電子機器
【課題】製造コストを低減できる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、内面にシールド層31を有し、開口部29が設けられた筐体と、筐体の内部に収容された収容部品と、筐体の外部に設けられ、収容部品と電気的に接続された第1導通部33と、この第1導通部33とは異なる第2導通部32とを有したモジュールと、開口部29からシールド層31に電気的に接続されるとともに、第2導通部32と当接されることで、シールド層31の電位と第2導通部32の電位とを同等にする当接部34と、開口部29近傍から延びて当接部34を支持する弾性の支持部35と、を有する接続部28と、を具備する。
【解決手段】電子機器は、内面にシールド層31を有し、開口部29が設けられた筐体と、筐体の内部に収容された収容部品と、筐体の外部に設けられ、収容部品と電気的に接続された第1導通部33と、この第1導通部33とは異なる第2導通部32とを有したモジュールと、開口部29からシールド層31に電気的に接続されるとともに、第2導通部32と当接されることで、シールド層31の電位と第2導通部32の電位とを同等にする当接部34と、開口部29近傍から延びて当接部34を支持する弾性の支持部35と、を有する接続部28と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波のシールドを施した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
導電部材を介して筐体と基板とを電気的に接続した電子機器が開示されている。この電子機器は、複数の導体パターンが設けられた筐体と、表面に配線層が設けられた基板と、導体パターンと配線層とを接続する導電部材と、を備えている。
【0003】
導電部材は、導電性ゴムなどからなる導電性弾性体である。この導電部材を間に介在させて回路基板を筐体に押し付けることによって、良好な電気的接続を確保している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−159636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電子機器では、導電部材を必要とするため、部品点数が増大しており、結果として製造コストが増大していた。
【0006】
本発明の目的は、製造コストを低減できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、内面にシールド層を有し、開口部が設けられた筐体と、前記筐体の内部に収容された収容部品と、前記筐体の外部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された第1導通部と、この第1導通部とは異なる第2導通部とを有したモジュールと、前記開口部から前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記第2導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記第2導通部の電位とを同等にする当接部と、前記開口部近傍から延びて前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、を具備した。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、内面にシールド層を有した筐体と、前記筐体の内部に収容された収容部品と、前記筐体の内部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする当接部と、前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、を具備した。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、内面にシールド層を有した筐体と、前記筐体の内部に収容された収容部品と、前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部に弾力的に当接して前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする接続部と、を具備した。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、製造コストを低減した電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。
【図2】図1に示すポータブルコンピュータを示す下面図。
【図3】図2に示すポータブルコンピュータのカバーを取り外した状態を示した下面図。
【図4】図3に示すポータブルコンピュータのF4−F4線に沿った断面図。
【図5】図4に示すポータブルコンピュータのAで示す部分を拡大して示した断面図。
【図6】図3に示すポータブルコンピュータのHDDモジュールを取り外した状態を示した下面図。
【図7】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータのキーボードモジュールを取り外して示した上面図。
【図8】第3の実施形態に係るポータブルコンピュータの本体キャビネット、ODDモジュールおよび接続片を示した上面図。
【図9】図10に示すポータブルコンピュータの接続片を拡大して示した正面図。
【図10】図9に示すポータブルコンピュータの接続片を拡大して示した断面図。
【図11】第1から第3の実施形態のポータブルコンピュータの変形例にかかる接続片を示した上面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図1から図6を参照して、電子機器の第1の実施形態について説明する。本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方向F、ユーザから見て奥側を後方向R、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。
【0013】
図1に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、表示ユニット13と、本体ユニット12と表示ユニット13との間に設けられるヒンジ部14と、を備えている。ヒンジ部14は、表示ユニット13を回転可能に支持している。
【0014】
