説明

電子機器

【課題】落下あるいは圧迫等に起因する衝撃をフレームで吸収することができ、堅牢で耐衝撃性に優れた電子機器を得ることにある。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、筐体、フレーム、表示モジュールおよびプリント回路板を備えている。筐体は、第1のパネルと、第1のパネルの反対側に位置された第2のパネルとを有する。フレームは、筐体に収容されて、第1のパネルと第2のパネルとの間に位置されている。表示モジュールは、第1のパネルとフレームとの間に設けられているとともに、第1のパネルで覆われた表示画面を有する。プリント回路板は、第2のパネルとフレームとの間に設けられている。フレームの少なくとも一部に、筐体の外に突出されて筐体を衝撃から保護するバンパー部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばタッチパネル式の表示モジュールを搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット型のポータブルコンピュータは、タッチパネルを覆う透明な保護板を有している。保護板は、ポータブルコンピュータの表面に全面的に露出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−237177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保護板は、割れ易いガラスや傷付き易いプラスチックで構成されている。そのため、ポータブルコンピュータを誤って落下させた時に、ポータブルコンピュータに加わる衝撃によって保護板が破損する可能性が高い。
【0005】
本発明の目的は、落下あるいは圧迫等に起因する衝撃をフレームで吸収することができ、堅牢で耐衝撃性に優れた電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、筐体、フレーム、表示モジュールおよびプリント回路板を備えている。筐体は、第1のパネルと、第1のパネルの反対側に位置された第2のパネルとを有する。フレームは、筐体に収容されて、第1のパネルと第2のパネルとの間に位置されている。表示モジュールは、第1のパネルとフレームとの間に設けられているとともに、第1のパネルで覆われた表示画面を有する。プリント回路板は、第2のパネルとフレームとの間に設けられている。フレームの少なくとも一部に、筐体の外に突出されて筐体を衝撃から保護するバンパー部が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るタブレット型ポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】第1の実施形態に係るタブレット型ポータブルコンピュータを分解して示す斜視図。
【図3】第1の実施形態に係るタブレット型ポータブルコンピュータの断面図。
【図4】第1の実施形態において、タブレット型ポータブルコンピュータの内部の構造を一部断面で示す斜視図。
【図5】第1の実施形態において、LCDサポートがフレームに弾性的に支持された部分の構造を一部断面で示す斜視図。
【図6】第2の実施形態に係るタブレット型ポータブルコンピュータの平面図。
【図7】第2の実施形態に係るタブレット型ポータブルコンピュータの側面図。
【図8】図6のF8−F8線に沿う断面図。
【図9】第3の実施形態に係るタブレット型ポータブルコンピュータの平面図。
【図10】図9のF10−F10線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図5を参照して説明する。
【0009】
図1ないし図3は、タブレット型ポータブルコンピュータ1を開示している。ポータブルコンピュータ1は、電子機器の一例であり、例えばユーザが手で持って使用できる大きさを有している。
【0010】
ポータブルコンピュータ1は、筐体2、フレーム3、LCDサポート4および表示モジュール5を主要な構成要素として備えている。筐体2は、ポータブルコンピュータ1の外郭を構成する外装部材の一例である。外装部材は、ポータブルコンピュータ1の一部を構成する第1の部材と言い換えることができる。
【0011】
筐体2は、保護板7およびベース8を有している。保護板7は、第1のパネル又は第1の壁の一例であって、ガラスあるいはプラスチックのような透光性材料で構成されている。保護板7は、四角い透明な表示領域7aと、表示領域7aを取り囲む不透明なマスク部7bとを有している。表示領域7aおよびマスク部7bは、同一の平面上に位置されているとともに、筐体2の外に全面的に露出された第1の面を構成している。
【0012】
