説明

電子機器装置

【課題】 構造が簡単で、且つコストの上昇を招くことなく、細密なゲーム画像を容易に表示することのできる電子機器装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 液晶表示器5を備えた電子機器本体3を有し、液晶表示器5は接続手段を介して電子機器本体3に着脱自在に装着される。液晶表示器5を電子機器本体3から取り外したときに、接続手段と接続されるアダプター装置21を有し、このアダプター装置21は、表示信号をモニター装置25に出力するための表示信号出力手段を有して構成される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、アダプター装置を装着することにより、大画面の他のモニター装置に画像を表示させることのできる電子機器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の携帯用ゲーム機が提案されている。従来の携帯用ゲーム機は、小型軽量であるために、ゲーム内容を表示するための表示器の大きさも限られ、細密な画像を表示することが困難であった。このため、演算処理能力および画像出力性能の向上を図るためのゲーム機用画像処理装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のゲーム機用画像処理装置は、ゲーム機本体側のメインCPUとは別個にサブCPUを設けて、メインCPUとサブCPUとの共同作業で双方の画像を合成処理するようにしているので、構成が煩雑であり、コストも上昇してしまうという問題点を有していた。
【0004】本願発明は、上記に鑑みて案出されたもので、構造が簡単で、且つコストの上昇を招くことなく、細密なゲーム画像を容易に表示することのできる電子機器装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が提供する請求項1に係る電子機器装置は、上記目的を達成するために、下記の要件を備えたことを特徴とする。すなわち、(イ)表示部を備えた電子機器本体を有すること。
(ロ)前記表示部は、接続手段を介して前記電子機器本体に着脱自在に装着されること。
(ハ)前記表示部を電子機器本体から取り外したときに、前記接続手段と接続されるアダプター装置を有すること。
(ニ)前記アダプター装置は、表示信号をモニター装置に出力するための表示信号出力手段を有すること。
【0006】
【発明の実施の形態】本願発明に係る電子機器装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るアダプター装置を電子機器本体に装着した場合の斜視図、図2は、本発明に係る電子機器装置の斜視図、図3R>3は、アダプター装置の回路部の構成を示したブロック図、図4は、電子機器本体の回路部の構成を示したブロック図である。
【0007】図1及び図2に示すように、電子機器装置1は携帯用のゲーム機である。この電子機器装置1の電子機器本体3には、後で説明する接続手段を介して液晶表示器5が着脱自在に装着される。また、電子機器本体3には、Aボタンスイッチ7と、Bボタンスイッチ9と、スタートスイッチ11と、サウンドスイッチ13と、4つのキースイッチから成るXボタンスイッチ15と、4つのキースイッチから成るYボタンスイッチ17と、電源スイッチ19が設けられている。
【0008】表示部である液晶表示器5を電子機器本体3から取り外したときに、接続手段と接続されるアダプター装置21を有する。したがって、アダプター装置21は、電子機器本体3に着脱自在に装着されるものである。このアダプター装置21は、ケーブル23を介してモニター装置25のビデオ端子に接続される。モニター装置25は、CRTディスプレイを用いるTV受像器、固定した位置の素子群をスイッチ走査する方式のプラズマディスプレイパネル、液晶モニタ、発光ダイオードディスプレイ、または、電荷結合走査方式の放電形ディスプレイなどの適宜のモニター装置が用いられる。また、アダプター装置21は、映像信号をモニター装置25に出力するための表示信号出力手段を有する。
【0009】次に、図3を参照してアダプター装置21の内部構成を説明する。アダプター装置21にはコネクター31aが設けられ、このコネクター31aを介してアダプター装置21と、電子機器本体3とが電気的に接続される。アダプター装置21は、信号処理部33、表示位置駆動制御部35、駆動部37、信号出力部39を有する。信号処理部33は、明るさやコントラストに関する信号処理を行うものである。表示位置駆動制御部35は、表示位置を順次駆動するものである。駆動部37は、信号処理部33及び表示位置駆動制御部35を駆動させるためのものである。ここで、表示位置駆動制御部35は、モニター装置25の種類に応じて適宜の回路部が設けられる。例えば、CRTディスプレイを用いる表示装置では、ラスタ走査方式の回路部が用いられ、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイを用いる表示装置では、固定した位置の素子群をスイッチ走査する方式の回路部が設けられる。
【0010】次に、図4を参照して電子機器装置1の回路部を説明する。電子機器本体3に設けられたコネクター31bを介して液晶表示器5が着脱自在に設けられている。液晶表示器5は、コネクター31bを介して電子機器本体3と電気的に接続される。コネクター31bは、表示駆動回路41を介して制御装置43と接続されている。制御装置43はCPUなどを有し、各種制御処理を実行する。制御装置43は、操作部45と接続されると共に、ROM47、RAM49と接続される。