表示ユニット13は、ディスプレイ15と、ディスプレイ15の周囲を取り囲む合成樹脂製のディスプレイキャビネット16と、を有している。ディスプレイ15の一例として、本実施形態では、液晶ディスプレイが搭載されている。
【0015】
図1から図4に示すように、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体キャビネット21と、本体キャビネット21の上面に取り付けられたキーボード22およびタッチパッド23と、本体キャビネット21の底面に形成された凹部24と、本体キャビネット21の内部に収容されたプリント回路板25と、本体キャビネット21の凹部24に固定されるモジュールの一例であるHDD(Hard Disk Drive)モジュール26と、HDDモジュール26を収容した凹部24を塞ぐためのカバー27と、本体キャビネット21の一部に作りこまれた接続部28と、を有している。
【0016】
図5に示すように、本体キャビネット21は、その内面に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜であるシールド層31を有している。シールド層31は、本体キャビネット21内部の回路部品等から発生する電磁波が、本体キャビネット21を透過して外部に漏洩したり、逆に外部からの電磁波が本体キャビネット21内部の回路部品に悪影響を及ぼしたりすることを防止する。
【0017】
HDDモジュール26は、凹部24内ではあるが、厳密には本体キャビネット21の外部に固定されている。HDDモジュール26は、本体キャビネット21内部の収容部品の一例であるプリント回路板25と電気的に接続されている。プリント回路板25は、CPUなどの回路部品を有している。なお、本発明にいう筐体は、本体キャビネット21とディスプレイキャビネット16とを含んだ概念である。
【0018】
図3から図6に示すように、HDDモジュール26は、凹部24の内側に装着したり、凹部24の内側から取り外したり可能になっている。HDDモジュール26は、金属板金を箱形に折り曲げて形成した第2導通部32と、第2導通部32の内部に収容されるHDDユニットと、第2導通部32の外部に取り付けられた第1導通部である取付金具33と、を有している。第2導通部32は、HDDモジュール26の外殻をなしている。
【0019】
接続部28は、本体キャビネット21と一体に設けられており、本体キャビネット21の開口部29近傍から延びてアーム状に突出している。接続部28の周囲には、開口部29が設けられている。接続部28は、開口部29内に突出している。接続部28は、開口部29を経由してシールド層31に電気的に接続される。接続部28は、周囲の本体キャビネット21と平行な方向に延びている。接続部28は、電気伝導性を有しており、第2導通部32に弾力的に当接して第2導通部32および取付金具33の電位とシールド層31の電位とを同等にすることができる。
【0020】
接続部28は、HDDモジュール26の第2導通部32に当接する当接部34と、当接部34を片持ちで弾力的に支持する支持部35と、を有している。当接部34は、接続部28の先端部に設けられている。
【0021】
当接部34は、支持部35よりも第2導通部32に近い位置となるように第2導通部32に向けて突出している。図5に示すように、支持部35は、第2導通部32の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退できるように当接部34を支持している。また、接続部28は、合成樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を取り囲んでいる電気伝導性の被覆層37と、本体部分36を厚み方向に貫通している貫通孔38と、を有している。図6に示すように、貫通孔38は、長孔として形成されており、接続部28の延びている方向に沿った方向に長くなっている。
【0022】
被覆層37は、本実施形態では、アルミシートで構成されている。被覆層37は、HDDモジュール26の第2導通部32を本体キャビネット21のシールド層31に接地している。
【0023】
第1の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、内面にシールド層31を有し、開口部29が設けられた筐体と、筐体の内部に収容された収容部品と、筐体の外部に設けられ、収容部品と電気的に接続された第1導通部33と、この第1導通部33とは異なる第2導通部32とを有したモジュールと、開口部29からシールド層31に電気的に接続されるとともに、第2導通部32と当接されることで、シールド層31の電位と第2導通部32の電位とを同等にする当接部34と、開口部29近傍から延びて当接部34を支持する弾性の支持部35と、を有する接続部28と、を具備する。
【0024】
この構成によれば、筐体の一部に設けられた接続部28によってモジュールの第2導通部32を筐体のシールド層31に接地できるため、別途に導電部材が不要となり、部品点数を削減して、その結果製造コストを低減することができる。
【0025】
また、支持部35は、第2導通部32の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退可能に片持ちで支持する。この構成によれば、当接部34を導通部32に弾力的に接触させる構成を極めて簡単な構造で実現することができる。
【0026】
さらに、接続部28は、樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を覆った電気伝導性の被覆層37と、を有する。この構成によれば、接続部28に電気伝導性および弾力性を持たせることができる。支持部35は、その厚み方向に貫通した貫通孔38を有し、貫通孔38は、接続部28の延びる方向に沿って延びている。この構成によれば、支持部35により一層弾力性を持たせることができる。
【0027】
なお、第1の実施形態では、支持部35は、当接部34を片持ちで支持するようになっているが、これに限定されるものではなく、第3の実施形態のように、両持ちで当接部34を支持するものであってもよい。
【0028】
続いて、図7を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、モジュールの種類および設置位置が異なる点および接続部28の位置が異なる点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0029】
