説明

電子機器

【課題】 ストレージ装置の誤動作を防止すると共に、誤動作防止のための制御をより柔軟に選択可能とすることを目的とする。
【解決手段】 テレビジョン受像機1は、受信したコンテンツを記録再生するHDD23を内蔵している。更に、スピーカ14から出力する音量値を制御する音量制御部18と、映像表示部13にて警告画面を表示するOSD信号を生成するOSD信号生成部19とを有する。リモートコントローラ4又は操作部20から指定された音量値が音量制御部18の記憶部18aに記憶された音量閾値よりも大きく、且つHDD23が動作中であると判別された場合には、HDD23を制御する。若しくは音量制御部18により音量値を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を受信し録画再生を行う電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでバッテリ駆動可能な携帯型パーソナルコンピュータが開発されてきた。パーソナルコンピュータの多くは、スピーカを内蔵し、ストレージ装置にて記憶した音声データを出力することができる。このストレージ装置としてハードディスクドライブ(以後HDDと表記する)等が広く用いられている。このHDDに記録された音楽データを再生する場合、内蔵されたスピーカが振動することで筐体が共振する可能性がある。筐体が共振した場合、HDDにも振動がもたらされることでヘッドとディスクとの距離が一時的に乱れ、ディスクへの書き込み及び読み込みにおけるHDDの誤動作が起こる。
【0003】
このスピーカの振動に起因するストレージ装置の誤動作を防止するため、筐体内に振動センサを設けた情報処理装置が公開されている。即ち、振動センサにて筐体の振動を感知し、ストレージ装置の動作に支障をきたすレベルの振動を感知した場合、スピーカからの出力音量を低減するものである(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−151017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受信した映像コンテンツの録画・再生を行うためのストレージ装置を内蔵したテレビジョン受像機が開発されている。このようなテレビジョン受像機は、ストレージ装置を搭載したレコーダをテレビジョン受像機に接続して映像コンテンツの録画再生を行う場合に比べて、操作性に優れ、配線の煩わしさがないという利点がある。このストレージ装置を内蔵したテレビジョン受像機においても、上述のパーソナルコンピュータと同様の課題が生じる。即ち、テレビジョン受像装置に内蔵されたスピーカの振動により、内蔵されたHDD等のストレージ装置に振動がもたらされる。従って、受信したコンテンツを録画及び再生するストレージ装置の動作に支障が発生する虞がある。
【0005】
開示されている上述の技術をテレビジョン受像機に適応した場合、自動的に音量制御されることは時にユーザにとって不都合となる虞がある。例えば、大人数でテレビジョン受像機にて番組を視聴している場合には、現在視聴している再生音量を変更したくないという要求が有り得る。また何ら告知なしに出力音量が低減されることも、ユーザにとって不都合となり得る。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ストレージ装置の誤動作を防止すると共に、誤動作防止のための制御をより柔軟に選択することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、前記コンテンツ受信部にて受信したコンテンツを記録する記録装置と、再生されるコンテンツの音声を出力する音声出力部と、前記再生されるコンテンツの映像を出力する映像出力部と、前記音声出力部にて出力される音声の音量値を指定する操作情報を受信する操作情報受信部と、前記操作情報受信部にて受信した操作情報の指定する音量値が、所定の音量値よりも大きいか否かを判別する第1の判別部と、前記記録装置が動作中であるか否かを判別する第2の判別部と、前記第1の判別部及び前記第2の判別部により、前記音量値が前記所定の音量値よりも大きく且つ前記記録装置が動作中であると判別された場合、前記記録装置の動作を制御する旨を表示する第1の警告画面を出力する警告画面出力部と、前記動作中であると判別された前記記録装置の動作を制御する記録装置制御部とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ストレージ装置の誤動作を防止すると共に、誤動作防止のための制御をより柔軟に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図10を用いて説明する。本発明に係る電子機器として、本実施の形態においてはテレビジョン放送受信機1を例に説明する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態におけるテレビジョン受像機の信号処理系を説明するために示すブロック構成図である。本実施の形態におけるテレビジョン受像機1は、入力端子5と、アナログチューナ部6と、A/D(Analog/Digital)変換部7と、入力端子8と、デジタルチューナ部9と、デコーダ部10と、セレクタ部11と、信号処理部12と、映像表示部13と、スピーカ14と、録画予約部15と、CPU(Central Processing Unit)16と、メモリ部17と、音量制御部18と、OSD(On Screen Display)信号生成部19と、操作部20と、受信部21と、HDDI/F(Hard Disk Drive Interface)22と、HDD(Hard Disk Drive)23とを備えている。
