電子機器
【課題】充電池等の物品が誤った姿勢で格納室に挿入された場合であっても、容易に該物品を格納室から引き抜くことが出来る電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラにおいては、格納室3は、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部31と第2格納室部32とを有している。第1格納室部31は、充電池が第1の姿勢で挿入されるときよりも、充電池が挿入方向軸を中心として反転した第2の姿勢で挿入されるときの方が充電池に大きな摩擦抵抗を及ぼす第1断面形状を有する。一方、第2格納室部32は、充電池が第1の姿勢と第2の姿勢の何れの姿勢で挿入されるときにも、充電池が第2の姿勢で挿入されるときに第1の断面形状が充電池に及ぼす摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗で充電池を通過させる第2の断面形状を有している。
【解決手段】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラにおいては、格納室3は、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部31と第2格納室部32とを有している。第1格納室部31は、充電池が第1の姿勢で挿入されるときよりも、充電池が挿入方向軸を中心として反転した第2の姿勢で挿入されるときの方が充電池に大きな摩擦抵抗を及ぼす第1断面形状を有する。一方、第2格納室部32は、充電池が第1の姿勢と第2の姿勢の何れの姿勢で挿入されるときにも、充電池が第2の姿勢で挿入されるときに第1の断面形状が充電池に及ぼす摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗で充電池を通過させる第2の断面形状を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の電子機器に関し、特に充電池等の物品を格納するための格納室を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラ等の電子機器には、充電池や、バッテリパック、メモリカードなどの物品を格納するための格納室が形成されている。そして、格納室及び物品の何れについても挿入方向に対する断面形状が非対称となっており、物品が格納室に挿入されるべき所定の姿勢において、格納室の断面形状は物品の断面形状と略相似の形状であって、該所定の姿勢で挿入されるときに、該物品の周囲には僅かな隙間が形成される(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。これにより、誤った姿勢で物品を格納室に挿入することが出来なくなり、その結果、誤った姿勢での物品の挿入が防止されることとなる。
【特許文献1】特開平7−28959号公報
【特許文献2】特開平11−307072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、格納室を形成する内壁や物品の外壁に樹脂が用いられている電子機器では、物品が、誤った姿勢のまま格納室に無理やり挿入されて圧入状態となる虞がある。圧入状態となった物品は格納室から抜けにくく、該物品をペンチ等の道具で挟んで引き抜こうとすると、該物品は破損してしまう虞がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、充電池等の物品が誤った姿勢で格納室に挿入された場合であっても、容易に該物品を格納室から引き抜くことが出来る電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電子機器は、物品(2)を格納するための格納室(3)が形成され、該格納室(3)は、該物品(2)を挿入するための入口(3a)を有し、該物品(2)は、挿入方向に垂直な断面の形状が互いに直交する2軸(X1,X2)の少なくとも何れか一方の軸に対して非対称な部分(22)を有している。
【0006】
前記格納室(3)は、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部(31)と第2格納室部(32)とを有し、第1格納室部(31)は、前記物品(2)が第1の姿勢で挿入されるときよりも、該物品(2)が挿入方向軸を中心として反転した第2の姿勢で挿入されるときの方が物品(2)に大きな摩擦抵抗を及ぼす第1の断面形状を有する一方、第2格納室部(32)は、前記物品(2)が前記第1の姿勢と第2の姿勢の何れの姿勢で挿入されるときにも、該物品(2)が前記第2の姿勢で挿入されるときに前記第1の断面形状が該物品(2)に及ぼす摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗で物品(2)を通過させる第2の断面形状を有している。
【0007】
具体的な構成において、前記第1の断面形状は、前記第1の姿勢における物品(2)の非対称部分(22)の断面形状と略相似の形状であって、該物品(2)が前記第1の姿勢で挿入されるときに該物品(2)の周囲に隙間が形成される。前記第2の断面形状は、前記第1の姿勢における物品(2)の非対称部分(22)の断面形状と前記第2の姿勢における物品(2)の非対称部分(22)の断面形状とを重ね合わせた形状よりも、輪郭の大きな形状を呈している。
【0008】
上記電子機器によれば、第1の姿勢においては、物品(2)は、第1格納室部(31)及び第2格納室部(32)の何れをも通過して格納室(3)に格納されることとなる。一方、第2の姿勢においては、物品(2)が第1格納室部(31)を通過するときに大きな摩擦抵抗が該物品(2)に及ぶので、電子機器の利用者は、挿入する物品(2)の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。よって、物品(2)が格納室(3)に誤った姿勢のまま挿入されることが防止されることとなる。
