説明

電子機器装置

【課題】電子機器装置において、組み立て作業の効率を向上させることができ、しかも、本体ケースの破損を防ぐ。
【解決手段】光ディスク再生装置1は、表示ユニット3がヒンジユニット4を介して本体ユニット2に取り付けられている。本体ユニット2には、ヒンジユニット4の本体側結合部42が収納されるヒンジ収納部25が形成されている。上ケース端部26a、26bは、上ケース23bの開口面を挟んで対向した箇所である。上ケース端部26aと上ケース端部26bとは、本体ケース23の上ケース23bと一体的に形成された連結部29によって連結されている。連結部29により、本体ケース23の開口部近傍の強度を補強できる。また、フック部28aは、弾性力を有し、フック部28aと連結部29との間に、コネクタ27aに接続される電気配線9aを位置決させるために係止させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する機能を備える電子機器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像を表示する表示ユニットと本体ユニットとを備える電子機器装置において、表示ユニットがヒンジユニットを介して本体ユニットに取付けられ、表示ユニットが本体ユニットに対して回動可能であるものが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。このような電子機器装置では、一般的に、本体ユニットの本体ケース内に制御基板を収納している。本体ケースは、相互に結合される上ケースと下ケースとから構成されている。
【0003】
上記の本体ケース(上ケース又は下ケース)の内面には、ヒンジユニットと結合するためのヒンジ結合部が設けられており、本体ケースの内面側からネジ止め等によって、ヒンジユニットと本体ユニットとを結合するようになっている。すなわち、従来の電子機器装置では、本体ケースの上ケースと下ケースとが結合された後に、ヒンジユニットと本体ユニットとを結合することができず、本体ケースの上ケースと下ケースとが分離された状態のときにのみ、ヒンジユニットと本体ユニットとを結合することができるようになっている。
【0004】
従って、従来の電子機器装置においては、本体ケースの上ケースと下ケースとを結合する前(すなわち、本体ユニットを組み立てる前)に、ヒンジユニットを本体ケース(上ケース又は下ケース)の内側からヒンジ結合部に結合し、その後、本体ケースの上ケースと下ケースとを結合して、電子機器装置を組み立てるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−47869号
【特許文献2】特開2008−311330号公報
【特許文献3】特許3765231号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の電子機器装置では、本体ユニット、表示ユニット、及びヒンジユニットを別々に完成させた後に、これらのユニットを組み立てることができないので、組み立て作業の効率が悪い。そこで、本体ケースに、ヒンジユニットの本体側結合部を収納するための開口であるヒンジ収納部を設けて、本体ユニットの組み立て後に、このヒンジ収納部にヒンジユニットを取り付けるようにすれば、組み立て作業の効率を向上させることができる。ところが、本体ケースに上記のようなヒンジユニット取り付け用の開口(ヒンジ収納部)を設けた場合には、本体ケースにおける開口部近傍の強度が不足し、本体ケースが破損し易くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、組み立て作業の効率を向上させることができ、しかも、本体ケースの破損を防ぐことが可能な電子機器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、画像を表示するための表示ユニットが、ヒンジユニットを介して本体ユニットに取付けられた電子機器装置において、前記ヒンジユニットは、前記表示ユニットに結合される表示側結合部と、前記本体ユニットに結合される本体側結合部と、前記表示側結合部と前記本体側結合部とを回動可能に連