説明

電子機器

【課題】停止状態であっても電池の有無を判断することができる電子機器を提供する。
【解決手段】ターボボタン21が押下操作されターボスイッチ142がONの場合には(S9)、電源フラグの状態から作動可能状態か停止状態かを判断する(S12)。停止状態の場合には、黄色発光ダイオード176によってオレンジ色の点灯を行い(S13)、ステップS14へ移行する一方、作動可能状態の場合には、何もせずステップS14へ移行する。これにより、停止状態であっても、ターボスイッチ142の操作に応じてオレンジ点灯表示が行われるか否かに基づいて、電池の有無を判別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池で作動する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器は、屋外での使用や持ち運びを可能とするために電池で作動するように構成されている。
【0003】
このような電子機器には、作動可能状態と停止状態とを切り替える為の操作スイッチが設けられており、不要時での誤作動を防止できるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の電子機器にあっては、当該電子機器を停止状態とした際に表示等も消えてしまう。
【0005】
このため、この状態において、電池切れで表示が消えたのか、停止状態の為に表示が消えたのかを判断することができなかった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、停止状態であっても電池の有無を判断することができる電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の電子機器にあっては、電池で作動するとともに作動可能状態と停止状態とを切り替える操作スイッチを備えた電子機器において、前記操作スイッチで前記停止状態に切り替えた状態でスイッチ操作が行われた際に、前記停止状態を維持しつつ前記スイッチ操作に応じて表示を行う停止時表示手段を備えている。
【0008】
すなわち、操作スイッチで停止状態を形成した際には、動作が停止したり表示が消える。このため、この動作停止状態や非表示状態からは、停止状態に切り替えた為か、電池切れの為かを判断することができない。
【0009】
そこで、この状態においてスイッチ操作を行う。ここで、このスイッチ操作は、前記操作スイッチに限らず、他のスイッチでも良い。すると、電池切れの場合には、作動不能のため、表示が行われない。一方、前記停止状態の場合には、そのスイッチ操作に応じて表示が行われる。
【0010】
このため、スイッチ操作に応じて表示が行われるか否かによって電池切れであるか否かが判別される。
【0011】
このとき、この表示は、前記停止状態が維持された状態で行われる。このため、一旦作動可能状態に切り替えてから前記表示を行う場合と比較して、不用意な動作が防止される。
【0012】
また、請求項2の電子機器においては、前記操作スイッチが所定時間継続して操作された際に、前記作動可能状態と前記停止状態とを切り替える切り替え手段を備え、前記停止時表示手段は、前記操作スイッチが前記所定時間未満操作された際に前記表示を行う。
【0013】
すなわち、前記操作スイッチを所定時間継続して操作することで、前記作動可能状態と前記停止状態との切り替えが行われる。また、前記操作スイッチを前記所定時間未満操作することで、前記表示が行われる。
【0014】
このため、前記表示の確認と状態切替とは、前記操作スイッチで行われる。
【0015】
また、前記操作スイッチの操作による前記停止状態の確認後、スムーズに前記作動可能状態への切り替えが行われる。
【0016】
さらに、請求項3の電子機器では、前記作動可能状態では、所定動作を間欠的に繰り返す。
【0017】
すなわち、当該電子機器は、前記作動可能状態において、所定動作を間欠的に繰り返すように構成されており、間欠動作を不要とする際には、前記停止状態を形成する必要がある。
【0018】
このため、前記操作スイッチによる前記作動可能状態と前記停止状態との切り替えが、常時作動可能状態とされる携帯機器と比べて、比較的頻繁に行われる。
【0019】
加えて、請求項4の電子機器にあっては、前記所定動作の動作回数を記憶するとともに前記停止状態に切り替えた状態であっても前記動作回数を維持する。
【0020】
すなわち、前記所定動作が行われた動作回数が記憶され、この記憶された動作回数は、前記停止状態に切り替えた状態であっても保持される。
【0021】
