説明

電子機器

【課題】電子部品の配置の自由度を高めると共に静電気対策を簡便に行えるようにする。
【解決手段】フレキシブル基板113の固定部116には、カバーレイが剥がされてなる銅箔露出部119が形成され、銅箔露出部119の銅箔パターンはデジタルカメラ101のグランドに接続される。固定部116の先端部116aからは腕連結部142を介して2本の腕部120、121が延設形成され、腕部120、121の先端に半田付け部114、115が設けられる。銅箔露出部119が、スピーカ111の金属ケース117の下面117aに導電性の両面テープ118にて貼り付けられると共に、腕部120の半田付け部114、腕部121の半田付け部115が、それぞれ電気端子125、126に半田付けされる。これにより、固定部116がスピーカ111に電気的に接続されると共に物理的にも固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に搭載される電子部品の静電気対策に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器には各種の電子部品が搭載される。例えば、スピーカやマイク等の音響電子部品を備えるデジタルカメラや携帯電話等の電子機器が広く知られている。スピーカの役割は電子機器の外部に音を発することである。従って、効率よく電子機器の外部に音を発するために、電子機器の外装に開口部を設け、この開口部に対応してスピーカを配置し、開口部を通して電子機器の外部に音を発するという構成が一般的である。
【0003】
一方で、電子機器は一般に、ある一定以上の静電気耐性が必要とされる。スピーカ正面の外装に開口部が設けられていた場合、その開口部から静電気が侵入し、スピーカに静電気が印加される。印加された静電気を適切に処理しないと、回路基板や電子部品の破壊による電子機器の故障等の障害が起きてしまう。そこで、スピーカに印加された静電気の処理に関して種々の方法が提案されてきた。
【0004】
例えば、下記特許文献1では、グランドを備える基板上にスピーカを配置し、該基板のグランドと該スピーカとを導電性接着シートで係止する。これにより、静電気対策のための部品の形状の単純化や、静電気対策のための部品と係止部品とを一体化することによる部品点数の削減等を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−208803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、基板とスピーカとを導電性接着シートで貼り付ける構成としているので、スピーカを基板と平行に隣接して配置しなければならない。そのため、電子機器内におけるスピーカの配置の自由度が著しく低いという問題があった。さらに、静電気対策の工程とは別個に、スピーカと基板との電気的接続は導電性線材を用いて行うので、部品点数が多い上、組み立て工程が煩雑になるという問題もあった。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子部品の配置の自由度を高めると共に静電気対策を簡便に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、開口部を有する外装部材と、導電性のある筐体と電気端子とを有し、前記外装部材の前記開口部に対応して配設される電子部品と、前記電気端子に対応する半田付け部を有した腕部と、固定部とを備え、回路基板に電気的に接続されるフレキシブル基板とを有し、前記フレキシブル基板の前記固定部には、グランドに電気的に接続される導電部が設けられ、前記フレキシブル基板の前記腕部の前記半田付け部が前記電子部品の前記電気端子に半田付けされることで、前記電子部品と前記回路基板とが電気的に導通し、さらに、前記導電部が、導電性のある貼り付け材を介して前記電子部品の前記筐体に対して貼着されることで、前記固定部が前記電子部品に固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子部品の配置の自由度を高めると共に静電気対策を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子機器をそれぞれ前面、後面が見える角度から見た外観斜視図である。
【図2】デジタルカメラの図1のA部の内部構成図である。
【図3】スピーカとフレキシブル基板との接合部の縦断面図である。
【図4】フレキシブル基板が接続されたスピーカの斜視図である。
【図5】スピーカの斜視図、フレキシブル基板の部分斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電子機器におけるフレキシブル基板が接続されたスピーカの斜視図、両面テープを貼り付けた状態のフレキシブル基板の固定部の平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る電子機器におけるフレキシブル基板が接続されたスピーカの斜視図、スピーカとフレキシブル基板との接合部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器を前面、後面が見える角度から見た外観斜視図である。
【0013】
