電子機器収納箱
【課題】 背板のみの状態で壁面に取り付けでき、また前面板に加えて側板を単独で分離可能とし、部屋の隅部であっても側板を着脱操作できる電子機器収納箱を提供する。
【解決手段】 内部にラックマウント型機器を収納するためのレール部材10を備え、前面板、背板1、天板2、底板3、左右側板4,5の各板が分離可能であり、背板1にレール部材10が組み付けられると共に壁面に固定するためのネジ挿通孔を設け、左右側板4,5を天板2と底板3とで挟持されるよう配置し、左側板4が天板2と底板3とで挟持されて前後に摺動可能であり、摺動操作により着脱できるよう構成した。
【解決手段】 内部にラックマウント型機器を収納するためのレール部材10を備え、前面板、背板1、天板2、底板3、左右側板4,5の各板が分離可能であり、背板1にレール部材10が組み付けられると共に壁面に固定するためのネジ挿通孔を設け、左右側板4,5を天板2と底板3とで挟持されるよう配置し、左側板4が天板2と底板3とで挟持されて前後に摺動可能であり、摺動操作により着脱できるよう構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックマウント型の電子機器や通信機器を収納する電子機器収納箱に関し、特に壁面に設置する電子機器収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器や通信機器を収納する箱、特にラックマウントタイプのHUB機器やLAN機器等を収納する箱は、設置スペースを確保し易い壁面に設置されるものがある。このような場所に設置される電子機器収納箱は、収納した機器の配線やメンテナンスがし易いように、また前方への突出量を小さくするために機器を横向きにして収納するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような箱は高所に設置されるため、施工業者に負担がかからないように工夫が成され、例えば本発明者は特許文献2に示すような電子機器収納箱を提案した。これは、箱を分割して形成したもので、分割することで壁面に設置する際の軽量化を図ることができた。また機器組み付けの際は、邪魔になりやすい側板が無い状態で作業できるため、組み付け作業がし易かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−26372号公報
【特許文献2】特開2006−351629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献2に示す従来の電子機器収納箱は、箱の設置や機器の収納操作を容易に行うことができた。しかし、背板とそれ以外が分離された構成であり、前面板と左右側板等が一体に形成されているため、メンテナンスの際にはその都度側板等が連結された箱状の前面部材を着脱操作する必要があり、設置後の操作が面倒なものとなっていた。
そのため、背板とそれ以外を分離するのに加えて前面板とその周囲の側板等を分離可能とし、メンテナンスする際は、例えば前面板を開放するだけで対応可能な構成が考えられる。ところが、壁面に固定されるこのような箱は、部屋の隅部に設置される場合が多く、その場合は箱の左右何れか一方の作業スペースが殆ど無い場合が発生し、側板を着脱可能な構成にしても、作業スペースが確保できずに側板を着脱操作が難しい事態が発生し、分離可能な構成としても意味が無くなってしまう。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、背板のみの状態で壁面に取り付けでき、また前面板に加えて側板を単独で分離可能とし、部屋の隅部に設置しても側板を着脱操作できる電子機器収納箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、前面が扉板で閉塞され、内部にラックマウント型機器を収納するためのラックマウントレールを備え、壁面に設置される電子機器収納箱において、前記扉板に加えて、箱を構成する背板、天板、底板、左右側板の各板を分離可能とし、前記背板に、前記ラックマウントレールが組み付けられると共に、壁面に固定するための固定部を設ける一方、前記左右側板は、前記天板と底板とで挟持されるよう配置され、少なくとも一方の側板が、前記天板と底板とで挟持された状態で前後に摺動可能であり、摺動操作により着脱可能であることを特徴とする。
この構成によれば、背板のみの状態でラックマウント型機器を組み付けることができる。そして、少なくとも一方の側板は前後に摺動して着脱操作できるので、この電子機器収納箱が部屋の隅に設置された状態でも、隅側の側板を摺動できる側板とすることで、背板を壁面に設置した後、側板の組付けを行うことができる。
また、前面が扉であるため、側板等を取り外さなくてもメンテナンス作業ができるし、現場で組み立てても良く、その場合は配送の容積を最小限にでき、配送コストを低減できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、前記左右側板のうち、前記扉板の開放端側の一方の側板を、後部に回動軸を備えて開閉可能な扉体とし、前面から一方の側面にかけて連続した開放空間を形成可能とし、他方の側板を前後に摺動可能としたことを特徴とする。
