説明

電子機器

【課題】記憶媒体からデータを再生する際にかかる消費電力を低減させる。
【解決手段】記憶媒体に記憶されたデータを再生する制御を行う制御部を備えた電子機器において、第1の記憶媒体と前記第1の記憶媒体からデータを再生する際に要する消費電力に比べてデータを再生する際に要する消費電力が小さい第2の記憶媒体とに同一のデータが記憶されている場合、前記制御部は、前記第2の記憶媒体から当該同一のデータを再生する制御を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体に記憶されたデータを再生する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CD(Compact Disc)やHD(Hard Disk)などのディスク形状の記憶媒体や、SDカードやフラッシュメモリなどの半導体メモリに記憶された音楽データを再生するオーディオ装置(電子機器)が知られている。
【0003】
また、近年では、オーディオ装置自身がハードディスクや半導体メモリなどの記憶媒体を備えており、CDに記憶された音楽データをオーディオ装置が備える記憶媒体(半導体メモリなど)に記憶(録音)し、またオーディオ装置が備える記憶媒体に記憶(録音)された音楽データを再生することが行われている。
【0004】
なお、下記の特許文献1(特開2004−342247号公報)では、録音対象の音楽曲に関わる固有識別情報を検出し、この固有識別情報に該当する固有識別情報が記憶管理手段内にあるか否かを判定して(同じ音楽曲が既に録音されているか否かを判定して)、該当する固有識別情報がある場合、この録音対象の音楽曲を記憶手段に録音する録音動作を禁止するオーディオ装置を開示している。
【0005】
このオーディオ装置により、複雑な回路構成を用いることなく、同一音楽曲の重複録音を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−342247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、CDやハードディスクなどのディスク形状の記憶媒体から音楽データを再生する場合、CDドライブやHDドライブ(HDD)によりCDやハードディスクを回転させる必要がある。そのため、CDドライブやHDドライブ(HDD)が有するモータなどへの電力供給が必要であり、SDカードやフラッシュメモリなどの半導体メモリに比べ、音楽データを再生する際の消費電力が大きいことが知られている。
【0008】
そのため、オーディオ装置に挿入されたCDなどの記憶媒体とSDカードやフラッシュメモリなどの半導体メモリとに同一の曲(音楽データ)が記憶(録音)されている場合、半導体メモリから当該同一の曲(音楽データ)を再生することが好ましい。
【0009】
これにより、CDドライブやHDドライブ(HDD)が有するモータなどへの電力供給が不要となり、音楽データを再生する際の消費電力を小さくすることができる。
【0010】
そこで、本願発明では、第1の記憶媒体(CDなど)と、第2の記憶媒体(フラッシュメモリなど)とに、同一のデータが記憶されている場合、第2の記憶媒体(フラッシュメモリなど)から当該同一のデータを再生する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、記憶媒体に記憶されたデータを再生する制御を行う制御部を備えた電子機器において、第1の記憶媒体と前記第1の記憶媒体からデータを再生する際に要する消費電力に比べてデータを再生する際に要する消費電力が小さい第2の記憶媒体とに同一のデータが記憶されている場合、前記制御部は、前記第2の記憶媒体から当該同一のデータを再生する制御を行うことを特徴とする。
【0012】
これにより、第2の記憶媒体から当該同一のデータを再生するため、当該同一のデータを第1の記憶媒体から再生する場合に比べ、再生する際の消費電力を小さくすることができる。
【0013】
さらに、本願発明では、前記第1の記憶媒体はディスク形状の記憶媒体であり、前記第2の記憶媒体は半導体メモリであることが好ましい。
【0014】
さらに、本願発明では、前記制御部は、前記第1の記憶媒体に記憶されたデータの付加情報を第3の記憶媒体に記憶し、前記第3の記憶媒体に記憶された付加情報と、前記第2の記憶媒体に記憶されたデータの付加情報を比較することで、前記第1の記憶媒体と前記第2の記憶媒体とに同一のデータが記憶されているか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
これにより、第1の記憶媒体と第2の記憶媒体とに同一のデータが記憶されているか否かを判定することができる。
【0016】
さらに、本願発明の前記電子機器は、操作部を備え、前記操作部を介して前記第1の記憶媒体に記憶されたデータの再生が指示された場合に、前記第2の記憶媒体に前記再生が指示されたデータと同一のデータが記憶されている場合、前記制御部は、前記第2の記憶媒体から当該同一のデータを再生する制御を行うことを特徴とする。