また、請求項5の電子機器においては、前記所定動作は、薬剤の噴霧であり、前記動作回数が所定回数に達した際に前記薬剤の残量に関する情報を表示する残量表示手段を備えている。
【0022】
すなわち、薬剤の噴霧が間欠的に繰り返し行われる。
【0023】
そして、前記薬剤の噴霧回数が所定回数に達した際には、前記薬剤の残量に関する情報が表示される。
【0024】
このとき、前記所定回数は、前記停止状態に切り替えた状態であっても保持される。このため、前記停止状態と前記作動可能状態を繰り返しても、薬剤残量の指標となる前記噴霧回数が維持される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明の請求項1の電子機器にあっては、停止状態であってもスイッチ操作を行うことで、そのスイッチ操作に応じて表示が行われるか否かに基づいて、電池の有無を判別することができる。
【0026】
このため、動作が停止したり表示が消えている場合であっても、スイッチ操作を行うことで、前記停止状態に切り替えられている為か、電池切れの為かを判断することができ、一旦作動可能状態に切り替えなければ電池切れを確認することができない場合と比較して、利便性が向上する。
【0027】
このとき、この表示は、前記停止状態が維持された状態で行われる。このため、作動可能状態に切り替えてから前記表示を行う場合と比較して、不用意な動作を確実に防止することができる。
【0028】
また、請求項2の電子機器においては、前記操作スイッチを所定時間継続して操作することで、前記作動可能状態と前記停止状態との切り替えを行うことができる。また、前記操作スイッチを前記所定時間未満操作することで前記表示を行うことができる。
【0029】
このため、前記表示の確認と状態切替とを前記操作スイッチで行うことができ、表示確認を行うスイッチと状態切替を行うスイッチとを異なるスイッチで構成する場合と比較して、スイッチを共用化でき、低コスト化を図ることができる。
【0030】
また、このスイッチを前記操作スイッチで構成したので、該操作スイッチの操作による前記停止状態の確認後、スムーズに前記作動可能状態への切り替えを行うことができ、使い勝手が向上する。
【0031】
さらに、請求項3の電子機器では、前記作動可能状態において、所定動作を間欠的に繰り返すように構成されており、常時作動可能状態とされる携帯機器と比べて、前記操作スイッチによる前記作動可能状態と前記停止状態との切り替えが比較的頻繁に行われる。
【0032】
このため、前述した前記停止状態での電池の有無判断による効果が顕著となる。
【0033】
加えて、請求項4の電子機器にあっては、前記所定動作が行われた動作回数を記憶するとともに、この記憶した動作回数を、前記停止状態に切り替えた状態であっても保持することができる。
【0034】
このため、前記停止状態と前記作動可能状態との切り替えが繰り返された場合であっても、通算した動作回数を得ることができる。
【0035】
また、請求項5の電子機器においては、薬剤の噴霧を間欠的に行い、当該薬剤の噴霧回数が所定回数に達した際に、前記薬剤の残量に関する情報を表示することができる。
【0036】
このため、この表示によって薬剤の残量を示すことができるので、例えばスプレー缶から薬剤を噴霧する場合には、スプレー缶の交換を促すことができる。
【0037】
このとき、前記所定回数は、前記停止状態に切り替えた状態であっても保持することができる。このため、前記停止状態と前記作動可能状態を繰り返しても、薬剤残量の指標となる前記噴霧回数を維持することができ、交換時期を正確に表示することができる。これにより、薬剤切れによる薬剤効果の低下を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態の内部を示す説明図である。
【図3】同実施の形態の制御部を示す回路図である。
【図4】同実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の一の実施の形態を図に従って説明する。
【0040】
図1は、本実施の形態にかかる電子機器としての噴霧装置1を示す図であり、該噴霧装置1は、図2にも示すように、スプレー缶2(エアゾール)に収容された薬剤を自動的に間欠噴霧する装置である。
【0041】
ここで、前記スプレー缶2中には、薬剤の他に噴射剤として窒素等の圧縮ガスやLPGのような液化ガスが配合されており、この噴射剤によって前記薬剤を噴霧できるように構成されている。また、このスプレー缶2に収容された薬剤としては、芳香剤や消臭剤、防虫剤、殺虫剤、忌避剤などが挙げられ、本実施の形態では、ユスリカ用の忌避剤が充填された虫除け用のスプレー缶2を使用する場合を例に挙げて説明する。
