電子機器
【課題】操作ペンのがたつきを防止できるとともに、操作ペンの傷付きを回避できる電子機器を得ることにある。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、筐体を有している。前記筐体の内部にペンガイドが設けられている。前記ペンガイドは、手書き入力用の操作ペンが挿入されるものであって、複数の凸部を有している。前記凸部は、前記ペンガイドの内面から突出するとともに、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記操作ペンに摺動可能に接触する。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、筐体を有している。前記筐体の内部にペンガイドが設けられている。前記ペンガイドは、手書き入力用の操作ペンが挿入されるものであって、複数の凸部を有している。前記凸部は、前記ペンガイドの内面から突出するとともに、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記操作ペンに摺動可能に接触する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、手書き入力用の操作ペンが挿入されるペンガイドを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば手書き文字認識機能を有する電子機器は、筐体の内部にスタイラスペンを取り出し可能に収容するペン収容部を備えている。ペン収容部はトンネル状の空洞であって、筐体の内部でスタイラスペンの軸方向に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−223269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタイラスペンがペン収容部に収容された状態では、スタイラスペンとペン収容部の内面との間にクリアランスが存在する。このため、スタイラスペンを内蔵した電子機器を運搬した時に、スタイラスペンがペン収納部内でがたつくことがある。この結果、スタイラスペンとペン収容部とが互いに干渉し合い、電子機器から不快な音が出る。
【0005】
本発明の目的は、操作ペンのがたつきを防止できるとともに、操作ペンの傷付きを回避できる電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、電子機器は、筐体を有している。前記筐体の内部にペンガイドが設けられている。前記ペンガイドは、手書き入力用の操作ペンが挿入されるものであって、複数の凸部を有している。前記凸部は、前記ペンガイドの内面から突出するとともに、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記操作ペンに摺動可能に接触する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】手書き入力用のスタイラスペンを第1の筐体のペン挿入口に挿入した状態を示す斜視図。
【図3】第1の筐体のトップカバーにダミーユニットを固定した状態を示す平面図。
【図4】第1の筐体のトップカバーにダミーユニットを固定した状態を示す斜視図。
【図5】本体モジュールの断面図。
【図6】ダミーユニットの斜視図。
【図7】ペンガイドの斜視図。
【図8】図7の反対側から見たペンガイドの斜視図。
【図9】ペンガイドにスタイラスペンを挿入した状態を示す平面図。
【図10】図9のF10部を拡大して示す平面図。
【図11】ペンガイドがスタイラスペンと一緒に第1の位置にスライドされた状態を示す平面図。
【図12】ペンガイドがスタイラスペンと一緒に第2の位置にスライドされた状態を示す平面図。
【図13】第2の実施形態において、ペンガイドの第1および第2の凸部とスタイラスペンとの位置関係を示す平面図。
【図14】第3の実施形態に用いるペンガイドの斜視図。
【図15】ペンガイドに貼り付けられた防振材とスタイラスペンとの位置関係を示す断面図。
【図16】第4の実施形態に用いるペンガイドの斜視図。
【図17】ペンガイドに貼り付けられた防振材とスタイラスペンとの位置関係を示す断面図。
【図18】第5の実施形態に用いるペンガイドにスタイラスペンを挿入した状態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施形態]
以下第1の実施形態について図1ないし図12を参照して説明する。
【0009】
図1は、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ1を示している。ポータブルコンピュータ1は、本体モジュール2と表示モジュール3とを具備している。本体モジュール2は、第1の筐体4を備えている。第1の筐体4は、フラットな箱形であり、底壁5、上壁6および左右の側壁7(右側のみを図示)を有している。
【0010】
底壁5は、ポータブルコンピュータ1を例えば机の上に置いた時に、机の上面と向かい合う。底壁5は、第1の筐体4の上方に向けて円弧状に湾曲された前端部5aを有している。上壁6は、底壁5と向かい合っている。上壁6の前端縁は、底壁5の前端部5aの上縁に突き合わされている。側壁7は、底壁5の側縁と上壁6の側縁との間に跨るように底壁5から起立している。
【0011】
図2および図5に示すように、第1の筐体4は、ベース9およびトップカバー10を備えている。ベース9は、底壁5および側壁7を含んでいる。トップカバー10は、上壁6を含んでいる。第1の筐体4は、ベース9の上にトップカバー10を被せることで組み立てられている。
【0012】
図1、図2および図5に示すように、第1の筐体4の上壁6は、パームレスト12とキーボード取り付け部13とを備えている。パームレスト12は、上壁6の前半部において第1の筐体4の幅方向に延びている。キーボード取り付け部13は、パームレスト12よりも凹んだ四角い窪みで構成され、パームレスト12の背後に位置されている。
【0013】
キーボード14がキーボード取り付け部13に設置されている。キーボード14は、複数のキートップ15を有している。キートップ15の上面は、パームレスト12の上面と略同一の面上に位置されているとともに、第1の筐体4の上壁6の上に露出されている。
【0014】
図3ないし図5に示すように、パームレスト12は、第1の筐体4の内側に露出された内面12aを有している。ハニカム状のリブ16がパームレスト12の内面12aに一体に形成されている。リブ16は、パームレスト12を第1の筐体4の内側から補強するための要素であって、パームレスト12の内面12aから下向きに僅かに張り出している。リブ16は、パームレスト12の内面12aの上に複数の六角形状の領域17を規定している。領域17は、パームレスト12の内面12aの全域に亘るとともに、互いに隣り合っている。
【0015】
図1に示すように、表示モジュール3は、第2の筐体20と、第2の筐体20に収容された液晶表示装置21とを備えている。第2の筐体20は、第1の筐体4と略同じ大きさを有するフラットな箱形である。液晶表示装置21は、情報を入力する透明なタッチパネル22を有している。タッチパネル22は、液晶表示パネルの上に積層されているとともに、第2の筐体20の前面から第2の筐体20の外に露出されている。
【0016】
表示モジュール3は、第1の筐体4の後端部に支持されて閉じ位置と開き位置との間で回動可能となっている。閉じ位置では、表示モジュール3は、パームレスト12やキーボード14を覆うように第1の筐体4の上に横たわる。開き位置では、表示モジュール3は、パームレスト12、キーボード14およびタッチパネル22を露出させるように第1の筐体4の後端部から起立する。
【0017】
図1および図2に示すように、第1の筐体4は、例えばSDメモリカードを出し入れするためのカードスロット24を備えている。カードスロット24は、パームレスト12の右端部と側壁7の上部とで規定された角部に開口されている。
【0018】
図3ないし図5に示すように、リジッドなプリント回路板25がパームレスト12の内面12aの右端部にねじで固定されている。カードホルダ26がプリント回路板25の上に実装されている。カードホルダ26は、カードスロット24から挿入されたSDメモリカードを保持するとともに、SDメモリカードが電気的に接続される端子を有している。カードホルダ26は、プリント回路板25とパームレスト12の内面12aとの間の隙間に配置されて、カードスロット24と隣り合っている。
【0019】
フレキシブルプリント配線板27がプリント回路板25に接続されている。フレキシブルプリント配線板27は、プリント回路板25からパームレスト12の内面12aに沿うように引き出されて、第1の筐体14に収容されたマザーボードに電気的に接続されている。
【0020】
ところで、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1では、第1の筐体4の内部に光ディスク駆動装置を搭載したプレミアムなモデルと、光ディスク駆動装置を省いたベーシックなモデルとが用意されている。図1に示すポータブルコンピュータ1は、ベーシックなモデルである。ベーシックなモデルでは、第1の筐体4の内部の実装スペースに、光ディスク装置に代わって合成樹脂製のダミーユニット30が取り外し可能に収容されている。
【0021】
図3、図4および図6に示すように、ダミーユニット30は、フレーム構造体31とペンホルダ32とを備えている。フレーム構造体31は、光ディスク装置に対応する大きさを有している。フレーム構造体31は、第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dと、第1ないし第3の横桟34a,34b,34cと、を備えている。
【0022】
第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dは、第1の筐体4の奥行き方向に延びているとともに、第1の筐体4の幅方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。第1ないし第3の横桟34a,34b,34cは、第1の筐体4の幅方向に延びているとともに、第1の筐体4の奥行き方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。
【0023】
そのため、第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dおよび第1ないし第3の横桟34a,34b,34cは、互いに直交するように格子状に組み合わされている。
【0024】
第1の実施形態によると、第1の縦桟33a、第4の縦桟33d、第1の横桟34aおよび第3の横桟34cは、互いに協働して四角い外枠35を構成している。外枠35は、フレーム構造体31の外形を形作っている。
【0025】
フレーム構造体31は、第2の横桟34bと第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dとが交差する四つの交差部36を有している。交差部36は、第1の筐体4の幅方向に一列に並んでいる。
【0026】
