説明

電子機器

【課題】バイブレータの振動を携帯電話機の外側を構成する筐体へ好適に伝えることが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、バイブレーションモータ55と、バイブレーションモータ55を収納し、バイブレーションモータ55の一部を露出させる開口部44が形成されたモータホルダ40と、モータホルダ40が収容配置される連結部4が形成された操作部側筐体2と、を備え、モータホルダ40は、開口部44から露出されるバイブレーションモータ55の一部がモータホルダ40のリブ26に当接された状態で収容配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイブレータを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場に流通している殆どの携帯電話機は、振動によって報知を行うバイブレータを備えている。さらに近年は、このバイブレータを筐体内に固定するためのバイブレータホルダが搭載された携帯電話機が広く市場に流通している(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2007−300229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述したようなバイブレータホルダを用いると、バイブレータと携帯電話機の外側を構成するケースとの間にバイブレータホルダが配置されてしまう場合がある。このとき、バイブレータは、バイブレータホルダを介して携帯電話機の外側を構成するケースへ振動を伝えることとなる。すると、バイブレータが携帯電話機の外側を構成するケースに直接接触して振動を伝えることが出来ない為に、バイブレータによる携帯電話機の振動の強度が弱くなってしまい、ユーザへ好適に振動を報知することが出来ないおそれがあった。
【0004】
そこで、本発明は、バイブレータの振動を携帯電話機の外側を構成する筐体へ好適に伝えることが可能な電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電子機器は、上記課題を解決するために、振動発生器と、前記振動発生器を収納し、前記振動発生器の一部を露出させる開口部が形成された固定部と、前記固定部が収容配置される収容部が形成された筐体と、を備え、前記固定部は、前記開口部から露出される前記振動発生器の一部が前記収容部の所定部に当接された状態で収容配置されることを特徴とする。
【0006】
また、前記電子機器では、前記所定部は、前記開口部と対向する位置に設けられ、前記収容部を補強するリブであることが好ましい。
【0007】
また、前記電子機器では、前記筐体と連結される他の筐体を備え、前記収容部は、前記収容部の内部及び前記他の筐体の内部に挿入されて、前記筐体と前記他の筐体とを回転可能に連結するヒンジ機構を有し、前記所定部は、前記ヒンジ機構の回転軸方向の移動を規制することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バイブレータの振動を携帯電話機の外側を構成する筐体へ好適に伝えることが可能な電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の電子機器の一実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1から図4を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態の携帯電話機1について、操作部側筐体2(筐体)と表示部側筐体3とを開いた状態で示す斜視図である。図1に示すように、折り畳み型の携帯電話機1であり、略直方体形状の操作部側筐体2と、略直方体形状の表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4と、を備える。
【0011】
操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して開閉可能に連結されている。つまり、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸Xを中心に開閉可能に連結している。携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転(回動)することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にすることができる。
【0012】
次に、表示部側筐体3の詳細について説明する。表示部側筐体3は、図1に示すように、その外面が、フロントケース30a及びリアケース30bを主体として構成される。
【0013】
表示部側筐体3の前面3aは、フロントケース30a及びキャップ33を主体として構成されている。前面3aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。表示部側筐体3の背面3bは、リアケース30bを主体として構成されている。背面3bは、前面3aとは反対側の面である。
【0014】
表示部側筐体3内には、各種情報を表示させるメイン液晶モジュール34が配置されており、メイン液晶モジュール34は、その一方の面に設けられたメイン表示部34aが、透明部分を主体とするキャップ33を介して、フロントケース30aに形成された開口部から表示部側筐体3の前面3aに露出するように配置されている。
