説明

電子機器

【課題】ケーブルの接続状態に応じた処理を行うことを目的とする。
【解決手段】第1のケーブルを介して外部機器へ操作信号を出力し、さらに、前記操作信号に応じて前記外部機器から出力されるデータを第2のケーブルを介して取得する電子機器において、前記電子機器は、制御部を備え、前記制御部は、前記第1のケーブルが正常に接続されているか否か、及び、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に、ケーブルを介して外部機器と接続される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用オーディオ装置やナビゲーション装置などの電子機器は、音楽データを記憶・再生する音楽再生装置(外部機器)とケーブルを介して接続され、音楽再生装置に記憶された音楽データ、又は、音楽再生装置に挿入されたCD等の記憶媒体に記憶された音楽データを再生して、車載用オーディオ装置などが有するスピーカ、又は、車載用オーディオ装置が搭載された車内のスピーカから音楽を出力している。
【0003】
ところで、このような音楽再生装置(外部機器)としては、例えば、iPod(登録商標)などが考えられ、車載用オーディオ装置やナビゲーション装置などの電子機器とiPod(登録商標)などの音楽再生装置とを接続するケーブルには、USBケーブルなどのシリアル通信を行うためのケーブルが考えられる。
【0004】
ここで、車載用オーディオ装置やナビゲーション装置などの電子機器とケーブルを介して接続される音楽再生装置がiPod(登録商標)である場合、音楽データのみならず、映像データ(静止画・動画)を記憶・再生することが可能である。
【0005】
しかしながら、iPod(登録商標)は、映像データを外部機器(例えば、車載用オーディオ装置などの電子機器)へケーブルを介して出力する場合、シリアル通信などのデジタル通信ではなく、iPod(登録商標)で再生(D/A変換等)した映像データ(アナログ)を出力する。
【0006】
そのため、車載用オーディオ装置などの電子機器にて、iPod(登録商標)に記憶された映像データに基づく映像を表示する場合、上記のシリアル通信のためのUSBケーブルのみならず、iPod(登録商標)よりアナログ出力される映像データ(及び/又は音楽データ)を伝送するためのアナログ通信ケーブル(例えば、RCAケーブルなど)が必要となる。
【0007】
上記のように、デジタル通信を行うためのUSBケーブルと、アナログ通信を行うためのRCAケーブルとを一体的に構成したケーブルとして下記の非特許文献1に開示されるケーブルが知られている。このケーブルにより、デジタル通信およびアナログ通信が可能となる。特に、デジタル通信を行うためのケーブルをUSB(Universal Serial Bus)で構成しているため、デジタル通信を高速で行うことが可能となる。
【0008】
なお、下記の特許文献1(特開2009−252250号公報)には、映像データを含む1以上のコンテンツを再生すべき旨の入力を受け付けていない場合、すなわち、楽曲データのみを再生すべき旨の入力を受け付けた場合、楽曲データのデジタル外部出力要求をコンテンツ記憶装置へ行い、映像データを含む1以上のコンテンツを再生すべき旨の入力を受け付けた場合、映像データのアナログ外部出力要求(又は楽曲映像データのアナログ外部出力要求)をコンテンツ記憶装置へ行うコンテンツ再生装置が開示されている。
【0009】
これにより、映像データ(アナログ)と楽曲データ(デジタル)を続けて再生する場合において、デジタルとアナログとの処理の切り替えを行うことにより後から再生するデータの頭部分が再生されないという問題を解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−252250号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】http://www.clarion.com/jp/ja/products/2010/navigation/accessories/ipod/CCA -750-500/jp-ja-product-pf#1259421222715.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるように、アナログ(映像データ)とデジタル(音楽データ)の両方を車載用オーディオ装置などの電子機器が取得するためには、上記非特許文献1に開示されるようなケーブルが正常に接続されていなければならない。
【0013】
すなわち、例えば、デジタル通信を行うためのケーブルであるUSBケーブルが正常にiPod(登録商標)および車載用オーディオ装置に接続されていても、アナログ通信を行うためのケーブル(例えば、RCAケーブルなど)が正常にiPod(登録商標)および車載用オーディオ装置に接続されていなければ、アナログ通信を行うことはできない。
【0014】
このようにアナログ通信を行うことができない場合であれば、デジタル通信を行うためのケーブルを介して映像データのアナログ出力指示を行っても、iPod(登録商標)から車載用オーディオ装置が映像データを取得することができない。そのため、例えば、ユーザからアナログ通信を必要とする映像データの表示要求を受け付けないなどの処理を行うことが好ましい。
【0015】
そこで、本願発明では、外部機器(iPod(登録商標)など)と第1の(デジタル通信を行うための)ケーブルおよび第2の(アナログ通信を行うための)ケーブルを介して接続される車載用オーディオ装置やナビゲーション装置などの電子機器において、第1の(デジタル通信を行うための)ケーブルおよび第2の(アナログ通信を行うためのケーブル)が正常に外部機器および電子機器に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、第1のケーブルを介して外部機器へ操作信号を出力し、さらに、前記操作信号に応じて前記外部機器から出力されるデータを第2のケーブルを介して取得する電子機器において、前記電子機器は、制御部を備え、前記制御部は、前記第1のケーブルが正常に接続されているか否か、及び、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことを特徴とする。
【0017】
