電子機器
【課題】現地時刻を表示可能な電子機器において、時刻の手動修正の回数を削減する。
【解決手段】電子機器100は、内部時刻を計時するCPU20と、内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部50と、衛星信号を受信して位置情報とUTCに応じた衛星時刻情報とを出力するGPS装置10と、UTCとの時差を示すタイムゾーン情報を地域毎に記憶したEEPROM32と、操作信号を出力する操作部40とを備える。CPU20は、衛星時刻情報と修正情報とに基づいて表示時刻を修正する。またCPU20は、操作信号に基づいて表示時刻を修正し、修正後の表示時刻とUTCとの時差を示す時差情報を位置情報が属する地域に対応付けてフラッシュROM33に記憶させる。またCPU20は、修正情報として、GPS装置10からの位置情報が属する地域に対応する時差情報が記憶されている場合には時差情報を採用し、他の場合にはタイムゾーン情報を採用する。
【解決手段】電子機器100は、内部時刻を計時するCPU20と、内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部50と、衛星信号を受信して位置情報とUTCに応じた衛星時刻情報とを出力するGPS装置10と、UTCとの時差を示すタイムゾーン情報を地域毎に記憶したEEPROM32と、操作信号を出力する操作部40とを備える。CPU20は、衛星時刻情報と修正情報とに基づいて表示時刻を修正する。またCPU20は、操作信号に基づいて表示時刻を修正し、修正後の表示時刻とUTCとの時差を示す時差情報を位置情報が属する地域に対応付けてフラッシュROM33に記憶させる。またCPU20は、修正情報として、GPS装置10からの位置情報が属する地域に対応する時差情報が記憶されている場合には時差情報を採用し、他の場合にはタイムゾーン情報を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばGPS衛星等の位置情報衛星から送信される電波を受信して現在の時刻を求める電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
自己位置を測位するためのGPS(Global Positioning System)では、地球を周回する軌道を有するGPS衛星(位置情報衛星)が用いられる。GPS衛星は、原子時計を備え、この原子時計で計時される時刻(GPS時刻)を示す時刻情報(衛星時刻情報)を含む衛星信号を送信する。GPS時刻は、すべてのGPS衛星で同じ時刻であり、GPS時刻とUTC(協定世界時)との差であるUTCオフセット(現在は+15秒)で補正することでUTCとなる。したがって、GPS衛星からの衛星信号を受信してGPS時刻を取得し、取得したGPS時刻をUTCオフセットで補正すれば、UTCを得ることができる。なお、UTCオフセットは、受信した衛星信号から取得するか、あるいは予めメモリに書き込んでおいた所定値を取得して利用すればよい。
【0003】
特許文献1には、GPS衛星からの衛星信号を受信して現在時刻を求める電波修正時計が記載されている。この電波修正時計は、現地時刻(地方時)を計時するものであり、主要都市等の複数の定点の各々の位置を示す固定位置情報と、当該定点における時差を示す時差情報とを予め対応付けておき、衛星信号から取得した時刻情報と、衛星信号から取得した移動体位置情報に最も近い定点の固定位置情報に対応する時差情報とを用いて、現地時刻を算出する。各定点には、当該定点を中心とした円状の領域が設定され、これらの定点のうち、移動体位置情報が属する領域の定点が、「最も近い定点」となる。また、特許文献2には、GPS衛星からの衛星信号を受信して現地時刻を求める電子時計が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−139875号公報
【特許文献2】特開2009−128296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電波修正時計では、移動体位置情報が円状の領域に属するか否かを判定して時差情報が特定されるから、時差の境界線が入り組んだ地域では、利用者の意図しない時差情報を用いて現地時刻が算出される虞がある。例えば、利用者は定点Aの時差情報を用いて現地時刻が算出されることを意図していたにも関わらず、定点Aの隣の定点Bの時差情報を用いて現地時刻が算出される虞がある。
【0006】
この場合、利用者は、現地時刻を手動で修正することになる。そして、利用者が、この地域を再び訪れた場合には、再び、利用者の意図しない時差情報(定点Bの時差情報)を用いて現地時刻が算出されることになり、利用者は、算出された現地時刻を手動で修正することになる。つまり、常に、利用者による手動修正が必要となる。このことは、特許文献2に記載の電子時計にもあてはまる。
【0007】
本発明は、現地時刻を表示可能な電子機器において、時刻の手動修正の回数を削減することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る電子機器は、内部時刻を計時する計時部と、前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻(例えばUTC)に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、前記位置情報が属する前記地域と前記時差情報とを対応づけて記憶する第2記憶部と、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部とを備える、ことを特徴とする。
【0009】
第1の態様に係る電子機器によれば、表示時刻が、衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報と、第1記憶部に記憶されたタイムゾーン情報又は第2記憶部に記憶された時差情報とに基づいて修正されるから、現地時刻(地方時)を表示することができる。
また、第1の態様に係る電子機器では、衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報とタイムゾーン情報とに基づいて表示時刻が第1時刻に修正された後に、操作部の操作に応じて表示時刻が第1時刻+αに修正されると、第1時刻に対する第1時刻+αの時差(α)を示す時差情報が、当該衛星信号を受信して得られた位置情報が属する地域に対応付けて第2記憶部に記憶される。このとき、操作部の操作に由来する修正(手動修正)によって得られる時刻(第1時刻+α)は、当該地域について利用者が意図した時刻であり、αは、当該地域について利用者が意図した時差である。
そして、第1の態様に係る電子機器では、後に衛星信号を受信して当該地域に属する位置情報が得られると、第2記憶部に記憶された時差情報(αを示す時差情報)と当該衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報(第2時刻に応じた衛星時刻情報)とに基づいて、表示時刻が修正される。この修正の結果、表示時刻は、例えば第2時刻+αとなる。つまり、表示時刻には、当該地域について利用者が過去に意図した時差(α)が、手動修正なしで反映される。
よって、第1の態様に係る電子機器によれば、手動修正の回数を削減することができる。
以上より、本発明によれば、現地時刻を表示可能な電子機器において、時刻の手動修正の回数を削減することができる。また、時差情報が、タイムゾーン情報を記憶した第1記憶部とは異なる第2記憶部に書き込まれるから、時差情報でタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、第1の態様には、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態(第1記憶部に要求される記憶容量を削減する形態)を採り易いという利点がある。
【0010】
第1の態様に係る電子機器において、前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する地域に属する位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換えるようにしてもよい。タイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれた時差情報を第2記憶部に記憶させておく必要はないから、この形態によれば、第2記憶部に要求される記憶容量を少なく抑制することができる。また、この形態では、計数される回数は、手動修正が行われなかった回数、すなわち利用者に肯定された回数(肯定数)であるから、信頼性の高い時差情報のみがタイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれることになる。したがって、時差情報が生成される度にタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、タイムゾーン情報を書き換える回数を削減することができる。これは、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態を採る場合に有利である。
【0011】
さらに、前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、前記第1記憶部は、サマータイムの期間を指定するサマータイム情報を前記地域ごとに記憶し、前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、前記制御部は、利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報が属する前記地域に対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行するようにしてもよい。
【0012】
この形態では、時差に起因した修正において、サマータイム情報または修正サマータイム情報が反映されるから、サマータイムのある地域でも正確な現地時刻を表示することができる。また、サマータイムの期間や有無は法律の改正によって変更されうるが、この形態では、サマータイムに該当するか否かの表示を時差に起因した修正に付随して利用者が修正すると、修正後の表示に応じた修正サマータイム情報が地域に対応付けて第2記憶部に記憶され、以降の当該地域に係る時差に起因した修正では当該修正サマータイム情報が反映されるから、手動修正の回数を削減することができる。
【0013】
また、本発明の第2の態様に係る電子機器は、内部時刻を計時する計時部と、前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻(例えばUTC)に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、前記時差情報を前記位置情報と対応づけて記憶する第2記憶部と、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部とを備える、ことを特徴とする。
【0014】
第2の態様に係る電子機器によれば、第1の態様に係る電子機器と同様に現地時刻(地方時)を表示することができる。
また、第2の態様に係る電子機器では、衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報とタイムゾーン情報とに基づいて表示時刻が第1時刻に修正された後に、操作部の操作に応じて表示時刻が第1時刻+αに修正されると、第1時刻に対する第1時刻+αの時差(α)を示す時差情報が、当該衛星信号を受信して得られた位置情報(第1位置情報)と対応付けて第2記憶部に記憶される。このとき、操作部の操作に由来する修正(手動修正)によって得られる時刻(第1時刻+α)は、当該地域について利用者が意図した時刻であり、αは、当該地域について利用者が意図した時差である。
そして、第2の態様に係る電子機器では、後に衛星信号を受信して、第2記憶部に記憶された第1位置情報との距離が所定距離以下の位置情報(第2位置情報)が得られると、第2記憶部に記憶された時差情報(αを示す時差情報)と当該衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報(第2時刻に応じた衛星時刻情報)とに基づいて、表示時刻が修正される。この修正の結果、表示時刻は、例えば第2時刻+αとなる。つまり、表示時刻には、第2位置情報で示される位置に近い位置(第1位置情報で示される位置)について利用者が過去に意図した時差(α)が、手動修正なしで反映される。
よって、この電子機器によれば、手動修正の回数を削減することができる。