【0011】
入力端子5はアナログテレビジョン放送受信用アンテナ2で受信したアナログテレビジョン放送信号をアナログチューナ部6に伝送するために設けられている。
【0012】
アナログチューナ部6は、入力端子5を介して受信したアナログテレビジョン放送信号から所望のチャンネルの信号を選局し、選局された信号をA/D変換部7に出力する。
【0013】
A/D変換部7は、供給されたアナログテレビジョン放送信号をデジタル化し、セレクタ部11へ出力する。
【0014】
入力端子8は、デジタルテレビジョン放送受信用アンテナ3で受信したデジタルテレビジョン放送信号をデジタルチューナ部9へ伝送するために設けられている。
【0015】
デジタルチューナ部9は、入力端子8を介して受信したデジタルテレビジョン放送信号から所望のチャンネルの信号を選局し、選局された信号をデコーダ部10に出力する。
【0016】
デコーダ部10は、供給されたデジタルテレビジョン放送信号に、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)2デコード処理を施し、セレクタ部11へ出力する。
【0017】
セレクタ部11は、A/D変換部7及びデコーダ部10から入力されるデジタル化されたテレビジョン放送信号から1つを選択し、信号処理部12へ出力する。
【0018】
信号処理部12は、セレクタ部11で選択されたデジタルテレビジョン放送信号、音量制御部18から入力される音声信号、OSD信号生成部19から入力されるOSD信号等に所定の信号処理を施し、映像表示部13及びスピーカ14へ出力する。
【0019】
映像表示部13は、入力されたデジタル映像信号に基づいて、映像表示を行う。映像表示部13は例えば、液晶パネル等を備えた平面パネル型ディスプレイから構成される。
【0020】
スピーカ14は、信号処理部12より入力されたデジタル音声信号に基づいて、音声を出力する。
【0021】
録画予約部15は、HDD23に記録するコンテンツの予約情報を記憶及び管理する。
【0022】
CPU16は、操作部20及び受信部21から受信した操作情報の示す操作内容が各部に反映されるように制御を行う。本実施の形態においては、音量制御部18の判別結果に従い、HDDI/F22へHDD23を制御するための操作情報を出力したりする。
【0023】
メモリ部17は、CPU16が実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、CPU16に作業エリアを提供するためのRAM(Ramdom Access Memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
【0024】
音量制御部18は、設定音量値が音量閾値を超えるか否かを判別し、判別結果に基づいて音声制御信号を信号処理部12に出力する。この音量に関する判別に用いる音量閾値は、音量制御部18の記憶部18aにて記憶される。この音量閾値は、HDD23の動作に支障をきたす虞のある音量値とする。音量制御部18から出力される音声制御信号が信号処理部12において処理が施され、スピーカ14から出力される音声の音量値が制御される。
【0025】
OSD信号生成部19は、音量制御部18による判別結果に基づき対応する警告画面を表示するOSD信号を生成し、信号処理部12へ出力する。OSD信号生成部19から入力されるOSD信号が信号処理部12において処理が施され、映像表示部13にて警告画面が表示される。
【0026】
操作部20は、テレビジョン受像機1に対する操作情報を受付け、CPU16に操作情報を出力する。例えば主電源スイッチや音量値を選択するスイッチ等がある。
【0027】
受信部21は、リモートコントローラ4から無線送信された操作情報を受信し、CPU16に出力する。
【0028】
HDDI/F22は、CPU16とHDD23との各種制御情報の送受信の仲介を行う。
【0029】
HDD23は、受信した各種テレビジョン放送を記憶するストレージ装置である。
【0030】
本実施の形態においてはテレビジョン受像機1の構成を上述のようにしたが、もちろんこれに限られることはない。例えば、各種テレビジョン放送と同様に、インターネット上から動画コンテンツを受信し、録画再生が行えるとしても良い。
【0031】
