説明

電子機器

【課題】 回路モジュールの冷却性能を十分に確保しつつ、冷却風に含まれる塵埃等による回路モジュールの損傷を防止できる電子機器を得ることにある。
【解決手段】 電子機器は、吸気口(9a, 9b)および排気口(10a, 10b)が設けられた筐体(2)を有している。筐体(2)の内部に発熱する回路モジュール(3)が収容されている。回路モジュール(3)は、カバー(28)で覆われているとともに、ヒートシンク(20)に熱的に接続されている。ヒートシンク(20)は、筐体(2)内に露出されている。筐体(2)の内部に第1の通風路(25)および第2の通風路(26)が設けられている。第1の通風路(25)と第2の通風路(26)とは、筐体(2)内で互いに仕切られている。ヒートシンク(20)は、第1の通風路(25)に位置されている。カバー(28)は、第2の通風路(26)に露出されている。さらに、筐体(2)にファン(4)が設けられている。ファン(4)は、第1および第2の通風路(25, 26)内に冷却用空気を流す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、筐体の内部に発熱する回路モジュールを収容した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば通信機用アンプのような電子機器では、筐体内に収容された回路モジュールを、ファンを用いて強制的に冷却する、いわゆる強制空冷方式が採用されている。
【0003】
ファンは、筐体内に空気を吸い込んで筐体の外に吐き出すことで、筐体の内部の通気性を高めている。この結果、筐体の内部に冷却風の流れが形成され、この冷却風により回路モジュールが冷やされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−119844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子機器の使用形態によっては、筐体の内部に吸い込まれる空気中に埃や湿気等が含まれることがあり得る。空気中の埃や湿気が回路モジュールを構成する回路部品あるいは導体パターンに付着すると、回路モジュールが損傷したり、故障の要因となるのを否めない。
【0006】
このことから、回路モジュールの冷却性能を十分に確保しつつ、冷却風に含まれる埃等による回路モジュールの損傷を防止できる電子機器が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、電子機器は、吸気口および排気口が設けられた筐体を有している。筐体の内部に発熱する回路モジュールが収容されている。回路モジュールは、カバーで覆われているとともに、ヒートシンクに熱的に接続されている。ヒートシンクは、筐体内に露出されている。筐体の内部に第1の通風路および第2の通風路が設けられている。第1の通風路と第2の通風路とは、筐体内で互いに仕切られている。ヒートシンクは、第1の通風路に位置されている。カバーは、第2の通風路に露出されている。さらに、筐体にファンが設けられている。ファンは、第1の通風路および第2の通風路内に冷却用空気を流す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る電子機器の断面図。
【図2】図1の矢印F2−F2に沿う断面図。
【図3】図1の矢印F3の方向から見た電子機器の正面図。
【図4】第2の実施形態に係る電子機器の断面図。
【図5】第3の実施形態に係る電子機器の断面図。
【図6】図5の矢印F6−F6に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図3を参照して説明する。
【0010】
図1および図2は、例えば通信機用アンプのような電子機器1を開示している。電子機器1は、例えばキャビネットラックと称する箱形の架台に収容されている。架台は、電子機器1を据え付ける棚板と、電子機器1を出し入れする開口部と、開口部を開閉する扉と、を備えている。
【0011】
このため、架台の扉を開けることで、棚板の上に置かれた電子機器1を開口部から架台の外に露出させて、例えば電子機器1の保守点検あるいは交換作業を行うことができる。
【0012】
電子機器1は、キャビネットラックに収容して使用するものに限らず、例えば電柱等に取り付けて屋外で使用するものであってもよい。
【0013】
図1および図2に示すように、電子機器1は、金属製の筐体2、回路モジュール3および二台の電動ファン4を備えている。
【0014】
筐体2は、四角い箱形であり、例えば本体5と天板6とで構成されている。本体5は、底板7a、前板7b、背板7c、左側板7dおよび右側板7eを有している。前板7b、背板7cおよび左右の側板7d,7eは、底板7aの周縁から起立されて、本体5の周方向に連続している。天板6は、前板7b、背板7cおよび左右の側板7d,7eの各上縁で規定された開口部を閉塞している。
【0015】
図1および図3に示すように、第1の吸気口9aおよび第2の吸気口9bが筐体2の前板7bに形成されている。第1の吸気口9aおよび第2の吸気口9bは、例えば筐体2の幅方向に延びるスリット状であり、筐体2の高さ方向に間隔を存して平行に配置されている。