【0042】
この噴霧装置1の装置本体を形成するケース11は、図1及び図2に示すように、縦長の長方形状に形成されており、上方の両角部が丸められている。このケース11は、前面を構成する前ケース12と、後面を構成する後ケース13とによって形成されており、両ケース12,13で構成された天部14には、噴霧用開口部15が開設されている。
【0043】
前記前ケース12の中央下部には、押ボタン式の操作ボタンとしてのターボボタン21が設けられており、該ターボボタン21は、前記薬剤の間欠噴霧動作を可能とした作動可能状態と停止状態との切り替えの他、複数の機能を選択できるように構成されている。
【0044】
前記後ケース13の下部は、切欠されており、この切欠部は、蓋体によって開閉可能に閉鎖できるように構成されている(図示省略)。また、この切欠部からは、図2に示したように、前記スプレー缶2や乾電池31,31を交換可能にセットできるように構成されている。
【0045】
前記電池収容部41の裏側には、図外の制御基板が設けられており、該制御基板には、前記電池収容部41の乾電池31,31からの電源が供給されて作動する電子回路が構成されている。この制御基板には、缶スイッチ51が設けられており、該缶スイッチ51は、そのボタン部52が側方へ突出するように構成されている。
【0046】
また、前記制御基板には、床スイッチ61が設けられており、そのボタン部62が当該ケース11の底面63より下方へ突出するように構成されている。これにより、当該噴霧装置1が載置面に載置された状態で、前記床スイッチ61のボタン部62が載置面に接して後退するように構成されており、当該床スイッチ61がオン作動するように構成されている。
【0047】
前記電池収容部41の上部には、駆動機構71が設けられており、該駆動機構71は、モータ72で駆動されるように構成されている。この駆動機構71の上部からは、図2中右方へ向けて突出したノズル操作部73が延出しており、該ノズル操作部73は、支点74を中心として、その自由端部が上下駆動されるように構成されている。
【0048】
前記電池収容部41の図2中右方には、スプレー缶収容部81が形成されており、前記缶スイッチ51のボタン部52が当該スプレー缶収容部81内に突出するように構成されている。このスプレー缶収容部81には、前記スプレー缶2が交換可能に収容されるように構成されており、スプレー缶2が収容された状態で、当該スプレー缶2が前記缶スイッチ51のボタン部52を後退させオン作動できるように構成されている。
【0049】
このスプレー缶2は、前記薬剤を収容した缶本体91と、該缶本体91より延出した円筒状のノズル92とによって構成されており、該ノズル92の先端部には、噴霧アダプタ93が設けられている。該噴霧アダプタ93の上部には、側方へ延出する円板状の鍔部94が一体形成されており、当該噴霧アダプタ93を前記ノズル操作部73にセットした状態で、前記鍔部94より先端側が前記ノズル操作部73を貫通するとともに、前記鍔部94が前記ノズル操作部73と係合するように構成されている。
【0050】
このスプレー缶2は、上方へ向けて延出したノズル92が後退方向へ押し下げられた際に、内部の薬剤を噴霧するように構成されており、当該スプレー缶2は、前記スプレー缶収容部81にセットした状態で、前記噴霧アダプタ93が前記ノズル操作部73と係合するとともに、ノズル先端が前記噴霧用開口部15の下部に位置するように構成されている。
【0051】
これにより、前記モータ72によって前記駆動機構71が動作し前記ノズル操作部73が前記スプレー缶2の前記ノズル92を押し下げた際には、当該ノズル92より噴霧された薬剤を前記噴霧用開口部15を介して外部へ噴霧できるように構成されている。
【0052】
前記スプレー缶2は、薬剤の噴霧を制御するバルブが定量バルブで構成されており、該定量バルブは、前記ノズル92の一回の押圧操作によって一定量の薬剤を噴霧するように構成されている。
【0053】
これにより、使用する乾電池31,31の出力電圧が低下して前記モータ72の回転速度が低下した場合であっても、該モータ72の回転速度と無関係に一定量の薬剤を噴霧することができるように構成されている。
【0054】
なお、本実施の形態では、前記定量バルブを内蔵したスプレー缶2を使用した場合に付いて説明するが、これに限定されるものではなく、ノズル92を押圧している間は薬剤を噴霧する通常のバルブを有したスプレー缶2を使用しても良い。
【0055】
図3は、前記制御基板に構成された電子回路101を示す図であり、当該電子回路101は、ROM及びRAMを内蔵したマイコン(マイクロコンピュータ)102を中心に構成されている。
