説明

電子機器

【課題】電子機器の大型化を抑えながら、スピーカーの音を外部に明瞭に出すことのできる電子機器を提供する。
【解決手段】スピーカー10Lは回路基板20Lの裏側に配置され、ハウジング30に形成された音を出すための放音孔33aは回路基板20Lの表側に位置している。回路基板20Lには通音孔20aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に内蔵されるスピーカーのレイアウトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカーを内蔵する携帯型の電子機器が利用されている。スピーカーは、一般的に、ハウジングに形成された音を出すための放音孔に対向するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2007/0202956号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子機器は多くの部品を要するため、これらの部品とスピーカーとの干渉をさけるために電子機器の大型化が必要となる場合がある。上記特許文献1に開示される携帯型のゲーム機では、電子機器の表側に操作部材が配置され、放音孔も電子機器の表側に形成されている。ハウジング内には操作部材の基部が配置されているため、この基部とスピーカーとの干渉を避けるために電子機器の左右方向への大型化が必要となる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、電子機器の大型化を抑えながら、スピーカーの音を外部に明瞭に出すことのできる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、回路基板と前記回路基板の表側又は裏側の一方側に配置されるスピーカーと前記スピーカーと前記回路基板とを収容するハウジングと、を備える。前記ハウジングには、前記回路基板の他方側に位置する、前記スピーカーの音を外部に出すための放音孔が形成され、前記回路基板は、前記スピーカーの少なくとも一部から前記放音孔に至る通路を避ける形状を有している。
【0007】
本発明によれば、電子機器の大型化を抑えながら、スピーカーの音を外部に明瞭に出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯型電子機器の平面図である。
【図2】上記電子機器の分解斜視図である。
【図3】図2に示す要部の拡大図である。
【図4】上記電子機器が備えるスピーカーが収容されたバックハウジングを示す斜視図である。
【図5】図1に示すV−V線での断面図である。
【図6】図2に示す回路基板の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る携帯型電子機器1の平面図である。図2は電子機器1の分解斜視図である。図3は図2の要部の拡大図である。図4は電子機器1が備えるスピーカー10R,10Lが収容されたバックハウジング34を示す斜視図である。図5は図1に示すV−V線での断面図である。図6は図2に示す回路基板20Lの正面図である。
【0010】
なお、以下の説明では、図2のX1が示す方向が左方向であり、X2の示す方向が右方向である。また、Z1の示す方向が上方であり、Z2の示す方向が下方である。さらに、Y1の示す方向が前方であり、Y2の示す方向が後方である。
【0011】
電子機器1は例えばゲーム装置や動画像再生装置、通信装置などとして機能する機器である。電子機器1は、図1に示すように、その前面に表示パネル2を有している。表示パネル2は例えば液晶表示パネルや有機ELパネルなどによって構成される。
【0012】
また、電子機器1は、その前側に、ユーザが操作可能な複数の操作スティック4R,4Lを有している。この例では、操作スティック4Rと操作スティック4Lは表示パネル2の右側と左側とにそれぞれ配置されている。この例の操作スティック4R,4Lは電子機器1の前面から突出するよう配置された操作スティックである。すなわち、操作スティック4R,4Lは電子機器1の前面から前方に突出する軸部4aと、円盤状の被操作部4bと、を有している。被操作部4bは軸部4aの頭部に設けられており、電子機器1の前面から前方に離れて位置している。操作スティック4R,4Lは軸部4aを中心に上下方向や左右方向に倒したり、軸部4aを倒した状態で周方向に回転させることができる。また、操作スティック4R,4Lは上下方向や左右方向にスライド可能に構成されてもよい。ユーザは電子機器1の右側部分と左側部分とを手で保持しながら、これら操作スティック4R,4Lを操作できる。例えば、ユーザは、その親指を操作スティック4R,4Lの被操作部4bに載せた状態で、操作スティック4R,4Lを操作できる。電子機器1では、後述するスピーカー10L,10Rが、操作スティック4R,4Lに近接するように配置されている。被操作部4bは電子機器1の前面から離れて位置しており、ユーザの指がスピーカー10R,10Lの音を遮蔽することを、抑えることができる。