また本実施の形態においてはストレージ装置としてHDD23を例に説明をしたが、これに限られずODD(Optical Disk Drive)等でも良い。
【0032】
本実施の形態におけるHDD23の制御の概略を説明する。まず、リモートコントローラ4又は操作部20をユーザが操作し、音量値の変更を示す操作情報がCPU16に入力される。次に、その操作情報により指定される音量値が閾値よりも大きく、且つHDD23が動作中である場合は、映像表示部13にて警告画面を表示させ、HDD23の動作を制御する。
【0033】
次に、本実施の形態におけるHDD23の制御手順を図2を用いて説明する。図2は第1の実施の形態におけるHDD23の制御の手順を示すフローチャートである。
【0034】
まず、音量制御部18は、入力された操作情報が音量値の変更を示す操作情報であるか否かを判別する(ステップS11)。その結果、音量値の変更を示す操作情報ではないと判別した場合(ステップS11のNo)、音量値の変更を示す操作情報であると判別するまで以後の処理は行わない。一方、音量値の変更を示す操作情報であると判別した場合(ステップS11のYes)、次に、その操作情報により指定された音量値が、閾値よりも大きいか否かを判別する(ステップS12)。閾値とはHDD23の動作に支障をきたす音量値であり、音量制御部18の記憶部18aに記憶されている。
【0035】
その結果、閾値以下であると判別した場合(ステップS12のNo)、その操作情報の指定する音量値に音量値を変更する(ステップS13)。即ち、HDD23の動作に支障をきたす音量値以下の音量値に変更する場合は、HDD23に支障は発生しないので操作情報に従って音量値を変更する。一方、閾値より大きいと判別した場合(ステップS12のYes)、次にCPU16が、HDD23が動作中であるか否かを判別する(ステップS14)。
【0036】
その結果、HDD23が動作中ではないと判別した場合(ステップS14のNo)、その操作情報の指定する音量値に音量値を変更する(ステップS15)。即ち、HDD23が動作していない場合には、音量値をHDD23の動作に支障をきたす音量値に変更しても特に問題は発生しない。一方、HDD23が動作中であると判別した場合(ステップS14のYes)、次にOSD信号生成部19が、HDD23を制御する旨を示す警告画面を表示するOSD信号を生成し、信号処理部12に出力する(ステップS16)。信号処理部12にてOSD信号が他の映像信号等と共に所定の信号処理が施され、映像表示部13により映像表示される。HDD23を制御する旨を示す警告画面については、後に例示する。
【0037】
次にCPU16が、HDD23の制御に関する操作情報をHDDI/F22に出力し、その操作情報を受信したHDD23は制御される(ステップS17)。HDD23の制御とは例えば、HDD23の録画動作や再生動作を停止することであり、以下は停止する場合について説明する。
【0038】
尚、本実施の形態においては操作情報により指定された音量値が、閾値よりも大きいか否かを判別(ステップS12)した後に、HDD23が動作中であるか否かを判別する(ステップS14)順としたが、必ずしもこれに限られない。即ちHDD23が動作中であるか否かの判別を行った後に、操作情報により指定された音量値が閾値よりも大きいか否かを判別するとしても良い。
【0039】
また、本実施の形態においては警告画面を表示するOSD信号を生成及び信号処理部12に出力(ステップS16)した後に、HDD23の制御を行う(ステップS17)の順としたが、必ずしもこれに限られない。即ちHDD23の制御を行った後に、警告画面を表示するOSD信号を生成するとしても良い。
【0040】
図3は第1の実施の形態における録画動作中の警告画面の例である。まずテレビジョン受像機1の構造について説明する。図3はテレビジョン受像機1を正面側から見た状態を示しており、主として薄型のキャビネット31と、これを支持する支持台32とから構成されている。キャビネット31の正面中央部に映像表示部13が配置され、両側面にはスピーカ14が配置されステレオ音声再生が行えるようになっている。正面下部には、リモートコントローラ4から無線送信された操作情報を受信するための受信部21と、電源スイッチ等の操作部20が配置されている。また本実施の形態に係るテレビジョン受像機1は、キャビネット31内にHDD23が内蔵されている。
【0041】
HDD23の録画動作中に閾値より大きい音量値の指定が行われた場合は、映像表示部13に図3に図示するような警告画面を表示し、録画動作を停止する。
【0042】
図4は第1の実施の形態における再生動作中の警告画面の例である。HDD23の再生動作中に閾値より大きい音量値の指定が行われた場合は、図4に例示するような警告画面を表示し、再生動作を停止する。
【0043】
第1の実施の形態によれば、HDD23の動作に支障をきたす音量以上の音量値が設定された場合に、HDD23が動作中であればHDD23の動作を制御する。即ち録画及び再生動作中のHDD23に、大音量を出力するスピーカから過度の振動がもたらされることを抑制できる。従って、HDD23等のストレージ装置においてコンテンツの録画再生の失敗を防止することができる。