【0056】
この電子回路101は、前記乾電池31,31からの電源を供給する為の電源回路111を備えており、該電源回路111は、整流ダイオード112,113、抵抗114,115、及び電解コンデンサ116で構成されている。前記乾電池31,31の正極からは、モータ用電源VMTが直接供給されるように構成されており、前記整流ダイオード112,113のカソード側からはIC用電源VDDが供給されるように構成されている。
【0057】
前記マイコン102のクロック端子121には、コンパレータ122、抵抗123〜126、コンデンサ127で構成された発振回路128からのクロック信号が入力されており、このクロック信号に従って動作するように構成されている。
【0058】
前記マイコン102の電圧検知入力端子131,132には、電圧検知用IC133,134の出力が接続されており、この電圧検知用IC133,134は、前記電源回路111からIC用電源VDDが2.3Vを超えているか否かを判断するとともに、その判断結果を前記マイコン102に出力するように構成されている。
【0059】
また、前記マイコン102のターボスイッチ入力ポート141には、ターボスイッチ142が接続されており、該ターボスイッチ142の他方の端子は、前記マイコン102の出力ポート143に接続されている。このターボスイッチ142のボタン部は、前記ターボボタン21に接続されており、当該ターボボタン21と連動するように構成されている。これにより、該ターボボタン21が押下操作されている間は、前記ターボスイッチ142がオン作動する一方、前記ターボボタン21の操作が解除された際には、前記ターボスイッチ142がオフ作動するように構成されている。
【0060】
前記マイコン102の缶スイッチ入力ポート151には、前記缶スイッチ51が接続されており、当該缶スイッチ51の作動状態を入力できるように構成されている。また、前記マイコン102の床スイッチ入力ポート152には、前記床スイッチ61が接続されており、当該床スイッチ61の作動状態を入力できるように構成されている。
【0061】
前記マイコン102の緑色出力端子171には、制限抵抗172を介して緑色発光ダイオード173が接続されており、前記マイコン102の黄色出力端子174には、制限抵抗175を介して黄色発光ダイオード176が接続されている。両発光ダイオード173,176は一体化されており、前記ターボボタン21の裏側に配置されている。
【0062】
前記マイコン102は、モータ駆動回路182に制御信号を出力することで、前記第一及び第二モータ接続端子191,192にハーネスを介して接続された前記モータ72を駆動できるように構成されている。
【0063】
図3は、そのモータ駆動回路182の一例を示すもので、前記モータ72を正逆転する場合には、以下のように構成する方法が挙げられる。
【0064】
前記マイコン102の第一モータ出力端子181は、モータ駆動回路182を構成する第一FET183のゲートに接続されており、第二モータ出力端子184は、前記モータ駆動回路182を構成する第二FET185のゲートに接続されている。また、前記マイコン102の第三モータ出力端子186は、前記モータ駆動回路182を構成する第三FET187のゲートに接続されており、第四モータ出力端子188は、前記モータ駆動回路182を構成する第四FET189のゲートに接続されている。
【0065】
前記第一FET183のドレインは、前記モータ用電源VMTに接続されており、当該第一FET183のソースは、第三FET187のドレインに接続されるとともに第一モータ接続端子191に接続されている。前記第二FET185のドレインは、前記モータ用電源VMTに接続されており、当該第二FET185のソースは、第四FET189のドレインに接続されるとともに第二モータ接続端子192に接続されている。
【0066】
前記第一FET183のゲートは、プルアップ抵抗201を介して前記モータ用電源VMTにプルアップされるとともにプルダウン抵抗202を介してグランドラインにプルダウンされており、ドレインソース間には抵抗203が設けられている。また、前記第二FET185のゲートも、プルアップ抵抗204を介して前記モータ用電源VMTにプルアップされるとともにプルダウン抵抗205を介してグランドラインにプルダウンされており、ドレインソース間には抵抗206が設けられている。
【0067】
前記第三FET187のゲートは、プルダウン抵抗211及びコンデンサ212を介してグランドラインにプルダウンされており、前記第四FET189のゲートも、プルアップ抵抗213及びコンデンサ214を介してグランドラインにプルダウンされている。