以上より、本発明によれば、現地時刻を表示可能な電子機器において、時刻の手動修正の回数を削減することができる。また、時差情報が、タイムゾーン情報を記憶した第1記憶部とは異なる第2記憶部に書き込まれるから、時差情報でタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、第2の態様には、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態(第1記憶部に要求される記憶容量を削減する形態)を採り易いという利点がある。
【0015】
第2の態様に係る電子機器において、前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する前記位置情報との距離が前記所定距離以下の位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換えるようにしてもよい。タイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれた時差情報を第2記憶部に記憶させておく必要はないから、この形態によれば、第2記憶部に要求される記憶容量を少なく抑制することができる。また、この形態では、計数される回数は、手動修正が行われなかった回数、すなわち利用者に肯定された回数(肯定数)であるから、信頼性の高い時差情報のみがタイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれることになる。したがって、時差情報が生成される度にタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、タイムゾーン情報を書き換える回数を削減することができる。これは、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態を採る場合に有利である。
【0016】
さらに、前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、前記第1記憶部は、地域ごとにサマータイムの期間を指定するサマータイム情報とを記憶し、前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、前記制御部は、利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報と対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は、前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行するようにしてもよい。
【0017】
この形態では、時差に起因した修正において、サマータイム情報または修正サマータイム情報が反映されるから、サマータイムのある地域でも正確な現地時刻を表示することができる。また、サマータイムの期間や有無は法律の改正によって変更されうるが、この形態では、サマータイムに該当するか否かの表示を時差に起因した修正に付随して利用者が修正すると、修正後の表示に応じた修正サマータイム情報が地域情報に対応付けて第2記憶部に記憶され、以降の、当該地域情報との距離が所定距離以下の地域情報に係る時差に起因した修正では、当該修正サマータイム情報が反映されるから、手動修正の回数を削減することができる。
【0018】
また、上記の各態様に係る電子機器において、前記第2修正部は、前記位置情報が出力されてから所定時間が経過する前に前記操作信号に基づいて前記表示時刻が修正された場合に、前記時差情報を生成するようにすることが好ましい。この場合、位置情報が出力されてから所定時間が経過した後に操作信号に基づいて表示時刻が修正された場合、すなわち時差に起因した修正に付随せずに手動修正が行われた場合には、時差情報が生成されないから、利用者が意図した時差として不適切な時差が用いられる事態が生じ難くなる。
【0019】
さらに、前記第1記憶部は、前記タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶するようにするのが好ましい。この場合、比較的に少ない量の情報で地域を特定することができるから、第1記憶部に要求される記憶容量を低減することができる。例えば、タイムゾーン情報を現実の等時帯と一致する地域ごとに記憶する形態では、現実の等時帯の形状は複雑であるから、地域を特定するために多くの情報が必要となるのに対して、タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶する形態では、例えば、各地域について2点の位置(経度および緯度)を示す情報があれば十分である。また、第1の態様に係る電子機器において、前記第1記憶部が前記タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶するようにした形態には、位置情報が属する地域を簡単な演算で求めることができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子機器100の外観を示す図である。
【図2】電子機器100の回路構成を示すブロック図である。
【図3】電子機器100における地域に対する時差の設定例を示す図である。
【図4】電子機器100のEEPROM32内の第1修正データを模式的に示す図である。
【図5】電子機器100のフラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。
【図6】電子機器100における修正処理(初回)の流れを示すフローチャートである。
【図7】電子機器100における修正処理(次回以降)の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電子機器200のフラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。
【図9】電子機器200における修正処理(初回)の流れを示すフローチャートである。
【図10】電子機器200における修正処理(次回以降)の流れを示すフローチャートである。
【図11】第1実施形態を変形して得られる変形例1に係る電子機器のEEPROM32内の第1修正データを模式的に示す図である。
【図12】変形例1に係る電子機器のフラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。
【図13】サマータイムの期間の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
<A.第1実施形態>
<A−1.構成>
まず、本発明の第1実施形態に係る電子機器100の構成について説明する。
図1は、電子機器100の外観を示す図である。図1から明らかなように、電子機器100は、内部時刻を計時して表示する電子時計であり、文字板2および指針3からなるアナログ表示部を備える。文字板2の一部には開口が形成され、ディスプレイ(デジタル表示部)4が設けられている。つまり、電子機器100は、内部時刻に基づく表示時刻を表示する後述の表示部50として、アナログ表示部とデジタル表示部とを備えるコンビネーション時計である。なお、本実施形態においては、表示時刻は内部時刻そのものであり、表示時刻の修正は内部時刻の修正をも意味する。
【0023】
指針3は、秒針、分針、時針等を備えて構成され、ステップモータ及び輪列で駆動される。ディスプレイ4は、LCD表示パネル等で構成され、各種の情報を表示することができる。また、電子機器100には、利用者に操作されるボタン6a,6b及びリューズ7が設けられている。ボタン6a,6b及びリューズ7は、それぞれの操作に応じた操作信号を出力する。すなわち、電子機器100は、利用者の操作に応じた操作信号を出力する後述の操作部40を備える。
【0024】
そして、電子機器100は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5からの衛星信号を受信し、GPS時刻を示す衛星時刻情報を取得して表示時刻を修正したり、現在位置の位置情報(測位情報)を取得してディスプレイ4に表示したりすることができる。GPS時刻をUTCオフセットで補正するとUTCとなるから、衛星時刻情報はUTC(基準時刻)に応じた情報でもある。なお、GPS衛星5は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星5が周回している。
【0025】
図2は、電子機器100の回路構成を示すブロック図である。図2に示すように、電子機器100は、GPS装置(GPSモジュール)10、CPU(中央処理装置)20、RAM(Random Access Memory)31、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)32、フラッシュROM(フラッシュメモリ)33、操作部40、表示部50を備える。これらの各装置は、データバス60を介してデータを授受する。なお、電子機器100は、電源となる電池を内蔵している。電池は一次電池でもよいし、充電可能な二次電池でもよい。
【0026】
GPS装置10は、GPSアンテナ11を備え、GPSアンテナ11を介して受信した
衛星信号を処理して衛星時刻情報や位置情報を取得する。GPSアンテナ11は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5からの衛星信号を受信するパッチアンテナであり、文字板2の裏面側に配置され、電子機器100の表面ガラスおよび文字板2を通過した電波を受信する。このため、文字板2および表面ガラスは、GPS衛星5から送信される衛星信号である電波を通す材料で形成されている。例えば、文字板2はプラスチックで形成されている。
【0027】
そして、GPS装置10は、図示を略すが、通常のGPS装置と同様に、GPS衛星5から送信される衛星信号を受信してデジタル信号に変換するRF(Radio Frequency)部と、受信信号の相関判定を実行して航法メッセージを復調するBB部(ベースバンド部)と、BB部で復調された航法メッセージ(衛星信号)から衛星時刻情報や位置情報(測位情報)を取得して出力する情報取得部とを備える。つまり、GPS装置10は、GPS衛星5から送信される衛星信号を受信し、受信結果に基づいて衛星時刻情報と位置情報とを出力する受信部として機能する。
【0028】
RF部は、バンドパスフィルタ、PLL回路、IFフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、ADC(A/D変換器)、ミキサ、LNA(Low Noise Amplifier)、IFアンプ等を備えている。バンドパスフィルタで抜き出された衛星信号は、LNAで増幅された後、ミキサでVCOの信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。ミキサでミキシングされたIFは、IFアンプ、IFフィルタを通り、ADCでデジタル信号に変換される。
【0029】
BB部は、GPS衛星5で送信時に使用されたものと同一のC/Aコードからなるローカルコードを生成するローカルコード生成部と、前記ローカルコードとRF部から出力される受信信号との相関値を算出する相関部とを備える。そして、前記相関部で算出された相関値が所定の閾値以上であれば、受信した衛星信号に用いられたC/Aコードと生成したローカルコードが一致していることになり、衛星信号を捕捉(同期)することができる。このため、受信した衛星信号を、前記ローカルコードを用いて相関処理することで、航法メッセージを復調することができる。
【0030】
情報取得部は、BB部で復調した航法メッセージから時刻情報や位置情報を取得する。航法メッセージには、プリアンブルデータ及びHOWワードのTOW(Time of Week、「Zカウント」ともいう)、各サブフレームデータが含まれている。サブフレームデータは、サブフレーム1からサブフレーム5まであり、各サブフレームには、例えば、週番号データや衛星健康状態データを含む衛星補正データ等や、エフェメリス(GPS衛星5毎の詳細な軌道情報)や、アルマナック(全GPS衛星5の概略軌道情報)などのデータが含まれている。従って、情報取得部は、受信した航法メッセージから所定のデータ部分を抽出することにより、衛星時刻情報や位置情報を取得することができる。
【0031】
図3に示すように、電子機器100は、世界を緯度と経度で複数の地域に分割し、UTCに対する時差を地域毎に管理する。具体的には、地域と当該地域の時差を示す時差情報(タイムゾーン情報)とを対応づけて管理する。地域のサイズは任意であり、地域間で共通であってもよいし、共通でなくてもよい。ただし、一つの地域には一つの時差が設定される。例えば、図3の左下端の地域には、UTC+2の等時帯とUTC+3の等時帯が含まれるが、この地域において最も面積が広い等時帯はUTC+3の等時帯であるから、この地域の時差としては+3が設定される。
【0032】
