説明

電子機器

【課題】2次元コードを表示している際における省電力化を達成できる電子機器を提供する。
【解決手段】撮像信号を生成する撮像手段と、2次元コードを表示する表示手段と、電源供給を制御する電源制御手段とを有し、電源制御手段は、表示手段に2次元コードが表示されている際に(#108)、電源供給が不要となる撮像手段への電源供給を停止する(#105)電子機器とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置を含む電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット接続機能や撮像機能を具備した携帯電話が普及している。これに伴い、印刷物に表示されたURLをコード化した2次元コード(以下、QRコードとも記す)を携帯電話で撮影し、このQRコードをURLに変換してインターネットに接続して所望のホームページを参照するということが行われている。さらに、QRコードの表示媒体は印刷物のみではなく、コンピュータの周辺機器(プリンタ、コピー機、スキャナ、デジタルカメラなど)に広がっている。例えば、周辺機器のエラー発生時に機器固有サイトのQRコードが表示されると、そのQRコードを携帯電話により撮影してサイトに接続し、そのサイト上でエラー情報を入力してエラー解決に必要な情報を得るシステムが提案(特許文献1)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−110524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタルカメラや携帯電話、PDA等の電子機器においては、多機能化に伴い、処理速度の速いCPUを搭載し、消費電力が多くなっており、液晶ディスプレイなどの表示装置も大型化し、バックライトの消費電力も増えている。一方、電子機器自体は小型化が進み、電池を大きくすることができず、むしろ小型化されていく傾向にあり、電池の容量も小さいものとなり、電子機器の使用時間が短くなっている。したがって、電子機器に表示されたQRコードを携帯電話で撮影してインターネット上でそのQRコードに関する情報を取得する際には電子機器に電源が入った状態のままである。そして、電子機器側では電力を消費し続け、電子機器の使用可能時間が短くなっていた。
【0005】
上記点に鑑み、一定時間、電子機器側での操作がない場合には電源を落として電力の消費を無くすようにすることが考えられる。しかし、QRコード表示中に一定時間が経て電源が完全に断たれると、それまでの操作がリセットされたり、携帯電話に表示させたマニュアルを見ながらの操作等をゆっくり行うことができなかったりするという問題があった。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、操作性を悪化させること無く、2次元コードを表示している際における省電力化を達成することのできる電子機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、撮像信号を生成する撮像手段と、2次元コードを表示する表示手段と、電源供給を制御する電源制御手段とを有し、電源制御手段が、表示手段に前記2次元コードが表示されている際に、電源供給が不要となる撮像手段への電源供給を停止することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作性を悪化させること無く、2次元コードを表示している際における省電力化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係るデジタルカメラの概観を示す斜視図である。
【図2】図1のデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】図2の電源制御部及びその周辺の構成を示すブロック図である。
【図4】QRコードの読み取り等について説明するための図である。
【図5】図1のデジタルカメラの電源制御動作を示すフローチャートである。
【図6】図1の液晶表示部の拡大図である。
【図7】本発明の実施例2に係る電源制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態は、以下の実施例1および2に示す通りである。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1に係る電子機器の一例であるデジタルカメラ(撮像装置)を示す斜視図であり、図1(a)はデジタルカメラの正面側を、図1(b)はデジタルカメラの背面側を、それぞれ示す。
【0012】
図1において、101はデジタルカメラである。102はデジタルカメラ101に対して収納された収納位置(沈胴位置)と突出した撮影位置(撮影可能な繰出し位置)との間で移動させられる鏡筒である。103はレリーズボタン、104は電源スイッチ、105にAF(オートフォーカス)補助光部、106はズームレバー、107はストロボ発光部である。108は外部接続コネクタであり、プリンタやパーソナルコンピュータとケーブルを通して接続することができる。109はファインダ、110は撮影モードと再生モードの切り替えを行うモードスイッチ、111は操作ボタン、112は液晶表示部、113はメモリカード蓋である。カメラ本体101の底部には電池の出し入れを行う不図示の電池蓋が配置されている。