【0011】操作部45は、Aボタンスイッチ7、Bボタンスイッチ9、スタートスイッチ11、サウンドスイッチ13、Xボタンスイッチ15、Yボタンスイッチ17、電源スイッチ19等から構成される。ROM47には、ゲーム用の基本プログラム、各種制御データ等が記憶されている。RAM49は、ワーク用のメモリであり、制御装置43からの命令に従って各種データが記憶される。
【0012】制御装置43は、インターフェース回路51を介してコネクター53と接続される。カートリッジ55は、ゲームプログラムを記憶したROMを有し、電子機器本体3に対して着脱自在に装着される。カートリッジ55に設けられるROMは、コネクター53、インターフェース回路51を介して制御装置43と接続される。
【0013】次に、作用を説明する。まず、液晶表示器5が電子機器本体3に装着されると、液晶表示器5は、コネクター31bを介して電子機器本体3と電気的に接続される。制御装置43は、カートリッジ55から読み取ったゲームプログラムに基づいて、ゲーム内容を液晶表示器5に表示させる。遊技者は、液晶表示部5に表示されたゲーム画像を参照しながら、操作部45を操作することにより、ゲームを進めることができる。このように、液晶表示器5を電子機器本体3に装着することにより、遊技者は、電子機器装置1を郊外に持ち出してゲームを行うことができる。
【0014】次に、アダプター装置21を使用する場合の作用を説明する。液晶表示器5を電子機器本体3から取り外して、アダプター装置21を電子機器本体3に装着する。これにより、アダプター装置21は、コネクター31a,31bを介して電子機器本体3と電気的に接続される。そして、アダプター装置21は、ケーブル23を介してモニター装置25のビデオ端子と接続される。
【0015】制御装置43は、カートリッジ55から読み取ったゲームプログラムに基づいて、ゲームに係る制御処理を実行する。すなわち、制御装置43は、ゲーム画像を一旦RAM49に展開すると共に、このRAM49に記憶された内容に基づいて表示駆動回路41を動作させる。これにより、表示用のデータがコネクター31bを介してアダプター装置21へ出力される。
【0016】アダプター装置21では、コネクター31aを介して入力した信号を、モニター装置25用の表示信号に変換する。すなわち、表示位置駆動制御部35は、表示位置を順次駆動させるための信号を出力すると共に、信号処理部33が、明るさやコントラストに関する信号処理を行う。このアダプター装置21から出力される表示信号は、ケーブル23を介してモニター装置25に与えられ、ゲーム画像がモニター装置25に表示される。したがって、遊技者は、モニター装置25に表示された大画面のゲーム画像を参照しながら、操作部45を操作することにより、ゲームを楽しむことができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明してきたように請求項1に係る発明は、表示部を備えた電子機器本体を有し、表示部は接続手段を介して電子機器本体に着脱自在に装着される。表示部を電子機器本体から取り外したときに、接続手段と接続されるアダプター装置を有し、このアダプター装置は、表示信号をモニター装置に出力するための表示信号出力手段を有して構成したので、構造が簡単で、且つコストの上昇を招くことなく、細密なゲーム画像を容易に表示することのできる電子機器装置を提供することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアダプター装置を電子機器本体に装着した場合の斜視図
【図2】本発明に係る電子機器装置の斜視図である。
【図3】アダプター装置の回路部の構成を示したブロック図である。
【図4】電子機器本体の回路部の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 電子機器装置
3 電子機器本体
5 表示部
21 アダプター装置
23 ケーブル
25 モニター装置
35 表示位置駆動制御部
43 制御装置
45 操作部
47 ROM
49 RAM
55 カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の要件を備えてなることを特徴とする電子機器装置。
(イ)表示部を備えた電子機器本体を有すること。
(ロ)前記表示部は、接続手段を介して前記電子機器本体に着脱自在に装着されること。
(ハ)前記表示部を電子機器本体から取り外したときに、前記接続手段と接続されるアダプター装置を有すること。
(ニ)前記アダプター装置は、表示信号をモニター装置に出力するための表示信号出力手段を有すること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2001−202030(P2001−202030A)
【公開日】平成13年7月27日(2001.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−10998(P2000−10998)
【出願日】平成12年1月19日(2000.1.19)
【出願人】(500029981)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】