説明

電子機器

【課題】薄型機器の装着を正確かつ迅速に行うことができる電子機器を提供することにある。
【解決手段】筐体1が有するスロット10に薄型機器2が脱着可能に設けられた電子機器Sであって、筐体1は、スロット10の開口縁部1dに形成された一対のピン孔13を有し、薄型機器2は、スロット10内に挿入された機器本体23と、この機器本体23に対して固定され、スロットの外部に露出した露出部24aと、この露出部24aに設けられ、機器本体23の挿入方向に延在すると共に一対のピン孔13にそれぞれ挿入された一対のアライメントピン25とを有し、一対のアライメントピン25は、少なくとも前記薄型機器2がスロット10から離脱した状態において、前記挿入方向の寸法が機器本体23よりも長く形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体が有するスロットに薄型機器が脱着可能に設けられた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような電子機器としては、筐体に複数のスロットが複数連続して設けられ、各スロットにブレード型のサーバ装置を脱着可能に搭載したブレード型サーバが知られている。
また、ブレード型サーバのハードウエア規格としては、通信事業者向けのATCA(Advanced Telecommunications Carriers Association)規格がある。
【0003】
下記特許文献1のブレード型サーバでは、各スロットが、筐体内の上下においてそれぞれ薄型機器の挿入方向に延びると共に相互に対向する一対のガイドレールを備えており、この一対のガイドレールに薄型サーバ装置の基板上部及び基板下部を合わせて、薄型機器をスロットに挿入する方式が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−504757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、ATCA規格のリアトランザクションモジュール(以下、「RTM」という。)の基板は、基板上部の奥行き寸法(挿入方向の寸法)が、基板下部の奥行き寸法に比べて長くなっている。このため、基板を一対のガイドレールに合わせる際に、奥行き寸法が長くなった基板上部を基板下部に先んじてガイドレールに合わせることとなるが、基板上部を合わせた後に、基板下部をガイドレールに合わせようとすると、基板上部が支点となって基板下部が円弧運動してしまい、基板下部をガイドレールに合わせることが困難になるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、薄型機器の装着を正確かつ迅速に行うことができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る電子機器は、筐体が有するスロットに薄型機器が脱着可能に設けられた電子機器であって、前記筐体は、前記スロットの開口縁部に形成された一対のピン孔を有し、前記薄型機器は、前記スロット内に挿入された機器本体と、この機器本体に対して固定され、前記スロットの外部に露出した露出部と、この露出部に設けられ、前記機器本体の挿入方向に延在すると共に前記一対のピン孔にそれぞれ挿入された一対のアライメントピンとを有し、前記一対のアライメントピンは、少なくとも前記薄型機器が前記スロットから離脱した状態において、前記挿入方向の寸法が前記機器本体よりも長く形成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、一対のアライメントピンが、機器本体に対して固定された露出部に設けられているので、機器本体に対して一対のアライメントピンの相対的な位置が定まっている。
また、一対のアライメントピンが、薄型機器がスロットから離脱した状態で、挿入方向において機器本体よりも長く形成されているので、機器本体がスロット内に挿入される前に、一対のアライメントピンが一対のピン孔に挿入される。
これらにより、一対のアライメントピンが一対のピン孔に挿入されると、薄型機器がスロットに対して挿入可能な適切な姿勢となって、機器本体をスロット内に導くことができる。従って、薄型機器の装着を正確かつ迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電子機器によれば、薄型機器の装着を正確かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るブレード型サーバSの全体構成を示す概略斜視図であって、背面側から視た図である。
