説明

電子機器

【課題】第2の筐体の回転を選択的に禁止する機構を備えたので、第2の筐体2を開閉させる際に誤って回転してしまうことを防ぐ。
【解決手段】第1の筐体1と第2の筐体2とを備えた電子機器であって、第1の筐体1及び第2の筐体2の近傍に配されたヒンジサポート部8と、第1の筐体1とヒンジサポート部8とを開閉自在に連結する第1のヒンジ部と、第2の筐体2とヒンジサポート部8とを回転自在に連結する第2のヒンジ部と、第2の筐体2の回転を選択的に禁止するスライドレバー61及び規制軸62を備えている。スライドレバー61をスライドさせることにより、規制軸62がヒンジサポート部8の孔部8bに挿入される。これにより、第2の筐体2の回転動作が禁止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示は、ヒンジ機構を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒンジ機構を備えた電子機器としては、ノートパソコン、折りたたみ型携帯電話機、携帯型ゲーム機などがあった。このような電子機器は、複数の筐体をヒンジ機構で開閉自在に支持している。
【0003】
また、ヒンジ機構を備えた電子機器においては、開閉動作に加えて、回転動作が可能なヒンジ機構を備えたものが登場してきている。特許文献1は、開閉動作及び回転動作が可能な電子機器を開示している。特許文献1が開示している電子機器は、互いに直交関係にある回転軸と開閉軸とを備えたヒンジ機構を備えている。ヒンジ機構は、筐体の中央部に偏在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−094647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示しているヒンジ機構では、回転軸及び/または開閉軸に荷重が集中すると、支持する筐体が揺動し易く、ヒンジ機構が破損する可能性が高い。
【0006】
また、特許文献1が開示している電子機器は、表示ユニットの回転動作を選択的に禁止する機構を備えていないため、例えば使用者が表示ユニットの側部を把持して表示ユニットを開閉させる際に、誤って表示ユニットが回転してしまうことがあり、表示ユニットが回転できない開閉角度で回転した際に当該表示ユニットの角部がコンピュータ本体の上面と当接し傷付ける等、使い勝手を低下させてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の電子機器は、第1の筐体と第2の筐体とを備えた電子機器であって、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の近傍に配され、当該第2の筐体と連設するヒンジ保持部と、前記第1の筐体と前記ヒンジ保持部とを開閉自在に連結する第1のヒンジ部と、前記第2の筐体と前記ヒンジ保持部とを回転自在に連結する第2のヒンジ部とを備え、前記第2のヒンジ部は、前記第2の筐体を、前記第1の筐体と当該第2の筐体とを閉じた閉状態における当該第2の筐体が対向する当該第1の筐体の主平面の面方向に略直交する回転軸周りに、回転自在となるように支持し、前記第2の筐体は、当該第2の筐体に収納された位置から前記ヒンジ保持部側へ変位可能な回転規制部材を備え、前記ヒンジ保持部は、前記回転規制部材が挿脱可能な係合部を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示によれば、筐体の回動動作及び/または開閉動作時に、ヒンジ機構への荷重集中を避けることで、ヒンジ機構の破損を防止することができる。
【0009】
本願の開示によれば、第2の筐体の回転を選択的に禁止する機構を備えたので、第2の筐体2を開閉させる際に誤って回転してしまうことを防ぐことができる。したがって、第1の筐体に傷などを付けてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ノートパソコンの第1の状態を示す斜視図
【図2】ノートパソコンの第2の状態を示す斜視図
【図3】ノートパソコンの第3の状態を示す斜視図
【図4】ノートパソコンの第4の状態を示す斜視図
【図5】ノートパソコンの第5の状態を示す斜視図
【図6A】特開2004−094647号公報に開示されたノートパソコンの側面図
【図6B】特開2004−094647号公報に開示されたノートパソコンの側面図
【図7】ノートパソコンの第3の状態を示す側面図
【図8A】開閉ヒンジ部の平面図
【図8B】図8AにおけるY−Y部の断面図
【図9A】回転ヒンジ部の側面図
【図9B】回転ヒンジ部を第3の支持部材側から見た平面図
【図9C】回転ヒンジ部を第4の支持部材側から見た底面図
【図9D】図9AにおけるZ−Z部の断面図
【図9E】図9AにおけるY−Y部の断面図
【図9F】ノートパソコンが第3の状態(図3参照)のときにおける、回転ヒンジ部の状態を示す平面図
【図9G】ノートパソコンが第4の状態(図4参照)のときにおける、回転ヒンジ部の状態を示す平面図
【図9H】ノートパソコンが第4の状態(図4参照)のときにおける、Y−Y部(図9A)の断面図
【図9I】側部の一部を取り除いた支持部材の平面図
【図10】ノートパソコンの変形例を示す斜視図
【図11A】図10に示すノートパソコンの側面図
【図11B】図11Aに示すノートパソコンの要部側面図
【図12】ノートパソコンの側面図
【図13】ノートパソコンの第1の状態を示す斜視図
【図14】ノートパソコンの第2の状態を示す斜視図
【図15】第1の筐体の要部平面図
【図16】第1の筐体及び第2の筐体の正面図
【図17】第1の筐体及びヒンジサポート部の要部平面図
【図18】第2の筐体及びヒンジサポート部の正面図
【図19A】回転規制部材を備えた第2の筐体及びヒンジサポート部の正面図
【図19B】第2の筐体におけるスライドレバー近傍の要部断面図
【図19C】第2の筐体におけるスライドレバー近傍の要部断面図
【図20A】図19AにおけるW−W部の断面図
【図20B】図19AにおけるW−W部の断面図
【図21】開閉ヒンジ部の要部平面図
【図22A】第2の状態におけるノートパソコンの側面図
【図22B】第1の状態におけるノートパソコンの側面図
【図23A】ノートパソコンが第2の状態のときの開閉ヒンジ部の平面図
【図23B】ノートパソコンが第1の状態のときの開閉ヒンジ部の平面図
【図24】第3の状態におけるノートパソコンの側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
〔1.電子機器の構成〕
〔1−1.電子機器の概要〕
特開2004−094647号公報が開示しているヒンジ機構は、回転軸及び/または開閉軸に荷重が集中すると、支持する筐体が揺動し易く、ヒンジ機構が破損する可能性が高い。また、特開2004−094647号公報が開示している電子機器では、表示ユニットが、表示ユニットの表示面と開閉軸とが平行となっていない姿勢(例えば特開2004−094647号公報の図1に示す姿勢)のときに、表示ユニットを閉じる方向に変位させると、表示ユニットの角部がキーボード、ポインティングデバイス、筐体などに衝突し、傷等などを付けてしまう恐れがある。
【0012】
実施の形態1にかかる電子機器は、特開2004−094647号公報に開示されている構成における問題を解消することができる構成を備えている。
【0013】
図1及び図2は、本実施の形態にかかる電子機器の一例であるノートパソコンの外観を示す斜視図である。図1は、第1の状態にあるノートパソコンを示す。図2は、第2の状態にあるノートパソコンを示す。なお、本実施の形態では、電子機器の一例としてノートパソコンを挙げたが、折りたたみ型携帯電話端末、折りたたみ型電子ゲーム機、折りたたみ型電子辞書端末などであってもよい。電子機器は、少なくとも複数の筐体と、複数の筐体を開閉自在及び回転自在に支持したヒンジ機構とを備えた機器であればよい。
【0014】
図1に示すように、ノートパソコンは、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1は、各種電気素子が実装された回路基板やハードディスクドライブなどを内蔵している。第2の筐体2は、液晶ディスプレイ4を備えている。第1の筐体1と第2の筐体2とは、開閉ヒンジ部3によって互いに開閉自在に支持されている。第2の筐体2は、前面2a、下面2b、背面2g、上面2h、第1側面2i、および第2側面2jを有する略箱状の筐体である。前面2aと背面2gは、所定の間隔を介して平行に相対向している。上面2hと下面2bは、所定の間隔を介して相対向している。第1側面2iと第2側面2jは、所定の間隔を介して相対向している。
【0015】
また、第2の筐体2は、回転ヒンジ部7(詳しい構成は後述)によって、第1の筐体1に回転自在に支持されている。回転ヒンジ部7は、ヒンジサポート部8に内蔵されている。ヒンジサポート部8は、回転ヒンジ部7を保持している。ヒンジサポート部8は、第2の筐体2を開閉動作させる際、第2の筐体2に一体的に回動する。また、ヒンジサポート部8は、第2の筐体2を回転動作させる際、回転動作は行わない。すなわち、第2の筐体2は、ヒンジサポート部8に対して独立して回転可能である。
【0016】
開閉ヒンジ部3は、第1の筐体1と第2の筐体2とを回動自在に支持する支軸を備えている。なお、開閉ヒンジ部3の詳しい構成については後述する。
【0017】
キーボード5とポインティングデバイス6は、第1の筐体1の主平面(以下、上面と称す)1aに配されている。キーボード5は、ユーザによる各種文字の入力操作を受け付ける。ポインティングデバイス6は、第1の筐体1内に固定され、操作面が第1の筐体1の上面1a表面に露出している。ポインティングデバイス6は、その操作面においてユーザによる接触操作を受け付ける。ポインティングデバイス6は、液晶ディスプレイ4に表示されるカーソルを所望の位置へ移動する操作が可能なデバイスである。
【0018】
なお、第1の筐体1の上面1aは、ノートパソコンを図2に示す第2の状態にしたときに、第2の筐体2が対向する面である。第2の筐体2の前面2aは、ノートパソコンを図2に示す第2の状態にしたときに、第1の筐体1に対向する面である。
【0019】
通常、ノートパソコンを使用する際は、第2の状態(図2参照)から第2の筐体2を矢印Bに示す方向へ回動し、ノートパソコンを第1の状態(図1参照)へ移行させる。また、ノートパソコンを折りたたむ場合は、第1の状態(図1参照)から第2の筐体2を矢印Aに示す方向へ回動し、第2の状態(図2参照)へ移行させる。第1の状態は、液晶ディスプレイ4が目視可能な状態であり、ノートパソコンを通常使用する状態である。第2の状態は、第2の筐体2を第1の筐体1に対して折りたたんだ状態であり、ノートパソコンを運搬するときなどの不使用状態である。なお、図1では、第1の筐体1の上面1aと第2の筐体2の前面2aとで成す角度(以下、開閉角と称する)が約90度となっているが、開閉角が90度以上となる位置まで第2の筐体2を回動させることができる。すなわち、ノートパソコンの使用状況によっては、開閉角が90度の状態が必ずしも使用者において液晶ディスプレイ4の表示が見やすい開閉角とは限らないため、開閉角が90度以上となる位置まで回動できる構造としていることが好ましい。したがって、上記「ノートパソコンを通常使用する状態」とは、図1に示すように開閉角が90度となっている第1の状態に限らず、90度以上の状態を含む。
【0020】
本実施の形態にかかるノートパソコンは、第2の筐体2を第1の状態と第2の状態との間で開閉動作が可能であるとともに、第2の筐体2を回転動作させることも可能である。すなわち、本実施の形態にかかるノートパソコンは、第1の状態及び第2の状態の他に、変遷可能な状態がある。
【0021】
図3は、第3の状態にあるノートパソコンの斜視図である。図4は、第4の状態にあるノートパソコンの斜視図である。図5は、第5の状態にあるノートパソコンの斜視図である。
【0022】