第2の実施形態では、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体キャビネット21と、本体キャビネット21の上面に設けられた取付部41と、本体キャビネット21の取付部41内に固定されるモジュールの一例であるキーボードモジュール42と、本体キャビネット21の内部に収容されたプリント回路板25と、本体キャビネット21と一体に設けられた接続部28と、を有している。
【0030】
本体キャビネット21は、その内面に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜であるシールド層31を有している。取付部41は、本体キャビネット21の周囲よりも窪んで平らになっている。取付部41は、キーボードモジュール42の爪部47が差し込まれる差込孔43を有している。キーボードモジュール42は、取付部41の内側の位置で、本体キャビネット21の外部に固定されている。
【0031】
キーボードモジュール42は、金属製で平板状の導通部44と、導通部44上に配置される複数のキー45と、を有している。キーボードモジュール42は、接続部28と接触する箇所である導通部44の下面に、さらに電気伝導性を向上するためにアルミシートが接着されている。導通部44は、キーボードモジュール42の支持基板をなしている。キーボードモジュール42は、本体キャビネット21内部の収容部品の一例であるプリント回路板25と電気的に接続されている。導通部44は、ねじを固定するためのねじ固定部46と、取付部41に固定するための爪部47と、を有する。ねじ固定部46は、導通部44の後方向Rの端部に配置されている。
【0032】
接続部28は、第1の実施形態とほぼ同様の形態を有している。すなわち、接続部28は、本体キャビネット21の取付部41からアーム状に突出しており、周囲の取付部41と平行な方向に延びている。接続部28は、開口部29内に突出している。接続部28は、キーボードモジュール42の導通部44に当接する当接部34と、当接部34を片持ちで弾力的に支持する支持部35と、を有している。当接部34は、支持部35よりも導通部44に近い位置となるように導通部44に向けて突出している。支持部35は、導通部44の接触面と略直交(交差)する方向に当接部を進退できるように当接部34を支持している。また、接続部28は、合成樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を取り囲んでいる電気伝導性の被覆層37と、を有している。
【0033】
接続部28は、本体キャビネット21の取付部41に設けられるねじ固定孔48に対応する位置に配置されている。接続部28は、取付部41の差込孔43の近傍で、取付部41の前方向Fに寄った位置に設けられている。
【0034】
被覆層37は、本実施形態では、アルミシートで構成されている。被覆層37は、キーボードモジュール42の導通部44を本体キャビネット21のシールド層31にアースしている。同様に、キーボードモジュール42の導通部44は、ねじ固定部46に固定されるねじを介して、シールド層31と電気的に接続されたねじ固定孔48に接地される。
【0035】
第2の実施形態によれば、モジュールは、キーボードモジュール42で構成される。よって、キーボードモジュール42を本体キャビネット21のシールド層31に接地して、キーボードモジュール42から電磁波の不要輻射が出てしまうことを防止することができる。
【0036】
なお、第2の実施形態では、支持部35は、当接部34を片持ちで支持するようになっているが、これに限定されるものではなく、第3の実施形態のように、両持ちで当接部34を支持するものであってもよい。
【0037】
続いて、図8から図10を参照して、電子機器の第3の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、モジュールの種類および設置箇所が異なる点および接続部28の形態が異なる点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0038】
第3の実施形態では、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体キャビネット21と、本体キャビネット21の内部に収容されたモジュールの一例であるODD(Optical Disk Drive)モジュール51と、本体キャビネット21の内部に収容されたプリント回路板25と、本体キャビネット21と一部に設けられた接続部28と、を有している。本体キャビネット21は、キーボード22およびタッチパッド23が固定された上ケースと、凹部24が設けられた下ケースを含んでいる。図8では、本体キャビネット21の下ケースのみを示している。
【0039】
本体キャビネット21は、その内面に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜であるシールド層31を有している。
【0040】
ODDモジュール51は、金属板金を箱形に折り曲げて形成した導通部52と、導通部52の内部に収容されるODDユニットと、を有している。導通部52は、ODDモジュール51の外殻をなしている。ODDモジュール51は、本体キャビネット21の内部に固定されている。ODDモジュール51は、本体キャビネット21内部の収容部品の一例であるプリント回路板25と電気的に接続されている。
【0041】
図10に示すように、接続部28は、本体キャビネット21と一体に設けられており、本体キャビネット21の底壁から起立したリブ壁53から、台形状に突出している。接続部28は、ODDモジュール51の導通部52に当接する当接部34と、当接部34をいわゆる両持ちで支持している支持部35と、を有している。
【0042】
支持部35は、導通部52の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退できるように、当接部34を弾力的に支持している。また、接続部28は、合成樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を取り囲んでいる電気伝導性の被覆層37と、を有している。接続部28と上下に隣接する位置には、それぞれ水平方向に延びた長円形のスリット54が設けられており、当接部34および支持部35の弾力性が高められている。
【0043】
被覆層37は、本実施形態では、シールド層31と同様に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜で形成されており、シールド層31と連続している。被覆層37は、ODDモジュール51の導通部52を本体キャビネット21のシールド層31にアースしている。
