説明

電子機器用置台

【課題】電子機器における第1筐体および第2筐体間にイオン空気を送り込むことにより、良好な清浄効果が得られる電子機器用置台を提供する。
【解決手段】電子機器用置台10は、本体11に収容されてイオンを発生させるイオン発生部13と、電子機器21を携帯状態で挿入可能な挿入部14と、イオンを含んだ空気を挿入部14内に送風する送風部15と、外部電源に接続される電源部16と、電子機器21の充電端子42に接触して給電する給電端子17と、挿入部14に挿入された電子機器21の第1筐体22を固定する固定手段18と、挿入部14に挿入された電子機器21の第2筐体23を第1筐体22から離れる方向に移動させる移動手段19とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1筐体および第2筐体が互いに積層された携帯状態と、第1筐体および第2筐体が互いに離れた伸長状態とを取り得る電子機器を携帯状態で保持可能な電子機器用置台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衛生に対する意識の高まりから、携帯電話等の電子機器の表面を清潔に保つ機器が求められている。
特に、ヒンジ部を介して第1筐体および第2筐体が連結された二つ折り形式の携帯電話は、使用にあたって第1筐体の操作部、マイク部や第2筐体の表示部、レシーバ等が使用者の手や顔の各部(口・頬・耳)に接触するため、該当箇所を清潔に保つ機器が望まれている。
一方で、室内にイオンを含んだ空気(以下、イオン空気という)を送風して室内を清浄に保つ空気清浄機が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−11411号公報(段落0002、段落0006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような空気清浄機の近傍に電子機器を置けば、電子機器の表面はイオン空気により清浄に保たれる。
しかしながら、特許文献1の空気清浄機は、二つ折り形式の携帯電話を操作部および表示部が対面するように第1筐体および第2筐体が積層された携帯状態における第1筐体および第2筐体間にイオン空気を積極的に送り込む機能がないため、最も清浄したい箇所を清浄できないという不都合がある。
伸長状態で携帯電話を空気清浄機の近傍に置くと、不安定であり、落下させる等の虞がある。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、第1筐体および第2筐体が互いに積層された携帯状態の電子機器における第1筐体および第2筐体間にイオン空気を送り込むことにより、良好な清浄効果が得られる電子機器用置台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器用置台は、本体と、前記本体に収容されてイオンを発生させるイオン発生部と、ヒンジ部を介して第1筐体および第2筐体が連結された電子機器を携帯状態で挿入可能な挿入部と、前記本体に収容され、前記本体の外気を吸引するとともに前記イオンを含んだ空気を前記挿入部内に送風する送風部と、前記本体に収容され、外部電源に接続される電源部と、前記電源部に接続され、前記挿入部内において前記電子機器の充電端子に接触して給電する給電端子と、前記挿入部に挿入された前記電子機器の前記第1筐体を固定する固定手段と、前記挿入部に挿入された前記電子機器の前記第2筐体を前記第1筐体から離れる方向に移動させる移動手段と、を備える。
【0007】
電子機器用置台に挿入部を備え、挿入部に第1筐体および第2筐体がヒンジ部を介して連結された電子機器を携帯状態で挿入可能とした。さらに、電子機器用置台に移動手段を備え、移動手段で第2筐体を第1筐体から離れる方向に移動可能とした。
【0008】
よって、挿入部に電子機器を挿入した状態において、第1筐体および第2筐体間に所定の隙間(間隔)を確保できる。
これにより、携帯状態の電子機器における第1筐体および第2筐体間に、イオンを含んだ空気(イオン空気)を好適に送り込むことが可能になり、良好な清浄(除菌)効果が得られる。
【0009】
また、本発明の電子機器用置台は、前記移動手段が、前記第2筐体の端面に密着する弾性部材と、前記弾性部材を回動させる回動部とを有する。
【0010】
移動手段の弾性部材を第2筐体の端面に密着させ、弾性部材を回動させることにより第2筐体を第1筐体から離れる方向に移動可能とした。
これにより、電子機器を傷つけることなく、第1筐体および第2筐体間に所定の隙間(間隔)を確保できる。
【0011】
さらに、本発明の電子機器用置台は、前記移動手段が、前記第1筐体および前記第2筐体間に挿入可能な先細りの挿入部材を有する。