図3に示す第3の状態は、第2の筐体2を、図1に示す第1の状態から、回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ約90度回転させた状態である。また、第2の筐体2は、第3の状態から回転軸C1の軸周りに矢印Dに示す方向へ回転させることで、第1の状態へ移行することができる。なお、第3の状態は、ノートパソコンを通常使用可能な状態ではなく、第1の状態と第4の状態との間における変遷途中の状態である。
【0023】
図4に示す第4の状態は、第2の筐体2を、図3に示す第3の状態から、回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ約90度回転させた状態である。すなわち、第4の状態は、第2の筐体2を図1に示す第1の状態から矢印Cに示す方向へ約180度回転させた状態である。また、第2の筐体2は、第4の状態から回転軸C1の軸周りに矢印Dに示す方向へ回転させることで、第3の状態へ移行することができる。
【0024】
図5に示す第5の状態は、第2の筐体2を、図4に示す第4の状態から、開閉軸A1の軸周りに矢印Aに示す方向へ約90度回動させた状態である。第5の状態は、第2の筐体2の背面(液晶ディスプレイ4が配された面の裏側)が第1の筐体1の上面1aに対向する状態である。したがって、第5の状態では、液晶ディスプレイ4が目視可能な状態となっている。なお、第5の状態では、第2の筐体2は、液晶ディスプレイ4の表示面と第1の筐体1の上面1aとが略平行な姿勢となっている。また、第2の筐体2は、第5の状態から開閉軸A1の軸周りに矢印Bに示す方向へ回動させることで、第4の状態へ移行させることができる。
【0025】
つまり、第2の筐体2は、第1の状態と第2の状態との間、第4の状態と第5の状態との間において、開閉軸A1の軸周りに回動可能である。また、第2の筐体2は、第3の状態を介して第1の状態と第4の状態との間において、回転軸C1の軸周りに回転可能である。
【0026】
なお、「開閉動作」とは、複数の筐体のうちの少なくとも一つの筐体(本実施の形態では第2の筐体2)を開閉軸の軸周りに回動させて、第1の状態から第2の状態へ移行させる動作、および第2の状態から第1の状態へ移行させる動作のことをいう。本実施の形態では、「開閉動作」とは、第2の筐体2を開閉軸A1の軸周りに矢印AまたはBに示す方向へ回動させる動作のことをいう。開閉動作によって移行可能な「開状態」とは、図1及び図4に示すように、第1の筐体1に対する第2の筐体2の開閉角が90度以上の状態のことである。開閉動作によって移行可能な「閉状態」とは、図2及び図5に示すように、第1の筐体1に対する第2の筐体2の開閉角がほぼ0度の状態のことである。すなわち、第1の筐体1の上面1aと第2の筐体2の前面2aとが平行対向している状態である。なお、第1の筐体1に対する第2の筐体2の開閉角が0〜90度の間の角度は、一般的にノートパソコンを通常使用する状態とは言い難いため、本実施の形態では「開閉途中状態」と定義する。
【0027】
また、「回転動作」とは、複数の筐体のうち少なくとも一つの筐体(本実施の形態では第2の筐体2)を、開閉軸に略直交した回転軸の軸周りに回転させる動作のことをいう。本実施の形態では、「回転動作」とは、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに矢印CまたはDに示す方向(後述)へ回転させる動作のことをいう。本実施の形態では、第2の筐体2を第1の筐体1に対して開閉動作または回転動作可能な構成について説明しているが、第1の筐体1を第2の筐体2に対して開閉動作または回転動作することもできる。
【0028】
〔1−2.本実施の形態にかかる電子機器の特徴〕
本実施の形態にかかる電子機器は、開閉軸A1の位置に特徴がある。
【0029】
図6A及び図6Bは、特開2004−094647号公報に開示された電子機器を模式的に描いた図である。図6Aは、特開2004−094647号公報に開示された電子機器を第3の状態にした図である。図6A及び図6Bに示す電子機器は、キーボード105及びポインティングデバイス106を備えた第1の筐体101と、液晶ディスプレイ104を備えた第2の筐体102とを備えている。第1の筐体101と第2の筐体102とは、開閉軸103の軸周りに開閉可能である。図6A及び図6Bに示す電子機器は、開閉軸103が、第1の筐体101の上面101aよりも高い位置(第2の筐体102側)に配置されている。したがって、第1の筐体101の上面101aと第2の筐体102の下面102aとの間には、比較的大きな間隙D101が生じてしまう。
【0030】
図6Aに示す状態から第2の筐体102を、誤って開閉軸103の軸周りに矢印Hに示す方向へ回動させると、図6Bに示す状態となる。図6Bに示す状態では、第2の筐体102の角部102bがポインティングデバイス106に当接する。角部102bがポインティングデバイス106に当接すると、ポインティングデバイス106に傷が付く可能性がある。また、ノートパソコンが動作状態のときに角部102bがポインティングデバイス106に当接すると、ポインティングデバイス106が誤動作してしまう可能性がある。また、第2の筐体102の回転角度によっては、第2の筐体102の角部102bが第1の筐体101の上面101aに当接する場合がある。角部102bが上面101aに当接すると、第1の筐体101に傷が付いてしまう可能性がある。
【0031】
そこで、本実施の形態では、図7に示すように開閉軸A1を、第1の筐体1の上面1aよりも低い位置に配置した。図7は、第3の状態における本実施の形態のノートパソコンを側方から見た模式図である。このような構成とすることにより、ノートパソコンを第1の状態(図1参照)にしたときに、第2の筐体2の下面2bが第1の筐体1の上面1aよりも僅かに低くなる。この状態から、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、図7に示すように、第2の筐体2の下面2bにおける回転ヒンジ部7の近傍部分が第1の筐体1の上面1aに乗り上げ、第2の筐体2が僅かに矢印Gに示す方向へ傾く。したがって、第2の筐体2の角部2cと第1の筐体1の上面1a及びポインティングデバイス6との間に十分な間隙を設けることができ、角部2cが第1の筐体1の上面1a及びポインティングデバイス6に当接することを防ぐことができる。
【0032】
また、図7に示す状態から第2の筐体2に対して矢印Hに示す方向への力が加わったとしても、第2の筐体2の下面2bにおける回転ヒンジ部7の近傍部分が第1の筐体1の上面1aに乗り上げているため、矢印Hに示す方向へは大きく変位しない。たとえ、第2の筐体2が矢印Hに示す方向へ僅かに変位したとしても、図7に示す状態では第1の筐体1と第2の筐体2との間には間隙D1が存在するため、第2の筐体2が第1の筐体1に当接しにくくすることができる。
【0033】
〔2.ヒンジ部の構成〕
本実施の形態にかかる電子機器は、開閉ヒンジと回転ヒンジとを備えている。開閉ヒンジは、第2の筐体2を、第1の状態(図1参照)に示す位置から第2の状態(図2参照)に示す位置へ変位可能であるとともに、第2の状態(図2参照)に示す位置から第1の状態(図1参照)に示す位置へ変位可能に支持している。また、開閉ヒンジは、第2の筐体2を、第4の状態(図4参照)に示す位置から第5の状態(図5参照)に示す位置へ変位可能であるとともに、第5の状態(図5参照)に示す位置から第4の状態(図4参照)に示す位置へ変位可能に支持している。回転ヒンジは、第2の筐体2を、第1の状態(図1参照)に示す位置から第4の状態(図4参照)に示す位置へ変位可能であるとともに、第4の状態(図4参照)に示す位置から第1の状態(図1参照)に示す位置へ変位可能に支持している。
【0034】
〔2−1.開閉ヒンジ部3の構成〕
図8Aは、開閉ヒンジ部3の内部構造を示す要部平面図である。なお、図8Aは、構成を明瞭に図示するために、第1の筐体1及び第2の筐体2の一部を断面描画している。また、図8Aは、構成を明瞭に図示するために、第2の筐体2を第1の状態(図1参照)からさらに矢印Bに示す方向へ回動させて、第1の筐体1に対して約180度開いた状態の図としている。図8Bは、図8AにおけるY−Y部の断面図である。なお、図8Bは、構成を明瞭に図示するために、シャフト11のみにハッチングを付して断面描画し、他の部分については概略描画した。
【0035】
図8Aに示すように、開閉ヒンジ部3は、ヒンジ機構10を備えている。ヒンジ機構10は、シャフト11、第1の支持部材12、第2の支持部材13、および第1のトルク機構14を備えている。
【0036】
シャフト11は、第2の筐体2の矢印AまたはBに示す方向への開閉動作に伴って、線分A1を中心に矢印AまたはBに示す方向へ回転可能である。なお、シャフト11は、第1の筐体1または第2の筐体2を回動させるときにかかる力に対する耐性を考慮すると、金属で作製することが好ましい。本実施の形態におけるシャフト11は、軸径が約3〜4mm、軸長が約15mmのステンレス製としたが、寸法及び材料はこれに限定されない。
【0037】
第1の支持部材12は、シャフト11に回転自在に支持されている。第1の支持部材12は、第1の筐体1にネジ16で固定されている。第2の支持部材13は、シャフト11にリベット等により固定されている。第2の支持部材13は、第2の筐体2にネジ15で固定されている。したがって、第2の筐体2を第1の状態(図1参照)と第2の状態(図2参照)との間で回動させることにより、シャフト11が第2の筐体2と一体的に回転するとともに、第2の支持部材13が第2の筐体2と一体的にシャフト11の軸A1周りに回動する。また、第1の支持部材12は、第1の支持部12aが一体的に設けられている。第1の筐体1は、シャフト11が回転可能に挿通している貫通孔1cを備えている。第2の支持部材13は、第2の支持部13aが一体的に設けられている。第2の筐体2は、シャフト11を挿通可能な貫通孔2kを備えている。シャフト11は、第2の支持部13aの貫通孔2kに挿通され、リベット等で第2の支持部13aに固定されている。なお、本実施の形態では、図8Bに示すように第2の支持部13a側のみ図示したが、第1の支持部12a側も同様の構成である。また、第1の支持部材12及び第2の支持部材13は、第1の筐体1または第2の筐体2を回動させるときにかかる力に対する耐性を考慮すると、金属で作製することが好ましい。第1の支持部材12及び第2の支持部材13は、本実施の形態では例えばステンレス製としたが、これに限定されない。
【0038】
第1のトルク機構14は、複数の円盤状のワッシャやラバーシートなどで構成され、シャフト11に固定されている。本実施の形態では、ワッシャやラバーシートなどにシャフト11を挿通可能な貫通孔12bを第1の支持部材12に備え、その貫通孔12bにシャフト11を圧入固定させている。したがって、第1のトルク機構14は、第2の筐体2の回動に伴ってシャフト11が回転する際、シャフト11とともに回転する。また、第1のトルク機構14は、第1の支持部材12に圧接している。したがって、第1の支持部材12と接している部分における摩擦により、第2の筐体2に回動負荷を与えることができる。第1の支持部材12と第1のトルク機構14との間の摩擦により、第2の筐体2を、第1の筐体1に対する任意の開閉角で姿勢を保持させることができる。例えば、図1に示す第1の状態における姿勢を保持することができる。なお、本実施の形態における第1のトルク機構14の構成は一例であり、少なくともシャフト11の回転あるいは第2の筐体2の回動に対して負荷を与えることができれば、他の構成を採用してもよい。
【0039】
以下、動作について説明する。
【0040】
第2の筐体2を第1の状態(図1、図8B参照)に示す位置から矢印Aに示す方向へ回動させると、第2の筐体2に固定された第2の支持部材13も開閉軸A1の軸周りに回動する。第2の支持部材13が回動すると、第2の支持部材13に一体的に設けられたシャフト11が開閉軸A1の軸周りに矢印Aに示す方向へ回転する。このとき、第1のトルク機構14によって、シャフト11の回転動作に負荷が与えられる。第2の筐体2は、第2の状態(図2参照)に示す位置まで回動可能である。
【0041】