【0068】
そして、前記第一モータ接続端子191と前記第二モータ接続端子192間には、コンデンサ221が並列接続されており、両モータ接続端子191,192は、ハーネスを介して前記モータ72に接続されるように構成されている。
【0069】
これにより、前記マイコン102の前記各モータ出力端子181,184,186,188からの出力を制御して前記各FET183,185,187,189をオンオフできるように構成されており、各FET183,185,187,189のオンオフ状態に応じて前記モータ接続端子191,192に接続された前記モータ72を正転及び逆転できるように構成されている。
【0070】
以上の構成にかかる本実施の形態の動作を、図4及び図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0071】
すなわち、当該噴霧装置1の電池収容部41に乾電池31,31がセットされ、前記マイコン102が作動してROMに記憶されたプログラムに従って動作を開始すると、マイコン102は、RAMの内容等を初期設定するとともに、前記RAMに設定された電源フラグをONにして、前記薬剤の間欠噴霧動作を可能とした作動可能状態に設定した後(S1)、スプレー噴霧回数を「0」として初期値とする(S2)。
【0072】
そして、缶スイッチ51の状態を検出し(S3)、スプレー缶収容部81にスプレー缶2がセットされておらず、前記缶スイッチ51がOFFの場合には、前記電源フラグの状態から前記作動可能状態か停止状態かを判断する(S4)。
【0073】
このとき、前記電源フラグがOFFであり前記停止状態の場合には、何もせず前記ステップS2へ移行する一方、前記電源フラグがONであり前記作動可能状態の場合には、前記黄色発光ダイオード176によってオレンジ色の点滅を0.3秒毎で行うことでスプレー缶2が装着されていないことを報知して(S5)、前記ステップS2へ移行する。
【0074】
前記ステップS3において、前記スプレー缶2がセットされており、前記缶スイッチ51がONの場合、前記床スイッチ61の状態から当該噴霧装置1が載置面に載置されているか否かを判断し(S6)、載置状態に無い場合には、前記電源フラグの状態から前記作動可能状態か停止状態かを判断する(S7)。
【0075】
このとき、前記電源フラグがOFFであり前記停止状態の場合には、何もせず前記ステップS3へ移行する一方、前記電源フラグがONであり前記作動可能状態の場合には、前記黄色発光ダイオード176によってオレンジ色の点滅を0.6秒毎に行うことで載置状態にないことを報知して(S8)、前記ステップS3へ移行する。
【0076】
前記ステップS6において、前記床スイッチ61の状態から当該噴霧装置1が載置面に載置されていると判断した際には、前記ターボスイッチ142の状態から前記ターボボタン21がオン操作されているか否かを判断する(S9)。このとき、前記ターボボタン21が押下操作されておらず前記ターボスイッチ142がOFFの場合には、前記電源フラグの状態から前記作動可能状態か前記停止状態かを判断し(S10)、該停止状態の場合には、前記黄色発光ダイオード176を消灯して(S11)、前記ステップS3へ移行する一方、前記作動可能状態の場合には、ステップS17へ移行して通常の間欠噴霧動作を続ける。
【0077】
また、前記ステップS9において、前記ターボボタン21が押下操作されており前記ターボスイッチ142がONの場合には、前記電源フラグの状態から前記作動可能状態か前記停止状態かを判断する(S12)。このとき、停止状態の場合には、前記黄色発光ダイオード176によってオレンジ色の点灯を行い(S13)、ステップS14へ移行する一方、前記作動可能状態の場合には、何も行わずに前記ステップS14へ移行する。
【0078】
すなわち、前記ターボスイッチ142で前記停止状態が形成された状態では、後述するステップS16の処理によってステップS17以後の各処理、具体的には間欠噴霧処理等は行われない。このため、この動作停止状態や前記各発光ダイオード173,176の非表示状態からは、前記ステップS7及びステップS10で示したように停止状態に切り替えた為のものか、電池切れの為のものかを判断することができない。
【0079】
そこで、この状態において前記ターボボタン21を押下操作することで前記ターボスイッチ142をオン操作する。すると、電池切れの場合には、前記電子回路101自体が動作不能となるため、前記黄色発光ダイオード176によるオレンジ色の点灯が行われない。一方、前記停止状態の場合には、前記ステップS13において、そのスイッチ操作に応じて、前記黄色発光ダイオード176によりオレンジ点灯表示が行われる。