この構成によれば、部屋の隅側に配置する側板を手動できる構成とし、反対側側板を扉体とすることができる。よって、隅部に設置しても、前面から側面にかけて大きく開放することができ、メンテナンスし易いし、側板の着脱も無理なく行うことができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記背板は、周囲4辺に配置される枠部材と、その内側を閉塞する閉塞板とを溶接して形成され、前記閉塞板は、前記枠部材を形成する鋼板より薄い鋼板で形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、強度を必要としない背板中央部を薄い鋼板で形成することで、背板の軽量化を図ることができ、取り扱いし易い。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、前記背板の前記固定部が、背板の4隅に形成されたネジ挿通孔と、上辺中央に形成されたダルマ孔であることを特徴とする。
この構成によれば、ダルマ孔を利用して背板を壁面に仮止めすることができる。そのため、平行出しや罫書き作業を無理なく行うことができる。しかも、罫書き作業は背板のみ壁面にあてがうだけでよいため、作業がし易い。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の構成において、前記左右側板及び扉板の上辺及び下辺は、前記天板及び底板により一様に覆われると共に、前記天板及び底板の前面側左右端部には、樹脂製の角部材が配置されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、電子機器収納箱の角部は、樹脂製の角部材が配置されるので、天板や底板を構成する金属より成る角部に比べて軟質に形成でき、人物が接触した場合に緩衝作用を持たせることができる。
【0011】
請求項6の発明は、求項1乃至5の何れかに記載の構成において、前記天板及び底板の少なくとも一方の前記背板に面する後部には、収納機器に接続する配線を入出するための切り欠きが形成されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、天板や底板を組み付ける前に配線作業を行えば、挿通孔等に配線を挿通する作業が必要なく、配線作業がし易い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、背板のみの状態でラックマウント型機器を組み付けることができる。そして、少なくとも一方の側板は前後に摺動して着脱操作できるので、電子機器収納箱が部屋の隅に設置された状態でも、隅側の側板を摺動できる側板とすれば、背板を壁面に設置した後、側板の組付けを行うことができる。
また、前面が扉であるため、側板等を取り外さなくてもメンテナンス作業ができるし、現場で組み立てるため、配送する際の容積を最小限にでき、配送コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る電子機器収納箱の一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1の個々の板を分離した分解斜視図である。
【図3】図1に示す電子機器収納箱において、機器を収納し、扉を開けた状態の斜視図である。
【図4】図2に示す背板の正面図である。
【図5】背板の分解正面図である。
【図6】A部拡大図である。
【図7】B部拡大図でる。
【図8】C部拡大図である。
【図9】D部拡大図である。
【図10】E部拡大図である。
【図11】側板の組み付け操作を示す説明図であり、(a)は組み付け前、(b)は組み付け途中を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図3は本発明に係る電子機器収納箱を示し、図1は外観斜視図、図2は分解斜視図、図3は機器を収納し、扉を開けた状態の斜視図である。各図において、1は背板、2は天板、3は底板、4は左側板、5は右側板、6は前面板であり、図2に示するように全ての板は分離できるよう構成され、図3に示すように右側板5及び前面板6は扉状に形成されて開閉可能となっている。
【0015】
背板1には、ラックマウント型機器を装着するためのラックマウントレール10aが形成された略コ字状のレール部材10が組み付けられ、ラックマウントレール10aが前方に向けて突出している。このラックマウントレール10aにより、図3に示すようにラックマウント型の機器11が横向きに組み付けられる。
また、背板1には機器組み付け用の木板12がレール部材10に隣接して組み付けられ、ラックマウントレール10aの基部には、収納した機器11に接続する配線を支持するための配線ホルダ13が設けられている。
【0016】
図4は、図2に示すレール部材10等を組み付けた背板1の正面図を示している。この図4に示すように、背板1の4隅には壁面にネジにより固定するためのネジ挿通孔15が穿設され、上部及び下部の中央にはダルマ孔16が形成されている。このダルマ孔16は、背板1を仮止めして位置決めする際の水平出しを行うための孔で、背板1をテンプレートとして使用し、罫書き作業を容易に実施できるよう形成されている。
尚、背板1を仮止めする際、上部のダルマ孔16が使用されるが、箱を上下反転して使用できるようダルマ孔16は上下に設けられている。
【0017】
また、図5は背板1の分解正面図を示している。この図5に示すように、背板1は複数の部材を連結して形成されている。具体的に、背面を構成する閉塞板18に、周囲4辺を構成する枠部材19をスポット溶接して形成されている。枠部材19を構成する左右の辺部材19a,19bは同一の辺部材を反転したものであり、上下の辺部材19c,19dも同一の辺部材を反転したものである。