第2の筐体2に固定された第2の支持部材13は、第2の筐体2を第2の状態(図2参照)に示す位置から矢印Bに示す方向へ回動させると、開閉軸A1の軸周りに回動する。第2の支持部材13に一体的に設けられたシャフト11は、第2の支持部材13が回動すると、開閉軸A1の軸周りに矢印Bに示す方向へ回転する。このとき、第1のトルク機構14は、シャフト11の回転動作に負荷を与える。第2の筐体2は、第1の状態(図1参照)に示す位置まで回動可能である。
【0042】
なお、図8A及び図8Bは、一対の開閉ヒンジ部3のうちの一方の開閉ヒンジ部3の具体構成を図示した図である。一対の開閉ヒンジ部3は、いずれも同様の構成を有するため、一方の開閉ヒンジ部3の具体構成のみ図示した。
【0043】
〔2−2.回転ヒンジ部7の構成〕
図9Aは、回転ヒンジ部7の側面図である。図9Bは、回転ヒンジ部7を第3の支持部材31側から見た平面図である。図9Cは、回転ヒンジ部7を第4の支持部材32側から見た底面図である。図9Dは、図9AにおけるZ−Z部の断面図である。図9Eは、図9AにおけるY−Y部の断面図である。
【0044】
回転ヒンジ部7は、第3の支持部材31、第4の支持部材32、シャフト33、スラストワッシャ34、回転規制部材35、トルク機構36、およびスラストワッシャ37を備えている。
【0045】
第3の支持部材31は、第2の筐体2内に固定される。第3の支持部材31は、底部31mと、底部31mの周縁部に立設されている側部31f,31g,31h,31i,31j,および31kとを備えた略箱状に形成されている。側部31f,31h,および31jは一体的に形成されている。側部31g、31i,および31kは、一体的に形成されている。側部31hと側部31iは、接合している。側部31jと側部31kは、接合している。底部31mには、円形の孔部31aが形成されている。孔部31aは、シャフト33が圧入固定されている。第3の支持部材31は、側部31h及び31iの間から突出形成されたリブに、孔部31bを備えている。第3の支持部材31は、側部31j及び31kの間から突出形成されたリブに、孔部31cを備えている。孔部31b及び31cは、第3の支持部材31を第2の筐体2内に固定する際にネジ(不図示)が挿通される。第3の支持部材31は、第2の筐体2を回転する際にかかる負荷を考慮し、金属で形成することが好ましい。
【0046】
第4の支持部材32は、ヒンジサポート部8内に固定される。第4の支持部材32は、底部32mと、底部32mの周縁部に立設されている側部32f,32g,32h,32i,32j,および32kとを備えた略箱状に形成されている。側部32f,32h,および32jは、一体的に形成されている。側部32g、32i,および32kは、一体的に形成されている。側部32hと側部32iは、接合している。側部32jと側部32kは、接合している。底部32mには、円形の孔部32aが形成されている。孔部32aは、シャフト33が回転自在に挿通している。第4の支持部材32は、底部に隣接する4つの側壁のうち一つの側壁に、孔部32b及び32cが形成されている。孔部32b及び32cは、その内壁に回転規制部材35の規制部35bまたは35c(後述)が当接することで、回転規制部材35を含むシャフト33の回転を規制する。第4の支持部材32は、側部32h及び32iの間から突出形成されたリブに、孔部32dを備えている。第4の支持部材32は、側部32j及び32kの間から突出形成されたリブに、孔部32eを備えている。孔部32d及び32eは、第4の支持部材32をヒンジサポート部8内に固定する際にネジ(不図示)が挿通される。第4の支持部材32は、第2の筐体2を回転する際にかかる負荷を考慮し、金属で形成することが好ましい。
【0047】
シャフト33は、その円筒軸が回転軸C1と一致する。シャフト33は、略円筒形状に形成されている。シャフト33は、その円筒軸(すなわち、回転軸C1)方向に貫通した貫通孔33aが形成されている。シャフト33は、第2の筐体2を回転する際にかかる負荷を考慮し、金属で形成することが好ましい。シャフト33は、長手方向の一方の端部が第3の支持部材31に固定されているため、第3の支持部材31の回転に伴って図9Bにおける矢印EまたはFに示す方向へ回転する。シャフト33は、長手方向の他方の端部側が第4の支持部材32の孔部32aを挿通し、第4の支持部材32内に位置している。図9Dに示すように、シャフト33の他方の端部側には、回転軸C1方向に、第4の支持部材32、スラストワッシャ34、回転規制部材35、トルク機構36、スラストワッシャ37の順で嵌合している。貫通孔33aは、ケーブルを挿通するためと共に、軽量化にも寄与する。第1の筐体1と第2の筐体2とは、貫通孔33aを介して空間的につながっている。したがって、第1の筐体1内の電気部品(例えばプリント基板)と、第2の筐体2内の電気部品(例えば液晶ディスプレイ4)とを、ケーブルで電気的に接続することができる。
【0048】
スラストワッシャ34は、貫通孔を有する円盤状の部材であり、その貫通孔にシャフト33が回転自在に嵌合している。スラストワッシャ34は、回転規制部材35の回転軸C1方向の位置を調整するためのものである。
【0049】
回転規制部材35は、図9Eに示すように、貫通孔を有する円盤状の部材であり、その貫通孔にシャフト33が圧入固定されている。すなわち、回転規制部材35は、シャフト33の矢印EまたはFに示す方向への回転動作に伴って回転する。回転規制部材35は、その円周方向の一部に、半径が大きなリブ35aが形成され、リブ35aの貫通孔33aを介する対向面には後述の規制部35b及び35cに連続する小さなリブ35dが形成されている。リブ35aの円周方向の一方の端部に規制部35bを有し、他方の端部に規制部35cを有する。規制部35bは、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ所定位置まで回転させると、第4の支持部材32の孔部32bの内壁に当接して、シャフト33の矢印Eに示す方向への回転を規制する。規制部35cは、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに矢印Dに示す方向へ所定位置まで回転させると、第4の支持部材32の孔部32cの内壁に当接して、シャフト33の矢印Fに示す方向への回転を規制する。図9C及び図9Eは、規制部35bが孔部32bの内壁に当接している状態を示す。
【0050】
トルク機構36は、貫通孔を有する円盤状の部材であり、その貫通孔にシャフト33が挿通している。トルク機構36は、回転規制部材35とスラストワッシャ37とに挟持され、回転規制部材35との間の摩擦及びスラストワッシャ37との間の摩擦により、シャフト33の回転に負荷を与えている。トルク機構36は、ラバーなどの弾性体で形成することが好ましい。
【0051】
スラストワッシャ37は、貫通孔を有する円盤状の部材であり、その貫通孔にシャフト33が圧入固定されている。スラストワッシャ37は、スラストワッシャ34、回転規制部材35、およびトルク機構36がシャフト33から脱落するのを防止するためのものである。
【0052】
以下、回転動作について説明する。
【0053】
まず、ノートパソコンが第1の状態(図1参照)にあるときは、回転ヒンジ部7は、図9A〜図9Eに示す状態となっている。すなわち、第3の支持部材31と第4の支持部材32の長手方向が略一致した姿勢となっている。このとき、回転規制部材35の規制部35bが孔部32bの内壁に当接しており、シャフト33及び第3の支持部材31の矢印Eに示す方向への回転が規制されている。つまり、図1に示す第1の状態において、第2の筐体2は、矢印Dに示す方向への回転が規制されている。
【0054】
次に、ノートパソコンを第1の状態(図1参照)から第3の状態(図3参照)へ移行させるために、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、それに伴い、第3の支持部材31、シャフト33、スラストワッシャ34、回転規制部材35、トルク機構36、およびスラストワッシャ37が図9B等の矢印Eに示す方向へ回転する。図9Fは、ノートパソコンが第3の状態(図3参照)のときにおける、回転ヒンジ部7の状態を示す平面図である。
【0055】
次に、ノートパソコンを第3の状態(図3参照)から第4の状態(図4参照)へ移行させるために、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、それに伴い、第3の支持部材31、シャフト33、スラストワッシャ34、回転規制部材35、トルク機構36、およびスラストワッシャ37が図9B等の矢印Eに示す方向へ回転する。図9Gは、ノートパソコンが第4の状態(図4参照)のときにおける、回転ヒンジ部7の状態を示す平面図である。図9Hは、ノートパソコンが第4の状態(図4参照)のときにおける、Y−Y部(図9A)の断面図である。図9Hに示すように、ノートパソコンが第4の状態(図4参照)にあるとき、回転規制部材35の規制部35cが、第4の支持部材32の孔部32cの内壁に当接する。これにより、回転規制部材35は、矢印Fに示す方向への回転が規制される。それに伴い、シャフト33及び第3の支持部材31の矢印Fに示す方向への回転が規制され、第2の筐体2の矢印Cに示す方向(図4参照)への回転が規制される。
【0056】
なお、ノートパソコンが第4の状態(図4参照)から第1の状態(図1参照)へ移行する際の、回転ヒンジ部7の動作については、上記動作の逆手順の動作となるため、詳しい説明は省略する。
【0057】
また、第2の筐体2の回転角は、回転規制部材35によって約180度に限定されているため、シャフト33の貫通孔33aを挿通するケーブル(不図示)が大きく捻れることはない。したがって、ケーブル(不図示)の破断や断線を防ぐことができる。
【0058】
次に、第3の支持部材31及び第4の支持部材32が略箱状の外形を備える点について説明する。例えば、第3の支持部材31及び第4の支持部材32が略箱状ではない場合は、剛性は低い構造となる。図9Iは、側部の一部を取り除いた支持部材(図9A等に示す第3の支持部材31に相当)の平面図を示す。図9Iに示す支持部材131は、底部131dの周縁部の一部に立設した側部131cを備えている。側部131cの両端には、支持部材131を第2の筐体2にネジで固定するための孔部131a及び131bを備えている。このような構成において、ノートパソコンが図1に示す第1の状態のときに、第1の筐体1に対する第2の筐体2の開閉角を変更する場合や第1の状態から図3に示す第3の状態に第2の筐体2を回転する場合等に、液晶ディスプレイ4の表示面に直交する方向へ押圧されると、支持部材131に対して矢印PまたはQに示す方向への力が加わる。すると、支持部材131における孔部131a及び131bの近傍が矢印PまたはQに示す方向へ変位して、側部131cが矢印PまたはQに示す方向へ撓もうとする。このとき、支持部材131は、本実施の形態のように略箱状ではないため、側部131cが矢印PまたはQに示す方向へ容易に撓んでしまう。したがって、支持部材131を備えた回転ヒンジ部は矢印PまたはQに示す方向への剛性が低い構造となり、第2の筐体における、液晶ディスプレイの表示面に直交する方向への押圧に対する剛性も低いものとなる。
【0059】
一方、本実施の形態では、図9Bに示すように、第3の支持部材31は、側部31f〜31k、および底部31mからなる略箱状とした。このような構成とすることにより、ノートパソコンが図1に示す第1の状態のときに、第2の筐体2が、液晶ディスプレイ4の表示面に直交する方向へ押圧されると、第3の支持部材31に対して矢印PまたはQに示す方向への力が加わる。すると、第3の支持部材31における孔部31b及び31cの近傍が矢印PまたはQに示す方向へ変位して、側部31f及び31gが矢印PまたはQに示す方向へ撓もうとする。しかし、側部31f及び31gは、側部31h,31i,31j,31k,および底部31mとともに一体化されているため、矢印PまたはQに示す方向(図9I参照)への撓み量を抑えることができる。したがって、回転ヒンジ部7の矢印PまたはQに示す方向への剛性を高めることができ、第2の筐体2における、液晶ディスプレイ4の表示面に直交する方向への押圧に対する剛性を高めることができる。なお、第3の支持部材31は第2の筐体2に固定されているため、ノートパソコンが第3の状態または第4の状態であっても、第2の筐体2における、液晶ディスプレイ4の表示面に直交する方向への押圧に対する剛性を高めることができる。