EEPROM32には、CPU20に実行されるプログラムやUTCオフセットの他、上記の複数の地域にそれぞれ対応する複数の第1修正データが記憶される。第1修正データは、表示時刻を修正するためのデータであり、図4に示すように、EEPROM32には、複数の第1修正データが地域ごとに予め記憶されている。各第1修正データには、対応する地域に固有の地域番号を示す地域番号情報と、対応する地域の北西端の位置(経度及び緯度)を示す北西端位置情報と、対応する地域の南東端の位置(経度及び緯度)を示す南東端位置情報と、対応する地域の時差を示す時差情報(タイムゾーン情報)とが含まれる。つまり、EEPROM32は、UTCとの時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部として機能する。
【0033】
フラッシュROM33には、第1修正データに優先して用いられる第2修正データが地域毎に記憶される。第2修正データもまた時刻の修正に用いられるデータである。フラッシュROM33には、初期状態では第2修正データが記憶されておらず、後述の修正処理によって追記または上書きされる。図5に示すように、第2修正データの内容は、第1修正データと同様である。つまり、フラッシュROM33は、地域と時差情報とを対応づけて記憶する第2記憶部として機能する。
【0034】
CPU20は、RAM31をワークメモリとして使用し、EEPROM32に記憶されたプログラムを実行することにより、各種の演算及び制御を行う。これにより、CPU20は、計時部、第1修正部、第2修正部および制御部として機能する。計時部は、内部時刻を計時する。この計時は、例えば、図示しない発振回路からの基準信号のパルス数を計数することによって行われる。
【0035】
CPU20(第1修正部)は、後述の修正情報が供給されると、この修正情報と衛星時刻情報とに基づいて表示時刻を修正する。具体的には、衛星時刻情報で示されるGPS時刻をUTCオフセットで補正してUTCを算出し、算出したUTCに後述の修正情報で示される時差を加えて現地時刻を求め、求めた時刻を内部時刻とする。
【0036】
また、CPU20(第2修正部)は、リューズ7の操作に応じた操作信号が操作部40から出力されると、この操作信号に基づいて表示時刻を修正するとともに、UTCに対する修正後の表示時刻の時差を示す時差情報を生成する。なお、CPU20は、表示時刻が表示されるように、表示部50(指針3及びディスプレイ4)を駆動する制御を行う。これにより、表示部50には、表示時刻が表示される。
【0037】
また、CPU20は、ボタン6aの操作に応じた操作信号が操作部40から出力されると、時差に起因して表示時刻を修正する処理(修正処理)を行う。すなわち、CPU20は、ボタン6aが押されると、GPS装置10を駆動制御し、GPS装置10に衛星信号を受信させる。そして、GPS装置10から衛星時刻情報と位置情報とが出力されると、CPU20(制御部)は、フラッシュROM33を参照して、この位置情報が第2修正データに含まれる時差情報に対応する地域に属するか否かを判定し、属する場合には、当該時差情報を修正情報として用いて表示時刻を修正し、属しない場合には、EEPROM32を参照して、当該位置情報が属する地域に対応したタイムゾーン情報(第1修正データ)を修正情報として用いて表示時刻を修正する。すなわち、修正情報を用いて表示時刻を修正するCPU20の機能を第1修正部として捉えると、属する場合には第2修正データに含まれる時差情報を、属しない場合には第1修正データに含まれるタイムゾーン情報を修正情報として第1修正部に供給する。つまり、第1修正データに優先して第2修正データが用いられる。
【0038】
<A−2.動作>
次に、電子機器100の動作について説明する。
この説明では、電子機器100を携行する利用者が、ある地域において、複数回にわたってボタン6aを操作するものとする。そのようなケースとしては、例えば、日本に在住する利用者が、電子機器100を携行してタジキスタンを複数回訪問し、各回においてタジキスタン国内の空港でボタン6aを押すケースが挙げられる(図3参照)。前述したように、ボタン6aが操作されると、修正処理が行われる。
【0039】
図6及び図7は、それぞれ、修正処理の流れを示すフローチャートである。図6は、初回の訪問時の修正処理の流れを示し、図7は、2回目以降の訪問時の修正処理の流れを示す。図6に示すように、初回訪問時には、まずCPU20は、ボタン6aの操作を検知して、GPS装置10を駆動制御して位置情報と衛星時刻情報とを取得する(S11)。次にCPU20は、取得した位置情報に応じたタイムゾーン情報を取得する(S12)。具体的には、取得した位置情報で示される位置が属する領域に対応する第1修正データ(図3参照)をEEPROM32から読み出す。
【0040】
次にCPU20は、読み出した第1修正データに含まれるタイムゾーン情報による時刻の修正を行う(S13)。具体的には、タイムゾーン情報と衛星位置情報とを用いて表示時刻を修正する。より具体的には、衛星位置情報で示されるGPS時刻にUTCオフセットを加えてUTCを算出し、算出したUTCにタイムゾーン情報で示される時差を加えて現地時刻を算出し、算出した現地時刻を内部時刻とする。
【0041】
次にCPU20は、リューズ7の操作による表示時刻の修正、すなわち手動修正が行われたか否かを判定する(S14)。この判定は、今回の修正処理において、タイムゾーン情報による時刻の修正の完了から所定時間(例えば30分)が経過すると行われる。この判定の結果は、タイムゾーン情報による時刻の修正の完了から所定時間が経過するまでの期間において、リューズ7の操作に応じた操作信号が操作部40から出力された場合、すなわち手動修正が行われた場合に「YES」となり、手動修正が行わなかった場合に「NO」となる。所定時間が経過することを手動修正の判定する条件としたのは、予め定められたタイムゾーン情報の修正が利用者にとって有用であるか否かを判断するのには時間がかかるからである。換言すれば、所定時間は、有用であるか否かを容易に判断できるように定めればよく、利用者に定めさせてもよい。
【0042】
ステップS14の判定結果が「NO」の場合、CPU20は修正処理を終了する。一方、ステップS14の判定結果が「YES」の場合、CPU20は第2修正データを保存してから(S15)、修正処理を終了する。ステップS15では、CPU20は、ステップS12で読み出した第1修正データを加工して第2修正データ(図5参照)を生成し、フラッシュROM33に記憶させる。この加工では、第1修正データのタイムゾーン情報を、リューズ7の操作に起因して生成された時差情報(機能的には第2修正部で生成)に変更することにより、第2修正データが生成される。
【0043】
図7に示すように、次回以降の訪問時には、まずCPU20は、GPS装置10を駆動制御して位置情報と衛星時刻情報とを取得する(S21)。次にCPU20は、取得した位置情報が第2修正データに含まれる時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する(S22)。具体的には、取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する時差情報がフラッシュROM33に記憶されているか否かを判定する。この判定の結果が「NO」の場合には、処理は図6のステップS12に進む。つまり、初回訪問時の修正処理が行われる。
【0044】
一方、ステップS22の判定結果が「YES」の場合、CPU20は、該当する時差情報をフラッシュROM33から読み出し、読み出した時差情報による時刻の修正を行う(S23)。具体的には、時差情報と衛星位置情報とを用いて表示時刻を修正する。より具体的には、衛星位置情報で示されるGPS時刻をUTCオフセットで補正してUTCを算出し、算出したUTCに時差情報で示される時差を加えて現地時刻を算出し、算出した現地時刻を内部時刻とする。以降、処理は図6のステップS14に進む。これは、次回以降といえども、手動修正が行われる可能性があるからである。
【0045】
以上説明したように、第1実施形態によれば、タイムゾーン情報に基づいて表示時刻の修正を行うが、この自動修正を利用者が適切でないと判断して手動で表示時刻を修正した場合に、手動で修正した地域と時差とを対応づけて記憶する。このように、タイムゾーン情報による自動修正が不適切であるのは、例えば、タイムゾーン情報に対応する地域が広すぎる場合が該当する。すなわち、実際には、1つの地域に複数のタイムゾーン情報が割り当てられているにも関わらず、当該地域に対応して代表的なタイムゾーン情報が一つ記憶されている場合である。ビジネスなどで外国を訪問する場合、訪問箇所は定まっている場合が多い。このため、本実施形態では、手動修正に基づく時差を地域に対応づけて記憶しておき、利用者が同じ地域を訪れた場合に、手動修正に基づく時差で表示時刻を自動修正するようにしたので、電子機器100の利便性を向上させることができる。
【0046】
<B.第2実施形態>
<B−1.構成>
まず、本発明の第2実施形態に係る電子機器200の構成について説明する。電子機器200の構成が電子機器100の構成と異なるのは、EEPROM32に記憶されたプログラムと、フラッシュROM33に記憶される第2修正データの内容のみである。プログラムの相違については、電子機器200の動作の相違として後述する。なお、本実施形態においても、表示時刻は内部時刻そのものであり、表示時刻の修正は内部時刻の修正をも意味する。
【0047】
図8は、フラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。この図に示すように、本実施形態では、第2修正データは、地域番号情報、北西端位置情報、南東端位置情報および時差情報の他に、肯定数情報を含む。肯定数情報は、当該第2修正データが生成されてからの、当該時差情報に対応する地域に属する位置情報がGPS装置10から出力されて修正された表示時刻が操作信号に基づいて修正されなかった回数(肯定数)を示す情報である。「肯定」の意味するところについては、電子機器200の動作の説明において詳述する。
【0048】
<B−2.動作>
次に、電子機器200の動作について説明する。
この説明でも、第1実施形態と同様に、電子機器100を携行する利用者が、ある地域において、複数回にわたってボタン6aを操作するものとする。電子機器200でも、電子機器100と同様に、ボタン6aが操作されると修正処理が行われる。電子機器200の動作が電子機器100の動作と異なる点は、修正処理の内容のみである。
【0049】
図9及び図10は、それぞれ、修正処理の流れを示すフローチャートである。図9は、初回の訪問時の修正処理の流れを示し、図10は、2回目以降の訪問時の修正処理の流れを示す。図9の修正処理が図6の修正処理と異なる点は、ステップS15に代えてステップS35を有する点のみである。ステップS35は、第2修正データを保存する処理であり、この処理において、CPU20は、第1修正データのタイムゾーン情報を、リューズ7の操作に起因して第2修正部に生成された時差情報に変更し、さらに0を示す肯定数情報を付加して第2修正データを生成する。
【0050】
図10の修正処理が図7の修正処理と異なる点は、ステップS23の次にステップS44〜S47が順に並ぶ点のみである。CPU20は、ステップS44では手動修正が行われたか否かを判定し、この判定の結果が「YES」の場合には、処理は図9のステップS35に進む。一方、この判定結果が「NO」の場合、CPU20は、まず、ステップS21で取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する第2修正データを、肯定数情報で示される肯定数が1だけ増加するように更新する(S45)。
【0051】
なお、時差情報に基づいて修正された表示時刻が手動修正されなかった場合には、この修正が利用者の意図に合っていたと考えられるから、この時差情報が利用者に肯定されたと判断してよい。これが「肯定」の意味するところである。つまり、時差情報と同じ第2修正データに含まれる肯定数情報で示される肯定数は、この時差情報が利用者に肯定された回数を示している。
【0052】
次にCPU20は、更新後の肯定数が所定回数(例えば3回)以上であるか否かを判定する(S46)。この判定の結果が「NO」の場合、CPU20は修正処理を終了する。一方、この判定結果が「YES」の場合、CPU20は、ステップS21で取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する時差情報によって当該地域に対応するタイムゾーン情報を変更し(S47)、修正処理を終了する。タイムゾーン情報の変更では、当該地域に対応するタイムゾーン情報として当該時差情報を含むように第1修正データが更新される。
【0053】