【図2】本発明の実施形態に係るブレード型サーバSの全体構成を示す概略断面図であって、図1におけるI−I線断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るRTM2の概略構成を示す右側面図であって、図2におけるII矢視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るブレード型サーバSの要部拡大断面図であって、伸長状態のアライメントピン25を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るブレード型サーバSの要部拡大断面図であって、短縮状態のアライメントピン25を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るアライメントピン25の要部拡大断面図であって、係合機構30を示す図である。
【図7】従来のブレード型サーバ(S)の概略構成を示す右側面図である。なお、図7において、図1〜図6における構成要素に対応するものに括弧表記した符号を付している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るブレード型サーバ(電子機器)Sの全体構成を示す概略斜視図であり、図2は、図1におけるI−I線断面図である。なお、図1においては、後述するアライメントピン25が伸長状態となっており、図2においては、短縮状態となっている。
【0012】
図2に示すように、ブレード型サーバSは、筐体1と、ブレード状(刃状)に形成されたRTM(薄型機器)2及びフロントボード3(図1において不図示)とを備えている。
【0013】
筐体1は、冷却装置及び外部インターフェイスを備える他、DC電源を備えており、外部のDC電源から給電されるようになっている(いずれも不図示)。
この筐体1は、図2に示すように、奥行き方向に連通した内部空間1sを有しており、正面に正面側開口部1pが、背面に背面側開口部1qが開口している。
この筐体1の内部空間1Sは、図1及び図2に示すように、床部1bから天井部1aに向けて延出した区画壁1kによって、正面側収容室1Aと背面側収容室1Bとに区画されている。これら正面側収容室1Aと背面側収容室1Bとは、区画壁1kの上端が天井部1aと離間して間隙Gを形成しているために、間隙Gを介して互いの上部が連通している。
【0014】
正面側収容室1Aは、図2に示すように、複数のフロントボード3を収容するものであり、複数のスロット5が幅方向に連続して形成されている(図1参照)。
各スロット5は、図2に示すように、天井部1aと床部1bとに形成された一対のガイドレール6と、区画壁1kの正面側収容室1Aに設けられた筐体側コネクタ1eとを備えている。
【0015】
フロントボード3は、図2に示すように、一対のガイドレール6に沿って挿入されたものであり、筐体側コネクタ1eと電気的に接続された電源コネクタ3aと、RTM2と接続されたフロントボード側コネクタ3bとを備えている。
このフロントボード3は、スロット5に収容された状態において電源コネクタ3a及び筐体側コネクタ1eを介して、筐体1から電源が供給されるようになっている。この状態においては、図2に示すように、フロントボード側コネクタ3bが間隙Gに位置するようになっている。
【0016】
背面側収容室1Bには、複数のRTM2を収容するものであり、幅方向において各スロット5と同様の位置にスロット10が形成されている。
【0017】
各スロット10は、一対のガイドレール11を備えている。
各スロット10は、上部の奥行き寸法が長くなっており、下部の奥行き寸法が短くなっている。
【0018】
一対のガイドレール11は、同一鉛直線上に位置する天井部1aのガイドレール11と床部1bのガイドレール11とによって構成されている。
【0019】
この筐体1は、各スロット10に、一対のピン孔13を備えている。
一対のピン孔13は、背面側開口部1qの開口縁部1dの上下において、ガイドレール11の厚さ方向に機器本体23から寸法Dだけずれた位置に形成されており、上下に形成されたピン孔13が同一鉛直線上に位置するように形成されている。
【0020】
図3は、RTM2の概略構成を示す右側面図である。
図3に示すように、RTM2は、基板21とRTM側コネクタ22とからなる機器本体23と、板金24と、アライメントピン25とを備えている。
【0021】
基板21は、基板上部(長寸部)21aの奥行き寸法が基板下部(短寸部)21bの奥行き寸法に比べて長くなっている。
【0022】
RTM側コネクタ22は、機器本体23がスロット10に挿入されてRTM2が筐体1に装着されると、フロントボード側コネクタ3bと接続されるようになっている。すなわち、このRTM側コネクタ22に、フロントボード側コネクタ3bからRTM2を駆動するための電源が供給される。
【0023】
板金24は、被覆プレート(不図示)とフェイスプレート(露出部)24aとからなる。
被覆プレートは、基板21に対して厚さ方向に重ねられ、基板21及び基板21に搭載された電子部品を被覆して保護する。
フェイスプレート24aは、基板21の固定、筐体1脱着のためのハンドルを持っている(不図示)。このフェイスプレート24aは、矩形状に形成されており、短手方向の中央の位置に被覆部の縁部を突き合わせた状態で、被覆部とT字状に接合されており、基板21に対して固定されている。換言すれば、基板21に対する相対位置が不変となっている。