これにより、第1のケーブルおよび第2のケーブルが正常に外部機器および電子機器に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことが可能となる。
【0018】
さらに、本願発明では、前記第1のケーブルは、デジタル通信を行うためのケーブルであり、前記第2のケーブルは、アナログ通信を行うためのケーブルであることを特徴とする。
【0019】
これにより、デジタル通信を行うためのケーブルおよびアナログ通信を行うためのケーブルが正常に外部機器および電子機器に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことが可能となる。
【0020】
さらに、本願発明では、前記第1のケーブルが正常に接続されているか否かの判定は、前記第1のケーブルが接続された際に前記外部機器から出力される応答信号に基づいて判定することを特徴とする。
【0021】
これにより、第1のケーブルが正常に接続されているか否かの判定をおこなうことができる。
【0022】
さらに、本願発明では、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かの判定は、前記第2のケーブル内の短絡線が短絡しているか否かに基づいて判定することを特徴とする。
【0023】
これにより、第2のケーブルが正常に接続されているか否かの判定をおこなうことができる。
【0024】
さらに、本願発明では、前記第1のケーブルが正常に接続されている場合、前記制御部は、前記第1のケーブルを介して外部機器から取得する外部機器の識別情報に基づき、該外部機器が第2のケーブルを介するデータを出力する外部機器か否かを判定し、該外部機器が第2のケーブルを介するデータを出力する外部機器である場合に、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
これにより、第2のケーブルを介するデータを出力する外部機器が接続された場合にのみ第2のケーブルが正常に接続されているか否かを判定することができる。
【0026】
さらに、本願発明の前記電子機器は、表示部を備え、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かに応じて、前記外部機器から前記第2のケーブルを介して取得するデータのリストを表示するためのアイコンの表示様態を変更することを特徴とする。
【0027】
これにより、アイコンの表示様態を視認するだけで、第2のケーブルが正常に接続されているか否かをユーザが認識できる。
【0028】
さらに、本願発明の前記電子機器は、入力部を備え、前記第2のケーブルが正常に接続されている場合に、前記入力部を介して前記外部機器から前記第2のケーブルを介して取得するデータのリストを表示するためのアイコンが選択された場合、前記制御部は、前記外部機器から前記第2のケーブルを介して取得するデータのリストを前記表示部に表示することを特徴とする。
【0029】
これにより、第2のケーブルが正常に接続されている場合に、外部機器から前記第2のケーブルを介して取得するデータのリストをユーザが視認できる。
【0030】
さらに、本願発明の前記電子機器は、入力部と、表示部を備え、前記制御部は、前記第1のケーブルが正常に接続されている場合に、前記入力部を介して前記外部機器を示すアイコンが選択された場合、前記制御部は、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かに応じて、前記表示部に表示する前記外部機器から出力されるデータのリストを変更することを特徴とする。
【0031】
これにより、外部機器を示すアイコンを選択した場合に、例えば、第2のケーブルが正常に接続されていれば、外部機器から第2のケーブルを介して取得するデータのリストをユーザが視認でき、また、第2のケーブルが正常に接続されていなければ、外部機器から第2のケーブルを介して取得するデータのリストをユーザが視認できないようにすることが可能となる。
【0032】
さらに、本願発明の前記電子機器は、表示部と、音声出力部を備え、前記制御部は、前記外部機器から出力されるデータに基づく表示を前記表示部に表示させる、及び/又は、前記外部機器から出力されるデータに基づく音声出力を前記音声出力部から出力させることを特徴とする。
【0033】
これにより、外部機器から出力されるデータに基づく映像や音声をユーザが視聴することができる。
【0034】
さらに、前記外部機器から第2のケーブルを介して取得するデータは映像データ及び/又は音楽データであることが好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本願発明では、外部機器(iPod(登録商標)など)と第1の(デジタル通信を行うための)ケーブルおよび第2の(アナログ通信を行うための)ケーブルを介して接続される電子機器において、第1の(デジタル通信を行うための)ケーブルおよび第2の(アナログ通信を行うための)ケーブルが正常に外部機器および電子機器に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うので、アナログ通信を行うことができない場合(アナログ通信を行うためのケーブルが正常に接続されていない場合)であれば、例えば、アナログ通信を必要とする映像データのリストを表示しなくすることで、映像データの再生を受け付けないなどの処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例にかかる全体像の模式図である。
【図2】本発明の実施例にかかる各装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の制御部が行う通信ケーブルの接続状態を検出する制御動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の制御部が行う通信ケーブルの接続状態に応じた制御動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の表示部に表示されるメニュー画面及びオプション画面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に示す実施例においては、電子機器の一例としてナビゲーション装置を例示し、外部機器の一例としてiPod(登録商標)を例示するが、本願発明は、この実施例に限ることなく、請求の範囲に含まれるその他の装置にも適用可能である。例えば、電子機器はナビゲーション機能を有していなくともよく、外部機器は、iPod(登録商標)でなくても音楽データ・映像データを記憶・再生する装置であればよい。