【0080】
なお、このスイッチ操作は、前記ターボスイッチ142の操作に限定されるものではない。例えば他のスイッチを備える場合には、そのスイッチ操作によるものであってもよい。
【0081】
このため、前記停止状態であっても、前記ターボスイッチ142の操作に応じて前記オレンジ点灯表示が行われるか否かに基づいて、電池の有無を判別することができる。
【0082】
したがって、動作が停止したり表示が消えている場合であっても、スイッチ操作を行うことで、前記停止状態に切り替えられている為か、電池切れの為かを判断することができ、一旦作動可能状態に切り替えなければ電池切れを確認することができない場合と比較して、利便性が向上する。
【0083】
このとき、このオレンジ点灯表示は、前記停止状態が維持された状態で行われる。このため、作動可能状態に切り替えてから前記オレンジ点灯表示を行う場合と比較して、不用意な間欠噴霧動作の実行を確実に防止することができる。
【0084】
そして、ステップS14にて前記ターボボタン21が2秒以上連続して押下操作されているか否かを判断し(S14)、前記ターボボタン21が2秒以上連続して押下操作されている場合には、作動可能状態と停止状態との切り替え操作であると判断し、前記電源フラグがONであり前記作動可能状態を示している場合には、当該電源フラグをOFFにして前記停止状態に切り替える一方、前記電源フラグがOFFであり前記停止状態を示している場合には、当該電源フラグをONにして前記作動可能状態に切り替える。このとき、前記電源フラグの状態に応じて前記緑色ダイオード173を点灯するものとする(S15)。
【0085】
このように、本実施の形態にあっては、前記ターボスイッチ142によって前記作動可能状態と前記停止状態とを切り替えを行うことができる。
【0086】
このとき、前記ターボスイッチ142を2秒以上継続してオン操作することで、前記作動可能状態と前記停止状態との切り替えを行うことができる一方、前記ターボスイッチ142を2秒未満操作した際には、前記オレンジ点灯表示を行うことができる(ステップS13参照)。
【0087】
このため、前記オレンジ点灯表示の確認と状態切替とを、前記ターボスイッチ142のみで行うことができるので、表示確認を行うスイッチと状態切替を行うスイッチとを異なるスイッチで構成した場合と比較して、前記ターボスイッチ142を共用化でき、低コスト化を図ることができる。
【0088】
このとき、前記ターボスイッチ142で構成したので、前記ターボボタン21の操作に応じた前記オレンジ点灯表示による前記停止状態の確認後、前記作動可能状態への切り替え操作をスムーズに行うことができ、使い勝手が向上する。
【0089】
一方、前記ステップS14において、前記ターボボタン21が2秒以上連続して押下操作されていなかった場合には(S14)、前記電源フラグのON・OFF状態を判断し(S16)、前記電源フラグがOFFであり前記停止状態を示している場合には、前記ステップS3へ分岐する。
【0090】
これにより、前記ターボスイッチ142で前記停止状態が形成された状態では、以降のステップで実行される各処理、具体的には間欠噴霧処理等が行われないように構成されている。
【0091】
また、前記ステップS16にて、前記電源フラグがONであり前記作動可能状態を示している場合には、前記RAMに設定された緑LED点灯用カウンターから所定時間毎に点灯する前記緑色発光ダイオード173の点灯タイミングであるか否かを判断する(S17)。
【0092】
このとき、前記緑色発光ダイオード173を点灯するタイミングでない場合には、前記緑LED点灯用カウンターをインクリメントした後(S18)、前記ターボスイッチ142の状態から前記ターボボタン21がオン操作されているか否かを判断する(S19)。前記ターボボタン21がオン操作されていないと判断した際には、前記ステップS3へ分岐する一方、前記ターボボタン21がオン操作されていると判断した際には、ステップS22へ移行して薬剤の強制噴霧処理を行う。
【0093】
前記ステップS17において、前記緑LED点灯用カウンターから前記緑色発光ダイオード173を点灯するタイミングであると判断した際には、前記緑色発光ダイオード173をグラディエーション点灯するとともに、前記緑LED点灯用カウンターを0リセットし、前記RAMに設定された噴霧タイミング用カウンターをインクリメントした後(S20)、該噴霧タイミング用カウンターから噴霧タイミングか否かを判断する(S21)。