【0017】
これにより、再生指示がなされたデータと同一のデータを第2の記憶媒体から再生することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、第1の記憶媒体(CDなど)と、第2の記憶媒体(フラッシュメモリなど)とに、同一のデータが記憶されている場合、第2の記憶媒体(フラッシュメモリなど)から当該同一のデータを再生するため、当該同一のデータを第1の記憶媒体(CDなど)から再生する場合に比べ、再生する際の消費電力を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例にかかるオーディオ装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかる制御部が行う制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためにオーディオ装置を例示するものであって、本発明をこのオーディオ装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電子機器にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の一実施例であるオーディオ装置1の構成ブロック図である。オーディオ装置1は、制御部10、CDドライブ11、CDDB(CD Data Base)12、HDドライブ13、フラッシュメモリ14、音声出力部15、表示部16、操作部17を備えて構成される。
【0022】
制御部10は、CPU101、ROM102、RAM103からなるプロセッサで構成され、ROM102、RAM103に記録された制御プログラムに従ってオーディオ装置1の各部の動作を制御・統括するものである。
【0023】
CDドライブ11は、挿入されたCD2に記憶された音楽データ及びTOC(Table of Contents)情報を制御部10の指示に基づき読み出す(再生する)。TOC情報は、CD2に記憶された音楽データの数(曲数)や演奏時間などの情報であり、制御部10は、このTOC情報と後述するCDDB12に基づいて、CD2に記憶された音楽データの付加情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)を特定する。
【0024】
CDDB12は、各種の音楽CDの音楽データに関する情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)のデータベースが記憶されたフラッシュメモリ等である。なお、この音楽データに関する情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)のデータベースは、ハードディスク(HDドライブ13内のハードディスク)の所定の記憶領域に記憶されていてもよく、その場合は、ハードディスク(HDドライブ13内のハードディスク)がCDDB12を含む構成となる。
【0025】
制御部10は、CDドライブ11により読み出されたTOC情報およびCDDB12に基づいて、CD2に記憶された音楽データの付加情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)を特定する。この付加情報は音楽データ毎(曲毎)に特定され、RAM103に記憶される。
【0026】
なお、本実施例においては、オーディオ装置1がCDDB12を備える構成としているが、これに限ることはなく、CDDB12をオーディオ装置1が備えなくとも、CDDB12を備える外部サーバと無線通信或いは有線通信などを行うことにより、CD2に記憶された音楽データの付加情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)を特定してもよい。例えば、通信部(不図示)を介して外部サーバにTOC情報を送信し、外部サーバにて当該TOC情報とCDDB12とに基づいて特定された音楽データの付加情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)を通信部(不図示)を介して受信することで特定される。
【0027】
HDドライブ13は、音楽データ及び当該音楽データの付加情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)を記憶するハードディスク(不図示)から音楽データや当該音楽データの付加情報を制御部10の指示に基づき読み出す(再生する)。
【0028】