【実施例】
【0038】
まず、図1の模式図を参照して説明を行う。ナビゲーション装置1は、通信ケーブル6および、USB延長ケーブル5を介してiPod(登録商標)2に接続される。ここで、通信ケーブル6は、デジタル通信のためのUSBケーブル3、アナログ通信のためのアナログケーブル4で構成される。
【0039】
デジタル通信のためのUSBケーブル3とアナログ通信のためのアナログケーブル4は、ナビゲーション装置1側では夫々別のコネクタで構成され、iPod(登録商標)2側では、USBケーブル3とアナログケーブル4とが一体となったコネクタで構成されている。
【0040】
夫々別のコネクタで構成されたUSBケーブル3とアナログケーブル4がナビゲーション装置1に接続され、且つ、一体となったコネクタで構成されたUSBケーブル3とアナログケーブル4がiPod(登録商標)2に接続されることで、ナビゲーション装置1がiPod(登録商標)2に記憶された映像データを取得することが可能となる。
【0041】
なお、本実施例では、ナビゲーション装置1にUSB延長ケーブル5が接続され、USB延長ケーブル5のもう一端にUSBケーブル3が接続されることにより、ナビゲーション装置1とUSBケーブル3が接続されるが、これは、後述するデジタル入出力部15(USBポート)がナビゲーション装置1の背面に設けられた場合を想定したものであるため、これに限ることはなく、デジタル入出力部15がナビゲーション装置1の前面にある場合などは、USB延長ケーブル5を用いることなく、ナビゲーション装置1にUSBケーブル3を直接接続してもよい。
【0042】
また、本実施例では、アナログ通信を行うためのアナログケーブル4と記載を行うが、アナログ通信とは、ナビゲーション装置1とiPod(登録商標)2の双方向のアナログ通信ではなく、iPod(登録商標)2から出力される映像データなどをナビゲーション装置1へ伝送する一方向のアナログ通信であればよい。
【0043】
次に、図2のブロック図を用いて、各装置および各ケーブルの詳細な説明を行う。まず、ナビゲーション装置1の説明を行う。
【0044】
ナビゲーション装置1は、制御部10、音声出力部11、表示部12、入力部13、アナログ入力部14、デジタル入出力部15を備えて構成される。
【0045】
制御部10は、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御・統括するものである。また、制御部10は、地図情報記憶部(図示せず)に記憶された地図情報(ノードデータ、リンクデータなど)に基づき、ユーザが入力部13を介して指定した目的地までの最適な経路を探索する。経路探索は、出発地またはGPS受信機などから構成される現在位置検出部(図示せず)により検出された現在位置に対応する道路のノードから、目的地に対応するノードに至る間のリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)または総所要時間が最短となる経路を探索する。
【0046】
音声出力部11は、経路案内に必要な音声ガイダンスや、その他、ナビゲーション装置1の操作に必要な音声、警告等のブザー音等を出力するスピーカなどで構成される。音声出力部11は、上記の音声などの他に、iPod(登録商標)2から取得された音楽データに基づく音声出力を行う。なお、音声出力部11が、スピーカを備えなくとも、ナビゲーション装置1が設けられる車両に備えられたスピーカを介して音声出力するものであってもよい。
【0047】
表示部12は、地図情報に基づく地図画像や制御部10により探索された経路の画像、現在位置を示す現在位置マーク等を表示し、また入力部13による入力作業のためのメニュー画面やオプション画面などを表示するものであり、例えば、液晶パネルによって構成される。また、表示部12は、iPod(登録商標)2から取得された映像データに基づく表示を行う(静止画や動画を表示する)。なお、表示部12は、タッチパネルとすることで、入力部13の機能を持たせることもできる。
【0048】
入力部13は、ユーザによって操作され、出発地、目的地、経由地等の経路探索条件を入力するためのものである。また、入力部13は、iPod(登録商標)2に記憶された音楽データや映像データのうち、再生したいデータ(聞きたい曲、見たい映像)を選択するためのものである。入力部13は、上記のタッチパネル以外にも、ナビゲーション装置1に設けられたハードキーで構成されてもよいし、リモコンなどで構成されてもよい。
【0049】
アナログ入力部14は、iPod(登録商標)2からアナログ出力される映像データ及び/又は音楽データを受信する通信インターフェースである。アナログ入力部14には、アナログケーブル4が接続され、iPod(登録商標)2からアナログケーブル4を介して出力される映像データ及び/音楽データ(共にアナログ)を受信する。
【0050】
デジタル入出力部15は、iPod(登録商標)2とデジタル通信を行うための通信インターフェースである。本実施例では、USBポートなどで構成される。デジタル入出力部15には、USB延長ケーブル5が接続され、USB延長ケーブル5の他方の一端にUSBケーブル3が接続され、且つ、USBケーブル3の一端がiPod(登録商標)2に接続されることにより、デジタル通信(USB通信)が行われ、iPod(登録商標)2から音楽データ(デジタル)を受信可能となる。なお、上記のとおり、USB延長ケーブル5を用いることなく、USBケーブル3がデジタル入出力部15に接続されてもよい。
【0051】
次に、iPod(登録商標)2の説明を行う。iPod(登録商標)2は、制御部20、音声出力部21、表示部22、入力部23、アナログ出力部24、デジタル入出力部25、映像/音楽データ記憶部26を備えて構成される。
【0052】
制御部20は、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従ってiPod(登録商標)2の各部の動作を制御・統括するものである。
【0053】
音声出力部21は、映像/音楽データ記憶部26に記憶された音楽データの音声を出力するヘッドホン端子などで構成される。なお、音声出力部21はスピーカを備え、スピーカを介して音声出力するものであってもよい。
