説明

電子機器

【課題】部品点数を削減できてコストダウンが図れ、タッチパネルの振動の抑制を可能な限り軽減できると共に、装置の小型・薄型化が図れる電子機器を提供する。
【解決手段】タッチパネル20と、タッチパネル20に装着されて、タッチパネル20を振動させる振動部材24,25と、タッチパネル20の裏面20bと離間対向して配置された回路基板40と、回路基板40にタッチパネル20を振動可能に支持し、タッチパネル20および振動部材24,25の少なくとも一方と電気的に接続される複数の導電性弾性支持部材60a,60bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備える電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、電子機器の入力装置として、タッチパネルやタッチパッドなど(以下、これらを総称してタッチパネルと言う)が広く採用されている。そのような入力装置において、操作者がタッチパネルを操作した際に、タッチパネルを振動させることにより、操作者の指先などに操作感をフィードバックするものが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、特許文献1に記載の電子機器の分解斜視図である。図6に示すように、特許文献1に記載の電子機器(ディスプレイ装置)は、ディスプレイモニタ100、パネル固定用フレーム210、タッチパネル400、およびカバー500を備えている。この電子機器は、タッチパネル400等の各部品が、上記ディスプレイモニタ100に対して組付けられることにより構成されている。
【0004】
特許文献1に記載の電子機器において、ディスプレイモニタ100は、液晶ディスプレイ(LCD)からなり、全体が矩形かつ扁平な形状を有している。ディスプレイモニタ100は、図示しない回路基板に搭載されて、当該回路基板に実装された表示制御回路による制御に従って、例えばキーやボタン等のオブジェクトまたは各種の情報などを、その表示面に表示する。このディスプレイモニタ100の表示面上には、当該モニタ100とほぼ同じ大きさのタッチパネル400が位置するように組付けられる。
【0005】
タッチパネル400は、例えば透明な樹脂板にマトリクス状のスイッチ回路が形成され、パネル表面が操作者の指先などにより接触されると、その接触位置に応じた検出信号を、図示しない回路基板に実装されたタッチパネル制御回路に出力するように構成されている。つまり、操作者は、タッチパネル400を通して映し出されるディスプレイモニタ100の表示に従って当該パネル400に対して操作を行うことにより、電子機器に対して当該表示に応じた各種情報を入力することができる。
【0006】
この電子機器においては、図6に示すように、タッチパネル400の裏面側の対向する2辺に沿って、それぞれ圧電素子(ピエゾ素子)420が貼り付けられている。タッチパネル400が操作者による接触を検出すると、この電子機器は、図示しない回路基板に実装された圧電素子駆動回路から圧電素子420に駆動信号(電圧)を付与する。この駆動信号を受信すると、圧電素子420は伸縮するため、この電子機器は、タッチパネル400の操作面に対して振動を発生させることができる。すなわち、上記操作に伴って、タッチパネル400が振動することにより、操作者は操作感を得ることができるようになっている。
【0007】
なお、上述した表示制御回路、タッチパネル制御回路、および、圧電素子駆動回路は、それぞれ独立した回路基板に実装されたり、共通の回路基板に実装されたり、一つの回路が独立の回路基板に実装され、他の二つの回路が共通の回路基板に実装されたり、種々の態様で実装される。
【0008】
タッチパネル400は、パネル固定用フレーム210を介してディスプレイモニタ100に組付けられている。パネル固定用フレーム210は、ABS等の硬質の樹脂材料から形成されることにより全体が剛性を有した構成となっている。
【0009】
図6に示すように、パネル固定用フレーム210には、タッチパネル400をその四隅において保持するホルダ220が組付けられる。図7は、4つのホルダ220のうち1つが、タッチパネル400の隅に取り付けられる様子を示す拡大図である。各ホルダ220には、タッチパネル400の角部を差込み可能なスリット状の差込み部360がそれぞれ形成されている。また、図6に示すように、パネル固定用フレーム210の周囲側面には、各側面それぞれの端部付近に、ホルダ220を固定するための固定孔320が設けられている。そして、図7に示すホルダ220に形成されたフック340aが、図6に示す各固定孔320に差し込まれることにより、各ホルダ220は、タッチパネル400をパネル固定用フレーム210に固定される。
【0010】
このように、各ホルダ220にタッチパネル400の四隅がそれぞれ差込まれると、各ホルダ220は、タッチパネル400を四隅で外側から拘束するとともに、厚み方向の両側からも拘束した状態で保持する。したがって、特許文献1に記載の電子機器は、タッチパネル400が固定されるように配置することができる。
【0011】