【0044】
次に本発明の第2の実施の形態について、図5を用いて説明する。図5は第2の実施の形態における音量値制御の仕組みを示したグラフである。グラフの横軸は設定音量値を、縦軸は出力音圧を示している。ここで設定音量値とは、出力可能な出力音量を100段階に分けて設定したものであり、単位は通常Volで表示される。この設定音量値は、操作部20やリモートコントローラ4から指定される。また出力音圧とは、音声信号をスピーカ14に入力した場合に、スピーカ14から出力する音声の大きさを示し、単位は通常dBである。HDD23の動作に支障が発生する音量値を音量閾値として設定し、音量制御部18の記憶部18aにて記憶されている。実線のグラフは、HDD23が非動作中の設定音量値と出力音圧の関係を示し、設定音量値と出力音圧は比例関係にある。即ち設定音量値を閾値以上と設定した場合にも、出力音圧は設定音量値に伴い大きくなる。一方、点線で示したグラフはHDD23が動作中の設定音量値と出力音圧の関係を示している。設定音量値を閾値以上と設定した場合は、出力音圧が一定に保たれている。即ち、HDD23が動作中である場合は、HDD23に支障をきたす音量を出力しないことを示している。
【0045】
次に、図6を用いて音量値の制御の処理手順を説明する。図6は第2の実施の形態における音量値制御の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートと同様のステップについては、同じ符号で示し説明は省略する。
【0046】
ステップS14にてHDD23が動作中であると判別した場合(ステップS14のYes)、次に、OSD信号生成部19により音量値の制御を行う旨を示す警告画面を表示するOSD信号を生成し、信号処理部12に出力する(ステップS26)。信号処理部12にてOSD信号と映像信号とに所定の信号処理が施され、映像表示部13により映像表示される。音量値を制御する旨を示す警告画面については、後に例示する。
【0047】
次に、音量制御部18から音量値制御の操作情報を信号処理部12に出力し、スピーカ14から出力する音量の制御を行う(ステップS27)。即ち閾値以上の設定音量値を指定した場合には、スピーカ14から出力する音量値は閾値に保たれる。
【0048】
尚、本実施の形態においては警告画面を表示するOSD信号を生成及び信号処理部12に出力(ステップS26)した後に、スピーカ14から出力する音量の制御を行う(ステップS27)の順としたが、必ずしもこれに限られない。即ちスピーカ14から出力する音量の制御を行った後に、警告画面を表示するOSD信号を生成するとしても良い。
【0049】
図7は第2の実施の形態における録画動作中の警告画面の例である。録画動作中に閾値より大きい音量値の指定を行った場合は、図7に例示するような警告画面を表示し、録画動作中の再生音量値を制御する。
【0050】
図8は第2の実施の形態における再生動作中の警告画面の例である。再生動作中に閾値より大きい音量値の指定を行った場合は、図8に例示するような警告画面を表示し、再生動作中の再生音量値を制御する。
【0051】
第2の実施の形態によれば、HDD23の動作に支障をきたす音量以上の音量値を設定した場合に、HDD23が動作中であれば音量値を制御する。即ち、録画及び再生動作中のHDD23に、大音量を出力するスピーカから過度の振動がもたらされることを抑制するように、音量値を制御しHDD23の録画及び再生動作を続行できる。
【0052】
尚、第1の実施の形態と第2の実施の形態との何れかをとるかをユーザにより選択可能としても良い。即ち、HDD23が動作中に閾値以上の音量値が指定された場合(ステップS14のYes)に、HDD23の動作を停止する(ステップS17)か、音量値を制御し(ステップS27)、スピーカ14の振動を抑制するかを選択可能とする。即ち、現在視聴している番組とは他の番組を録画する場合、現在視聴している番組の再生を優先する場合にはHDD23を制御する。一方、他の番組の録画を優先する場合には、現在視聴している番組の音量を制御する。
【0053】
次に本発明の第3の実施の形態について、図9を用いて説明する。図9は第3の実施の形態における録画予約がある場合の音量値制御の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートと同様のステップについては、同じ符号で示し説明は省略する。
【0054】
操作情報により指定された音量値が閾値より大きいと判別した場合(ステップS12のYes)、次に、録画予約部24に所定時間後に録画予約がされているか否かを判別する(ステップS34)。この所定時間はメモリ部17に記憶される。
【0055】