【0054】
表示部22は、入力部23による入力作業のための画面を表示するものであり、例えば、液晶パネルによって構成される。また、表示部22は、映像/音楽データ記憶部26に記憶された映像データに基づく表示を行う(静止画や動画を表示する)。なお、表示部22は、タッチパネルとすることで、入力部23の機能を持たせることもできる。
【0055】
入力部23は、ユーザによって操作され、映像/音楽データ記憶部26に記憶された音楽データや映像データのうち、再生したいデータ(聞きたい曲、見たい映像)を選択するためのものである。入力部23は、上記のタッチパネル以外にも、iPod(登録商標)2に設けられたハードキーで構成されてもよいし、リモコンなどで構成されてもよい。
【0056】
アナログ出力部24は、映像/音楽データ記憶部26から読み出され、制御部20によってアナログ変換された映像データ及び/又は音楽データをナビゲーション装置1へ出力する通信インターフェースである。アナログ出力部24には、アナログケーブル4が接続され、アナログケーブル4を介して映像データ及び/又は音楽データ(共にアナログ)をナビゲーション装置1へ出力する。
【0057】
デジタル入出力部25は、ナビゲーション装置1とデジタル通信を行うための通信インターフェースである。デジタル入出力部25には、USBケーブル3が接続され、USBケーブル3の他方の一端にUSB延長ケーブル5が接続され、且つ、USB延長ケーブル5の一端がナビゲーション装置1に接続されることにより、デジタル通信(USB通信)が行われ、ナビゲーション装置1へ音楽データ(デジタル)を出力することが可能となる。
【0058】
なお、本実施例では、iPod(登録商標)2側ではUSBケーブル3とアナログケーブル4とが一体となったコネクタで構成されているため、アナログ出力部24及びデジタル入出力部25も一体となったコネクタで構成されている。
【0059】
映像/音楽データ記憶部26は、映像データ及び/又は音楽データを記憶するための記憶媒体であり、例えば、半導体メモリなどで構成される。また、映像/音楽データ記憶部26は、プレイリストも記憶する。プレイリストには、映像プレイリストと、音楽プレイリストの2種類のリストが存在する。映像プレイリストは、映像データのみ、及び/又は映像データと当該映像データに対応付けられた音楽データから構成される。音楽プレイリストは音楽データのみで構成される。なお、音楽プレイリストには、映像データに対応付けられた音楽データを含んでもよい。
【0060】
次に、各ケーブルの説明を行う。まず、USBケーブル3は、電源線(V)、通信線(D+)、通信線(D−)、GND線で構成され、iPod(登録商標)2は、ナビゲーション装置1から電源線(V)を介して電力供給を受け、通信線(D+)及び通信線(D−)を用いてデジタル通信を行う。なお、USB延長ケーブル5も同様の構成である。
【0061】
なお、本実施例においては、電源線や通信線などと説明を行うが、この電源線や通信線などの導線には、コネクタの基板上の導電パターンやピン(端子)も含まれるものとして説明を行う。
【0062】
アナログケーブル4は、ステレオの左右のアナログ音楽データを伝送するためのアナログ音声信号線(音L、音R)、アナログ映像データを伝送するためのコンポジット映像信号線(アナログ映像信号線)(video)、GND線から構成される。GND線は使用しなくてもよいが、GND線により、他の線(例えば、アナログ音声信号線(音L)とアナログ映像信号線(video))の干渉を防止することができる。
【0063】
なお、本実施例においては、アナログケーブル4に、さらに短絡線(A)が設けられる。このアナログケーブル4の短絡線(A)は、後述するアナログケーブル4の接続状態を検出する際に用いられる。
【0064】
以上が本実施例における各装置と各ケーブルの詳細な説明である。上記説明したような通信ケーブル6(USBケーブル3及びアナログケーブル4)を用いる場合、通信ケーブル6の接続状態に応じた処理が必要である。
【0065】
通信ケーブル6が正常に接続されている場合であれば、すなわち、USBケーブル3がiPod(登録商標)2及びUSB延長ケーブル5に接続され(USB延長ケーブル5のもう一端はナビゲーション装置1に接続され)、且つ、アナログケーブル4がiPod(登録商標)2及びナビゲーション装置1に接続されている場合であれば、ナビゲーション装置1が音楽データをUSBケーブル3及びUSB延長ケーブル5を介してデジタル通信(USB通信)でiPod(登録商標)2から取得すること、及び、アナログケーブル4を介して、映像データ及び/又は音楽データをiPod(登録商標)2から取得することが可能である。このような場合にのみ、ナビゲーション装置1の制御部10は、デジタル通信を用いて音楽データをデジタル出力するようにiPod(登録商標)2へ指示(操作信号を出力)し、また、映像データのみ、又は、映像データと当該映像データに対応付けられた音楽データとを、アナログ出力するようにiPod(登録商標)2へ指示(操作信号を出力)することが好ましい。そして、指示を受けた(操作信号を取得した)iPod(登録商標)2は、受けた指示(取得した操作信号)に基づいて音楽データをデジタル出力する、又は、映像データや当該映像データに対応付けられた音楽データをアナログ出力する。
【0066】
一方、例えば、USBケーブル3が正常に接続され、アナログケーブル4が正常に接続されていない場合(例えばアナログケーブル4がナビゲーション装置1のアナログ入力部14に接続されていない場合など)、iPod(登録商標)2がアナログ出力を行ってもナビゲーション装置1は、iPod(登録商標)2からアナログ出力された映像データ、又は、映像データと当該映像データに対応付けられた音楽データを受信することができない。
【0067】
そのため、ナビゲーション装置1の制御部10は、デジタル通信を用いて音楽データを出力するようにiPod(登録商標)2へ指示(操作信号を出力)するが、映像データのみ、又は、映像データと当該映像データに対応付けられた音楽データとをアナログ出力するようにiPod(登録商標)2へ指示(操作信号を出力)しないことが好ましい。そこで、例えば、アナログ出力が必要な映像データなどのリスト(映像プレイリスト)を表示部に表示しないようにすることで、ユーザがアナログ出力が必要な映像データなどの表示要求を入力部13を介して行えないようにすることが好ましい。