フラッシュメモリ14は、半導体メモリであり、音楽データ及び当該音楽データの付加情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)を記憶する。フラッシュメモリ14に記憶されている音楽データ及び当該音楽データの付加情報は、任意の圧縮形式(例えば、MP3やWMAなど)で1つの音楽データ及び当該音楽データの付加情報を1つのファイルとして圧縮して記憶されており、例えば、圧縮形式がMP3であれば、ID3タグ領域に当該音楽データの付加情報(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)が含まれている。
【0029】
なお、図1のブロック図では、オーディオ装置1がフラッシュメモリ14を備える構成とするが、これに限ることはなく、フラッシュメモリ14は、オーディオ装置1に対して着脱可能であってもよい。すなわち、フラッシュメモリ14は、オーディオ装置1に対して着脱可能なSDカードなどであってもよい。
【0030】
また、上記のハードディスクやフラッシュメモリ14に記憶された音楽データ及び当該音楽データの付加情報は、過去にオーディオ装置1を用いてユーザがCDに記憶された音楽データなどを記憶(録音)させたものであってもよい。
【0031】
ハードディスクやフラッシュメモリ14に、CDに記憶された音楽データなどを記憶(録音)させる場合、制御部10は、ハードディスクやフラッシュメモリ14の記憶領域に、CD毎に対応したフォルダを作成し、このフォルダ内に、CDに記憶された音楽データのうち操作部17を介して指定された音楽データ(或いはCDに記憶された全ての音楽データ)及び音楽データの付加情報を圧縮して記憶させる。
【0032】
音声出力部15は、オーディオ装置1の操作に必要な音声、警告等のブザー音等を出力するスピーカなどで構成される。音声出力部15は、上記の音声などの他に、CD2に記憶された音楽データ、或いは、ハードディスクやフラッシュメモリ14に記憶された音楽データに基づく音声出力を行う。なお、音声出力部15がスピーカを備えなくとも、オーディオ装置1に接続されたスピーカを介して音声出力するものであってもよい。
【0033】
表示部16は、操作部17による入力作業のための画面を表示するものであり、例えば、液晶パネルによって構成される。なお、表示部16は、タッチパネルとすることで、操作部17の機能を持たせることもできる。
【0034】
操作部17は、ユーザによって操作され、再生や録音を行う音楽データの指定などを行うためのものである。また、操作部17は、上記のタッチパネル以外にも、オーディオ装置1に設けられたハードキーで構成されてもよいし、リモコンなどで構成されてもよい。
【0035】
以上が本発明の実施例におけるオーディオ装置1の構成の説明である。このようなオーディオ装置1において、例えば、表示部16に表示されたメニュー画面上などで、ユーザがタッチパネル(操作部17)を介して、CD2に記憶された音楽データの再生を指示した場合、制御部10は、CDドライブ11へ指定された音楽データの再生を指示し、CDドライブ11により読み出された(再生された)音楽データをD/A変換等した後、音声出力部15を介して音声出力を行う。これにより、ユーザが再生を指示した音楽データ(曲)を聞くことができる。
【0036】
しかしながら、上記の通り、CD2に記憶された音楽データを再生する場合、CDドライブ11が有するモータ(不図示)などへの電力供給が必要であり、フラッシュメモリ14に記憶された音楽データを再生する場合に比べ、消費電力が大きくなってしまう。
【0037】
そのため、CD2に記憶された音楽データを再生する場合に、同一の音楽データがフラッシュメモリ14に記憶されている場合、フラッシュメモリ14に記憶された音楽データを再生することが好ましい。
【0038】
次に、図2のフローチャートを用いて、本発明のオーディオ装置1の制御部10における制御動作の説明を行う。
【0039】
まず、ユーザによってCD2がCDドライブ11に挿入されると(ステップS201)、CDドライブ11がTOC情報を読み出して制御部10がTOC情報を取得する(ステップS202)。
【0040】
続いて、制御部10は、取得したTOC情報とCDDB12に基づいて、ステップS201にて挿入されたCD2に記憶された音楽データの付加情報(曲名や歌手名など)を特定する(ステップS203)。なお、特定した付加情報は、例えば、制御部10のRAM103などに記憶され、例えば、操作部17を介してCD2に記憶された音楽データのリスト表示の指示がなされた場合などに、制御部10は、この付加情報に基づくリスト(曲名のリストなど)を表示部16へ表示させる。そして、ユーザが操作部17を介して、表示されたリストから聞きたい曲(音楽データ)を選択することで、再生指示がなされる。
【0041】
次に、制御部10は、ステップS203において特定した音楽データの付加情報と、フラッシュメモリ14に記憶された音楽データの付加情報とを比較し(ステップS204)、
同一の音楽データが存在するか否かを判定する(ステップS205)。
【0042】
ここで、同一の音楽データが存在するか否かの判定は、種々の方法を用いることが可能である。例えば、ステップS203において特定した付加情報と、フラッシュメモリ14に記憶されている付加情報(MP3形式の圧縮であればID3タグ領域に含まれる付加情報)とを比較することで行われてもよい。