【0060】
また、図9Cに示すように、第4の支持部材32は、側部32f〜32k、および底部32mからなる略箱状とした。このような構成とすることにより、上記同様、側部32f及び32gは、側部32h,32i,32j,32k,および底部32mとともに一体化されているため、図9Iの矢印PまたはQに示す方向への撓み量を抑えることができる。したがって、回転ヒンジ部7における矢印PまたはQに示す方向への剛性を高めることができ、第2の筐体2の回動時にかかる圧力に対する剛性を高めることができる。すなわち、第2の筐体2を開閉する際の剛性を向上することができる。
【0061】
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、開閉ヒンジ部3と回転ヒンジ部7とを互いに離れた位置に独立して配置したことにより、第2の筐体2を開閉動作する際に、回転ヒンジ部7にかかる負荷を低減することができる。すなわち、特開2004−094647号公報に開示されているように、第2の筐体の開閉動作と回転動作とを一つのヒンジで兼ねた構成(二軸ヒンジ構造)では、第2の筐体を開閉動作させるたびに回転ヒンジ部分に負荷がかかり、回転ヒンジ部分においてガタツキが生じやすくなるという問題がある。特に、開閉及び回転に際して起動を担う第2の筐体2の質量が大きいほどこの問題は顕著になる。本実施の形態では、開閉ヒンジ部3を第1の筐体1と第2の筐体2との接合部の両端に配置し、回転ヒンジ部7を第1の筐体1と第2の筐体2との接合部の略中央に配置し、ヒンジサポート8を介して開閉ヒンジ部3及び回転ヒンジ部7を結合したことにより、第2の筐体2の開閉動作時に回転ヒンジ部7に負荷がかかる負荷を低減することができる。したがって、回転ヒンジ部7におけるガタツキの発生を抑えることができる。
【0062】
本実施の形態では、図7に示すように開閉軸A1を、第1の筐体1の上面1aよりも低い位置に配置した。図7は、第3の状態における本実施の形態のノートパソコンを側方から見た模式図である。このような構成とすることにより、ノートパソコンを第1の状態(図1参照)にしたときに、第2の筐体2の下面2bが第1の筐体1の上面1aよりも低くなる。この状態から、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、図7に示すように、第2の筐体2の下面2bにおける回転ヒンジ部7の近傍部分が第1の筐体1の上面1aに乗り上げ、第2の筐体2が僅かに矢印Gに示す方向へ傾く。したがって、第2の筐体2の角部2cと第1の筐体1の上面1aとの間に十分な間隙を設けることができ、角部2cが第1の筐体1の上面1aまたはポインティングデバイス6に当接することを防ぐことができる。よって、第1の筐体1の上面1aやポインティングデバイス6に傷等が付いてしまうことを防止することができる。
【0063】
本実施の形態では、図7に示すようにヒンジサポート部8を備え、開閉軸A1及び回転軸C1をヒンジサポート部8を通る位置に配置したことにより、第2の筐体2の前面2aの幅広の枠幅W1をヒンジサポート部8全域に渡り均一に露出することができるので、第2の筐体2の剛性を上げることができる。すなわち、使用者が、第2の筐体2の一対の短辺のうち少なくともいずれか一方の短辺部分を把持して第2の筐体2を回転させる際、第2の筐体2に対して長辺が曲がる力が印加される。特開2004−094647号公報が開示する構成では、開閉軸を本体(本実施の形態の第1の筐体1に相当)の上面よりも高い位置に配置しているため、表示ユニット(本実施の形態の第2の筐体2に相当)に、開閉軸を配置するための中空脚部(同文献中の符号11aと11b)を備える必要がある。中空脚部を備えることで、表示ユニットのハウジングの前面の開口部を除く部分において、枠幅が狭くなる部分が生じる。したがって、表示ユニットの曲げ剛性が低下してしまう。本実施の形態では、開閉軸A1及び回転軸C1をヒンジサポート部8内に配置することで、第2の筐体2の前面2aの幅広の枠幅W1を均一にすることができるので、第2の筐体2の曲げ剛性を上げることができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、第2の筐体2の角部2cと第1の筐体1の上面1aまたはポインティングデバイス6との接触を防ぐ構成としているが、第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転角度が小さい場合、第2の筐体2の長辺寸法が短い場合、および/またはキーボード5が第1の筐体1の上面1aにおける側面1b(図1参照)に近い位置に配置されている場合などでは、第2の筐体2の角部2cとキーボード5との接触を防ぐことができる。
【0065】
図10は、本実施の形態にかかるノートパソコンの変形例を示す斜視図である。図11Aは、図10に示すノートパソコンを第3の状態にしたときの側面図である。図11Bは、図11Aに示すノートパソコンの要部拡大図である。図10等に示すノートパソコンは、第1の筐体1の上面1aにおける回転ヒンジ部7の近傍に保護シート40を備えている。保護シート40は、ノートパソコンを第3の状態にしたときに、第2の筐体2の下面2bが当接または摺動可能なように、所定の厚さを有する。また、保護シート40は、第2の筐体2が当接及び摺動する際に第2の筐体2の下面2bに傷等が付くのを防止、および異音の発生を抑制するという観点から、可撓性を有する材料で形成することが好ましく、例えばポリアセタール樹脂等のように表面滑性を備える材料で構成することが望ましい。本実施の形態では、保護シート40は、一例としてポリカーボネート樹脂で形成されている。また、本実施の形態では、保護シート40は、第1の筐体1の上面1aにおける回転ヒンジ部7とキーボード5との間の部分に、両面テープで貼着されている。図11Bに示すように、保護シート40の厚さT1は、保護シート40を第1の筐体1の上面1aに貼着した状態における最上面40aの位置が、キーボード5の上面5aと同じ高さあるいはそれよりも高くなる厚さとしている。すなわち、保護シート40の厚さ(第1の筐体1の上面1aに貼着されている状態における上面1aに対する最上面40aの高さ)T1と、第2の筐体2の下面2bに対する第1の筐体1の上面1aの高さT2と、第1の筐体1の上面1aに対するキーボード5の上面5aの高さT3とは、以下の関係を有する。なお、高さT2は、第2の筐体2の下面2bと第1の筐体1の上面1aとがほぼ同一面上に位置しているため、図11Bへの図示を省略する。また、高さT3は。第1の筐体1の上面1aとキーボード5の上面5aとがほぼ同一面上に位置しているため、図11Bへの図示を省略する。
【0066】
T3<T2≦T1
上記のような関係が成り立つ保護シート40を備えることで、図11Aに示すようにノートパソコンを第3の状態にしたときに、第2の筐体2の角部2cとキーボード5の上面5aとの間に十分な間隙を形成することができる。また、第2の筐体2の角部2cと第1の筐体1の上面1aまたはポインティングデバイス6との間に、十分な間隙を形成することができる。
【0067】
また、図12は、本実施の形態にかかるノートパソコンに保護部材41を備えた構成を示す側面図である。保護部材41は、第2の筐体2の下面2bにおける長手方向の一方の端部近傍に配されている。保護部材41は、ノートパソコンを第3の状態にしたときに、第1の筐体1の上面1aやキーボード5の上面5aやポインティングデバイス6に傷等が付くことを防止するために設けられている。また、保護部材41は、第2の筐体2が第1の筐体1の上面1aなどに当接及び摺動する際に第2の筐体2の下面2bに傷等が付くのを防止、および異音の発生を抑制するという観点から、弾性を有する材料で形成することが好ましい。本実施の形態では、保護部材41は、一例としてポリカーボネート樹脂で形成されている。すなわち、保護部材41は、図12に示すようにノートパソコンを第3の状態にしたときに、第2の筐体2に対して矢印Hに示す方向への力が加わった際に、第2の筐体2の角部2cが第1の筐体1の上面1aやキーボード5の上面5aやポインティングデバイス6などに接触しうる。一般的にノートパソコンの筐体は、金属や硬化樹脂などで形成されているため、第2の筐体2の角部2cが第1の筐体1の上面1aやキーボード5の上面5aやポインティングデバイス6などに接触すると、上面1aなどに傷を付けてしまう場合がある。そこで、図12に示す構成では、第2の筐体2において第1の筐体1、キーボード5、およびポインティングデバイス6に接触しうる部分(角部2c)に保護部材41を配したことにより、上面1aなどに傷を付けてしまうことを防止している。
【0068】
また、保護部材41は、ノートパソコンが第1の状態のときの第2の筐体2の開閉角が90度未満の状態で、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに回転させた際に、第2の筐体2によって第1の筐体1の上面1aなどに傷などを付けてしまうことを防止することができる。すなわち、ノートパソコンが第1の状態のときの第2の筐体2の開閉角が90度未満の状態で、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに回転させた場合、第2の筐体2の回転過程において、第2の筐体2の角部2c(図11A参照)が第1の筐体1の上面1aやキーボード5などに摺接する可能性が高い。第2の筐体2の角部2c(図11A参照)が第1の筐体1の上面1aやキーボード5などに摺接すると、第1の筐体1の上面1aやキーボード5に傷を付けてしまったり、キーボード5のキートップに印刷されている文字を剥離させてしまったりするなどの不具合が生じる。本実施の形態では、第2の筐体2の角部(図11A参照)に相当する箇所に保護部材41を備えたことにより、たとえノートパソコンが第1の状態のときの第2の筐体2の開閉角が90度未満の状態で第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに回転させたとしても、第2の筐体2の回転過程において、保護部材41が第1の筐体1の上面1aやキーボード5に摺接する。したがって、第1の筐体1の上面1aやキーボード5に傷を付けてしまったり、キーボード5のキートップに印刷されている文字を剥離させてしまったりすることを防止することができる。
【0069】
なお、図12に示す保護部材41は、第2の筐体2の下面2bの長辺方向の一方の端部のみに配しているが、これは、第2の筐体2が第1の状態から第4の状態へ移行する際の回転方向が矢印Cに示す方向に限られているからである。すなわち、本実施の形態のように、第1の状態から第4の状態へ移行する際の第2の筐体2の回転方向が一つの方向に限られている場合は、第2の筐体2の回転時、第2の筐体2の下面2bの長辺方向の一方の端部側のみが第1の筐体1の上面1aの上を通過し、第2の筐体2の下面2bの長辺方向の他方の端部側は第1の筐体1の上面1aの上を通過しない。同様に、第4の状態から第1の状態へ移行する際の第2の筐体2の回転方向が矢印Dに示す方向に限られているため、第2の筐体2の回転時、第2の筐体2の下面2bの長辺方向の一方の端部側のみが第1の筐体1の上面1aの上を通過し、第2の筐体2の下面2bの長辺方向の他方の端部側は第1の筐体1の上面1aの上を通過しない。したがって、第2の筐体2の下面2bの長辺方向の他方の端部側に保護部材41を配する必要がなく、一方の端部側にのみ保護部材41を配すればよい。なお、第1の状態から第4の状態へ移行する際の第2の筐体2の回転方向が、矢印Cに示す方向と矢印Dに示す方向とに回転可能な回転ヒンジ部を備えている場合は、保護部材41を、第2の筐体2の下面2bの長辺方向の両端それぞれに配置することが好ましい。