【0068】
このように通信ケーブル6の接続状態に応じた処理を行うことで、映像データの表示要求を入力部13を介して行ったのに、映像が表示されない(映像データが受信できない)などといった誤動作を防止することが可能である。
【0069】
次に、図3のフローチャートを用いて、ナビゲーション装置1の制御部1が行う通信ケーブル6の接続状態を検出する制御動作の説明を行う。
【0070】
まず、制御部10は、ユーザがUSB通信機器(iPod(登録商標)2を含む)をUSBケーブル3及びUSB延長ケーブル5を介してデジタル入出力部15へ接続したか否かを判定する(USBケーブル3が正常に接続されたか否かを判定する)(ステップS301)。判定方法は、従来知られている種々の方法を用いることが可能であり、例えば、USBケーブル3が接続された際に、iPod(登録商標)2から出力される応答信号をデジタル入出力部15を介して取得したか否かで判定する。
【0071】
USB通信機器が接続されると(ステップS301のYES)、制御部10は、デジタル入出力部15、USB延長ケーブル5及びUSBケーブル3を介して、デジタル通信を行い、接続されたUSB通信機器から送信される識別情報に基づき、USB通信機器の種別を識別し、USB通信機器の種別がiPod(登録商標)2か否かを判定する(ステップS302)。
【0072】
USB通信機器の種別がiPod(登録商標)2でない場合(ステップS302のNO)、USB通信と判定し処理を終了する(ステップS304)。すなわち、USB通信機器の種別がiPod(登録商標)2でない場合、USB通信機器はデジタル通信(USB通信)のみを行う半導体メモリなどの記憶媒体やパソコン等である。
【0073】
一方、USB通信機器の種別がiPod(登録商標)2である場合(ステップS302のYES)、アナログケーブル4内の短絡線(A)に基づき、アナログケーブル4が正常に接続されているか否か、すなわち、アナログケーブル4がアナログ入力部14及びアナログ出力部24に接続されているか否かを判定する(ステップS303)。
【0074】
アナログケーブル4内の短絡線(A)の一端(iPod(登録商標)2側の一端)は、iPod(登録商標)2に設けられたGND端子に対応しているため、アナログケーブル4(通信ケーブル6)が、iPod(登録商標)2に接続されると、アナログケーブル4内の短絡線(A)が短絡する。そのため、制御部10は、アナログケーブル4内の短絡線(A)がGNDに落ちたか否か(短絡したか否か)を検出することで、アナログケーブル4が正常に接続されているか否かを判定する。
【0075】
アナログケーブル4が正常に接続されている場合(ステップS303のYES)、iPod(登録商標)2のUSB通信及びアナログ通信が可能な状態と判定し処理を終了する(ステップS305)。
【0076】
一方、アナログケーブル4が正常に接続されていない場合(ステップS303のNO)、iPod(登録商標)2のUSB通信が可能な状態と判定し処理を終了する(ステップS306)。すなわち、ステップS306では、デジタル通信(USB通信)を用いてiPod(登録商標)2から音楽データは取得できるが、アナログ通信を用いて映像データを取得できない接続状態と判定する。
【0077】
次に、図4のフローチャート及び図5の模式図を参照して、ナビゲーション装置1の制御部1が行う通信ケーブル6の接続状態に応じた制御動作の説明を行う。
【0078】
まず、制御部10は、図3のフローチャートにおいて判定したUSB通信(iPod(登録商標)2のUSB通信+アナログ通信、iPod(登録商標)2のUSB通信を含む)か否かを判定する(ステップS401)。
【0079】
USB通信でない場合(ステップS401のNO)、すなわち、USB通信機器が接続されていない場合、表示部12に表示されるメニュー画面のアイコンのうち「USB」アイコンと「iPod(登録商標)」アイコンをグレーアウト表示させる(ステップS402)。
【0080】
図5の(A)、(B)、(C)は表示部12に表示されるメニュー画面の一例であり、図5(A)は、ステップS402において、「USB」アイコンと「iPod(登録商標)」アイコンをグレーアウト表示させたメニュー画面の一例である。
【0081】
なお、グレーアウト表示させたアイコン(ソフトキー)は、視認性の変化だけでなく、当該グレーアウト表示させたアイコンをユーザが入力部13を介して選択しても、制御部10は当該グレーアウト表示させたアイコンに対応付けられた制御(例えば、表示画面遷移等)を行わない。なお、以下の説明では、グレーアウト表示を解除した表示、すなわち、アイコンをユーザが入力部13を介して選択すれば、当該アイコンに応じた制御を行うことを示す表示を、単に「アイコンを表示する」として説明を行う。
【0082】
一方、USB通信である場合(ステップS401のYES)、すなわち、USB通信機器が接続されている場合、制御部10は、iPod(登録商標)2のUSB通信(iPod(登録商標)2のUSB通信+アナログ通信を含む)か否かを判定する(ステップS403)。
【0083】
iPod(登録商標)2のUSB通信でない場合(ステップS403のNO)、すなわち、デジタル入出力部15にUSBケーブル等を介してiPod(登録商標)2でないUSB通信機器が接続されている場合、「USB」アイコンを表示し、「iPod(登録商標)」アイコンをグレーアウト表示させる(ステップS404)(図5(B)参照)。
【0084】
すなわち、「USB」アイコンを入力部13を介して選択可能とし、入力部13を介して「USB」アイコンを選択すると、制御部10は、「USB」アイコンに応じた制御(例えば、USB通信機器がUSBメモリであればUSBメモリに記憶された音楽データのリスト表示など)を行う。
【0085】
一方、iPod(登録商標)2のUSB通信である場合(ステップS403のYES)、すなわち、デジタル入出力部15にUSBケーブル等を介してiPod(登録商標)2が接続されている場合、制御部10は、iPod(登録商標)2のUSB通信+アナログ通信か否かを判定する(ステップS405)。
【0086】