【0013】
電源スイッチ104が押されると、後述の光学系駆動部を介して鏡筒102が図1(a)の収納位置から撮影を行える不図示の撮影位置まで繰り出される。液晶表示部112には、フラッシュのモード表示や通常撮影、マクロなど撮影モードの表示がなされ、現在の撮影設定がわかるようになっている。さらに、液晶表示部112には、例えばカメラにエラーが発生した際に、そのエラーに対応したQRコードを表示させることができる。液晶表示部112に表示されたQRコードは、撮像機能付き携帯電話等によって読み取られ、当該携帯電話によりデジタルカメラ101専用のWebサイトに接続され、上記エラーに対処するためのヘルプ情報を得ることができる。この液晶表示部112は、バックライトへの供給電流の大きさに応じて表示画面の明るさを変更可能になっている。
【0014】
図2は、上記デジタルカメラ101の主要部分の構成を示すブロック図である。
【0015】
図2において、201はレンズ、202はレンズ201を通った光量を制御するための絞りを兼ねた絞り・シャッタである。203はレンズ201で結像された被写体光を電気信号として取り込むための撮像素子である。204は撮像素子203より出力される電気信号のクロックの除去やノイズの軽減するための相関二重サンプリング処理や所定の基準電圧にクランプするクランプ処理などの撮像信号の処理を行う撮像信号処理部である。205はA/D変換部、206はA/D変換部205から送られて来るデジタルデータを表示や記録などをするための形式となるように種々の信号処理や変換を行う画像信号処理部である。撮像素子203から画像信号処理部206までが撮像信号を生成する撮像手段である撮像部223を成す。224は明るさセンサであり、周辺の明るさを検知するためのものである。明るさセンサ224の出力はシステム制御部208に伝えられる。
【0016】
207はレンズ201や絞り・シャッタ202の駆動、さらには鏡筒102を収納位置と撮影位置に移動させる光学系駆動部である。208はデジタルカメラ101全体の制御及び各種演算を行うシステム制御部である。209はクロックを発生する発振器、210は画像データや音声データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体、211はデジタルカメラ101の各部に対して電源供給の制御を行う電源制御部である。212はデジタルカメラ101の電源をオン、オフするための電源スイッチ104やレリーズボタン103を含むスイッチ部、213はマイク、214はマイクアンプ、215はA/D変換部である。216は音声信号処理部、217はD/A変換部、218は音声出力アンプ、219はスピーカである。220はシステム制御部208から送られてくる表示データをLCDやTVに出力できるように加工処理をする画像表示処理部、221はD/A変換部、222は図1の液晶表示部112に相当する表示部である。
【0017】
図3は、上記電源制御部211およびその近傍の構成を示すブロック図であり、図2と同じ部分は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0018】
図3において、301は電源電池であり、例えばリチウムイオン電池が用いられる。302は電源ラインである。303は図2の表示部222(図1の液晶表示部112)を照らすバックライトである。304はシステム用電源ラインであり、システム制御部208で使用されるほか、撮像部223、表示部222、鏡筒駆動を含む光学系駆動部207の各部への通信のために使用される。305は撮像用電源ライン、306はバックライト用電源ラインである。それぞれの電源ライン304〜306を介する電源の供給は、システム制御部208から信号ライン307を介して電源制御部211にコントロール信号が出され、ONとOFFが可能となっている。
【0019】
図4に、図1の液晶表示部112にQRコードを表示し、そのQRコードを携帯電話にて読み取りしてインターネットに接続した状態の模式図を示す。
【0020】
図4において、401はデジタルカメラ101は撮像機能付の携帯電話、402は携帯電話401に具備された液晶表示部、インターネット501である。
【0021】
デジタルカメラ101の液晶表示部112には、QRコード100が表示されている。携帯電話401は撮像機能を有しており、携帯電話401の液晶表示部402を見ながらQRコード100の撮影を行うことができる。また、携帯電話401は撮影したQRコード100‘の読み取り機能を持ち、QRコード100’からURLを取得してインターネット501に接続可能である。
【0022】