電子機器としてデジタルカメラ101を例にとり、静電気対策を適用する電子部品として、音響電子部品であるスピーカ111(図2)を例にとる。デジタルカメラ101は、その外装部材123に、撮像動作を指示するレリーズボタン102、ズーム倍率操作手段103、各種モードを設定するモードスイッチ104、各種操作を行う操作ボタン106を備える。デジタルカメラ101はまた、撮影レンズ105、光学ファインダー107、撮影画像等種々の情報を表示するディスプレイ108を備える。デジタルカメラ101はさらに、外部機器と通信する不図示の端子を覆う端子カバー109、発光により暗い環境下での撮影を可能とするストロボ130等の部材を備える。
【0014】
外装部材123の上部には、デジタルカメラ101の外部にスピーカ111からの音を効率よく発するために、複数の穴からなる開口部110が設けられる。
【0015】
図2は、図1のデジタルカメラ101のA部の内部構成図である。図2では、外装部材123等の部材の図示を省略している。
【0016】
スピーカ111は、外装部材123の内側において開口部110(図1参照)に対応した位置、すなわち開口部110の真下に配置されている。図2に示すように、スピーカ111は、保持部材としてのスピーカホルダ112に保持されている。スピーカ111の上部には、リング状の弾性部材124が貼り付けてある。スピーカ111には、折り曲げが自在なフレキシブル基板113が接続される。スピーカ111はフレキシブル基板113を介して、デジタルカメラ101に配設される回路基板140と電気的に接続され、スピーカ111は回路基板140からの制御信号によりその動作が制御される。また、フレキシブル基板113には、スピーカ111から回路基板140までの経路の途中にストロボ発光制御回路(不図示)等が形成される。
【0017】
図3は、スピーカ111とフレキシブル基板113との接合部の縦断面図である。図3の上側に開口部110が位置する。図4は、フレキシブル基板113が接続されたスピーカ111の斜視図である。図5(a)は、スピーカ111の斜視図である。図5(b)は、フレキシブル基板113の部分斜視図である。図4、図5(a)、(b)はいずれも、スピーカ111の斜め裏側(開口部110の反対側)に相当する方向から見た図となる。
【0018】
まず、図3、図5(a)に示すように、スピーカ111は、導電性のある筐体としての金属ケース117を有する。また、金属ケース117の半径方向中央部は下方に突出しており、その突出部の先端が、平坦で円形の下面117aとなっている。金属ケース117は、下面117aが下方を向くように配設される。下面117aを有した上記突出部の周りの、下面117aより1段高い位置にある環状部131に、2つの電気端子125、126が設けられる(図5(a))。本実施の形態では、電子部品がスピーカ111であるとしたので、電気端子125、126は制御信号を入力するための入力端子として構成される。
【0019】
図3、図4、図5(b)に示すように、フレキシブル基板113は、回路基板140(図2)に接続される側とは反対側の端部に固定部116を有する。固定部116は平面視でほぼ円形であり、回路基板側延設部141を通じて回路基板140に接続される。固定部116において、回路基板140に接続される側(回路基板側延設部141の側)とは反対の側の端部が先端部116aとなっている。先端部116aから、腕連結部142を介して2本の腕部120、121が延設形成されている。腕部120、121は、環状部131が呈する円弧形状に沿って円弧状に延出している。
【0020】
図3、図5(b)に示すように、固定部116の、金属ケース117の下面117aに対向する側の面の一部には、カバーレイが剥がされてなる導電部としての銅箔露出部119が形成されている。銅箔露出部119の銅箔パターン(不図示)は、デジタルカメラ101の不図示のグランド(例えば、デジタルカメラ101の操作基板の接地パターン部)に接続されている。このグランド用の電気的経路は、スピーカ111の電気端子125、126を通じた制御信号の電気的経路とは別個に、互いに干渉しないように独立して確保される。
【0021】
また、腕部120、121の先端において、銅箔露出部119と同じ側を向く部分には、半田付け部114、115が設けられている(図4、図5(b)参照)。腕部120、121内には、制御信号を通す線(不図示)が配線されている。
【0022】
図3に示すように、フレキシブル基板113の固定部116の銅箔露出部119は、スピーカ111の金属ケース117の下面117aに、導電性の貼り付け材としての両面テープ118にて貼り付けられる。これにより、金属ケース117に固定部116の銅箔露出部119が両面テープ118を介して電気的に接続される。
【0023】
さらに、腕部120の半田付け部114、腕部121の半田付け部115が、それぞれ電気端子125、126に半田付けされる。これにより、スピーカ111と回路基板140とが電気的に導通し、フレキシブル基板113を介して回路基板140からの制御信号がスピーカ111に入力され得るようになる。
【0024】
このように、半田付け部114、115が電気端子125、126に半田付けされると共に、銅箔露出部119が金属ケース117に対して貼着されることで、固定部116がスピーカ111に電気的に接続されると共に物理的にも固定される。