ベース8は、例えばアルミニウム合金又はマグネシウム合金のような金属製であり、筐体2の底を構成している。ベース8は、第2のパネル又は第2の壁の一例であって、四角い底板8aと、底板8aの外周縁から立ち上がるフランジ部8bとを有している。ベース8は、底板8aとフランジ部8bとを一体化したバスタブ型であり、継ぎ目のない立体構造を採用している。底板8aの裏面は、筐体2の外に全面的に露出された第2の面を構成している。
【0013】
保護板7およびベース8は、筐体2の厚み方向に互いに間隔を存して平行に配置されている。そのため、ベース8は、保護板7に対し筐体2の厚み方向に沿う反対側に位置されている。
【0014】
フレーム3は、中間部材の一例であって、保護板7とベース8との間に設けられている。中間部材は、筐体2と協働してポータブルコンピュータ1を構成する第2の部材と言い換えることができる。
【0015】
フレーム3は、例えばアルミニウム合金又はマグネシウム合金のような金属もしくは高剛性樹脂で構成され、堅牢である。高剛性樹脂とは、例えば樹脂中にガラス繊維、カーボン繊維、その他の強化繊維およびタルクのような添加剤を混入した繊維強化樹脂のことを指しており、本実施形態では、ヤング率が4000MPa以上に設定されている。
【0016】
図2に示すように、フレーム3は、実装部10とバンパー部11とを有する一体構造物である。実装部10は、保護板7とベース8の底板8aとの間に介在された四角い板で構成されている。実装部10は、保護板7との間に第1の実装スペース12を規定しているとともに、ベース8の底板8aとの間に第2の実装スペース13を規定している。第1の実装スペース12と第2の実装スペース13との間は、実装部10に設けられた配線用の通孔14を介して互いに連通されている。
【0017】
フレーム3の実装部10は、板状に限らず、例えば複数の縦桟と複数の横桟とを組み合わせた格子状に形成してもよい。この場合、縦桟と横桟とで規定される複数の空所を通じて第1の実装スペース12と第2の実装スペース13との間が連通されるとともに、空所の存在によりフレーム3の軽量化を図ることができる。
【0018】
バンパー部11は、実装部10の外周縁部に一体に形成されて、実装部10を周方向に連続して取り囲んでいる。バンパー部11は、突出部の一例であって、フレーム3の一部分あるいはフレーム3の外周部分に位置された領域であるということができる。
【0019】
バンパー部11は、外郭壁16を有している。外郭壁16は、保護板7の外周縁部と底板8aの外周縁部との間に跨るようにポータブルコンピュータ1の厚み方向に延びて、筐体2の外に突出されている。
【0020】
さらに、外郭壁16は、第1の縁部16aと第2の縁部16bとを有している。第1の縁部16aは、保護板7を周方向に連続して取り囲んでいるとともに、保護板7のマスク部7bよりもポータブルコンピュータ1の厚み方向に数ミリ突出されている。
【0021】
第2の縁部16bは、第1の縁部16aの反対側に位置されて、ベース8のフランジ部8bを周方向に連続して取り囲んでいる。第2の縁部16bは、ベース8の底板8aの裏面と同一の面上に位置されるか、あるいは底板8aの裏面よりもポータブルコンピュータ1の厚み方向に数ミリ突出されている。
【0022】
したがって、バンパー部11の外郭壁16は、ポータブルコンピュータ1の外に全面的に露出されて、ポータブルコンピュータ1の外形を形作る輪郭を構成している。
【0023】
LCDサポート4は支持体の一例であって、例えば合成樹脂材料で構成されている。図2に最もよく示されるように、LCDサポート4は、四角い開口部18を規定した額縁部19を有している。額縁部19は、保護板7とフレーム3の実装部10との間に介在されて、バンパー部11の外郭壁16により取り囲まれている。
【0024】
図3ないし図5に示すように、保護板7のマスク部7bは、額縁部19の表面に接着等の手段により固定されている。これにより、保護板7の表示領域7aが額縁部19の開口部18と向かい合っている。
【0025】
さらに、第1の実施形態では、保護板7の表示領域7aの裏面に手書き入力機能を有する圧電式又は静電式のタッチパネル20が接着等の手段により固定されている。タッチパネル20は、LCDサポート4の額縁部19により取り囲まれている。
【0026】
図3に示すように、表示モジュール5は、LCDサポート4の額縁部19に接着等の手段により固定されて、第1の実装スペース12に収容されている。表示モジュール5は、画像および映像を表示する四角い表示画面5aを有している。表示画面5aは、LCDサポート4の開口部18を通じてタッチパネル20の裏面と向かい合っている。
【0027】
スペーサ21がタッチパネル20の裏面の外周縁部と表示モジュール5の外周縁部との間に介在されている。スペーサ21は、表示画面5aとタッチパネル20との間にモアレ縞を防ぐための間隙22を形成している。
【0028】
表示モジュール5および保護板7が固定されたLCDサポート4は、フレーム3の実装部10に浮動的に支持されている。
【0029】