iPod(登録商標)2のUSB通信+アナログ通信でない場合、(ステップS405のNO)、すなわち、デジタル入出力部15にUSBケーブル等を介してiPod(登録商標)2が接続されているが、通信ケーブル6ではくiPod(登録商標)2に対応したUSBケーブル(アナログケーブル4が一体となっていないUSBケーブル)を用いて、接続している、又は、通信ケーブル6を用いているが、アナログケーブル4が正常に接続されていない場合であるため、iPod(登録商標)2からアナログ出力される映像データなどを取得することができない場合、「USB」アイコンをグレーアウト表示し、「iPod(登録商標)」アイコンを表示させる(ステップS406)(図5(C)参照)。
【0087】
すなわち、「iPod(登録商標)」アイコンを入力部13を介して選択可能とし、入力部13を介して「iPod(登録商標)」アイコンを選択すると、制御部10は、「iPod(登録商標)」アイコンに応じた制御(例えば、iPod(登録商標)2の映像/音楽データ記憶部26記憶された音楽データのリスト(音楽プレイリスト)表示など)を行う。
【0088】
また、制御部10は、音楽プレイリストを表示部12に表示しているときに、ユーザが入力部13を介して所定の操作(例えば、オプションボタンを選択)をすることで表示させるオプション画面(図5の(D)、(E))のうち、「ミュージック」アイコンを表示させ、「ビデオ」アイコンをグレーアウト表示させる(図5(D)参照)。
【0089】
「ミュージック」アイコンは、音楽プレイリストを表示させるためのアイコンであり、「ビデオ」アイコンは、映像プレイリストを表示させるためのアイコンである。なお、この音楽プレイリスト及び/又は映像プレイリストは、USBケーブル3を介してデジタル通信(USB通信)を行いナビゲーション装置1の制御部10が取得する。
【0090】
なお、本実施例では、「iPod(登録商標)」アイコンに応じた制御として、音楽プレイリストの表示を例示するが、これに限ることはなく、入力部13を介してオプション画面に表示された「ミュージック」アイコン及び「ビデオ」アイコンのうち、最後に選択されたアイコンを記憶(RAM等)しておき、最後に選択されたアイコンに基づき「iPod(登録商標)」アイコンに応じた制御を行ってもよい。例えば、最後に「ビデオ」アイコンを選択された後に、「iPod(登録商標)」アイコンを選択された場合に表示部12に映像プレイリストを表示してもよい。
【0091】
ここで、ユーザが入力部13を介して、表示された音楽プレイリストの中から、1以上の音楽データを選択すると、制御部10は、デジタル入出力部15、USB延長ケーブル5、USBケーブル3及びデジタル入出力部25を介して、制御部20へ、当該選択された音楽データをデジタル出力するように指示(操作信号の出力)を行う。
【0092】
指示(操作信号)を受けた制御部20は、指示(操作信号)に基づき映像/音楽データ記憶部26から該当する音楽データを読み出し、読み出した音楽データをデジタル入出力部25から出力する。
【0093】
デジタル入出力部25から出力された音楽データ(デジタル)は、USB延長ケーブル5及びUSBケーブル3を介してデジタル入出力部15に入力される。デジタル入出力部15に入力された音楽データは、制御部10にてアナログ変換されて音声出力部11へ供給され音声出力部11から音声出力される。
【0094】
一方、iPod(登録商標)2のUSB通信+アナログ通信である場合、(ステップS405のYES)、すなわち、通信ケーブル6(USBケーブル3及びアナログケーブル4)が正常に接続されており、iPod(登録商標)2からアナログ出力される映像データなどを取得することができる状態の場合、「USB」アイコンをグレーアウト表示し、「iPod(登録商標)」アイコンを表示させる(ステップS407)(図5(C)参照)。
【0095】
また、上記のオプション画面において、「ミュージック」アイコンと「ビデオ」アイコンを表示させる(図5(E)参照)。
【0096】
ユーザが入力部13を介して「ビデオ」アイコンを選択すると、制御部10は、映像プレイリストを表示部12に表示させ、さらにユーザが入力部13を介して、表示された映像プレイリストの中から、1以上のデータ(例えば映像データ)を選択することで、制御部10は、デジタル入出力部15、USB延長ケーブル5、USBケーブル3及びデジタル入出力部25を介して、制御部20へ、当該選択された映像データをアナログ出力するように指示(操作信号の出力)を行う。
【0097】
指示(操作信号)を受けた制御部20は、指示(操作信号)に基づき映像/音楽データ記憶部26から該当する映像データを読み出し、読み出した映像データをアナログ変換し、アナログ出力部24から出力する。
【0098】
アナログ出力部24から出力された映像データ(アナログ)は、アナログケーブル4を介してアナログ入力部14に入力される。アナログ入力部14に入力された映像データ(アナログ)は、表示部12に供給され表示部12に映像データに基づく映像が表示される。
【0099】
なお、映像データに音楽データが対応付けられている場合も同様に、iPod(登録商標)2から映像データと当該映像データに対応付けられている音楽データとがアナログ出力され、表示部12に当該映像データに基づく映像が表示され、音声出力部11から当該映像データに対応付けられている音楽データに基づく音声出力がなされる。
【0100】
以上説明した通り、iPod(登録商標)2とデジタル通信を行うためのケーブルおよびアナログ通信を行うためのケーブルを介して接続されるナビゲーション装置1において、デジタル通信を行うためのUSBケーブル3およびアナログ通信を行うためのアナログケーブル4が正常にiPod(登録商標)2およびナビゲーション装置1に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことで、アナログ通信を行えない状態で、アナログ出力指示をiPod(登録商標)2に行ってしまうなどの誤動作を防止することができる。
[他の実施例、変形例]
本願発明は、上記実施例以外にも種々の変更が可能である。例えば、上記実施例において、「iPod(登録商標)」アイコンに応じた制御として、音楽プレイリストの表示、又は、最後に選択されたアイコン(「ミュージックアイコン」又は「ビデオ」アイコン)に基づくプレイリスト(音楽又は映像プレイリスト)の表示を行う場合を例示したが、これに限ることはなく、入力部13を介して「iPod(登録商標)」アイコンが選択された場合に、アナログケーブル4が正常にiPod(登録商標)2およびナビゲーション装置1に接続されているか否かに基づいて、表示するプレイリスト(音楽又は映像プレイリスト)を選択してもよい。