以上説明したように、第2実施形態によれば、所定の条件の下、第2修正データを第1修正データに反映させ、当該第2修正データをフラッシュROM33から削除することができる。したがって、フラッシュROM33の記憶容量を有効に活用することができる。また、第2実施形態では、フラッシュROM33に記憶された第2修正データのうち、肯定数が所定回数以上の第2修正データ、すなわち信頼性の高い第2修正データのみが、上記の反映および削除の対象となるから、タイムゾーン情報の信頼性の低下が抑制される。
【0054】
<C.変形例>
本発明は、上述した第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を変形して得られる各種の形態をも技術的範囲に含みうる。これらの形態のうちのいくつかを以下に例示する。なお、以下の変形例のうち、任意の2以上の変形例を組み合わせて得られる形態についても、本発明の技術的範囲に包含されうる。
【0055】
例えば、上述した各実施形態を変形し、地方時を1時間早めるDST(Daylight Savings Time:サマータイム)を考慮して表示時刻を修正するようにしてもよい。DSTの期間は法律の改正によって変更されうるから、これらの変形例では、DSTの期間を変更可能とすることが望ましい。ここでは、DSTの期間を変更可能とした変形例のうち、第1実施形態に基づく変形例(変形例1)について、以下に説明する。
【0056】
<C−1.変形例1>
図11は、変形例1に係る電子機器のEEPROM32に記憶された第1修正データを模式的に示す図であり、図12は、当該電子機器のフラッシュROM33に記憶される第2修正データを模式的に示す図である。これらの図に示すように、第1修正データ及び第2修正データは、それぞれ、DSTが開始する日時(月日時分秒)を示すDST開始情報と、DSTが終了する日時を示すDST終了情報とを含む。つまり、第1記憶部(EEPROM32)は、DSTの期間を指定するサマータイム情報を地域ごとに記憶している。
【0057】
変形例1では、CPU20は、利用者の操作により、又は常に、DSTに該当するか否かを示す画像を表示部50(ディスプレイ4)に表示させることができる。ここでは、図13の「現状」に示すように、DSTの期間(DST_オンの期間)とその他の期間(DST_オフの期間)とをグラフィカルに示す画像が表示されるものとする。
【0058】
またCPU20は、第2修正部として、ボタン6bが操作されてからボタン6a及び6bが同時に操作されるまでの間に操作部40から出力される操作信号に基づいて、表示部50に表示される画像を修正するとともに、修正した画像に対応する修正サマータイム情報を生成する。例えば、表示部50に表示される画像は、DSTが終了する日時を前倒しする修正Aが行われると図13の「修正A後」に示す画像となり、DSTが終了日時を延期する修正Bが行われると図13の「修正B後」に示す画像となる。なお、修正サマータイム情報は、DST開始情報とDST終了情報とで構成される。
【0059】
また変形例1では、図6のステップS14の判定結果は、GPS装置10から取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する上記の画像が修正された場合にも「YES」となる。そして、ステップS15においてフラッシュROM33に記憶される第2修正データに含まれるDST開始情報及びDST終了情報は、修正サマータイム情報を構成していたDST開始情報及びDST終了情報である。つまり、CPU20は、制御部として、利用者が操作部を操作して、表示部に表示されたサマータイムに該当するか否かを修正した場合に、修正サマータイム情報を位置情報と対応づけて第2記憶部に記憶させる。
【0060】
またCPU20は、図6のステップS13において、制御部として、EEPROM32から読み出した第1修正データに含まれるサマータイム情報を当該第1修正データに含まれるタイムゾーン情報に反映させた情報(例えば、タイムゾーン情報が+2ならば、DST_オンの期間においては+2+1=+3となり、DST_オフの期間においては+2となる)を、修正情報として第1修正部に供給する。
【0061】
またCPU20は、図7のステップS23において、制御部として、フラッシュROM33から読み出した第2修正データに含まれる修正サマータイム情報を当該第2修正データに含まれる時差情報に反映させた情報(例えば、時差情報が+2ならば、DST_オンの期間においては+2+1=+3となり、DST_オフの期間においては+2となる)を、修正情報として第1修正部に供給する。
【0062】
<C−2.変形例2>
各実施形態では、CPU20が、第2修正部として、位置情報が出力されてから所定時間が経過する前に手動修正が行われた場合に第2修正データを生成するが、第2修正データを生成する条件は、これに限らない。例えば、位置情報が出力されてから次にボタン6aの操作に応じた操作信号が操作部40から出力されるまでの間に手動修正が行われた場合に第2修正データを生成するようにしてもよい。
【0063】
<C−3.変形例3>
また例えば、各実施形態を変形し、各地域の形状を、経線と緯線との一方又は両方に沿わない任意の形状としてもよい。但し、各実施形態のように、経線と緯線との両方に沿った形状とすれば、2点の座標のみで領域を特定でき、かつ、取得した位置情報との比較も容易に行える利点がある。また、各実施形態では、各地域を2点の座標で特定したが、例えば、地域の左上隅など決められた1点の座標と、その地域のサイズ(例えば対角線の長さ)との2つの情報で特定してもよい。
【0064】
<C−4.変形例4>
各実施形態では、内部時刻そのものを表示時刻としたが、表示時刻は内部時刻に基づく時刻であればよく、内部時刻と異なる時刻を表示時刻としてもよい。例えば、UTC又は特定の地方時(例えばTYO)を内部時刻とし、内部時刻とタイムゾーン情報(又はフラッシュROM33内の時差情報)とに基づいて表示時刻を求めるようにしてもよい。この場合、表示時刻の修正は、内部時刻の修正を意味しない。
【0065】
<C−5.変形例5>
また例えば、各実施形態を変形し、図7又は図10のステップS22において、取得した位置情報が第2修正データに含まれる時差情報に対応する地域に属するか否かではなく、取得した位置情報と第2修正データに含まれる位置情報との距離が所定距離以下であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、第2修正データは、北西端位置情報および南東端位置情報に代えて、一つの位置(経度,緯度)を示す位置情報を含むことになる。
つまり、電子機器100及び200を包含する本発明の態様を第1の態様としたとき、本発明の第2の態様として、内部時刻を計時する計時部と、前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、前記時差情報を前記位置情報と対応づけて記憶する第2記憶部と、前記受信部から位置情報と衛星時刻情報とが出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部とを備える、ことを特徴とする電子機器を抽出することができる。
【0066】
<C−6.他の変形例>
また例えば、各実施形態を変形し、EEPROM32に要求される記憶容量を低減するために、複数の第1修正データを一括して圧縮し、これによって生成された一つの圧縮データをEEPROM32に記憶させるようにしてもよい。この場合、一つの第1修正データを書き換える場合にも一つの圧縮データ(複数の第1修正データ)を書き換えなければならないが、第1実施形態のように第2修正データをフラッシュROM33に記憶させる形態では、第1修正データを書き換える必要がないからCPU20の負荷は増大しないし、第2実施形態のように第2修正データをフラッシュROM33に書き込んでから信頼性の高い第2修正データのみを選択して第1修正データとしてEEPROM32に書き込む形態では、第1修正データを書き換える回数が少なく抑制されるから、CPU20の負荷の増大は抑制される。
【0067】
また例えば、各実施形態を変形し、本発明を適用する電子機器として、指針を備えないデジタル時計を採用してもよい。もちろん、腕時計に限定されるものではなく、例えば、懐中時計であってもよい。さらに、電子時計に限定されるものではなく、時計機能に加えて他の機能も備える各種の電子機器であってもよい。そのような電子機器としては、GPS機能および時計機能を備える携帯電話機やナビゲーション機器を例示可能である。
【0068】
また、本発明に係る電子機器が利用する位置情報衛星は、GPS衛星に限定されない。例えば、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの衛星時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星でもよい。
【符号の説明】
【0069】
3…指針、4…ディスプレイ、5…GPS衛星、6a,6b…ボタン、7…リューズ、10…GPS装置、20…CPU、32…EEPROM、33…フラッシュROM、40…操作部、50…表示部、100,200…電子機器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばGPS衛星等の位置情報衛星から送信される電波を受信して現在の時刻を求める電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
自己位置を測位するためのGPS(Global Positioning System)では、地球を周回する軌道を有するGPS衛星(位置情報衛星)が用いられる。GPS衛星は、原子時計を備え、この原子時計で計時される時刻(GPS時刻)を示す時刻情報(衛星時刻情報)を含む衛星信号を送信する。GPS時刻は、すべてのGPS衛星で同じ時刻であり、GPS時刻とUTC(協定世界時)との差であるUTCオフセット(現在は+15秒)で補正することでUTCとなる。したがって、GPS衛星からの衛星信号を受信してGPS時刻を取得し、取得したGPS時刻をUTCオフセットで補正すれば、UTCを得ることができる。なお、UTCオフセットは、受信した衛星信号から取得するか、あるいは予めメモリに書き込んでおいた所定値を取得して利用すればよい。
【0003】
特許文献1には、GPS衛星からの衛星信号を受信して現在時刻を求める電波修正時計が記載されている。この電波修正時計は、現地時刻(地方時)を計時するものであり、主要都市等の複数の定点の各々の位置を示す固定位置情報と、当該定点における時差を示す時差情報とを予め対応付けておき、衛星信号から取得した時刻情報と、衛星信号から取得した移動体位置情報に最も近い定点の固定位置情報に対応する時差情報とを用いて、現地時刻を算出する。各定点には、当該定点を中心とした円状の領域が設定され、これらの定点のうち、移動体位置情報が属する領域の定点が、「最も近い定点」となる。また、特許文献2には、GPS衛星からの衛星信号を受信して現地時刻を求める電子時計が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−139875号公報
【特許文献2】特開2009−128296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電波修正時計では、移動体位置情報が円状の領域に属するか否かを判定して時差情報が特定されるから、時差の境界線が入り組んだ地域では、利用者の意図しない時差情報を用いて現地時刻が算出される虞がある。例えば、利用者は定点Aの時差情報を用いて現地時刻が算出されることを意図していたにも関わらず、定点Aの隣の定点Bの時差情報を用いて現地時刻が算出される虞がある。
【0006】
この場合、利用者は、現地時刻を手動で修正することになる。そして、利用者が、この地域を再び訪れた場合には、再び、利用者の意図しない時差情報(定点Bの時差情報)を用いて現地時刻が算出されることになり、利用者は、算出された現地時刻を手動で修正することになる。つまり、常に、利用者による手動修正が必要となる。このことは、特許文献2に記載の電子時計にもあてはまる。
【0007】
本発明は、現地時刻を表示可能な電子機器において、時刻の手動修正の回数を削減することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る電子機器は、内部時刻を計時する計時部と、前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻(例えばUTC)に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、前記位置情報が属する前記地域と前記時差情報とを対応づけて記憶する第2記憶部と、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部とを備える、ことを特徴とする。