ここで、インターネット501上のエラー操作等の対処方法のマニュアルを、携帯電話401を通して閲覧する場合のQRコード表示手順を説明する。マニュアルを見たい場合には、液晶表示部112内のメニュー内のマニュアル一覧ボタンを選択する。その中の一覧から所望の項目を選択する。するとマニュアルの代わりに、マニュアルの掲載されたホームページのURLを示すQRコード100が図4に示すように液晶表示部112に表示される。このQRコード100を携帯電話401の液晶表示部402で確認(QRコード100’)しながら読み取り、得られたURLへ接続すると、デジタルカメラ101の所望の情報であるマニュアルが携帯電話401の液晶表示部402に表示される。したがって、液晶表示部402に表示されるマニュアルを見ながら、デジタルカメラ101を操作することで、エラー操作に対処する操作等を行うことが可能となる。
【0023】
次に、図5のフローチャートを用いて、QRコード表示等に関する電源制御動作について説明する。
【0024】
電源スイッチ104が押されると、電源制御部211を介してデジタルカメラ101に電源が供給される(#101)。その後、ユーザーによって液晶表示部112のメニューにしたがってQRコード100の表示の選択がなされると(#102)、システム制御部208は内部に具備するコード内容認識部によりそのQRコード内容の確認を行う(#103)。そして、次に撮像用電源が必要かどうかの確認を行う(#104)。マニュアルを表示するURLのQRコード100の表示時には、その表示中にデジタルカメラ101側の操作を行う必要がない。そのため、撮像部223への電源供給を行わないように、電源制御部211へシステム制御部208から撮像用電源ライン305をOFFするコントロール信号が送られる(#105)。
【0025】
これにより、QRコード100の表示中には、使用していない撮像部523への電源の供給が無くなり、つまり省電モードとなり、消費電力を少なくすることができる。
【0026】
次に、画像表示の設定を行う。システム制御部208は、明るさセンサ224からの出力に基づいて液晶表示部112の設定を変えられるか否か、つまり明るさを変えられるか否かを確認する。周辺の明るさが大きい場合には、液晶表示部112の明るさを落とすと、視認性が悪くなるので、明るさは変えない(#106)。通常、QRコード100の表示中には撮影を行わないため、撮像部223で得られたスルー画像を液晶表示部112に表示しない。そのため、周辺の明るさが所定の明るさより暗い場合には、撮影時と比較して液晶表示部112の明るさを落とすことができる。液晶表示部112の明るさはシステム制御部208により制御されており、バックライト303内のLED(赤外発光ダイオード)に流す電流値によって変化させることができる。QRコード100の表示前の明るさを確認した後に液晶表示部122の明るさを落とすため、電源制御部211を介してバックライト303に流す電流を少なくする(#107)。
【0027】
なお、周辺の明るさは、明るさセンサ224を用いずに、撮像部223の画像情報から検知しても良い。また、周辺の明るさに関係なしに、QRコード100の表示中は、液晶表示部112の明るさを落とすようにしても良い。
【0028】
ここで、携帯電話201によりQRコード100を読み取らせ、インターネット501に接続させるために、QRコード100を液晶表示部112に表示させるが、携帯電話210を用いてのインターネットの接続及びマニュアルの閲覧などには時間を要する。そのため、QRコード100の表示時には、通常撮影時及び撮影画像再生時よりもバックライト303に供給する電流を小さくして、消費電力を少なくする。このように撮影時及び撮影画像再生時に対して落とす電力を、周囲の明るさに応じて変化させると、省電力の効果が加わる。
【0029】
上記液晶表示部112の省電力化に関する説明を行う。液晶表示部112には、ノーマリホワイト型とノーマリブラック型の2種類がある。ノーマリホワイト型は液晶パネルに電圧をかけない状態で光を透過して白を表示し、十分に電圧をかけた場合に黒を表示するもので、ノーマリブラック型はその逆である。
【0030】
図6は液晶表示部112の拡大図であり、601は赤画素、602は緑画素、603は青画素を示している。液晶表示部112上には、R,G,B(赤、緑、青)の3色の繰り返しパターンからなるカラーフィルタがあり、RGBの3画素すべてに光を透過させると白になる。ノーマリホワイト型の場合には、黒を表示するにはRGBの3画素全てに十分な電圧を印加させる必要がある。QRコード表示の際には最小限の消費電力にするために、液晶パネルのRGBの3色に電圧を印加するのではなく、赤画素601、緑画素602、青画素603のうちの1色のみに電圧を印加し、白地にいずれかのQRコード表示を行う。このことで、消費電力の削減が可能となる。ノーマリブラック型の場合には、黒字に赤画素601、緑画素602、青画素603のいずれか1色でQRコードを表示し、印加する電圧を下げることで、消費電力を少なくすることができる。
【0031】
図5に戻り、電源の設定および液晶表示部112の設定が完了すると、システム制御部208は決定された設定内容にてQRコード100を液晶表部112に表示させる(#108)。そして、次に鏡筒102が繰出し位置にあるか収納位置にあるかを確認する(#109)。その結果、鏡筒102が収納位置にあり、QRコード100の表示中にレンズ駆動する必要がない場合には(#109のNO)、直ちにステップ#112へ進む。