そして、閉塞板18と枠部材19は異なる厚みの鋼板で形成され、強度を必要としない閉塞板18を枠部材19より薄い鋼板で形成している。ここでは、辺部材19a〜19dは1.0mm厚の鋼板で形成され、閉塞板18は0.5mm厚の鋼板で形成されている。こうして厚みを変えて強度を必要としない閉塞板18を薄くすることで、背板1の軽量化を図っている。
【0018】
天板2及び底板3は同一の構成であり、反転した構成となっている。天板2及び底板3は、図2に示すように左右側部に強度を上げるために補強部材21が溶接されている。この補強部材は、前後方向に起立形成された帯状部材21aを備え、この帯状部材21aの外側となる左右端部には、側板4,5を収容するための空間W1,W2が、側板4,5の厚みに合わせた一定幅で形成されている。また、前面側にも前面板6を収容する空間W3が、前面板6の厚みに合わせて一定幅で形成され、所定位置に組み付けられた左右側板4,5及び前面板6は、天板2と底板3との間に収容されるされるよう構成されている。
【0019】
図6は、底板3と背板1との連結構造を示すA部の拡大図を示している。この図6に示すように、補強部材21の後端部には、背板1に係止する鉤片22と、背板1にねじ止めするためのダルマ孔23が形成され、ダルマ孔23に対応する背板1にはネジが螺入されたネジ止め部24が設けられている。鉤片22を背板1の端部に係止し、ネジ止め部24の緩めたネジにダルマ孔23を係合することで、天板2及び底板3は背板1に仮止めできる。
【0020】
また、天板2及び底板3は、背板1に面する後部に、幅広のコ字状の切り欠き26が形成されている。この切り欠き26、及び切り欠き26に対応する背板1の端部の双方には、切り欠き26から塵の侵入を防ぐための発泡樹脂片27が貼着されている。この切り欠き26により、天板2或いは底板3を背板1に組み付けた際に配線挿通孔7(図1に示す)が形成され、収納された機器11に接続される配線(図示せず)の出し入れがこの切り欠き26を介して行われる。
【0021】
図7は、底板3の端部を拡大したB部拡大図を示している。この図7に示すように、天板2及び底板3の左右前端部である角部には、樹脂製の角部材29が設けられている。この角部は、折り曲げた鋼板により空隙を形成し、一定の曲率を有して扇状に形成された樹脂製の角部材29でその隙間が閉塞されている。
尚、左右側板4,5の前面側端部はこの曲率に合わせたアールを設けて形成されている。この曲率は、例えば半径20mmのアールで形成されている。
【0022】
左側板4は、上下端面が平坦に形成され、その前後2箇所に天板2及び底板3にスムーズに係合させるための樹脂製の突起片30が貼着されている。また、この端面に連続する後端部には背板1に係合する爪片31が突設されている。
更に図8のC部拡大図に示すように、左側板4の前端上下端部には、天板2と底板3に設けられたねじ孔34(図7に示す)にネジ止めするためのネジ挿通孔32が形成されている。但し、図8ではねじ挿通孔32にネジ33を挿通した状態を示している。
【0023】
右側板5は、中央に大きな開口部35が形成され、透明な樹脂板を組み付けて内部に設置した機器11を視認するための窓36が形成されている。また、図9のD部拡大図に示すように、後部の上下端部には右側板5の開閉軸となる回動軸37が突設されている。この回動軸37は、側板内に没入可能に設けられ、天板2と底板3に形成された軸孔(図示せず)に容易に挿入できるよう構成されている。
【0024】
前面板6は、図10のE部拡大図に示すように、左端の上下端部に回動軸39が突設されている。この回動軸39も右側板5と同様に前面板6内に没入可能に設けられ、天板2と底板3に形成された軸孔(図7に示す)40に容易に挿入できるよう構成されている。そして、右側中央にはハンドル41が設けられ、このハンドル41の操作で右側板5に係止する係止片42が右端中央に出没するよう構成され、前面板6は扉板として構成されている。
【0025】
このように構成された電子機器収納箱は次のように組み立てられ、壁面に取り付けられる。最初に、電子機器収納箱を設置する壁面の罫書きを行う。これは、機器を組み付けない状態の背板1を壁面に宛がい、背板1に形成されているダルマ孔16及びネジ挿通孔15を使用して罫書きを実施する。この時、上部中央に形成されたダルマ孔16に合わせて壁面にネジ等を螺入して係止突起を設けておくことで、ダルマ孔16をそのネジ等に係合させれば背板1を仮止めでき、左右の平行出しを容易に行う事ができる。また、この操作は、比較的軽量な背板1のみ壁面にあてがうだけで良く、無理なく罫書き作業ができる。
【0026】
罫書きが終了したら背板1を一旦取り外し、背板1に機器を組み付ける。その後、背板1を壁面に取り付ける。この時、罫書き作業と同様に中央のダルマ孔16をネジに係合させることで、4隅のネジ止めがし易い。こうして4隅をネジ止めすることで背板1は壁面に固定される。尚、背板1をネジ止めする前に、罫書きに合わせて壁面のねじ孔加工等必要な加工が行われる。
【0027】
背板1を壁面に取り付けたら、天板2、底板3を背板1に組み付ける。この組み付けも背板1に仮止めして行われる。背板1のネジ止め部24のネジを緩めておき、鉤片22を背板1に係止すると共に、ダルマ孔23をネジ止め部24の緩めたネジに係合させることで仮止めでき、その後ネジ止め部24をネジ締めすれば組み付けは完了する。
尚、背板1に組み付けた機器11への配線は、背板1を壁面に設置した状態で、天板2や底板3を組み付ける前に行うと良い。この状態では、配線を配線挿通孔7に挿通する作業が必要ないため、簡易な操作で配線接続作業を行うことができる。そして、天板2及び底板3を組み付けることで、背板1と天板2の間、或いは背板1と底板3の間に形成された配線挿通孔7を介して配線は入出される。