【0094】
この噴霧タイミングか否かの判断は、所定時間毎にグラディエーション点灯される前記緑色発光ダイオード173の点灯回数が所定回数に達したことに基づいて行うものであり、この転倒回数が前記所定回数に達した際には、前回噴霧を行ってから30分が経過しているものとする。
【0095】
このとき、噴霧タイミングでないと判断した際には、前記ステップS19へ分岐する一方、噴霧タイミングであると判断した際には、前記黄色発光ダイオード176によってオレンジ点滅を5回行って噴霧警告を行った後、前記駆動機構71の前記モータ72を回転して前記ノズル操作部73で前記スプレー缶2の前記ノズル92を押し下げ、当該ノズル92より薬剤を噴霧するとともに、前記噴霧タイミング用カウンターをリセットする(S22)。
【0096】
このように、当該噴霧装置1は、前記作動可能状態において、薬剤の噴霧動作を間欠的に繰り返すように構成されており、間欠動作を不要とする際には、前記停止状態を形成する必要がある。
【0097】
このため、前記ターボボタン21による前記作動可能状態と前記停止状態との切り替えが、常時作動可能状態とされる携帯機器と比べて、比較的頻繁に行われるので、前述した前記停止状態での電池の有無判断による効果が顕著となる。
【0098】
このとき、前記電圧検知入力端子131,132の状態から前記IC用電源VDDが2.3Vを超えているか否かを判断し(S23)、前記IC用電源VDDが2.3V以下の場合には、2.3V以下と判断された回数を示す前記RAMの電圧降下カウンターをインクリメントするとともに電圧降下カウンターが「15」に達したか否かを判断し(S24)、「15」に達していた場合には、電解コンデンサの放電を開始するとともに(S25)、電池寿命と判断して動作を停止する(S26)。
【0099】
また、前記IC用電源VDDが2.3Vを超えているか(S23)、又は2.3V以下の判断が15回に達していない場合には(S24)、前記RAMに設定されたスプレー回数カウンターをインクリメントして(S27)、このスプレー回数カウンターの値が「1400」であるか否かを判断する(S28)。
【0100】
このとき、前記スプレー回数カウンターの値が「1400」未満であり、薬剤の噴霧回数が1400回未満の場合には、前記ステップS3へ移行して次に噴霧に備える一方、前記スプレー回数カウンターの値が「1400」に達しており、薬剤の噴霧回数が1400回に達していた場合には、前記ステップS29へ移行してスプレー缶2の交換に備える。
【0101】
このとき、前記薬剤の噴霧動作を行った噴霧回数は、RAMに設定されたスプレー回数カウンターに記憶されており、この記憶された噴霧回数は、前記停止状態に切り替えた状態であっても、スプレー缶2が交換され前記ステップS2が実行されない限り前記RAMに保持される。
【0102】
このため、前記停止状態と前記作動可能状態との切り替えが繰り返された場合であっても、通算した動作回数を得ることができる。
【0103】
前記ステップS29では、前記黄色発光ダイオード176によるオレンジ点灯と、前記緑色発光ダイオード173による緑点灯とを交互に繰り返すことによって、スプレー缶2の残量が無くなった旨を報知する。
【0104】
すなわち、当該噴霧装置1は、薬剤の噴霧を間欠的に繰り返し行うように構成されており、薬剤の噴霧回数が1400回に達した際に、前記薬剤の残量が無くなったことが、オレンジ点灯と緑点灯とを交互点灯により報知される。
【0105】
このため、この表示によって薬剤の残量が無くなったことを示すことができるので、スプレー缶2の交換を促すことができる。
【0106】
このとき、前記噴霧回数は、前記停止状態に切り替えた状態であっても保持される。このため、前記停止状態と前記作動可能状態を繰り返しても、薬剤残量の指標となる前記噴霧回数を維持することができ、交換時期を正確に表示することができる。
【0107】
これにより、薬剤切れによる薬剤効果の低下を確実に防止することができる。
【0108】
そして、缶スイッチ51の状態を検出し(S30)、前記スプレー缶収容部81にスプレー缶2がセットされておらず、前記缶スイッチ51がOFFの場合には、スプレー缶2が外されたので、前記ステップS5へ分岐して、作動可能状態であってスプレー缶2が非装着状態である旨を示してから(S5)、前記スプレー回数カウンターを「0」に初期化する(S2)一方、前記スプレー缶収容部81にスプレー缶2がセットされており、前記缶スイッチ51がONの場合には、前記ターボボタン21が2秒以上連続して押下操作されているか否かを判断する(S31)。
【0109】