【0043】
この場合、比較する項目は、付加情報に含まれる全ての項目(曲名、歌手名、アルバム名、ジャンル、演奏時間など)であってもよいし、全ての項目を比較せずとも、特定の項目(例えば、曲名と歌手名)のみを比較しても良い。
【0044】
そして、付加情報に含まれる全ての項目或いは特定の項目が同一である音楽データの付加情報がフラッシュメモリ14に記憶されている場合に、同一の音楽データが存在すると判定を行う。
【0045】
なお、ステップS203では、CD2に記憶された音楽データ毎の付加情報が特定される。すなわち、例えば、CD2に10曲の音楽データが記憶されている場合であれば、10個の付加情報が特定される。
【0046】
ステップS205では、この10個の付加情報とフラッシュメモリ14に記憶された付加情報とをそれぞれ比較し、10個の付加情報のうち1つでも同一の付加情報が存在すれば(付加情報に含まれる全ての項目或いは特定の項目が同一である付加情報がフラッシュメモリ14に記憶されていれば)、同一の音楽データが存在する(ステップS205のYES)と判定を行う。
【0047】
同一の音楽データが存在しない場合(ステップS205のNO)、すなわち、CD2に記憶された音楽データ毎の付加情報に含まれる全ての項目或いは特定の項目が同一である音楽データの付加情報がフラッシュメモリ14に記憶されていない場合に、操作部17を介してCD2に記憶された音楽データの再生指示がなされると(ステップS206のYES)、制御部10は、CDドライブ11へ再生指示があった音楽データを再生(読み出す)するように指示し、CDドライブ11により再生された音楽データをD/A変換等し、音声出力部15を介して音声出力する(ステップS207)。
【0048】
一方、同一の音楽データが存在する場合(ステップS205のYES)、すなわち、CD2に記憶された音楽データ毎の付加情報に含まれる全ての項目或いは特定の項目が同一である音楽データの付加情報が1つでもフラッシュメモリ14に記憶されている場合、制御部10は、RAM103に記憶された音楽データの付加情報(CD2に記憶された音楽データの付加情報)のうち、当該同一の音楽データの付加情報にフラグを立てる(ステップS208)。ステップS208では、フラグを立てる例を示すが、これに限ることはなく、当該同一の音楽データを識別可能な識別情報を制御部10のRAM103などに記憶することであってもよい。すなわち、CD2に記憶された音楽データとフラッシュメモリ14に記憶されている音楽データが同一であることを識別することができるような情報を記憶する。
【0049】
次に、制御部10は、操作部17を介してCD2に記憶された音楽データの再生指示がなされたか否かを判定し(ステップS209)、CD2に記憶された音楽データの再生指示がなされた場合(ステップS209のYES)、再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)がフラッシュメモリ14に記憶されているか否かを判定する(ステップS210)。
【0050】
ここで、再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)がフラッシュメモリ14に記憶されているか否かの判定は、再生指示がなされた音楽データの付加情報(RAM103に記憶された付加情報)にステップS208において立てたフラグがあるか否かで判定しても良いし、上記のように同一の音楽データ(CD2およびフラッシュメモリ14に記憶された音楽データ)の識別情報を制御部10のRAM103などに記憶する場合であれば、再生指示がなされた音楽データの識別情報が制御部10のRAM103に記憶されているか否かで判定を行う。
【0051】
再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)がフラッシュメモリ14に記憶されている場合(ステップS210のYES)、制御部10は、フラッシュメモリ14に記憶されている音楽データ(再生指示がなされた音楽データと同一の音楽データ)を読み出して、D/A変換等し、音声出力部15を介して音声出力する(ステップS211)。
【0052】
すなわち、ユーザが操作部17を介してCD2に記憶された音楽データの再生指示を行った場合に、フラッシュメモリ14に再生指示がなされた音楽データと同一の音楽データが記憶されている場合は、フラッシュメモリ14から音楽データ(再生指示がなされた音楽データと同一の音楽データ)を再生(読み出す)する。
【0053】
これにより、CD2から音楽データを再生する場合に比べ、消費電力を小さくすることができる。
【0054】