【0015】
また、フロントケース30aには、通話の相手側における音声を出力する音声出力部31が形成されている。音声出力部31は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4とは反対の端部側に配置される。つまり、音声出力部31は、携帯電話機1の開状態における表示部側筐体3側の端部近傍に配置される。
【0016】
図2は、図1に示す携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3のリアケース30b側から視た斜視図である。表示部側筐体3のリアケース30b側には、図2に示すように、各種情報を表示させるサブ液晶モジュール36が配置されており、サブ液晶モジュール36は、その一方の面に設けられたサブ表示部36aが、リアケース30bの透明部分を介して表示部側筐体3の背面3bに露出するように配置されている。
【0017】
メイン液晶モジュール34及びサブ液晶モジュール36は、それぞれ、メイン表示部34a及びサブ表示部36aを構成する液晶パネル、この液晶パネルを駆動する駆動回路、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部などから構成される。
【0018】
次に、操作部側筐体2の詳細について、図3を参照しながら説明する。図3は、図1に示す操作部側筐体2の分解斜視図である。操作部側筐体2は、その外面が、フロントケース21及びリアケース22を主体として構成されている。フロントケース21は、操作部側筐体2の前面2a側を構成する。操作部側筐体2の前面2aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。リアケース22は、前面2aと反対側の面である背面2b側を構成する。
【0019】
フロントケース21は、操作キー群11が前面2aに露出するように構成されている。操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
【0020】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0021】
操作部側筐体2の前面2aには、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12が形成されている。音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4とは反対側の端部近傍に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1の開状態において長手方向の一方の端部側に配置される。
【0022】
操作部側筐体2は、図3に示すように、回路基板である主回路基板80と、縦長のシールドケース70と、キー基板60と、キー部材50と、バッテリ90とを備えている。主回路基板80の第1実装面80a側(操作部側筐体2の背面2b側)及び第2実装面80b側(操作部側筐体2の前面2a側)には複数の電子部品が実装されている。第2実装面80bは、第1実装面80aの反対側の実装面である。主回路基板80には、所定位置に回路(図示せず)が配線されており、複数の電子部品は、所定の組み合わせにより回路ブロック(図示せず)などを形成する。
【0023】
主回路基板80の長さは、シールドケース70の全長の約半分であり、例えばシールドケース70の全長の30〜70%であり、好ましくはシールドケースの40〜60%である。シールドケース70の約半分の長さを有する主回路基板80は、シールドケース70における連結部4寄りの約半分の領域に配設される。したがって、シールドケース70における操作部側筐体2の連結部4とは反対側の約半分の領域には、主回路基板80は配設されていない。
【0024】
シールドケース70は、主回路基板80の第2実装面80b側に実装された複数の電子部品(CPU等)を覆う部材である。シールドケース70は、導電性の部材からなり、主回路基板80における回路ブロックを遮蔽するために設けられる。また、シールドケース70は操作部側筐体2の強度を向上させる役目も果たす。
【0025】
シールドケース70の上面70a側(操作部側筐体2の前面2a側)には、上面70a側に起立する上面側リブ71が設けられている。また、シールドケース70の下面側(操作部側筐体2の背面2b側)には、下面側に起立する下面側リブ73が形成されている。シールドケース70は、強度を確保する観点から金属から形成されていることが好ましいが、インサート成形により部分的に合成樹脂から形成することもできる。
【0026】
キー基板60は、シールドケース70の上面70a側に積層配置され、複数のキースイッチ61〜63を有する。キー基板60は、複数の絶縁層(絶縁フィルム)の間に配線を挟み込んで形成されているフレキシブル基板である。キー基板60は、キー部材50側に、キートップとしての機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15にそれぞれ対応して、複数のキースイッチ61、62、63を備える。キースイッチ61、62、63は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板60の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して、電気的に導通するように構成される。