【0009】
又、物品(2)が格納室(3)に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該物品(2)を格納室(3)から引き抜こうとした場合、物品(2)は、第2格納室部(32)からは小さな摩擦抵抗を受けるだけであるので、従来の電子機器のように格納室(3)全体から大きな摩擦抵抗を受けることがない。よって、物品(2)が誤った姿勢で格納室(3)に挿入された場合であっても、容易に該物品(2)を格納室(3)から引き抜くことが出来る。
【0010】
他の具体的な構成において、前記第1格納室部(31)は格納室(3)の入口(3a)側に配置され、前記第2格納室部(32)は格納室(3)の奥方側に配置されている。
該具体的構成によれば、電子機器の利用者は、物品(2)を格納室(3)に挿入する初期の段階において、物品(2)の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。或いは、物品(2)の姿勢が誤った姿勢であることを視覚的に認識することが出来る。
【0011】
更に他の具体的な構成において、前記第1格納室部(31)を形成する内壁(311)は、前記第2格納室部(32)を形成する内壁(321)に対して格納室(3)の内側に突出すると共に、前記格納室(3)の奥方側に、該格納室(3)の入口(3a)側に向かって拡がる傾斜面(314,315)を有している。
該具体的構成によれば、物品(2)が格納室(3)に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該物品(2)を格納室(3)から引き抜こうとした場合において、物品(2)の非対称部分(22)が、第1格納室部(31)を形成する内壁(311)の傾斜面(314,315)に当接する共に該傾斜面(314,315)に沿って入口(3a)側に向かって斜めに摺動するので、より小さな力でも物品(2)を格納室(3)から引き抜くことが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電子機器によれば、充電池等の物品が誤った姿勢で格納室に挿入された場合であっても、容易に該物品を格納室から引き抜くことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をデジタルカメラに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
デジタルカメラは、図1及び図2に示される様にカメラ本体1を具え、カメラ本体1には、撮影に必要な機構、即ちレンズ等で構成された撮像機構12、デジタルカメラを操作するための操作機構13、撮影時に発行する発光機構14などが配備されている。
【0014】
更に図3に示される様に、カメラ本体1には、充電池2を格納するための格納室3が形成され、該格納室3は、充電池3を挿入するための入口3aを有している。格納室3には、充電池2が所定の姿勢で入口3aから挿入されるべきであり、該所定の姿勢で充電池2が格納室に格納されることによって、充電池2からカメラ本体1に電力を供給することが可能となる。以下では、該所定の姿勢を第1の姿勢と呼ぶ。
【0015】
本実施の形態では、格納室3の入口3aはカメラ本体1の底面Aに形成されている。又、カメラ本体1には、図2及び図3に示される様に、格納室3の入口3aを開閉することが可能な蓋体11が取り付けられている。尚、蓋体11を閉じた状態が図2に示され、蓋体11を開いた状態が図3に示されている。
【0016】
本実施の形態で用いられる充電池2は、図7に示される様に、対称部分21と非対称部分22とを有している。対称部分21は、図8に示される様に、挿入方向91(図3及び図7参照)に垂直な断面の形状が、互いに直交する2軸X1,X2の両方に対して対称である。
【0017】
具体的には、対称部分21の断面形状は、一対の線分211,212と、一対の円弧213,214とから構成される外縁を有する。一対の線分211,212は、長さが同じであり、軸X1の両側に同じ距離D1だけ離れた位置を、軸X1に沿って互いに平行に延びている。一対の円弧213,214は、一対の線分211,212のそれぞれの一端どうし及び他端どうしを連結しており、該一対の円弧213,214の半径r1,r2は何れも距離D1に等しく、それらの中心O1,O2は、軸X1上であって外縁の内側の位置に配置されている。
【0018】
一方、非対称部分22は、図9に示される様に、挿入方向91(図3及び図7参照)に垂直な断面の形状が、2軸X1,X2のうち一方の軸X1に対して非対称であり、他方の軸X2に対して対称である。
これにより、非対称部分22の断面形状は、挿入方向軸Zの回りで回転非対称となる。ここで、挿入方向軸Zは、挿入方向91(図3及び図7参照)に沿うと共に両軸X1,X2の交点を通る軸である。
【0019】
具体的には、非対称部分22の断面形状は、一対の長辺221,222と、一対の短辺223,224と、一対の円弧225,226とから構成される外縁を有する。一対の長辺221,222はそれぞれ、対称部分21の線分211,212に沿って延びており、一方の長辺221は、他方の長辺222よりも長くなっている。一対の短辺223,224は、軸X2の両側に同じ距離D2だけ離れた位置を、一方の長辺211の両端から軸X2に沿って互いに平行に延びている。一対の円弧223,224は、他方の長辺222の両端と一対の短辺223,224のそれぞれとを連結しており、該一対の円弧225,226の半径r3,r4は互いに等しく、その中心O3,O4は、軸X2に対して対称となる位置であって外縁の内側となる位置に配置されている。
【0020】
上記充電池2の構成によれば、図9に示される様に、非対称部分22のうち、一方の長辺221と一対の短辺223,224とによって形成される角部227,228が、対称部分21の側面から突出することとなる。尚、図9では、対称部分22の側面が破線によって示されている。