その結果、所定時間後に録画予約がされていないと判別された場合(ステップS34のNo)、その操作情報の指定する音量値に音量値を変更する(ステップS35)。即ち、所定時間後に録画予約に伴ってHDD23が動作する予定がない場合には、HDD23の動作に支障をきたす音量値で再生等を行っていても問題はない。一方、所定時間後に録画予約がされていると判別された場合(ステップS34のYes)、次に、OSD信号生成部19により予約された録画を開始するために音量値の制御を行う旨を示す警告画面を表示するOSD信号を生成し、信号処理部12に出力する(ステップS36)。信号処理部12にてOSD信号と映像信号とに所定の信号処理が施され、映像表示部13により映像表示される。予約された録画を開始するために音量値を制御する旨を示す警告画面については、後に例示する。
【0056】
次に、音量制御部18から音量値の制御の操作情報を信号処理部12に出力し、スピーカ14から出力する音量の制御を行う(ステップS37)。即ち、閾値以上の設定音量値を指定した場合には、スピーカ14から出力する音量は閾値に保たれる。
【0057】
尚、本実施の形態においては警告画面を表示するOSD信号を生成及び信号処理部12に出力(ステップS36)した後に、スピーカ14から出力する音量の制御を行う(ステップS37)の順としたが、必ずしもこれに限られない。即ちスピーカ14から出力する音量の制御を行った後に、警告画面を表示するOSD信号を生成するとしても良い。
【0058】
図10は、第3の実施の形態における録画予約がある場合の警告画面の例である。所定時間後に録画予約がある場合に閾値より大きい音量値の指定を行った場合は、図10に例示するような警告画面を表示し、再生音量を制御する。
【0059】
第3の実施の形態によれば、HDD23の動作に支障をきたす音量以上の音量値を設定し、且つ所定時間後に録画予約がされている場合、音量値を制御する。即ち、録画予約部24にて予約されている録画動作が開始される前に、スピーカ14から出力される音量をHDD23の動作に支障がない音量値に変更する。従って、大音量を出力するスピーカからの過度の振動がHDD23にもたらされることを抑制し、予約された録画動作が正常に行われる。例えば、予約していた番組の録画が開始される際に大音量で他の番組を視聴していた場合、音量値を制御することで録画動作に支障が出ることを防止することができる。
【0060】
本実施の形態においては録画予約がある場合、音量値を制御することとしたが必ずしもこれに限られない。即ち第1の実施の形態と同様にして、HDD23を制御するとしても良い。また、音量値とHDD23との何れかを制御するかをユーザにより選択可能としても良い。
【0061】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、ストレージ装置の誤動作を防止すると共に、誤動作防止のための制御をより柔軟に選択することができる。
【0062】
尚、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態におけるテレビジョン受像機の信号処理系を説明するために示すブロック構成図。
【図2】第1の実施の形態におけるHDDの制御の手順を示すフローチャート。
【図3】第1の実施の形態における録画動作中の警告画面の例。
【図4】第1の実施の形態における再生動作中の警告画面の例。
【図5】第2の実施の形態における音量値制御の仕組みを示したグラフ。
【図6】第2の実施の形態における音量値制御の手順を示すフローチャート。
【図7】第2の実施の形態における録画動作中の警告画面の例。
【図8】第2の実施の形態における再生動作中の警告画面の例。
【図9】第3の実施の形態における録画予約がある場合の音量値制御の手順を示すフローチャート。
【図10】第3の実施の形態における録画予約がある場合の警告画面の例。
【符号の説明】
【0064】
1 テレビジョン受像機
2 アナログテレビジョン放送受信用アンテナ
3 デジタルテレビジョン放送受信用アンテナ
4 リモートコントローラ
5 入力端子
6 アナログチューナ部
7 A/D変換部
8 入力端子
9 デジタルチューナ部
10 デコーダ部
11 セレクタ部
12 信号処理部
13 映像表示部
14 スピーカ
15 録画予約部
16 CPU
17 メモリ部
18 音量制御部
18a 記憶部
19 OSD信号生成部
20 操作部
21 受信部
22 HDD I/F
23 HDD
31 キャビネット
32 支持台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部にて受信したコンテンツを記録する記録装置と、
再生されるコンテンツの音声を出力する音声出力部と、
前記再生されるコンテンツの映像を出力する映像出力部と、
前記音声出力部にて出力される音声の音量値を指定する操作情報を受信する操作情報受信部と、
前記操作情報受信部にて受信した操作情報の指定する音量値が、既定の音量値よりも大きいか否かを判別する第1の判別部と、
前記記録装置が動作中であるか否かを判別する第2の判別部と、
前記第1の判別部及び前記第2の判別部により、前記音量値が前記所定の音量値よりも大きく且つ前記記録装置が動作中であると判別された場合、