【0013】
図2に示すように、電子機器1のハウジング30は、前後方向において互いに組み合わされるフロントハウジング31とバックハウジング34とを有している。この例では、これら2つの部材は複数の螺子39によって互いに固定されている(図5参照)。フロントハウジング31の、操作スティック4R,4Lに対応する位置には、ケース4cが配置されている。ケース4cは操作スティック4R,4Lの軸部4aの基部と、当該軸部4aが傾いたりスライドできるように軸部4aの基部を支持するとともに当該軸部4aの移動量(傾倒方向とその角度)を検出する機構とを収容している。
【0014】
なお、電子機器1の前面にはさらに複数の操作ボタン3と十字キー5とが設けられている。複数の操作ボタン3は表示パネル2の右側かつ操作スティック4Rの上側に位置している。十字キー5は表示パネル2の左側且つ操作スティック4Lの上側に位置している。
【0015】
図1及び図2に示すように、電子機器1はハウジング30に収容される回路基板20R,20Lを有している。回路基板20Lは表示パネル2の左側に配置され、十字キー5と操作スティック4Lの裏側に位置している。回路基板20Lの前面には、十字キー5の4つの端部に対応する位置に、当該十字キー5の操作に応じてオン/オフするスイッチが形成されている(図6参照)。同様に、回路基板20Rは表示パネル2よりも右側に配置され、操作ボタン3と操作スティック4Rの裏側に位置している。回路基板20Rの前面には、操作ボタン3に対応する位置に、操作ボタン3の操作に応じてオン/オフするスイッチが形成されている。
【0016】
図1及び図2に示すように、電子機器1はハウジング30に収容される複数(この例では2つ)のスピーカー10R,10Lを有している。スピーカー10Rは表示パネル2の右側に配置され、スピーカー10Lは表示パネル2の左側に配置されている。
【0017】
図1及び図5に示すように、ハウジング30には、スピーカー10L,10Rの音を外部に出すための放音孔33aが形成されている。この例では、表示パネル2の左側と右側のそれぞれに複数(この例では6つ)の放音孔33aが形成されている。放音孔33aは回路基板20L,20Rの表側に位置している。一方、スピーカー10L,10Rは、図2及び図5に示すように、回路基板20L,20Rの裏側(表示パネル2とは反対側)に配置されている。すなわち、スピーカー10L,10Rとハウジング30の放音孔33aは回路基板20L,20Rを挟んで互いに反対側に位置している。回路基板20L,20Rは、スピーカー10L,10Rの一部から放音孔33aに至る、音を通すための通路(図5において矢印で示される通路)を避ける形状を有している。この例では、図3及び図5に示すように、回路基板20L,20Rには、音を通すための通路上に位置する孔(以下において通音孔とする)20aが形成されている。通音孔20aは回路基板20L,20Rを貫通するとともにスピーカー10L,10Rの上記一部と対向している。この構造により、スピーカー10L,10Rの音は通音孔20aを通して放音孔33aから外部に出る。その結果、電子機器1の左右方向や上下方向への大型化を抑制しながら、スピーカー10Lの音を外部に明瞭に出すことができる。
【0018】
この例の通音孔20aはスピーカー10L,10Rよりも小さい(図2参照)。そのため、回路基板20L,20Rに形成する回路パターンのレイアウトの自由度を増すことができ、また、回路基板20L,20Rの強度を確保し易くなる。この例のスピーカー10Lは、図4及び図5に示すように、その前面に、スピーカー本体11を覆うシールドプレート13を有している。シールドプレート13の一部(この例では左右方向における外側部分)には複数(この例では3つ)の開口13aが形成されている。スピーカー本体11の音は主にこの開口13aを通してシールドプレート13の外に出る。回路基板20Lの通音孔20aはこれらの開口13aと対向するように位置している。この例では、複数の開口13aは上下方向に並んで形成されており、通音孔20aは上下方向に細長い孔となっている。
【0019】