なお、再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)がフラッシュメモリ14に記憶されていない場合(ステップS210のNO)、制御部10は、CDドライブ11へ再生指示があった音楽データを再生(読み出す)するように指示し、CDドライブ11により再生された音楽データをD/A変換等し、音声出力部15を介して音声出力する(ステップS212)。
【0055】
なお、ステップS206、ステップS209において、操作部17を介してCD2に記憶された音楽データの再生指示がなされていない場合は、本発明の処理を終了する。
【0056】
以上が本発明の実施例の説明である。実施例にて説明した通り、本発明では、操作部17を介してCD2に記憶された音楽データの再生指示を行った場合に、フラッシュメモリ14に再生指示がなされた音楽データと同一の音楽データが記憶されている場合は、フラッシュメモリ14から音楽データ(再生指示がなされた音楽データと同一の音楽データ)を再生(読み出す)する。これにより、CD2から音楽データを再生する場合に比べ、消費電力を小さくすることができる。
【0057】
なお、本発明は上記実施例に限らず種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施例では、CD2から音楽データを再生する場合、CD2を回転させるためのモータなどへの電力供給が必要であり、フラッシュメモリ14から音楽データを再生する場合に比べて、消費電力が大きいため、フラッシュメモリ14に再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)と同一の音楽データが記憶されている場合は、フラッシュメモリ14から音楽データ(再生指示がなされた音楽データと同一の音楽データ)を再生(読み出す)する場合を例示したが、これに限らず、例えば、消費電力測定の測定結果などによりCD2から音楽データを再生する場合に比べて、HDドライブ13のハードディスクから音楽データを再生する方が小さい場合なども同様に、ハードディスクに再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)と同一の音楽データが記憶されている場合は、ハードディスクから音楽データ(再生指示がなされた音楽データと同一の音楽データ)を再生(読み出す)することが好ましい。
【0058】
なお、CD2に記憶された音楽データと同一の音楽データがハードディスクに記憶されているか否かの判定は、上記のように、付加情報を特定して、全ての項目或いは特定の項目が同一である付加情報がハードディスクに記憶されているか否かで判定しても良いが、過去にオーディオ装置1を用いてCDに記憶された音楽データをハードディスクに記憶(録音)させる際に、音楽データ及びTOC情報をハードディスクに記憶(録音)させている場合であれば、挿入されたCD2に記憶されたTOC情報と、ハードディスクに記憶に記憶されたTOC情報を比較することで、同一の音楽データがハードディスクに記憶されているか否かの判定を行っても良い。
【0059】
この場合、同一のTOC情報がハードディスクに記憶されていれば、挿入されたCD2に記憶された全ての音楽データがハードディスクに記憶されているため、CD2に記憶された音楽データの再生指示があれば、当該音楽データと同一の音楽データをハードディスクから再生する。
【0060】
さらに、再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)と同一の音楽データがフラッシュメモリ14及びハードディスクに記憶されている場合は、再生する際の消費電力が小さいフラッシュメモリ14から再生し、また、再生指示がなされた音楽データ(CD2に記憶された音楽データ)と同一の音楽データがハードディスクにのみ記憶されている場合であれば、ハードディスクから再生することとしてもよい。
【0061】
また、上記実施例では、操作部17を介して音楽データの再生指示がなされる場合を例示したが、これに限ることはなく、操作部17を介して再生指示がなされた音楽データを再生した後、次の音楽データ(トラックナンバーが再生指示がなされた音楽データの次に小さい音楽データなど)も本発明の処理を行っても良い。
【0062】
すなわち、再生指示がなされた音楽データを(CD2又はフラッシュメモリ14から)再生した後、次の音楽データについても、フラッシュメモリ14に同一の音楽データが存在するか否かを判定し、存在する場合はフラッシュメモリ14から再生するなどの処理を行っても良い。
【0063】
さらに、CD2に記憶された音楽データの再生指示がなされた際に、再生する順番として、トラックナンバーではなく、フラッシュメモリ14に同一の音楽データが存在するか否かで再生する順番を変更しても良い。すなわち、CD2に記憶された音楽データ(10曲)のうち、5曲の音楽データがフラッシュメモリ14に記憶されている場合、当該5曲の音楽データを連続(順不同)で再生することが好ましい。これにより、CDドライブ11による再生とフラッシュメモリ14からの再生が頻繁に繰り返されることを防止することができる。
【0064】