【0009】
第1の態様に係る電子機器によれば、表示時刻が、衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報と、第1記憶部に記憶されたタイムゾーン情報又は第2記憶部に記憶された時差情報とに基づいて修正されるから、現地時刻(地方時)を表示することができる。
また、第1の態様に係る電子機器では、衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報とタイムゾーン情報とに基づいて表示時刻が第1時刻に修正された後に、操作部の操作に応じて表示時刻が第1時刻+αに修正されると、第1時刻に対する第1時刻+αの時差(α)を示す時差情報が、当該衛星信号を受信して得られた位置情報が属する地域に対応付けて第2記憶部に記憶される。このとき、操作部の操作に由来する修正(手動修正)によって得られる時刻(第1時刻+α)は、当該地域について利用者が意図した時刻であり、αは、当該地域について利用者が意図した時差である。
そして、第1の態様に係る電子機器では、後に衛星信号を受信して当該地域に属する位置情報が得られると、第2記憶部に記憶された時差情報(αを示す時差情報)と当該衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報(第2時刻に応じた衛星時刻情報)とに基づいて、表示時刻が修正される。この修正の結果、表示時刻は、例えば第2時刻+αとなる。つまり、表示時刻には、当該地域について利用者が過去に意図した時差(α)が、手動修正なしで反映される。
よって、第1の態様に係る電子機器によれば、手動修正の回数を削減することができる。
以上より、本発明によれば、現地時刻を表示可能な電子機器において、時刻の手動修正の回数を削減することができる。また、時差情報が、タイムゾーン情報を記憶した第1記憶部とは異なる第2記憶部に書き込まれるから、時差情報でタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、第1の態様には、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態(第1記憶部に要求される記憶容量を削減する形態)を採り易いという利点がある。
【0010】
第1の態様に係る電子機器において、前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する地域に属する位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換えるようにしてもよい。タイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれた時差情報を第2記憶部に記憶させておく必要はないから、この形態によれば、第2記憶部に要求される記憶容量を少なく抑制することができる。また、この形態では、計数される回数は、手動修正が行われなかった回数、すなわち利用者に肯定された回数(肯定数)であるから、信頼性の高い時差情報のみがタイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれることになる。したがって、時差情報が生成される度にタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、タイムゾーン情報を書き換える回数を削減することができる。これは、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態を採る場合に有利である。
【0011】
さらに、前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、前記第1記憶部は、サマータイムの期間を指定するサマータイム情報を前記地域ごとに記憶し、前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、前記制御部は、利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報が属する前記地域に対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行するようにしてもよい。
【0012】
この形態では、時差に起因した修正において、サマータイム情報または修正サマータイム情報が反映されるから、サマータイムのある地域でも正確な現地時刻を表示することができる。また、サマータイムの期間や有無は法律の改正によって変更されうるが、この形態では、サマータイムに該当するか否かの表示を時差に起因した修正に付随して利用者が修正すると、修正後の表示に応じた修正サマータイム情報が地域に対応付けて第2記憶部に記憶され、以降の当該地域に係る時差に起因した修正では当該修正サマータイム情報が反映されるから、手動修正の回数を削減することができる。
【0013】
また、本発明の第2の態様に係る電子機器は、内部時刻を計時する計時部と、前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻(例えばUTC)に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、前記時差情報を前記位置情報と対応づけて記憶する第2記憶部と、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部とを備える、ことを特徴とする。
【0014】
第2の態様に係る電子機器によれば、第1の態様に係る電子機器と同様に現地時刻(地方時)を表示することができる。
また、第2の態様に係る電子機器では、衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報とタイムゾーン情報とに基づいて表示時刻が第1時刻に修正された後に、操作部の操作に応じて表示時刻が第1時刻+αに修正されると、第1時刻に対する第1時刻+αの時差(α)を示す時差情報が、当該衛星信号を受信して得られた位置情報(第1位置情報)と対応付けて第2記憶部に記憶される。このとき、操作部の操作に由来する修正(手動修正)によって得られる時刻(第1時刻+α)は、当該地域について利用者が意図した時刻であり、αは、当該地域について利用者が意図した時差である。
そして、第2の態様に係る電子機器では、後に衛星信号を受信して、第2記憶部に記憶された第1位置情報との距離が所定距離以下の位置情報(第2位置情報)が得られると、第2記憶部に記憶された時差情報(αを示す時差情報)と当該衛星信号を受信して得られた衛星時刻情報(第2時刻に応じた衛星時刻情報)とに基づいて、表示時刻が修正される。この修正の結果、表示時刻は、例えば第2時刻+αとなる。つまり、表示時刻には、第2位置情報で示される位置に近い位置(第1位置情報で示される位置)について利用者が過去に意図した時差(α)が、手動修正なしで反映される。
よって、この電子機器によれば、手動修正の回数を削減することができる。
以上より、本発明によれば、現地時刻を表示可能な電子機器において、時刻の手動修正の回数を削減することができる。また、時差情報が、タイムゾーン情報を記憶した第1記憶部とは異なる第2記憶部に書き込まれるから、時差情報でタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、第2の態様には、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態(第1記憶部に要求される記憶容量を削減する形態)を採り易いという利点がある。
【0015】
第2の態様に係る電子機器において、前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する前記位置情報との距離が前記所定距離以下の位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換えるようにしてもよい。タイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれた時差情報を第2記憶部に記憶させておく必要はないから、この形態によれば、第2記憶部に要求される記憶容量を少なく抑制することができる。また、この形態では、計数される回数は、手動修正が行われなかった回数、すなわち利用者に肯定された回数(肯定数)であるから、信頼性の高い時差情報のみがタイムゾーン情報として第1記憶部に書き込まれることになる。したがって、時差情報が生成される度にタイムゾーン情報を書き換える形態に比較して、タイムゾーン情報を書き換える回数を削減することができる。これは、複数のタイムゾーン情報を圧縮して得られる1つの圧縮データを第1記憶部に記憶させる形態を採る場合に有利である。
【0016】
さらに、前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、前記第1記憶部は、地域ごとにサマータイムの期間を指定するサマータイム情報とを記憶し、前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、前記制御部は、利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報と対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は、前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行するようにしてもよい。
【0017】
この形態では、時差に起因した修正において、サマータイム情報または修正サマータイム情報が反映されるから、サマータイムのある地域でも正確な現地時刻を表示することができる。また、サマータイムの期間や有無は法律の改正によって変更されうるが、この形態では、サマータイムに該当するか否かの表示を時差に起因した修正に付随して利用者が修正すると、修正後の表示に応じた修正サマータイム情報が地域情報に対応付けて第2記憶部に記憶され、以降の、当該地域情報との距離が所定距離以下の地域情報に係る時差に起因した修正では、当該修正サマータイム情報が反映されるから、手動修正の回数を削減することができる。
【0018】
また、上記の各態様に係る電子機器において、前記第2修正部は、前記位置情報が出力されてから所定時間が経過する前に前記操作信号に基づいて前記表示時刻が修正された場合に、前記時差情報を生成するようにすることが好ましい。この場合、位置情報が出力されてから所定時間が経過した後に操作信号に基づいて表示時刻が修正された場合、すなわち時差に起因した修正に付随せずに手動修正が行われた場合には、時差情報が生成されないから、利用者が意図した時差として不適切な時差が用いられる事態が生じ難くなる。
【0019】
さらに、前記第1記憶部は、前記タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶するようにするのが好ましい。この場合、比較的に少ない量の情報で地域を特定することができるから、第1記憶部に要求される記憶容量を低減することができる。例えば、タイムゾーン情報を現実の等時帯と一致する地域ごとに記憶する形態では、現実の等時帯の形状は複雑であるから、地域を特定するために多くの情報が必要となるのに対して、タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶する形態では、例えば、各地域について2点の位置(経度および緯度)を示す情報があれば十分である。また、第1の態様に係る電子機器において、前記第1記憶部が前記タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶するようにした形態には、位置情報が属する地域を簡単な演算で求めることができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子機器100の外観を示す図である。
【図2】電子機器100の回路構成を示すブロック図である。
【図3】電子機器100における地域に対する時差の設定例を示す図である。
【図4】電子機器100のEEPROM32内の第1修正データを模式的に示す図である。
【図5】電子機器100のフラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。
【図6】電子機器100における修正処理(初回)の流れを示すフローチャートである。
【図7】電子機器100における修正処理(次回以降)の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電子機器200のフラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。
【図9】電子機器200における修正処理(初回)の流れを示すフローチャートである。