シールドプレート13は金属板によって形成されており、スピーカー本体11と電子機器1が備える他の電子部品との電磁気的な干渉を抑えている。また、スピーカー10Lは、スピーカー本体11を収容するとともに回路基板20Lに向かって開いたケース12を有している。スピーカー本体11は回路基板20Lに向けて音が出る姿勢でケース12内に配置されている。シールドプレート13はケース12の前面に、当該ケース12を閉じるように設けられている。なお、スピーカー10Rはスピーカー10Lと同様の構造及び配置を有している。
【0020】
図1及び図5に示すように、ハウジング30の放音孔33aは、回路基板20L,20Rの厚さ方向(この例では、前後方向)においてスピーカー10L,10Rと向き合う位置に、形成されている。すなわち、ハウジング30の放音孔33aの位置は、回路基板20L,20Rの厚さ方向においてスピーカー10L,10Rと重なっている。そのため、スピーカー10L,10Rの音を、放音孔33aを通して外部に明瞭に出すことができる。特にこの例では、放音孔33aと通音孔20aとスピーカー10L,10Rの開口13aの3つが前後方向において重なっている。
【0021】
ハウジング30の放音孔33aは操作スティック4R,4L、操作ボタン3、及び十字キー5よりも左右方向の外方に位置している。放音孔33aのこのような配置により、操作部材4R,4L,3,5の内側に放音孔33aを形成する構造に比べて、操作部材4R,4L,3,5の内側に配置される表示パネル2の大型化を図ることができる。
【0022】
スピーカー10L,10Rは、その一部が前後方向において回路基板20L,20R以外の部品と重なるように、配置されている。この例では、図1に示すように、スピーカー10L,10Rの一部(左右方向の内側部分)は、操作スティック4L,4Rのケース4cと重なっている。これにより、ケース4cとスピーカー10L,10Rとを、ハウジング30内の狭いスペースに配置できる。
【0023】
また、図1に示すように、スピーカー10L,10Rは平面視において長方形で、その長手方向が電子機器1の左右方向に沿うように配置されている。また、この例の電子機器1は左右方向に細長い形状を有している。すなわち、スピーカー10L,10Rの長手方向と電子機器1の長手方向とが揃っている。このようなスピーカー10L,10Rの配置によれば、電子機器1の縦幅を抑えることが容易となっている。
【0024】
図1及び図5に示すように、この例のフロントハウジング31は、フロントハウジング本体32と、フロントハウジング本体32の前面に貼り付けられ電子機器1の前面を形成するフロントパネル33とを有している。フロントパネル33は光透過性を有する材料(例えば、ガラスや樹脂)によって形成され、フロントパネル33とフロントハウジング本体32との間に表示パネル2が配置されている。上述した放音孔33aはフロントパネル33に形成されている。図5に示すように、フロントパネル33の内面には、放音孔33aを通して外部の塵や埃が電子機器1に入るのを防止するための防塵シート(例えば、メッシュ部材)36が貼り付けられている。
【0025】
図4及び図5に示すように、スピーカー10Lは、バックハウジング34に配置されている。この例では、バックハウジング34には、スピーカー10Lの外周を取り囲む収容壁部34aが形成されている。すなわち、収容壁部34aによってスピーカー10Lを収容する収容室が規定されている。この例では、収容壁部34aはスピーカー10Lの全周を取り囲んでいる。このような収容壁部34aの存在により、スピーカー10Lの音がバックハウジング34内の他のスペースに漏れ難くなっている。なお、スピーカー10Rも、スピーカー10Lと同様に、バックハウジング34に配置され、収容壁部34aによって規定される収容室に収容されている。
【0026】
図5に示すように、収容壁部34aの内側には、スピーカー10Lに向かって立つ複数のリブ34bが形成されている。スピーカー10Lは、このリブ34bによって回路基板20Lに押し付けられている。これにより、螺子などの取付部材を要することなく、ハウジング30内でのスピーカー10Lのがたつきを抑えることができ、また、スピーカー10Lの音を回路基板20Lの通音孔20aに集中させることができる。なお、スピーカー10Rを収容する収容壁部34aの内側にも、スピーカー10Rを支持するリブ34bが形成されている。
【0027】
この例では、図3及び図5に示すように、回路基板20Lにはシート状のクッション21が貼り付けられている。クッション21は回路基板20Lの厚さ方向の弾性を有する材料で形成されている。クッション21にはスピーカー10Lに対応した形状の孔21aが形成されている。孔21aの内周部にスピーカー10Lの外周部が押し付けられている。このクッション21により、スピーカー10Lと回路基板20Lとの間に隙間が生じることや、スピーカー10Lのがたつきを、より効果的に抑えることができる。上述した回路基板20Lの通音孔20aはこのクッション21の内側に形成されている。