フレーム構造体31の各交差部36は、補強板37で補強されている。補強板37は、第2の横桟34bの上縁と第1の縦桟33aの上縁、第2の横桟34bの上縁と第2の縦桟33bの上縁、第2の横桟34bの上縁と第3の縦桟33cの上縁および第2の横桟34bの上縁と第4の縦桟33dの上縁との間に跨っている。
【0027】
さらに、ボス部38が第1の横桟34aに一体に形成されている。ボス部38は、パームレスト12の内面12aと向かい合うように、第1の横桟34aの長手方向に沿う中間部から第2の横桟34bに向けて突出されている。
【0028】
図4ないし図6に示すように、フレーム構造体31は、複数の第1の突起40および複数の第2の突起41を有している。第1の突起40は、第1の横桟34a、第3の横桟34cおよび第1ないし第4の縦桟33a〜33dからパームレスト12の内面12aに向けて突出されている。第1の突起40は、第1および第3の横桟34a,34cの長手方向に間隔を存して並んでいるとともに、第1ないし第4の縦桟33a〜33dの長手方向に互いに離れている。
【0029】
第2の突起41は、第1の横桟34aおよび第3の横桟34cから第1の筐体4の底壁5の内面に向けて突出されている。第2の突起41は、第1の横桟34aおよび第3の横桟34cの長手方向に間隔を存して並んでいる。
【0030】
前記ダミーユニット30の前記ペンホルダ32は、合成樹脂製のスタイラスペン43を取り出し可能に保持するための要素である。スタイラスペン43は、タッチパネル22を押圧することで入力操作を実行する操作ペンの一例であって、挿入部材と言い換えることができる。
【0031】
図9および図10に示すように、スタイラスペン43は、ペン本体44、ペン先45および突起部46を備えている。ペン本体44は、真っ直ぐな棒状であり、第1の端部44aおよび第2の端部44bを有している。
【0032】
第1の端部44aは、その先端の方向に進むに従い径が減少するように先細り状に形成されている。ペン先45は、ペン本体44よりも径が小さいとともに、ペン本体44の第1の端部44aの先端から同軸状に突出されている。そのため、ペン本体44の第1の端部44aは、ペン先45から遠ざかるに従い径が増加している。第1の端部44aの径は、ペン先45から所定の距離L離れた箇所で略一定となっている。
【0033】
さらに、第1の端部44aの外周面に係合溝47が形成されている。係合溝47は、ペン本体44の周方向に連続するとともに、第1の端部44aのうち径が一定となった最初の部分に位置されている。言い換えると、係合溝47は、ペン本体44の軸方向に沿う中間部よりもペン先45の方向にずれた位置に設けられている。
【0034】
ペン本体44の第2の端部44bは、ペン先45の反対側に位置されている。第2の端部44bの径は、第1の端部44aの最大径と略同等である。
【0035】
突起部46は、ペン本体44の第2の端部44bに一体に形成されている。突起部46は、ペン本体44の軸方向に延びるように第2の端部44bの外周面からフィン状に突き出ている。
【0036】
図10に示すように、突起部46は、外周縁部46aを有している。外周縁部46aは、突起部46の前端と後端との間で第2の端部44bの外周面から遠ざかる方向に円弧状に湾曲されている。そのため、第2の端部44bに対する突起部46の高さHは、突起部46の前端と後端との間の中間部分で最大となっている。
【0037】
さらに、複数の窪み48が突起部46の外周縁部46aの中間部分に形成されている。窪み48は、オペレータが指先を引っ掛けるためのものであり、ペン本体44の軸方向に間隔を存して一列に並んでいる。
【0038】
図3ないし図6に示すように、前記ペンホルダ32は、前記フレーム構造体31と一体化されている。ペンホルダ32は、収容部としてのホルダ本体50、移動部としてのペンガイド51およびプッシュプッシュ式のキャッチャー機構52を備えている。
【0039】
ホルダ本体50は、フレーム構造体31の第1の横桟34aに一体に形成されている。ホルダ本体50は、第1の筐体4の幅方向に延びる細長い板状であり、フレーム構造体31の周囲に張り出している。
【0040】
ホルダ本体50は、補強壁53を有している。補強壁53は、ホルダ本体50の周縁から第1の筐体4の底壁5に向けて起立されているとともに、第1の横桟34aと協働してホルダ本体50を囲んでいる。補強壁53の上縁および下縁に複数の第3の突起54が形成されている。第3の突起54は、互いに間隔を存して並んでいる。
【0041】
ホルダ本体50は、延出部55を有している。延出部55は、フレーム構造体31の第1の縦桟33aよりもフレーム構造体31の周囲に張り出している。ボス部56が延出部55に一体に形成されている。ボス部56は、パームレスト12の内面12aと向かい合うように、延出部55から張り出している。
【0042】
さらに、図11および図12に示すような位置決め部57がホルダ本体50に一体に形成されている。位置決め部57は、延出部55の反対側に位置されているとともに、長孔状の係合孔58を有している。
【0043】
図3および図4に示すように、パームレスト12の内面12aから突出された凸部59が位置決め部57の係合孔58に嵌合されている。この嵌合により、パームレスト12に対するダミーユニット30の大まかな位置合わせがなされている。さらに、フレーム構造体31のボス部38およびペンポルダ32のボス部56は、夫々パームレスト12の内面12aにねじ60で固定されている。
【0044】
このため、図5に示すように、ダミーユニット30は、パームレスト12の右端部の内面12aから吊り下げられた状態で第1の筐体4の内部の実装スペースに収まっている。ダミーユニット30のフレーム構造体31は、第1の筐体4の底壁5とパームレスト12との間に介在されて、第1の筐体4を内側から補強している。
【0045】
詳しく述べると、フレーム構造体31の第1の突起40は、その先端がリブ16で囲まれた領域17に対応した位置でパームレスト12の内面12aに突き当たっているか、あるいは例えば1mm程度の僅かな隙間を存してパームレスト12の内面12aと向かい合っている。同様に、フレーム構造体31の第2の突起41は、第1の筐体4の底壁5の内面に突き当たっているか、あるいは例えば1mm程度の僅かな隙間を存して底壁5の内面と向かい合っている。
【0046】
このため、パームレスト12の右端部を上方から押圧するような外力が第1の筐体4に加わった場合、フレーム構造体31がパームレスト12を下から支えて、パームレスト12の変形を防止する。
【0047】
さらに、第1の実施形態では、カードホルダ26を有するプリント回路板25は、フレーム構造体31の第2の横桟34b、第1および第2の縦桟33a,33bとパームレスト12の内面12aとの間の隙間に収まっている。プリント回路板25に接続されたフレキシブルプリント配線板27は、フレーム構造体31とパームレスト12の内面12aとの間の隙間を通して配線されている。
【0048】
この際、図4および図5に示すように、フレーム構造体31の第1の突起40は、プリント回路板25の周囲でパームレスト12を下から支えている。したがって、パームレスト12の右端部を上方から押圧しても、パームレスト12が凹むように変形し難くなり、パームレスト12とカードホルダ26との干渉を回避できる。
【0049】
ダミーユニット30をパームレスト12の内面12aに固定した状態では、ペンホルダ32のホルダ本体50がパームレスト12の右端部の後部からキーボード取り付け部13の下方に至る領域に位置されている。ホルダ本体50は、第1の筐体4の右側の側壁7から第1の筐体4の幅方向に沿って延びている。
【0050】
ホルダ本体50の補強壁53は、キーボード取り付け部13と第1の筐体4の底壁5との間に介在されて、第1の筐体4を内側から補強している。
【0051】
すなわち、補強壁53の第3の突起54は、その先端がキーボード取り付け部13の内面および底壁5の内面に突き当たるか、あるいは例えば1mm程度の僅かな隙間を存してパームレスト12の内面12aおよび底壁5の内面と向かい合っている。
【0052】
このため、キーボード14を上方から押圧するような外力が第1の筐体4に加わった場合、ペンホルダ32の補強壁53がキーボード取り付け部13を下から支えて、第1の筐体4の変形を防止する。
【0053】
図4および図6に示すように、ホルダ本体50の延出部55は、端壁62を備えている。端壁62は、第1の筐体4の右側の側壁7に設けた開口部63に嵌め込まれている。言い換えると、端壁62は、開口部63から第1の筐体4の外に露出されて、第1の筐体4を形作る外観要素の一部となっている。
【0054】
スタイラスペン43を出し入れするペン挿入口64が端壁62に形成されている。ペン挿入口64は、第1の筐体4の内部の実装スペースに開口されている。
【0055】
図5および図6に示すように、ホルダ本体50は、円弧状に湾曲された窪み部65を有している。窪み部65は、スタイラスペン43のペン本体44を受け止めるためのものであり、ホルダ本体50の長手方向に一直線状に延びている。窪み部65の一端は、延出部55を経てペン挿入口64に連続している。
【0056】
複数の支持片66がホルダ本体50に一体に形成されている。支持片66は、ホルダ本体50から突出するとともに、その突出端に爪66aを有している。このような支持片66は、窪み部65を間に挟んで向かい合うとともに、ホルダ本体50の長手方向に間隔を存して並んでいる。
【0057】
前記ペンガイド51は、例えば合成樹脂材料により形成されている。図7ないし図9に示すように、ペンガイド51は、スタイラスペン43の軸方向に延びる本体70を備えている。本体70は、半円筒形であって、スタイラスペン43のペン本体44が入り込む凹部71と、凹部71に連続するスリット72とを備えている。スリット72は、ペン本体44の軸方向に延びるように本体70の外周面に開口されている。このため、ペンガイド51の本体70は、スリット72の幅が広がる方向に弾性変形が可能となっている。スリット72の幅は、ペン本体44の径方向と一致する。
【0058】
さらに、ペンガイド51の本体70は、スリット72を取り囲むスライドガイド面73と、スタイラスペン43のペン先45が入り込む挿通孔74と、挿通孔74の反対側に向けて開口されたペン挿入部75とを備えている。
【0059】
ペン挿入部75は、スタイラスペン43の突起部46が入り込む受け部77を有している。受け部77は、スタイラスペン43の突起部46の外周縁部46aに面する内面77aを有している。内面77aは、本体70の長手方向に延びているとともに、凹部71の内面のうちスライドガイド面73に連続する部分に面している。
【0060】
ペンガイド51は、本体70のスリット72をホルダ本体50の窪み部65に向けた姿勢で支持片66の間に嵌め込まれている。これにより、図4および図5に示すように、支持片66の爪66aが窪み部65の反対側からペンガイド51の本体70に摺動可能に引っ掛かっている。このため、ペンガイド51は、支持片66の爪66aとホルダ本体50の下面との間で摺動可能に挟み込まれているとともに、ペンガイド51のスライドガイド面73がホルダ本体50の下面と向かい合っている。
【0061】
この結果、ペンガイド51は、第1の筐体4の幅方向にスライドするように移動可能にホルダ本体50に保持されて、ペンガイド51の凹部71がホルダ本体50の窪み部65と向かい合っている。凹部71および窪み部65は、互いに協働してトンネル状のペン収容部78を規定している。ペン収容部78は、ペン挿入口64に連なっている。