【0044】
第3の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、内面にシールド層31を有した筐体と、筐体の内部に収容された収容部品と、筐体の内部に設けられ、収容部品と電気的に接続された導通部52を有したモジュールと、シールド層31に電気的に接続されるとともに、導通部52と当接されることで、シールド層31の電位と導通部52の電位とを同等にする当接部34と、当接部34を支持する弾性の支持部35と、を有する接続部28と、を具備する。
【0045】
この構成によれば、モジュールが筐体の内部に収容される場合であっても、筐体の一部に設けられた接続部28によってモジュールの導通部52を筐体のシールド層31に確実に接地することができる。このため、別途に導電部材が不要となり、製造コストを低減することができる。
【0046】
また、接続部28は、導通部52に当接した当接部34と、導通部52の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退可能に両持ちで支持した支持部35と、を有している。この構成によれば、当接部34を進退可能な構造を、より強い耐久性を保持して実現することができる。
【0047】
なお、第3の実施形態では、支持部35は、当接部34を両持ちで支持するようになっているが、これに限定されるものではなく、第1の実施形態のように、片持ちで当接部34を支持するものであってもよい。また、本実施形態において、被覆層37は、スパッタリング等の手法で形成した金属薄膜で形成されているが、これに限定されるものではなく、例えばアルミシート等で構成してもよい。
【0048】
続いて、図11を参照して、電子機器の第1から第3の実施形態の変形例について説明する。この変形例では、接続部28の形態が異なる点で第1から第3の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1から第3の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本変形例では、接続部28は、先端にいくにつれて、幅が細くなっている。このため、本変形例によれば、上記第1から第3の実施形態の接続部28に比して、支持部35においてさらに可撓性を向上させることができる。これによって、ポータブルコンピュータ11の落下など、外部から本体キャビネット21に衝撃が加わった際にも、接続部28に破損を生ずることがなく、モジュールの導通部32、44、52と本体キャビネット21のシールド層31との接続の信頼性を向上できる。
【0050】
電子機器は、上記実施形態に示したポータブルコンピュータ11用に限らず、例えば携帯電話機のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。また、上記第1から第3の実施形態では、被覆層37としてアルミシートを用いているが、これに限定されるものではなく、モジュールの導通部32、44、52を筐体のシールド層31に接地できるような構造であればどのようなものでもよく、被覆層37を例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜で形成してもよい。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
11…ポータブルコンピュータ、16…ディスプレイキャビネット、21…本体キャビネット、26…HDDモジュール、28…接続部、31…シールド層、32…第2導通部、44、52…導通部、34…当接部、35…支持部、36…本体部分、37…被覆層、38…貫通孔、42…キーボードモジュール、51…ODDモジュール
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波のシールドを施した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
導電部材を介して筐体と基板とを電気的に接続した電子機器が開示されている。この電子機器は、複数の導体パターンが設けられた筐体と、表面に配線層が設けられた基板と、導体パターンと配線層とを接続する導電部材と、を備えている。
【0003】
導電部材は、導電性ゴムなどからなる導電性弾性体である。この導電部材を間に介在させて回路基板を筐体に押し付けることによって、良好な電気的接続を確保している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−159636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電子機器では、導電部材を必要とするため、部品点数が増大しており、結果として製造コストが増大していた。
【0006】
本発明の目的は、製造コストを低減できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、内面にシールド層を有し、開口部が設けられた筐体と、前記筐体の内部に収容された収容部品と、前記筐体の外部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された第1導通部と、この第1導通部とは異なる第2導通部とを有したモジュールと、前記開口部から前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記第2導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記第2導通部の電位とを同等にする当接部と、前記開口部近傍から延びて前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、を具備した。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、内面にシールド層を有した筐体と、前記筐体の内部に収容された収容部品と、前記筐体の内部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする当接部と、前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、を具備した。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、内面にシールド層を有した筐体と、前記筐体の内部に収容された収容部品と、前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部に弾力的に当接して前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする接続部と、を具備した。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、製造コストを低減した電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。