【0028】
図4に示すように、スピーカー10Lの端部には、具体的には左右方向の内側の端部には、板バネ状の端子14が形成されている。一方、回路基板20L,20Rには、図3に示すように、電極パッド20bが形成されている。端子14は電極パッド20bに押し付けられている。なお、クッション21には電極パッド20bを取り囲む孔21bが形成されている。孔21aと孔21bは独立して形成されているため、すなわち、孔21aと孔21bは繋がっていないため、クッション21の接着面を増やすことができる。なお、スピーカー10Rにも、スピーカー10Lと同様に、端子14が設けられている。また、回路基板20Rにも、回路基板20Lと同様に、クッション21が貼り付けられている(図2参照)。
【0029】
フロントハウジング31の内側には、スピーカー10L,10Rの音が通る通路を規定する壁部が形成されている。この例では、図2、図3及び図5に示すように、音が通る通路を規定する壁部として、通音筒35L,35Rがフロントハウジング31に形成されている。上述したように、ハウジング30の放音孔33aは、スピーカー10L,10Rや回路基板20L,20Rの通音孔20aと、回路基板20L,20Rの厚さ方向において向き合うように形成されている。通音筒35L,35Rは通音孔20aと放音孔33aとの間に位置し、上記通路を囲んでいる。通音孔20aと放音孔33aは、電子機器1の正面視において、通音筒35L,35Rの内側に位置している。これにより、スピーカー10L,10Rの音が放音孔33a以外に漏れることを、抑えることができる。
【0030】
上述したように、放音孔33aはフロントパネル33に形成されている。回路基板20L,20Rはフロントパネル33と向き合うように配置されており、それらの間に通音筒35L,35Rが形成されている。通音筒35L,35Rは、その軸線の方向が回路基板20L,20Rの厚さ方向に沿うように形成された筒状であり、回路基板20R,20Lとフロントパネル33とによってその開口端が閉じられている。この例では、通音筒35Lは、図5に示すように、フロントハウジング31のフロントハウジング本体32と一体的に形成されている。フロントパネル33はフロントハウジング本体32に前面に貼り付けられることによって、通音筒35L,35Rの開口端を閉じている。
【0031】
通音筒35Lは、図5に示すように、フロントパネル33側から回路基板20Lに向けて延びている。そして、通音筒35Lの端部35aは回路基板20Lに押し付けられている。これにより、スピーカー10Lの音を放音孔33aに集中させることができる。
【0032】
この例では、回路基板20Lには、図5及び図6に示すように、シート状のクッション22が貼り付けられている。クッション22は回路基板20Lの通音孔20aを囲む形状を有している。すなわち、クッション22には、通音孔20aに対応する位置に、孔22aが形成されている。クッション22は回路基板20Lの厚さ方向の弾性を有する材料で形成されている。通音筒35Lの端部35aはクッション22に押し付けられている。これにより、回路基板20Lと通音筒35Lとの間に隙間が生じることを抑えることができる。なお、回路基板20Rにも、回路基板20Lと同様に、クッション22が貼り付けられている。そして、通音筒35Rの端部は、このクッション22に押し付けられている。
【0033】
フロントハウジング本体32にはバックハウジング34に向かって立つリブや上述の通音筒35L,35Rが形成されている。一方、バックハウジング34にはフロントハウジング31に向かって立つ複数のリブ34cや上述の収容壁部34aが形成されている(図3参照)。フロントハウジング本体32とバックハウジング34は螺子39によって互いに固定され、回路基板20L,20Rは、フロントハウジング本体32のリブや通音筒35L,35Rと、バックハウジング34のリブ34cと収容壁部34aとによって挟まれている。これにより通音筒35L,35Rの端部35aと収容壁部34aの端部は回路基板20L,20Rに押し付けられる。
【0034】
通音筒35L,35Rはスピーカー10L,10Rよりも小さな幅を有し、ハウジング30に収容される他の部品と、ハウジング30の外壁との間に配置されている。この例では、図2及び図3に示すように、通音筒35L,35Rはスピーカー10L,10Rよりも小さな左右方向の幅を有し、操作スティック4L,4Rのケース4cとフロントハウジング本体32の側壁部32aとの間に位置している。特にこの例では、通音筒35L,35Rは側壁部32aに沿って形成されている。一方、スピーカー10L,10Rは、上述したように、回路基板20L,20Rの厚さ方向において、ケース4cと重なるように配置されている。このようなレイアウトにより、ケース4cに対して左右方向の外側に形成される狭いスペースを通してスピーカー10L,10Rの音をハウジング30の外部に出すことができる。なお、この例では、図2に示すように、右側の通音筒35Rと左側の通音筒35Lは、それらの周囲に配置される部品に合わせて、互いに異なる形状を有している。