前記記録装置の動作を制御する旨を表示する第1の警告画面を出力する警告画面出力部と、
前記動作中であると判別された前記記録装置の動作を制御する記録装置制御部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記記録装置制御部は、前記警告画面出力部により前記第1の警告画面を出力した後に前記記録装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の判別部及び前記第2の判別部により、前記音量値が前記所定の音量値よりも大きく且つ前記記録装置が動作中であると判別された場合、
前記警告画面出力部は、前記音声再生部にて出力する音声の音量値を制御する旨を表示する第2の警告画面を出力する
ことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記警告画面出力部により、前記第2の警告画面を出力した場合、前記音量値を前記所定の音量値以下に制御する音量値制御部とを更に有することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の警告画面と前記第2の警告画面との何れかを、前記警告画面出力部より出力するかの設定を行う設定部を有し、
前記第1の警告画面を出力すると設定した場合は、前記記録装置制御部により前記記録装置を制御し、
前記第2の警告画面を出力すると設定した場合は、前記音量値制御部により前記音量値を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
録画開始日時を指定して前記コンテンツの録画の予約を行う録画予約部と
前記第1の判別部により、前記音量値が前記所定の音量値よりも大きいと判別された場合、
前記録画予約部にて所定時間後に前記コンテンツの録画の予約がされているか否かを判別する第3の判別部と、
前記第3の判別部により、前記録画予約部にて前記記録装置が所定時間後に前記コンテンツの録画の予約がされていると判別した場合、
前記警告画面出力部は、予約されているコンテンツの録画を開始するため前記音量値を制御する旨を表示する第3の警告画面を出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記警告画面出力部により、前記第3の警告画面を出力した場合、前記音量値制御部により、前記音量値を前記所定の音量値以下に制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部にて受信したコンテンツを記録する記録装置と、
再生されるコンテンツの音声を出力する音声出力部と、
前記再生されるコンテンツの映像を出力する映像出力部と、
前記音声出力部より出力する音量値が既定の音量値よりも大きく且つ前記記録装置が動作中である場合、
前記動作中であると判別された前記記録装置の動作を制御する記録装置制御部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部にて受信したコンテンツを記録する記録装置と、
再生されるコンテンツの音声を出力する音声出力部と、
前記再生されるコンテンツの映像を出力する映像出力部と、
前記音声出力部にて出力される音声の音量値を指定する操作情報を受信する操作情報受信部と、
前記操作情報受信部にて受信した操作情報の指定する音量値が、既定の音量値よりも大きいか否かを判別する第1の判別部と、
前記記録装置が動作中であるか否かを判別する第2の判別部と、
前記動作中であると判別された前記記録装置の動作を制御する記録装置制御部と、
前記音量値を前記所定の音量値以下に制御する音量値制御部と、
録画開始日時を指定して前記コンテンツの録画の予約を行う録画予約部と、
前記第1の判別部により、前記音量値が前記所定の音量値よりも大きいと判別された場合、前記録画予約部にて所定時間後に前記コンテンツの録画の予約がされているか否かを判別する第3の判別部と、
前記第1の判別部及び前記第2の判別部により、前記音量値が前記所定の音量値よりも大きく且つ前記記録装置が動作中であると判別された場合、前記記録装置の動作を制御する旨を表示する第1の警告画面と、前記音声再生部にて出力する音声の音量値を制御する旨を表示する第2の警告画面とを出力し、
前記第3の判別部により、前記録画予約部にて前記記録装置が所定時間後に前記コンテンツの録画の予約がされていると判別した場合、予約されているコンテンツの録画を開始するため前記音量値を制御する旨を表示する第3の警告画面を出力する警告画面出力部と、
を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−130527(P2010−130527A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305047(P2008−305047)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】