【0021】
図4は、上記デジタルカメラを底面A側から見た平面図であり、図4に示されているV−V線に沿う断面図が図5に示されている。又、図5に示されている領域VIの拡大図が図6に示されている。
格納室3は、図6に示される様に、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部31と第2格納室部32とを有している。尚、本実施の形態では、第1格納室部31は格納室3の入口3a側に配置され、第2格納室部32は格納室3の奥方側に配置されている。
【0022】
第2格納室部32の断面形状は、図11に示される様に、第1の姿勢における充電池2の非対称部分22の断面形状と、充電池2が挿入方向軸Zを中心として反転した第2の姿勢における充電池2の非対称部分22の断面形状とを重ね合わせた形状よりも、僅かに輪郭の大きな形状を呈している。
尚、図11では、第1の姿勢における非対称部分22の断面形状が実線によって示され、第2の姿勢のおける非対称部分22の断面形状が破線によって示されている。又、本実施の形態においては、第2格納室部32の断面形状として矩形が採用されている。
【0023】
一方、第1格納室部31の断面形状は、図10に示される様に、第1の姿勢における充電池2の非対称部分22の断面形状と略相似の形状を有しており、充電池2が第1の姿勢で挿入されるときに充電池2の周囲に僅かな隙間が形成される。
【0024】
具体的には、第1格納室部31の断面形状の輪郭の一部が、充電池2の非対称部分22の断面形状の外縁を構成する一対の円弧225,226に沿うように、第1格納室部31を形成する内壁311の一部312,313が、図6及び図10に示される様に、第2格納室部32を形成する内壁321に対して格納室3の内側に突出している。以下では、該内壁311の一部312,313を突起部と呼ぶ。
【0025】
上記格納室3の構成によれば、充電池2が第1の姿勢で格納室3に挿入されるときは、図10に示される様に、第1格納室部31は、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21及び非対称部分22の何れをも通過させると共に、第2格納室部32も、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21及び非対称部分22の何れをも通過させる。
尚、殆ど抵抗(摩擦抵抗)がない状態には、充電池2が第2の姿勢で挿入されるときに充電池2に及ぶこととなる摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗が充電池2に及んだ状態も含まれるものとする。以下、同様である。
【0026】
これに対して、第2の姿勢で挿入されるときは、図12(a)に示される様に、充電池2の非対称部分22の角部228,227が、第1格納室部21を形成する内壁311の突出部312,313に引っ掛かる。よって、図12(b)に示される様に、第2の姿勢のまま充電池2を無理やり格納室3に挿入しようとした場合には、第1格納室部31において充電池2に大きな摩擦抵抗が及ぶこととなる。即ち、充電池2が第1の姿勢で挿入されるときよりも、充電池2が第2の姿勢で挿入されるときの方が充電池2に大きな摩擦抵抗が及ぶこととなる。
【0027】
第2の姿勢のまま、充電池2の非対称部分22が無理やり第2格納室部32まで挿入された後は、図12(b)に示される様に、第1格納室部31は、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21を通過させると共に、第2格納室部32は、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21及び非対称部分22の何れをも通過させる。
【0028】
上記デジタルカメラによれば、第1の姿勢においては、充電池2は、第1格納室部31及び第2格納室部32の何れをも殆ど抵抗なく通過し、格納室3に格納されることとなる。
一方、第2の姿勢においては、充電池2が第1格納室部31を通過するときに大きな摩擦抵抗が該充電池2に及ぶので、デジタルカメラの利用者は、挿入する充電池2の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。よって、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま挿入されることが防止されることとなる。
【0029】
又、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該充電池2を格納室3から引き抜こうとした場合、充電池2は、第2格納室部32からは受けたとしても小さな摩擦抵抗を受けるだけであるので、従来の電子機器のように格納室3全体から大きな摩擦抵抗を受けることがない。よって、充電池2が誤った姿勢で格納室3に挿入された場合であっても、容易に充電池2を格納室3から引き抜くことが出来る。
【0030】
更に本実施の形態においては、第1格納室部31が格納室3の入口3a側に配置され、第2格納室部32が格納室3の奥方側に配置されているので、デジタルカメラの利用者は、充電池2を格納室3に挿入する初期の段階において、充電池2の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。或いは、充電池2の姿勢が誤った姿勢であることを視覚的に認識することが出来る。
【0031】
更に又、本実施の形態においては、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であっても、充電池2の非対称部分22が第1格納室部31を通過した後は、充電池2は、第1格納室部31及び第2格納室部32の何れからも殆ど摩擦抵抗を受けることがない。従って、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合でも、充電池2は、第1格納室部31を形成する内壁311によって傷付けられにくい。