【0032】
一方、鏡筒102が繰出し位置にある場合(#109のYES)には、システム制御部208は鏡筒102内のレンズ201の繰出し位置を把握し、記録媒体210に保存する(#110)。鏡筒201の内部には不図示の鏡筒フレキシブル配線板上に実装されたフォトインタラプタが配置されており、鏡筒102を駆動させるモータの回転数をカウントできるようになっている。そのカウント値によりレンズ201の繰出し位置を把握できる。次に、繰出されている鏡筒102を収納位置に沈胴させる(#111)。これにより、携帯電話201によりQRコード100の撮影をする際に、デジタルカメラ101の前面を下にして置くことことができ、撮影が行い易くなる。また、携帯電話201の操作中に誤ってデジタルカメラ100を落下させた場合にも、レンズ201が収納されているため、鏡筒102を破損しにくくすることができる。さらに、鏡筒202を収納位置に移動させてリセット状態にする(電源制御部211を介して光学駆動部207への電源を停止する)。このことで、省電力状態で鏡筒102が繰出して作動している諸々の状態の情報を検知し続ける必要が無く、この点でも省電力の効果がある。
【0033】
QRコード100の表示を終了するには、液晶表示部112の表示メニューから表示終了を選択するか、あるいは、レリーズボタン103の半押をすることになるので、システム制御部208はこのいずれが行われたかを検知する(#112)。例えばレリーズボタン103が半押しされた場合には、撮像部223への撮像用電源を供給し、作動可能にする(#113)。その後は、QRコード100を表示する前のレンズ位置(上記カウント値に基づいて)まで鏡筒102を繰り出し、撮影が可能な状態に復帰させる(#114)。
【0034】
その後、マニュアルを見ながら撮影を行いたい場合には、レリーズボタン103を半押しすることで、直ちに撮影を開始させることができる。
【0035】
以上の実施例1によれば、QRコード(2次元コード)100を液晶表示部112に表示している際は、電源供給が不要となる撮像部223への電源供給を停止するようにしている。よって、デジタルカメラ101の消費電力を少なくすることができる。また、完全に電源が断たれるわけではなく、必要な情報等の保持は可能であるので、操作性を悪化させることも無ない。
【0036】
また、QRコード100の表示時に、デジタルカメラ101の撮像機能使用時(通常撮影時及び撮影画像再生時)よりもバックライト303に供給する電流を小さく(電源供給量を小さく)できるか否かを判定する。その結果、バックライト303に供給する電流を小さくできる場合には、そのようにして液晶表示部112での消費電力を少なくするようにしている。よって、さらなる省電力効果を達成することができる。具体例としては、QRコード100を表示する場合に、液晶表示部112がノーマリホワイト型では、白と赤、緑、青の3色うち1種類を使用してQRコード100を表示することで、省電力化を図る。また、液晶表示部112がノーマリブラック型では、黒と赤、緑、青の3色うち1種類を使用してQRコード100を表示することで、省電力化を図るようにしている。
【0037】
また、QRコード100の表示時に、鏡筒102が繰出し位置にあった場合は、収納位置に移動させて光学駆動部207への電源供給を停止するようにしている。よって、省電力状態で鏡筒102が繰り出して作動している諸々の状態の情報を検知し続ける必要が無く、この点において省電力の効果がある。さらに、QRコード100の携帯電話210での撮影(読み取り)が容易となる他、携帯電話201の操作中に誤ってデジタルカメラ100を落下させたとしても、鏡筒102を破損しにくくすることができる。
【0038】
また、鏡筒102を収納位置に移動させる場合には、その繰出し位置を記憶した後に、収納位置に移動させてリセット状態にするようにしている。つまり、従来のように省電力状態にするために機器への電源を断つのではなく、不要な手段へのみ電源供給を断つようにしている(記録媒体210への電源は供給し続ける)ので、省電力モードに入る前の位置まで鏡筒102を確実に復帰させることができる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の実施例2について説明する。なお、デジタルカメラ100の構成は実施例1と同様であるので、その詳細は省略する。
【0040】
本実施例2のデジタルカメラ100は、操作中にエラーが発生した場合には、そのエラー項目に合わせたQRコード100を表示可能である。ユーザーはそのQRコード100を携帯電話201で撮影し(読み取り)、エラーを解決するための情報を記載されているホームページのURLを取得し、インターネット501に接続する。ユーザーはそのホームページを携帯電話201の液晶表示部202に表示しながら、エラーの除去を行うことができるものである。
【0041】
図7は、本発明の実施例2に係るデジタルカメラ100の電源制御時の動作を示すフローチャートである。
【0042】