また、ホルダ220は、それぞれ、パネル固定用フレーム210よりも弾性係数の小さい材料から形成されており、例えばシリコン系の樹脂またはゴムにより一体成型されている。このように、ホルダ220は、タッチパネル400を安定的に保持する一方で、タッチパネル400が振動できるように弾性変形可能に構成されている。なお、タッチパネル400とディスプレイモニタ100との間には、タッチパネル400の厚み方向の変位を可能とする隙間が確保される。このため、圧電素子420が振動する際に、当該振動に伴うタッチパネル400の厚み方向の変位が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−44497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、特許文献1に記載の電子機器においては、タッチパネル400および圧電素子420が一体に変位する。そのため、タッチパネル400および圧電素子420は、それぞれフレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等の可撓性を有する配線基板を介して、筐体に固定して配置された回路基板に接続するようにしている。
【0014】
しかしながら、このようにタッチパネル400および圧電素子420の双方を、FPCを介して回路基板に接続すると、部品点数が多くなってコストアップを招くことが懸念される。また、FPCが多くなる分、タッチパネル400の振動によるFPCの撓みの反力によって、タッチパネル400の振動が抑制されることが懸念される。また、それぞれのFPCは、タッチパネル400の振動によって、互いに干渉しないように、かつ、隣接の他の部材に干渉しないように配設する必要がある。そのため、FPCの周辺に十分なスペースを確保する必要があることから、装置の大型化を招くことが懸念される。
【0015】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、部品点数を削減できてコストダウンが図れ、しかも、タッチパネルの振動の抑制を可能な限り軽減できると共に、装置の小型・薄型化が図れる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する本発明に係る電子機器の発明は、
タッチパネルと、
該タッチパネルに装着されて、該タッチパネルを振動させる振動部材と、
前記タッチパネルの裏面と離間対向して配置された回路基板と、
該回路基板に前記タッチパネルを振動可能に支持し、前記タッチパネルおよび前記振動部材の少なくとも一方と電気的に接続される複数の導電性弾性支持部材と、
を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、部品点数を削減できてコストダウンが図れ、しかも、タッチパネルの振動の抑制を可能な限り軽減できると共に、装置の小型・薄型化が図れる電子機器を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った概略拡大断面図である。
【図3】図1のタッチパネルの裏面図である。
【図4】図1の弾性支持部材の動作を説明するための部分概略断面図である。
【図5】本発明の第2実施の形態に係る電子機器の概略断面図である。
【図6】従来の電子機器の構成を示す分解斜視図である。
【図7】図6の部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0020】
(第1実施の形態)
図1乃至図4は、本発明の第1実施の形態に係る電子機器を説明するための図である。図1は、電子機器の外観を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った概略拡大断面図である。図3は、図1のタッチパネルの裏面図である。図4(a)および(b)は、図1の弾性支持部材の動作を説明するための部分概略断面図である。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態に係る電子機器1は、外観上、筐体10と、タッチパネル20と、ベゼル30と、を備える。筐体10は、図示の例では一つの筐体として示しているが、上部筐体と下部筐体とが一体に組み合わされて構成される場合もある。この場合、上部筐体と下部筐体との間は、これらが一体に組み合わされた状態において、例えばゴム製のパッキンを介した公知の密閉構造にする等して、適当な防塵および防水の措置がなされているものとする。筐体10は、ある程度の衝撃に耐えうる例えば樹脂により構成するのが好適である。
【0022】
タッチパネル20は、後述するように矩形状を成しており、表示部の表示面側に配置されて、表示部に表示されたオブジェクトに対する操作者の指やスタイラスペン等(以下、単に「接触物」と総称する)による接触を、対応するタッチパネル20のタッチ面20aにおいて検出する。したがって、本実施の形態において、「タッチパネル」とは、表示部の表示面側に配置される、すなわち当該表示部とは別に設けられる部材を想定して説明する。また、タッチパネル20は、タッチ面20aに対する接触物の接触の位置を検出し、当該検出した接触の位置を制御部(図示せず)に通知する。