結したヒンジ機構部とを有し、前記本体ユニットは、制御基板と、前記制御基板を収納する本体ケースと、前記ヒンジユニットの本体側結合部が結合されるヒンジ結合部とを有し、前記本体ユニットには、前記ヒンジユニットの本体側結合部が収納されるヒンジ収納部が形成され、前記ヒンジ結合部は、前記ヒンジ収納部内に設けられ、前記制御基板は、前記表示ユニットに接続される電気配線を該制御基板に接続するためのコネクタを、該制御基板における前記ヒンジ収納部の開口から露出した面に有し、前記ヒンジユニットの本体側結合部は、前記ヒンジ収納部内に収納された状態で、前記ヒンジ結合部に結合され、前記ヒンジ収納部は、前記本体ケースの外側に向けて開口した部分であり、前記本体ケースの上面には、前記ヒンジ収納部の開口面を挟んで対向する前記本体ケースの上面の端部を連結する1つ以上の連結部が設けられ、前記連結部の少なくともいずれかには、該電気配線を位置決めするために係止するフック部が設けられているものである。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の電子機器装置において、前記ヒンジ収納部の開口面を塞ぐカバーと、該カバーの上方に位置し、本体ケースに開閉自在に支持される内蓋とをさらに備え、前記カバーは、カバー取付ネジを用いて、ネジ止めにより前記本体ケースに取り付けられており、前記内蓋は、閉じた状態のときに、前記カバー上の前記ネジ止め部分を覆うものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、本体ケースに、外側に向けて開口したヒンジ収納部を設けたので、本体ケース(本体ユニット)の組み立て後にヒンジユニットを取り付けることができる。従って、装置の組み立て作業の効率を向上させることができる。また、本体ケースの上面には、ヒンジ収納部の開口面を挟んで対向する本体ケースの上面の端部を連結する1つ以上の連結部が設けられている。そのため、本体ケースの外側に向けて開口した部分(ヒンジ収納部)において、その端部と端部が連結部によって連結されるので、本体ケースの開口部近傍の強度を補強することができ、本体ケースの破損を防ぐことができる。
【0011】
また、連結部の少なくともいずれかには、電気配線を位置決めするために係止するフック部が設けられている。そのため、電子機器装置を組み立てる際に、電気配線をフック部によって係止することにより、例えば、電気配線の収納部をカバー等で覆ったときに、電気配線の噛み込みが発生することを防ぐことができる。従って、電子機器装置を容易に組み立てることができ、電気配線の傷による断線や不具合の発生を抑えることができ、組み立て性を優れたものとすることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、カバーが、カバー取付ネジを用いて、本体ケースに取り付けられ、内蓋が、閉じた状態のときに、カバー上のネジ止め部分を覆うことができる。そのため、内蓋が閉じた状態のときに、ユーザがカバー上のネジ止め部分を視認できないので、ネジ止め部分を視認可能である場合よりも、電子機器装置のデザイン性を優れたものとすることできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置の概略構成を示す斜視図、(b)は同再生装置の分解斜視図。
【図2】上記光ディスク再生装置の平面図。
【図3】上記光ディスク再生装置の側断面図。
【図4】上記光ディスク再生装置のフック部近傍を拡大した側断面図。
【図5】上記フック部の変形例であるフック部の近傍を拡大した側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置(電子機器装置)について、図面を参照して説明する。図1(a)(b)、図2、及び図3は、光ディスク再生装置1の構成を示す。光ディスク再生装置1は、例えばDVDやBD等の光ディスクを再生する装置である。
【0015】
光ディスク再生装置1は、本体ユニット2と、表示ユニット3と、ヒンジユニット4とを備え、表示ユニット3がヒンジユニット4を介して本体ユニット2に取付けられている。また、光ディスク再生装置1は、カバー5と、内蓋6と、電池パック7等を備える。