【0032】
図13(a)は、上記デジタルカメラに対する改良形態の例を示している。図13(a)に示される様に、第1格納室部31を形成する内壁311は、第2格納室部32を形成する内壁321に対して格納室3の内側に突出すると共に、格納室3の奥方側に、該格納室3の入口3a側に向かって拡がる傾斜面314,315を有していてもよい。
【0033】
該改良形態の例によれば、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該充電池2を格納室3から引き抜こうとした場合において、図13(b)に示される様に、充電池2の非対称部分22、具体的には該非対称部分22の角部227,228が、第1格納室部31を形成する内壁311の傾斜面314,315に当接する共に該傾斜面314,315に沿って入口側に向かって斜めに摺動するので、より小さな力でも充電池2を格納室3から引き抜くことが可能である。
【0034】
図14及び図15は、上記デジタルカメラに対する改良形態の他の例を示している。図14に示される様に、格納室3は2つの第1格納室部31と1つの第2格納室部32を有し、2つの第1格納室部31によって第2格納室部32を挟んだ状態で、これらの格納室部を奥行き方向に並べてもよい。
【0035】
又、図15に示される様に、複数の第2格納室部32を格納室3に設けてもよい。尚、図15では、2つの第2格納室部32が格納室3に設けられた形態が示されている。
【0036】
図16及び図17は、上記デジタルカメラに対する改良形態の更に他の例を示している。充電池2の非対称部分22の断面形状、及び格納室3の第1格納室部31の断面形状は、図10に示される形状に限られるものではなく、図16に示される様に、2軸X1,X2のうち他方の軸X2に対して非対称であってもよい。これにより、非対称部分22の断面形状、及び第1格納室部31の断面形状は、挿入方向軸Zの回りで回転非対称となる。
【0037】
又、充電池2の非対称部分22の断面形状、及び格納室3の第1格納室部31の断面形状は、図17に示される様に、両軸X1,X2に対して非対称であってもよい。但し、この場合、充電池2の非対称部分22の断面形状、及び格納室3の第1格納室部31の断面形状は、図17に示される形状のように、挿入方向軸Zの回りで回転非対称となる必要がある。
【0038】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上述した技術は、デジタルカメラに限らず、ビデオカメラや携帯電話機など、格納室を有する種々の電子機器に適用することができる。又、格納室に格納される物品は、充電池に限らずバッテリパックやメモリカードなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】該デジタルカメラを底面側から見た斜視図である。
【図3】該デジタルカメラにおいて格納室に充電池が挿入されようとしている状態を示す斜視図である。
【図4】該デジタルカメラを底面側から見た平面図である。
【図5】図4に示されるV−V線に沿う断面図である。
【図6】図5に示されるVI領域の拡大図である。
【図7】該デジタルカメラに用いられる充電池を示す斜視図である。
【図8】図7に示されるVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図7に示されるIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】第1の姿勢における充電池と第1格納室部との位置関係を示す図である。
【図11】第1の姿勢或いは第2の姿勢における充電池と第2格納室部との位置関係を示す図である。
【図12】第2の姿勢における充電池と第1格納室部との位置関係を示す図である。
【図13】上記デジタルカメラに対する改良形態の一例を示す断面図である。
【図14】上記デジタルカメラに対する改良形態の他の例の1つを示す断面図である。
【図15】上記デジタルカメラに対する改良形態の他の例の1つを示す断面図である。
【図16】上記デジタルカメラに対する改良形態の更なる他の例の1つを示す断面図である。
【図17】上記デジタルカメラに対する改良形態の更なる他の例の1つを示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 カメラ本体
2 充電池(物品)
21 対称部分
22 非対称部分
3 格納室
3a 入口
31 第1格納室部
311 内壁
314,315 傾斜面
32 第2格納室部
321 内壁
X1,X2 直交する2軸
Z 挿入方向軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の電子機器に関し、特に充電池等の物品を格納するための格納室を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラ等の電子機器には、充電池や、バッテリパック、メモリカードなどの物品を格納するための格納室が形成されている。そして、格納室及び物品の何れについても挿入方向に対する断面形状が非対称となっており、物品が格納室に挿入されるべき所定の姿勢において、格納室の断面形状は物品の断面形状と略相似の形状であって、該所定の姿勢で挿入されるときに、該物品の周囲には僅かな隙間が形成される(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。これにより、誤った姿勢で物品を格納室に挿入することが出来なくなり、その結果、誤った姿勢での物品の挿入が防止されることとなる。
【特許文献1】特開平7−28959号公報