【0012】
移動手段に先細りの挿入部材を備え、この挿入部材を第1筐体および第2筐体間に挿入可能とした。
挿入部材を第1筐体および第2筐体間に挿入することにより、第1筐体および第2筐体間に所定の隙間(間隔)を確保できる。
先細りの挿入部材は簡素な構成であり、低コストの挿入部材で第1筐体および第2筐体間に所定の隙間(間隔)を確保できる。
【0013】
また、本発明の電子機器用置台は、前記挿入部材が、前記送風部からの空気を前記第1筐体および前記第2筐体間に案内する導通路を有する。
【0014】
挿入部材に導通路を有し、導通路から送風した空気(イオン空気)を第1筐体および第2筐体間に案内するようにした。
これにより、第1筐体および第2筐体間にイオン空気を一層好適に送り込むことが可能になり、一層良好な清浄(除菌)効果が得られる。
【0015】
さらに、本発明の電子機器用置台は、前記挿入部材の外面に磁石が設けられている。
【0016】
ここで、電子機器は携帯状態から伸長状態に移行する際に、自身の状態(携帯または伸長)を磁力で検知する検出部が第1筐体、第2筐体に設けられている。
このため、電子機器用置台の挿入部内において、電子機器を携帯状態から伸長状態に移行する途中の半開脚状態にさせた際に、電子機器が移行途中であることを検出部が検出して表示部や操作部を点灯させ、電力を消費することが考えられる。
【0017】
そこで、電子機器用置台に備えた挿入部材の外面に磁石を設けるようにした。
挿入部材の外面に磁石を設けることにより、電子機器が携帯状態と同じ磁力状態に保つことができる。
これにより、検出部が動作をしないようにして、表示部や操作部の点灯を防いで電力の消費を抑えることができる。
【0018】
さらに、挿入部材の外面に磁石を設けることにより検出部の動作を抑えることができるので、第1筐体および第2筐体間の隙間(間隔)を、例えば清浄(除菌)効果に合わせて任意に調整できる。
【0019】
また、本発明の電子機器用置台は、前記挿入部の内面に磁石が設けられている。
【0020】
挿入部の内面に磁石を設けることにより、電子機器が携帯状態と同じ磁力状態に保つことができる。
これにより、検出部が動作をしないようにして、表示部や操作部の点灯を防いで電力の消費を抑えることができる。
【0021】
さらに、挿入部の内面に磁石を設けることにより検出部の動作を抑えることができるので、第1筐体および第2筐体間の隙間(間隔)を、例えば清浄(除菌)効果に合わせて任意に調整できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電子機器用置台によれば、電子機器用置台に移動手段を備え、移動手段で第2筐体を第1筐体から離れる方向に移動可能とした。
これにより、携帯状態の電子機器における第1筐体および第2筐体間に、イオンを含んだ空気(イオン空気)を好適に送り込むことが可能になり、良好な清浄(除菌)効果が得られるという効果を有する。
特に、第1筐体の操作部、マイク部や第2筐体の表示部、レシーバ等の良好な清浄(除菌)効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る電子機器用置台の第1実施形態を示す斜視図
【図2】図1の電子機器用置台を示す断面図
【図3】本発明に係る電子機器用置台の第2実施形態を示す断面図
【図4】本発明に係る電子機器用置台の変形例1を示す斜視図
【図5】本発明に係る電子機器用置台の変形例2を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る電子機器用置台10について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である電子機器用置台10は、本体11の挿入部14に電子機器21を挿入して充電可能で、かつ、電子機器21を清浄(除菌)可能な置台である。
【0026】
電子機器21は、略矩形体状に形成された第1筐体22と、略矩形体状に形成された第2筐体23と、第1筐体22および第2筐体23を開閉自在に連結するヒンジ部24と備えた開閉式の携帯端末である。
この電子機器21は、第1筐体22および第2筐体23が互いに積層された携帯状態と、第1筐体22および第2筐体23が互いに離れた伸長状態とを取り得る。
【0027】
図2に示すように、電子機器用置台10は、略矩形体状に形成された本体11と、本体11の上部に設けられた蓋部材12と、本体11に収容されたイオン発生部13と、本体11内に電子機器21を挿入可能な挿入部14と、イオン発生部13のイオンを送風する送風部15とを備えている。
【0028】