【0025】
このような構成としたので、開口部110から侵入した静電気がスピーカ111に印加されても、印加された静電気はフレキシブル基板113の銅箔露出部119に流れ込む。銅箔露出部119は上述のようにデジタルカメラ101のグランドに接続されているので、スピーカ111に印加された静電気はデジタルカメラ101のグランドに流れ込むこととなる。その結果、デジタルカメラ101は静電気による故障を免れることができる。
【0026】
加えて、ストロボ発光制御回路等が形成されているフレキシブル基板113に、スピーカ111に接続するための半田付け部114、115と固定部116とを一体的に設けた。これにより、部品点数を削減した単純な構成となっており、組み立ての作業性も良い。しかも、固定部116に、グランドに接続した銅箔露出部119を露出させて設け、それを導電性の両面テープ118で金属ケース117に貼り付けるので、物理的固定と同時に静電気対策も行える。また、静電気を逃がす機能を、折り曲げが自在なフレキシブル基板113に設けたので、スピーカ111の姿勢の制限が小さくなり配置の自由度が高くなる。
【0027】
よって、本実施の形態によれば、電子部品(スピーカ111)の配置の自由度を高めると共に静電気対策を簡便に行うことができる。
【0028】
ところで仮に、固定部116を設けることなく半田付け部114、115と電気端子125、126との接続だけでフレキシブル基板113をスピーカ111に接続したとする。すると、カメラの組み立ての際に、スピーカ111の重量によって半田付け部分に負荷がかかり、断線するおそれがある。
【0029】
ところが本実施の形態では、固定部116がスピーカ111に固定されるので、デジタルカメラ101の組み立ての際に半田付け部114、115に強い力が加わることがない。そのため、半田付け部114、115が電気端子125、126から剥れてしまうことが回避される。
【0030】
さらには、腕部120、121は、固定部116における、回路基板140に接続される側とは反対の側(先端部116a)から延設される。従って、仮にスピーカ111をフレキシブル基板113に取り付けた後にフレキシブル基板113の回路基板側延設部141に力が加わったとしても、その力は主に両面テープ118に加わり半田付け部114、115にはほとんど加わらない。これにより、スピーカ111とフレキシブル基板113との固定後においても、半田付け部114、115が電気端子125、126から剥れてしまうことが回避される。このように、半田付け部114、115へのストレスを軽減し、電気的接続状態を安定維持することができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対してフレキシブル基板の構成が異なり、その他の構成は同様である。
【0032】
図6(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る電子機器におけるフレキシブル基板が接続されたスピーカの斜視図である。図6(b)は、両面テープ118を貼り付けた状態のフレキシブル基板の固定部の平面図であり、スピーカ111の金属ケース117の下面117aに対向する側から見ている。図6において、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0033】
第2の実施の形態におけるフレキシブル基板213は、固定部216を有し、固定部216は、回路基板側延設部241を通じて回路基板140(図2)に接続される。上記した第1の実施の形態では、腕部120、121は固定部116の先端部116aから延設されたが、第2の実施の形態では、回路基板側延設部241から2本の腕部220、221が延設される。すなわち、第1の実施の形態に対し、腕部220、221の延設される基部(根元)の位置が異なっている。
【0034】
腕部220、221の各先端に半田付け部114、115が設けられる。腕部220、221は、平面視略円形の固定部216を囲むように、スピーカ111の環状部131が呈する円弧形状にほぼ沿って円弧状に延出している。半田付け部114、115が電気端子125、126(図5(a))に半田付けされる。
【0035】
固定部216には、上記した第1の実施の形態における固定部116の銅箔露出部119と同様の銅箔露出部219が形成されている。銅箔露出部219の銅箔パターン(不図示)は、銅箔露出部119と同様にデジタルカメラ101の不図示のグランドに接続されている。銅箔露出部219は、スピーカ111の金属ケース117の下面117aに導電性を有する両面テープ118にて貼り付けられる。固定部216やフレキシブル基板213におけるその他の部分の構成は、固定部116やフレキシブル基板113と同様である。
【0036】
図6(b)に示すように、半田付け部114、115の位置が回路基板側延設部241から十分に離れた位置となるよう、腕部220、221の長さが設定される。すなわち、腕部220、221の根元からの間隔が、両面テープ118よりも半田付け部114、115の方が大きくなっている。
【0037】