【特許文献2】特開平11−307072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、格納室を形成する内壁や物品の外壁に樹脂が用いられている電子機器では、物品が、誤った姿勢のまま格納室に無理やり挿入されて圧入状態となる虞がある。圧入状態となった物品は格納室から抜けにくく、該物品をペンチ等の道具で挟んで引き抜こうとすると、該物品は破損してしまう虞がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、充電池等の物品が誤った姿勢で格納室に挿入された場合であっても、容易に該物品を格納室から引き抜くことが出来る電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電子機器は、物品(2)を格納するための格納室(3)が形成され、該格納室(3)は、該物品(2)を挿入するための入口(3a)を有し、該物品(2)は、挿入方向に垂直な断面の形状が互いに直交する2軸(X1,X2)の少なくとも何れか一方の軸に対して非対称な部分(22)を有している。
【0006】
前記格納室(3)は、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部(31)と第2格納室部(32)とを有し、第1格納室部(31)は、前記物品(2)が第1の姿勢で挿入されるときよりも、該物品(2)が挿入方向軸を中心として反転した第2の姿勢で挿入されるときの方が物品(2)に大きな摩擦抵抗を及ぼす第1の断面形状を有する一方、第2格納室部(32)は、前記物品(2)が前記第1の姿勢と第2の姿勢の何れの姿勢で挿入されるときにも、該物品(2)が前記第2の姿勢で挿入されるときに前記第1の断面形状が該物品(2)に及ぼす摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗で物品(2)を通過させる第2の断面形状を有している。
【0007】
具体的な構成において、前記第1の断面形状は、前記第1の姿勢における物品(2)の非対称部分(22)の断面形状と略相似の形状であって、該物品(2)が前記第1の姿勢で挿入されるときに該物品(2)の周囲に隙間が形成される。前記第2の断面形状は、前記第1の姿勢における物品(2)の非対称部分(22)の断面形状と前記第2の姿勢における物品(2)の非対称部分(22)の断面形状とを重ね合わせた形状よりも、輪郭の大きな形状を呈している。
【0008】
上記電子機器によれば、第1の姿勢においては、物品(2)は、第1格納室部(31)及び第2格納室部(32)の何れをも通過して格納室(3)に格納されることとなる。一方、第2の姿勢においては、物品(2)が第1格納室部(31)を通過するときに大きな摩擦抵抗が該物品(2)に及ぶので、電子機器の利用者は、挿入する物品(2)の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。よって、物品(2)が格納室(3)に誤った姿勢のまま挿入されることが防止されることとなる。
【0009】
又、物品(2)が格納室(3)に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該物品(2)を格納室(3)から引き抜こうとした場合、物品(2)は、第2格納室部(32)からは小さな摩擦抵抗を受けるだけであるので、従来の電子機器のように格納室(3)全体から大きな摩擦抵抗を受けることがない。よって、物品(2)が誤った姿勢で格納室(3)に挿入された場合であっても、容易に該物品(2)を格納室(3)から引き抜くことが出来る。
【0010】
他の具体的な構成において、前記第1格納室部(31)は格納室(3)の入口(3a)側に配置され、前記第2格納室部(32)は格納室(3)の奥方側に配置されている。
該具体的構成によれば、電子機器の利用者は、物品(2)を格納室(3)に挿入する初期の段階において、物品(2)の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。或いは、物品(2)の姿勢が誤った姿勢であることを視覚的に認識することが出来る。
【0011】
更に他の具体的な構成において、前記第1格納室部(31)を形成する内壁(311)は、前記第2格納室部(32)を形成する内壁(321)に対して格納室(3)の内側に突出すると共に、前記格納室(3)の奥方側に、該格納室(3)の入口(3a)側に向かって拡がる傾斜面(314,315)を有している。
該具体的構成によれば、物品(2)が格納室(3)に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該物品(2)を格納室(3)から引き抜こうとした場合において、物品(2)の非対称部分(22)が、第1格納室部(31)を形成する内壁(311)の傾斜面(314,315)に当接する共に該傾斜面(314,315)に沿って入口(3a)側に向かって斜めに摺動するので、より小さな力でも物品(2)を格納室(3)から引き抜くことが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電子機器によれば、充電池等の物品が誤った姿勢で格納室に挿入された場合であっても、容易に該物品を格納室から引き抜くことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をデジタルカメラに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
デジタルカメラは、図1及び図2に示される様にカメラ本体1を具え、カメラ本体1には、撮影に必要な機構、即ちレンズ等で構成された撮像機構12、デジタルカメラを操作するための操作機構13、撮影時に発行する発光機構14などが配備されている。
【0014】
更に図3に示される様に、カメラ本体1には、充電池2を格納するための格納室3が形成され、該格納室3は、充電池3を挿入するための入口3aを有している。格納室3には、充電池2が所定の姿勢で入口3aから挿入されるべきであり、該所定の姿勢で充電池2が格納室に格納されることによって、充電池2からカメラ本体1に電力を供給することが可能となる。以下では、該所定の姿勢を第1の姿勢と呼ぶ。