【0016】
ヒンジユニット4は、表示ユニット3に結合される表示側結合部41と、本体ユニット2に結合される本体側結合部42と、表示側結合部41と本体側結合部42とを相対的に回動可能に連結したヒンジ機構部43等を有している。このヒンジユニット4は、2軸スイーベルヒンジと呼ばれるヒンジユニットであり、ヒンジ機構部43は、表示側結合部41と本体側結合部42とを相対的に2軸に回動可能に連結している。すなわち、光ディスク再生装置1は、ヒンジユニット4の表示側結合部41に表示ユニット3が結合され、ヒンジユニット4の本体側結合部42に本体ユニット2が結合されることによって、表示ユニット3が本体ユニット2に対して2軸に回動可能になっている。
【0017】
本体ユニット2は、光ディスク再生装置1の動作を制御する制御基板21と、光ディスクから記録データを読取る光ディスク読取ユニット22と、制御基板21及び光ディスク読取ユニット22を収納する本体ケース23と、ヒンジユニット4の本体側結合部42が結合されるヒンジ結合部24とを有する。また、本体ユニット2には、ヒンジユニット4の本体側結合部42が収納されるヒンジ収納部25が形成されている。
【0018】
本体ケース23は、本体ケース23の下側部分を占める下ケース23aと、本体ケース23の上側部分を占める上ケース23bとを有しており、下ケース23aと上ケース23bが相互に結合されている。
【0019】
制御基板21は、本体ケース23の下面(底面)と平行に配置されている。光ディスク読取ユニット22は、制御基板21の上方に配置されている。光ディスク読取ユニット22は、本体ケース23の外側から光ディスクを装着して、光ディスクから記録データを読取ることができるように、その一部(光ディスクが装着されて、光ディスクを回転させるためのスピンドルモータ22a、及び光ディスクに記録されている記録データを読取る光読取ヘッド22b等)が上ケース23bに設けられた読取開口23cに臨んでいる。
【0020】
ヒンジ結合部24は、ヒンジ収納部25内に設けられ、本体ケース23の上ケース23bと一体的に形成されている。
【0021】
ヒンジ収納部25は、本体ケース23における周囲の部分より内側に窪み、本体ケース23の上ケース23bの外側に向けて開口した部分である。具体的には、ヒンジ収納部25は、本体ケース23の上ケース23bにおける周囲の部分より下側(下ケース23a側)に窪み、本体ケース23の外側に向けて開口している。
【0022】
ヒンジ収納部25の開口面は、ヒンジユニット4の本体側結合部42よりも大きいものである。すなわち、ヒンジ収納部25の開口面は、本体ケース23の上ケース23bと下ケース23aとを結合した状態(すなわち、本体ユニット2を組み立てた状態)において、ヒンジユニット4の本体側結合部42を、本体ケース23の外側からヒンジ収納部25に導入してヒンジ結合部24に結合し得る大きさになっている。また、ヒンジ収納部25の開口面は、ヒンジ取付ネジ49の頭部側において、ヒンジ取付ネジ49をネジ止めするための工具をヒンジ収納部25に導入し得る大きさ(例えば直径10mm以上の大きさ)になっている。
【0023】
また、上記ヒンジユニット4の本体側結合部42は、ヒンジ収納部25内に収納された状態で、ヒンジ結合部24に結合されている。また、ヒンジユニット4の本体側結合部42は、ヒンジ取付ネジ49を用いて、ネジ止めによりヒンジ結合部24に結合されている。
【0024】
また、上記制御基板21は、表示ユニット3に接続される電気配線9a、9bを制御基板21に接続するためのコネクタ27a、27bを、制御基板21におけるヒンジ収納部25の開口から露出した面23dに有する。コネクタ27a、27bは、ヒンジ収納部25内に配置されている。
【0025】
電気配線9a、9bは、ヒンジユニット4の内部を通って、一端側が表示ユニット3内の回路基板(不図示)に接続されており、他端側がコネクタ27a、27bに接続されている。
【0026】