【0035】
図5に示すように、通音筒35Lの内側には補強壁部35cが形成されている。補強壁部35cはフロントハウジング本体32と一体的に形成された部分である。補強壁部35cは、フロントパネル33に形成された複数の放音孔33aの間の部分の裏側に位置している。補強壁部35cは放音孔33aが形成された部分が外部から押されたときに、当該部分を裏側から支持する。
【0036】
以上説明したように、電子機器1では、スピーカー10L,10Rは回路基板20L,20Rの裏側に配置され、ハウジング30に形成された音を出すための放音孔33aは回路基板20L,20Rの表側に位置している。そして、回路基板20L,20Rはスピーカー10L,10Rの一部から放音孔33aに至る通路を避ける形状を有している。この構造によれば、電子機器1の大型化を抑えながら、すなわち、電子機器1の上下方向の幅は左右方向の幅を抑えながら、スピーカー10L,10Rの音を外部に明瞭に出すことができるようになる。
【0037】
また、回路基板20L,20Rには、放音孔33aに至る通路上に位置する通音孔20aが形成されている。この構造によれば、通路を避けるために回路基板20L,20Rに切り欠きを形成する構造に比べて、回路基板20L,20Rの強度を確保し易くなる。
【0038】
また、ハウジング30の放音孔33aは回路基板20L,20Rの厚さ方向においてスピーカー10L,10Rと重なっている。このレイアウトによれば、スピーカー10L,10Rの音をより明瞭に外部に出すことができる。
【0039】
また、回路基板20L,20Rの通音孔20aはスピーカー10L,10Rよりも小さい。この構造によれば、回路基板20L,20Rに回路パターンを形成し易くなる。
【0040】
また、ハウジング30の内側には、放音孔33aに至る通路を規定する通音筒35L,35Rが形成されている。この構造によれば、スピーカー10L,10Rの音をより明瞭に外部に出すことができる。
【0041】
また、ハウジング30の放音孔33aは回路基板20L,20Lの厚さ方向において回路基板20L,20Rの通音孔20aと向き合い、通音筒35L,35Rはハウジング30の放音孔33aと回路基板20L,20Rの通音孔20aとの間に位置し、放音孔33aに至る通路を囲む筒状である。この構造によれば、スピーカー10L,10Rの音をより明瞭に外部に出すことができる。
【0042】
また、通音筒35L,35Rの端部35aは回路基板20L,20Rに押し付けられている。この構造によれば、ハウジング30内に音が漏れることを防ぐことができる。
【0043】
また、回路基板20L,20Rには回路基板20L,20Rの通音孔20aを囲むクッション22が取り付けられ、通音筒35L,35Rの端部35aはクッション22に押し付けられている。この構造によれば、通音筒35L,35Rの端部35aと回路基板20L,20Rとの間に隙間が生じることを抑えることができる。その結果、スピーカー10L,10Rの音がハウジング30内に漏れることをさらに効果的に防ぐことができる。
【0044】
また、通音筒35L,35Rの左右方向における幅はスピーカー10L,10Rの左右方向における幅よりも小さい。この構造によれば、狭いスペースを有効に利用しながら、スピーカー10L,10Rの音を放音孔33aに向けることができる。
【0045】
また、回路基板20L,20Rには回路基板20L,20Rの通音孔20aを取り囲む形状のクッション21が取り付けられ、スピーカー10L,10Rはクッション21に押し付けられている。これにより、回路基板20L,20Rとスピーカー10L,10Rとの間に隙間が生じることを抑えることができる。その結果、スピーカー10L,10Rの音がハウジング30内に漏れることを防ぐことができる。
【0046】
なお、本発明は以上説明した電子機器1に限られず、種々の変更が可能である。
【0047】
例えば、以上の説明では、電子機器1は2つの回路基板20L,20Rを有していたが、回路基板は1つでもよい。
【0048】
また、スピーカー10L,10Rが回路基板20L,20Rの表側に配置され、音を出すための放音孔はバックハウジング34に形成されてもよい。
【0049】
また、以上の説明では、通音筒35R,35Lはフロントハウジング本体32と一体的に形成されていた。しかしながら、通音筒35R,35Lはハウジング30とは別体の部材でもよい。