さらに、電子機器用置台10は、外部電源(図示せず)に接続可能な電源部16と、電源部16に接続された給電端子17と、電子機器21の第1筐体22を固定する固定手段18と、電子機器21の第2筐体23を移動させる移動手段19とを備えている。
【0029】
本体11は、略矩形体状に形成され(図1参照)、底部11Aがテーブル等に載置可能平坦に形成され、頂部11Bに開口26(図1参照)が形成されている。
開口26は、電子機器21を携帯状態で挿入可能に形成されている。
【0030】
蓋部材12は、本体11の上部に支持軸28を介して開閉自在に支持されている。
蓋部材12を開けることにより開口26(図1参照)が開放され、蓋部材12を閉じることにより開口26が閉塞される。
蓋部材12を閉じた状態において、蓋部材12および開口26間に排気口29が形成される。
【0031】
イオン発生部13は、本体11の底部11Aに収容され、かつ、挿入部14の下方に設けられている。
このイオン発生部13は、イオンを発生させる部位であり、導通路31を介して挿入部14の底部14Aに連通されている。
よって、イオン発生部13で発生したイオンは、導通路31で空気に含まれイオン空気として導通路31を経て挿入部14に導かれる。
【0032】
なお、イオン空気としては、例えば、水に包まれた微粒子イオンや、マイナスイオンもしくはプラスイオンそれぞれ単独のイオン空気や、マイナスイオンとプラスイオンを同時に存在させたイオン空気、等が挙げられる。
【0033】
イオン発生部13の上方に挿入部14が設けられている。
挿入部14は、上端部が開口26(図1参照)に連通され、導通路31が開口された底部14A、第1筐体22に対向する第1内面(内面)14Bと、第2筐体23に対向する第2内面(内面)14Cとを有する。
【0034】
挿入部14の底部14Aは、送風部15やイオン発生部13に導通路31を介して連通されている。
第1内面14Bは略鉛直状に形成されている。さらに、第2内面14Cは傾斜状に形成されている。
【0035】
この挿入部14は、電子機器21のヒンジ部24を上方に配置し、かつ、電子機器21を携帯状態で挿入可能に形成されている。
さらに、挿入部14の第2内面14Cを傾斜状に形成することにより、挿入部14内において、電子機器21の第2筐体23を第1筐体22から離れる方向に所定間隔(隙間)移動させることが可能である。
換言すれば、挿入部14内において、電子機器21を携帯状態から伸長状態に移行する途中の半開脚状態に移動させることが可能である。
【0036】
第1内面14Bに第1磁石(磁石)33が設けられ、第2内面14Cに第2磁石(磁石)34が設けられている。
第1内面14Bに第1磁石33を設け、第2内面14Cに第2磁石34を設けた理由を以下に説明する。
すなわち、電子機器21は携帯状態から伸長状態に移行する際に、電子機器21自身の状態(携帯または伸長)を磁力で検知する検出部35が第1筐体22、第2筐体23に設けられている。
【0037】
このため、電子機器用置台10の挿入部14内において、電子機器21を半開脚状態に保持した際に、電子機器21の半開脚状態を検出部35が検出して表示部や操作部を点灯させ、電力を消費することが考えられる。
【0038】
そこで、第1内面14Bに第1磁石33を設け、第2内面14Cに第2磁石34を設けるようにした。
よって、電子機器21の半開脚状態において、第1磁石33に第1筐体22を近接させ、第2磁石34に第1筐体22を近接させることができるので、電子機器21を携帯状態と同じ磁力状態に保つことができる。
これにより、検出部35が動作をしないようにして、表示部や操作部の点灯を防いで電力の消費を抑えることができる。
【0039】
さらに、第1内面14Bに第1磁石33を設け、第2内面14Cに第2磁石34を設けることにより検出部35の動作を抑えることができるので、第1筐体22および第2筐体23間の隙間(間隔)を、例えば清浄(除菌)効果に合わせて任意に調整できる。
【0040】
イオン発生部13の下方に送風部15が設けられている。
送風部15は、本体11の底部11Aに収容され、底部11Aに設けられた外気導入口37を介して本体11の外部に連通されている。
さらに、送風部15は、イオン発生部13や挿入部14の底部14Aに導通路31を介して連通されている。イオン発生部13は挿入部14の上流側で導通路31に連通されている。
【0041】
よって、送風部15の送風ファン39を駆動することにより、本体11外の外気を導通路31から吸引し、吸引した外気を導通路31に導くことができる。
導通路31に外気が導かれることによりイオン発生部13のイオンが導通路31に導かれる。
これにより、導通路31内において、外気(すなわち、空気)にイオンが含まれる。イオンを含んだ空気(すなわち、イオン空気)は、送風ファン39で挿入部14内に送風される。
【0042】