【0024】
図3に示すように、アライメントピン25は、フェイスプレート24aのうち、機器本体23が位置する側の面から法線方向に突出するように固定されている。このアライメントピン25は、機器本体23を挟んだ部位において、基板21の厚さ方向に機器本体23から寸法Dだけずれた位置にそれぞれ固定されている。この一対のアライメントピン25は、一方から他方を結んだ仮想直線が、機器本体23に対して平行となるように配置されている。
【0025】
図4及び図5は、ブレード型サーバSの要部拡大断面図であって、図4は、伸長状態のアライメントピン25を示しており、図5は、短縮状態のアライメントピン25を示している。
図4及び図5に示すように、アライメントピン25は、二段に構成されており、収容筒26と、内柱27と、保持部28とを有している。
【0026】
図4に示すように、収容筒26は、筒状に形成されて中が空洞になっており、内柱27を収納可能な内径と、ピン孔13に挿入可能な外径とを有している。この収容筒26は、基端側に外表面から外方に向けて張り出したフランジ部26aを有しており、収容筒26が完全に筐体1に入りきらない構造となっている
内柱27は、中実のものであり、基端27aがフェイスプレート24aに固定されている。
【0027】
図4及び図5に示すように、保持部28は、収容筒26の内面に貼付されており、内柱27と収容筒26との間において内柱27に摩擦力を作用させ、収容筒26と内柱27との相対位置を保持するようになっている。
【0028】
このように構成されたアライメントピン25は、図5に示すように、内柱27が収容筒26に収容されることで縮くされ、図4に示すように、内柱27が収容筒26から引き出されることで伸びるようになっている。
このアライメントピン25は、伸長状態で、奥行き寸法が基板上部21aよりも長くなるように形成されている。
このような構成のアライメントピン25は、収容筒26と内柱27との離脱を阻止する係合機構30を有している。
【0029】
図6は、アライメントピン25の要部拡大断面図であって、係合機構30を示す図である。
図6に示すように、係合機構30は、内方突起部26bと、外方突起部27bとからなる。
【0030】
内方突起部26bは、収容筒26の内表面のうち基端側の内周全部から、内方に向けて突出している。
外方突起部27bは、内柱27の外表面のうち先端側の外周全部から、外方に向けて突出している。
【0031】
このような構成により、係合機構30は、内柱27の先端側が収容筒26の基端側に移動した際に、内方突起部26bと、外方突起部27bとが係合して、内柱27と収容筒26との分離を阻止する。
【0032】
次に、上記の構成からなるアライメントピン25の動作について説明する。
まず、梱包開封時等、短縮状態の場合は(図5参照)、アライメントピン25の長手方向において収容筒26と内柱27とに反対方向の力を作用させて、伸ばす。この際、保持部28により、収容筒26と内柱27との相対位置が任意のものに保持される(図4参照)。なお、アライメントピン25の長手方向において収容筒26と内柱27とに反対方向の力を作用させ過ぎたとしても、係合機構30が収容筒26から内柱27が離脱することを阻止する。
【0033】
次に、上下のアライメントピン25を筐体1の一対のピン孔13に合わせ、アライメントピン25に従い機器本体23をスロット10に挿入する。このようにすることで、機器本体23の基板上部21aと基板下部21bとが、筐体1内の上下に設けられた一対のガイドレール11に入る。
【0034】
次に、ガイドレール11に従い機器本体23を挿入していくと、図4に示すように、収容筒26のフランジ部26aが開口縁部1dに当たり、収容筒26が開口縁部1dに係止される。続いて、更にRTM2を押し込むことで、収容筒26に内柱27が収納されていくと共に、機器本体23がスロット10に挿入される。機器本体23がスロット10に完全に挿入されて、RTM2が筐体1に完全に装着されると、フロントボード3のフロントボード側コネクタ3bに電気的に接続されると共に、図5に示すように、保持部28によって、内柱27と収容筒26との相対位置が保持される。
【0035】
以上説明したように、ブレード型サーバSによれば、一対のアライメントピン25が、機器本体23に対して固定されたフェイスプレート24aに設けられているので、機器本体23に対して一対のアライメントピン25の相対的な位置が定まっている。
また、一対のアライメントピン25が、RTM2がスロット10から離脱した状態で、奥行き方向(挿入方向)において機器本体23よりも長く形成されているので、機器本体23がスロット10内に挿入される前に、一対のアライメントピン25が一対のピン孔13に挿入される。