具体的に述べると、図2および図5に示すように、中空円筒状のボス部24がLCDサポート4の額縁部19に形成されている。ボス部24は、額縁部19の四つの角部からフレーム3の実装部10に向けて一体に突出されている。ボス部24の突出端部に雌ねじ部材25が一体的に埋め込まれている。雌ねじ部材25は、ボス部24の内側にねじ孔26を形成している。
【0030】
図5に示すように、フレーム3の実装部10は、ボス部24に対応する凹部28を有している。凹部28は、実装部10の四つの角部に位置されているとともに、各凹部28の底にねじ孔26と合致する通孔29が設けられている。
【0031】
ボス部24の先端部は、凹部28の内側に同軸状に挿入されている。ボス部24の外周面と凹部28の内周面との間に防振体30が介在されている。防振体30は、例えば柔軟なゴム状弾性体で構成されている。防振体30は、第1の円筒部31、第2の円筒部32およびフランジ部33を一体に備えている。
【0032】
第1の円筒部31は、ボス部24の先端部と凹部28の内面との間に介在されている。第2の円筒部32は、第1の円筒部31の底に連続するとともに、通孔29の内側に位置されている。フランジ部33は、第2の円筒部32の開口端から凹部28の外に張り出している。
【0033】
図5に示すように、防振体30の内側に固定ねじ35が挿入されている。固定ねじ35は、フレーム3の下から防振体30の第2の円筒部32を貫通してボス部24のねじ孔26にねじ込まれている。それとともに、固定ねじ35に装着されたワッシャ36が固定ねじ35の頭部35aと防振体30のフランジ部33との間に介在されている。
【0034】
この結果、LCDサポート5は、防振体30を介して弾性的に変位可能にフレーム3の実装部10に支持されているとともに、フレーム3の外郭壁16で取り囲まれている。
【0035】
第1の実施形態では、第1の隙間37がフレーム3の外郭壁16と保護板7の外周縁部およびLCDサポート4の額縁部19の外周縁部との間に形成されている。これにより、保護板7およびLCDサポート4は、外郭壁16に接することなく外郭壁16の内側に位置されている。
【0036】
スポンジ製のシール38が額縁部19の外周部に接着されている。シール材38は、外郭壁16の内面に接することで第1の隙間37を埋めている。
【0037】
ベース8の底板8aは、図示しない複数の固定ねじを介してフレーム3の実装部10に固定されている。ベース8とフレーム3の実装部10との間の第2の実装スペース13にバッテリ39およびプリント回路板40が収容されている。
【0038】
さらに、第2の隙間41がフレーム3の外郭壁16とベース8のフランジ部8bとの間に形成されている。これにより、ベース8は、外郭壁16に接することなく外郭壁16の内側に位置されている。
【0039】
第1の実施形態によると、LCDサポート4を支持する堅牢なフレーム3が保護板7および表示モジュール5を取り囲むバンパー部11を備えている。バンパー部11の外郭壁16は、ポータブルコンピュータ1の外に全面的に露出されて、ポータブルコンピュータ1の外形を形作る輪郭を構成している。
【0040】
このため、ユーザがポータブルコンピュータ1を手で持って操作している時に、誤ってポータブルコンピュータ1を床の上に落下させた場合、堅牢なフレーム3のバンパー部11で落下に伴う衝撃を受け止めることができる。
【0041】
すなわち、ユーザがポータブルコンピュータ1を床の上に落下させた場合、ポータブルコンピュータ1は、保護板7を上向き又は下向きにした水平の姿勢で落下するというよりも、むしろポータブルコンピュータ1の角部を下向きにした姿勢で落下する可能性が高い。そのため、ポータブルコンピュータ1の外形を形作るバンパー部11の外郭壁16が最初に床に衝突する確率が高くなる。
【0042】
特に第1の実施形態では、外郭壁16の第1の縁部16aが壊れやすい保護板7の表示領域7aおよびマスク部7bよりもポータブルコンピュータ2の厚み方向に突出しているので、外郭壁16の第1の縁部16aが床に衝突する確率がより一層高くなる。
【0043】
したがって、ポータブルコンピュータ1を床の上に落下させたとしても、床がポータブルコンピュータ2の表面に露出された保護板7を直撃するのを回避でき、保護板7の破損を防止することができる。
【0044】
加えて、表示モジュール5や保護板7が固定されたLCDサポート4は、フレーム3の実装部10に防振体30を介して弾性的に支持されている。このため、フレーム3のバンパー部11が床に衝突した時に、バンパー部11から実装部10を介してLCDサポート4に伝わる衝撃は、実装部10とLCDサポート4との間に介在された防振体30によって吸収される。
【0045】
すなわち、防振体30は、バンパー部11が受けた衝撃を変形することで吸収する。これにより、防振体30からLCDサポート4に伝わる衝撃が緩和される。
【0046】