電源部16は、本体11に収容され、導通路31の近傍に設けられている。
この電源部16を外部電源(図示せず)に接続することにより、送風部15や給電端子17に電力を供給可能である。
【0043】
給電端子17は、電源部16の上方に設けられ、かつ、電源部16に接続されている。
この給電端子17は、第1内面14Bの貫通孔41を介して挿入部14内に突出可能に形成されている。
挿入部14内に突出させた給電端子17を電子機器21の充電端子42に接触させることにより、電子機器21に電力を供給(充電)できる。
【0044】
固定手段18は、挿入部14に挿入された電子機器21の第1筐体22を固定する手段である。
具体的には、固定手段18は、挿入部14の底部に設けられた下固定部44と、蓋部材12の裏面に設けられた上固定部45とを有する。
【0045】
下固定部44は、第1筐体22の底部22Aを支える部位(凸部)である。
この下固定部44は、底部22Aの凹部に嵌合可能に形成されている。
上固定部45は、第1筐体22の頂部22Bを支える部位(凸部)である。
この上固定部45は、頂部22Bの凹部に嵌合可能に形成されている。
下固定部44で第1筐体22の底部22Aを支え、かつ、上固定部45で第1筐体22の頂部22Bを支えることにより、挿入部14に挿入された第1筐体22を安定的に固定できる。
【0046】
移動手段19は、挿入部14に挿入された電子機器21の第2筐体23を第1筐体22から離れる方向に移動させる手段である。
具体的には、移動手段19は、第2筐体23の下端面(端面)23Aに密着する弾性部材47と、弾性部材47を回動させる回動部48と、回動部48に設けられた操作レバー49とを有する。
【0047】
回動部48は、側面視で略く字状に形成され、折曲部が支持軸(図示せず)で回転自在に設けられている。
回動部48の先端部に弾性部材47が設けられ、回動部48の基端部に操作レバー49が設けられている。
【0048】
弾性部材47は、操作レバー49を保持位置P1に配置された状態で、第2筐体23の下端面23Aに密着可能に形成されている。
さらに、弾性部材47は、第2筐体23の下端面23Aに密着された状態で、操作レバー49を回動位置P2まで移動することにより、第2筐体23を第1筐体22から離れる方向に移動可能に形成されている。
第2筐体23の下端面23Aに弾性部材47を密着させて第2筐体23を移動可能に形成することにより、第2筐体23(すなわち、電子機器21)に傷が付くことを抑えることができる。
【0049】
移動手段19によれば、電子機器21を挿入部14に挿入させた状態で、第2筐体23の下端面23Aを弾性部材47に密着させることができる。
この状態において、操作レバー49を保持位置P1から回動位置P2まで移動することにより、電子機器10を傷つけることなく、第2筐体23を第1筐体22から離れる方向に移動できる。
第2筐体23を第1筐体22から離れる方向に移動することにより、第1筐体22および第2筐体23間に所定間隔を確保できる。
【0050】
この状態において、給電端子17が電子機器21の充電端子42に接触されている。
電源部16が外部電源に接続されることにより、給電端子17を経て電子機器21に給電される。
さらに、送風部15に電力が供給されることにより、送風部15の送風ファン39が駆動する。送風ファン39を駆動することにより、本体11外の外気を導通路31から吸引し、吸引した外気を導通路31に導くことができる。
【0051】
導通路31に外気が導かれることによりイオン発生部13のイオンが導通路31に導かれる。
これにより、導通路31内において、外気(すなわち、空気)にイオンが含まれる。イオンを含んだイオン空気は送風ファン39で挿入部14内に送風される。
【0052】
ここで、挿入部14に電子機器21を挿入した状態において、第1筐体22および第2筐体23間に所定間隔が確保されている。
よって、挿入部14内に送風されたイオンを含んだ空気を第1筐体22および第2筐体23間の所定間隔に案内できる。
【0053】
これにより、第1筐体22および第2筐体23間にイオン空気を好適に送り込むことが可能になり、良好な清浄(除菌)効果が得られる。
特に、第1筐体22の操作部、マイク部や第2筐体23の表示部、レシーバ等の良好な清浄(除菌)効果が得られる。
【0054】
このように、挿入部14内の電子機器21をイオン空気で清浄した後、電子機器21を清浄したイオン空気は挿入部14を経て排気口29に導かれる。
排気口29に導かれたイオン空気は排気口29を経て本体11の外部に排出される。
【0055】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図3に基づいて説明する。