【図2】図1に示すポータブルコンピュータを示す下面図。
【図3】図2に示すポータブルコンピュータのカバーを取り外した状態を示した下面図。
【図4】図3に示すポータブルコンピュータのF4−F4線に沿った断面図。
【図5】図4に示すポータブルコンピュータのAで示す部分を拡大して示した断面図。
【図6】図3に示すポータブルコンピュータのHDDモジュールを取り外した状態を示した下面図。
【図7】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータのキーボードモジュールを取り外して示した上面図。
【図8】第3の実施形態に係るポータブルコンピュータの本体キャビネット、ODDモジュールおよび接続片を示した上面図。
【図9】図10に示すポータブルコンピュータの接続片を拡大して示した正面図。
【図10】図9に示すポータブルコンピュータの接続片を拡大して示した断面図。
【図11】第1から第3の実施形態のポータブルコンピュータの変形例にかかる接続片を示した上面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図1から図6を参照して、電子機器の第1の実施形態について説明する。本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方向F、ユーザから見て奥側を後方向R、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。
【0013】
図1に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、表示ユニット13と、本体ユニット12と表示ユニット13との間に設けられるヒンジ部14と、を備えている。ヒンジ部14は、表示ユニット13を回転可能に支持している。
【0014】
表示ユニット13は、ディスプレイ15と、ディスプレイ15の周囲を取り囲む合成樹脂製のディスプレイキャビネット16と、を有している。ディスプレイ15の一例として、本実施形態では、液晶ディスプレイが搭載されている。
【0015】
図1から図4に示すように、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体キャビネット21と、本体キャビネット21の上面に取り付けられたキーボード22およびタッチパッド23と、本体キャビネット21の底面に形成された凹部24と、本体キャビネット21の内部に収容されたプリント回路板25と、本体キャビネット21の凹部24に固定されるモジュールの一例であるHDD(Hard Disk Drive)モジュール26と、HDDモジュール26を収容した凹部24を塞ぐためのカバー27と、本体キャビネット21の一部に作りこまれた接続部28と、を有している。
【0016】
図5に示すように、本体キャビネット21は、その内面に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜であるシールド層31を有している。シールド層31は、本体キャビネット21内部の回路部品等から発生する電磁波が、本体キャビネット21を透過して外部に漏洩したり、逆に外部からの電磁波が本体キャビネット21内部の回路部品に悪影響を及ぼしたりすることを防止する。
【0017】
HDDモジュール26は、凹部24内ではあるが、厳密には本体キャビネット21の外部に固定されている。HDDモジュール26は、本体キャビネット21内部の収容部品の一例であるプリント回路板25と電気的に接続されている。プリント回路板25は、CPUなどの回路部品を有している。なお、本発明にいう筐体は、本体キャビネット21とディスプレイキャビネット16とを含んだ概念である。
【0018】
図3から図6に示すように、HDDモジュール26は、凹部24の内側に装着したり、凹部24の内側から取り外したり可能になっている。HDDモジュール26は、金属板金を箱形に折り曲げて形成した第2導通部32と、第2導通部32の内部に収容されるHDDユニットと、第2導通部32の外部に取り付けられた第1導通部である取付金具33と、を有している。第2導通部32は、HDDモジュール26の外殻をなしている。
【0019】
接続部28は、本体キャビネット21と一体に設けられており、本体キャビネット21の開口部29近傍から延びてアーム状に突出している。接続部28の周囲には、開口部29が設けられている。接続部28は、開口部29内に突出している。接続部28は、開口部29を経由してシールド層31に電気的に接続される。接続部28は、周囲の本体キャビネット21と平行な方向に延びている。接続部28は、電気伝導性を有しており、第2導通部32に弾力的に当接して第2導通部32および取付金具33の電位とシールド層31の電位とを同等にすることができる。
【0020】
接続部28は、HDDモジュール26の第2導通部32に当接する当接部34と、当接部34を片持ちで弾力的に支持する支持部35と、を有している。当接部34は、接続部28の先端部に設けられている。
【0021】
当接部34は、支持部35よりも第2導通部32に近い位置となるように第2導通部32に向けて突出している。図5に示すように、支持部35は、第2導通部32の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退できるように当接部34を支持している。また、接続部28は、合成樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を取り囲んでいる電気伝導性の被覆層37と、本体部分36を厚み方向に貫通している貫通孔38と、を有している。図6に示すように、貫通孔38は、長孔として形成されており、接続部28の延びている方向に沿った方向に長くなっている。
【0022】
被覆層37は、本実施形態では、アルミシートで構成されている。被覆層37は、HDDモジュール26の第2導通部32を本体キャビネット21のシールド層31に接地している。
【0023】