【0023】
このタッチパネル20は、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のものを用いることができる。なお、タッチパネル20が接触物による接触を検出する上で、接触物がタッチパネル20に物理的に触れることは必須ではない。例えば、タッチパネル20が光学式である場合は、タッチパネル20は当該タッチパネル20上の赤外線が接触物で遮られた位置を検出するため、接触物がタッチパネル20に触れることは不要である。
【0024】
ベゼル30は、タッチパネル20の上面の周縁部を覆うように、筐体10の上部に嵌め込まれるように装着されている。つまり、本実施の形態において、ベゼル30は、筐体10を支持部材として、筐体10とタッチパネル20との間に跨るように筐体10に装着されている。ベゼル30は、例えば金属製、プラスチック製、樹脂製などとすることができ、薄型ながらもある程度の強度を有する素材で構成するのが好適である。
【0025】
図2に示すように、筐体10には、回路基板40および表示部50が内蔵されている。表示部50は、例えば操作者が入力の操作に用いる押しボタンスイッチ等の各種のオブジェクトを画像で表示する。このオブジェクトは、タッチパネル20のタッチ面上において接触すべき領域を操作者に示唆する画像である。表示部50は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成され、回路基板40に搭載される。
【0026】
回路基板40には、表示部50が搭載される他、タッチパネル20の制御回路やタッチパネル20に装着された後述する圧電素子の駆動回路等の電子機器1の動作に必要な回路が適宜実装される。
【0027】
タッチパネル20は、タッチ面20aとは反対側の裏面20bの四隅において、それぞれ導電性弾性支持部材60a−60d(60c,60dは、図示せず)を介して回路基板40に支持される。本実施の形態では、導電性弾性支持部材60a−60dとして、それぞれポゴピンと称されている片端可動型のプローブピンを用い、その固定端61a−61d(61c,61dは、図示せず)を回路基板40に接続し、可動端62a−62d(62c,62dは、図示せず)をタッチパネル20の裏面20bに接触させる。また、タッチパネル20とベゼル30との間には、タッチ面20a側の周縁に亘ってシリコンゴムやゲル等の弾性部材70が配置される。これにより、タッチパネル20は、導電性弾性支持部材60a−60dの弾性力と弾性部材70の弾性力とによって、導電性弾性支持部材60a−60dと弾性部材70との間に挟持されて、表示部50の表示面側に変位可能に配置される。
【0028】
図3に示すように、タッチパネル20の裏面20bには、その四隅に、図2に示した導電性弾性支持部材60a−60dの可動端62a−62dがそれぞれ接する接触端子部21a−21dが形成されている。また、裏面20bには、タッチパネル20の対向する二辺22a,22b(図3では、短辺)において、接触端子部21a−21dにそれぞれ接続されて、接触端子部21a−21dから対応する辺の中央部まで延在する配線パターン23a−23dが形成されている。
【0029】
すなわち、辺22aにおいては、接触端子部21aから辺22aの中央部近傍まで延在して配線パターン23aが形成されており、接触端子部21bから辺22aの中央部近傍まで延在して配線パターン23bが形成されている。同様に、辺22bにおいては、接触端子部21cから辺22bの中央部近傍まで延在して配線パターン23cが形成されており、接触端子部21dから辺22bの中央部近傍まで延在して配線パターン23dが形成されている。
【0030】
また、タッチパネル20の裏面20bには、辺22a,22bの近傍に、辺22a,22bに沿って長さ方向に伸縮する圧電素子24,25が装着されている。圧電素子24は、一方の電極24aが配線パターン23aに接触し、他方の電極24bが配線パターン23bに接触して、接着等により装着される。同様に、圧電素子25は、一方の電極25aが配線パターン23cに接触し、他方の電極25bが配線パターン23dに接触して、接着等により装着される。
【0031】
これにより、圧電素子24の電極24a,24bは、タッチパネル20の対応する配線パターン23a,23bおよび接触端子部21a,21bを経て、導電性弾性支持部材60a,60bに電気的に接続される。同様に、圧電素子25の電極25a,25bは、タッチパネル20の対応する配線パターン23c,23dおよび接触端子部21c,21dを経て、図示しない導電性弾性支持部材60c,60dに電気的に接続される。
【0032】
そして、図示しない圧電素子駆動回路から、回路基板40、導電性弾性支持部材60a−60d、接触端子部21a−21dおよび配線パターン23a−23dを経て圧電素子24,25に駆動信号が印加される。これにより、圧電素子24,25は、長さ方向に振動して、タッチパネル20を湾曲振動させる。なお、タッチパネル20の信号線は、図示しないFPCを介して回路基板20に接続される。