本体ケース23の上ケース23bの端部(以下、上ケース端部という)26a、26bは、ヒンジ収納部25の開口面を挟んで対向した箇所である。上ケース端部26aと上ケース端部26bとは、本体ケース23の上ケース23bと一体的に形成された連結部29によって連結されている。連結部29には、その上部に断面L字形状のフック部28a、28bが形成されている。フック部28a、23bは、弾性力を有し、連結部29の上面(図2中の29a)との間に電気配線9aを位置決させて係止させるものである。すなわち、フック部28a、28bと、連結部29(の上面29a)との隙間は、これらに応力を加えていないときは、電気配線9aのケーブル91aの太さよりも狭いものであり、フック部28a、28bを上側(上ケース23b側)に持ち上げる力を加えることにより、上記隙間は電気配線9aのケーブル91aの太さよりも広げることができる。
【0027】
表示ユニット3は、画像を表示するためのものであり、画像を表示する液晶パネル31と、液晶パネル31を収納する表示ケース32等を有する。表示ケース32は、表示ケース32の前側部分を占める前ケース32aと、表示ケース32の後側部分を占める後ケース32bとを有しており、前ケース32aと後ケース32bが相互に結合されている。液晶パネル31は、前ケース32aに設けられた表示開口32cに臨んでいる。表示ユニット3は、光ディスク読取ユニット22により光ディスクから読取った記録データに基づく画像を表示する。上記ヒンジユニット4の表示側結合部41は、表示ケース32の後ケース32bの内面に設けられたヒンジ取付部(不図示)に結合されている。
【0028】
カバー5は、ヒンジ収納部25の開口面(本体ケース23の上ケース23bの外側に向けて開口した部分)を塞ぐものである。カバー5は、本体ケース23の上ケース23bに取り付けられて、ヒンジユニット4の表示側結合部41及びヒンジ機構部43を本体ケース23の外部に位置させた状態で、ヒンジ収納部25の開口面を塞ぐ。カバー5は、カバー取付ネジ69を用いて、ネジ止めにより本体ケース23の上ケース23bに取り付けられる。
【0029】
内蓋6は、カバー5の上方に位置し、本体ユニット2の光ディスク装着領域(光ディスクが光ディスク読取ユニット22のスピンドルモータ22aに装着されたときに、光ディスクが存在する領域)に対して開閉可能なように、本体ケース23の上ケース23bに回動自在に支持されている。すなわち、内蓋6を閉じているときには、本体ユニット2の光ディスク装着領域及びカバー5の一部(カバー5上のネジ止め部分51)が内蓋6により覆われた状態となる。内蓋6を開くことにより、本体ユニット2の光ディスク装着領域が露呈した状態となって、本体ユニット2に対して(スピンドルモータ22aに対して)光ディスクを着脱することができる。
【0030】
電池パック7は、光ディスク再生装置1に電力を供給するものである。電池パック7は、本体ユニット2(本体ケース23の下ケース23a)に対して着脱自在に構成されている。電池パック7は、2次電池を内蔵しており、本体ユニット2に装着されることにより、2次電池の電力を本体ユニット2に供給する。
【0031】
次に、光ディスク再生装置1の組み立て方法について、上述した図1乃至図3、及び図4を参照して説明する。図4は、フック部28a近傍の側断面を示す。光ディスク再生装置1は、以下のようにして組み立てられる。
【0032】
まず、表示ユニット3をヒンジユニット4と結合した状態に組み立てる。すなわち、ヒンジユニット4の内部に電気配線9a、9bを通して、表示ケース32の前ケース32aと後ケース32bとを分離した状態で、電気配線9a、9bの一端側を表示ユニット3の回路基板(不図示)に接続すると共に、ヒンジユニット4の表示側結合部41を後ケース32bの内面に設けられたヒンジ取付部(不図示)に結合し、そして、液晶パネル31及び回路基板を収納した状態に、前ケース32aと後ケース32bとを結合する。
【0033】
また、本体ユニット2を組み立てる。すなわち、制御基板21及び光ディスク読取ユニット22を収納した状態に、本体ケース23の上ケース23bと下ケース23aとを結合する。
【0034】
そして、ヒンジユニット4を本体ユニット2に結合する。すなわち、表示ユニット3に結合されたヒンジユニット4の本体側結合部42を、組み立てられた(上ケース23bと下ケース23aとが結合された)本体ユニット2の本体ケース23の外側から、ヒンジ収納部25の開口面を通して、ヒンジ収納部25内に導入する。そして、ヒンジユニット4の本体側結合部42を、ヒンジ取付ネジ49を用いて、ネジ止めにより本体ユニット2のヒンジ結合部24に結合する。