第1の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、内面にシールド層31を有し、開口部29が設けられた筐体と、筐体の内部に収容された収容部品と、筐体の外部に設けられ、収容部品と電気的に接続された第1導通部33と、この第1導通部33とは異なる第2導通部32とを有したモジュールと、開口部29からシールド層31に電気的に接続されるとともに、第2導通部32と当接されることで、シールド層31の電位と第2導通部32の電位とを同等にする当接部34と、開口部29近傍から延びて当接部34を支持する弾性の支持部35と、を有する接続部28と、を具備する。
【0024】
この構成によれば、筐体の一部に設けられた接続部28によってモジュールの第2導通部32を筐体のシールド層31に接地できるため、別途に導電部材が不要となり、部品点数を削減して、その結果製造コストを低減することができる。
【0025】
また、支持部35は、第2導通部32の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退可能に片持ちで支持する。この構成によれば、当接部34を導通部32に弾力的に接触させる構成を極めて簡単な構造で実現することができる。
【0026】
さらに、接続部28は、樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を覆った電気伝導性の被覆層37と、を有する。この構成によれば、接続部28に電気伝導性および弾力性を持たせることができる。支持部35は、その厚み方向に貫通した貫通孔38を有し、貫通孔38は、接続部28の延びる方向に沿って延びている。この構成によれば、支持部35により一層弾力性を持たせることができる。
【0027】
なお、第1の実施形態では、支持部35は、当接部34を片持ちで支持するようになっているが、これに限定されるものではなく、第3の実施形態のように、両持ちで当接部34を支持するものであってもよい。
【0028】
続いて、図7を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、モジュールの種類および設置位置が異なる点および接続部28の位置が異なる点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0029】
第2の実施形態では、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体キャビネット21と、本体キャビネット21の上面に設けられた取付部41と、本体キャビネット21の取付部41内に固定されるモジュールの一例であるキーボードモジュール42と、本体キャビネット21の内部に収容されたプリント回路板25と、本体キャビネット21と一体に設けられた接続部28と、を有している。
【0030】
本体キャビネット21は、その内面に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜であるシールド層31を有している。取付部41は、本体キャビネット21の周囲よりも窪んで平らになっている。取付部41は、キーボードモジュール42の爪部47が差し込まれる差込孔43を有している。キーボードモジュール42は、取付部41の内側の位置で、本体キャビネット21の外部に固定されている。
【0031】
キーボードモジュール42は、金属製で平板状の導通部44と、導通部44上に配置される複数のキー45と、を有している。キーボードモジュール42は、接続部28と接触する箇所である導通部44の下面に、さらに電気伝導性を向上するためにアルミシートが接着されている。導通部44は、キーボードモジュール42の支持基板をなしている。キーボードモジュール42は、本体キャビネット21内部の収容部品の一例であるプリント回路板25と電気的に接続されている。導通部44は、ねじを固定するためのねじ固定部46と、取付部41に固定するための爪部47と、を有する。ねじ固定部46は、導通部44の後方向Rの端部に配置されている。
【0032】
接続部28は、第1の実施形態とほぼ同様の形態を有している。すなわち、接続部28は、本体キャビネット21の取付部41からアーム状に突出しており、周囲の取付部41と平行な方向に延びている。接続部28は、開口部29内に突出している。接続部28は、キーボードモジュール42の導通部44に当接する当接部34と、当接部34を片持ちで弾力的に支持する支持部35と、を有している。当接部34は、支持部35よりも導通部44に近い位置となるように導通部44に向けて突出している。支持部35は、導通部44の接触面と略直交(交差)する方向に当接部を進退できるように当接部34を支持している。また、接続部28は、合成樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を取り囲んでいる電気伝導性の被覆層37と、を有している。
【0033】
接続部28は、本体キャビネット21の取付部41に設けられるねじ固定孔48に対応する位置に配置されている。接続部28は、取付部41の差込孔43の近傍で、取付部41の前方向Fに寄った位置に設けられている。
【0034】
被覆層37は、本実施形態では、アルミシートで構成されている。被覆層37は、キーボードモジュール42の導通部44を本体キャビネット21のシールド層31にアースしている。同様に、キーボードモジュール42の導通部44は、ねじ固定部46に固定されるねじを介して、シールド層31と電気的に接続されたねじ固定孔48に接地される。
【0035】
第2の実施形態によれば、モジュールは、キーボードモジュール42で構成される。よって、キーボードモジュール42を本体キャビネット21のシールド層31に接地して、キーボードモジュール42から電磁波の不要輻射が出てしまうことを防止することができる。
【0036】
なお、第2の実施形態では、支持部35は、当接部34を片持ちで支持するようになっているが、これに限定されるものではなく、第3の実施形態のように、両持ちで当接部34を支持するものであってもよい。
【0037】
続いて、図8から図10を参照して、電子機器の第3の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、モジュールの種類および設置箇所が異なる点および接続部28の形態が異なる点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0038】