【0101】
すなわち、上記の通り、USBケーブル3が正常に接続され、接続されたUSB通信機器がiPod(登録商標)2であれば、「iPod(登録商標)」アイコンが表示され、入力部13を介して、「iPod(登録商標)」アイコンが選択可能となる。この場合において、アナログケーブル4が正常にiPod(登録商標)2およびナビゲーション装置1に接続されていなければ、アナログケーブル4を介して映像データなどを取得することができない。そのため、例え最後に選択されたアイコンが「ビデオ」アイコンであっても、音楽プレイリストの表示を行うことが好ましい。
【0102】
一方、アナログケーブル4が正常にiPod(登録商標)2およびナビゲーション装置1に接続されていれば、アナログケーブル4を介して映像データなどを取得することができるので、映像プレイリストの表示を行うことが好ましい。ただし、アナログケーブル4が正常に接続されている場合は、音楽プレイリストを表示してもよいため、最後に選択されたアイコン(「ミュージックアイコン」又は「ビデオ」アイコン)に基づくプレイリスト(音楽又は映像プレイリスト)の表示を行ってもよい。
【0103】
そのほかにも、上記実施例では、「ビデオ」アイコンは、映像プレイリストを表示させるためのアイコンと説明したが、映像プレイリストに加えて、音楽プレイリストを表示させてもよい。この場合、上記特許文献1のように1以上の映像データを含むデータの再生指示が入力部13を介してなされると、制御部10は、iPod(登録商標)2にアナログ出力を指示(アナログ出力を示す操作信号を出力)し、映像データを含まないデータの再生指示が入力部13を介してなされると、制御部10は、iPod(登録商標)2にデジタル出力を指示(デジタル出力を示す操作信号を出力)してもよい。また、映像データが含まれるか否かにかかわらずアナログ出力を指示(アナログ出力を示す操作信号を出力)してもよい。
【0104】
また、USBケーブル3及びアナログケーブル4(すなわち、通信ケーブル6)が正常に接続され、映像プレイリストのうち、音楽データが対応付けられている映像データ(例えば、ミュージッククリップや動画など)がユーザにより選択された場合、上記実施例では、選択された映像データと当該映像データに対応付けられた音楽データが共にアナログ出力される場合を例示したが、これに限ることはなく、制御部10は、選択された映像データをアナログ出力するようにiPod(登録商標)2に指示(操作信号を出力)し、また、当該映像データに対応付けられた音楽データをデジタル出力するようにiPod(登録商標)2に指示(操作信号を出力)してもよく、この場合、アナログ入力部14に入力された映像データ(アナログ)は、表示部12に供給され表示部12に映像データに基づく映像が表示され、デジタル入出力部15に入力された音楽データは、制御部10にてアナログ変換されて音声出力部11へ供給され音声出力部11から音声出力される。
【0105】
さらに、上記実施例では、アナログケーブル14が正常に接続されているか否かの判定方法として、アナログケーブル14内の短絡線(A)が短絡したか否かで判定を行ったが、これに限ることはなく、例えば、アナログ入力部14に接触センサを設け、また、アナログ出力部24にも接触センサを設け、アナログケーブル14内に当該アナログ出力部24に設けられた接触センサからの出力を伝送する信号線を設ける構成とし、アナログ入力部14に設けられた接触センサ及びアナログ出力部24に設けられた接触センサからの出力に基づいて判定してもよい。
【0106】
さらに上記実施例では、iPod(登録商標)2を例示したため、デジタル通信を行うためのUSBケーブル3を介してiPod(登録商標)2へ指示(操作信号を出力)し、iPod(登録商標)2が指示に応じたデータ(映像データなど)をアナログ通信を行うためのアナログケーブル4を介して出力する場合を記載したが、例えば、2つのデジタル通信を行うためのUSBケーブルを、2つともナビゲーション装置1などの電子機器とiPod(登録商標)2などの外部機器とに接続し、ナビゲーション装置1などの電子機器が、一方のUSBケーブルを介してiPod(登録商標)2などの外部機器へ指示(操作信号を出力)し、外部機器から他方のUSBケーブルを介して出力されるデータ(指示に応じたデータ)を取得する場合にも本発明は適用可能である。
【0107】
すなわち、外部機器へ指示(操作信号を出力)するための第1のケーブル(上記実施例ではUSBケーブル3)と、外部機器から指示に応じて出力されるデータを取得するための第2のケーブル(上記実施例では、アナログケーブル4)が異なるケーブルであれば、第1のケーブルおよび第2のケーブルが共に正常に接続されている場合のみ、ナビゲーション装置1などの電子機器が第2のケーブルを介して外部機器から出力されるデータを取得することが可能となる。
【0108】
そのため、上記実施例と同様に、第1のケーブルと第2のケーブルが正常に接続されているか否かを判定し(例えば短絡線(A)が短絡したか否かに基づき)、判定結果に応じた処理を行うことで、第2のケーブルが正常に接続されていない状態で、データを第2のケーブルを介して出力するように外部機器へ指示(操作信号を出力)してしまうなどを防止することが可能となる。
【0109】
なお、アナログケーブル4内のGND線(ナビゲーション装置1内及び/又はiPod(登録商標)2内にて短絡するGND線)は、例えば、一端がナビゲーション装置1内で短絡するGND端子に接続されるようにナビゲーション装置1側のコネクタに設けられ、もう一端は、iPod(登録商標)2内で短絡するGND端子に接続されるように、iPod(登録商標)2側のコネクタに設けられる。また、これに限ることはなく、このGND線は、iPod(登録商標)2内で短絡するGND端子に直接接続されなくとも、例えば、通信ケーブル6のiPod(登録商標)2側のコネクタ内の基板上などでUSBケーブル3内のGND線に接続され、USBケーブル3内のGND線を介してiPod(登録商標)2内で短絡するGND端子に接続されてもよく、このような場合においては、アナログケーブル4とは、上記のアナログ音声信号線(音L、音R)、アナログ映像信号線(video)、短絡線(アナログケーブル4の接続状態を検出する短絡線)、及び、GND線(アナログケーブル4の接続状態を検出する短絡線とは異なるGND線)に加え、GND線(アナログケーブル4の接続状態を検出する短絡線とは異なるGND線)が接続されるUSBケーブル3内のGND線を含んでも良い。すなわち、このような場合では、USBケーブル3内のGND線は、USBケーブル3、且つ、アナログケーブル4の両方に含まれるとしてもよい。