【0035】
また、ヒンジユニット4の内部に通されている電気配線9a、9bの他端側を、制御基板21に設けられているコネクタ27a、27bに接続する。このとき、フック部28a、28bを上側(上ケース23b側)に持ち上げる力を加えることにより持ち上げて、フック部28a、28bと連結部29との隙間を電気配線9aのケーブル91aの太さよりも広げた後に、電気配線9aのケーブル91aを、図4中の白矢印方向に、押し入れる。そして、フック部28a、28bを持ち上げる力を解除して元の位置に戻すことにより、電気配線9aをフック部28a、28bの下部のスペースに位置決めしつつ、係止することができる。
【0036】
続いて、カバー5を本体ユニット2に装着する。すなわち、カバー5を、カバー取付ネジ69を用いて、ネジ止めにより本体ケース23の上ケース23bに装着する。最後に、内蓋6を本体ユニット2に装着する。これにより、光ディスク再生装置1が完成する。光ディスク再生装置1は、このようにして組み立てられる。
【0037】
このような構成の光ディスク再生装置1によれば、本体ケース23の上ケース23bと下ケース23aとを結合した状態(本体ユニット2を組み立てた状態)で、ヒンジユニット4の本体側結合部42を、本体ケース23の外側から(ヒンジ収納部25の開口面を通して)ヒンジ収納部25に導入して、本体ユニット2のヒンジ結合部24に結合することができる。従って、光ディスク再生装置1を組み立てるとき、本体ユニット2を組み立てた状態(本体ケース23の上ケース23bと下ケース23aとを結合した状態)で、ヒンジユニット4を本体ユニット2に結合することができ、装置の組み立て作業の効率を向上させることができる。
【0038】
しかも、本体ケース23の上ケース23bには、ヒンジ収納部25の開口面を挟んで対向する上ケース端部26a、26bを連結する連結部29が設けられている。そのため、本体ケース23の外側に向けて開口した部分(ヒンジ収納部25)において、その上ケース端部26a、26bが連結部29によって連結されるので、本体ケース23の上ケース23bの開口部近傍の強度を補強することができ、本体ケース23の上ケース23bの破損を防ぐことができる。
【0039】
また、連結部29には、電気配線9aを位置決めするために係止するフック部28a、28bが設けられている。そのため、光ディスク再生装置1を組み立てる際に、電気配線9aを本体ケース23の内側に配置させた後に、フック部28a、28bによって係止することにより、ヒンジ収納部25をカバー5で覆う際に、電気配線9aの噛み込みが発生することを防ぐことができる。従って、光ディスク再生装置1を容易に組み立てることができ、電気配線9aの傷による断線や不具合の発生を抑えることができ、組み立て性を優れたものとすることができる。
【0040】
また、カバー5が、カバー取付ネジ69を用いて、本体ケース23の上ケース23bに取り付けられ、内蓋6が、閉じた状態のときに、カバー5上のネジ止め部分51を覆うことができる。そのため、内蓋6が閉じた状態のときに、ユーザがネジ止め部分51を視認できないので、ネジ止め部分51を視認可能である場合と比較して、光ディスク再生装置1のデザイン性を優れたものとすることできる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、上記のフック部28a、28bに代えて、図5に示す矩形の断面形状を有するフック部28cを連結部29に設けてもよい。この場合に、光ディスク再生装置1の組み立て時において、電気配線9aを位置決めする際に、まず、フック部28cを上側(上ケース23b側)に持ち上げる力を加えることにより持ち上げて、フック部28cと連結部29との隙間を電気配線9aのケーブル91aの太さよりも広げた後に、電気配線9aのケーブル91aを、図5中の白矢印方向に、押し入れる。そして、フック部28cを持ち上げる力を解除して元の位置に戻すことにより、電気配線9aをフック部28cの下部のスペースに位置決めしつつ、係止することができる。