【0016】
第1の排気口10aおよび第2の排気口10bが本体5の背壁7cに形成されている。第1の排気口10aおよび第2の排気口10bは、例えば円形の孔であって、筐体2の幅方向に互いに離れているとともに、第1の吸気口9aおよび第2の吸気口9bの反対側に位置されている。
【0017】
一対の金属製ブラケット11a,11bが筐体2の側板7d,7eの内面に固定されている。ブラケット11a,11bは、筐体2の奥行き方向に沿う全長に亘って延びている。ブラケット11a,11bは、夫々フランジ部12を有している。フランジ部12は、側板7d,7eの内面から筐体2の内側に向けて水平に張り出すとともに、筐体2の幅方向に互いに向かい合っている。
【0018】
回路モジュール3は、筐体2の内部に収容されている。回路モジュール3は、プリント配線板14と、複数の回路部品15とを備えている。プリント配線板14は、複数のパッドや導体パターンが形成された第1の面14aと、第1の面14aの反対側に位置された第2の面14bとを有している。
【0019】
さらに、プリント配線板14の中央部に貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、プリント配線板14の第1の面14aおよび第2の面14bに開口されている。
【0020】
回路部品15は、プリント配線板14の第1の面14aに実装されている。回路部品15は、半導体パッケージ17を含んでいる。半導体パッケージ17は、プリント配線板14の貫通孔16に入り込んでいるとともに、第1の面14aの上のパッドに半田付けされている。半導体パッケージ17の底は、貫通孔16を通じてプリント配線板14の第2の面14bと同一の面上に露出されている。
【0021】
例えば抵抗のような特定の回路部品15および半導体パッケージ17は、動作中に発熱を伴う発熱体の一例である。発熱する回路部品15および半導体パッケージ17は、正常な動作を維持するために冷却を必要としている。そのため、本実施形態の回路モジュール3は、図1および図2に示すようなヒートシンク20を介して筐体2に支持されている。
【0022】
ヒートシンク20は、例えば熱伝導性に優れたアルミニウム合金で構成されている。ヒートシンク20は、ベース21と複数の放熱フィン22とを有している。ベース21は、四角い板であり、ブラケット11a,11bのフランジ部12の間に跨るような幅寸法を有している。ベース21の左右の側縁部は、夫々複数のねじを介してフランジ部12の上に固定されている。
【0023】
ベース21は、第1の面23aと第2の面23bとを有している。第1の面23aは、筐体2の底板7aと向かい合っている。第2の面23bは、第1の面23aの反対側に位置されているとともに、筐体2の天板6の方向を向いている。
【0024】
放熱フィン22は、ベース21の第1の面23aから突出されて、筐体2の内部に露出されている。放熱フィン22は、筐体2の奥行き方向に真っ直ぐに延びているとともに、筐体2の幅方向に間隔を存して並んでいる。
【0025】
回路モジュール3は、ベース21の第2の面23bの上に支持されている。具体的には、回路モジュール3のプリント配線板14がベース21の第2の面23bに複数のねじを介して固定されている。この固定により、プリント配線板14の第2の面14bがベース21の第2の面23bに面接触されて、プリント配線板14がベース21に熱的に接続されている。
【0026】
さらに、プリント配線板14の貫通孔16に収容された半導体パッケージ17は、複数のねじを介してベース21の第2の面23bに固定されている。この固定により、半導体パッケージ17の底がベース21の第2の面23bに面接触されて、半導体パッケージ17がベース21に熱的に接続されている。
【0027】
図1および図2に示すように、ブラケット11a,11bおよびヒートシンク20のベース21は、互いに協働して筐体2の内部を第1の通風路25と第2の通風路26とに仕切っている。第1の通風路25は、ベース21と筐体2の底板7aとの間に位置されているとともに、筐体2の第1の吸気口9aと第1および第2の排気口10a,10bとの間を結んでいる。ベース21の第1の面23aおよび放熱フィン22は、第1の通風路25内に位置されている。
【0028】
第2の通風路26は、ベース21と筐体2の天板6との間に位置されている。第2の通風路26は、筐体2の第2の吸気口9bと第1および第2の排気口10a,10bとの間を結んでいる。第1の通風路25の下流端および第2の通風路26の下流端は、筐体2の内部で互いに合流されている。第1の通風路25と第2の通風路26との合流部27は、第1および第2の排気口10a,10bの直前に位置されている。
【0029】
図1および図2に示すように、ベース21の上の回路モジュール3は、箱形のカバー28で覆われている。カバー28は、例えばアルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料で構成されている。カバー28は、ベース21に支持されているとともに、一端が筐体2の前板7bの内面に突き当てられている。そのため、カバー28は、ベース21および前板7bと協働して回路モジュール3を収容する密閉空間29を構成している。