なお、第2実施形態において第1実施形態の電子機器用置台10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0056】
第2実施形態の電子機器用置台60は、第1実施形態の移動手段19に代えて移動手段62を備えたもので、その他の構成は第1実施形態の電子機器用置台10と同様である。
【0057】
移動手段62は、第1筐体22および第2筐体23間に挿入可能な先細りの挿入部材63と、挿入部材63に設けられた第1磁石(磁石)64および第2磁石(磁石)65とを有する。
挿入部材63は、挿入部14の底部14Aから上方に向けて突出させた簡素な部材である。
この挿入部材63は、上半部63Aにおいて、第1筐体22に対向する第1外面(外面)63Bと、第2筐体23に対向する第2外面(外面)63Cとを有する。
【0058】
第1外面63Bは、略鉛直状に形成されている。
第2外面63Cは、上方から下方に向けて徐々に第1外面63Bから離れるように傾斜状に形成されている。
すなわち、挿入部材63の上半部63Aは、第1外面63Bおよび第2外面63Cで略くさび状に形成されている。
【0059】
よって、電子機器21を挿入部14に挿入させることにより、第2外面63Cで第2筐体23を第1筐体22から離れる方向に移動させることができる。
これにより、第1筐体22および第2筐体23間に所定間隔を確保できる。
したがって、第1筐体22および第2筐体23間にイオン空気を好適に送り込むことが可能になり、良好な清浄(除菌)効果が得られる。
【0060】
ここで、挿入部材63は、挿入部14の底部14Aから上方に向けて突出させた簡素な部材である。よって、挿入部材63を低コストで製造可能である。
これにより、低コストの挿入部材63で第1筐体22および第2筐体23間に所定間隔を確保できる。
【0061】
さらに、電子機器21を挿入部14に挿入させるだけで、第1筐体22および第2筐体23間に挿入部材63で所定間隔を確保できる。
これにより、第1実施形態の移動手段19のように操作レバー49を操作する手間を省くことができ、電子機器21を充電および清浄(除菌)する際の取り扱いが容易になる。
【0062】
挿入部材63は、送風部15からの空気を第1筐体22および第2筐体23間に案内する導通路67を有する。
この導通路67は、上流端が送風部15に連通され、挿入部材63の第1外面63Bや第2外面63Cに複数の送風口67Aを有する。
複数の送風口67Aは、第1筐体22の裏面22Cおよび第2筐体23の裏面23Bに対向されている。
さらに、導通路67は、上流端近傍においてイオン発生部13に連通されている。
【0063】
よって、送風部15の送風ファン39を駆動することにより、本体11外の外気を外気導入口37から吸引し、吸引した外気を導通路67に導くことができる。
導通路67に外気が導かれることによりイオン発生部13のイオンが導通路67に導かれる。
これにより、導通路67内において、外気(すなわち、空気)にイオンが含まれる。イオンを含んだイオン空気は、複数の複数の送風口67Aから挿入部14内に送風される。
【0064】
ここで、複数の送風口67Aは、第1筐体22裏面22Cおよび第2筐体23の裏面23Bに対向されている。
よって、複数の送風口67Aから送風する空気(イオン空気)を第1筐体22および第2筐体23間に案内できる。
【0065】
これにより、第1筐体22および第2筐体23間にイオン空気を好適に送り込むことが可能になり、良好な清浄(除菌)効果が得られる。
特に、第1筐体22の操作部、マイク部や第2筐体23の表示部、レシーバ等の良好な清浄(除菌)効果が得られる。
【0066】
挿入部材63のうち、第1筐体22に対向する第1外面63Bに第1磁石64が設けられ、第2筐体23に対向する第2外面63Cに第2磁石65が設けられている。
挿入部材63の第1外面63Bに第1磁石64を設け、第2筐体23に第2磁石65を設けることにより、電子機器21の半開脚状態において、電子機器21を携帯状態と同じ磁力状態に保つことができる。
これにより、電子機器21の検出部35が動作をしないようにして、表示部や操作部の点灯を防いで電力の消費を抑えることができる。
【0067】
さらに、第1外面63Bに第1磁石64を設け、第2外面63Cに第2磁石65を設けることにより検出部35の動作を抑えることができるので、第1筐体22および第2筐体23間の隙間(間隔)を、例えば清浄(除菌)効果に合わせて任意に調整できる。
【0068】
以上説明したように、第2実施形態の電子機器用置台60によれば、第1実施形態の電子機器用置台10と同様の効果を得ることができる。
【0069】
次に、第1実施形態、第2実施形態の変形例1および変形例2を図4、図5に基づいて説明する。