【0027】
キー部材50は、キー基板60に積層配置され、複数のキースイッチ61、62、63を押圧可能な押し子と、操作面を有するキートップとが、弾性を有するシリコンなどで構成されたシートに設けられて構成されている。
【0028】
キー部材50は、シリコンゴム製の基体シート51の表面に操作キー群11のキートップが接着剤により貼り付けられて構成される。キー部材50における操作キー群11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15は、キー基板60におけるキースイッチ61、62、63と対向する位置に配置されると共に、フロントケース21に形成されるキー孔13a、14a、15aから露出するように配置される。
【0029】
フロントケース21における操作部側筐体2の前面2a側には、キー孔13a、14a、15aが形成されている。キー孔13a、14a、15aのそれぞれからは、機能設定操作キー13の押圧面、入力操作キー14の押圧面、及び決定操作キー15の押圧面が露出する。この露出した機能設定操作キー13の押圧面、入力操作キー14の押圧面及び決定操作キー15の押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチ61、62、63それぞれに設けられるメタルドームにおける椀状形状の頂点は、押圧されて、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
【0030】
フロントケース21及びリアケース22は操作部側筐体2の外面を形成する。フロントケース21とリアケース22とは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース21とリアケース22との間には、キー部材50、キー基板60、シールドケース70及び主回路基板80が挟まれるようにして内蔵される。つまり、主回路基板80を覆うようにしてシールドケース70が積層配置され、また、シールドケース70にキー基板60が積層配置され、キー基板60にキー部材50が積層配置される。
【0031】
リアケース22の一端側には、その厚み方向(背面から前面に向かう方向)に貫通したバッテリ収納空間23が形成されている。操作部側筐体2が形成された状態において、バッテリ収納空間23における前面側(シールドケース70の側)は、シールドケース70の下面によって封鎖される。また、バッテリ収納空間23における背面側は、リアケース22と取り外し可能な蓋部24によって開放又は封鎖自在となっている。バッテリ90は、リアケース22のバッテリ収納空間23に背面側から収納され、バッテリ収納空間23が蓋部24によって封鎖されることにより、操作部側筐体2に装着される。
【0032】
主回路基板80とバッテリ90とは、操作部側筐体2を平面視した状態(操作部側筐体2を厚み方向に視た状態)において互いに重なることなく、操作部側筐体2の長手方向に配列している。バッテリ90は、シールドケース70の下面における主回路基板80が配置されていない領域に対向するように、配置される。
【0033】
次に、連結部4、バイブレータユニット5及び主回路基板80について図4〜図7を参照しながら説明する。図4に示すように、連結部(収容部)4には、バイブレータユニット5が収納される。バイブレータユニット5のバイブレーションモータ55(振動発生器)は、主回路基板80の接続端子81と接続し、モータ本体56に主回路基板80からの電流を供給するバネ端子59を有する。バネ端子59は、バイブレーションモータ55において主回路基板80の接続端子81と対向する位置に設けられ、バネ端子59と接続端子81とは操作部側筐体2の厚さ方向で接続される。
【0034】
図5を参照しながらバイブレータユニット5について説明する。図5は、バイブレータユニット5の分解斜視図である。バイブレータユニット5は、樹脂等から形成されるモータホルダ40(固定部)と、モータホルダ40内に収納されるバイブレーションモータ55と、を有する。
【0035】
図5(a)は、モータホルダ40の斜視図である。モータホルダ40は、モータ本体56をモータ保持部58と共に収納する第1の収納部41と、分銅57が回転する際の空間を確保する第2の収納部42と、を備え、第1の収納部41と第2の収納部42とは上面が開放される。この開放面と対向する底面部41aと、側面部41b、側面部41c及び側面部41dと、モータ軸の邪魔にならないように半円弧に形成されている仕切り板部43とによって第1の収納部41は形成され、モータ本体56を挿入した状態でのモータ保持部58の大きさに適合した大きさとなっている。また、第2の収納部42の底面は開放され、第2の収納部42は、側面部42aと、仕切り板部43とによって形成される。
【0036】
図5(b)は、バイブレーションモータ55の斜視図である。バイブレーションモータ55は、モータ本体56と、モータ本体56のモータ軸に固定され、重心がモータ本体56のモータ軸に対して偏っている分銅57と、ゴム等の弾性体で形成され、モータ本体56の周囲を囲むモータ保持部58と、モータ本体に主回路基板80からの電流を供給するバネ端子59と、を備える。バネ端子59は、第1の収納部41の開放面側に設けられ、主回路基板80の接続端子と連結部4の厚さ方向で接続する。
【0037】