【0030】
カバー28は、第2の通風路26内に露出されている。言い換えると、カバー28は、回路モジュール3が第2の通風路26内に露出することがないように、回路モジュール3が収容された密閉空間29を第2の通風路26から隔離している。
【0031】
図1に示すように、電動ファン4は、第1および第2の排気口10a,10bに対応するように筐体2の背板7cに取り付けられている。
【0032】
電動ファン4は、ファンケーシング31と羽根車32とを備えている。ファンケーシング31は、吸込口33および吐出口34を有している。吸込口33は、第1および第2の排気口10a,10bに通じている。吐出口34は、筐体2の外に開口されている。羽根車32は、ファンケーシング31に支持されて、吸込口33と吐出口34との間に位置されている。
【0033】
羽根車32が回転すると、筐体2の内部の空気が第1および第2の排気口10a,10bから電動ファン4に吸い込まれる。これにより、筐体2の外の空気が第1の吸気口9aから第1の通風路25の上流端に取り込まれるとともに、第2の吸気口9bから第2の通風路26の上流端に取り込まれる。第1および第2の通風路25,26に取り込まれた空気は、冷却風となって第1および第2の通風路25,26を第1および第2の排気口10,10bに向けて流れる。
【0034】
半導体パッケージ17が発する熱の多くは、ヒートシンク20のベース21に直に伝えられる。それとともに、回路部品15が発する熱の多くは、プリント配線板14を介してベース21に伝えられる。ベース21に伝えられた熱は、ベース21の第1の面23aおよび放熱フィン22の外周面から第1の通風路25に放出される。
【0035】
さらに、半導体パッケージ17および回路部品15からの輻射熱により密閉空間29の温度が上昇する。それとともに、カバー28が半導体パッケージ17および回路部品15の輻射熱の影響を受けて高温となる。カバー28に伝えられた熱は、カバー28の表面から第2の通風路26に放出される。
【0036】
第1の実施形態によると、電動ファン4の動作に伴って筐体2の外の空気が第1の通風路25および第2の通風路26に個別に取り込まれる。第1の通風路25に取り込まれた空気は、図1に矢印Aで示すように、冷却風となって第1の通風路25を第1および第2の排気口10a,10bに向けて流れる。
【0037】
すなわち、第1の通風路25を流れる冷却風は、ヒートシンク20の放熱フィン22の間を通過する。これにより、放熱フィン22と冷却風との間で熱交換が行われて、放熱フィン22に伝えられた熱が冷却風の流れに乗じて持ち去られる。この結果、ヒートシンク20からの放熱が促進される。放熱フィン22との熱交換により暖められた冷却風は、筐体2の第1および第2の排気口10a,10bから電動ファン4を通じて筐体2の外に排出される。
【0038】
一方、第2の通風路26に取り込まれた空気は、図1に矢印Bで示すように、冷却風となって第2の通風路26を第1および第2の排気口10a,10bに向けて流れる。
【0039】
すなわち、冷却風は、カバー28の表面に沿って第2の通風路26を通過する。これにより、カバー28と冷却風との間で熱交換が行われて、カバー28からの放熱が促進されるとともに、密閉空間29の温度上昇が抑制される。カバー28との熱交換により暖められた冷却風は、筐体2の第1および第2の排気口10a,10bから電動ファン4を通じて筐体2の外に排出される。
【0040】
このような第1の実施形態によれば、回路モジュール3に熱的に接続されたヒートシンク20は、第1の通風路25を流れる冷却風によって冷却され、回路モジュール3の輻射熱を受けるカバー28は、第2の通風路26を流れる冷却風によって冷却される。
【0041】
言い換えると、筐体2の外の冷たい空気がヒートシンク20およびカバー28の双方に個々に導かれる。この結果、ヒートシンク20がカバー28との熱交換により暖められた冷却風の熱影響を受けることはないとともに、カバー28がヒートシンク20との熱交換により暖められた冷却風の熱影響を受けることはない。
【0042】
したがって、回路モジュール3の熱をヒートシンク20から積極的に放出しつつ、カバー28で覆われた回路モジュール3の雰囲気温度を低く抑えることができる。よって、回路モジュール3の冷却性能を十分に確保することができる。
【0043】
しかも、回路モジュール3は、第2の通風路26から隔離された密閉空間29に収容されているので、回路モジュール3が冷却風の流れに直接晒されずに済む。このため、冷却風の中に含まれた埃等の塵埃あるいは湿気がプリント配線板14のパッドや導体パターンに付着するのを回避できる。よって、回路モジュール3の損傷あるいは故障を防止することができ、電子機器1の動作の信頼性を高めることができる。
【0044】