それとともに、バンパー部11の外郭壁16は、第1の隙間37の存在によりLCDサポート4の実装部10の外周縁部から離れている。このため、バンパー部11で受けた衝撃が外郭壁16からLCDサポート4の実装部10に直接伝わるのを回避できる。
【0047】
この結果、バンパー部11が受けた衝撃は、防振体30で緩和された状態でLCDサポート4に伝わることになり、LCDサポート4に固定された表示モジュール5や保護板7にポータブルコンピュータ1の落下に伴う衝撃がそのまま伝わるのを回避できる。
【0048】
よって、表示モジュール5や保護板7が壊れにくくなり、ポータブルコンピュータ1の耐衝撃性を高めることができる。
【0049】
第1の実施形態によると、ポータブルコンピュータ1の外形を形作るバンパー部11の外郭壁16は、その第1の縁部16aが保護板7よりもポータブルコンピュータ1の厚み方向に突出し、第2の縁部16bがベース8の底板8aの裏面と同一の平面上に位置している。
【0050】
言い換えると、堅牢なバンパー部11の外郭壁16がポータブルコンピュータ1の厚みを規定しているので、ポータブルコンピュータ1を厚み方向に圧迫しようとする外力に対しては外郭壁16が対抗する。
【0051】
このため、ポータブルコンピュータ1が厚み方向に圧迫されたとしても、表示モジュール5や保護板7に無理な力が加わるのを防止できる。
【0052】
[第2の実施形態]
図6ないし図8は、第2の実施形態に係るタブレット型ポータブルコンピュータ50を開示している。
【0053】
第2の実施形態によると、ポータブルコンピュータ50は、筐体51およびフレーム52を主要な構成要素として備えている。筐体51は、ポータブルコンピュータ50の外郭を構成する外装部材又は第1の部材の一例であって、例えば合成樹脂材料により形成されている。筐体51は、第1ないし第4の角部51a,51b,51c,51dを含むフラットな四角い箱型であり、ユーザが手で持って使用できる大きさを有している。
【0054】
筐体51は、トップカバー53とベース54とを備えている。トップカバー53は、第1のパネル又は第1の壁の一例であって、開口部55が設けられた四角い上壁56と、上壁56の外周縁に連続する周壁57とを備えている。上壁56は、筐体51の外に全面的に露出された第1の面を構成している。
【0055】
ベース54は、第2のパネル又は第2の壁の一例であって、四角い底壁58と、底壁58の外周縁に連続する周壁59とを備えている。ベース54は、底壁58および周壁59を一体化したバスタブ型であり、継ぎ目のない立体構造を採用している。底壁58の裏面は、筐体51の外に全面的に露出された第2の面を構成している。
【0056】
トップカバー53およびベース54は、筐体51の厚み方向に組み合わされている。そのため、ベース54は、トップカバー53に対し筐体51の厚み方向に沿う反対側に位置されている。
【0057】
フレーム52は、中間部材又は第2の部材の一例であって、トップカバー53とベース54との間に介在されている。フレーム52は、例えばアルミニウム合金又はマグネシウム合金のような堅牢な金属材料で構成されている。
【0058】
図8に示すように、フレーム52は、実装部61とバンパー部62とを有する一体構造物である。実装部61は、トップカバー53とベース54との間を仕切る四角い板で構成されている。実装部61は、トップカバー53との間に第1の実装スペース63を規定しているとともに、ベース54との間に第2の実装スペース64を規定している。
【0059】
第1の実装スペース63に表示モジュール65が収容されている。表示モジュール65は、フレーム52の実装部61に固定されて、画像や映像を表示する表示画面65aが開口部55から筐体51の外に露出されている。
【0060】
第2の実装スペース64にプリント回路板66およびバッテリ67が収容されている。プリント回路板66およびバッテリ67は、フレーム52の実装部61に固定されている。
【0061】
バンパー部62は、第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dを有している。第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dは、筐体51の第1ないし第4の角部51a,51b,51c,51dに対応する位置で周壁57,59の間から筐体51の外に向けて円弧状に張り出している。第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dは、フレーム52の一部分あるいはフレーム52の外周部分に位置された領域であるということができる。
【0062】