【0028】
次に、側板4,5を組み付ける。図11は、左側板4の組み付け操作を示す説明図であり、(a)は組み付け前、(b)は組み付け途中を示している。この図11に示すように、天板2と底板3との間に形成された空間W1に、前方から挿入する。この時、上下端面に設けられた突起片30が天板2及び底板3に当接して、スムーズにスライド動作する。
こうして、挿入が完了して左側板4の背面が背板1に当接すると、後端に設けられた爪片31が背板1に係合するため、後端部が外れるのが防止される。また、前端部の上下に備えたネジ33を天板2及び底板3のネジ孔34に螺入する。こうして、左側板4は組み付けられる。尚、箱の左側に十分な作業スペースがある場合は、側方から左側板4を挿入して組み付けることもできる。
一方、右側板5は、回動軸37を天板2及び底板3の軸孔に挿入することで組み付けられる。回動軸37は、板内に没入させることで容易に軸孔に挿入できる。
【0029】
最後に前面板6を組み付ける。この場合も右側板5と同様に、まず回動軸39を天板2及び底板3の軸孔に挿入する。そして、ハンドル41を操作して鉤片42を右側板5に係合させる。この結果、図1に示す状態の箱体が完成する。
【0030】
尚、ここでは左側板4を前後に摺動して着脱できる構成として、左側を部屋の隅部に向けて配置できる構成としたが、箱の右側が部屋の隅部になる場合は、側板4,5を左右反転すれば良い。また、合わせて前面板6を上下反転すれば左側を開放する構成となり、良好に操作できる。
【0031】
このように、背板1のみの状態でラックマウント型機器11を組み付けることができる。そして、一方の側板4が前後に摺動して着脱操作できるので、電子機器収納箱が部屋の隅に設置された状態でも、隅部側の側板を摺動できる構成とすれば、背板1を壁面に設置した後、側板の組付けを行うことができる。
また、前面板6が扉であるため、側板等を取り外さなくてもメンテナンス作業できるし、スライド操作を必要としない他方の側板を扉体とすることで、隅部に設置しても前面から側面にかけて大きく開放することができ、更にメンテナンス等の作業がし易い。
更に、ダルマ孔16を利用して背板1を壁面に仮止めすることができるため、平行出しや罫書き作業を無理なく行うことができる。しかも、罫書き作業は背板1のみ壁面にあてがうだけでよいため、作業がし易い。
また、天板2や底板3を組み付ける前に配線作業を行えば、挿通孔等に挿通する作業が必要なく、簡易な操作で配線できる。
更に、角部は樹脂製の角部材29が配置されるので、天板2や底板3を構成する金属により成る角部に比べて軟質に形成でき、人物が接触した場合に緩衝作用を持たせることができる。また、箱は現場で組み立てても良く、その場合は配送の容積を最小限にでき、配送コストを低減できる。
【0032】
尚、上記実施形態は、一方の側板のみ摺動して組み付ける構成としているが、左右双方の側板を摺動して組み付ける構成としても良い。また、機器11を背板1に組み付けた後に壁面に背板1を固定しているが、背板1を壁面に固定してから機器11を組み付けても良い。また、天板2と底板3の双方に切り欠き27を設けて、電線挿通孔7を上下に設けているが、何れか一方のみとしても良い。
【符号の説明】
【0033】
1・・背板、2・・天板、3・・底板、4・・左側板、5・・右側板、6・・前面板(扉板)、7・・配線挿通孔、10・・レール部材、10a・・ラックマウントレール、15・・ネジ挿通孔(固定部)、16・・ダルマ孔(固定部)、18・・閉塞板、19・・枠部材、27・・切り欠き、29・・角部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックマウント型の電子機器や通信機器を収納する電子機器収納箱に関し、特に壁面に設置する電子機器収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器や通信機器を収納する箱、特にラックマウントタイプのHUB機器やLAN機器等を収納する箱は、設置スペースを確保し易い壁面に設置されるものがある。このような場所に設置される電子機器収納箱は、収納した機器の配線やメンテナンスがし易いように、また前方への突出量を小さくするために機器を横向きにして収納するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような箱は高所に設置されるため、施工業者に負担がかからないように工夫が成され、例えば本発明者は特許文献2に示すような電子機器収納箱を提案した。これは、箱を分割して形成したもので、分割することで壁面に設置する際の軽量化を図ることができた。また機器組み付けの際は、邪魔になりやすい側板が無い状態で作業できるため、組み付け作業がし易かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−26372号公報
【特許文献2】特開2006−351629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献2に示す従来の電子機器収納箱は、箱の設置や機器の収納操作を容易に行うことができた。しかし、背板とそれ以外が分離された構成であり、前面板と左右側板等が一体に形成されているため、メンテナンスの際にはその都度側板等が連結された箱状の前面部材を着脱操作する必要があり、設置後の操作が面倒なものとなっていた。