モータホルダ40の底面部41aには、バイブレーションモータ55と操作部側筐体2とに挟まれている底面部41aの一部を溝状に開口した開口部44(開口部)が設けられる。底面部41aの一部に開口部44が設けられたことによりモータホルダ40にバイブレーションモータ55を収納したとき、モータ保持部58の一部が外部に露出する。開口部44は、リブ26(所定部)を挿入可能な大きさで形成されている。
【0038】
図6は、操作部側筐体2の下端部の裏側を示す斜視図である。操作部側筐体2の下端部には、ヒンジ機構45により操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4が設けられ、連結部4内にはヒンジ機構45やバイブレータユニット5が収納される収納部46が設けられる。収納部46の底面部には、収納部46の開放面側に起立するリブ26が設けられ、連結部4の変形を防ぐための補強部材として機能する。リブ26の開放面側に対する高さは、連結部4とバイブレータユニット5を組み込んだときに、開口部44を介してモータ保持部58と接触することができる高さである。
【0039】
図7は、バイブレーションモータ55と、モータホルダ40と、連結部4とを組み込むときの位置関係を示す斜視図である。バイブレーションモータ55は、モータホルダ40に挿入され、バイブレーションモータ55とモータホルダ40によりバイブレータユニット5が構成される。このときモータ保持部58が縮み、その復元力により第1の収納部41の内壁に隙間をつくることなくバイブレーションモータ55が収納される。バイブレータユニット5は、ヒンジ機構45に挿入され、ヒンジ機構45内に固定される。このとき、開口部44を介してモータ保持部58とヒンジ機構45に設けられたリブ26とが接触する。
【0040】
図8は、連結部4にバイブレータユニット5を組み込んだときの、図6のA−A線断面図である。図8に示すように、モータ本体56はモータ保持部58によって周囲を囲まれ、モータホルダ40の底面部41aの一部には、連結部4とバイブレーションモータ55とに挟まれる位置に開口部44が設けられている。連結部4のリブ26は、開口部44を介してバイブレータユニット5に挿入され、モータ保持部58と接触している。
【0041】
図9は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを組み立てるときに、連結部4内にヒンジ機構45を挿入したときの状態を示す斜視図である。ここで、連結部4内にヒンジ機構45を挿入する工程はバイブレータユニット5を連結部4内に組み込む工程よりも前に行われる。図9に示すように、連結部4内にヒンジ機構45を矢印Aの向きから挿入するとき、ヒンジ機構45により表示部側筐体3と操作部側筐体2とを接続するためにヒンジ機構45を所定の位置に固定する必要がある。このとき、リブ26は、ヒンジ機構45をヒンジ機構45の挿入方向から所定の位置よりも内側に挿入されることを防ぐように構成され、ヒンジ機構45を所定の位置に固定するための位置決め部材として機能する。
【0042】
以上、説明したように本実施形態の携帯電話機1によれば、モータホルダ40の底面部41aに開口部44を設け、操作部側筐体2の連結部4にリブ26を設けた。これにより、開口部44を介してバイブレーションモータ55(モータ保持部58)とリブ26とを直接接触させることができる。したがって、バイブレーションモータ55の振動を、リブ26を介して操作部側筐体2の全体に直接伝えることが可能となるため、ユーザへバイブレーションモータ55の振動を好適に報知することができる。
【0043】
また、バイブレーションモータ55の振動を操作部側筐体2へ伝える部材として、連結部4の補強材として設けられているリブ26を用いることにより、バイブレーションモータ55の振動を操作部側筐体2へ伝える部材を新たに設ける必要が無いため、部品点数を削減することができる。
【0044】
また、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを組み立てる際に、連結部4内にヒンジ機構45を挿入したとき、リブ26はヒンジ機構45を所定の位置に固定するための位置決め部材として機能する。これにより、携帯電話機1が組み立てられる際、ヒンジ機構45が連結部4内の所定の位置よりも内側に挿入されることを防ぐことができる。したがって、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを組み立て性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態によると、モータホルダ40は、開放部と開口部44の二つの孔を有している。したがって、従来のように孔が一つのモータホルダに比して、モータホルダ40の外部に存在する部品と、バイブレーションモータ55との接続箇所が増えることとなる。したがって、前述したように、開口部44を介してバイブレーションモータ55と操作部側筐体2の物理的な接触を良好にさせることが可能となる。また孔が開口部44のみの場合、従来ならば開口部44を介して、バイブレーションモータ55の給電を外部の回路基板と行わなければならなかったため、回路基板から開口部44への電気的接続の構成を配置するために例えばフレキシブル基板等の部品が別途必要であった。しかしながら、本実施形態では、モータホルダ40は二つ孔を有している。
【0046】
したがって、バネ端子59が、主回路基板80の接続端子81と操作部側筐体2の厚さ方向で接続を取ることが可能となるため、主回路基板80の接続端子81の形状を簡素化し、接続端子81の製造コストの削減及び接続端子81とバイブレーションモータ55との組み立て性の向上を図ることができる。