【0033】
本実施の形態に係る電子機器1は、タッチパネル20が接触物によって押圧されていない状態で、片端可動型のプローブピンからなる導電性弾性支持部材60a−60dの可動端62a−62dが、対応する固定端61a−61dから充分突出して、タッチパネル20の対応する接触端子部21a−21dに接するように構成される。図4(a)は、この状態の導電性弾性支持部材60aを示している。したがって、この状態から、タッチパネル20が接触物によって押圧されると、導電性弾性支持部材61a−61dは、その可動端62a−62dが押圧力に応じて、固定端61a−61d側に変位する。図4(b)は、この状態の導電性弾性支持部材60aを示している。
【0034】
そして、押圧荷重が触感を呈示する所定の基準を満たした際に、タッチパネル20に対するタッチ操作がなされたものと判定して、圧電素子24,25に導電性弾性支持部材60a−60dを介して駆動信号を印加する。これにより、圧電素子24,25を、その長手方向に伸縮させてタッチパネル20を湾曲振動させ、タッチ面20aにタッチしている接触物に対して、圧電素子24,25を駆動する駆動信号に応じた触感を呈示する。
【0035】
ここで、押圧荷重は、例えば、圧電素子24,25を共用して検出するように構成することもできるし、駆動用とは別個の荷重検出用の圧電素子あるいは歪みゲージセンサにより検出するように構成することもできる。また、押圧荷重が触感を呈示する所定の基準を満たした際とは、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよいし、触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
【0036】
このように、本実施の形態においては、タッチパネル20を、片端可動型のプローブピンからなる導電性弾性支持部材60a−60dにより回路基板40に支持するとともに、導電性弾性支持部材60a−60dを介して圧電素子24,25に駆動信号を印加するようにしている。したがって、圧電素子24,25のFPCが不要になるので、その分、部品点数を削減できてコストダウンが図れる。また、FPCを削減できることから、FPCの撓みの反力等によるタッチパネル20の振動の抑制を軽減できる。特に、導電性弾性支持部材60a−60dは、片端可動型のプローブピンからなり、その可動端62a−62dがタッチパネル20の変位に応じて容易に伸縮するので、タッチパネル20の振動の抑制が可能な限り軽減することができる。また、FPCを削減できることから、タッチパネル20と基板40との間のスペースも小さくでき、これにより電子機器1の小型・薄型化が可能となる。
【0037】
さらに、本実施の形態においては、タッチパネル20とベゼル30との間に、タッチ面20a側の周縁に亘って弾性部材70が配置されている。したがって、防塵および防水効果も得られる。
【0038】
(第2実施の形態)
図5は、本発明の第2実施の形態に係る電子機器の概略拡大断面図であり、図2に相当するものである。本実施の形態に係る電子機器2は、第1実施の形態に係る電子機器1において、シリコンゴムやゲル等からなる弾性部材70を、タッチパネル20の周縁全周に亘って、タッチパネル20とベゼル30との間、および、タッチパネル20の側面と筐体10との間に充填するように設けたものである。その他の構成は、第1実施の形態と同様である。
【0039】
このように、タッチパネル20の周縁全周に亘って、タッチパネル20の上面周縁および側面を包むように、タッチパネル20とベゼル30および筐体10との間に、弾性部材70を設ければ、第1実施の形態の効果に加えて、防塵および防水効果を更に高めることができる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、タッチパネル20を4個の導電性弾性支持部材を用いて4点支持するようにしたが、さらに多くの導電性弾性支持部材を用いてタッチパネル20を支持することもできる。これにより、圧電素子24,25に代えて、あるいは圧電素子24,25およびタッチパネル20の双方と、回路基板40とを導電性弾性支持部材を介して接続することもできる。さらに、タッチパネル20に、荷重検出用の圧電素子や歪みゲージセンサを設ける場合も、これらと回路基板とを導電性弾性支持部材を介して接続することができる。
【0041】
また、導電性弾性支持部材は、片端可動型のプローブピンに限らず、両端可動型のプローブピンを用いることができる。また、このように可動型のプローブピンを用いる場合は、可動端の変位に基づいてタッチパネル20への押圧荷重を検出するように構成することも可能である。また、導電性弾性支持部材は、可動型のプローブピンに限らず、導電性を有する種々の弾性部材、例えば、導電性ゴム、板バネ、ワイヤバネ、コイルバネ等を用いて構成することができる。
【0042】
また、第1実施の形態のように、タッチパネル20とベゼル30との間に弾性部材70を配設する構成においては、弾性部材70に代えて、シート状部材を配設して防塵効果を得ることもできる。