【0062】
図7および図8に示すように、ペンガイド51は、係合片80およびアーム部81を備えている。係合片80は、ペンガイド51の長手方向に沿う中間部よりも挿通孔74の方向にずれた位置でペンガイド51の本体70に一体に形成されている。係合片80は、凹部71内に突出された係合突起82を有している。係合突起82は、第1の係合部の一例である。係合片80は、係合突起82が凹部71の外側に退く方向に弾性変形が可能である。
【0063】
アーム部81は、ペンガイド51の長手方向に沿う中間部から分岐されて、ペンガイド51の挿通孔74の方向にペンガイド51と平行に延びている。アーム部81の先端は、アーム部81よりも拡張された矢尻状の嵌合部83となっている。
【0064】
スタイラスペン43は、第1の筐体4のペン挿入口64からペンガイド51のペン挿入部75を通じてペン収容部78に挿入される。スタイラスペン43の挿入に伴い、ペン本体44の係合溝47がペンガイド51の係合突起82の位置に達すると、係合突起82が係合溝47に弾性的に引っ掛かる。
【0065】
これにより、ペン本体44の第1の端部44aがホルダ本体50の窪み部65の内面に押し付けられる。よって、ペン本体44とペンガイド51とが一体的に連結されて、ペンガイド51がスタイラスペン43と一緒に移動する。
【0066】
具体的に述べると、図9は、ペンガイド51の係合突起82がペン本体44の係合溝47に引っ掛かった時のペンガイド51とスタイラスペン43との関係を示している。図9に示すように、スタイラスペン43とペンガイド51とが一体的に連結されると、ペン先45がペンガイド51の挿通孔74に入り込むとともに、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペンガイド51のペン挿入部75から飛び出ている。
【0067】
第1の実施形態では、ペンガイド51は、スタイラスペン43と一緒に第1の位置と第2の位置との間で移動可能となっている。図11は、ペンガイド51が第1の位置に移動された状態を開示している。第1の位置では、ペンガイド51のペン挿入部75がペン挿入口64から遠ざかるとともに、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペン挿入部75とペン挿入口64との間に位置されている。
【0068】
そのため、スタイラスペン43は、第1の筐体4の内部に格納されているとともに、ペン本体44の第2の端部44bは、第1の筐体4の外に突出することなくペン挿入口64の開口端に収まっている。
【0069】
図12は、ペンガイド51が第2の位置に移動された状態を開示している。第2の位置では、ペンガイド51のペン挿入部75がホルダ本体50の端壁62の直前に位置されるとともに、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペン挿入口64から第1の筐体4の外に飛び出している。図2は、ペン本体44の第2の端部44bがペン挿入口64から第1の筐体4の外に飛び出た状態を示している。
【0070】
図9および図10に示すように、スタイラスペン43がペンガイド51に連結された状態では、ペン本体44の突起部46の前半部がペンガイド51の受け部77に入り込んでいる。第1の凸部85aが受け部77の内面77aに一体に形成されている。第2の凸部85bが受け部77と向かい合うペン挿入部75の内面に一体に形成されている。第1および第2の凸部85a,85bは、第2の係合部の一例である。第1および第2の凸部85a,85bは、円弧状に湾曲された先端を有するとともに、ペン本体44の軸方向に沿う中間部よりもペン先45の反対側にずれた位置でペン本体44の径方向に互いに向かい合っている。
【0071】
受け部77に位置された第1の凸部85aは、その先端が突起部46の外周縁部46aに摺動可能に接している。第1の実施形態によると、第1の凸部85aの先端は、図10に示すように突起部46の前端に近い最初の窪み48の直前で突起部46の外周縁部46aに接している。突起部46の最初の窪み48に対応する位置では、突起部46の高さHが最も大きくなっている。そのため、第1の凸部85aは、突起部46の高さHが最大となった位置で突起部46の外周縁部46aに接している。
【0072】
一方、ペン挿入部75の内面の第2の凸部85bは、ペン本体44の第2の端部44bの外周面に摺動可能に接している。そのため、第1および第2の凸部85a,85bは、ペン本体44がペン挿入部75からペンガイド51の外に飛び出る直前の位置でペン本体44および突起部46を挟み込んで保持している。
【0073】
前記キャッチャー機構52は、前記ペンガイド51を第1の位置にロックしたり、ペンガイド51のロックを解除するロック装置の一例である。キャッチャー機構52は、ケース87と、ケース87に支持された一対の挾持爪88a,88bとを備えている。
【0074】
ケース87は、ペンガイド51の移動方向に延びる細長い箱形であり、ペンガイド51と隣り合うようにホルダ本体50に固定されている。ペンガイド51のアーム部81は、ケース87の長手方向に沿う一端からケース87の内部に挿入されるようになっている。図12に示すように、ペンガイド51が第2の位置に移動された状態では、アーム部81がケース87の外に引き出されて、アーム部81の先端の嵌合部83がケース87の一端と向かい合っている。
【0075】
挾持爪88a,88bは、ペンガイド51が第2の位置に移動された時に、スプリング89で押されてケース87の一端からケース87の外に飛び出している。アーム部81の先端の嵌合部83は、挾持爪88a,88bの間に介在されている。
【0076】
ペンガイド51が第2の位置から第1の位置に向けて移動されると、ペンガイド51の嵌合部83によって挾持爪88a,88bがスプリング89に抗してケース87の内部に押し込まれる。
【0077】
この押し込みに伴い、挾持爪88a,88bが互いに近づく方向に回動されて嵌合部83を挟み込む。ペンガイド51が第1の位置に達すると、挾持爪88a,88bがケース87の内部に移動不能に保持される。よって、ペンガイド51が第1の位置にロックされる。
【0078】
このような構成のポータブルコンピュータ1において、スタイラスペン43がペンホルダ32のペン収容部78から第1の筐体4の外に取り出された状態では、ペンガイド51が図12に示す第2の位置に移動されている。
【0079】
スタイラスペン43をペン先45から軸方向に沿ってペン挿入口64に挿入すると、スタイラスペン43のペン本体44がペンガイド51のペン挿入部75を通じてペン収容部78に導かれる。
【0080】
スタイラスペン43の挿入に伴って、ペン先45がペンガイド51の挿通孔74に入り込むと、ペンガイド51の係合突起82がペン本体44の係合溝47に弾性的に引っ掛かる。これにより、スタイラスペン43の挿入動作に追従してペンガイド51が第2の位置から第1の位置に向けて移動を開始する。
【0081】
ペンガイド51が第2の位置から第1の位置に向けて移動されると、ペンガイド51のアーム部81がキャッチャー機構52のケース87内に押し込まれる。キャッチャー機構52の挾持爪88a,88bは、ペンガイド51が第1の位置に達した時点で、アーム部81の嵌合部83を挟み込んだ状態でケース87内に移動不能に保持される。
【0082】
この結果、スタイラスペン43が第1の筐体4の内部のペン収容部78に格納される。スタイラスペン43がペン収容部78に格納された状態では、ペン本体44の突起部46に連続する端面がペン挿入口64に露出されているに止まっている。したがって、ペン本体44を指先で摘んでペン収容部78から引き抜くことは不可能であり、スタイラスペン43の盗難を防止できる。
【0083】
一方、スタイラスペン43をペン収容部78から取り出すには、ペン挿入口64から露出されているペン本体44の端面を指先で押し込む。すると、ケース87に対する挾持爪88a,88bの保持が解除されて、挾持爪88a,88bがスプリング89によりケース87の一端に向けて押圧される。この押圧により、アーム部81がケース87の一端からケース87の外に押し出される。よって、ペンガイド51がアーム部81に追従して第1の位置から第2の位置に向けて移動される。
【0084】
さらに、挾持爪88a,88bがケース87の一端からケース87の外に飛び出して互いに遠ざかる方向に回動する。これにより、挾持爪88a,88bが嵌合部83から離脱し、ペンガイド51とキャッチャー機構52との連携が解除される。
【0085】
ペンガイド51が第2の位置に達すると、図2に示すように、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペン挿入口64から第1の筐体4の外に飛び出す。そのため、ペン本体44の第2の端部44bを指先で摘んで引っ張ることで、スタイラスペン43をペン収容部78から引き抜くことができる。
【0086】
このような構成によれば、スタイラスペン43がペン収容部78に挿入されて、スタイラスペン43の係合溝47にペンホルダ51の係合突起82が引っ掛かった状態では、ペン本体44の第1の端部44aの外周面がホルダ本体50の窪み部65の内面に押し付けられている。
【0087】
それとともに、ペン本体44の第2の端部44bがペン挿入部75からペンガイド51の外に飛び出る直前の位置で、ペン本体44の第2の端部44bおよび突起部46がペンガイド51の第1の凸部85aと第2の凸部85bとの間で挟み込まれている。
【0088】
このため、スタイラスペン43のペン本体44は、軸方向に離れた位置でペンガイド51に保持されている。したがって、ペン収容部78の内部でのスタイラスペン43のがたつきが抑えられ、例えばペン収容部78にスタイラスペン43が収容されたポータブルコンピュータ1を持ち運んだ場合でも、スタイラスペン43の振動に伴う不快な音の発生を防止できる。
【0089】
さらに、ペンガイド51の係合突起82は、ペン本体44の軸方向に沿う中間部よりもペン先45に近い位置でペン本体44の係合溝47に弾性的に引っ掛かっている。そのため、係合溝47よりもスタイラスペン43の挿入方向に沿う後方では、係合突起82がペン本体44の外周面に接することはない。
【0090】
加えて、ペン本体44の第1の端部44aにしても、係合溝47からペン先45の方向に進むに従い先細り状に形成されている。このため、スタイラスペン43をペン収容部78に挿入する過程で、係合突起82がペン本体44の第1の端部44aの外周面に接触し難くなる。
【0091】
一方、ペンガイド51の受け部77に設けられた第1の凸部85aは、ペン本体44から突出された突起部46の外周縁部46aに接するので、第1の凸部85aがペン本体44に接することはない。
【0092】
しかも、第1の凸部85aは、突起部46に設けられた最初の窪み48の直前で突起部46の外周縁部46aに接触し、第1の凸部85aが外周縁部46aに接する位置では、突起部46の高さHが突起部46の前端よりも高くなっている。このため、突起部46の前端が受け部77に入り込んだ時点では、第1の凸部85aと突起部46の外周縁部46aとの間に隙間が生じ、第1の凸部85aが外周縁部46aに接触し難くなる。
【0093】