そのため、背板とそれ以外を分離するのに加えて前面板とその周囲の側板等を分離可能とし、メンテナンスする際は、例えば前面板を開放するだけで対応可能な構成が考えられる。ところが、壁面に固定されるこのような箱は、部屋の隅部に設置される場合が多く、その場合は箱の左右何れか一方の作業スペースが殆ど無い場合が発生し、側板を着脱可能な構成にしても、作業スペースが確保できずに側板を着脱操作が難しい事態が発生し、分離可能な構成としても意味が無くなってしまう。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、背板のみの状態で壁面に取り付けでき、また前面板に加えて側板を単独で分離可能とし、部屋の隅部に設置しても側板を着脱操作できる電子機器収納箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、前面が扉板で閉塞され、内部にラックマウント型機器を収納するためのラックマウントレールを備え、壁面に設置される電子機器収納箱において、前記扉板に加えて、箱を構成する背板、天板、底板、左右側板の各板を分離可能とし、前記背板に、前記ラックマウントレールが組み付けられると共に、壁面に固定するための固定部を設ける一方、前記左右側板は、前記天板と底板とで挟持されるよう配置され、少なくとも一方の側板が、前記天板と底板とで挟持された状態で前後に摺動可能であり、摺動操作により着脱可能であることを特徴とする。
この構成によれば、背板のみの状態でラックマウント型機器を組み付けることができる。そして、少なくとも一方の側板は前後に摺動して着脱操作できるので、この電子機器収納箱が部屋の隅に設置された状態でも、隅側の側板を摺動できる側板とすることで、背板を壁面に設置した後、側板の組付けを行うことができる。
また、前面が扉であるため、側板等を取り外さなくてもメンテナンス作業ができるし、現場で組み立てても良く、その場合は配送の容積を最小限にでき、配送コストを低減できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、前記左右側板のうち、前記扉板の開放端側の一方の側板を、後部に回動軸を備えて開閉可能な扉体とし、前面から一方の側面にかけて連続した開放空間を形成可能とし、他方の側板を前後に摺動可能としたことを特徴とする。
この構成によれば、部屋の隅側に配置する側板を手動できる構成とし、反対側側板を扉体とすることができる。よって、隅部に設置しても、前面から側面にかけて大きく開放することができ、メンテナンスし易いし、側板の着脱も無理なく行うことができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記背板は、周囲4辺に配置される枠部材と、その内側を閉塞する閉塞板とを溶接して形成され、前記閉塞板は、前記枠部材を形成する鋼板より薄い鋼板で形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、強度を必要としない背板中央部を薄い鋼板で形成することで、背板の軽量化を図ることができ、取り扱いし易い。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、前記背板の前記固定部が、背板の4隅に形成されたネジ挿通孔と、上辺中央に形成されたダルマ孔であることを特徴とする。
この構成によれば、ダルマ孔を利用して背板を壁面に仮止めすることができる。そのため、平行出しや罫書き作業を無理なく行うことができる。しかも、罫書き作業は背板のみ壁面にあてがうだけでよいため、作業がし易い。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の構成において、前記左右側板及び扉板の上辺及び下辺は、前記天板及び底板により一様に覆われると共に、前記天板及び底板の前面側左右端部には、樹脂製の角部材が配置されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、電子機器収納箱の角部は、樹脂製の角部材が配置されるので、天板や底板を構成する金属より成る角部に比べて軟質に形成でき、人物が接触した場合に緩衝作用を持たせることができる。
【0011】
請求項6の発明は、求項1乃至5の何れかに記載の構成において、前記天板及び底板の少なくとも一方の前記背板に面する後部には、収納機器に接続する配線を入出するための切り欠きが形成されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、天板や底板を組み付ける前に配線作業を行えば、挿通孔等に配線を挿通する作業が必要なく、配線作業がし易い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、背板のみの状態でラックマウント型機器を組み付けることができる。そして、少なくとも一方の側板は前後に摺動して着脱操作できるので、電子機器収納箱が部屋の隅に設置された状態でも、隅側の側板を摺動できる側板とすれば、背板を壁面に設置した後、側板の組付けを行うことができる。
また、前面が扉であるため、側板等を取り外さなくてもメンテナンス作業ができるし、現場で組み立てるため、配送する際の容積を最小限にでき、配送コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る電子機器収納箱の一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1の個々の板を分離した分解斜視図である。