これを具体的に表現すると次のようになる。まず、回路基板側延設部241からの腕部220の分岐点227から、近い方の半田付け部である半田付け部114までの最短距離をB1とする。また、回路基板側延設部241からの腕部221の分岐点228から、近い方の半田付け部である半田付け部115までの距離をB2とする。ここではB1=B2であるとするので、これらを総称して距離Bと記す。分岐点227、228から、固定部216に貼り付けられた両面テープ118までの最短距離をCとする。そして、距離Bと距離Cの間にはB>Cの関係が成り立っている。B1=B2でない場合でも、それぞれ、B1>C、B2>Cの関係が成り立つとする。
【0038】
このような長さ設定により、スピーカ111をフレキシブル基板213に取り付けた後にフレキシブル基板213の回路基板側延設部241に力が加わったとしても、その力は主に両面テープ118に加わり半田付け部114、115にはほとんど加わらない。これにより、スピーカ111とフレキシブル基板213との固定後においても、半田付け部114、115が電気端子125、126から剥れてしまうことが回避される。
【0039】
第1の実施の形態と同様に、開口部110から侵入した静電気がスピーカ111に印加されても、印加された静電気はフレキシブル基板213の銅箔露出部219に流れ込み、グランドに流れ込む。その結果、デジタルカメラ101は静電気による故障を免れることができる。
【0040】
本実施の形態によれば、電子部品(スピーカ111)の配置の自由度を高めると共に静電気対策を簡便に行うことに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。それだけでなく、半田付け部114、115へのストレスを軽減し、電気的接続状態を安定維持すること、及び、部品点数を削減し、単純な構成で組み立ての作業性を向上させることに関しても、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0041】
なお、半田付け部114、115へのストレスを軽減するという観点に限れば、腕部220、221の延設の基部(根元)の位置は、回路基板側延設部241に限られない。例えば、固定部216から腕部220、221を延設してもよい。ただし、腕部220、221が、固定部216における両面テープ118よりも回路基板140に接続される側寄りの位置から延設されるときは、上記のようにB>Cの関係が成り立つようにする。
【0042】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、第2の実施の形態に対して、フレキシブル基板の構成が異なり、その他の構成は同様である。
【0043】
図7(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る電子機器におけるフレキシブル基板が接続されたスピーカの斜視図である。図7(b)は、スピーカ111とフレキシブル基板との接合部の縦断面図である。図7において、第2の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0044】
図7(b)に示すように、外装部材123の内側に、保持部材としてのスピーカホルダ112が配設される。スピーカ111は、外装部材123の開口部110が形成される部分とスピーカホルダ112との間に配設される。スピーカ111の上部に貼り付けられているリング状の弾性部材124の上面は、外装部材123の内側面123aに対向している。
【0045】
フレキシブル基板313は、固定部316及び押し付け部322を有する。固定部316は、回路基板側延設部241を通じて回路基板140(図2)に接続される。図7(b)には現れていないが、上記した第2の実施の形態と同様に、回路基板側延設部241から2本の腕部220、221が延設され、腕部220、221の各先端に半田付け部114、115が設けられている(図7(a)参照)。そして、半田付け部114、115が電気端子125、126に半田付けされる。固定部316には、第2の実施の形態における固定部216と同様に、不図示のグランドに接続される銅箔露出部219が形成されている。
【0046】
押し付け部322は、固定部316の先端部316aから延設される。すなわち、先端部316aから延びる部分が折り曲げ部323で弾性的に折り曲げられることによって押し付け部322が設けられる。押し付け部322は、固定部316に対して銅箔露出部219が設けられる面とは反対の側(裏側乃至下側)から対向する。
【0047】
従って、配置関係は、外装部材123の内側面123aに近い側から順に、弾性部材124、スピーカ111、固定部316、押し付け部322となっている。折り曲げ部323及び押し付け部322は、弾性力を発揮できればよく、電気的導通の機能を有することは必須でない。
【0048】
組み立て状態においては、押し付け部322は、スピーカホルダ112の水平な保持面112aに弾性的に当接している(図7(b))。これにより、折り曲げ部323の弾性によって、固定部316及びスピーカ111を介して弾性部材124が外装部材123の内側面123aに押し付けられるようになっている。その結果、弾性部材124は内側面123aに密着している。
【0049】