この結果、第1の凸部85aが最初の窪み48の直前で突起部46の外周縁部46aに接触するまでは、ペン本体44が第1の凸部85aによって凹部71の内面に向けて押圧されることはない。それ故、凹部71の内面に位置された第2の凸部85bがペン本体44の第2の端部44bの外周面に押し付けられることもない。
【0094】
したがって、ペンガイド51の本体70に凹部71内に突出する係合突起82、第1の凸部85aおよび第2の凸部85bを設けたにも拘らず、ペン本体44の外周面に擦り傷がつき難くなる。
【0095】
第1の実施形態によると、ペンガイド51のペン挿入部75に正規のスタイラスペン43よりも太い他のスタイラスペンを挿入した場合、ペンガイド51の凹部71の内面がスタイラスペンの径方向外側に向けて押圧される。凹部71の内面がスタイラスペンで押圧されると、半円筒形の本体70がスリット72の幅が広がる方向に撓むように弾性変形し、スタイラスペンの径の増大分を吸収する。
【0096】
さらに、ペンガイド51をホルダ本体50に支持する複数の支持片66は、本体70の長手方向に間隔を存して並んでいる。この構成によれば、ペンガイド51の長手方向に沿う側縁を全長に亘って保持する場合との比較において、ペンガイド51の弾性変形が容易となる。よって、正規のスタイラスペン43よりも太い他のスタイラスペンでもペンガイド51で確実に保持することができる。
【0097】
[第2の実施形態]
図13は、第2の実施形態を開示している。
【0098】
第2の実施形態は、ペンガイド51の第1の凸部85aの位置が前記第1の実施形態と相違している。図13に示すように、第1の凸部85aは、第2の凸部85bよりもペンガイド51の長手方向に沿う中間部の方向にずれている。
【0099】
このため、第1の凸部85aは、第2の凸部85bよりも突起部46の前端に近い位置で突起部46の外周縁部46aに接触し、第2の凸部46bと協働してスタイラスペン43の第2の端部44bおよび突起部46を挟み込んで保持するようになっている。
【0100】
[第3の実施形態]
図14および図15は、第3の実施形態を開示している。
【0101】
第3の実施形態は、ペンガイド51のうちスタイラスペン43の第2の端部44bを保持する部分の構成が前記第1の実施形態と相違している。これ以外のペンガイド51の構成は第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0102】
図14に示すように、帯状の防振材100がペンガイド51のペン挿入部75の内面に貼り付けられている。防振材100は、第2の係合部の一例であって、例えばスタイラスペン43よりも柔軟な不織布で構成されている。防振材100は、半円筒形の本体70の周方向に連続しているとともに、ペン挿入部75の内面から凹部71の内側に張り出している。
【0103】
第3の実施形態では、スタイラスペン43がペン挿入部75に挿入されて、スタイラスペン43の係合溝47にペンガイド51の係合突起82が引っ掛かった時に、スタイラスペン43の第2の端部44bが防振材100の内側に入り込む。
【0104】
言い換えると、図15に示すように、柔軟な防振材100がスタイラスペン43の第2の端部44bとペンガイド51の本体70との間に介在されて、スタイラスペン43とペンガイド51との間の隙間を埋める。
【0105】
このため、ペンガイド51に対するスタイラスペン43のがたつきを抑えることができ、スタイラスペン43の振動に伴う不快な音の発生を防止できる。
【0106】
さらに、防振材100は、スタイラスペン43よりも柔軟な不織布で構成されている。したがって、スタイラスペン43をペン挿入部75に挿入する時に、スタイラスペン43と防振材100とが互いに擦れ合っても、スタイラスペン43の傷付きを防止することができる。
【0107】
[第4の実施形態]
図16および図17は、第4の実施形態を開示している。
【0108】
第4の実施形態では、不織布で構成された防振材100が第1の部分100a、第2の部分100bおよび第3の部分100cの三つに分割されている。第1ないし第3の部分100a,100b,100cは、個々にペン挿入部75の内面に貼り付けられているとともに、本体70の周方向に間隔を存して配列されている。このため、防振材100の第1の部分100aと第2の部分100bおよび第1の部分100aと第3の部分100cとの間に夫々隙間101a,101bが形成されている。
【0109】
このような構成によると、防振材100の第1の部分100aと第2の部分100bおよび第1の部分100aと第3の部分100cとの間に夫々隙間101a,101bが存在するので、隙間101a,101bの分だけスタイラスペン43と防振材100との接触面積が少なくなる。
【0110】
このため、スタイラスペン43のがたつきを抑制する防振材100を設けたにも拘らず、スタイラスペン43に加わる摺動抵抗を少なく抑えることができる。よって、スタイラスペン43をペン挿入部75に挿入したり、スタイラスペン43をペン挿入部75から引く抜く作業を容易に行うことができる。
【0111】
[第5の実施形態]
図18は、第5の実施形態を開示している。
【0112】
第5の実施形態は、前記第1の実施形態と前記第3の実施形態とを組み合わせたものである。第5の実施形態において、第1および第3の実施形態と同一の構成部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0113】
図18に示すように、ペンガイド51の第1の凸部85aおよび第2の凸部85bは、ペン本体44の第2の端部44bがペン挿入部75からペンガイド51の外に飛び出る直前の位置で、ペン本体44の第2の端部44bおよび突起部46を挟み込んで保持している。
【0114】
さらに、防振材100は、第1および第2の突起部85a,85bよりもペンガイド51の軸方向に沿う中間部の方向にずれた位置で、スタイラスペン43とペンガイド51との間の隙間を埋めている。
【0115】
このような構成によれば、スタイラスペン43の第2の端部44bは、その軸方向に離間した二箇所でペンガイド51に保持されている。このため、スタイラスペン43のがたつきを確実に抑えることができ、スタイラスペン43の振動に伴う不快な音の発生を防止できる。
【0116】
第1の実施形態において、手書き入力機能を有する液晶表示装置21は、表示モジュール3の第2の筐体20に収容することに限定されるものではない。例えば、表示モジュール3およびキーボード14を省略して、第1の筐体4に液晶表示装置21を収容するようにしてもよい。
【0117】
さらに、スタイラスペンの第1の端部を不織布のような防振材で保持し、スタイラスペンの第2の端部および突起部を第1の凸部と第2の凸部との間で保持するようにしてもよい。
【0118】
スタイラスペンのフィン状の突起部は、必須の構成ではない。例えば、スタイラスペンの第2の端部から突起部を省略し、スタイラスペンの第2の端部を第1の凸部と第2の凸部との間で直接挟み込むようにしてもよい。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
4…筐体(第1の筐体)、32…ペンホルダ、43…操作ペン(スタイラスペン、挿入部材)、50…収容部(ホルダ本体)51…ペンガイド(移動部)、82…第1の係合部(係合突起)、85a,85b,100…第2の係合部(第1の凸部、第2の凸部、防振材)。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、手書き入力用の操作ペンが挿入されるペンガイドを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば手書き文字認識機能を有する電子機器は、筐体の内部にスタイラスペンを取り出し可能に収容するペン収容部を備えている。ペン収容部はトンネル状の空洞であって、筐体の内部でスタイラスペンの軸方向に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−223269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタイラスペンがペン収容部に収容された状態では、スタイラスペンとペン収容部の内面との間にクリアランスが存在する。このため、スタイラスペンを内蔵した電子機器を運搬した時に、スタイラスペンがペン収納部内でがたつくことがある。この結果、スタイラスペンとペン収容部とが互いに干渉し合い、電子機器から不快な音が出る。
【0005】
本発明の目的は、操作ペンのがたつきを防止できるとともに、操作ペンの傷付きを回避できる電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、電子機器は、筐体を有している。前記筐体の内部にペンガイドが設けられている。前記ペンガイドは、手書き入力用の操作ペンが挿入されるものであって、複数の凸部を有している。前記凸部は、前記ペンガイドの内面から突出するとともに、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記操作ペンに摺動可能に接触する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】手書き入力用のスタイラスペンを第1の筐体のペン挿入口に挿入した状態を示す斜視図。
【図3】第1の筐体のトップカバーにダミーユニットを固定した状態を示す平面図。
【図4】第1の筐体のトップカバーにダミーユニットを固定した状態を示す斜視図。
【図5】本体モジュールの断面図。
【図6】ダミーユニットの斜視図。
【図7】ペンガイドの斜視図。
【図8】図7の反対側から見たペンガイドの斜視図。
【図9】ペンガイドにスタイラスペンを挿入した状態を示す平面図。
【図10】図9のF10部を拡大して示す平面図。
【図11】ペンガイドがスタイラスペンと一緒に第1の位置にスライドされた状態を示す平面図。
【図12】ペンガイドがスタイラスペンと一緒に第2の位置にスライドされた状態を示す平面図。
【図13】第2の実施形態において、ペンガイドの第1および第2の凸部とスタイラスペンとの位置関係を示す平面図。
【図14】第3の実施形態に用いるペンガイドの斜視図。
【図15】ペンガイドに貼り付けられた防振材とスタイラスペンとの位置関係を示す断面図。
【図16】第4の実施形態に用いるペンガイドの斜視図。
【図17】ペンガイドに貼り付けられた防振材とスタイラスペンとの位置関係を示す断面図。
【図18】第5の実施形態に用いるペンガイドにスタイラスペンを挿入した状態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施形態]
以下第1の実施形態について図1ないし図12を参照して説明する。
【0009】
図1は、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ1を示している。ポータブルコンピュータ1は、本体モジュール2と表示モジュール3とを具備している。本体モジュール2は、第1の筐体4を備えている。第1の筐体4は、フラットな箱形であり、底壁5、上壁6および左右の側壁7(右側のみを図示)を有している。
【0010】
底壁5は、ポータブルコンピュータ1を例えば机の上に置いた時に、机の上面と向かい合う。底壁5は、第1の筐体4の上方に向けて円弧状に湾曲された前端部5aを有している。上壁6は、底壁5と向かい合っている。上壁6の前端縁は、底壁5の前端部5aの上縁に突き合わされている。側壁7は、底壁5の側縁と上壁6の側縁との間に跨るように底壁5から起立している。