これらにより、一対のアライメントピン25が一対のピン孔13に挿入されると、RTM2がスロット10に対して挿入可能な適切な姿勢となって、機器本体23をスロット10内に導くことができる。従って、RTM2の装着を正確かつ迅速に行うことができる。
【0036】
すなわち、アライメントピン25は、機器本体23をスロット10へ挿入する際に位置決めを行い、RTM2を筐体1へ装着する補助を行う。具体的には、伸縮可能なアライメントピン25を伸長状態にし、それを筐体1のピン孔13に合わせることで位置決めを行い、RTM2を筐体1に挿入する。このようにすることで、上下で奥行き方向への長さが違う基板21を持つRTM2の場合でも、上下のアライメントピン25の二点で挿入位置を決めることができる。
【0037】
図7は、従来のRTM(2)及びアライメントピン(25)を示す右側面図である。なお、図7において、図1〜図6における構成要素に対応するものに括弧表記した符号を付している。
【0038】
図7に示すように、従来のRTM(2)においては、基板(21)を一対のガイドレール(10)に合わせる際に、奥行き寸法が長くなった基板上部(21a)を基板下部(21b)に先んじてガイドレール(11)に合わせることとなるが、基板上部(21a)を併せた後に、基板下部(21b)をガイドレール(11)に合わせようとすると、基板上部(21a)が支点となって基板下部(21b)が基板厚さ方向及び奥行き方向に円弧運動してしまい、基板下部(21b)をガイドレール(11)に合わせることが困難になるという問題があった。
特に、隣接する他のスロット(10)にRTM(2)が搭載されていない場合には、位置決めの目安が無いために、基板(21)をガイドレール(11)に合わせることが更に困難になるという問題があった。
これに起因して、RTM(2)がガイドレール(11)を外れて筐体(1)に挿入され、RTM(2)または筐体(1)を破壊してしまう可能性があるという問題があった。
【0039】
さらに、ブレード型サーバの多くは、筐体(1)全体で搭載されたRTM(2)の冷却を行う為、筐体(1)に空きスロット(10)が存在するとそこから吸気してしまう。すなわち、筐体(1)に空きスロット(10)が存在すると、この空きスロット(10)から吸気してしまうため、全体のエアフローが崩れてしまう。このため、システム稼動中にRTM(2)を交換する場合に、RTM(2)の筐体(1)への装着に時間を要すると、筐体(1)に搭載された他のRTM(2)への冷却に影響が出てしまう。
【0040】
しかしながら、ブレード型サーバSによれば、機器本体23の挿入前にアライメントを行って、アライメントピン25でRTM2の位置決めを確実に行えるため、基板21のガイドレール11への確実な挿入が可能となり、筐体1やRTM2の破損を防止できる。
また、アライメントピン25でRTM2の位置決めを確実に行えるので、筐体1のガイドレール11へのスムーズな挿入が可能となり、運用中にRTM2を交換する場合に、他スロット10に挿入されているRTM2の冷却に悪影響が及ぶことを抑止することができる。
【0041】
また、アライメントピン25は、奥行き寸法(挿入方向の寸法)が伸縮可能に構成されているので、装置の納入時(梱包状態)や筐体1への挿入後など、機能が不要な時は小型化することができる。すなわち、アライメントピン25が伸縮する構造の為、RTM2の抜去時や納入時等不要なときは短い状態にできる。これにより、アライメントピン25の破損や、作業者の怪我の危険性、筐体1内の基板の短絡、筐体1内部の破損の危険性を軽減することができる。
【0042】
また、アライメントピン25は、大径に形成された収容筒26と、フェイスプレート24aに連結され、該収容筒26に収容可能な内柱27とを有するので、簡素な構成で伸縮させることができる。また、二段に構成することで、比較的に径を大きくすることができるので、十分な剛性を確保することができる。
【0043】
また、アライメントピン25は、収容筒26と内柱27との間に、収容筒26と内柱27との相対位置を保持する保持部28を有するので、取り扱いを容易にすることができ、ピン孔13に容易に挿入することができる。
【0044】
また、アライメントピン25は、係合機構30を備え、内方突起部26bと外方突起部27bとが係合して、収容筒26と内柱27との離脱が阻止されるので、取り扱いを容易にすることができ、また、部品の消失を防ぐことができる。
【0045】
また、収容筒26は、フランジ部26aを具備するので、例えば、ピン孔13の挿入方向延長線上に、筐体1の配線等が存在した場合に、これらにアライメントピン25が接触することを防ぐことができる。
【0046】
また、一対のピン孔13は、開口縁部1dのうち、スロット10を挟んだ位置に形成され、一対のアライメントピン25は、フェイスプレート24aのうち、機器本体23を挟んだ位置に形成されているので、位置決めを正確に行うことができ、ガイドレール11に基板21を正確に合わせることができる。