【図10】電子機器200における修正処理(次回以降)の流れを示すフローチャートである。
【図11】第1実施形態を変形して得られる変形例1に係る電子機器のEEPROM32内の第1修正データを模式的に示す図である。
【図12】変形例1に係る電子機器のフラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。
【図13】サマータイムの期間の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
<A.第1実施形態>
<A−1.構成>
まず、本発明の第1実施形態に係る電子機器100の構成について説明する。
図1は、電子機器100の外観を示す図である。図1から明らかなように、電子機器100は、内部時刻を計時して表示する電子時計であり、文字板2および指針3からなるアナログ表示部を備える。文字板2の一部には開口が形成され、ディスプレイ(デジタル表示部)4が設けられている。つまり、電子機器100は、内部時刻に基づく表示時刻を表示する後述の表示部50として、アナログ表示部とデジタル表示部とを備えるコンビネーション時計である。なお、本実施形態においては、表示時刻は内部時刻そのものであり、表示時刻の修正は内部時刻の修正をも意味する。
【0023】
指針3は、秒針、分針、時針等を備えて構成され、ステップモータ及び輪列で駆動される。ディスプレイ4は、LCD表示パネル等で構成され、各種の情報を表示することができる。また、電子機器100には、利用者に操作されるボタン6a,6b及びリューズ7が設けられている。ボタン6a,6b及びリューズ7は、それぞれの操作に応じた操作信号を出力する。すなわち、電子機器100は、利用者の操作に応じた操作信号を出力する後述の操作部40を備える。
【0024】
そして、電子機器100は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5からの衛星信号を受信し、GPS時刻を示す衛星時刻情報を取得して表示時刻を修正したり、現在位置の位置情報(測位情報)を取得してディスプレイ4に表示したりすることができる。GPS時刻をUTCオフセットで補正するとUTCとなるから、衛星時刻情報はUTC(基準時刻)に応じた情報でもある。なお、GPS衛星5は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星5が周回している。
【0025】
図2は、電子機器100の回路構成を示すブロック図である。図2に示すように、電子機器100は、GPS装置(GPSモジュール)10、CPU(中央処理装置)20、RAM(Random Access Memory)31、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)32、フラッシュROM(フラッシュメモリ)33、操作部40、表示部50を備える。これらの各装置は、データバス60を介してデータを授受する。なお、電子機器100は、電源となる電池を内蔵している。電池は一次電池でもよいし、充電可能な二次電池でもよい。
【0026】
GPS装置10は、GPSアンテナ11を備え、GPSアンテナ11を介して受信した
衛星信号を処理して衛星時刻情報や位置情報を取得する。GPSアンテナ11は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5からの衛星信号を受信するパッチアンテナであり、文字板2の裏面側に配置され、電子機器100の表面ガラスおよび文字板2を通過した電波を受信する。このため、文字板2および表面ガラスは、GPS衛星5から送信される衛星信号である電波を通す材料で形成されている。例えば、文字板2はプラスチックで形成されている。
【0027】
そして、GPS装置10は、図示を略すが、通常のGPS装置と同様に、GPS衛星5から送信される衛星信号を受信してデジタル信号に変換するRF(Radio Frequency)部と、受信信号の相関判定を実行して航法メッセージを復調するBB部(ベースバンド部)と、BB部で復調された航法メッセージ(衛星信号)から衛星時刻情報や位置情報(測位情報)を取得して出力する情報取得部とを備える。つまり、GPS装置10は、GPS衛星5から送信される衛星信号を受信し、受信結果に基づいて衛星時刻情報と位置情報とを出力する受信部として機能する。
【0028】
RF部は、バンドパスフィルタ、PLL回路、IFフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、ADC(A/D変換器)、ミキサ、LNA(Low Noise Amplifier)、IFアンプ等を備えている。バンドパスフィルタで抜き出された衛星信号は、LNAで増幅された後、ミキサでVCOの信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。ミキサでミキシングされたIFは、IFアンプ、IFフィルタを通り、ADCでデジタル信号に変換される。
【0029】
BB部は、GPS衛星5で送信時に使用されたものと同一のC/Aコードからなるローカルコードを生成するローカルコード生成部と、前記ローカルコードとRF部から出力される受信信号との相関値を算出する相関部とを備える。そして、前記相関部で算出された相関値が所定の閾値以上であれば、受信した衛星信号に用いられたC/Aコードと生成したローカルコードが一致していることになり、衛星信号を捕捉(同期)することができる。このため、受信した衛星信号を、前記ローカルコードを用いて相関処理することで、航法メッセージを復調することができる。
【0030】
情報取得部は、BB部で復調した航法メッセージから時刻情報や位置情報を取得する。航法メッセージには、プリアンブルデータ及びHOWワードのTOW(Time of Week、「Zカウント」ともいう)、各サブフレームデータが含まれている。サブフレームデータは、サブフレーム1からサブフレーム5まであり、各サブフレームには、例えば、週番号データや衛星健康状態データを含む衛星補正データ等や、エフェメリス(GPS衛星5毎の詳細な軌道情報)や、アルマナック(全GPS衛星5の概略軌道情報)などのデータが含まれている。従って、情報取得部は、受信した航法メッセージから所定のデータ部分を抽出することにより、衛星時刻情報や位置情報を取得することができる。
【0031】
図3に示すように、電子機器100は、世界を緯度と経度で複数の地域に分割し、UTCに対する時差を地域毎に管理する。具体的には、地域と当該地域の時差を示す時差情報(タイムゾーン情報)とを対応づけて管理する。地域のサイズは任意であり、地域間で共通であってもよいし、共通でなくてもよい。ただし、一つの地域には一つの時差が設定される。例えば、図3の左下端の地域には、UTC+2の等時帯とUTC+3の等時帯が含まれるが、この地域において最も面積が広い等時帯はUTC+3の等時帯であるから、この地域の時差としては+3が設定される。
【0032】
EEPROM32には、CPU20に実行されるプログラムやUTCオフセットの他、上記の複数の地域にそれぞれ対応する複数の第1修正データが記憶される。第1修正データは、表示時刻を修正するためのデータであり、図4に示すように、EEPROM32には、複数の第1修正データが地域ごとに予め記憶されている。各第1修正データには、対応する地域に固有の地域番号を示す地域番号情報と、対応する地域の北西端の位置(経度及び緯度)を示す北西端位置情報と、対応する地域の南東端の位置(経度及び緯度)を示す南東端位置情報と、対応する地域の時差を示す時差情報(タイムゾーン情報)とが含まれる。つまり、EEPROM32は、UTCとの時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部として機能する。
【0033】
フラッシュROM33には、第1修正データに優先して用いられる第2修正データが地域毎に記憶される。第2修正データもまた時刻の修正に用いられるデータである。フラッシュROM33には、初期状態では第2修正データが記憶されておらず、後述の修正処理によって追記または上書きされる。図5に示すように、第2修正データの内容は、第1修正データと同様である。つまり、フラッシュROM33は、地域と時差情報とを対応づけて記憶する第2記憶部として機能する。
【0034】
CPU20は、RAM31をワークメモリとして使用し、EEPROM32に記憶されたプログラムを実行することにより、各種の演算及び制御を行う。これにより、CPU20は、計時部、第1修正部、第2修正部および制御部として機能する。計時部は、内部時刻を計時する。この計時は、例えば、図示しない発振回路からの基準信号のパルス数を計数することによって行われる。
【0035】
CPU20(第1修正部)は、後述の修正情報が供給されると、この修正情報と衛星時刻情報とに基づいて表示時刻を修正する。具体的には、衛星時刻情報で示されるGPS時刻をUTCオフセットで補正してUTCを算出し、算出したUTCに後述の修正情報で示される時差を加えて現地時刻を求め、求めた時刻を内部時刻とする。
【0036】
また、CPU20(第2修正部)は、リューズ7の操作に応じた操作信号が操作部40から出力されると、この操作信号に基づいて表示時刻を修正するとともに、UTCに対する修正後の表示時刻の時差を示す時差情報を生成する。なお、CPU20は、表示時刻が表示されるように、表示部50(指針3及びディスプレイ4)を駆動する制御を行う。これにより、表示部50には、表示時刻が表示される。
【0037】
また、CPU20は、ボタン6aの操作に応じた操作信号が操作部40から出力されると、時差に起因して表示時刻を修正する処理(修正処理)を行う。すなわち、CPU20は、ボタン6aが押されると、GPS装置10を駆動制御し、GPS装置10に衛星信号を受信させる。そして、GPS装置10から衛星時刻情報と位置情報とが出力されると、CPU20(制御部)は、フラッシュROM33を参照して、この位置情報が第2修正データに含まれる時差情報に対応する地域に属するか否かを判定し、属する場合には、当該時差情報を修正情報として用いて表示時刻を修正し、属しない場合には、EEPROM32を参照して、当該位置情報が属する地域に対応したタイムゾーン情報(第1修正データ)を修正情報として用いて表示時刻を修正する。すなわち、修正情報を用いて表示時刻を修正するCPU20の機能を第1修正部として捉えると、属する場合には第2修正データに含まれる時差情報を、属しない場合には第1修正データに含まれるタイムゾーン情報を修正情報として第1修正部に供給する。つまり、第1修正データに優先して第2修正データが用いられる。
【0038】
<A−2.動作>
次に、電子機器100の動作について説明する。
この説明では、電子機器100を携行する利用者が、ある地域において、複数回にわたってボタン6aを操作するものとする。そのようなケースとしては、例えば、日本に在住する利用者が、電子機器100を携行してタジキスタンを複数回訪問し、各回においてタジキスタン国内の空港でボタン6aを押すケースが挙げられる(図3参照)。前述したように、ボタン6aが操作されると、修正処理が行われる。
【0039】
図6及び図7は、それぞれ、修正処理の流れを示すフローチャートである。図6は、初回の訪問時の修正処理の流れを示し、図7は、2回目以降の訪問時の修正処理の流れを示す。図6に示すように、初回訪問時には、まずCPU20は、ボタン6aの操作を検知して、GPS装置10を駆動制御して位置情報と衛星時刻情報とを取得する(S11)。次にCPU20は、取得した位置情報に応じたタイムゾーン情報を取得する(S12)。具体的には、取得した位置情報で示される位置が属する領域に対応する第1修正データ(図3参照)をEEPROM32から読み出す。
【0040】
次にCPU20は、読み出した第1修正データに含まれるタイムゾーン情報による時刻の修正を行う(S13)。具体的には、タイムゾーン情報と衛星位置情報とを用いて表示時刻を修正する。より具体的には、衛星位置情報で示されるGPS時刻にUTCオフセットを加えてUTCを算出し、算出したUTCにタイムゾーン情報で示される時差を加えて現地時刻を算出し、算出した現地時刻を内部時刻とする。
【0041】
次にCPU20は、リューズ7の操作による表示時刻の修正、すなわち手動修正が行われたか否かを判定する(S14)。この判定は、今回の修正処理において、タイムゾーン情報による時刻の修正の完了から所定時間(例えば30分)が経過すると行われる。この判定の結果は、タイムゾーン情報による時刻の修正の完了から所定時間が経過するまでの期間において、リューズ7の操作に応じた操作信号が操作部40から出力された場合、すなわち手動修正が行われた場合に「YES」となり、手動修正が行わなかった場合に「NO」となる。所定時間が経過することを手動修正の判定する条件としたのは、予め定められたタイムゾーン情報の修正が利用者にとって有用であるか否かを判断するのには時間がかかるからである。換言すれば、所定時間は、有用であるか否かを容易に判断できるように定めればよく、利用者に定めさせてもよい。