【0011】
図2および図5に示すように、第1の筐体4は、ベース9およびトップカバー10を備えている。ベース9は、底壁5および側壁7を含んでいる。トップカバー10は、上壁6を含んでいる。第1の筐体4は、ベース9の上にトップカバー10を被せることで組み立てられている。
【0012】
図1、図2および図5に示すように、第1の筐体4の上壁6は、パームレスト12とキーボード取り付け部13とを備えている。パームレスト12は、上壁6の前半部において第1の筐体4の幅方向に延びている。キーボード取り付け部13は、パームレスト12よりも凹んだ四角い窪みで構成され、パームレスト12の背後に位置されている。
【0013】
キーボード14がキーボード取り付け部13に設置されている。キーボード14は、複数のキートップ15を有している。キートップ15の上面は、パームレスト12の上面と略同一の面上に位置されているとともに、第1の筐体4の上壁6の上に露出されている。
【0014】
図3ないし図5に示すように、パームレスト12は、第1の筐体4の内側に露出された内面12aを有している。ハニカム状のリブ16がパームレスト12の内面12aに一体に形成されている。リブ16は、パームレスト12を第1の筐体4の内側から補強するための要素であって、パームレスト12の内面12aから下向きに僅かに張り出している。リブ16は、パームレスト12の内面12aの上に複数の六角形状の領域17を規定している。領域17は、パームレスト12の内面12aの全域に亘るとともに、互いに隣り合っている。
【0015】
図1に示すように、表示モジュール3は、第2の筐体20と、第2の筐体20に収容された液晶表示装置21とを備えている。第2の筐体20は、第1の筐体4と略同じ大きさを有するフラットな箱形である。液晶表示装置21は、情報を入力する透明なタッチパネル22を有している。タッチパネル22は、液晶表示パネルの上に積層されているとともに、第2の筐体20の前面から第2の筐体20の外に露出されている。
【0016】
表示モジュール3は、第1の筐体4の後端部に支持されて閉じ位置と開き位置との間で回動可能となっている。閉じ位置では、表示モジュール3は、パームレスト12やキーボード14を覆うように第1の筐体4の上に横たわる。開き位置では、表示モジュール3は、パームレスト12、キーボード14およびタッチパネル22を露出させるように第1の筐体4の後端部から起立する。
【0017】
図1および図2に示すように、第1の筐体4は、例えばSDメモリカードを出し入れするためのカードスロット24を備えている。カードスロット24は、パームレスト12の右端部と側壁7の上部とで規定された角部に開口されている。
【0018】
図3ないし図5に示すように、リジッドなプリント回路板25がパームレスト12の内面12aの右端部にねじで固定されている。カードホルダ26がプリント回路板25の上に実装されている。カードホルダ26は、カードスロット24から挿入されたSDメモリカードを保持するとともに、SDメモリカードが電気的に接続される端子を有している。カードホルダ26は、プリント回路板25とパームレスト12の内面12aとの間の隙間に配置されて、カードスロット24と隣り合っている。
【0019】
フレキシブルプリント配線板27がプリント回路板25に接続されている。フレキシブルプリント配線板27は、プリント回路板25からパームレスト12の内面12aに沿うように引き出されて、第1の筐体14に収容されたマザーボードに電気的に接続されている。
【0020】
ところで、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1では、第1の筐体4の内部に光ディスク駆動装置を搭載したプレミアムなモデルと、光ディスク駆動装置を省いたベーシックなモデルとが用意されている。図1に示すポータブルコンピュータ1は、ベーシックなモデルである。ベーシックなモデルでは、第1の筐体4の内部の実装スペースに、光ディスク装置に代わって合成樹脂製のダミーユニット30が取り外し可能に収容されている。
【0021】
図3、図4および図6に示すように、ダミーユニット30は、フレーム構造体31とペンホルダ32とを備えている。フレーム構造体31は、光ディスク装置に対応する大きさを有している。フレーム構造体31は、第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dと、第1ないし第3の横桟34a,34b,34cと、を備えている。
【0022】
第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dは、第1の筐体4の奥行き方向に延びているとともに、第1の筐体4の幅方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。第1ないし第3の横桟34a,34b,34cは、第1の筐体4の幅方向に延びているとともに、第1の筐体4の奥行き方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。
【0023】
そのため、第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dおよび第1ないし第3の横桟34a,34b,34cは、互いに直交するように格子状に組み合わされている。
【0024】
第1の実施形態によると、第1の縦桟33a、第4の縦桟33d、第1の横桟34aおよび第3の横桟34cは、互いに協働して四角い外枠35を構成している。外枠35は、フレーム構造体31の外形を形作っている。
【0025】
フレーム構造体31は、第2の横桟34bと第1ないし第4の縦桟33a,33b,33c,33dとが交差する四つの交差部36を有している。交差部36は、第1の筐体4の幅方向に一列に並んでいる。
【0026】
フレーム構造体31の各交差部36は、補強板37で補強されている。補強板37は、第2の横桟34bの上縁と第1の縦桟33aの上縁、第2の横桟34bの上縁と第2の縦桟33bの上縁、第2の横桟34bの上縁と第3の縦桟33cの上縁および第2の横桟34bの上縁と第4の縦桟33dの上縁との間に跨っている。
【0027】
さらに、ボス部38が第1の横桟34aに一体に形成されている。ボス部38は、パームレスト12の内面12aと向かい合うように、第1の横桟34aの長手方向に沿う中間部から第2の横桟34bに向けて突出されている。
【0028】
図4ないし図6に示すように、フレーム構造体31は、複数の第1の突起40および複数の第2の突起41を有している。第1の突起40は、第1の横桟34a、第3の横桟34cおよび第1ないし第4の縦桟33a〜33dからパームレスト12の内面12aに向けて突出されている。第1の突起40は、第1および第3の横桟34a,34cの長手方向に間隔を存して並んでいるとともに、第1ないし第4の縦桟33a〜33dの長手方向に互いに離れている。
【0029】
第2の突起41は、第1の横桟34aおよび第3の横桟34cから第1の筐体4の底壁5の内面に向けて突出されている。第2の突起41は、第1の横桟34aおよび第3の横桟34cの長手方向に間隔を存して並んでいる。
【0030】
前記ダミーユニット30の前記ペンホルダ32は、合成樹脂製のスタイラスペン43を取り出し可能に保持するための要素である。スタイラスペン43は、タッチパネル22を押圧することで入力操作を実行する操作ペンの一例であって、挿入部材と言い換えることができる。
【0031】
図9および図10に示すように、スタイラスペン43は、ペン本体44、ペン先45および突起部46を備えている。ペン本体44は、真っ直ぐな棒状であり、第1の端部44aおよび第2の端部44bを有している。
【0032】
第1の端部44aは、その先端の方向に進むに従い径が減少するように先細り状に形成されている。ペン先45は、ペン本体44よりも径が小さいとともに、ペン本体44の第1の端部44aの先端から同軸状に突出されている。そのため、ペン本体44の第1の端部44aは、ペン先45から遠ざかるに従い径が増加している。第1の端部44aの径は、ペン先45から所定の距離L離れた箇所で略一定となっている。
【0033】
さらに、第1の端部44aの外周面に係合溝47が形成されている。係合溝47は、ペン本体44の周方向に連続するとともに、第1の端部44aのうち径が一定となった最初の部分に位置されている。言い換えると、係合溝47は、ペン本体44の軸方向に沿う中間部よりもペン先45の方向にずれた位置に設けられている。
【0034】
ペン本体44の第2の端部44bは、ペン先45の反対側に位置されている。第2の端部44bの径は、第1の端部44aの最大径と略同等である。
【0035】
突起部46は、ペン本体44の第2の端部44bに一体に形成されている。突起部46は、ペン本体44の軸方向に延びるように第2の端部44bの外周面からフィン状に突き出ている。
【0036】
図10に示すように、突起部46は、外周縁部46aを有している。外周縁部46aは、突起部46の前端と後端との間で第2の端部44bの外周面から遠ざかる方向に円弧状に湾曲されている。そのため、第2の端部44bに対する突起部46の高さHは、突起部46の前端と後端との間の中間部分で最大となっている。
【0037】
さらに、複数の窪み48が突起部46の外周縁部46aの中間部分に形成されている。窪み48は、オペレータが指先を引っ掛けるためのものであり、ペン本体44の軸方向に間隔を存して一列に並んでいる。
【0038】
図3ないし図6に示すように、前記ペンホルダ32は、前記フレーム構造体31と一体化されている。ペンホルダ32は、収容部としてのホルダ本体50、移動部としてのペンガイド51およびプッシュプッシュ式のキャッチャー機構52を備えている。
【0039】
ホルダ本体50は、フレーム構造体31の第1の横桟34aに一体に形成されている。ホルダ本体50は、第1の筐体4の幅方向に延びる細長い板状であり、フレーム構造体31の周囲に張り出している。
【0040】
ホルダ本体50は、補強壁53を有している。補強壁53は、ホルダ本体50の周縁から第1の筐体4の底壁5に向けて起立されているとともに、第1の横桟34aと協働してホルダ本体50を囲んでいる。補強壁53の上縁および下縁に複数の第3の突起54が形成されている。第3の突起54は、互いに間隔を存して並んでいる。
【0041】
ホルダ本体50は、延出部55を有している。延出部55は、フレーム構造体31の第1の縦桟33aよりもフレーム構造体31の周囲に張り出している。ボス部56が延出部55に一体に形成されている。ボス部56は、パームレスト12の内面12aと向かい合うように、延出部55から張り出している。
【0042】
さらに、図11および図12に示すような位置決め部57がホルダ本体50に一体に形成されている。位置決め部57は、延出部55の反対側に位置されているとともに、長孔状の係合孔58を有している。
【0043】
図3および図4に示すように、パームレスト12の内面12aから突出された凸部59が位置決め部57の係合孔58に嵌合されている。この嵌合により、パームレスト12に対するダミーユニット30の大まかな位置合わせがなされている。さらに、フレーム構造体31のボス部38およびペンポルダ32のボス部56は、夫々パームレスト12の内面12aにねじ60で固定されている。