【0047】
また、本発明は、モータホルダ40が備えられる場所として、連結部4の内部が用いられている。本実施形態においてこの連結部4は、回転可能な形状をしていなければならないために、連結部4の内部も略円柱形状をしている。したがって、電子部品が配置されにくい構成となっている。しかしながら、本発明は、モータホルダ40によって、他の部品が配置されにくい空間にバイブレーションモータ55を配置することが可能となる。したがって、携帯電話機1の内部の空間を有効利用することが可能となる。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、開口部44と、リブ26との位置及び形状は、上述の実施形態に示した位置及び形状に限定されない。
【0049】
また、上述の実施形態では、モータホルダ40の底面部41aに設けられる開口部44と、操作部側筐体2の連結部4に設けられるリブ26の数とはそれぞれ一箇所ずつであったが、これに限られない。例えば、開口部44とこの開口部44に対応するリブ26とを複数箇所設けてもよい。これにより、バイブレーションモータ55の振動をより好適に操作部側筐体2に伝えることができる。
【0050】
また、上述の実施形態における連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸Xを中心に開閉可能に連結しているが、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸Xを中心に開閉可能に連結すると共に、開閉軸Xに直交する回動軸を中心に回動可能に連結するいわゆる2軸ヒンジ機構を備えていてもよい。
【0051】
本発明は、バイブレーション用のモータを有する電子機器であればどのような電子機器に対しても適用可能である。つまり、本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器に適用することができ、また携帯電子機器以外の電子機器にも適用することができる。携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、操作部を備えるELディスプレイ又は液晶ディスプレイが挙げられる。
【0052】
また、携帯電子機器以外の電子機器としては、例えば、電子辞書、電卓、電子手帳、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ラジオ等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機1について、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを開いた状態で示す斜視図である。
【図2】携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3のリアケース30b側から視た斜視図である。
【図3】操作部側筐体2の分解斜視図である。
【図4】操作部側筐体2の分解斜視図である。
【図5】バイブレータユニット5の分解斜視図である。
【図6】操作部側筐体2の下端部の裏側を示す斜視図である。
【図7】バイブレーションモータ55と、モータホルダ40と、連結部4とを組み込むときの位置関係を示す斜視図である。
【図8】連結部4にバイブレータユニット5を組み込んだときの、図6のA−A線断面図である。
【図9】表示部側筐体3と操作部側筐体2とを組み立てる際に、連結部4内にヒンジ機構45を挿入したときの状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
4 連結部
5 バイブレータユニット
26 リブ
40 モータホルダ
44 開口部
45 ヒンジ機構
55 バイブレーションモータ
58 モータ保持部
59 バネ端子
80 主回路基板
81 接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動発生器と、
前記振動発生器を収納し、前記振動発生器の一部を露出させる開口部が形成された固定部と、
前記固定部が収容配置される収容部が形成された筐体と、を備え、
前記固定部は、前記開口部から露出される前記振動発生器の一部が前記収容部の所定部に当接された状態で収容配置されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記所定部は、前記開口部と対向する位置に設けられ、前記収容部を補強するリブであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記筐体と連結される他の筐体を備え、
前記収容部は、前記収容部の内部及び前記他の筐体の内部に挿入されて、前記筐体と前記他の筐体とを回転可能に連結するヒンジ機構を有し、
前記所定部は、前記ヒンジ機構の回転軸方向の移動を規制することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−246552(P2009−246552A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88688(P2008−88688)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】