【0015】
本実施の形態では、格納室3の入口3aはカメラ本体1の底面Aに形成されている。又、カメラ本体1には、図2及び図3に示される様に、格納室3の入口3aを開閉することが可能な蓋体11が取り付けられている。尚、蓋体11を閉じた状態が図2に示され、蓋体11を開いた状態が図3に示されている。
【0016】
本実施の形態で用いられる充電池2は、図7に示される様に、対称部分21と非対称部分22とを有している。対称部分21は、図8に示される様に、挿入方向91(図3及び図7参照)に垂直な断面の形状が、互いに直交する2軸X1,X2の両方に対して対称である。
【0017】
具体的には、対称部分21の断面形状は、一対の線分211,212と、一対の円弧213,214とから構成される外縁を有する。一対の線分211,212は、長さが同じであり、軸X1の両側に同じ距離D1だけ離れた位置を、軸X1に沿って互いに平行に延びている。一対の円弧213,214は、一対の線分211,212のそれぞれの一端どうし及び他端どうしを連結しており、該一対の円弧213,214の半径r1,r2は何れも距離D1に等しく、それらの中心O1,O2は、軸X1上であって外縁の内側の位置に配置されている。
【0018】
一方、非対称部分22は、図9に示される様に、挿入方向91(図3及び図7参照)に垂直な断面の形状が、2軸X1,X2のうち一方の軸X1に対して非対称であり、他方の軸X2に対して対称である。
これにより、非対称部分22の断面形状は、挿入方向軸Zの回りで回転非対称となる。ここで、挿入方向軸Zは、挿入方向91(図3及び図7参照)に沿うと共に両軸X1,X2の交点を通る軸である。
【0019】
具体的には、非対称部分22の断面形状は、一対の長辺221,222と、一対の短辺223,224と、一対の円弧225,226とから構成される外縁を有する。一対の長辺221,222はそれぞれ、対称部分21の線分211,212に沿って延びており、一方の長辺221は、他方の長辺222よりも長くなっている。一対の短辺223,224は、軸X2の両側に同じ距離D2だけ離れた位置を、一方の長辺211の両端から軸X2に沿って互いに平行に延びている。一対の円弧223,224は、他方の長辺222の両端と一対の短辺223,224のそれぞれとを連結しており、該一対の円弧225,226の半径r3,r4は互いに等しく、その中心O3,O4は、軸X2に対して対称となる位置であって外縁の内側となる位置に配置されている。
【0020】
上記充電池2の構成によれば、図9に示される様に、非対称部分22のうち、一方の長辺221と一対の短辺223,224とによって形成される角部227,228が、対称部分21の側面から突出することとなる。尚、図9では、対称部分22の側面が破線によって示されている。
【0021】
図4は、上記デジタルカメラを底面A側から見た平面図であり、図4に示されているV−V線に沿う断面図が図5に示されている。又、図5に示されている領域VIの拡大図が図6に示されている。
格納室3は、図6に示される様に、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部31と第2格納室部32とを有している。尚、本実施の形態では、第1格納室部31は格納室3の入口3a側に配置され、第2格納室部32は格納室3の奥方側に配置されている。
【0022】
第2格納室部32の断面形状は、図11に示される様に、第1の姿勢における充電池2の非対称部分22の断面形状と、充電池2が挿入方向軸Zを中心として反転した第2の姿勢における充電池2の非対称部分22の断面形状とを重ね合わせた形状よりも、僅かに輪郭の大きな形状を呈している。
尚、図11では、第1の姿勢における非対称部分22の断面形状が実線によって示され、第2の姿勢のおける非対称部分22の断面形状が破線によって示されている。又、本実施の形態においては、第2格納室部32の断面形状として矩形が採用されている。
【0023】
一方、第1格納室部31の断面形状は、図10に示される様に、第1の姿勢における充電池2の非対称部分22の断面形状と略相似の形状を有しており、充電池2が第1の姿勢で挿入されるときに充電池2の周囲に僅かな隙間が形成される。
【0024】
具体的には、第1格納室部31の断面形状の輪郭の一部が、充電池2の非対称部分22の断面形状の外縁を構成する一対の円弧225,226に沿うように、第1格納室部31を形成する内壁311の一部312,313が、図6及び図10に示される様に、第2格納室部32を形成する内壁321に対して格納室3の内側に突出している。以下では、該内壁311の一部312,313を突起部と呼ぶ。
【0025】
上記格納室3の構成によれば、充電池2が第1の姿勢で格納室3に挿入されるときは、図10に示される様に、第1格納室部31は、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21及び非対称部分22の何れをも通過させると共に、第2格納室部32も、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21及び非対称部分22の何れをも通過させる。
尚、殆ど抵抗(摩擦抵抗)がない状態には、充電池2が第2の姿勢で挿入されるときに充電池2に及ぶこととなる摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗が充電池2に及んだ状態も含まれるものとする。以下、同様である。
【0026】
これに対して、第2の姿勢で挿入されるときは、図12(a)に示される様に、充電池2の非対称部分22の角部228,227が、第1格納室部21を形成する内壁311の突出部312,313に引っ掛かる。よって、図12(b)に示される様に、第2の姿勢のまま充電池2を無理やり格納室3に挿入しようとした場合には、第1格納室部31において充電池2に大きな摩擦抵抗が及ぶこととなる。即ち、充電池2が第1の姿勢で挿入されるときよりも、充電池2が第2の姿勢で挿入されるときの方が充電池2に大きな摩擦抵抗が及ぶこととなる。