【図3】図1に示す電子機器収納箱において、機器を収納し、扉を開けた状態の斜視図である。
【図4】図2に示す背板の正面図である。
【図5】背板の分解正面図である。
【図6】A部拡大図である。
【図7】B部拡大図でる。
【図8】C部拡大図である。
【図9】D部拡大図である。
【図10】E部拡大図である。
【図11】側板の組み付け操作を示す説明図であり、(a)は組み付け前、(b)は組み付け途中を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図3は本発明に係る電子機器収納箱を示し、図1は外観斜視図、図2は分解斜視図、図3は機器を収納し、扉を開けた状態の斜視図である。各図において、1は背板、2は天板、3は底板、4は左側板、5は右側板、6は前面板であり、図2に示するように全ての板は分離できるよう構成され、図3に示すように右側板5及び前面板6は扉状に形成されて開閉可能となっている。
【0015】
背板1には、ラックマウント型機器を装着するためのラックマウントレール10aが形成された略コ字状のレール部材10が組み付けられ、ラックマウントレール10aが前方に向けて突出している。このラックマウントレール10aにより、図3に示すようにラックマウント型の機器11が横向きに組み付けられる。
また、背板1には機器組み付け用の木板12がレール部材10に隣接して組み付けられ、ラックマウントレール10aの基部には、収納した機器11に接続する配線を支持するための配線ホルダ13が設けられている。
【0016】
図4は、図2に示すレール部材10等を組み付けた背板1の正面図を示している。この図4に示すように、背板1の4隅には壁面にネジにより固定するためのネジ挿通孔15が穿設され、上部及び下部の中央にはダルマ孔16が形成されている。このダルマ孔16は、背板1を仮止めして位置決めする際の水平出しを行うための孔で、背板1をテンプレートとして使用し、罫書き作業を容易に実施できるよう形成されている。
尚、背板1を仮止めする際、上部のダルマ孔16が使用されるが、箱を上下反転して使用できるようダルマ孔16は上下に設けられている。
【0017】
また、図5は背板1の分解正面図を示している。この図5に示すように、背板1は複数の部材を連結して形成されている。具体的に、背面を構成する閉塞板18に、周囲4辺を構成する枠部材19をスポット溶接して形成されている。枠部材19を構成する左右の辺部材19a,19bは同一の辺部材を反転したものであり、上下の辺部材19c,19dも同一の辺部材を反転したものである。
そして、閉塞板18と枠部材19は異なる厚みの鋼板で形成され、強度を必要としない閉塞板18を枠部材19より薄い鋼板で形成している。ここでは、辺部材19a〜19dは1.0mm厚の鋼板で形成され、閉塞板18は0.5mm厚の鋼板で形成されている。こうして厚みを変えて強度を必要としない閉塞板18を薄くすることで、背板1の軽量化を図っている。
【0018】
天板2及び底板3は同一の構成であり、反転した構成となっている。天板2及び底板3は、図2に示すように左右側部に強度を上げるために補強部材21が溶接されている。この補強部材は、前後方向に起立形成された帯状部材21aを備え、この帯状部材21aの外側となる左右端部には、側板4,5を収容するための空間W1,W2が、側板4,5の厚みに合わせた一定幅で形成されている。また、前面側にも前面板6を収容する空間W3が、前面板6の厚みに合わせて一定幅で形成され、所定位置に組み付けられた左右側板4,5及び前面板6は、天板2と底板3との間に収容されるされるよう構成されている。
【0019】
図6は、底板3と背板1との連結構造を示すA部の拡大図を示している。この図6に示すように、補強部材21の後端部には、背板1に係止する鉤片22と、背板1にねじ止めするためのダルマ孔23が形成され、ダルマ孔23に対応する背板1にはネジが螺入されたネジ止め部24が設けられている。鉤片22を背板1の端部に係止し、ネジ止め部24の緩めたネジにダルマ孔23を係合することで、天板2及び底板3は背板1に仮止めできる。
【0020】
また、天板2及び底板3は、背板1に面する後部に、幅広のコ字状の切り欠き26が形成されている。この切り欠き26、及び切り欠き26に対応する背板1の端部の双方には、切り欠き26から塵の侵入を防ぐための発泡樹脂片27が貼着されている。この切り欠き26により、天板2或いは底板3を背板1に組み付けた際に配線挿通孔7(図1に示す)が形成され、収納された機器11に接続される配線(図示せず)の出し入れがこの切り欠き26を介して行われる。
【0021】
図7は、底板3の端部を拡大したB部拡大図を示している。この図7に示すように、天板2及び底板3の左右前端部である角部には、樹脂製の角部材29が設けられている。この角部は、折り曲げた鋼板により空隙を形成し、一定の曲率を有して扇状に形成された樹脂製の角部材29でその隙間が閉塞されている。
尚、左右側板4,5の前面側端部はこの曲率に合わせたアールを設けて形成されている。この曲率は、例えば半径20mmのアールで形成されている。
【0022】
左側板4は、上下端面が平坦に形成され、その前後2箇所に天板2及び底板3にスムーズに係合させるための樹脂製の突起片30が貼着されている。また、この端面に連続する後端部には背板1に係合する爪片31が突設されている。
更に図8のC部拡大図に示すように、左側板4の前端上下端部には、天板2と底板3に設けられたねじ孔34(図7に示す)にネジ止めするためのネジ挿通孔32が形成されている。但し、図8ではねじ挿通孔32にネジ33を挿通した状態を示している。
【0023】