まず、システム制御部208は、発生したエラー内容の確認を行う(#201)。そして、エラーに対応したQRコード100を液晶表示部112に表示させる(#202)。
【0043】
ここで、システム制御部208は、撮像部223、液晶表示部112(表示部222)、光学系駆動部207などの手段と通信をしており、異常な信号を検知した場合にエラーの発生を検知する。例えば、鏡筒102内部においては不図示の鏡筒フレキシブル配線板上に実装されたフォトインタラプタが配置され、鏡筒102を駆動させるモータの回転数をカウントすることができるようになっている。この際、信号に応答がない場合や規定値以上の信号を検知した場合には、システム制御部208は、鏡筒102の異常を示すエラーコードを液晶表示部112にQRコード100として表示させる。
【0044】
QRコード100(エラーコード)表示中は、デジタルカメラ100側の操作を行う必要がない。そのため、撮像部223への電源供給を行わないように、システム制御部208は電源制御部211へ電源をOFFするコントロール信号を送り、撮像部223への電源をオフにする(#203)。
【0045】
これにより、QRコード100の表示中には、使用していない撮像部523への電源の供給が無くなり、つまり省電力モードとなり、消費電力を少なくすることができる。
【0046】
次に、システム制御部208は液晶表示部112の設定を変えられるか否か、つまり明るさを変えられるか否かを確認する(#204)。エラーによる液晶表示部112の不具合がない場合には、撮像機能使用時(通常撮影時及び撮影画像再生時)よりもバックライト303に供給する電流を小さくして(電源供給量を小さくして)(#205)、消費電力を抑える。そして、次に鏡筒102の状態が繰出し位置にあるか収納位置にあるかを確認する(#206)。鏡筒102が繰出し位置にある場合には、システム制御部208は鏡筒102を光学系駆動部207を介して収納位置に移動させる(#207)。ここまでの設定で、ユーザーはエラーの対策を行う。エラーの除去が終了した場合には電源スイッチ104が押されるので、電源スイッチ104が押されると(#208)、システム制御部208はデジタルカメラ101の電源を断つ。(#209)。
【0047】
以上の実施例2においても、エラーコードであるQRコード(2次元コード情報)100を液晶表示部112に表示している際は、電源供給が不要となる、少なくとも撮像部223への電源の供給を停止する(省電力モードにする)ようにしている。よって、デジタルカメラ101の消費電力を少なくすることができる。
【0048】
また、エラーコードであるQRコード100の表示時に、デジタルカメラ101の撮像情報の表示(通常撮影時や撮影画像再生時の表示)時よりもバックライト303の明るさを暗くできるか否かを判定する。その結果、暗くできる場合は、バックライト303に供給する電流を小さくして液晶表示部112での消費電力を少なくするようにしている。よって、さらなる省電力効果を達成することができる。
【0049】
本実施例では、デジタルカメラ101に適用した例を示しているが、ビデオカメラ、携帯電話、プリンタ、スキャナ等の2次元コード情報の表示手段を有する電子機器でもよい。
【符号の説明】
【0050】
100 QRコード(2次元コード情報)
101 デジタルカメラ(電子機器)
102 鏡筒
112 液晶表示部(表示手段)
201 レンズ
207 光学駆動部(駆動手段)
208 システム制御部(電源制御手段)
211 電源制御部(電源制御手段)
223 撮像部(撮像手段)
401 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像信号を生成する撮像手段と、
2次元コードを表示する表示手段と、
電源供給を制御する電源制御手段とを有し、
前記電源制御手段は、前記表示手段に前記2次元コードが表示されている際に、電源供給が不要となる前記撮像手段への電源供給を停止することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示手段は、バックライトへの電流の大きさに応じて表示画面の明るさを変更可能な液晶表示手段であり、
前記電源制御手段は、前記液晶表示手段に前記2次元コードが表示されている間、前記バックライトへの供給電流を、撮像情報の表示時よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
機器に収納された収納位置と撮影可能な繰出し位置との間で移動させられる鏡筒と、
前記鏡筒を前記収納位置と前記繰出し位置の間で移動させる駆動手段とを有し、
前記電源制御手段は、前記表示手段に前記2次元コードが表示されている際には、前記鏡筒を前記収納位置に移動させた後に、前記駆動手段への電源供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−160305(P2011−160305A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21719(P2010−21719)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】