【0042】
ステップS14の判定結果が「NO」の場合、CPU20は修正処理を終了する。一方、ステップS14の判定結果が「YES」の場合、CPU20は第2修正データを保存してから(S15)、修正処理を終了する。ステップS15では、CPU20は、ステップS12で読み出した第1修正データを加工して第2修正データ(図5参照)を生成し、フラッシュROM33に記憶させる。この加工では、第1修正データのタイムゾーン情報を、リューズ7の操作に起因して生成された時差情報(機能的には第2修正部で生成)に変更することにより、第2修正データが生成される。
【0043】
図7に示すように、次回以降の訪問時には、まずCPU20は、GPS装置10を駆動制御して位置情報と衛星時刻情報とを取得する(S21)。次にCPU20は、取得した位置情報が第2修正データに含まれる時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する(S22)。具体的には、取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する時差情報がフラッシュROM33に記憶されているか否かを判定する。この判定の結果が「NO」の場合には、処理は図6のステップS12に進む。つまり、初回訪問時の修正処理が行われる。
【0044】
一方、ステップS22の判定結果が「YES」の場合、CPU20は、該当する時差情報をフラッシュROM33から読み出し、読み出した時差情報による時刻の修正を行う(S23)。具体的には、時差情報と衛星位置情報とを用いて表示時刻を修正する。より具体的には、衛星位置情報で示されるGPS時刻をUTCオフセットで補正してUTCを算出し、算出したUTCに時差情報で示される時差を加えて現地時刻を算出し、算出した現地時刻を内部時刻とする。以降、処理は図6のステップS14に進む。これは、次回以降といえども、手動修正が行われる可能性があるからである。
【0045】
以上説明したように、第1実施形態によれば、タイムゾーン情報に基づいて表示時刻の修正を行うが、この自動修正を利用者が適切でないと判断して手動で表示時刻を修正した場合に、手動で修正した地域と時差とを対応づけて記憶する。このように、タイムゾーン情報による自動修正が不適切であるのは、例えば、タイムゾーン情報に対応する地域が広すぎる場合が該当する。すなわち、実際には、1つの地域に複数のタイムゾーン情報が割り当てられているにも関わらず、当該地域に対応して代表的なタイムゾーン情報が一つ記憶されている場合である。ビジネスなどで外国を訪問する場合、訪問箇所は定まっている場合が多い。このため、本実施形態では、手動修正に基づく時差を地域に対応づけて記憶しておき、利用者が同じ地域を訪れた場合に、手動修正に基づく時差で表示時刻を自動修正するようにしたので、電子機器100の利便性を向上させることができる。
【0046】
<B.第2実施形態>
<B−1.構成>
まず、本発明の第2実施形態に係る電子機器200の構成について説明する。電子機器200の構成が電子機器100の構成と異なるのは、EEPROM32に記憶されたプログラムと、フラッシュROM33に記憶される第2修正データの内容のみである。プログラムの相違については、電子機器200の動作の相違として後述する。なお、本実施形態においても、表示時刻は内部時刻そのものであり、表示時刻の修正は内部時刻の修正をも意味する。
【0047】
図8は、フラッシュROM33内の第2修正データを模式的に示す図である。この図に示すように、本実施形態では、第2修正データは、地域番号情報、北西端位置情報、南東端位置情報および時差情報の他に、肯定数情報を含む。肯定数情報は、当該第2修正データが生成されてからの、当該時差情報に対応する地域に属する位置情報がGPS装置10から出力されて修正された表示時刻が操作信号に基づいて修正されなかった回数(肯定数)を示す情報である。「肯定」の意味するところについては、電子機器200の動作の説明において詳述する。
【0048】
<B−2.動作>
次に、電子機器200の動作について説明する。
この説明でも、第1実施形態と同様に、電子機器100を携行する利用者が、ある地域において、複数回にわたってボタン6aを操作するものとする。電子機器200でも、電子機器100と同様に、ボタン6aが操作されると修正処理が行われる。電子機器200の動作が電子機器100の動作と異なる点は、修正処理の内容のみである。
【0049】
図9及び図10は、それぞれ、修正処理の流れを示すフローチャートである。図9は、初回の訪問時の修正処理の流れを示し、図10は、2回目以降の訪問時の修正処理の流れを示す。図9の修正処理が図6の修正処理と異なる点は、ステップS15に代えてステップS35を有する点のみである。ステップS35は、第2修正データを保存する処理であり、この処理において、CPU20は、第1修正データのタイムゾーン情報を、リューズ7の操作に起因して第2修正部に生成された時差情報に変更し、さらに0を示す肯定数情報を付加して第2修正データを生成する。
【0050】
図10の修正処理が図7の修正処理と異なる点は、ステップS23の次にステップS44〜S47が順に並ぶ点のみである。CPU20は、ステップS44では手動修正が行われたか否かを判定し、この判定の結果が「YES」の場合には、処理は図9のステップS35に進む。一方、この判定結果が「NO」の場合、CPU20は、まず、ステップS21で取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する第2修正データを、肯定数情報で示される肯定数が1だけ増加するように更新する(S45)。
【0051】
なお、時差情報に基づいて修正された表示時刻が手動修正されなかった場合には、この修正が利用者の意図に合っていたと考えられるから、この時差情報が利用者に肯定されたと判断してよい。これが「肯定」の意味するところである。つまり、時差情報と同じ第2修正データに含まれる肯定数情報で示される肯定数は、この時差情報が利用者に肯定された回数を示している。
【0052】
次にCPU20は、更新後の肯定数が所定回数(例えば3回)以上であるか否かを判定する(S46)。この判定の結果が「NO」の場合、CPU20は修正処理を終了する。一方、この判定結果が「YES」の場合、CPU20は、ステップS21で取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する時差情報によって当該地域に対応するタイムゾーン情報を変更し(S47)、修正処理を終了する。タイムゾーン情報の変更では、当該地域に対応するタイムゾーン情報として当該時差情報を含むように第1修正データが更新される。
【0053】
以上説明したように、第2実施形態によれば、所定の条件の下、第2修正データを第1修正データに反映させ、当該第2修正データをフラッシュROM33から削除することができる。したがって、フラッシュROM33の記憶容量を有効に活用することができる。また、第2実施形態では、フラッシュROM33に記憶された第2修正データのうち、肯定数が所定回数以上の第2修正データ、すなわち信頼性の高い第2修正データのみが、上記の反映および削除の対象となるから、タイムゾーン情報の信頼性の低下が抑制される。
【0054】
<C.変形例>
本発明は、上述した第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を変形して得られる各種の形態をも技術的範囲に含みうる。これらの形態のうちのいくつかを以下に例示する。なお、以下の変形例のうち、任意の2以上の変形例を組み合わせて得られる形態についても、本発明の技術的範囲に包含されうる。
【0055】
例えば、上述した各実施形態を変形し、地方時を1時間早めるDST(Daylight Savings Time:サマータイム)を考慮して表示時刻を修正するようにしてもよい。DSTの期間は法律の改正によって変更されうるから、これらの変形例では、DSTの期間を変更可能とすることが望ましい。ここでは、DSTの期間を変更可能とした変形例のうち、第1実施形態に基づく変形例(変形例1)について、以下に説明する。
【0056】
<C−1.変形例1>
図11は、変形例1に係る電子機器のEEPROM32に記憶された第1修正データを模式的に示す図であり、図12は、当該電子機器のフラッシュROM33に記憶される第2修正データを模式的に示す図である。これらの図に示すように、第1修正データ及び第2修正データは、それぞれ、DSTが開始する日時(月日時分秒)を示すDST開始情報と、DSTが終了する日時を示すDST終了情報とを含む。つまり、第1記憶部(EEPROM32)は、DSTの期間を指定するサマータイム情報を地域ごとに記憶している。
【0057】
変形例1では、CPU20は、利用者の操作により、又は常に、DSTに該当するか否かを示す画像を表示部50(ディスプレイ4)に表示させることができる。ここでは、図13の「現状」に示すように、DSTの期間(DST_オンの期間)とその他の期間(DST_オフの期間)とをグラフィカルに示す画像が表示されるものとする。
【0058】
またCPU20は、第2修正部として、ボタン6bが操作されてからボタン6a及び6bが同時に操作されるまでの間に操作部40から出力される操作信号に基づいて、表示部50に表示される画像を修正するとともに、修正した画像に対応する修正サマータイム情報を生成する。例えば、表示部50に表示される画像は、DSTが終了する日時を前倒しする修正Aが行われると図13の「修正A後」に示す画像となり、DSTが終了日時を延期する修正Bが行われると図13の「修正B後」に示す画像となる。なお、修正サマータイム情報は、DST開始情報とDST終了情報とで構成される。
【0059】
また変形例1では、図6のステップS14の判定結果は、GPS装置10から取得した位置情報で示される位置が属する地域に対応する上記の画像が修正された場合にも「YES」となる。そして、ステップS15においてフラッシュROM33に記憶される第2修正データに含まれるDST開始情報及びDST終了情報は、修正サマータイム情報を構成していたDST開始情報及びDST終了情報である。つまり、CPU20は、制御部として、利用者が操作部を操作して、表示部に表示されたサマータイムに該当するか否かを修正した場合に、修正サマータイム情報を位置情報と対応づけて第2記憶部に記憶させる。
【0060】
またCPU20は、図6のステップS13において、制御部として、EEPROM32から読み出した第1修正データに含まれるサマータイム情報を当該第1修正データに含まれるタイムゾーン情報に反映させた情報(例えば、タイムゾーン情報が+2ならば、DST_オンの期間においては+2+1=+3となり、DST_オフの期間においては+2となる)を、修正情報として第1修正部に供給する。
【0061】
またCPU20は、図7のステップS23において、制御部として、フラッシュROM33から読み出した第2修正データに含まれる修正サマータイム情報を当該第2修正データに含まれる時差情報に反映させた情報(例えば、時差情報が+2ならば、DST_オンの期間においては+2+1=+3となり、DST_オフの期間においては+2となる)を、修正情報として第1修正部に供給する。
【0062】
<C−2.変形例2>
各実施形態では、CPU20が、第2修正部として、位置情報が出力されてから所定時間が経過する前に手動修正が行われた場合に第2修正データを生成するが、第2修正データを生成する条件は、これに限らない。例えば、位置情報が出力されてから次にボタン6aの操作に応じた操作信号が操作部40から出力されるまでの間に手動修正が行われた場合に第2修正データを生成するようにしてもよい。
【0063】
<C−3.変形例3>
また例えば、各実施形態を変形し、各地域の形状を、経線と緯線との一方又は両方に沿わない任意の形状としてもよい。但し、各実施形態のように、経線と緯線との両方に沿った形状とすれば、2点の座標のみで領域を特定でき、かつ、取得した位置情報との比較も容易に行える利点がある。また、各実施形態では、各地域を2点の座標で特定したが、例えば、地域の左上隅など決められた1点の座標と、その地域のサイズ(例えば対角線の長さ)との2つの情報で特定してもよい。
【0064】
<C−4.変形例4>
各実施形態では、内部時刻そのものを表示時刻としたが、表示時刻は内部時刻に基づく時刻であればよく、内部時刻と異なる時刻を表示時刻としてもよい。例えば、UTC又は特定の地方時(例えばTYO)を内部時刻とし、内部時刻とタイムゾーン情報(又はフラッシュROM33内の時差情報)とに基づいて表示時刻を求めるようにしてもよい。この場合、表示時刻の修正は、内部時刻の修正を意味しない。
【0065】
<C−5.変形例5>