【0027】
第2の姿勢のまま、充電池2の非対称部分22が無理やり第2格納室部32まで挿入された後は、図12(b)に示される様に、第1格納室部31は、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21を通過させると共に、第2格納室部32は、殆ど抵抗なく充電池2の対称部分21及び非対称部分22の何れをも通過させる。
【0028】
上記デジタルカメラによれば、第1の姿勢においては、充電池2は、第1格納室部31及び第2格納室部32の何れをも殆ど抵抗なく通過し、格納室3に格納されることとなる。
一方、第2の姿勢においては、充電池2が第1格納室部31を通過するときに大きな摩擦抵抗が該充電池2に及ぶので、デジタルカメラの利用者は、挿入する充電池2の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。よって、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま挿入されることが防止されることとなる。
【0029】
又、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該充電池2を格納室3から引き抜こうとした場合、充電池2は、第2格納室部32からは受けたとしても小さな摩擦抵抗を受けるだけであるので、従来の電子機器のように格納室3全体から大きな摩擦抵抗を受けることがない。よって、充電池2が誤った姿勢で格納室3に挿入された場合であっても、容易に充電池2を格納室3から引き抜くことが出来る。
【0030】
更に本実施の形態においては、第1格納室部31が格納室3の入口3a側に配置され、第2格納室部32が格納室3の奥方側に配置されているので、デジタルカメラの利用者は、充電池2を格納室3に挿入する初期の段階において、充電池2の姿勢が誤った姿勢であることを認識することが出来る。或いは、充電池2の姿勢が誤った姿勢であることを視覚的に認識することが出来る。
【0031】
更に又、本実施の形態においては、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であっても、充電池2の非対称部分22が第1格納室部31を通過した後は、充電池2は、第1格納室部31及び第2格納室部32の何れからも殆ど摩擦抵抗を受けることがない。従って、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合でも、充電池2は、第1格納室部31を形成する内壁311によって傷付けられにくい。
【0032】
図13(a)は、上記デジタルカメラに対する改良形態の例を示している。図13(a)に示される様に、第1格納室部31を形成する内壁311は、第2格納室部32を形成する内壁321に対して格納室3の内側に突出すると共に、格納室3の奥方側に、該格納室3の入口3a側に向かって拡がる傾斜面314,315を有していてもよい。
【0033】
該改良形態の例によれば、充電池2が格納室3に誤った姿勢のまま無理やり挿入された場合であって、利用者が該充電池2を格納室3から引き抜こうとした場合において、図13(b)に示される様に、充電池2の非対称部分22、具体的には該非対称部分22の角部227,228が、第1格納室部31を形成する内壁311の傾斜面314,315に当接する共に該傾斜面314,315に沿って入口側に向かって斜めに摺動するので、より小さな力でも充電池2を格納室3から引き抜くことが可能である。
【0034】
図14及び図15は、上記デジタルカメラに対する改良形態の他の例を示している。図14に示される様に、格納室3は2つの第1格納室部31と1つの第2格納室部32を有し、2つの第1格納室部31によって第2格納室部32を挟んだ状態で、これらの格納室部を奥行き方向に並べてもよい。
【0035】
又、図15に示される様に、複数の第2格納室部32を格納室3に設けてもよい。尚、図15では、2つの第2格納室部32が格納室3に設けられた形態が示されている。
【0036】
図16及び図17は、上記デジタルカメラに対する改良形態の更に他の例を示している。充電池2の非対称部分22の断面形状、及び格納室3の第1格納室部31の断面形状は、図10に示される形状に限られるものではなく、図16に示される様に、2軸X1,X2のうち他方の軸X2に対して非対称であってもよい。これにより、非対称部分22の断面形状、及び第1格納室部31の断面形状は、挿入方向軸Zの回りで回転非対称となる。
【0037】
又、充電池2の非対称部分22の断面形状、及び格納室3の第1格納室部31の断面形状は、図17に示される様に、両軸X1,X2に対して非対称であってもよい。但し、この場合、充電池2の非対称部分22の断面形状、及び格納室3の第1格納室部31の断面形状は、図17に示される形状のように、挿入方向軸Zの回りで回転非対称となる必要がある。
【0038】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上述した技術は、デジタルカメラに限らず、ビデオカメラや携帯電話機など、格納室を有する種々の電子機器に適用することができる。又、格納室に格納される物品は、充電池に限らずバッテリパックやメモリカードなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】該デジタルカメラを底面側から見た斜視図である。
【図3】該デジタルカメラにおいて格納室に充電池が挿入されようとしている状態を示す斜視図である。
【図4】該デジタルカメラを底面側から見た平面図である。
【図5】図4に示されるV−V線に沿う断面図である。
【図6】図5に示されるVI領域の拡大図である。
【図7】該デジタルカメラに用いられる充電池を示す斜視図である。