第1の実施形態では、第1の通風路の下流端と第2の通風路の下流端を排気口の直前で互いに合流させているが、両方の通風路の下流端を互いに仕切られたままの状態で排気口に連通させてもよい。
【0045】
さらに、回路モジュールを覆うカバーは金属製に限らず、例えば樹脂製としてもよい。この場合、カバーに電磁的なシールド性能が要求される場合は、カバーの表面に金属めっきを施すことが望ましい。
【0046】
加えて、ファンの数にしても第1の実施形態に限らず、例えば一つのファンで筐体内の空気を吸い込むようにしてもよい。
【0047】
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態を開示している。
【0048】
第2の実施形態は、第1の通風路を流れる冷却風の流量を第2の通風路を流れる冷却風の風量よりも多くするようにした点が第1の実施形態と相違している。これ以外の電子機器の構成は、第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
図4に示すように、第1の通風路25の下流端と第2の通風路26の下流端との合流部27に制御板41が配置されている。制御板41は、筐体2の背板7cと向かい合うカバー28の後面に固定されて、筐体2の幅方向に延びている。
【0050】
さらに、制御板41は、第2の通風路26の下流端から第1および第2の排気口10a,10bに向かう冷却風の流れを絞るように、カバー28の後面から筐体2の背板7cに向けて斜めに張り出している。制御板41の先端は、背板7cの直前で第1および第2の排気口10a,10bの上部を横切っている。
【0051】
このため、制御板41の存在により、第2の流通路26の下流端に対する第1および第2の排気口10a,10bの開口領域が、第1の流通路25の下流端に対する第1および第2の排気口10a,10bの開口領域よりも狭くなっている。
【0052】
このような第2の実施形態によれば、第2の通風路26の下流端から第1および第2の排気口10a,10bに向かう冷却風の流れが、合流部27に配置された制御板41によって絞られる。
【0053】
このため、電動ファン4は、第1の通風路25内の空気を第2の通風路26内の空気よりも多く吸い込むことになり、第1の通風路25を流れる冷却風の風量が第2の通風路26を流れる冷却風の風量をよりも多くなる。第1の通風路25を流れる冷却風の風量と、第2の通風路26を流れる冷却風の風量との割合は、例えば7:3とすることが望ましい。
【0054】
この結果、回路モジュール3の熱を直に受けるヒートシンク20に冷却風を十分に導くことができる。よって、ヒートシンク20の放熱性能を促進させて、回路モジュール3の冷却性能を高めることができる。
【0055】
第1の通風路25を流れる冷却風の風量を第2の通風路26を流れる冷却風の風量をよりも多くする手段は、前記制御板に限らない。例えば、第1の通風路の下流端および第2の通風路の下流端に個々に電動ファンの吐出口を連通させ、第1の通風路に対応する電動ファンの吸い込み性能を第2の通風路に対応する電動ファンの吸い込み性能を高くすることでも実施可能である。
【0056】
[第3の実施形態]
図5および図6は、第3の実施形態を開示している。
【0057】
第3の実施形態は、ヒートシンクを筐体に支持する構成が第1の実施の形態と相違している。これ以外の電子機器の構成は、第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0058】
図5および図6に示すように、複数の支柱51が筐体2の底板7aに固定されている。支柱51は、底板7aから垂直に起立されている。ヒートシンク20のベース21は、支柱51の上端面に重ね合わされるとともに、複数のねじ52を介して支柱51に固定されている。このため、ヒートシンク20のベース21は、支柱51の高さに相当する分だけ筐体2の底板7aから離れている。
【0059】
図6に示すように、ヒートシンク20のベース21およびカバー28は、筐体2の左側板7dおよび右側板7eから離れている。これに伴い、第1の隙間53aがベース21およびカバー28と筐体2の左側板7dとの間に形成され、第2の隙間53bがベース21およびカバー28と筐体2の右側板7eとの間に形成されている。
【0060】
そのため、第3の実施形態では、第1の通風路25と第2の通風路26との間が第1および隙間53a,53bを通じて互いに連通されている。
【0061】
このような第3の実施形態によると、回路モジュール3に熱的に接続されたヒートシンク3は、第1の通風路25を流れる冷却風によって冷却され、回路モジュール3の輻射熱を受けるカバー28は、第2の通風路26を流れる冷却風によって冷却される。
【0062】
このことから、筐体2の外の冷たい空気がヒートシンク3およびカバー28に個々に導かれることになる。したがって、ヒートシンク3がカバー28との熱交換により暖められた冷却風の熱影響を受け難くなるとともに、カバー28がヒートシンク3との熱交換により暖められた冷却風の熱影響を受け難くなる。よって、前記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