【0070】
また、本実施の形態における第1の筐体1及び第2の筐体2は、筐体の一例である。本実施の形態における開閉ヒンジ部3は、第1のヒンジ部の一例である。本実施の形態における回転ヒンジ部7は、第2のヒンジ部の一例である。本実施の形態におけるヒンジサポート部8は、ヒンジ保持部の一例である。本実施の形態における保護シート40は、第1の保護部材の一例である。本実施の形態における保護部材41は、第2の保護部材の一例である。本実施の形態における前面2a及び背面2gは、一対の主面の一例である。本実施の形態における上面2h及び下面2b、第1側面2i及び第2側面2jは、二対の側面の一例である。
【0071】
(実施の形態2)
特開2004−094647号公報が開示している電子機器は、表示ユニットの回転動作を選択的に禁止する機構を備えていないため、例えば使用者が表示ユニットの側部を把持して表示ユニットを開閉させる際に、誤って表示ユニットが回転してしまうことがあり、表示ユニットが回転できない開閉角度で回転した際に当該表示ユニットの角部がコンピュータ本体の上面と当接し傷付ける等、使い勝手を低下させてしまう。
【0072】
実施の形態2にかかる電子機器は、特開2004−094647号公報に開示されている構成における問題を解消することができる構成を備えている。
【0073】
図13は、実施の形態2にかかる電子機器の一例であるノートパソコンの外観を示す斜視図である。図13は、第1の状態にあるノートパソコンを示す。図14は、第2の状態にあるノートパソコンを示す。なお、図13及び図14に示すノートパソコンにおいて、図1等に示すノートパソコンと同様の構成については、同一符号を付与して詳細な説明は省略する。また、図示は省略するが、実施の形態2にかかるノートパソコンは、図13に示す第1の状態、および図14に示す第2の状態とともに、図3に示す第3の状態、図4に示す第4の状態、および図5に示す第5の状態へも移行が可能である。実施の形態2にかかるノートパソコンが第1の状態、第2の状態、第3の状態、第4の状態、および第5の状態へ移行可能とするために、第2の筐体2は、2軸ヒンジ機構17によって第1の筐体1に支持されている。2軸ヒンジ機構17は、例えば特開2006−10025号公報等に開示されているように周知であるため、詳しい説明は省略する。
【0074】
また、図13及び図14に示すノートパソコンにおいて、図1等に示すノートパソコンと異なるのは、図2等に示すヒンジサポート8を省略した点である。
【0075】
また、本実施の形態では、電子機器の一例としてノートパソコンを挙げたが、折りたたみ型携帯電話端末、折りたたみ型電子ゲーム機、折りたたみ型電子辞書端末などであってもよい。電子機器は、少なくとも複数の筐体と、複数の筐体を開閉自在及び回転自在に支持したヒンジ機構とを備えた機器であればよい。
【0076】
図15は、第1の筐体1における第2の筐体2との結合部分近傍の平面図である。図16は、第1の状態にあるノートパソコンの正面図である。図15を明瞭に記載するため、2軸ヒンジ機構17の図示は省略した。図15に示す孔部1eは、2軸ヒンジ機構17の一部が挿通される。
【0077】
図15及び図16に示すように、第1の筐体1は、突起部151及び152を備えている。突起部151及び152は、第1の筐体1における上面1aから突出するように配されている。突起部151及び152は、ノートパソコンが図13に示すように第1の状態に移行したときに、第2の筐体2の下面2bに対向する部分に配されている。
【0078】
突起部151及び152は、図13に示すようにノートパソコンが第1の状態のとき、または第4の状態(図4参照)のときに、第2の筐体2の下面2b(図16参照)に形成された凹部2d及び2eに嵌合可能である。突起部151及び152は、凹部2d及び2eに嵌合する際に第2の筐体2の下面2bに傷が付くのを防止したり、嵌合時に異音が発生することを防止したりするために、樹脂材料で形成されていることが好ましい。本実施の形態では、突起部151及び152は例えばポリカーボネート樹脂で形成した。突起部151及び152は、凹部2d及び2eにスムーズに嵌合可能とするために、半球状または円錐状に形成することが好ましい。本実施の形態では、突起部151及び152は半球状に形成した。
【0079】
突起部151及び152は、図16に示す突出位置から矢印Iに示す方向へ変位可能に配され、第1の筐体1内に配されたバネなどの付勢手段(不図示)により突出位置に向かって付勢されている。
【0080】
なお、付勢手段は必須ではない。例えば、突起部151及び152を、凹部2d及び2eから離脱し第2の筐体2の下面2bによって押圧されているときに、下面2bにおける突起部151及び152が当接する部位を弾性変形可能な材料で形成すれば、付勢手段は不要である。このような構成を採用する場合、突起部151及び152による下面2bの傷付きを抑制することができる一方、ノートパソコンが第1の状態または第4の状態にあるときの第2の筐体2の位置が不安定になる可能性がある。しかし、突起部151及び152の高さを極力低く形成することで、突起部151及び152における水平方向(第1の筐体1の上面1aの面方向)に力がかかった際の変形を抑えることができる。したがって、突起部151及び152が凹部2d及び2eに嵌合しているときの、第2の筐体2を安定に位置決めさせることができる。
【0081】
突起部151及び152は、図16に示すように、2軸ヒンジ機構17の回転軸C11から同じ距離(L12=L13)だけ離れた位置に配されている。また、第2の筐体2の下面2bに形成された凹部2d及び2eは、2軸ヒンジ機構17の回転軸C11から同じ距離(L12=L13)だけ離れた位置に形成されている。このような構成とすることにより、第2の筐体2が第1の状態(図13参照)または第2の状態(図14参照)にあるときにおいて、突起部151が凹部2dに嵌合可能で、突起部152が凹部2eに嵌合可能である。また、第2の筐体2が第4の状態(図4参照)または第5の状態(図5参照)にあるときにおいて、突起部151が凹部2eに嵌合可能で、突起部152が凹部2dに嵌合可能である。
【0082】
突起部151及び152と凹部2d及び2eとの嵌合位置は、第2の筐体2の幅方向の端部と回転軸C11との中央部に配置することが好ましい。すなわち、図16に示すように、第2の筐体2の長辺の幅寸法をL11、回転軸C11と突起部151との距離をL12、回転軸C11と突起部152との距離をL13としたとき、幅寸法L11に対する距離(L12+L13)の比、すなわち、
K=(L12+L13)/L11
における比Kの値が、
0.4≦K≦0.7
但し、L12=L13
の範囲に収まるように突起部151及び152を配置することが好ましい。なお、本実施の形態ではK=0.6とした。
【0083】
このように、突起部151及び152と凹部2d及び2eとの嵌合位置を回転軸C11から距離L12及びL13について離れた位置に配置することにより、2軸ヒンジ機構17において機械的ガタツキが生じたとしても、第2の筐体2のガタツキを抑えることができ、第1の筐体1に対する第2の筐体2の位置を安定させることができる。なお、距離L12及びL13を短く、すなわち比Kが0.4よりも小さくなる位置に突起部151及び152と凹部2d及び2eとの嵌合位置を配置すると、2軸ヒンジ機構17において機械的ガタツキが生じている場合に、第2の筐体2のガタツキを十分に抑えることができない。したがって、上記のように比Kが0.4以上となる位置に突起部151及び152と凹部2d及び2eとの嵌合位置を配置することが、第2の筐体2のガタツキを低減できるため好ましい。
【0084】
また、突起部151及び152と凹部2d及び2eとの嵌合位置を第2の筐体2の長辺方向の端部に配置した場合、第2の筐体2が大きな押圧力の印加などによって変形してしまうと、凹部2d及び2eに嵌合できなくなってしまう場合がある。本実施の形態では、突起部151及び152と凹部2d及び2eとの嵌合位置を、比Kが0.7以下となる位置に配置したことにより、第2の筐体2が大きな押圧力の印加などによって変形してしまったとしても、突起部151及び152と凹部2d及び2eとが嵌合できなくなってしまう可能性を低くすることができる。
【0085】
以下、動作について説明する。
【0086】
図16に示すように、ノートパソコンが第1の状態にあるとき、突起部151は第2の筐体2の下面2bに形成された凹部2dに嵌合し、突起部152は第2の筐体2の下面2bに形成された凹部2eに嵌合している。これにより、第2の筐体2は、第1の筐体1に対する回転軸C11の軸周り方向の位置が安定する。
【0087】
第2の筐体2を、第1の状態(図13参照)から回転軸C11の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、突起部151は、凹部2dから離脱し、第2の筐体2の下面2bに押圧されて矢印Iに示す方向へ変位する。また、突起部152は、凹部2eから離脱し、第2の筐体2の下面2bに押圧されて矢印Iに示す方向へ変位する。第2の筐体2の回転をさらに続け、第3の状態(図3参照)に示す位置まで回転させると、突起部151及び152は、第2の筐体2の下面2bによる押圧状態から解放され、付勢手段(不図示)によって突出位置に向かって押圧されて変位する。
【0088】
第2の筐体2を、第3の状態(図3参照)から回転軸C11の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、突起部151及び152は、第2の筐体2の下面2bに押圧されて矢印I(図16参照)に示す方向へ変位する。さらに、第2の筐体2を回転させ、第4の状態(図4参照)に移行させると、突起部151は第1の筐体1内に配された付勢手段(不図示)によって突出位置へ変位し、凹部2eに嵌合する。また、突起部152も同様に、第1の筐体1内に配された付勢手段(不図示)によって突出位置へ変位し、凹部2dに嵌合する。これにより、第2の筐体2は、第1の筐体1に対する回転軸C11の軸周り方向の位置が安定する。
【0089】
なお、第2の筐体2を第4の状態(図4参照)に示す位置から第1の状態(図1参照)に示す位置へ回転するときにおける突起部151及び152の動作は、上記と同様である。
【0090】
また、第2の筐体2は、2軸ヒンジ機構17によって支持されながら開閉動作する。したがって、第1の状態から第2の状態へ移行する際は、突起部151は凹部2dから離脱し、突起部152は凹部2eから離脱する。また、第4の状態から第5の状態へ移行する際は、突起部151は凹部2eから離脱し、突起部152は突起部2dから離脱する。
【0091】
本実施の形態によれば、突起部151及び152を、2軸ヒンジ機構17の回転軸C11と第2の筐体2の長辺方向の両端部との中央近傍に配置したことにより、2軸ヒンジ機構17において機械的ガタツキが生じている場合であっても、第1の状態及び第4の状態において、第2の筐体2の位置を安定させることができる。また、第2の筐体2に反りなどの変形が生じていたとしても、突起部151及び152を凹部2d及び2eに嵌合できる可能性を高めることができる。
【0092】
本実施の形態によれば、突起部151及び152を、回転軸C11を挟んで対称的に配置したことにより、第2の筐体2が第1の状態に示す位置にあるときと、第4の状態に示す位置にあるときとで、位置決めを行うことができる。したがって、第1の状態と第4の状態とで突起部151及び152と凹部2d及び2eを共有することができるので、突起部の数を減らすことができ、少ない部品点数で実現することができる。
【0093】
なお、本実施の形態では、第2の筐体2に凹部2d及び2eを設け、第1の筐体1に突起部151及び152を設けたが、第2の筐体2に突起部151及び152に相当する突起部を設け、第1の筐体1に凹部2d及び2eに相当する凹部を設ける構成としてもよい。
【0094】