【0044】
このため、図5に示すように、ダミーユニット30は、パームレスト12の右端部の内面12aから吊り下げられた状態で第1の筐体4の内部の実装スペースに収まっている。ダミーユニット30のフレーム構造体31は、第1の筐体4の底壁5とパームレスト12との間に介在されて、第1の筐体4を内側から補強している。
【0045】
詳しく述べると、フレーム構造体31の第1の突起40は、その先端がリブ16で囲まれた領域17に対応した位置でパームレスト12の内面12aに突き当たっているか、あるいは例えば1mm程度の僅かな隙間を存してパームレスト12の内面12aと向かい合っている。同様に、フレーム構造体31の第2の突起41は、第1の筐体4の底壁5の内面に突き当たっているか、あるいは例えば1mm程度の僅かな隙間を存して底壁5の内面と向かい合っている。
【0046】
このため、パームレスト12の右端部を上方から押圧するような外力が第1の筐体4に加わった場合、フレーム構造体31がパームレスト12を下から支えて、パームレスト12の変形を防止する。
【0047】
さらに、第1の実施形態では、カードホルダ26を有するプリント回路板25は、フレーム構造体31の第2の横桟34b、第1および第2の縦桟33a,33bとパームレスト12の内面12aとの間の隙間に収まっている。プリント回路板25に接続されたフレキシブルプリント配線板27は、フレーム構造体31とパームレスト12の内面12aとの間の隙間を通して配線されている。
【0048】
この際、図4および図5に示すように、フレーム構造体31の第1の突起40は、プリント回路板25の周囲でパームレスト12を下から支えている。したがって、パームレスト12の右端部を上方から押圧しても、パームレスト12が凹むように変形し難くなり、パームレスト12とカードホルダ26との干渉を回避できる。
【0049】
ダミーユニット30をパームレスト12の内面12aに固定した状態では、ペンホルダ32のホルダ本体50がパームレスト12の右端部の後部からキーボード取り付け部13の下方に至る領域に位置されている。ホルダ本体50は、第1の筐体4の右側の側壁7から第1の筐体4の幅方向に沿って延びている。
【0050】
ホルダ本体50の補強壁53は、キーボード取り付け部13と第1の筐体4の底壁5との間に介在されて、第1の筐体4を内側から補強している。
【0051】
すなわち、補強壁53の第3の突起54は、その先端がキーボード取り付け部13の内面および底壁5の内面に突き当たるか、あるいは例えば1mm程度の僅かな隙間を存してパームレスト12の内面12aおよび底壁5の内面と向かい合っている。
【0052】
このため、キーボード14を上方から押圧するような外力が第1の筐体4に加わった場合、ペンホルダ32の補強壁53がキーボード取り付け部13を下から支えて、第1の筐体4の変形を防止する。
【0053】
図4および図6に示すように、ホルダ本体50の延出部55は、端壁62を備えている。端壁62は、第1の筐体4の右側の側壁7に設けた開口部63に嵌め込まれている。言い換えると、端壁62は、開口部63から第1の筐体4の外に露出されて、第1の筐体4を形作る外観要素の一部となっている。
【0054】
スタイラスペン43を出し入れするペン挿入口64が端壁62に形成されている。ペン挿入口64は、第1の筐体4の内部の実装スペースに開口されている。
【0055】
図5および図6に示すように、ホルダ本体50は、円弧状に湾曲された窪み部65を有している。窪み部65は、スタイラスペン43のペン本体44を受け止めるためのものであり、ホルダ本体50の長手方向に一直線状に延びている。窪み部65の一端は、延出部55を経てペン挿入口64に連続している。
【0056】
複数の支持片66がホルダ本体50に一体に形成されている。支持片66は、ホルダ本体50から突出するとともに、その突出端に爪66aを有している。このような支持片66は、窪み部65を間に挟んで向かい合うとともに、ホルダ本体50の長手方向に間隔を存して並んでいる。
【0057】
前記ペンガイド51は、例えば合成樹脂材料により形成されている。図7ないし図9に示すように、ペンガイド51は、スタイラスペン43の軸方向に延びる本体70を備えている。本体70は、半円筒形であって、スタイラスペン43のペン本体44が入り込む凹部71と、凹部71に連続するスリット72とを備えている。スリット72は、ペン本体44の軸方向に延びるように本体70の外周面に開口されている。このため、ペンガイド51の本体70は、スリット72の幅が広がる方向に弾性変形が可能となっている。スリット72の幅は、ペン本体44の径方向と一致する。
【0058】
さらに、ペンガイド51の本体70は、スリット72を取り囲むスライドガイド面73と、スタイラスペン43のペン先45が入り込む挿通孔74と、挿通孔74の反対側に向けて開口されたペン挿入部75とを備えている。
【0059】
ペン挿入部75は、スタイラスペン43の突起部46が入り込む受け部77を有している。受け部77は、スタイラスペン43の突起部46の外周縁部46aに面する内面77aを有している。内面77aは、本体70の長手方向に延びているとともに、凹部71の内面のうちスライドガイド面73に連続する部分に面している。
【0060】
ペンガイド51は、本体70のスリット72をホルダ本体50の窪み部65に向けた姿勢で支持片66の間に嵌め込まれている。これにより、図4および図5に示すように、支持片66の爪66aが窪み部65の反対側からペンガイド51の本体70に摺動可能に引っ掛かっている。このため、ペンガイド51は、支持片66の爪66aとホルダ本体50の下面との間で摺動可能に挟み込まれているとともに、ペンガイド51のスライドガイド面73がホルダ本体50の下面と向かい合っている。
【0061】
この結果、ペンガイド51は、第1の筐体4の幅方向にスライドするように移動可能にホルダ本体50に保持されて、ペンガイド51の凹部71がホルダ本体50の窪み部65と向かい合っている。凹部71および窪み部65は、互いに協働してトンネル状のペン収容部78を規定している。ペン収容部78は、ペン挿入口64に連なっている。
【0062】
図7および図8に示すように、ペンガイド51は、係合片80およびアーム部81を備えている。係合片80は、ペンガイド51の長手方向に沿う中間部よりも挿通孔74の方向にずれた位置でペンガイド51の本体70に一体に形成されている。係合片80は、凹部71内に突出された係合突起82を有している。係合突起82は、第1の係合部の一例である。係合片80は、係合突起82が凹部71の外側に退く方向に弾性変形が可能である。
【0063】
アーム部81は、ペンガイド51の長手方向に沿う中間部から分岐されて、ペンガイド51の挿通孔74の方向にペンガイド51と平行に延びている。アーム部81の先端は、アーム部81よりも拡張された矢尻状の嵌合部83となっている。
【0064】
スタイラスペン43は、第1の筐体4のペン挿入口64からペンガイド51のペン挿入部75を通じてペン収容部78に挿入される。スタイラスペン43の挿入に伴い、ペン本体44の係合溝47がペンガイド51の係合突起82の位置に達すると、係合突起82が係合溝47に弾性的に引っ掛かる。
【0065】
これにより、ペン本体44の第1の端部44aがホルダ本体50の窪み部65の内面に押し付けられる。よって、ペン本体44とペンガイド51とが一体的に連結されて、ペンガイド51がスタイラスペン43と一緒に移動する。
【0066】
具体的に述べると、図9は、ペンガイド51の係合突起82がペン本体44の係合溝47に引っ掛かった時のペンガイド51とスタイラスペン43との関係を示している。図9に示すように、スタイラスペン43とペンガイド51とが一体的に連結されると、ペン先45がペンガイド51の挿通孔74に入り込むとともに、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペンガイド51のペン挿入部75から飛び出ている。
【0067】
第1の実施形態では、ペンガイド51は、スタイラスペン43と一緒に第1の位置と第2の位置との間で移動可能となっている。図11は、ペンガイド51が第1の位置に移動された状態を開示している。第1の位置では、ペンガイド51のペン挿入部75がペン挿入口64から遠ざかるとともに、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペン挿入部75とペン挿入口64との間に位置されている。
【0068】
そのため、スタイラスペン43は、第1の筐体4の内部に格納されているとともに、ペン本体44の第2の端部44bは、第1の筐体4の外に突出することなくペン挿入口64の開口端に収まっている。
【0069】
図12は、ペンガイド51が第2の位置に移動された状態を開示している。第2の位置では、ペンガイド51のペン挿入部75がホルダ本体50の端壁62の直前に位置されるとともに、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペン挿入口64から第1の筐体4の外に飛び出している。図2は、ペン本体44の第2の端部44bがペン挿入口64から第1の筐体4の外に飛び出た状態を示している。
【0070】
図9および図10に示すように、スタイラスペン43がペンガイド51に連結された状態では、ペン本体44の突起部46の前半部がペンガイド51の受け部77に入り込んでいる。第1の凸部85aが受け部77の内面77aに一体に形成されている。第2の凸部85bが受け部77と向かい合うペン挿入部75の内面に一体に形成されている。第1および第2の凸部85a,85bは、第2の係合部の一例である。第1および第2の凸部85a,85bは、円弧状に湾曲された先端を有するとともに、ペン本体44の軸方向に沿う中間部よりもペン先45の反対側にずれた位置でペン本体44の径方向に互いに向かい合っている。
【0071】
受け部77に位置された第1の凸部85aは、その先端が突起部46の外周縁部46aに摺動可能に接している。第1の実施形態によると、第1の凸部85aの先端は、図10に示すように突起部46の前端に近い最初の窪み48の直前で突起部46の外周縁部46aに接している。突起部46の最初の窪み48に対応する位置では、突起部46の高さHが最も大きくなっている。そのため、第1の凸部85aは、突起部46の高さHが最大となった位置で突起部46の外周縁部46aに接している。
【0072】
一方、ペン挿入部75の内面の第2の凸部85bは、ペン本体44の第2の端部44bの外周面に摺動可能に接している。そのため、第1および第2の凸部85a,85bは、ペン本体44がペン挿入部75からペンガイド51の外に飛び出る直前の位置でペン本体44および突起部46を挟み込んで保持している。
【0073】
前記キャッチャー機構52は、前記ペンガイド51を第1の位置にロックしたり、ペンガイド51のロックを解除するロック装置の一例である。キャッチャー機構52は、ケース87と、ケース87に支持された一対の挾持爪88a,88bとを備えている。
【0074】
ケース87は、ペンガイド51の移動方向に延びる細長い箱形であり、ペンガイド51と隣り合うようにホルダ本体50に固定されている。ペンガイド51のアーム部81は、ケース87の長手方向に沿う一端からケース87の内部に挿入されるようになっている。図12に示すように、ペンガイド51が第2の位置に移動された状態では、アーム部81がケース87の外に引き出されて、アーム部81の先端の嵌合部83がケース87の一端と向かい合っている。