【0047】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、アライメントピン25をピン孔13に挿入する構成としたが、アライメントピン25とピン孔13とを嵌合させる構成にしてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、ATCA規格のブレード型サーバSについて本発明を適用したが、ATCA規格のものに限らず、他のブレード型サーバに使用可能である。また、ブレード型サーバに限らず、他の電子機器に用いることもできる。
【0049】
また、上述した実施の形態では、基板上部21aの奥行方向の寸法が長くされ、基板下部21bの奥行寸法が短くなった機器本体23に本発明を適用したが、基板下部21bの奥行方向の寸法が長くされ、基板上部の奥行寸法が短くなったものについても本発明を良好に適用することができる。なお、機器本体に奥行方向の寸法が異なる部分がないものについても、本発明を適用することができる。
【0050】
また、上述した実施の形態では、アライメントピン25を伸縮可能に構成したが、伸縮ができない構成にしてもよい。
【0051】
また、上述した実施の形態では、内方突起部26bが、収容筒26の内表面のうち基端側の内周全部から突出する構成としたが、内周の一部又は間欠的に設けてもよい。外方突起部27bも同様である。
【符号の説明】
【0052】
1…筐体
1d…開口縁部
2…RTM(薄型機器)
10…スロット
13…ピン孔
21…基板
21a…基板上部(長寸部)
21b…基板下部(短寸部)
23…機器本体
24a…フェイスプレート(露出部)
25…アライメントピン
26…収容筒
26a…フランジ部
26b…内方突起部
27…内柱
27b…外方突起部
28…保持部
30…係合機構
S…ブレード型サーバ(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体が有するスロットに薄型機器が脱着可能に設けられた電子機器であって、
前記筐体は、前記スロットの開口縁部に形成された一対のピン孔を有し、
前記薄型機器は、前記スロット内に挿入された機器本体と、この機器本体に対して固定され、前記スロットの外部に露出した露出部と、この露出部に設けられ、前記機器本体の挿入方向に延在すると共に前記一対のピン孔にそれぞれ挿入された一対のアライメントピンとを有し、
前記一対のアライメントピンは、少なくとも前記薄型機器が前記スロットから離脱した状態において、前記挿入方向の寸法が前記機器本体よりも長く形成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記アライメントピンは、前記挿入方向の寸法が伸縮可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記アライメントピンは、大径に形成された収容筒と、前記露出部に連結され、該収容筒に収容可能な内柱とを有することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記アライメントピンは、前記収容筒と前記内柱との間に、前記収容筒と前記内柱との相対位置を保持する保持部を有することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記アライメントピンは、前記収容筒の内表面から内方に向けて突出する内方突起部及び前記内柱の外表面から外方に向けて突出する外方突起部を備える係合機構を備え、
前記内方突起部と前記外方突起部とが係合して、前記収容筒と前記内柱との分離が阻止されることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記収容筒は、外表面のうち露出部側において、外方に向けて突出するフランジ部を具備することを特徴とする請求項3から5のうちいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記一対のピン孔は、前記開口縁部のうち、前記スロットを挟んだ位置に形成され、
前記一対のアライメントピンは、前記露出部のうち、前記機器本体を挟んだ位置に形成されていることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記機器本体は、前記挿入方向の寸法が長くなった長寸部と、短くなった短寸部とを有することを特徴とする請求項1から7のうちいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
請求項1から8のうちいずれか一項に記載の電子機器をブレードサーバに用いたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−71396(P2011−71396A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222269(P2009−222269)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】