本実施の形態では、突起部を2カ所、凹部を2カ所に設けたが、突起部は1カ所であってもよい。すなわち、突起部151と、凹部2d及び2eとを備える構成としてもよい。このような構成とすることにより、突起部151は、ノートパソコンが第1の状態または第2の状態のときに凹部2dに嵌合し、ノートパソコンが第4の状態または第5の状態のときに凹部2eに嵌合することができる。したがって、第1の筐体1に対する第2の筐体2の位置決めを行うことができる。ただし、このような構成をとる場合は、突起部151と回転軸C11との距離、凹部2dと回転軸C11との距離、および凹部2eと回転軸C11との距離が同じである必要がある。なお、突起部152と、凹部2d及び2eとの組み合わせでも同様に機能する。
【0095】
本実施の形態では、突起部151及び152を凹部2d及び2eに嵌合させることで、第2の筐体2の位置決めを行う構成としたが、この構成では比較的容易に突起部151及び152と凹部2d及び2eとの嵌合が外れる。使用者によっては、第2の筐体2を回転軸C11の軸周り方向に回転させる機会が極めて少ない場合がある。このように、第2の筐体2を回転させる機会が極めて少ない場合は、第2の筐体2の回転を禁止してしまう構造を備えることが好ましい。
【0096】
(実施の形態3)
特開2004−094647号公報が開示している電子機器は、表示ユニットの回転動作を選択的に禁止する機構を備えていないため、例えば使用者が表示ユニットの側部を把持して表示ユニットを開閉させる際に、誤って表示ユニットが回転してしまうことがあり、表示ユニットが回転できない開閉角度で回転した際に当該表示ユニットの角部がコンピュータ本体の上面と当接し傷付ける等、使い勝手を低下させてしまう。
【0097】
実施の形態3にかかる電子機器は、特開2004−094647号公報に開示されている構成における問題を解消することができる構成を備えている。
【0098】
図17は、第1の筐体1及びヒンジサポート部8の平面図である。図17では、ヒンジサポート部8の構成を明瞭に図示するために第2の筐体2等の図示を省略している。図18は、第2の筐体2及びヒンジサポート部8の正面図である。図18では、第2の筐体2の一部を断面描画している。
【0099】
図17及び図18に示すように、ヒンジサポート部8は、突起部51及び52を備えている。突起部51及び52は、ヒンジサポート部8における上面において突出するように配されている。なお、「ヒンジサポート部8の上面」とは、ヒンジサポート部8における、第2の筐体2の上面2hと同一方向を向く面に相当する。また、ヒンジサポート部8は、回転ヒンジ部7のシャフト33(図9D参照)が挿通される孔部8aを備えている。
【0100】
突起部51及び52は、図18に示すように、ノートパソコンが第1の状態または第4の状態のときに、第2の筐体2の下面2bに形成された凹部2d及び2eに嵌合可能である。突起部51及び52は、凹部2d及び2eに嵌合する際に第2の筐体2の下面2bに傷が付くのを防止したり、嵌合時に異音が発生することを防止したりするために、樹脂材料で形成されていることが好ましい。本実施の形態では、突起部51及び52は例えばポリカーボネート樹脂で形成した。突起部51及び52は、凹部2d及び2eにスムーズに嵌合可能とするために、半球状または円錐状に形成することが好ましい。本実施の形態では、突起部51及び52は半球状に形成した。
【0101】
突起部51及び52は、突出位置から矢印Iに示す方向へ変位可能に配され、ヒンジサポート部8内に配されたバネなどの付勢手段(不図示)により突出位置に向かって付勢されている。
【0102】
なお、付勢手段は必須ではない。例えば、突起部51及び52を、凹部2d及び2eから離脱し第2の筐体2の下面2bによって押圧されているときに、下面2bにおける突起部51及び52が当接する部位を弾性変形可能な材料で形成すれば、付勢手段は不要である。このような構成を採用する場合、突起部51及び52による下面2bの傷付きを抑制することができる一方、ノートパソコンが第1の状態または第4の状態にあるときの第2の筐体2の位置が不安定になる可能性がある。しかし、突起部51及び52の高さを極力低く形成することで、突起部51及び52における水平方向(第1の筐体1の上面1aの面方向)に力がかかった際の変形を抑えることができる。したがって、突起部51及び52が凹部2d及び2eに嵌合しているときの、第2の筐体2を安定に位置決めさせることができる。
【0103】
突起部51及び52は、図18に示すように、回転ヒンジ部7の回転軸C1から同じ距離(L2=L3)だけ離れた位置に配されている。また、第2の筐体2の下面2bに形成された凹部2d及び2eは、回転ヒンジ部7の回転軸C1から同じ距離(L2=L3)だけ離れた位置に形成されている。このような構成とすることにより、第2の筐体2が第1の状態(図1参照)または第2の状態(図2参照)にあるときにおいて、突起部51が凹部2dに嵌合可能で、突起部52が凹部2eに嵌合可能である。また、第2の筐体2が第4の状態(図4参照)または第5の状態(図5参照)にあるときにおいて、突起部51が凹部2eに嵌合可能で、突起部52が凹部2dに嵌合可能である。
【0104】
突起部51及び52と凹部2d及び2eとの嵌合位置は、第2の筐体2の幅方向の端部と回転軸C1との中央部に配置することが好ましい。すなわち、図18に示すように、第2の筐体2の長辺の幅寸法をL1、回転軸C1と突起部51との距離をL2、回転軸C1と突起部52との距離をL3としたとき、幅寸法L1に対する距離(L2+L3)の比、すなわち、
K=(L2+L3)/L1
における比Kの値が、
0.4≦K≦0.7
但し、L2=L3
の範囲に収まるように突起部51及び52を配置することが好ましい。なお、本実施の形態ではK=0.6とした。
【0105】
このように、突起部51及び52と凹部2d及び2eとの嵌合位置を回転軸C1から距離L2及びL3について離れた位置に配置することにより、回転ヒンジ部7において機械的ガタツキが生じたとしても、第2の筐体2のガタツキを抑えることができ、ヒンジサポート部8に対する第2の筐体2の位置を安定させることができる。なお、距離L2及びL3を短く、すなわち比Kが0.4よりも小さくなる位置に突起部51及び52と凹部2d及び2eとの嵌合位置を配置すると、回転ヒンジ部7において機械的ガタツキが生じている場合に、第2の筐体2のガタツキを十分に抑えることができない。したがって、上記のように比Kが0.4以上となる位置に突起部51及び52と凹部2d及び2eとの嵌合位置を配置することが、第2の筐体2のガタツキを低減できるため好ましい。
【0106】
また、突起部51及び52と凹部2d及び2eとの嵌合位置を第2の筐体2の長辺方向の端部に配置した場合、第2の筐体2が大きな押圧力の印加などによって変形してしまうと、凹部2d及び2eに嵌合できなくなってしまう場合がある。本実施の形態では、突起部51及び52と凹部2d及び2eとの嵌合位置を、比Kが0.7以下となる位置に配置したことにより、第2の筐体2が大きな押圧力の印加などによって変形してしまったとしても、突起部51及び52と凹部2d及び2eとが嵌合できなくなってしまう可能性を低くすることができる。
【0107】
以下、動作について説明する。
【0108】
図18に示すように、ノートパソコンが第1の状態にあるとき、突起部51は第2の筐体2の下面2bに形成された凹部2dに嵌合し、突起部52は第2の筐体2の下面2bに形成された凹部2eに嵌合している。これにより、第2の筐体2は、ヒンジサポート部8に対する回転軸C1の軸周り方向の位置が安定する。
【0109】
第2の筐体2を、第1の状態(図1参照)から回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、突起部51は、凹部2dから離脱し、第2の筐体2の下面2bに押圧されて矢印Iに示す方向へ変位する。また、突起部52は、凹部2eから離脱し、第2の筐体2の下面2bに押圧されて矢印Iに示す方向へ変位する。第2の筐体2の回転をさらに続け、第3の状態(図3参照)に示す位置まで回転させると、突起部51及び52は、第2の筐体2の下面2bによる押圧状態から解放され、付勢手段(不図示)によって突出位置に向かって押圧されて変位する。
【0110】
第2の筐体2を、第3の状態(図3参照)から回転軸C1の軸周りに矢印Cに示す方向へ回転させると、突起部51及び52は、第2の筐体2の下面2bに押圧されて矢印I(図18参照)に示す方向へ変位する。さらに、第2の筐体2を回転させ、第4の状態(図4参照)に移行させると、突起部51はヒンジサポート部8内に配された付勢手段(不図示)によって突出位置へ変位し、凹部2eに嵌合する。また、突起部52も同様に、ヒンジサポート部8内に配された付勢手段(不図示)によって突出位置へ変位し、凹部2dに嵌合する。これにより、第2の筐体2は、ヒンジサポート部8に対する回転軸C1の軸周り方向の位置が安定する。
【0111】
なお、第2の筐体2を第4の状態(図4参照)に示す位置から第1の状態(図1参照)に示す位置へ回転するときにおける突起部51及び52の動作は、上記と同様である。
【0112】
また、第2の筐体2を開閉する際は、第2の筐体2とヒンジサポート部8とが一体的に開閉動作する。したがって、第1の状態と第2の状態との間で開閉動作する際は、突起部51は凹部2dに嵌合し、突起部52は凹部2eに嵌合している。また、第4の状態と第5の状態との間で開閉動作する際は、突起部51は凹部2eに嵌合し、突起部52は突起部2dに嵌合している。
【0113】
本実施の形態によれば、開閉ヒンジ部3と回転ヒンジ部7とを互いに離れた位置に独立して配置したことにより、第2の筐体2を開閉動作する際に、回転ヒンジ部7にかかる負荷を低減することができる。すなわち、特開2004−094647号公報に開示されているように、第2の筐体の開閉動作と回転動作とを一つのヒンジで兼ねた構成(二軸ヒンジ構造)では、第2の筐体を開閉動作させるたびに回転ヒンジ部分に負荷がかかり、回転ヒンジ部分においてガタツキが生じやすくなるという問題がある。本実施の形態では、開閉ヒンジ部3を第1の筐体1と第2の筐体2との接合部の両端に配置し、回転ヒンジ部7を第1の筐体1と第2の筐体2との接合部の略中央に配置したことにより、第2の筐体2の開閉動作時に回転ヒンジ部7に負荷がかかる負荷を低減することができる。したがって、回転ヒンジ部7におけるガタツキの発生を抑えることができる。
【0114】
本実施の形態によれば、突起部51及び52を、回転ヒンジ部7の回転軸C1と第2の筐体2の長辺方向の両端部との中央近傍に配置したことにより、回転ヒンジ部7において機械的ガタツキが生じている場合であっても、第1の状態及び第4の状態において、第2の筐体2の位置を安定させることができる。また、第2の筐体2に反りなどの変形が生じていたとしても、突起部51及び52を凹部2d及び2eに嵌合できる可能性を高めることができる。
【0115】
本実施の形態によれば、突起部51及び52を、回転軸C1を挟んで対称的に配置したことにより、第2の筐体2が第1の状態に示す位置にあるときと、第4の状態に示す位置にあるときとで、位置決めを行うことができる。したがって、第1の状態と第4の状態とで突起部51及び52と凹部2d及び2eを共有することができ、少ない部品点数で実現することができる。
【0116】
なお、本実施の形態では、第2の筐体2に凹部2d及び2eを設け、ヒンジサポート部8に突起部51及び52を設けたが、第2の筐体2に突起部51及び52に相当する突起部を設け、ヒンジサポート部8に凹部2d及び2eに相当する凹部を設ける構成としてもよい。
【0117】
本実施の形態では、突起部を2カ所、凹部を2カ所に設けたが、突起部は1カ所であってもよい。すなわち、突起部51と、凹部2d及び2eとを備える構成としてもよい。このような構成とすることにより、突起部51は、ノートパソコンが第1の状態または第2の状態のときに凹部2dに嵌合し、ノートパソコンが第4の状態または第5の状態のときに凹部2eに嵌合することができる。したがって、第1の筐体1に対する第2の筐体2の位置決めを行うことができる。ただし、このような構成をとる場合は、突起部51と回転軸C1との距離、凹部2dと回転軸C1との距離、および凹部2eと回転軸C1との距離が同じである必要がある。なお、突起部52と、凹部2d及び2eとの組み合わせでも同様に機能する。