右側板5は、中央に大きな開口部35が形成され、透明な樹脂板を組み付けて内部に設置した機器11を視認するための窓36が形成されている。また、図9のD部拡大図に示すように、後部の上下端部には右側板5の開閉軸となる回動軸37が突設されている。この回動軸37は、側板内に没入可能に設けられ、天板2と底板3に形成された軸孔(図示せず)に容易に挿入できるよう構成されている。
【0024】
前面板6は、図10のE部拡大図に示すように、左端の上下端部に回動軸39が突設されている。この回動軸39も右側板5と同様に前面板6内に没入可能に設けられ、天板2と底板3に形成された軸孔(図7に示す)40に容易に挿入できるよう構成されている。そして、右側中央にはハンドル41が設けられ、このハンドル41の操作で右側板5に係止する係止片42が右端中央に出没するよう構成され、前面板6は扉板として構成されている。
【0025】
このように構成された電子機器収納箱は次のように組み立てられ、壁面に取り付けられる。最初に、電子機器収納箱を設置する壁面の罫書きを行う。これは、機器を組み付けない状態の背板1を壁面に宛がい、背板1に形成されているダルマ孔16及びネジ挿通孔15を使用して罫書きを実施する。この時、上部中央に形成されたダルマ孔16に合わせて壁面にネジ等を螺入して係止突起を設けておくことで、ダルマ孔16をそのネジ等に係合させれば背板1を仮止めでき、左右の平行出しを容易に行う事ができる。また、この操作は、比較的軽量な背板1のみ壁面にあてがうだけで良く、無理なく罫書き作業ができる。
【0026】
罫書きが終了したら背板1を一旦取り外し、背板1に機器を組み付ける。その後、背板1を壁面に取り付ける。この時、罫書き作業と同様に中央のダルマ孔16をネジに係合させることで、4隅のネジ止めがし易い。こうして4隅をネジ止めすることで背板1は壁面に固定される。尚、背板1をネジ止めする前に、罫書きに合わせて壁面のねじ孔加工等必要な加工が行われる。
【0027】
背板1を壁面に取り付けたら、天板2、底板3を背板1に組み付ける。この組み付けも背板1に仮止めして行われる。背板1のネジ止め部24のネジを緩めておき、鉤片22を背板1に係止すると共に、ダルマ孔23をネジ止め部24の緩めたネジに係合させることで仮止めでき、その後ネジ止め部24をネジ締めすれば組み付けは完了する。
尚、背板1に組み付けた機器11への配線は、背板1を壁面に設置した状態で、天板2や底板3を組み付ける前に行うと良い。この状態では、配線を配線挿通孔7に挿通する作業が必要ないため、簡易な操作で配線接続作業を行うことができる。そして、天板2及び底板3を組み付けることで、背板1と天板2の間、或いは背板1と底板3の間に形成された配線挿通孔7を介して配線は入出される。
【0028】
次に、側板4,5を組み付ける。図11は、左側板4の組み付け操作を示す説明図であり、(a)は組み付け前、(b)は組み付け途中を示している。この図11に示すように、天板2と底板3との間に形成された空間W1に、前方から挿入する。この時、上下端面に設けられた突起片30が天板2及び底板3に当接して、スムーズにスライド動作する。
こうして、挿入が完了して左側板4の背面が背板1に当接すると、後端に設けられた爪片31が背板1に係合するため、後端部が外れるのが防止される。また、前端部の上下に備えたネジ33を天板2及び底板3のネジ孔34に螺入する。こうして、左側板4は組み付けられる。尚、箱の左側に十分な作業スペースがある場合は、側方から左側板4を挿入して組み付けることもできる。
一方、右側板5は、回動軸37を天板2及び底板3の軸孔に挿入することで組み付けられる。回動軸37は、板内に没入させることで容易に軸孔に挿入できる。
【0029】
最後に前面板6を組み付ける。この場合も右側板5と同様に、まず回動軸39を天板2及び底板3の軸孔に挿入する。そして、ハンドル41を操作して鉤片42を右側板5に係合させる。この結果、図1に示す状態の箱体が完成する。
【0030】
尚、ここでは左側板4を前後に摺動して着脱できる構成として、左側を部屋の隅部に向けて配置できる構成としたが、箱の右側が部屋の隅部になる場合は、側板4,5を左右反転すれば良い。また、合わせて前面板6を上下反転すれば左側を開放する構成となり、良好に操作できる。
【0031】
このように、背板1のみの状態でラックマウント型機器11を組み付けることができる。そして、一方の側板4が前後に摺動して着脱操作できるので、電子機器収納箱が部屋の隅に設置された状態でも、隅部側の側板を摺動できる構成とすれば、背板1を壁面に設置した後、側板の組付けを行うことができる。
また、前面板6が扉であるため、側板等を取り外さなくてもメンテナンス作業できるし、スライド操作を必要としない他方の側板を扉体とすることで、隅部に設置しても前面から側面にかけて大きく開放することができ、更にメンテナンス等の作業がし易い。
更に、ダルマ孔16を利用して背板1を壁面に仮止めすることができるため、平行出しや罫書き作業を無理なく行うことができる。しかも、罫書き作業は背板1のみ壁面にあてがうだけでよいため、作業がし易い。
また、天板2や底板3を組み付ける前に配線作業を行えば、挿通孔等に挿通する作業が必要なく、簡易な操作で配線できる。
更に、角部は樹脂製の角部材29が配置されるので、天板2や底板3を構成する金属により成る角部に比べて軟質に形成でき、人物が接触した場合に緩衝作用を持たせることができる。また、箱は現場で組み立てても良く、その場合は配送の容積を最小限にでき、配送コストを低減できる。
【0032】