【0043】
また、上述した実施の形態においては、タッチパネル20の裏側に配置した表示部50にオブジェクトを表示してタッチパネル20が操作者の接触を検出する態様について説明した。しかしながら、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば表示部50を有さずに、タッチパネル20のタッチ面上にオブジェクトがインクなどにより直接印刷されているような態様を想定することもできる。
【0044】
また、上記実施の形態では、タッチパネル20を用いて、当該タッチパネル20のタッチ面に対する接触を検出した。すなわち、上記実施の形態において、「タッチパネル20」は、いわゆるタッチセンサのような部材を想定して説明した。しかしながら、本発明による電子機器に用いるタッチパネルは、操作者の指やスタイラスペンなどの接触物により接触されるものであれば任意のものとすることができる。
【0045】
例えば、本発明による電子機器に用いるタッチパネルは、タッチ面に対する接触物の接触の位置を検出しない(つまりセンシング機能を有さない)、単なる「パネル」のような部材とすることもできる。また、接触位置のセンシング機能の有無に関わらず、例えば、押圧の荷重を検出する荷重検出部をさらに設け、該荷重検出部により検出される押圧荷重が触感を呈示する所定の基準を満たした際に、タッチパネルに対する接触がなされたものと判定して、振動部を駆動してタッチパネルを振動させることができる。
【0046】
このような荷重検出部は、上述したように任意の個数の歪みゲージセンサや圧電素子等をタッチパネルに設けたものとして構成することができる。また、歪みゲージセンサや圧電素子等を用いることなく、タッチパネルにおける接触検出方式に応じて構成することができる。例えば、抵抗膜方式の場合には、接触面積による抵抗変化に基づく出力信号の変化から荷重を検出するように構成することができる。また、静電容量方式の場合には、静電容量の変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出するように構成することができる。
【0047】
また、タッチパネルを振動させる圧電素子は、2個に限らず、任意の個数とすることができる。例えば、タッチパネルの全面に透明圧電素子を設けて、タッチパネルを振動させるように構成することもできる。
【0048】
また、上記実施の形態において、表示部50およびタッチパネル20は、表示部と接触検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されるようにしてもよい。このように表示部と接触検出部との両機能を一体化した装置の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものを挙げることができる。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射させ、その反射光を周辺の光電変換素子で受光することによって、タッチ位置を検出することができる。
【0049】
さらに、上記実施の形態において、圧電素子をタッチパネル20の裏面(底面)に配設した場合について説明したが、圧電素子にてタッチパネル20を湾曲振動させるのみで、荷重検出を兼用しない場合は、図2において弾性部材70を中央寄りとし、タッチパネル20の上面部に圧電素子を形成するようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態において、振動部材として圧電素子を用いた場合について説明したが、振動部材は、外部から電気供給を受けて駆動することによりタッチパネル20を直接的にあるいは間接的に振動させたり変形させるような部材であればよく、例えば振動モータ(偏心モータ)等に基づいて電子機器を振動させることにより、タッチパネル20を間接的に振動させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1,2 電子機器
10 筐体
20 タッチパネル
20a タッチ面
20b 裏面
21a−21d 接触端子部
22a,22b 辺
23a−23d 配線パターン
24,25 圧電素子
24a,24b,25a,25b 電極
30 ベゼル
40 回路基板
50 表示部
60a,60b 導電性弾性支持部材
61a,61b 固定端
62a,62b 可動端
70 弾性部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
該タッチパネルに装着されて、該タッチパネルを振動させる振動部材と、
前記タッチパネルの裏面と離間対向して配置された回路基板と、
該回路基板に前記タッチパネルを振動可能に支持し、前記タッチパネルおよび前記振動部材の少なくとも一方と電気的に接続される複数の導電性弾性支持部材と、
を備えることを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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