【0118】
本実施の形態では、突起部51及び52を凹部2d及び2eに嵌合させることで、第2の筐体2の位置決めを行う構成としたが、この構成では比較的容易に突起部51及び52と凹部2d及び2eとの嵌合が外れる。使用者によっては、第2の筐体2を回転軸C1の軸周り方向に回転させる機会が極めて少ない場合がある。このように、第2の筐体2を回転させる機会が極めて少ない場合は、第2の筐体2の回転を禁止してしまう構造を備えることが好ましい。
【0119】
図19Aは、回転抑制部材(スライドレバー61)を備えたノートパソコンにおける第2の筐体2とヒンジサポート部8の正面図である。図19B及び図19Cは、図19Aにおける回転抑制部材近傍の要部断面図である。なお、図19A、図19B、および図19Cにおいて、回転抑制部材の近傍は断面描画した。図20A及び図20Bは、図19におけるW−W部の断面図である。図19B及び図20Aは、回転抑制部材が第2の筐体2内に収納された状態(以下、収納位置と称する)である。図19C及び図20Bは、回転抑制部材の一部が第2の筐体2から突出した状態(以下、突出位置と称する)である。
【0120】
第2の筐体2は、回転抑制部材であるスライドレバー61を備えている。スライドレバー61は、その一部が、第2の筐体2の前面2aに形成された孔部2fから露出している。スライドレバー61は、第2の筐体2内にネジ63によって保持されている。スライドレバー61は、長孔を備え、その長孔にネジ63が挿通していることによって、矢印MまたはNに示す方向へ変位可能である。スライドレバー61は、規制軸62が一体的に設けられている。規制軸62は、図19B及び図20Aに示すようにスライドレバー61が収納位置にあるときは第2の筐体2内に収納され、図19C及び図20Bに示すようにスライドレバー61が突出位置にあるときは第2の筐体2から突出する。なお、スライドレバー61は、図19B及び図20Aに示す収納位置、図19C及び図20Bに示す突出位置において、板バネなどの規制手段(不図示)により位置決めされている。
【0121】
以下、動作について説明する。
【0122】
図19B及び図20Aに示すように、スライドレバー61を収納位置に配置した状態のときは、規制軸62が第2の筐体2内に収納された状態となる。このとき、第2の筐体2は、回転軸C1の軸周りに回転可能な状態となっている。
【0123】
第2の筐体2が第1の状態(図1参照)に示す位置または第4の状態(図4参照)に示す位置にあるときに、スライドレバー61を、図19B及び図20Aに示す収納位置から矢印Mに示す方向へスライドさせ、図19C及び図20Bに示す位置まで変位させると、規制軸62が、第2の筐体2から突出し、ヒンジサポート部8に形成された孔部8bに挿入される。これにより、第2の筐体2は、回転軸C1の軸周りに矢印C及びDに示す方向へ回転ができない状態になる。
【0124】
図19C及び図20Bに示すように、規制軸62がヒンジサポート部8の孔部8bに挿入されている状態において、スライドレバー61を矢印Nに示す方向へスライドさせると、図19B及び図20Aに示すように規制軸62が孔部8bから離脱する。これにより、第2の筐体2は、回転軸C1の軸周りに矢印C及びDに示す方向へ回転可能な状態になる。
【0125】
スライドレバー61を図19B及び図20Aに示すように第2の筐体2内に収納した位置に変位させた際、規制軸62が第2の筐体2から僅かでも突出していると、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに回転させた際に、規制軸62が他の部位に接触したり引っ掛かったりする可能性がある。本実施の形態では、スライドレバー61を図19B及び図20Aに示すように第2の筐体2内に収納した位置に変位させた際、規制軸62は第2の筐体2から突出せずに収納された状態となるため、第2の筐体2を回転軸C1の軸周りに回転させた際に規制軸62が他の部位に接触したり引っ掛かったりすることがない。
【0126】
また、スライドレバー61及び規制軸62を備えたことにより、第2の筐体2の角部が第1の筐体1の上面と当接して第1の筐体1に傷を付けるなどの問題が発生するのを防止することができる。すなわち、第2の筐体2が容易に回転してしまう構造では、第2の筐体2の開閉角が小さい状態(例えば90度未満)で回転させてしまうと、第2の筐体2の角部が第1の筐体1の上面1aに当接し、第1の筐体1に傷を付けてしまう可能性がある。本実施の形態はスライドレバー61及び規制軸62によって第2の筐体2の回転を禁止する状態にすることができるので、第2の筐体2の角部で第1の筐体1を傷付けてしまうことを防止することができる。
【0127】
また、本実施の形態における第1の筐体1及び第2の筐体2は、筐体の一例である。本実施の形態における開閉ヒンジ部3は、第1のヒンジ部の一例である。本実施の形態における回転ヒンジ部7は、第2のヒンジ部の一例である。本実施の形態におけるヒンジサポート部8は、ヒンジ保持部の一例である。本実施の形態における保護シート40は、第1の保護部材の一例である。本実施の形態における保護部材41は、第2の保護部材の一例である。本実施の形態における凹部2d、2eは、第1の凹部及び第2の凹部の一例である。本実施の形態の突起部51及び52は、第1の突起部及び第2の突起部の一例である。本実施の形態におけるスライドレバー61及び規制軸62は、回転規制部材の一例である。
【0128】
(実施の形態4)
特開2004−094647号公報が開示している電子機器では、本体ユニットに対する表示ユニットの開閉角度が90度未満の姿勢(例えば特開2004−094647号公報の図3に示す姿勢)で、表示ユニットを軸X1の軸周りに回転させた場合、表示ユニットがキーボード等に接触し、表示ユニットやキーボード等が損傷してしまう可能性がある。表示ユニットを回転させる際にキーボード等に接触することを防ぐために、表示ユニットを回転すべき開閉角度(例えば90度)に調整してから回転すればよいが、精度良く調整するのは困難である。
【0129】
実施の形態4にかかる電子機器は、特開2004−094647号公報に開示されている構成における問題を解消することができる開閉ヒンジ部を備えている。なお、実施の形態4にかかる電子機器は、開閉ヒンジ部以外の構成が実施の形態1または3にかかる電子機器と同様の構成であるため、詳しい説明は省略する。実施の形態4は、開閉ヒンジ部の構成に特徴がある。
【0130】
〔1.開閉ヒンジ部3の構成〕
図21は、開閉ヒンジ部3の内部構造を示す要部平面図である。なお、図21は、明瞭に図示するために、第1の筐体1及び第2の筐体2の一部を断面描画している。また、図21は、説明の便宜上、第2の筐体2を第1の状態(図1参照)からさらに矢印Bに示す方向へ回動させて、第1の筐体1に対して約180度開いた状態の図としている。図22Aは、第2の状態におけるノートパソコンの側面図である。図22Bは、第1の状態におけるノートパソコンの側面図である。図23Aは、ノートパソコンが第2の状態のときにおけるヒンジ機構3の平面図である。図23Bは、ノートパソコンが第1の状態のときにおけるヒンジ機構3の平面図である。
【0131】
図21に示すように、開閉ヒンジ部3は、ヒンジ機構10を備えている。ヒンジ機構10は、シャフト11、第5の支持部材112、第2の支持部材13、第2のトルク機構114を備えている。
【0132】
シャフト11は、第2の筐体2の矢印AまたはBに示す方向への開閉動作に伴って、線分A1を中心に矢印AまたはBに示す方向へ回転可能である。なお、シャフト11は、第1の筐体1または第2の筐体2を回動させるときにかかる力に対する耐性を考慮すると、金属で作製することが好ましい。本実施の形態におけるシャフト11は、軸径が約3〜4mm、軸長が約15mmのステンレス製としたが、寸法及び材料はこれに限定されない。
【0133】
第5の支持部材112は、シャフト11に回転自在に支持されている。第5の支持部材112は、第1の筐体1にネジ16で固定されている。第2の支持部材13は、シャフト11にリベット等により固定されている。第2の支持部材13は、第2の筐体2にネジ15で固定されている。したがって、第2の筐体2を第1の状態(図1参照)と第2の状態(図2参照)との間で回動させることにより、シャフト11が第2の筐体2と一体的に回転するとともに、第2の支持部材13が第2の筐体2と一体的にシャフト11の軸A1周りに回動する。
【0134】
第5の支持部材112は、第1の支持部112aが一体的に設けられている。第1の支持部112aは、シャフト11が回転可能に挿通している貫通孔を備えている。第2の支持部材13は、第2の支持部13aが一体的に設けられている。第2の支持部13aは、シャフト11を挿通可能な貫通孔を備えている。シャフト11は、第2の支持部13aの貫通孔に挿通され、リベット等で第2の支持部13aに固定されている。なお、本実施の形態では、第1の筐体1と第2の筐体2とが結合している部分の両端にそれぞれ開閉ヒンジ部3を備えているが、その内部構成は各々同様の構成である。また、第5の支持部材112及び第2の支持部材13は、第1の筐体1または第2の筐体2を回動させるときにかかる力に対する耐性を考慮すると、金属で作製することが好ましく、本実施の形態では例えばステンレス製としたが、これに限定されない。
【0135】
第2のトルク機構114は、複数の円盤状のワッシャやラバーシートなどで構成され、シャフト11に固定されている。本実施の形態では、ワッシャやラバーシートなどにシャフト11を挿通可能な貫通孔を備え、その貫通孔にシャフト11を圧入固定させている。したがって、第2のトルク機構114は、第2の筐体2の回動に伴ってシャフト11が回転する際、シャフト11とともに回転する。第2のトルク機構114は、ワッシャ114a、ワッシャ114b、ラバーシート114cを備えている。ワッシャ114aは、第1の支持部112aに圧接している。したがって、第5の支持部材112と接している部分における摩擦により、第2の筐体2に回動負荷を与えることができる。第5の支持部材112と第2のトルク機構114との間の摩擦により、第2の筐体2を、第1の筐体1に対する任意の開閉角度で姿勢を保持させることができる。なお、本実施の形態における第2のトルク機構114の構成は一例であり、少なくともシャフト11の回転あるいは第2の筐体2の回動に対して負荷を与えることができれば、他の構成を採用してもよい。
【0136】
図23A及び図23Bに示すように、第1の支持部112aは、凹部112bを備えている。ワッシャ114aは、凸部114dを備えている。凸部114dは、凹部112bに嵌合可能である。凸部114d及び凹部112bは、図22Bに示すように第2の筐体2の第1の筐体1に対する開閉角度θが90〜100度のときに互いに嵌合する位置に形成されている。すなわち、凸部114d及び凹部112bは、図22Bに示すように第2の筐体2の第1の筐体1に対する開閉角度θが90〜100度のときに第2の筐体2を位置決めすることができる。第2の筐体2の第1の筐体1に対する開閉角度θが90度未満のときに第2の筐体2を図1に示す矢印CまたはDに示す方向へ回転させると、第2の筐体2が第1の筐体1の上面1a等に衝突してしまう可能性がある。また、第2の筐体2の第1の筐体1に対する開閉角度θが100度よりも大きいときに第2の筐体2を図1に示す矢印CまたはDに示す方向へ回転させると、第2の筐体2がノートパソコンを設置している机上面等に衝突してしまう可能性がある。よって、第2の筐体2を第1の状態から第4または第5の状態へ移行しにくかったり、第1の筐体1、第2の筐体2、または机上面を傷つけてしまったりする可能性がある。そこで本実施の形態では、凹部112b及び凸部114dを設けて、第2の筐体2を90〜100度の開閉角度で位置決めする構成を採用したことにより、第2の筐体2を90〜100度の開閉角度で軽度に位置決めすることができる。凸部114dが凹部112bに嵌合する際、ワッシャ114aの弾性復帰力によって、第2の筐体2を把持しているユーザーの手にクリック感を与えることができる。ユーザーは、このクリック感に基づき、第2の筐体2を回転すべき開閉角度であることを認知することができる。なお、凸部114dと凹部112bとが嵌合する開閉角度(90〜100度)は、一例であり、少なくとも第2の筐体2を軸C1(図1等参照)の軸周りに回転させた際に、第2の筐体2が第1の筐体1や机上面に衝突せず、第1の状態から第4の状態または第4の状態から第1の状態へ移行可能な開閉角度であればよい。