2…筐体、3…回路モジュール、4…ファン(電動ファン)、9a,9b…吸気口(第1の吸気口、第2の吸気口)、10a,10b…排気口(第1の排気口、第2の排気口)、15,17…発熱体(回路部品、半導体パッケージ)、20…ヒートシンク、25…第1の通風路、26…第2の通風路、28…カバー、41…手段(制御板)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口および排気口を有する筐体と、
前記筐体内に収容された発熱する回路モジュールと、
前記筐体内で前記回路モジュールを覆うカバーと、
前記回路モジュールに熱的に接続されるとともに、前記筐体内に露出されたヒートシンクと、
前記吸気口と前記排気口との間を結ぶように前記筐体内に設けられ、前記ヒートシンクが位置された第1の通風路と、
前記吸気口と前記排気口との間を結ぶように前記筐体内に設けられ、前記カバーが露出されるとともに、前記筐体内で前記第1の通風路と仕切られた第2の通風路と、
前記筐体に設けられ、前記第1の通風路および前記第2の通風路に冷却用空気を流すファンと、
を具備した電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記ヒートシンクは、第1の面および第1の面の反対側に位置された第2の面を有するベースと、前記ベースの第1の面から前記第1の通風路に向けて突出された複数の放熱フィンと、を含み、前記回路モジュールは、前記ベースの前記第2の面に支持された電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記回路モジュールは、配線板と、この配線板に実装された発熱体と、を含み、前記配線板および前記発熱体が前記ベースに熱的に接続された電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記カバーは、前記ベースと協働して前記回路モジュールを収容する密閉空間を構成し、前記密閉空間は、前記筐体内で前記第2の通風路から隔離された電子機器。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記第1の通風路の下流端および前記第2の通風路の下流端は、前記筐体内で互いに合流されて前記排気口に連通されているとともに、前記ファンは、前記排気口を介して前記第1の通風路および前記第2の通風路内の空気を吸引する電子機器。
【請求項6】
排気口を有する筐体と、
前記筐体内に収容された発熱する回路モジュールと、
前記筐体内で前記回路モジュールを覆うカバーと、
前記回路モジュールに熱的に接続されるとともに、前記筐体内に露出されたヒートシンクと、
前記筐体内に設けられ、前記ヒートシンクが位置された第1の通風路と、
前記筐体内に設けられ、前記カバーが露出された第2の通風路と、
前記筐体に設けられ、前記第1の通風路および前記第2の通風路に冷却用空気を流すファンと、
前記第1の通風路を流れる冷却用空気の流量を前記第2の通風路を流れる冷却用空気の流量よりも多くする手段と、
を具備した電子機器。
【請求項7】
請求項6の記載において、前記手段は、前記第2の通風路の下流端から前記排気口に向かう空気の流れを絞る制御板を含み、前記制御板は、前記第1の通風路の下流端と前記第2の通風路の下流端との合流部に設けられた電子機器。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体内に収容された発熱体と、
前記筐体内で前記発熱体を覆うカバーと、
前記発熱体に熱的に接続されるとともに、前記筐体内に露出されたヒートシンクと、
前記筐体内に設けられ、前記ヒートシンクを冷却する空気が流れる第1の通風路と、
前記筐体内に設けられ、前記カバーを冷却する空気が流れる第2の通風路と、
を具備した電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、前記ヒートシンクは、前記第1の通風路に位置された電子機器。
【請求項10】
請求項9の記載において、前記カバーは、前記発熱体の熱を受けるとともに、前記第2の通風路に露出された電子機器。
【請求項11】
請求項10の記載において、前記ヒートシンクは、第1の面および第1の面の反対側に位置された第2の面を有するベースと、前記ベースの第1の面から前記第1の通風路に向けて突出された複数の放熱フィンと、を含み、前記発熱体は、前記ベースの前記第2の面に熱的に接続された電子機器。
【請求項12】
請求項11の記載において、前記カバーは、前記ベースと協働して前記発熱体を収容する密閉空間を構成し、前記密閉空間は、前記筐体内で前記第2の通風路から隔離された電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−164939(P2012−164939A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26301(P2011−26301)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】