【0050】
また、スピーカー10L,10Rの位置は、ハウジング30に形成される放音孔33aからずれていてもよい。
【0051】
また、以上の説明では、回路基板20L,20Rには通音孔20aが形成されていた。しかしながら、回路基板20L,20Rには、スピーカー10L,10Rの開口13aの位置を避けるように、切り欠きが形成されてもよい。
【0052】
また、以上の説明では、スピーカー10L,10Rの音が通る通路を規定する壁部として通音筒35L,35Rが形成されていた。しかしながら、音が通る通路を規定する壁部は必ずしも形成されなくてもよい。また、スピーカー10L,10Rの音が通る通路を規定する壁部は、必ずしも筒状でなくてもよい。例えば、互いに独立した複数の壁部によって、音が通る通路が規定されてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 携帯型電子機器、2 表示パネル、4L,4R 操作スティック、10L,10R スピーカー、11 スピーカー本体、20L,20R 回路基板、20a 通音孔、21 クッション、22 クッション、30 ハウジング、31 フロントハウジング、32 フロントハウジング本体、33 フロントパネル、33a 放音孔、34 バックハウジング、34a 収容壁部、35L,35R 通音筒。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と
前記回路基板の表側又は裏側の一方側に配置されるスピーカーと
前記スピーカーと前記回路基板とを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングには、前記回路基板の他方側に位置する、前記スピーカーの音を外部に出すための放音孔が形成され、
前記回路基板は、前記スピーカーの少なくとも一部から前記放音孔に至る通路を避ける形状を有している、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記回路基板には、前記通路上に位置する孔である通音孔が形成されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記回路基板の通音孔は前記スピーカーよりも小さい、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器において、
前記ハウジングの前記放音孔は前記回路基板の厚さ方向において前記スピーカーと重なるように位置している、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記ハウジングの内側には、前記通路を規定する壁部が配置されている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
前記回路基板には、前記通路上に位置する孔である通音孔が形成され、
前記ハウジングの前記放音孔は前記回路基板の厚さ方向において前記回路基板の通音孔と向き合うように形成され、
前記壁部は前記ハウジングの前記放音孔と前記回路基板の前記通音孔との間に位置し、前記通路を囲む筒状である、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器において、
前記筒状の壁部の端部は前記回路基板に押し付けられている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記回路基板には当該回路基板の前記通音孔を囲むクッションが取り付けられ、
前記筒状の壁部の端部はクッションに押し付けられている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の電子機器において、
前記筒状の壁部の幅は前記スピーカーの幅よりも小さい、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項1乃至9に記載の電子機器において、
前記回路基板には当該回路基板の前記通音孔を取り囲む形状のクッションが取り付けられ、
前記スピーカーは前記クッションに押し付けられている、
ことを特徴とする電子機器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−253634(P2012−253634A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125868(P2011−125868)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】