尚、上記実施形態は、一方の側板のみ摺動して組み付ける構成としているが、左右双方の側板を摺動して組み付ける構成としても良い。また、機器11を背板1に組み付けた後に壁面に背板1を固定しているが、背板1を壁面に固定してから機器11を組み付けても良い。また、天板2と底板3の双方に切り欠き27を設けて、電線挿通孔7を上下に設けているが、何れか一方のみとしても良い。
【符号の説明】
【0033】
1・・背板、2・・天板、3・・底板、4・・左側板、5・・右側板、6・・前面板(扉板)、7・・配線挿通孔、10・・レール部材、10a・・ラックマウントレール、15・・ネジ挿通孔(固定部)、16・・ダルマ孔(固定部)、18・・閉塞板、19・・枠部材、27・・切り欠き、29・・角部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が扉板で閉塞され、内部にラックマウント型機器を収納するためのラックマウントレールを備え、壁面に設置される電子機器収納箱において、
前記扉板に加えて、箱を構成する背板、天板、底板、左右側板の各板を分離可能とし、
前記背板に、前記ラックマウントレールが組み付けられると共に、壁面に固定するための固定部を設ける一方、前記左右側板は、前記天板と底板とで挟持されるよう配置され、
少なくとも一方の側板が、前記天板と底板とで挟持された状態で前後に摺動可能で、摺動操作により着脱可能であることを特徴とする電子機器収納箱。
【請求項2】
前記左右側板のうち、前記扉板の開放端側の一方の側板を、後部に回動軸を備えて開閉可能な扉体とし、前面から一方の側面にかけて連続した開放空間を形成可能とし、他方の側板を前後に摺動可能としたことを特徴とする請求項1記載の電子機器収納箱。
【請求項3】
前記背板は、周囲4辺に配置される枠部材と、その内側を閉塞する閉塞板とを溶接して形成され、前記閉塞板は、前記枠部材を形成する鋼板より薄い鋼板で形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器収納箱。
【請求項4】
前記背板の前記固定部が、背板の4隅に形成されたネジ挿通孔と、上辺中央に形成されたダルマ孔であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子機器収納箱。
【請求項5】
前記左右側板及び扉板は、前記天板及び底板により上辺及び下辺が一様に覆われると共に、
前記天板及び底板の前面側左右端部には、樹脂製の角部材が配置されて成ることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子機器収納箱。
【請求項6】
前記天板及び底板の少なくとも一方の前記背板に面する後部には、収納機器に接続する配線を入出するための切り欠きが形成されて成ることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子機器収納箱。
【請求項1】
前面が扉板で閉塞され、内部にラックマウント型機器を収納するためのラックマウントレールを備え、壁面に設置される電子機器収納箱において、
前記扉板に加えて、箱を構成する背板、天板、底板、左右側板の各板を分離可能とし、
前記背板に、前記ラックマウントレールが組み付けられると共に、壁面に固定するための固定部を設ける一方、前記左右側板は、前記天板と底板とで挟持されるよう配置され、
少なくとも一方の側板が、前記天板と底板とで挟持された状態で前後に摺動可能で、摺動操作により着脱可能であることを特徴とする電子機器収納箱。
【請求項2】
前記左右側板のうち、前記扉板の開放端側の一方の側板を、後部に回動軸を備えて開閉可能な扉体とし、前面から一方の側面にかけて連続した開放空間を形成可能とし、他方の側板を前後に摺動可能としたことを特徴とする請求項1記載の電子機器収納箱。
【請求項3】
前記背板は、周囲4辺に配置される枠部材と、その内側を閉塞する閉塞板とを溶接して形成され、前記閉塞板は、前記枠部材を形成する鋼板より薄い鋼板で形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器収納箱。
【請求項4】
前記背板の前記固定部が、背板の4隅に形成されたネジ挿通孔と、上辺中央に形成されたダルマ孔であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子機器収納箱。
【請求項5】
前記左右側板及び扉板は、前記天板及び底板により上辺及び下辺が一様に覆われると共に、
前記天板及び底板の前面側左右端部には、樹脂製の角部材が配置されて成ることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子機器収納箱。
【請求項6】
前記天板及び底板の少なくとも一方の前記背板に面する後部には、収納機器に接続する配線を入出するための切り欠きが形成されて成ることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子機器収納箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−249473(P2011−249473A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119598(P2010−119598)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】
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