また、フック部の形状はこれに限られず、電気配線を位置決め可能な形状であればよく、例えば、I形状や凹形状や略円形状であってもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、本体ケース23のヒンジ収納部25に、上ケース23bの端部を連結する連結部が1つ設けられている例を示したが、これに限られず、上ケース23bの端部を連結する連結部を複数設けてもよい。この場合、さらに上ケース23bの開口部近傍の強度を補強することができるため、光ディスク再生装置1を組み立てる際に、本体ケース23の上ケース23bの破損をより確実に防ぐことができる。
【0043】
また、上記実施形態では、フック部が2つ設けられている例を示したが、これに限られず、1つ、又は3つ以上のフック部を設けてもよい。例えば、3つ以上のフック部を設けて、電気配線9bの位置決めをさらに行うものであってもよい。これにより、電気配線9a、9bの傷による断線や不具合の発生を確実に抑えることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 光ディスク再生装置(電子機器装置)
2 本体ユニット
3 表示ユニット
4 ヒンジユニット
5 カバー
6 内蓋
7 電池パック
9a、9b 電気配線
21 制御基板
22 光ディスク読取ユニット
22a スピンドルモータ
22b 光読取ヘッド
23 本体ケース
23a 下ケース
23b 上ケース
23c 読取開口
23d 配線開口
24 ヒンジ結合部
25 ヒンジ収納部
26a、26b 上ケース端部
27a、27b コネクタ
28a 28b フック部
29 連結部
31 液晶パネル
32 表示ケース
32a 前ケース
32b 後ケース
32c 表示開口
41 表示側結合部
42 本体側結合部
43 ヒンジ機構部
51 ネジ止め部分
49 ヒンジ取付ネジ
69 カバー取付ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するための表示ユニットが、ヒンジユニットを介して本体ユニットに取付けられた電子機器装置において、
前記ヒンジユニットは、前記表示ユニットに結合される表示側結合部と、前記本体ユニットに結合される本体側結合部と、前記表示側結合部と前記本体側結合部とを回動可能に連結したヒンジ機構部とを有し、
前記本体ユニットは、制御基板と、前記制御基板を収納する本体ケースと、前記ヒンジユニットの本体側結合部が結合されるヒンジ結合部とを有し、
前記本体ユニットには、前記ヒンジユニットの本体側結合部が収納されるヒンジ収納部が形成され、
前記ヒンジ結合部は、前記ヒンジ収納部内に設けられ、
前記制御基板は、前記表示ユニットに接続される電気配線を該制御基板に接続するためのコネクタを、該制御基板における前記ヒンジ収納部の開口から露出した面に有し、
前記ヒンジユニットの本体側結合部は、前記ヒンジ収納部内に収納された状態で、前記ヒンジ結合部に結合され、
前記ヒンジ収納部は、前記本体ケースの外側に向けて開口した部分であり、
前記本体ケースの上面には、前記ヒンジ収納部の開口面を挟んで対向する前記本体ケースの上面の端部を連結する1つ以上の連結部が設けられ、
前記連結部の少なくともいずれかには、該電気配線を位置決めするために係止するフック部が設けられていることを特徴とする電子機器装置。
【請求項2】
前記ヒンジ収納部の開口面を塞ぐカバーと、該カバーの上方に位置し、本体ケースに開閉自在に支持される内蓋とをさらに備え、
前記カバーは、カバー取付ネジを用いて、ネジ止めにより前記本体ケースに取り付けられており、
前記内蓋は、閉じた状態のときに、前記カバー上の前記ネジ止め部分を覆うことを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−210848(P2011−210848A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75507(P2010−75507)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】