム。
【請求項7】
請求項1乃至5いずれかに記載の冷却装置を用い、冷気通路の両側にある電子機器収納ラック群を冷却する方法であって、
一の前記冷却装置は、該一の前記冷却装置が監視する前記冷気通路を挟み対向する前記電子機器収納ラックであって、前記冷却装置が放出する冷気が前記冷却装置の第一羽板の向きの変化により到達する領域にある前記電子機器収納ラックを冷却対象とし、
前記冷却装置は、前記領域が、前記冷気通路において重複せずかつ隙間がないように、前記冷気通路の両側にある前記電子機器収納ラック列の中に配置され、
前記冷却装置は、該冷却装置が監視する前記電子機器収納ラックの中の特定の電子機器収納ラックの方向へ冷気を放出し、前記監視する電子機器収納ラックを冷却することを特徴とする前記電子機器収納ラック群を冷却する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−238765(P2011−238765A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108614(P2010−108614)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】