第3の実施形態では、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体キャビネット21と、本体キャビネット21の内部に収容されたモジュールの一例であるODD(Optical Disk Drive)モジュール51と、本体キャビネット21の内部に収容されたプリント回路板25と、本体キャビネット21と一部に設けられた接続部28と、を有している。本体キャビネット21は、キーボード22およびタッチパッド23が固定された上ケースと、凹部24が設けられた下ケースを含んでいる。図8では、本体キャビネット21の下ケースのみを示している。
【0039】
本体キャビネット21は、その内面に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜であるシールド層31を有している。
【0040】
ODDモジュール51は、金属板金を箱形に折り曲げて形成した導通部52と、導通部52の内部に収容されるODDユニットと、を有している。導通部52は、ODDモジュール51の外殻をなしている。ODDモジュール51は、本体キャビネット21の内部に固定されている。ODDモジュール51は、本体キャビネット21内部の収容部品の一例であるプリント回路板25と電気的に接続されている。
【0041】
図10に示すように、接続部28は、本体キャビネット21と一体に設けられており、本体キャビネット21の底壁から起立したリブ壁53から、台形状に突出している。接続部28は、ODDモジュール51の導通部52に当接する当接部34と、当接部34をいわゆる両持ちで支持している支持部35と、を有している。
【0042】
支持部35は、導通部52の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退できるように、当接部34を弾力的に支持している。また、接続部28は、合成樹脂製の本体部分36と、本体部分36の周囲を取り囲んでいる電気伝導性の被覆層37と、を有している。接続部28と上下に隣接する位置には、それぞれ水平方向に延びた長円形のスリット54が設けられており、当接部34および支持部35の弾力性が高められている。
【0043】
被覆層37は、本実施形態では、シールド層31と同様に、例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜で形成されており、シールド層31と連続している。被覆層37は、ODDモジュール51の導通部52を本体キャビネット21のシールド層31にアースしている。
【0044】
第3の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、内面にシールド層31を有した筐体と、筐体の内部に収容された収容部品と、筐体の内部に設けられ、収容部品と電気的に接続された導通部52を有したモジュールと、シールド層31に電気的に接続されるとともに、導通部52と当接されることで、シールド層31の電位と導通部52の電位とを同等にする当接部34と、当接部34を支持する弾性の支持部35と、を有する接続部28と、を具備する。
【0045】
この構成によれば、モジュールが筐体の内部に収容される場合であっても、筐体の一部に設けられた接続部28によってモジュールの導通部52を筐体のシールド層31に確実に接地することができる。このため、別途に導電部材が不要となり、製造コストを低減することができる。
【0046】
また、接続部28は、導通部52に当接した当接部34と、導通部52の接触面と略直交(交差)する方向Dに当接部34を進退可能に両持ちで支持した支持部35と、を有している。この構成によれば、当接部34を進退可能な構造を、より強い耐久性を保持して実現することができる。
【0047】
なお、第3の実施形態では、支持部35は、当接部34を両持ちで支持するようになっているが、これに限定されるものではなく、第1の実施形態のように、片持ちで当接部34を支持するものであってもよい。また、本実施形態において、被覆層37は、スパッタリング等の手法で形成した金属薄膜で形成されているが、これに限定されるものではなく、例えばアルミシート等で構成してもよい。
【0048】
続いて、図11を参照して、電子機器の第1から第3の実施形態の変形例について説明する。この変形例では、接続部28の形態が異なる点で第1から第3の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1から第3の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本変形例では、接続部28は、先端にいくにつれて、幅が細くなっている。このため、本変形例によれば、上記第1から第3の実施形態の接続部28に比して、支持部35においてさらに可撓性を向上させることができる。これによって、ポータブルコンピュータ11の落下など、外部から本体キャビネット21に衝撃が加わった際にも、接続部28に破損を生ずることがなく、モジュールの導通部32、44、52と本体キャビネット21のシールド層31との接続の信頼性を向上できる。
【0050】
電子機器は、上記実施形態に示したポータブルコンピュータ11用に限らず、例えば携帯電話機のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。また、上記第1から第3の実施形態では、被覆層37としてアルミシートを用いているが、これに限定されるものではなく、モジュールの導通部32、44、52を筐体のシールド層31に接地できるような構造であればどのようなものでもよく、被覆層37を例えばスパッタリング等の手法で形成した金属薄膜で形成してもよい。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
11…ポータブルコンピュータ、16…ディスプレイキャビネット、21…本体キャビネット、26…HDDモジュール、28…接続部、31…シールド層、32…第2導通部、44、52…導通部、34…当接部、35…支持部、36…本体部分、37…被覆層、38…貫通孔、42…キーボードモジュール、51…ODDモジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面にシールド層を有し、開口部が設けられた筐体と、
前記筐体の内部に収容された収容部品と、
前記筐体の外部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された第1導通部と、この第1導通部とは異なる第2導通部とを有したモジュールと、