このような構成とすることにより、スピーカ111から発した音が外装部材123の内側に漏れ出ることが抑制され、開口部110からデジタルカメラ101の外部にスピーカ111からの音を効率よく発することができる。その他の効果は第2の実施の形態と同様である。
【0050】
なお、本実施の形態において、押し付け部322を設けて、音が外装部材123の内側に漏れ出ることを抑制するという観点からは、第1の実施の形態の構成を組み合わせてもよい。すなわち、腕部が延設される基部(根元)の位置を、回路基板側延設部241ではなく固定部316の先端部316aあるいはその近傍としてもよい。
【0051】
上記各実施の形態において、電子機器としてデジタルカメラを例にとったが、これに限られず、電子部品の静電気対策が必要とされるような携帯電話等の各種の電子機器に本発明を適用可能である。また、静電気対策が必要とされる電子部品としてスピーカ111を例示したが、これに限られず、ブザーやマイク等の、スピーカ以外の音響電子部品やその他の電子部品にも本発明を適用可能である。
【0052】
また、スピーカ111と回路基板140とを接続するフレキシブル基板113等にストロボ発光制御回路が形成されている例を示したが、電源回路等、ストロボ発光制御回路以外の他の用途の回路が形成されていても良い。また、フレキシブル基板113等は、スピーカ111と回路基板140との間で制御信号とグランド信号を通すことだけを役割とした構成としても良い。
【0053】
フレキシブル基板113等で電気的に接続される電子部品と回路基板との関係においては、電気信号の入力及び/又は出力を行うものであればよい。従って、電子部品の電気端子は、その電子部品に応じた端子であればよく、入力端子に限られず、出力端子、あるいは入出力端子であってもよい。
【0054】
また、腕部の数は問わず、3本以上であってもよい。あるいは、1本に2つの半田付け部を設けてもよい。
【0055】
また、固定部116等とスピーカ111の金属ケース117とを貼着する貼り付け材として、導電性の両面テープを採用したが、これに限られない。例えば、導電性接着剤等、導電性を有する他の貼り付け材を用いても良い。
【0056】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0057】
110 開口部
111 スピーカ
113、213、313 フレキシブル基板
114、115 半田付け部
116、216、316 固定部
118 両面テープ
119、219 銅箔露出部
120、121、220、221 腕部
125、126 電気端子
140 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する外装部材と、
導電性のある筐体と電気端子とを有し、前記外装部材の前記開口部に対応して配設される電子部品と、
前記電気端子に対応する半田付け部を有した腕部と、固定部とを備え、回路基板に電気的に接続されるフレキシブル基板とを有し、
前記フレキシブル基板の前記固定部には、グランドに電気的に接続される導電部が設けられ、
前記フレキシブル基板の前記腕部の前記半田付け部が前記電子部品の前記電気端子に半田付けされることで、前記電子部品と前記回路基板とが電気的に導通し、さらに、前記導電部が、導電性のある貼り付け材を介して前記電子部品の前記筐体に対して貼着されることで、前記固定部が前記電子部品に固定されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記腕部は前記固定部から延設されることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記腕部は、前記固定部における、前記回路基板に接続される側とは反対の側の端部から延設されることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記腕部は、前記フレキシブル基板における、前記導電部よりも前記回路基板に接続される側寄りの位置から延設され、前記腕部の根元から前記貼り付け材までの距離よりも、前記腕部の前記根元から前記半田付け部までの距離の方が長いことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記外装部材の内側に配設される保持部材を有し、前記フレキシブル基板には、前記固定部から延びる部分が折り曲げ部で弾性的に折り曲げられることによって前記固定部に対して前記導電部が設けられる面とは反対の側から対向する押し付け部が設けられ、前記外装部材の内側面と前記保持部材との間に、前記外装部材の前記内側面に近い側から順に、弾性部材、前記電子部品、前記固定部及び前記押し付け部が配置され、前記押し付け部が前記保持部材に当接することで、前記折り曲げ部の弾性によって、前記固定部及び前記電子部品を介して前記弾性部材が前記外装部材の前記内側面に押し付けられるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−255990(P2012−255990A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130114(P2011−130114)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】