第2の実施形態によると、表示モジュール65、プリント回路板66およびバッテリ67を支持する堅牢なフレーム52が、第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dを有している。第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dは、筐体51の第1ないし第4の角部51a,51b,51c,51dに対応する位置で筐体51の外に張り出している。
【0063】
このため、ユーザがポータブルコンピュータ50を手で持って操作している時に、誤ってポータブルコンピュータ50を床の上に落下させた場合、堅牢なバンパー部62の第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dが最初に床に衝突する確率が高くなる。
【0064】
したがって、ポータブルコンピュータ50を床の上に落下させたとしても、床が筐体51の開口部55から露出された表示モジュール65の表示画面65aを直撃するのを回避でき、表示画面65aの破損を防止できる。
【0065】
しかも、ポータブルコンピュータ50に加わる衝撃を堅牢なバンパー部62が受け止めて吸収する。そのため、筐体51に無理な力が加わらずに済み、筐体51の破損を防止することができる。
【0066】
よって、フレーム52を利用してポータブルコンピュータ50の耐衝撃性を高めることができる。
【0067】
[第3の実施形態]
図9および図10は、第3の実施形態に係るタブレット型のポータブルコンピュータ70を開示している。
【0068】
第3の実施形態は、フレーム52のバンパー部62の構成が第2の実施形態と相違している。これ以外のポータブルコンピュータ70の構成は、第2の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第2の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図9および図10に示すように、フレーム52のバンパー部62は、筐体51の周壁57,59の間から筐体51の外に張り出す第1ないし第4の外周縁部71a,71b,71c,71dを有している。
【0070】
第1の外周縁部71aは、第1の突出部68aと第2の突出部68bとの間を直線状に結んでいる。第2の外周縁部71bは、第2の突出部68bと第3の突出部68cとの間を直線状に結んでいる。第3の外周縁部71cは、第3の突出部68cと第4の突出部68dとの間を直線状に結んでいる。第4の外周縁部71dは、第4の突出部68dと第1の突出部68aとの間を直線状に結んでいる。
【0071】
そのため、バンパー部62の第1ないし第4の外周縁部71a,71b,71c,71dは、第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dと協働して筐体51を周方向に連続して取り囲んでいる。
【0072】
第3の実施形態によると、ポータブルコンピュータ50を誤って床の上に落下させた時の衝撃を堅牢なフレーム52のバンパー部62で受け止めることができる。それとともに、フレーム52のバンパー部62は、第1ないし第4の突出部68a,68b,68c,68dの間で筐体51の周壁57,59の外に張り出す第1ないし第4の外周縁部71a,71b,71c,71dを有するので、第1ないし第4の外周縁部71a,71b,71c,71dが筐体51の周壁57,59を保護するプロテクタとして機能する。
【0073】
そのため、筐体51を全周に亘って衝撃から保護することができ、ポータブルコンピュータ50の耐衝撃性が向上するといった利点がある。
【0074】
第1ないし第3の実施形態では、タブレット型のポータブルコンピュータを電子機器の一例として説明したが、例えばキーボードを有するコンピュータ本体と、このコンピュータ本体に回動可能に支持された表示装置とを備えたノート型のポータブルコンピュータでも同様に実施可能である。
【0075】
具体的には、ノート型のポータブルコンピュータでは、コンピュータ本体の筐体の内部に、例えばマザーボードやハードディスク駆動装置のような主要な構成要素を支持するフレームを収容するとともに、このフレームの少なくとも一部を筐体の外に突出させてバンパー部として利用する。
【0076】
さらに、表示装置の筐体の内部に、表示パネルを支持するフレームを収容するとともに、このフレームの少なくとも一部を筐体の外に突出させてバンパー部として利用するようにしてもよい。
【0077】
加えて、電子機器はポータブルコンピュータに限定されるものではなく、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)あるいは携帯型のゲーム機のようなその他の電子機器に広く適用が可能である。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