【0110】
さらに、上記実施例において、USB通信でない場合(ステップS401のNO)、すなわち、USB通信機器が接続されていない場合、及び、iPod(登録商標)2のUSB通信である場合(ステップS403のYES)、すなわち、USBケーブル3を用いてナビゲーション装置1とiPod(登録商標)2が接続されている場合に、表示部12に表示されるメニュー画面のアイコンのうち「USB」アイコンをグレーアウト表示させることを例示したが、これに限ることはなく、「USB」アイコンをグレーアウト表示させずに、当該「USB」アイコンが入力部13を介して選択された場合にUSB通信機器(iPod(登録商標)2を含む)の接続状況を表示させるなどして報知させてもよい。
【0111】
すなわち、USB通信機器が接続されているか否か、USBケーブル3を用いてiPod(登録商標)2が接続されているか否かに関係なく、「USB」アイコンを表示させ、当該「USB」アイコンが入力部13を介して選択された場合に、USB通信機器が接続されていなければ、例えば「USB通信機器が接続されていません。」などのメッセージの表示や音声出力を表示部12や音声出力部11を介して行ってもよく、また、当該「USB」アイコンが入力部23を介して選択された場合に、USBケーブル3を用いてiPod(登録商標)2が接続されていれば、例えば、「iPodが接続されているため、iPodのアイコンを選択してください。」などのメッセージの表示や音声出力を表示部12や音声出力部11を介して行ってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 ・・・ナビゲーション装置
2 ・・・iPod(登録商標)
3 ・・・USBケーブル
4 ・・・アナログケーブル
5 ・・・USB延長ケーブル
6 ・・・通信ケーブル
10 ・・・制御部
11 ・・・音声出力部
12 ・・・表示部
13 ・・・入力部
14 ・・・アナログ入力部
15 ・・・デジタル入出力部
20 ・・・制御部
21 ・・・音声出力部
22 ・・・表示部
23 ・・・入力部
24 ・・・アナログ入力部
25 ・・・デジタル入出力部
26 ・・・映像/音楽データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のケーブルを介して外部機器へ操作信号を出力し、さらに、前記操作信号に応じて前記外部機器から出力されるデータを第2のケーブルを介して取得する電子機器において、
前記電子機器は、制御部を備え、
前記制御部は、前記第1のケーブルが正常に接続されているか否か、及び、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1のケーブルは、デジタル通信を行うためのケーブルであり、前記第2のケーブルは、アナログ通信を行うためのケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1のケーブルが正常に接続されているか否かの判定は、前記第1のケーブルが接続された際に前記外部機器から出力される応答信号に基づいて判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かの判定は、前記第2のケーブル内の短絡線が短絡しているか否かに基づいて判定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1のケーブルが正常に接続されている場合、前記制御部は、前記第1のケーブルを介して外部機器から取得する外部機器の識別情報に基づき、該外部機器が第2のケーブルを介するデータを出力する外部機器か否かを判定し、該外部機器が第2のケーブルを介するデータを出力する外部機器である場合に、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記電子機器は、表示部を備え、
前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かに応じて、前記外部機器から前記第2のケーブルを介して取得するデータのリストを表示するためのアイコンの表示様態を変更することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器は、入力部を備え、
前記第2のケーブルが正常に接続されている場合に、前記入力部を介して前記外部機器から前記第2のケーブルを介して取得するデータのリストを表示するためのアイコンが選択された場合、前記制御部は、前記外部機器から前記第2のケーブルを介して取得するデータのリストを前記表示部に表示することを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記電子機器は、入力部と、表示部を備え、
前記制御部は、前記第1のケーブルが正常に接続されている場合に、前記入力部を介して前記外部機器を示すアイコンが選択された場合、前記制御部は、前記第2のケーブルが正常に接続されているか否かに応じて、前記表示部に表示する前記外部機器から出力されるデータのリストを変更することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記電子機器は、表示部と、音声出力部を備え、
前記制御部は、前記外部機器から出力されるデータに基づく表示を前記表示部に表示させる、及び/又は、前記外部機器から出力されるデータに基づく音声出力を前記音声出力部から出力させることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記外部機器から第2のケーブルを介して取得するデータは映像データ及び/又は音楽データであることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−136133(P2012−136133A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289231(P2010−289231)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】