【0075】
挾持爪88a,88bは、ペンガイド51が第2の位置に移動された時に、スプリング89で押されてケース87の一端からケース87の外に飛び出している。アーム部81の先端の嵌合部83は、挾持爪88a,88bの間に介在されている。
【0076】
ペンガイド51が第2の位置から第1の位置に向けて移動されると、ペンガイド51の嵌合部83によって挾持爪88a,88bがスプリング89に抗してケース87の内部に押し込まれる。
【0077】
この押し込みに伴い、挾持爪88a,88bが互いに近づく方向に回動されて嵌合部83を挟み込む。ペンガイド51が第1の位置に達すると、挾持爪88a,88bがケース87の内部に移動不能に保持される。よって、ペンガイド51が第1の位置にロックされる。
【0078】
このような構成のポータブルコンピュータ1において、スタイラスペン43がペンホルダ32のペン収容部78から第1の筐体4の外に取り出された状態では、ペンガイド51が図12に示す第2の位置に移動されている。
【0079】
スタイラスペン43をペン先45から軸方向に沿ってペン挿入口64に挿入すると、スタイラスペン43のペン本体44がペンガイド51のペン挿入部75を通じてペン収容部78に導かれる。
【0080】
スタイラスペン43の挿入に伴って、ペン先45がペンガイド51の挿通孔74に入り込むと、ペンガイド51の係合突起82がペン本体44の係合溝47に弾性的に引っ掛かる。これにより、スタイラスペン43の挿入動作に追従してペンガイド51が第2の位置から第1の位置に向けて移動を開始する。
【0081】
ペンガイド51が第2の位置から第1の位置に向けて移動されると、ペンガイド51のアーム部81がキャッチャー機構52のケース87内に押し込まれる。キャッチャー機構52の挾持爪88a,88bは、ペンガイド51が第1の位置に達した時点で、アーム部81の嵌合部83を挟み込んだ状態でケース87内に移動不能に保持される。
【0082】
この結果、スタイラスペン43が第1の筐体4の内部のペン収容部78に格納される。スタイラスペン43がペン収容部78に格納された状態では、ペン本体44の突起部46に連続する端面がペン挿入口64に露出されているに止まっている。したがって、ペン本体44を指先で摘んでペン収容部78から引き抜くことは不可能であり、スタイラスペン43の盗難を防止できる。
【0083】
一方、スタイラスペン43をペン収容部78から取り出すには、ペン挿入口64から露出されているペン本体44の端面を指先で押し込む。すると、ケース87に対する挾持爪88a,88bの保持が解除されて、挾持爪88a,88bがスプリング89によりケース87の一端に向けて押圧される。この押圧により、アーム部81がケース87の一端からケース87の外に押し出される。よって、ペンガイド51がアーム部81に追従して第1の位置から第2の位置に向けて移動される。
【0084】
さらに、挾持爪88a,88bがケース87の一端からケース87の外に飛び出して互いに遠ざかる方向に回動する。これにより、挾持爪88a,88bが嵌合部83から離脱し、ペンガイド51とキャッチャー機構52との連携が解除される。
【0085】
ペンガイド51が第2の位置に達すると、図2に示すように、突起部46を有するペン本体44の第2の端部44bがペン挿入口64から第1の筐体4の外に飛び出す。そのため、ペン本体44の第2の端部44bを指先で摘んで引っ張ることで、スタイラスペン43をペン収容部78から引き抜くことができる。
【0086】
このような構成によれば、スタイラスペン43がペン収容部78に挿入されて、スタイラスペン43の係合溝47にペンホルダ51の係合突起82が引っ掛かった状態では、ペン本体44の第1の端部44aの外周面がホルダ本体50の窪み部65の内面に押し付けられている。
【0087】
それとともに、ペン本体44の第2の端部44bがペン挿入部75からペンガイド51の外に飛び出る直前の位置で、ペン本体44の第2の端部44bおよび突起部46がペンガイド51の第1の凸部85aと第2の凸部85bとの間で挟み込まれている。
【0088】
このため、スタイラスペン43のペン本体44は、軸方向に離れた位置でペンガイド51に保持されている。したがって、ペン収容部78の内部でのスタイラスペン43のがたつきが抑えられ、例えばペン収容部78にスタイラスペン43が収容されたポータブルコンピュータ1を持ち運んだ場合でも、スタイラスペン43の振動に伴う不快な音の発生を防止できる。
【0089】
さらに、ペンガイド51の係合突起82は、ペン本体44の軸方向に沿う中間部よりもペン先45に近い位置でペン本体44の係合溝47に弾性的に引っ掛かっている。そのため、係合溝47よりもスタイラスペン43の挿入方向に沿う後方では、係合突起82がペン本体44の外周面に接することはない。
【0090】
加えて、ペン本体44の第1の端部44aにしても、係合溝47からペン先45の方向に進むに従い先細り状に形成されている。このため、スタイラスペン43をペン収容部78に挿入する過程で、係合突起82がペン本体44の第1の端部44aの外周面に接触し難くなる。
【0091】
一方、ペンガイド51の受け部77に設けられた第1の凸部85aは、ペン本体44から突出された突起部46の外周縁部46aに接するので、第1の凸部85aがペン本体44に接することはない。
【0092】
しかも、第1の凸部85aは、突起部46に設けられた最初の窪み48の直前で突起部46の外周縁部46aに接触し、第1の凸部85aが外周縁部46aに接する位置では、突起部46の高さHが突起部46の前端よりも高くなっている。このため、突起部46の前端が受け部77に入り込んだ時点では、第1の凸部85aと突起部46の外周縁部46aとの間に隙間が生じ、第1の凸部85aが外周縁部46aに接触し難くなる。
【0093】
この結果、第1の凸部85aが最初の窪み48の直前で突起部46の外周縁部46aに接触するまでは、ペン本体44が第1の凸部85aによって凹部71の内面に向けて押圧されることはない。それ故、凹部71の内面に位置された第2の凸部85bがペン本体44の第2の端部44bの外周面に押し付けられることもない。
【0094】
したがって、ペンガイド51の本体70に凹部71内に突出する係合突起82、第1の凸部85aおよび第2の凸部85bを設けたにも拘らず、ペン本体44の外周面に擦り傷がつき難くなる。
【0095】
第1の実施形態によると、ペンガイド51のペン挿入部75に正規のスタイラスペン43よりも太い他のスタイラスペンを挿入した場合、ペンガイド51の凹部71の内面がスタイラスペンの径方向外側に向けて押圧される。凹部71の内面がスタイラスペンで押圧されると、半円筒形の本体70がスリット72の幅が広がる方向に撓むように弾性変形し、スタイラスペンの径の増大分を吸収する。
【0096】
さらに、ペンガイド51をホルダ本体50に支持する複数の支持片66は、本体70の長手方向に間隔を存して並んでいる。この構成によれば、ペンガイド51の長手方向に沿う側縁を全長に亘って保持する場合との比較において、ペンガイド51の弾性変形が容易となる。よって、正規のスタイラスペン43よりも太い他のスタイラスペンでもペンガイド51で確実に保持することができる。
【0097】
[第2の実施形態]
図13は、第2の実施形態を開示している。
【0098】
第2の実施形態は、ペンガイド51の第1の凸部85aの位置が前記第1の実施形態と相違している。図13に示すように、第1の凸部85aは、第2の凸部85bよりもペンガイド51の長手方向に沿う中間部の方向にずれている。
【0099】
このため、第1の凸部85aは、第2の凸部85bよりも突起部46の前端に近い位置で突起部46の外周縁部46aに接触し、第2の凸部46bと協働してスタイラスペン43の第2の端部44bおよび突起部46を挟み込んで保持するようになっている。
【0100】
[第3の実施形態]
図14および図15は、第3の実施形態を開示している。
【0101】
第3の実施形態は、ペンガイド51のうちスタイラスペン43の第2の端部44bを保持する部分の構成が前記第1の実施形態と相違している。これ以外のペンガイド51の構成は第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0102】
図14に示すように、帯状の防振材100がペンガイド51のペン挿入部75の内面に貼り付けられている。防振材100は、第2の係合部の一例であって、例えばスタイラスペン43よりも柔軟な不織布で構成されている。防振材100は、半円筒形の本体70の周方向に連続しているとともに、ペン挿入部75の内面から凹部71の内側に張り出している。
【0103】
第3の実施形態では、スタイラスペン43がペン挿入部75に挿入されて、スタイラスペン43の係合溝47にペンガイド51の係合突起82が引っ掛かった時に、スタイラスペン43の第2の端部44bが防振材100の内側に入り込む。
【0104】
言い換えると、図15に示すように、柔軟な防振材100がスタイラスペン43の第2の端部44bとペンガイド51の本体70との間に介在されて、スタイラスペン43とペンガイド51との間の隙間を埋める。
【0105】
このため、ペンガイド51に対するスタイラスペン43のがたつきを抑えることができ、スタイラスペン43の振動に伴う不快な音の発生を防止できる。
【0106】
さらに、防振材100は、スタイラスペン43よりも柔軟な不織布で構成されている。したがって、スタイラスペン43をペン挿入部75に挿入する時に、スタイラスペン43と防振材100とが互いに擦れ合っても、スタイラスペン43の傷付きを防止することができる。
【0107】
[第4の実施形態]
図16および図17は、第4の実施形態を開示している。
【0108】
第4の実施形態では、不織布で構成された防振材100が第1の部分100a、第2の部分100bおよび第3の部分100cの三つに分割されている。第1ないし第3の部分100a,100b,100cは、個々にペン挿入部75の内面に貼り付けられているとともに、本体70の周方向に間隔を存して配列されている。このため、防振材100の第1の部分100aと第2の部分100bおよび第1の部分100aと第3の部分100cとの間に夫々隙間101a,101bが形成されている。
【0109】
このような構成によると、防振材100の第1の部分100aと第2の部分100bおよび第1の部分100aと第3の部分100cとの間に夫々隙間101a,101bが存在するので、隙間101a,101bの分だけスタイラスペン43と防振材100との接触面積が少なくなる。
【0110】
このため、スタイラスペン43のがたつきを抑制する防振材100を設けたにも拘らず、スタイラスペン43に加わる摺動抵抗を少なく抑えることができる。よって、スタイラスペン43をペン挿入部75に挿入したり、スタイラスペン43をペン挿入部75から引く抜く作業を容易に行うことができる。
【0111】
[第5の実施形態]
図18は、第5の実施形態を開示している。
【0112】
第5の実施形態は、前記第1の実施形態と前記第3の実施形態とを組み合わせたものである。第5の実施形態において、第1および第3の実施形態と同一の構成部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0113】