なお、本実施例においては、音楽データを再生するオーディオ装置1を例示したが、これに限ることはなく、例えば、オーディオ装置1に変えて映像データ及び音楽データを再生するビデオ再生装置であってもよい。
【0065】
ビデオ再生装置である場合、CDドライブ11ではなく、DVDドライブを備える構成とし、DVDドライブに挿入されるDVDに記憶された映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データと同一の映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データが、フラッシュメモリ14(或いはハードディスク)に記憶されているか否かを判定する。
【0066】
フラッシュメモリ14(或いはハードディスク)に、DVDに記憶された映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データと同一の映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データが記憶されているか否かの判定は、DVDドライブにより読み出されたDVDに記憶されたビデオID(CDのTOC情報に相当し、映画タイトルなどを識別するための情報)と、DVDデータベース(CDDBに相当)とに基づいて、DVDに記憶された映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データの付加情報(タイトルなど)を特定し、この付加情報の全ての項目或いは特定の項目が同一である付加情報がフラッシュメモリ14(或いはハードディスク)に記憶されているか否かで判定する。
【0067】
そして、同一の映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データがフラッシュメモリ14(或いはハードディスク)に記憶されている場合に、DVDに記憶された映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データの再生指示がなされると、制御部10は、フラッシュメモリ14(或いはハードディスク)から当該同一の映像データ及び当該映像データに対応付けられた音楽データを読み出し(再生し)、映像データに基づく表示(映像)を表示部16へ表示させ、音楽データに基づく音声出力を音声出力部15を介して行う。
【0068】
これにより、音楽データを再生するオーディオ装置に限らず、ディスク形状の記憶媒体に記憶されたデータと同一のデータ(映像データなど)が半導体メモリに記憶されている場合、半導体メモリから読み出す(再生する)ことで、消費電力を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 ・・・オーディオ装置
2 ・・・CD
10・・・制御部
101・・CPU
102・・ROM
103・・RAM
11・・・CDドライブ
12・・・CDDB
13・・・HDドライブ
14・・・フラッシュメモリ
15・・・音声出力部
16・・・表示部
17・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記憶されたデータを再生する制御を行う制御部を備えた電子機器において、
第1の記憶媒体と前記第1の記憶媒体からデータを再生する際に要する消費電力に比べてデータを再生する際に要する消費電力が小さい第2の記憶媒体とに同一のデータが記憶されている場合、前記制御部は、前記第2の記憶媒体から当該同一のデータを再生する制御を行うことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の記憶媒体はディスク形状の記憶媒体であり、前記第2の記憶媒体は半導体メモリであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の記憶媒体に記憶されたデータの付加情報を第3の記憶媒体に記憶し、前記第3の記憶媒体に記憶された付加情報と、前記第2の記憶媒体に記憶されたデータの付加情報を比較することで、前記第1の記憶媒体と前記第2の記憶媒体とに同一のデータが記憶されているか否かを判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器は、操作部を備え、
前記操作部を介して前記第1の記憶媒体に記憶されたデータの再生が指示された場合に、前記第2の記憶媒体に前記再生が指示されたデータと同一のデータが記憶されている場合、前記制御部は、前記第2の記憶媒体から当該同一のデータを再生する制御を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に電子機器。

【図1】
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【図2】
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