このとき、前記ターボボタン21の2秒以上の長押しが検出されない場合には、前記ステップS29へ分岐する一方、前記ターボボタン21が2秒以上連続して押下操作されている場合には、作動可能状態と停止状態との切り替え操作であると判断し、現在ONにセットされている前記電源フラグをOFFにして前記停止状態に切り替えるとともに、当該停止状態に切り替えた旨を前記緑色ダイオード173の点灯によって報知した後(S32)、缶スイッチ51の状態を検出してスプレー缶2がセットされているか否かを判断する(S33)。
【0110】
このステップS33において、前記スプレー缶収容部81にスプレー缶2がセットされておらず、前記缶スイッチ51がOFFの場合には、スプレー缶2が外されたので、前記ステップS2へ分岐して前記スプレー回数カウンターを「0」に初期化した後(S2)、復帰動作待機状態を形成する。また、前記スプレー缶収容部81にスプレー缶2がセットされており、前記缶スイッチ51がONの場合には、前記ターボボタン21が押下操作されているか否かを判断する(S34)。
【0111】
このスプレー缶交換待ちの状態においても、前記ターボボタン21が押下操作された際には、前記黄色発光ダイオード176によるオレンジ点灯を行う一方(S35)、前記ターボボタン21が押下操作されていない場合には、前記黄色発光ダイオード176を消灯して(S36)、ステップS37へ移行する。
【0112】
これにより、スプレー缶交換待ちの状態であっても、前記ターボスイッチ142の操作に応じて前記オレンジ点灯表示が行われるか否かに基づいて、電池の有無を判別することができる。
【0113】
また、前記ステップS37では、前記ターボボタン21が2秒以上連続して押下操作されているか否かを判断し(S37)、前記ターボボタン21の2秒以上の長押しが検出されない場合には、前記ステップS33へ分岐する一方、前記ターボボタン21が2秒以上連続して押下操作されている場合には、作動可能状態と停止状態との切り替え操作であると判断し、現在OFFに設定されている前記電源フラグをONにして前記作動可能状態に切り替えるとともに、当該作動可能状態に切り替えた旨を前記緑色ダイオード173の点灯によって報知した後(S38)、前記ステップS29へ戻ってスプレー缶2の交換待ちを行う。
【0114】
なお、本実施の形態では、電子機器として噴霧装置1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、他の電子機器に用いても前述した効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0115】
1 噴霧装置
31 乾電池
102 マイコン
142 ターボスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池で作動するとともに作動可能状態と停止状態とを切り替える操作スイッチを備えた電子機器において、
前記操作スイッチで前記停止状態に切り替えた状態でスイッチ操作が行われた際に、前記停止状態を維持しつつ前記スイッチ操作に応じて表示を行う停止時表示手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記操作スイッチが所定時間継続して操作された際に、前記作動可能状態と前記停止状態とを切り替える切り替え手段を備え、
前記停止時表示手段は、前記操作スイッチが前記所定時間未満操作された際に前記表示を行うことを特徴とした請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記作動可能状態では、所定動作を間欠的に繰り返すことを特徴とした請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項4】
前記所定動作の動作回数を記憶するとともに前記停止状態に切り替えた状態であっても前記動作回数を維持することを特徴とした請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記所定動作は、薬剤の噴霧であり、
前記動作回数が所定回数に達した際に前記薬剤の残量に関する情報を表示する残量表示手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−123511(P2012−123511A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272323(P2010−272323)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】