【0137】
以下、動作について説明する。
【0138】
第2の筐体2を第1の状態(図1、図22B参照)に示す位置から矢印Aに示す方向へ回動させると、第2の筐体2に固定された第2の支持部材13も開閉軸A1の軸周りに回動する。第2の支持部材13が回動すると、第2の支持部材13に一体的に設けられたシャフト11が開閉軸A1の軸周りに矢印Aに示す方向へ回転する。このとき、第2のトルク機構114によって、シャフト11の回転動作に負荷が与えられる。第2の筐体2は、第2の状態(図2、図22A参照)に示す位置まで回動可能である。凸部114dは、図23Aに示すように第2の筐体2が第2の状態に示す位置にあるとき、凹部112bから離脱し、第1の支持部112aにおける凹部112b周辺の面に乗り上がっている。
【0139】
第2の筐体2を第2の状態(図2、図22A参照)に示す位置から矢印Bに示す方向へ回動させると、第2の筐体2に固定された第2の支持部材13も開閉軸A1の軸周りに回動する。第2の支持部材13が回動すると、第2の支持部材13に一体的に設けられたシャフト11が開閉軸A1の軸周りに矢印Bに示す方向へ回転する。このとき、第2のトルク機構114によって、シャフト11の回転動作に負荷が与えられる。
【0140】
第2の筐体2を第1の状態(図1、図22B参照)に示す位置まで回動させると、図23Bに示すように凸部114dが凹部112bに嵌合する。ワッシャ114aは、凸部114dが図23Aに示すように凹部112bから離脱した状態から図23Bに示すように凹部112bに嵌合する際、自身の弾性復帰力によって振動が発生する。この振動がシャフト11を介して第2の筐体2へと伝わる。この振動は、第2の筐体2を把持しているユーザーの手に、クリック感として与えられる。ユーザーは、このクリック感に基づき、第2の筐体2が回転すべき開閉角度にあることを認知する。
【0141】
凸部114dが凹部112bに嵌合している状態で第2の筐体2を開閉させようとすると、凸部114dが凹部112bの内面に当接して凹部112bから離脱しにくい状態となっている。よって、第2の筐体2を位置決めすることができる。
【0142】
第2の筐体2に対して矢印AまたはBに示す方向へ一定以上の力を与えた場合、ワッシャ114aが弾性変形しながら凸部114dが凹部112bから離脱する。これにより、第2の筐体2を第1の状態から矢印AまたはBに示す方向へ開閉させることができる。
【0143】
図22Bに示すように、第2の筐体2が第1の状態に示す位置にあるとき、すなわち凸部114dが凹部112bに嵌合しているときに、第2の筐体2をC1軸(図1等参照)の軸周りに回転させると、図24に示す第3の状態に移行させることができる。このとき、第2の筐体2の下面2bと机上面100との間には、間隙R1を設けることができる。すなわち、第2の筐体2が机上面100に衝突するのを回避する状態とすることができる。また、第2の筐体2の角部2cと第1の筐体1の上面1aとの間には、間隙R2を設けることができる。すなわち、第2の筐体2の角部2cが第1の筐体1の上面1aに衝突するのを回避する状態とすることができる。
【0144】
仮に、第2の筐体2の開閉角度θが100度よりも大きい場合は、第2の筐体2は図24に示す姿勢からさらに矢印Gに示す方向へ傾いた姿勢となるため、机上面100に衝突する可能性が高まる。また、第2の筐体2の開閉角度θが90度未満の場合は、第2の筐体2は図24に示す姿勢からさらに矢印Hに示す方向へ傾いた姿勢となるため、角部2cが第1の筐体1の上面1aに衝突する可能性が高まる。
【0145】
〔2.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、ワッシャ114aに凸部114dを設け、第1の支持部112aに凹部112bを設け、第2の筐体2の開閉角度θが90〜100度のときに凸部114dを凹部112bに嵌合させる構成としたことにより、第2の筐体2を開閉角度90〜100度で軽度に位置決めすることができる。したがって、第2の筐体2を回転すべき開閉角度で位置決めすることができるため、第2の筐体2を回転させた際に第2の筐体2が第1の筐体1や机上面等に衝突することを回避することができる。
【0146】
また、第2の筐体2を回転すべき開閉角度で位置決めすることにより、第2の筐体2を回転させる際に第2の筐体2のぐらつきを低減することができる。したがって、安定した姿勢で第2の筐体2を回転させることができ、第2の筐体2を回転させている途中で誤って第2の筐体2を第1の筐体1や机上面などに衝突させてしまうことを低減することができる。
【0147】
また、本実施の形態では、第2の筐体2の開閉角度が90〜100度のときに凸部114dを凹部112bに嵌合させる構成としたことにより、ユーザーがノートパソコンを使用する際に第2の筐体2を任意の開閉角度に調整することができる。すなわち、一般に、ユーザーがノートパソコンを使用する際、液晶ディスプレイ4に表示される画像を見やすい開閉角度は110〜120度といわれている。もし、凸部114dが凹部112bに嵌合する第2の筐体2の開閉角度が110〜120度に設定されている場合は、開閉角度が110〜120度の近傍では凸部114dが凹部112bに優先的に嵌合するため、開閉角度の微調整が困難となる。本実施の形態のように第2の筐体2の開閉角度が90〜100度のときに凸部114dを凹部112bに嵌合させる構成とすることにより、第2の筐体2の開閉角度を110〜120度近傍で微調整することへの影響を少なくすることができる。
【0148】
また、凸部114dが凹部112bに嵌合する際、ワッシャ114aの弾性復帰力によってクリック感を発生させることができるため、ユーザーは、第2の筐体2を把持している手に感じるクリック感によって、第2の筐体2を回転すべき開閉角度であることを容易に認知することができる。すなわち、ユーザーは、クリック感を感じる姿勢まで第2の筐体2を回動させ、第2の筐体2を回転させることによって、第2の筐体2を第1の筐体1や机上面等に衝突させずに第4の状態へ移行させることができる。
【0149】
また、本実施の形態では、ワッシャ114aに凸部114dを設け、第1の支持部112aに凹部112dを設ける構成としたことにより、第2の筐体2を位置決めする構成を簡単かつ低コストで実現することができる。すなわち、既存のワッシャ114a及び第1の支持部112aの形状を変えるだけでよいため、部品点数が増加せず、大幅なコストアップが伴わずに実現することができる。
【0150】
また、本実施の形態では、開閉ヒンジ部3と回転ヒンジ部7は、ヒンジサポート部8に備わる。このように、開閉ヒンジ部3と回転ヒンジ部7とをヒンジサポート部8に備えることにより、開閉ヒンジ部3と回転ヒンジ部7とを離隔配置できるので、図1に示す第1の状態(開閉角度は90度)と図4に示す第4の状態(開閉角度は90度)の両方の状態において凹部112bと凸部114dとを嵌合させ、第1の筐体1に対する第2の筐体2の位置決めを行うことができる。すなわち、ノートパソコンの複数の状態における第2の筐体2の位置決めを、一つの凹部112b及び凸部114dで実現することができる。
【0151】
なお、本実施の形態では、ワッシャ114aに凸部114dを設け、第1の支持部112aに凹部112bを設ける構成としたが、ワッシャ114aに凹部を設け、第1の支持部112aに凸部を設ける構成としてもよい。
【0152】
また、本実施の形態では、ワッシャ114aに凸部114dを設け、第1の支持部112aに凹部112bを設ける構成としたが、第2の筐体2を開閉角度90〜100度において位置決めさせることができる構成であれば他の構成を採用してもよい。
【0153】
また、本実施の形態では、位置決めを行う第2の筐体2の開閉角度を90〜100度としたが、第1の筐体1及び第2の筐体2の形状や、ヒンジ機構3の構成によっては、他の開閉角度で位置決めする構成であってもよい。
【0154】
また、本実施の形態では、第2の筐体2を、第1の筐体1に対して開閉角度が90度の位置で位置決めする構成としたが、図1に示す第1の状態、図2に示す第2の状態、図4に示す第4の状態、および図5に示す第5の状態において、第2の筐体2を第1の筐体1に対して位置決めする構成をさらに備えてもよい。
【0155】
また、図19A〜図19Cに示す構成に、本実施の形態のような90度の開閉角度で第2の筐体2の位置決めを行う構成を採用することにより、スライドレバー61をスライドさせるべき開閉角度(90度)に容易に移行させることができる。
【0156】
また、本実施の形態における第1の筐体1及び第2の筐体2は、筐体の一例である。本実施の形態における開閉ヒンジ部3は、第1のヒンジ部の一例である。本実施の形態における回転ヒンジ部7は、第2のヒンジ部の一例である。本実施の形態における凹部112bは、凹部の一例である。本実施の形態における凸部114dは、凸部の一例である。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本願に開示する電子機器は、複数の筐体を有し、開閉及び回転可能なヒンジ機構を備えた機器に有用である。
【符号の説明】
【0158】
1 第1の筐体
2 第2の筐体
2d,2e 凹部
3 開閉ヒンジ部
5 キーボード
7 回転ヒンジ部
8 ヒンジサポート部
8b 孔部
10 ヒンジ機構
11 シャフト
12 第1の支持部材
13 第2の支持部材
14 トルク機構
31 第3の支持部材
32 第4の支持部材
33 シャフト
34 スラストワッシャ
35 回転規制部材
36 トルク機構
37 スラストワッシャ
40 保護シート
41 保護部材
51、52 突起部
61 スライドレバー
62 規制軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とを備えた電子機器であって、
前記第1の筐体及び前記第2の筐体の近傍に配され、当該第2の筐体と連設するヒンジ保持部と、
前記第1の筐体と前記ヒンジ保持部とを開閉自在に連結する第1のヒンジ部と、
前記第2の筐体と前記ヒンジ保持部とを回転自在に連結する第2のヒンジ部とを備え、
前記第2のヒンジ部は、前記第2の筐体を、前記第1の筐体と当該第2の筐体とを閉じた閉状態における当該第2の筐体が対向する当該第1の筐体の主平面の面方向に略直交する回転軸周りに、回転自在となるように支持し、
前記第2の筐体は、当該第2の筐体に収納された位置から前記ヒンジ保持部側へ変位可能な回転規制部材を備え、
前記ヒンジ保持部は、前記回転規制部材が挿脱可能な係合部を備えている、電子機器。
【請求項2】
前記回転規制部材は、前記第2の筐体が前記第1のヒンジ部により開閉可能な位置にあるときに、前記係合部に挿脱可能である、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2のヒンジ部は、前記第1のヒンジ部を構成する一対のヒンジ部の間に配され、
前記ヒンジ保持部は、突起部を備え、
前記第2の筐体は、前記突起部が嵌合及び離脱可能な凹部を備え、
前記突起部及び前記凹部は、
前記第2の筐体が前記第1のヒンジ部によって開閉可能な位置にあるときに嵌合可能で、かつ、前記第1のヒンジ部と前記第2のヒンジ部との間に配されている、請求項1記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−134312(P2011−134312A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261435(P2010−261435)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】