【図8】図7に示されるVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図7に示されるIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】第1の姿勢における充電池と第1格納室部との位置関係を示す図である。
【図11】第1の姿勢或いは第2の姿勢における充電池と第2格納室部との位置関係を示す図である。
【図12】第2の姿勢における充電池と第1格納室部との位置関係を示す図である。
【図13】上記デジタルカメラに対する改良形態の一例を示す断面図である。
【図14】上記デジタルカメラに対する改良形態の他の例の1つを示す断面図である。
【図15】上記デジタルカメラに対する改良形態の他の例の1つを示す断面図である。
【図16】上記デジタルカメラに対する改良形態の更なる他の例の1つを示す断面図である。
【図17】上記デジタルカメラに対する改良形態の更なる他の例の1つを示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 カメラ本体
2 充電池(物品)
21 対称部分
22 非対称部分
3 格納室
3a 入口
31 第1格納室部
311 内壁
314,315 傾斜面
32 第2格納室部
321 内壁
X1,X2 直交する2軸
Z 挿入方向軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を格納するための格納室が形成され、該格納室は、該物品を挿入するための入口を有し、該物品は、挿入方向に垂直な断面の形状が互いに直交する2軸の少なくとも何れか一方の軸に対して非対称な部分を有している電子機器において、
前記格納室は、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部と第2格納室部とを有し、第1格納室部は、前記物品が第1の姿勢で挿入されるときよりも、該物品が挿入方向軸を中心として反転した第2の姿勢で挿入されるときの方が物品に大きな摩擦抵抗を及ぼす第1断面形状を有する一方、第2格納室部は、前記物品が前記第1の姿勢と第2の姿勢の何れの姿勢で挿入されるときにも、該物品が前記第2の姿勢で挿入されるときに前記第1の断面形状が該物品に及ぼす摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗で物品を通過させる第2断面形状を有していることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の断面形状は、前記第1の姿勢における物品の非対称部分の断面形状と略相似の形状であって、該物品が前記第1の姿勢で挿入されるときに該物品の周囲に隙間が形成され、前記第2の断面形状は、前記第1の姿勢における物品の非対称部分の断面形状と前記第2の姿勢における物品の非対称部分の断面形状とを重ね合わせた形状よりも、輪郭の大きな形状を呈している請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1格納室部は格納室の入口側に配置され、前記第2格納室部は格納室の奥方側に配置されている請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1格納室部を形成する内壁は、前記第2格納室部を形成する内壁に対して格納室の内側に突出すると共に、前記格納室の奥方側に、該格納室の入口側に向かって拡がる傾斜面を有している請求項1乃至請求項3に記載の電子機器。
【請求項1】
物品を格納するための格納室が形成され、該格納室は、該物品を挿入するための入口を有し、該物品は、挿入方向に垂直な断面の形状が互いに直交する2軸の少なくとも何れか一方の軸に対して非対称な部分を有している電子機器において、
前記格納室は、その奥行き方向に並ぶ第1格納室部と第2格納室部とを有し、第1格納室部は、前記物品が第1の姿勢で挿入されるときよりも、該物品が挿入方向軸を中心として反転した第2の姿勢で挿入されるときの方が物品に大きな摩擦抵抗を及ぼす第1断面形状を有する一方、第2格納室部は、前記物品が前記第1の姿勢と第2の姿勢の何れの姿勢で挿入されるときにも、該物品が前記第2の姿勢で挿入されるときに前記第1の断面形状が該物品に及ぼす摩擦抵抗よりも小さな摩擦抵抗で物品を通過させる第2断面形状を有していることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の断面形状は、前記第1の姿勢における物品の非対称部分の断面形状と略相似の形状であって、該物品が前記第1の姿勢で挿入されるときに該物品の周囲に隙間が形成され、前記第2の断面形状は、前記第1の姿勢における物品の非対称部分の断面形状と前記第2の姿勢における物品の非対称部分の断面形状とを重ね合わせた形状よりも、輪郭の大きな形状を呈している請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1格納室部は格納室の入口側に配置され、前記第2格納室部は格納室の奥方側に配置されている請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1格納室部を形成する内壁は、前記第2格納室部を形成する内壁に対して格納室の内側に突出すると共に、前記格納室の奥方側に、該格納室の入口側に向かって拡がる傾斜面を有している請求項1乃至請求項3に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−107684(P2010−107684A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278976(P2008−278976)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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