なお、変形例1および変形例2において第1実施形態の電子機器用置台10、第2実施形態の電子機器用置台60と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0070】
(変形例1)
変形例1の電子機器用置台80は、電子機器21のヒンジ部24を下向きの状態にセット可能に形成されたものである。
変形例1の電子機器用置台80によれば、第1実施形態の電子機器用置台10や第2実施形態の電子機器用置台60と同様に良好な清浄効果が得られる。
【0071】
(変形例2)
変形例2の電子機器用置台90は、電子機器21を横向きの状態にセット可能に横型に形成されたものである。
変形例2の電子機器用置台90によれば、第1実施形態の電子機器用置台10や第2実施形態の電子機器用置台60と同様に良好な清浄効果が得られる。
【0072】
なお、本発明に係る電子機器用置台は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、第1実施形態および第2実施形態では、蓋部材12を備えた例について説明したが、これに限らないで、蓋部材12を備えないように構成することも可能である。
【0073】
また、第1実施形態および第2実施形態で使用した電子機器用置台、本体、イオン発生部、挿入部、送風部、固定手段、移動手段、電子機器、弾性部材、回動部および挿入部材等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、第1筐体および第2筐体が互いに積層された携帯状態と、第1筐体および第2筐体が互いに離れた伸長状態とを取り得る電子機器を携帯状態で保持可能な電子機器用置台への適用に好適である。
【符号の説明】
【0075】
10,60,80,90 電子機器用置台
11,82,92 本体
13 イオン発生部
14,83,93 挿入部
14B 第1内面(内面)
14C 第2内面(内面)
15 送風部
16 電源部
17 給電端子
18 固定手段
19 移動手段
21 電子機器
22 第1筐体
23 第2筐体
23A 第2筐体の下端面
24 ヒンジ部
33,64 第1磁石(磁石)
34,65 第2磁石(磁石)
42 充電端子
47 弾性部材
48 回動部
63 挿入部材
63B 第1外面(外面)
63C 第2外面(外面)
67 導通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に収容されてイオンを発生させるイオン発生部と、
ヒンジ部を介して第1筐体および第2筐体が連結された電子機器を携帯状態で挿入可能な挿入部と、
前記本体に収容され、前記本体の外気を吸引するとともに前記イオンを含んだ空気を前記挿入部内に送風する送風部と、
前記本体に収容され、外部電源に接続される電源部と、
前記電源部に接続され、前記挿入部内において前記電子機器の充電端子に接触して給電する給電端子と、
前記挿入部に挿入された前記電子機器の前記第1筐体を固定する固定手段と、
前記挿入部に挿入された前記電子機器の前記第2筐体を前記第1筐体から離れる方向に移動させる移動手段と、を備える電子機器用置台。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器用置台において、
前記移動手段が、前記第2筐体の端面に密着する弾性部材と、前記弾性部材を回動させる回動部とを有する電子機器用置台。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器用置台において、
前記移動手段が、前記第1筐体および前記第2筐体間に挿入可能な先細りの挿入部材を有する電子機器用置台。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器用置台において、
前記挿入部材が、前記送風部からの空気を前記第1筐体および前記第2筐体間に案内する導通路を有する電子機器用置台。
【請求項5】
請求項3に記載の電子機器用置台において、
前記挿入部材の外面に磁石が設けられている電子機器用置台。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の電子機器用置台において、
前記挿入部の内面に磁石が設けられている電子機器用置台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−42336(P2013−42336A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177597(P2011−177597)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】