また例えば、各実施形態を変形し、図7又は図10のステップS22において、取得した位置情報が第2修正データに含まれる時差情報に対応する地域に属するか否かではなく、取得した位置情報と第2修正データに含まれる位置情報との距離が所定距離以下であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、第2修正データは、北西端位置情報および南東端位置情報に代えて、一つの位置(経度,緯度)を示す位置情報を含むことになる。
つまり、電子機器100及び200を包含する本発明の態様を第1の態様としたとき、本発明の第2の態様として、内部時刻を計時する計時部と、前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、前記時差情報を前記位置情報と対応づけて記憶する第2記憶部と、前記受信部から位置情報と衛星時刻情報とが出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部とを備える、ことを特徴とする電子機器を抽出することができる。
【0066】
<C−6.他の変形例>
また例えば、各実施形態を変形し、EEPROM32に要求される記憶容量を低減するために、複数の第1修正データを一括して圧縮し、これによって生成された一つの圧縮データをEEPROM32に記憶させるようにしてもよい。この場合、一つの第1修正データを書き換える場合にも一つの圧縮データ(複数の第1修正データ)を書き換えなければならないが、第1実施形態のように第2修正データをフラッシュROM33に記憶させる形態では、第1修正データを書き換える必要がないからCPU20の負荷は増大しないし、第2実施形態のように第2修正データをフラッシュROM33に書き込んでから信頼性の高い第2修正データのみを選択して第1修正データとしてEEPROM32に書き込む形態では、第1修正データを書き換える回数が少なく抑制されるから、CPU20の負荷の増大は抑制される。
【0067】
また例えば、各実施形態を変形し、本発明を適用する電子機器として、指針を備えないデジタル時計を採用してもよい。もちろん、腕時計に限定されるものではなく、例えば、懐中時計であってもよい。さらに、電子時計に限定されるものではなく、時計機能に加えて他の機能も備える各種の電子機器であってもよい。そのような電子機器としては、GPS機能および時計機能を備える携帯電話機やナビゲーション機器を例示可能である。
【0068】
また、本発明に係る電子機器が利用する位置情報衛星は、GPS衛星に限定されない。例えば、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの衛星時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星でもよい。
【符号の説明】
【0069】
3…指針、4…ディスプレイ、5…GPS衛星、6a,6b…ボタン、7…リューズ、10…GPS装置、20…CPU、32…EEPROM、33…フラッシュROM、40…操作部、50…表示部、100,200…電子機器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部時刻を計時する計時部と、
前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、
衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、
前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、
前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、
利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、
前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、
前記位置情報が属する前記地域と前記時差情報とを対応づけて記憶する第2記憶部と、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する地域に属する位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、
前記第1記憶部は、サマータイムの期間を指定するサマータイム情報を前記地域ごとに記憶し、
前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、
前記制御部は、
利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報が属する前記地域に対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
内部時刻を計時する計時部と、
前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、
衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、
前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、
前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、
利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、
前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、
前記時差情報を前記位置情報と対応づけて記憶する第2記憶部と、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する前記位置情報との距離が前記所定距離以下の位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換える、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、
前記第1記憶部は、地域ごとにサマータイムの期間を指定するサマータイム情報とを記憶し、
前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、
前記制御部は、利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報と対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は、前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2修正部は、前記位置情報が出力されてから所定時間が経過する前に前記操作信号に基づいて前記表示時刻が修正された場合に、前記時差情報を生成することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1記憶部は、前記タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項1】
内部時刻を計時する計時部と、
前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、
衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、
前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、
前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、
利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、
前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、
前記位置情報が属する前記地域と前記時差情報とを対応づけて記憶する第2記憶部と、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する地域に属する位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、
前記第1記憶部は、サマータイムの期間を指定するサマータイム情報を前記地域ごとに記憶し、
前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、
前記制御部は、
利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報が属する前記地域に対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報が前記第2記憶部に記憶された前記時差情報に対応する地域に属するか否かを判定する処理と、当該地域に属する場合は前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、当該地域に属しない場合は前記第1記憶部を参照して前記位置情報が属する地域に対応した前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
内部時刻を計時する計時部と、
前記内部時刻に基づく表示時刻を表示する表示部と、
衛星から送信される衛星信号を受信して、受信結果に基づいて位置情報と基準時刻に応じた衛星時刻情報とを出力する受信部と、
前記表示時刻を前記衛星時刻情報と修正情報とに基づいて修正する第1修正部と、
前記基準時刻との時差を示すタイムゾーン情報を地域ごとに予め記憶する第1記憶部と、
利用者の操作に応じた操作信号を出力する操作部と、
前記操作信号に基づいて前記表示時刻を修正するとともに、前記基準時刻と修正された前記表示時刻との時差を示す時差情報を生成する第2修正部と、
前記時差情報を前記位置情報と対応づけて記憶する第2記憶部と、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は前記時差情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記時差情報が生成されてからの、前記時差情報に対応する前記位置情報との距離が前記所定距離以下の位置情報が前記受信部から出力されて前記第1修正部に修正された前記表示時刻が前記第2修正部に修正されなかった回数を計数し、前記回数が所定数に達すると、前記第1記憶部の前記タイムゾーン情報を前記時差情報に書き換える、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示部は、サマータイムに該当するか否かを表示し、
前記第1記憶部は、地域ごとにサマータイムの期間を指定するサマータイム情報とを記憶し、
前記第2修正部は、前記操作信号に基づいて前記表示部に表示されるサマータイムに該当するか否かの表示を修正するとともに、修正した日時を示す修正サマータイム情報を生成し、
前記制御部は、利用者が前記操作部を操作して、前記表示部に表示された前記サマータイムに該当するか否かを修正した場合には、前記修正サマータイム情報を前記位置情報と対応づけて前記第2記憶部に記憶させる処理を実行し、
前記受信部から位置情報が出力されると、当該位置情報と前記第2記憶部に記憶された位置情報との距離を算出する処理と、当該距離が所定距離以下であるか否かを判定する処理と、前記所定距離以下である場合は、前記時差情報に前記修正サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理と、前記所定距離を超える場合は前記タイムゾーン情報に前記サマータイム情報を反映させた情報を前記修正情報として前記第1修正部に供給する処理とを実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2修正部は、前記位置情報が出力されてから所定時間が経過する前に前記操作信号に基づいて前記表示時刻が修正された場合に、前記時差情報を生成することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1記憶部は、前記タイムゾーン情報を緯度と経度で分割された地域ごとに記憶することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−237314(P2011−237314A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109973(P2010−109973)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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