2,51…筐体(外装部材)、3,52…フレーム(中間部材)、5,65…モジュール(表示モジュール)、7,53…第1のパネル(第1の壁、保護板、トップカバー)、8,54…第2のパネル(第2の壁、ベース)、11,68a,68b,68c,68d…突出部(バンパー部、第1ないし第4の突出部)、40,66…プリント回路板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパネルと、前記第1のパネルの反対側に位置された第2のパネルと、を有した筐体と、
前記筐体に収容され、前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間に位置されたフレームと、
前記第1のパネルと前記フレームとの間に設けられ、前記第1のパネルで覆われた表示画面を有する表示モジュールと、
前記第2のパネルと前記フレームとの間に設けられたプリント回路板と、を具備し、
前記フレームの少なくとも一部に、前記筐体の外に突出されて前記筐体を衝撃から保護するバンパー部が設けられた電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記フレームの前記バンパー部は、前記第1のパネルの外周縁部および前記第2のパネルの外周縁部よりも前記筐体の外に突出された電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記フレームの前記バンパー部は、前記筐体の周方向に連続された電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記第1のパネルは、前記筐体の外に露出された第1の面を有し、前記フレームの前記バンパー部は、前記第1のパネルを取り囲む第1の縁部を有するとともに、前記第1の縁部は、前記第1の面よりも前記筐体の外に突出された電子機器。
【請求項5】
請求項3又は請求項4の記載において、前記第2のパネルは、前記筐体の外に露出された第2の面を有し、前記フレームの前記バンパー部は、前記第2のパネルを取り囲む第2の縁部を有した電子機器。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかの記載において、前記表示モジュールが取り付けられた支持体をさらに備えており、前記支持体は、前記フレームに防振体を介して弾性的に支持された電子機器。
【請求項7】
第1の壁と、
前記第1の壁の反対側に位置された第2の壁と、
前記第1の壁と前記第2の壁との間に設けられた中間部材と、
前記中間部材に支持されたモジュールと、
前記中間部材の少なくとも一部に設けられ、前記第1の壁の外周縁部および前記第2の壁の外周縁部から前記第1および第2の壁の外に突出された突出部と、を具備する電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、前記突出部は、前記第1の壁および前記第2の壁を周方向に連続して取り囲んだ電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、前記突出部は、前記第1の壁の外周縁部と前記第2の壁の外周縁部との間に跨る外郭壁を含む電子機器。
【請求項10】
請求項9の記載において、前記第1の壁は、第1の壁の外に露出された第1の面を有し、前記突出部の前記外郭壁は、前記第1の壁を取り囲む第1の縁部を有するとともに、前記第1の縁部は、前記第1の面よりも前記第1の壁の外に突出された電子機器。
【請求項11】
請求項9又は請求項10の記載において、前記第1の壁の外周縁部と前記外郭壁との間に第1の隙間が設けられているとともに、前記第2の壁の外周縁部と前記外郭壁との間に第2の隙間が設けられた電子機器。
【請求項12】
請求項11の記載において、前記モジュールが取り付けられた支持体をさらに備えており、前記支持体は、前記中間部材に防振体を介して弾性的に支持された電子機器。
【請求項13】
請求項12の記載において、前記第1の壁は、前記モジュールが有した表示画面を覆う保護板である電子機器。
【請求項14】
外装部材と、
前記外装部材の内側でモジュールを支持するとともに、少なくとも一部が前記外装部材の外に突出された中間部材と、
を具備する電子機器。
【請求項15】
請求項14の記載において、前記中間部材のうち前記外装部材の外に突出された部分は、前記外装部材および前記モジュールを衝撃から保護するバンパー部を構成した電子機器。
【請求項16】
請求項15の記載において、前記中間部材に防振材を介して弾性的に支持された支持体をさらに備えており、前記支持体に前記モジュールが取り付けられた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−215682(P2012−215682A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80381(P2011−80381)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】