前記開口部から前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記第2導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記第2導通部の電位とを同等にする当接部と、前記開口部近傍から延びて前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記支持部は、前記第2導通部の接触面と交差する方向に前記当接部を進退可能に片持ちで支持したことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続部は、樹脂製の本体部分と、前記本体部分の周囲を覆った電気伝導性の被覆層と、を有したことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記支持部は、その厚み方向に貫通した貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記接続部の延びる方向に沿って延びたことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続部は、先端にいくにつれて幅が細くなったことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
内面にシールド層を有した筐体と、
前記筐体の内部に収容された収容部品と、
前記筐体の内部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、
前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする当接部と、前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
前記支持部は、前記導通部の接触面と交差する方向に前記当接部を進退可能に両持ちで支持したことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記接続部は、樹脂製の本体部分と、前記本体の周囲を覆う電気伝導性の被覆層と、を有したことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
内面にシールド層を有した筐体と、
前記筐体の内部に収容された収容部品と、
前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、
前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部に弾力的に当接して前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする接続部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
内面にシールド層を有し、開口部が設けられた筐体と、
前記筐体の内部に収容された収容部品と、
前記筐体の外部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された第1導通部と、この第1導通部とは異なる第2導通部とを有したモジュールと、
前記開口部から前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記第2導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記第2導通部の電位とを同等にする当接部と、前記開口部近傍から延びて前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記支持部は、前記第2導通部の接触面と交差する方向に前記当接部を進退可能に片持ちで支持したことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続部は、樹脂製の本体部分と、前記本体部分の周囲を覆った電気伝導性の被覆層と、を有したことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記支持部は、その厚み方向に貫通した貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記接続部の延びる方向に沿って延びたことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続部は、先端にいくにつれて幅が細くなったことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
内面にシールド層を有した筐体と、
前記筐体の内部に収容された収容部品と、
前記筐体の内部に設けられ、前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、
前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部と当接されることで、前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする当接部と、前記当接部を支持する弾性の支持部と、を有する接続部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
前記支持部は、前記導通部の接触面と交差する方向に前記当接部を進退可能に両持ちで支持したことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記接続部は、樹脂製の本体部分と、前記本体の周囲を覆う電気伝導性の被覆層と、を有したことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
内面にシールド層を有した筐体と、
前記筐体の内部に収容された収容部品と、
前記収容部品と電気的に接続された導通部を有したモジュールと、
前記シールド層に電気的に接続されるとともに、前記導通部に弾力的に当接して前記シールド層の電位と前記導通部の電位とを同等にする接続部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−114077(P2011−114077A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267822(P2009−267822)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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