図18に示すように、ペンガイド51の第1の凸部85aおよび第2の凸部85bは、ペン本体44の第2の端部44bがペン挿入部75からペンガイド51の外に飛び出る直前の位置で、ペン本体44の第2の端部44bおよび突起部46を挟み込んで保持している。
【0114】
さらに、防振材100は、第1および第2の突起部85a,85bよりもペンガイド51の軸方向に沿う中間部の方向にずれた位置で、スタイラスペン43とペンガイド51との間の隙間を埋めている。
【0115】
このような構成によれば、スタイラスペン43の第2の端部44bは、その軸方向に離間した二箇所でペンガイド51に保持されている。このため、スタイラスペン43のがたつきを確実に抑えることができ、スタイラスペン43の振動に伴う不快な音の発生を防止できる。
【0116】
第1の実施形態において、手書き入力機能を有する液晶表示装置21は、表示モジュール3の第2の筐体20に収容することに限定されるものではない。例えば、表示モジュール3およびキーボード14を省略して、第1の筐体4に液晶表示装置21を収容するようにしてもよい。
【0117】
さらに、スタイラスペンの第1の端部を不織布のような防振材で保持し、スタイラスペンの第2の端部および突起部を第1の凸部と第2の凸部との間で保持するようにしてもよい。
【0118】
スタイラスペンのフィン状の突起部は、必須の構成ではない。例えば、スタイラスペンの第2の端部から突起部を省略し、スタイラスペンの第2の端部を第1の凸部と第2の凸部との間で直接挟み込むようにしてもよい。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
4…筐体(第1の筐体)、32…ペンホルダ、43…操作ペン(スタイラスペン、挿入部材)、50…収容部(ホルダ本体)51…ペンガイド(移動部)、82…第1の係合部(係合突起)、85a,85b,100…第2の係合部(第1の凸部、第2の凸部、防振材)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き入力用の操作ペンが挿入されるペン挿入口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記ペン挿入口から挿入された前記操作ペンを保持するペンホルダと、
前記ペンホルダに支持され、前記操作ペンの軸方向に延びるとともに、前記操作ペンが軸方向に沿って引き抜き可能に挿入されるペンガイドと、
前記ペンガイドの内面に設けられ、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記ペンガイドの内面から前記操作ペンの外周面に向けて突出されて、前記操作ペンに摺動可能に接触する第1および第2の保持部と、を具備した電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記ペンガイドは、前記操作ペンの軸方向に延びるスリットが設けられた半円筒形の本体を有し、前記第1の保持部および前記第2の保持部は、前記本体の内面に設けられた電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記本体は、前記スリットの幅が広がる方向に弾性変形が可能である電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記操作ペンは、ペン先を有する棒状のペン本体を含み、
前記ペンガイドの前記第1の保持部は、前記ペン本体の軸方向に沿う中間部よりも前記ペン先の方向にずれた位置で前記ペン本体に摺動可能に接触し、前記ペンガイドの前記第2の係合部は、前記ペン本体の軸方向に沿う中間部よりも前記ペン先の反対側にずれた位置で前記ペン本体に摺動可能に接触した電子機器。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記第2の保持部は、前記本体の内面から一体に突出された複数の凸部を含み、前記凸部は、前記ペン本体を径方向から挟み込んで保持した電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、前記ペン本体は、前記ペン先とは反対側の端部に前記ペン本体の径方向に沿う外側に突出された突起部を有し、前記凸部のうちの一つが前記突起部の外周縁部に摺動可能に接触した電子機器。
【請求項7】
請求項4の記載において、前記第2の係合部は、前記ペンガイドの前記本体の内面に貼り付けられた防振材で構成された電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、前記防振材が不織布で構成された電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、前記防振材は、前記本体の周方向に連続した電子機器。
【請求項10】
請求項7の記載において、前記防振材は、前記本体の周方向に間隔を存して分割された電子機器。
【請求項11】
筐体と、
前記筐体内に設けられた収容部と、
前記収容部に支持され、挿入部材が軸方向に沿って引き抜き可能に挿入されるとともに、前記挿入部材の挿入に伴い前記挿入部材と一緒に移動される移動部と、
前記移動部に設けられ、前記挿入部材の軸方向に離れた位置で前記挿入部材に摺動可能に接触する複数の保持部と、を具備した電子機器。
【請求項12】
請求項11の記載において、前記移動部は、前記挿入部材が前記筐体内に格納される第1の位置と、前記挿入部材が前記筐体の外に突出される第2の位置との間で移動可能に前記収容部に支持された電子機器。
【請求項13】
請求項12の記載において、前記移動部は、前記挿入部材の軸方向に延びるスリットが設けられた半円筒形の本体を有し、前記本体は、前記スリットの幅が広がる方向に弾性変形が可能である電子機器。
【請求項14】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、手書き入力用の操作ペンが挿入されるペンガイドと、
前記ペンガイドの内面から突出し、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記操作ペンに摺動可能に接触する複数の凸部と、を具備した電子機器。
【請求項15】
請求項14の記載において、前記ペンガイドは、前記操作ペンの軸方向に延びるスリットが設けられた半円筒形の本体を有し、前記本体は、前記スリットの幅が広がる方向に弾性変形が可能である電子機器。
【請求項1】
手書き入力用の操作ペンが挿入されるペン挿入口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記ペン挿入口から挿入された前記操作ペンを保持するペンホルダと、
前記ペンホルダに支持され、前記操作ペンの軸方向に延びるとともに、前記操作ペンが軸方向に沿って引き抜き可能に挿入されるペンガイドと、
前記ペンガイドの内面に設けられ、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記ペンガイドの内面から前記操作ペンの外周面に向けて突出されて、前記操作ペンに摺動可能に接触する第1および第2の保持部と、を具備した電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記ペンガイドは、前記操作ペンの軸方向に延びるスリットが設けられた半円筒形の本体を有し、前記第1の保持部および前記第2の保持部は、前記本体の内面に設けられた電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記本体は、前記スリットの幅が広がる方向に弾性変形が可能である電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記操作ペンは、ペン先を有する棒状のペン本体を含み、
前記ペンガイドの前記第1の保持部は、前記ペン本体の軸方向に沿う中間部よりも前記ペン先の方向にずれた位置で前記ペン本体に摺動可能に接触し、前記ペンガイドの前記第2の係合部は、前記ペン本体の軸方向に沿う中間部よりも前記ペン先の反対側にずれた位置で前記ペン本体に摺動可能に接触した電子機器。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記第2の保持部は、前記本体の内面から一体に突出された複数の凸部を含み、前記凸部は、前記ペン本体を径方向から挟み込んで保持した電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、前記ペン本体は、前記ペン先とは反対側の端部に前記ペン本体の径方向に沿う外側に突出された突起部を有し、前記凸部のうちの一つが前記突起部の外周縁部に摺動可能に接触した電子機器。
【請求項7】
請求項4の記載において、前記第2の係合部は、前記ペンガイドの前記本体の内面に貼り付けられた防振材で構成された電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、前記防振材が不織布で構成された電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、前記防振材は、前記本体の周方向に連続した電子機器。
【請求項10】
請求項7の記載において、前記防振材は、前記本体の周方向に間隔を存して分割された電子機器。
【請求項11】
筐体と、
前記筐体内に設けられた収容部と、
前記収容部に支持され、挿入部材が軸方向に沿って引き抜き可能に挿入されるとともに、前記挿入部材の挿入に伴い前記挿入部材と一緒に移動される移動部と、
前記移動部に設けられ、前記挿入部材の軸方向に離れた位置で前記挿入部材に摺動可能に接触する複数の保持部と、を具備した電子機器。
【請求項12】
請求項11の記載において、前記移動部は、前記挿入部材が前記筐体内に格納される第1の位置と、前記挿入部材が前記筐体の外に突出される第2の位置との間で移動可能に前記収容部に支持された電子機器。
【請求項13】
請求項12の記載において、前記移動部は、前記挿入部材の軸方向に延びるスリットが設けられた半円筒形の本体を有し、前記本体は、前記スリットの幅が広がる方向に弾性変形が可能である電子機器。
【請求項14】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、手書き入力用の操作ペンが挿入されるペンガイドと、
前記ペンガイドの内面から突出し、前記操作ペンの軸方向に離れた位置で前記操作ペンに摺動可能に接触する複数の凸部と、を具備した電子機器。
【請求項15】
請求項14の記載において、前記ペンガイドは、前記操作ペンの軸方向に延びるスリットが設けられた半円筒形の本体を有し、前記本体は、前記スリットの幅が広がる方向に弾性変形が可能である電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−133561(P2012−133561A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284749(P2010−284749)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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